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第496回 対コロナ対策としての家賃補助制度報道のデマを検証するなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>新型コロナウイルスについて


記事としては、将来消えてしまわない者の方がよいと思うので、こちらの産経新聞記事からまずは引用します。

【産経ニュース記事より 2020.4.30 21:00】
自民、家賃補助独自案へPT 岸田氏、求心力の維持狙う

 自民党は30日、新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減した飲食店のうち、賃貸物件に入居するテナントの家賃支援を検討するプロジェクトチーム(PT)の初会合を開いた。野党が既に家賃を一定期間猶予する法案を衆院に提出しており、検討を急ぐ。

 「時間との戦いだ。早急に取りまとめていただきたい」。会合の冒頭、自民の岸田文雄政調会長はこう述べ、迅速な協議を求めた。PTは岸田氏の案を基に、5月7日に党としての考えを取りまとめる。

 岸田氏の案は、家賃の支払いが困難な借り主(テナント)に対して政府系金融機関などが無利子・無担保融資を実施。テナントは融資を家賃などの固定費に使い、家賃の一部を国が後から給付金や助成金などで補填(ほてん)する。法整備が不要で、迅速に対応できる。

 岸田氏は減収世帯への30万円給付で党内を主導したものの、一律10万円給付に覆された。家賃支援で独自案を打ち出し、「ポスト安倍」の有力候補として求心力を維持したい考えだ。

 今回のPT座長には石原伸晃元幹事長、座長代理には根本匠前厚生労働相が就任。石原氏はかつて宏池会(現岸田派)に所属し、平成12年の「加藤の乱」では岸田氏や根本氏らと行動を共にした盟友だ。PTでは両氏が岸田氏を支える。

 公明党も30日、オーナーやテナントを支援する地方自治体の取り組みに対し、国が補助金などを支給することを柱とした対策案を打ち出した。

 立憲民主など野党5党の支援法案は2月以降、1カ月の売り上げが2割以上減った中小企業や個人事業主などを対象に日本政策金融公庫が家賃を肩代わりする猶予制度と、テナントの家賃を減額したオーナーに国が財政支援する補助制度を組み合わせた。(長嶋雅子)

個人的に、政治家としての岸田さんはあまり好きじゃないので、この記事のタイトルにも非常に抵抗を覚えるのですが、記事としてはコロナウイルスに対して、休業等の要請により収入が激減し、支払いが困難となった

 「家賃の支払いが困難な借り主(テナント)」

に対して家賃補助をどのように行っていくのか、とすることについて、自民党が独自案を考え始めましたよ、という内容になっています。

また更に野党から「家賃を一定期間猶予する法案」が既に「衆院に提出」されている事、

公明党からは「オーナーやテナントを支援する地方自治体の取り組みに対し、国が補助金などを支給することを柱とした対策案」が出てきたという事、

野党案の詳細として「1カ月の売り上げが2割以上減った中小企業や個人事業主などを対象に日本政策金融公庫が家賃を肩代わりする猶予制度」に加えて「テナントの家賃を減額したオーナーに国が財政支援する補助制度」が組み合わせられた事なども記されていますね。

ですが、このような記事を読みますと、あたかも現政権が「家賃」を補助する制度について、あたかも全く何一つ実行していないかのような印象を受けてしまいませんか?

そう。私がこのような話題の振り方をするという事は、そうではない、という事です。現政権は既にコロナの影響を受けた「国民」や「事業者」に対する補助制度を既に用意しているという話です。

野党は、現政権が野党が要求したこのような家賃の補助制度、及び「アルバイトの収入が減って生活が厳しい大学生への支援」についての要請に対し、「応じなかった」として現政権を追求する姿勢を見せている・・・という報道もよく見ますね?

ですが、このような報道の在り方は、私は決して適切ではないと思います。

現政権は、これらの支援をサポートするために「新制度」を作ることではなく、「現行の支援制度を拡充する」形で様々な支援策を既に実行済みです。その上で、例えば「持続化補助金制度」などの新制度を合わせて施行しています。

このようなことを、一体どれほどの方がご存じなのでしょうか?


