第58回 是清の経済・財政政策①など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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さて。第52回の記事文末で予告していました、「共産主義と左翼」とのタイトルでの記事。
ようやくポイントを絞るべきところはここかな、というところまでたどり着きましたので、改めてこのタイトルでの記事を作成することにしたいともいます。

ただ、調べていますと、この話題に触れるより先に今回のタイトルに掲載しています「是清(これきよ)」。
この人物についてあらかじめ触れておいたほうが、「共産主義と左翼」のタイトルで掲載する内容に、一部通ずる部分があるのではないか、と感じましたので、先にこの「是清の経済政策」とのタイトルで記事を進めてみたいと思います。

高橋是清という人物

是清については、私の過去のブログで詳しく触れていますので、こちらもあらかじめご紹介しておきます。
高橋是清
高橋是清の財政政策
井上準之助の財政政策
高橋是清の財政政策~リフレーション政策~前編
高橋是清の財政政策~リフレーション政策~後編

記事的には結構きれいにまとまっているので、コピペで対応する部分も多くあるかもしれませんが・・・そのあたりはご容赦を。
是清の名前そのものは、このブログでも何度か登場させています。

第18回 『円キャリートレード』を問う
第54回 甘利特命担当大臣、本当にお疲れさまでした m(_ _)m

第54回の冒頭の動画、案の定消されてますね・・・。
それはさておき。是清の名前と必ずセットで登場させているのが現在の副総理であり、総理大臣も務めた麻生太郎さん。そして、「ケインズ政策」という名称です。

ケインズ政策の思想は、是清政策のそれと瓜二つなのです。
ケインズ政策が初めて政策として取り入れられたのは世界恐慌が発生した後。当時米国フランクリン=ルーズベルト大統領の下で執り行われた「ニューディール政策」がまさにその政策になります。

ニューディル政策が手掛けられたのは1933年。高橋是清が有名な「リフレーション政策」を実行したのは1932年。
つまり、世界で最も早く「ケインズ政策」を実施したのは高橋是清だということになります。

ただ、以前のブログを記していた当時はまだ勉強をし始めた当時だったこともあり、タイトルにまで普通に「リフレーション」という言葉を用いていますが、現在では是清の政策にこの「リフレーション政策」という言葉を用いる事には若干抵抗があります。

元々この考え方が現在の日本に広く知れ渡るようになったのは、2ちゃんねるからスタートした三橋貴明さんが「日本の借金は政府の借金であって国民の借金ではない(だから政府支出が増えても問題ない)」という考え方をWebや書籍を通じて広く発信し始めたことが原因です。

2007年頃でしょうか。元々は韓国経済や中国経済の脆弱性を謳って登場していたように記憶しています。

個人的には、消費増税が行われた後(つまり彼が信頼していた麻生さんが三橋さんの考え方を事実上裏切ったこと)が原因で、突然安倍内閣を攻撃する主張に切り替わってしまったことは、とても残念だと思っています。

話題がそれましたが、彼が登場するまで、経済界で最も中心的だった考え方は「日本財政破綻論」でした。
日本の国債が当時で600~700兆ほどだったでしょうか。「国債に占める税収の割合」をその論拠とし、「日本の財政は破たん寸前である」と訴える似非経済学者たちがはびこっていた時代でした。

副島隆彦、野口 悠紀雄、藤巻 健史、竹中平蔵、 池田信夫等は、その代表的な人物です。
意外かもしれませんが、みなさんに有名な池上明もまたこういった破綻論を唱えていた人物の一人です。

NHK週刊子どもニュースで、子供から「お金がないのなら、発行したらいいのではないか」と聞かれ、返答に窮した・・・と彼は自書に記しています。著書の中で、彼は「お金を発行できない理由」として、「発行すればハイパーインフレが起きる」などと記していたように記憶しています。どんな妄想だそれ、と突っ込みたくなります。

よく見ているとわかるのですが、彼は平気で自分の主張を変えます。
依然とまったく異なる主張を平然とTV画面で言ってのけられる男です。少なくとも「以前の私の考え方はこのような考え方でしたが、真実は・・・」というように語ればまだかわいげもありますがね。

「経済学」を難しく感じるのは、とてもわかりにくいことを、専門的な用語を濫用して、さらに難しく説明するから難しく感じるのです。
結局不勉強な人々はこのような考え方を理解することができず、「専門家の人たちが言っているから」というとても短絡的な理由で「日本経済は破たん寸前である」というようなフィクションを簡単に信じるのです。

ですが、三橋さんらが登場し、わかりにくかったはずの経済を、とてもわかりやすい用語や表現を用い、破綻論者たちの嘘を次々と暴き始めた頃に登場し始めたのが「リフレ派」という言葉です。