家賃の猶予、免除に応じた不動産業者への固定資産税の免除

国交省のホームページより引用します。

ビル賃貸事業者の皆様へ~新型コロナウイルス感染症に係る支援策~

1. 減免したテナントの賃料は損金として計上することが可能です。

法人・個人が行った賃料の減額が、次の条件を満たすような場合等には、その減額した分については、寄附
金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能であることが明確化されました。

① 取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること

② 実施する賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること

③ 賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること

2. 国税・地方税・社会保険料が、原則として1年間納税猶予されます。

新型コロナウイルス感染症により国税・地方税・社会保険料を一時に納付することが困難な場合は、個人・法人の別、規模を問わず、申請により、原則として1年間、納税が猶予されます(延滞税も軽減)。

また、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する税については、新型コロナウイルスの影響により令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね 20%以上減少している場合かつ、一時に納付することが困難と認められるときは、無担保・延滞税(延滞金)なく、1年間納付を猶予することができます。

※ 不動産所有者等がテナント等の賃料を減免した場合や、税・社会保険料の納付期限において賃料支払いを猶予した場合も収入の減少として扱われます。

3. 固定資産税・都市計画税が減免されます。

新型コロナウイルス感染症の影響により事業等に係る収入に相当の減少があった場合、中小事業者、中小企業者が所有し、事業の用に供する家屋(建物)及び償却資産(設備等)の令和3年度の固定資産税及び都市計画税が、事業に係る収入の減少幅に応じ、ゼロ又は1/2となります。

※ 不動産所有者等がテナント等の賃料支払いを減免した場合や、 書面等により賃料支払いを猶予した場合も収入の減少として扱われます。

このほか、同ページには融資や持続化補助金についての記載もあるのですが、「家賃の減免に応じた不動産業者」に対する直接の支援制度としてはこの3つではないかと思いますね。

固定資産税の免除(減少幅による)以外にもかなりな優遇制度が用意されています。

実は、「固定資産税の免除」については不動産業者だけでなく、「中小企業及び小規模事業者」についても同様な制度が用意されています。


中小企業者・小規模事業者に対する固定資産税・都市計画税の減免

おそらくなんですが、制度としては不動産業者に対する減免制度よりも先にこちらの「中小企業者・小規模事業者」に対する制度が先に考えられていたんじゃないかと思います。

以下、中小企業庁HPからの引用です。

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している
中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免を行います


<減免対象> ※いずれも市町村税(東京都23区においては都税)

・事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
・事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

020年2月~10月までの任意の 連続する3ヶ月間 の事業収入の対前年同期比減少率

  50%以上減少・・・全額
  30%以上50%未満・・・2分の1



住居確保給付金

この制度は、元々「生活困窮者自立支援制度」として平成27年に制定された制度で、この制度が今回のコロナに関連して対象が拡大され、条件も緩和されました。

元々の制度としては、

➢ 支給対象者
○ 申請日において65歳未満であって、離職等後2年以内の者
○ 離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
○ ハローワークに求職の申し込みをしていること
○ 国の雇用施策による給付等を受けていないこと

➢ 支給要件
①収入要件:申請月の世帯収入合計額が、基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12)+家賃額
以下であること。家賃額は、住宅扶助特別基準額が上限。
(東京都1級地の場合)単身世帯:13.8万円、2人世帯:19.4万円、3人世帯:24.1万円
②資産要件:申請時の世帯の預貯金合計額が、基準額×6(ただし100万円を超えない額)以下であること。
(東京都1級地の場合)単身世帯:50.4万円、2人世帯:78万円、3人世帯:100万円
③就職活動要件:ハローワークでの月2回以上の職業相談、自治体での月4回以上の面接支援等

➢ 支給額
賃貸住宅の家賃額(上限額は住宅扶助特別基準額)(東京都1級地の場合 単身世帯:53,700円、2人世帯:64,000円)

➢ 支給期間
原則3か月間(就職活動を誠実に行っている場合は3か月延長可能(最長9か月まで))

という内容になっていました。

ですが、例えばコロナに関連して家賃に困窮する対象の中には「個人事業主」も含まれていますね?

個人事業主ですから、当然コロナ騒動が落ち着いたら事業を再開する人もいるでしょうし、もしくは現在収入が激減していたとしてもいつかは回復するかもしれません。

ですからそんな人は当然「ハローワーク」などにはいきませんし、就職活動もしません。

この事から、「支給対象者」に以下のような条件が加えられました。

○ 申請日において65歳未満であって、離職等後2年以内の者
○ 給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にあるもの

また、これはきっちり確認できているわけではありませんが、

○ 離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
○ ハローワークに求職の申し込みをしていること
○ 国の雇用施策による給付等を受けていないこと

の3つの条件は撤廃されているのではないかと思います。

ちなみに「補助率」というものがありまして、家賃の3/4がその補助の対象となります。

実施主体は都道府県・市・区等の自治体で、例えば私が住んでいる愛媛県では以下のような内容になっています。

支給内容

支給額

世帯の人数に応じた額を上限として、支給対象者が賃借する住宅の家賃額を支給。ただし、支給対象者の世帯月収が下記(表1)の「基準額(A)」を超える場合は、収入に応じて以下の数式により算定された額を支給。

(上限額)

・単身:32,000円
・2人世帯:38,000円
・3~5人世帯:42,000円
・6人世帯:45,000円
・7人以上世帯:50,000円
(支給対象者の世帯月収が「基準額」を超える場合)

住居確保給付金支給額=家賃額-(世帯月収-「基準額」)
(※)「基準額」は下記の(表1)収入基準額の「基準額(A)」を指す。

支給期間

原則3か月間(一定条件の下(※)最長9か月間)
(※)当該受給中に下記「支給要件」の(6)の活動を誠実かつ熱心に行い、かつ、延長申請時に(2)を除く「支給要件」を満たすこと。

支給方法

県の福祉事務所(県地方局地域福祉課及び八幡浜支局福祉室)から住宅の貸主の口座に直接振り込みます。

支給要件

住居確保給付金は、支給申請時に次の(1)~(8)の要件のすべてに該当する方が対象です。

(1)離職等又はやむを得ない休業等により経済的に困窮し、住居を失った又は賃貸住宅に居住し住宅を失うおそれのあること。
(※)申請者及び申請者と同一の世帯に居住し、生計を一にする者のいずれもが、申請者が就労活動を行うに当たって居住可能な住居を所有していない場合に限ります。

(2)(ア)申請日において、離職、廃業の日から2年以内であること又は(イ)就業している個人の給与その他の業務上の収入を得る機会が当該個人の責めに帰すべき理由、都合によらないで減少し、当該個人の就労の状況が離職又は廃業の場合と同等程度の状況にあること。

(3)離職等の日において、主に世帯の生計を維持していたこと又は申請日の属する月において、主に世帯の生計を維持していること。
(離職時には主たる生計維持者ではなかったが、その後離婚等により、申請時には主たる生計維持者の方も含みます。)

(4)申請日の属する月における、申請者及び申請者と同一の世帯に居住し、生計を一にする者の収入の合計額が下記(表1)の「収入基準額(A)+(B)」の以下の方(※)
(※1)収入には、公的給付を含みます。また、給与収入の場合、社会保険料等天引き前の事業主が支給する総支給額になります。
(※2)基準額(A)は、住民税均等割が非課税となる所得額を収入額に換算し、12分の1を乗じて得た額になります。
(※3)家賃額(B)は、生活保護法による住宅扶助基準に基づく実施機関別の限度額になります。