「破綻論者たちの手口」

自分たちの主張が嘘だとばれるとまずいのは破綻論者たちです。
彼らは自分たちの破綻論を武器に書籍を出版し、セミナーを開催、コンサルに入り、荒稼ぎしてきたのですから。

彼らは三橋さんたちが多用する主張を自らも用い始めます。
ただ用いるだけでなく、その主張をまたしても「難しい経済用語」を用いて解説し始めるのです。○○曲線やら○○派やら、難しい公式やら・・・。

そして、「似たような主張」を同じ文脈の中で用いることで、「まったく同じもの」であるかのように誤解させます。

その代表的なものが「ケインズ経済学」と、第15回の記事でもご説明したことのある「マネタリズム」という名称です。

この両方に「リフレ派」という名称を与え、あたかも同一のものであるかのように錯覚させます。
ケインズの考え方を大切にする人たちにも「ケイジアン」という名称を与え、胡散臭いものにしてしまいます。

破綻論者たちは、このような方法を用いて日本国民を欺き続けてきたのです。理由は、自分たちの利益のため。
書籍を売り、セミナーを行い、コンサルに入って荒稼ぎするため。

ですが、ケインズの考え方とマネタリズムとの間には決定的な違いがあります。
それは、「供給量を増やした通貨の利用方法に政府が関与するのかしないのか」という部分です。

是清の経済・財政政策



こちらが高橋是清さんです。「ダルマ宰相」などともいわれたのだそうですよ。

是清の経済・財政政策の中で、もっとも有名なのは、「政府が発行した国債を、日銀に直接買い取らせる」という方法です。
この方法は、現在では財政法第5条によって、原則禁止されています。

理由は、日銀による国債の直接買い取りが、日本国を彼の第二次世界大戦へと突き進ませたと考えられたから。

この主張は、ある意味間違ってはいません。

先月。2月26日は、高橋是清の命日です。
高橋是清は、軍部によって暗殺されてその命を閉じます。これが、有名な「2.26事件」です。

是清は、日銀に国債を直接買い取らせることによって得た財政資金を、軍部へと投じました。
現在でいう「公共事業」に相当する分野です。当時は時代が時代ですから、これを「おかしい」と感じるのは少し違いますよね。

そもそも是清がこの政策を行ったのは、米国ウォール街での株価大暴落に端を発する「世界恐慌」が発生したことが理由です。
当時の日本経済は関東大震災と昭和金融恐慌の影響で疲弊しており、なおかつ政権の座に就いた内閣が行った金融のグローバル化・緊縮財政策がきれいに裏目に出て、「昭和恐慌」と呼ばれる深刻な経済危機に陥ります。

是清が登場したのはまさにこの時。(実際は『最登場』ですが)
現在の安倍内閣で言えば、日銀による国債の直接買い取りが「第一の矢」、軍部への資金投入は「第二の矢」に相当します。
また、ピンポイントで軍部に投入されていますから、投資先が明確になっていることから、これは「第三の矢」の役割も兼ねています。

このことによって、見事に日本国経済は昭和恐慌の災厄から立ち直り、世界で最も早く世界恐慌の影響から脱却したのです。
図らずも、このことが日本が第二次世界大戦へと突入せざるを得ない状況へと追い込んでしまうのですが、この話はまた後日。

戦後、「財政第5条」により日銀による国債の直接買い取りが原則禁止された最大の理由は、是清が暗殺されたその理由にあります。
「リフレーション」とは、「デフレ下」の経済を「デフレ」から脱却させ、「過度のインフレに陥らない状況」が安定して維持されている状況のことを言います。

もちろん、当時の日本にはそんな用語はなかったはずですし、世界中で誰も「過度のインフレにさせない」ことが大切であることなんて気づいていなかったのではないでしょうか。
4年間で2%のインフレ率、7%の経済成長を果たした是清の財政政策。

経済成長が過熱することを防ぐため、緊縮財政への転換を図ろうとします。
日銀による国債の直接買い取りで生み出された資金が投じられていたのは「軍備」ですから、この状況における「緊縮」とはすなわち「軍縮」を意味します。

2.26事件により是清が暗殺されたことにより、軍拡の為の資金投与を止めるものが誰も存在しなくなってしまいました。
当時の岡田内閣も崩壊します。

もちろん、このことだけが日本を第二次世界大戦に突入させたわけではありませんが、日本が第二次世界大戦へと突入する一つの役割を担ったことは事実です。

是清が暗殺されなければ・・・ひょっとしたら日本の歴史はもう少し違っていたかもしれませんね。

さてさて。
改めて冒頭でお伝えした是清の存在と「『共産主義と左翼』のタイトルで掲載する内容に、一部通ずる部分」。
これは、もう少し歴史をさかのぼって、是清が日本の歴史に対して最も重要な役割を果たした史実について、次回記事では掲載したいと思います。

このシリーズの過去の記事
>> 第59回 是清の経済・財政政策②~是清と日露戦争~
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