愛媛県収入基準額

(5)申請日における、申請者及び申請者と同一の世帯に居住し、生計を一にする者の金融資産(預貯金及び現金)の合計額が下記(表2)の金額以下である方

愛媛県資産要件

(6)常用就職の意欲があり、ハローワークに求職申し込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うこと。
(ハローワークへの求職申し込みと月2回以上の職業相談等を受けること、月4回以上「くらしの相談支援室」の面接等の支援を受けること、原則週1回以上求人先への応募を行う又は面接を受けることが必要です。)

(7)申請者及び申請者と生計を一つにしている者のいずれもが、国の雇用施策の給付(求職者支援制度の職業訓練受講給付金)または地方自治体が行う住宅等困窮離職者への類似の給付または貸付を受けていないこと

(8)申請者及び申請者と生計を一つにしている者のいずれもが暴力団員でないこと。

全国版と異なっているのは「補助率」の部分ですね。

全国版では補助率が3/4となっていますが、愛媛県版では「収入基準額」を設定した上で、収入がこれを下回る分では全額、上回る分では収入全額から収入基準額をマイナスした金額、となっていますね。

ちなみに私が参考にしている全国版は「一般財団法人ハトマーク支援機構」様サイトに掲載されている情報を参考にしていまして、「全国版」というと語弊があるかもしれません。


対コロナ対策としての家賃補助制度報道のデマ

さて。いかがでしょう。

この記事に目を通していただいている方の中に一体どの程度の方が現在これだけの補助金・免除制度が整っていることをご存知の方がいらっしゃるでしょうか?

殆んどの方がこの事をご存じないのではないでしょうか?

これらの補助金・免除制度が整った上で、更に給付されるのが「持続化補助金」です。

中小企業で200万、個人事業主で100万です。

果たしてこの額が「少ない」と感じるでしょうか? 政府の経済対策は本当に「後手」に回っているのでしょうか?

確かに私が今回の記事でお示しした現行の政府の助成制度では間に合わない業者もたくさんあるでしょう。

ですが、それを指摘するのなら、まずはこれらの助成制度をきちんと国民にわかりやすく紹介した上で「それでもまだ足りない部分がありますよね?」と訴えるのが本体の報道の在り方ではありませんか?

今回は「家賃」のことしか掲載していませんが、この上で更に用意されているのが企業の従業員の給与を補填する「雇用調整助成金」制度。

実は私、記事にこそ掲載していませんが、今回のコロナに関してはかなり早い段階でこの「雇用調整助成金」には着目していたんじゃないかとする自負もあります。



勿論、手続きが煩雑だとか、上限が低いといった問題点があることも事実ですが、政府としてはかなりな頻度でブラッシュアップを行っていますし、近いうちに電子申請も可能となります。

今朝のNHK報道では西村経済再生担当大臣では将来的な上限の引き上げ、更にその額を過去に遡及して繁栄させることにまで言及していました。

対コロナ法体系全体として、本当に国民の使いやすい形になっているのか、本当に役立っているのか、指摘される部分があるのは当然だと思います。ですが、それは「遅い」わけではないのではないでしょうか?

国民が政府の動きを「遅い」と感じるのは、報道機関がこういった政府の具体的な動きを報道せず、現時点で活用できる法体系に対して全くと言っていいほど報道しないからではないでしょうか?

法体系を考える官僚だって鉄人じゃありません。首相が独断で勝手に法制度を決めることができるわけではありません。

現政権を責める人たちは、寧ろ「後追い」で政府を批判しているようにしか私は見えません。

次回記事では、改めて「一律10万円給付」に対する私の考えと、「持続化補助金」のブラッシュアップすべきではないかと私が感じる部分について記事にしたいと思います。




このシリーズの次の記事
>> 第497回 神制度「緊急小口資金等の特例貸付」と一律10万給付の問題点
このシリーズの前の記事
>> 第495回 政府はなぜ30万給付に拘ったのか~一律10万円給付の弱点~

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