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第481回 年金に対する私の認識の誤りを「年金積立金」から検証など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第480回 年金に対する私の認識の誤りを「厚生年金勘定」から検証


第477回 改めて分析する基礎年金勘定~誤っていた私の分析結果~
第478回 年金制度に対する私の誤った分析結果を再検証します
第479回 年金に対する私の認識の誤りを「基礎年金勘定」から検証
第480回 年金に対する私の認識の誤りを「厚生年金勘定」から検証

上記4つの記事に続く第5弾目の記事です。

きっかけとなったのは第477回の記事 でお伝えしました通り、私が正しいと信じていた従来の「年金制度の仕組み」が誤っていたという事。

内容は重複しますのでここには記しませんが、その誤り方。どのように誤っていたのか。ではそれを検証したうえで、それでも年金制度は破綻しないと言い切れるのか。この点を検証しようと思いまして、今回のシリーズを作成しています。

一番大きなポイントとしては、国民年金勘定や厚生年金勘定に繰り入れられることなく、「基礎年金勘定」のみで運用されている「基礎年金」が存在したという事。

この部分が仮に国民年金勘定や厚生年金勘定に繰り入れられていたとしたら収支状況はどのようになっていたのかを示したグラフが次の二つ。

国民年金収支(基礎年金勘定分を含む)
厚生年金収支(基礎年金勘定分を含む)

国民年金勘定については、2009年まで赤字でしたが、それ以降は黒字になっています。
厚生年金勘定については、赤字幅が狭まってこそいるものの、収支全体としては赤字です。

最新、2017年の収支状況で5.12兆円の赤字です。

ただし、このデータは私の独自の計算方法を用いて作成したものであり、厚生年金勘定については特に本来国民年金勘定に振り分けられるべきものも含まれていることから、データとしては必ずしも正確なものではないことをもお伝えしました。

また次に、「厚生年金勘定」の内、ここから基礎年金部分を全額取り除き、「厚生年金部分」のみをピックアップしてその推移を示したのが次のグラフ。

厚生年金部分収支推移

支出がほぼ増加しておらず、収入のみが増加しているため、収支差額こそ狭まっていますが、最新の2017年の段階でさえ0.54兆円の赤字。一貫して収支差額は赤字であったことがわかります。

ただし、私が作成したグラフとしては、

・「基礎年金部分から繰り入れ」られている部分がその年に亡くなる人の数までは考慮されておらず、「収入」から多めにマイナスされている事
・厚生年金加入者(納付者)の数が期首より期末の方が増えている事
・厚生年金納付者(納付企業)の中にも「未納者」は存在する事。

主にこの3つの理由が加味されていませんので、必ずしも正確な結果を現したものではありません。ですので、このグラフだけを以て、(現時点において)厚生年金部分収支が本当に赤字なのかどうか。これを断言するのは少し急ぎすぎかと思います。

今回の記事では、これらの前提条件を下に、今度は各年金勘定における「年金積立金」の推移を検証することで、では本当に年金会計は全体として危険な状態にあるのかどうか。その部分を検証してみたいと思います。


基礎年金勘定「積立金」から見る年金の財政状況

この部分に関しては第479回の記事 におきまして、記事としては既に取り上げていますね。

基礎年金勘定積立金+剰余金推移

こちらが基礎年金勘定の「積立金」の推移です。

「積立金+余剰金」としているのは、積立金にはその年度末時点での金額であり、その年に発生した「余剰金」は含まれていません。ですので、その年の「余剰金」と「積立金」を加えることで、翌年度の期首(4月時点)での各年金会計の正確な余剰資金を算出することができます。この事が理由です。

2011年までは順調に増加していた基礎年金勘定の「積立金」が翌12年、更に13年と減少しているその理由として、第479回の記事 におきまして、「基礎年金の国庫負担分」の引き上げのための財源を民主党内閣で震災復興のための予算として流用してしまったからだとお伝えしたと思います。

基礎年金勘定収支推移

こちらがその時にお示しした基礎年金勘定全体の収支状況です。今更ですが、私の年金に関する資料は、基本的に収入は「保険料収入」及び「国庫負担分」、支出は「保険料給付費」のみしか計算に加えていません。

年金収支にはそれ以外の項目もあるのですが、それを入れてしまうと焦点がぼやけてしまい、本当に「年金のシステム」だけでクロが出ているのか、もしくは赤字なのかという部分が見えてきにくいと思いますので、そのような方法をとっています。

ただし、「年金積立金」に関してだけはそのような算出方法が難しいので、すべての項目の収支が合算された結果の数字となっております。

基礎年金勘定の収支を見てみますと、12年、13年の収入が少なくなっていることがわかるともいます。ですので、この不足分が「積立金」をより繰り入れられたものと考えられます。

ただし、その上で更に2016年度、2017年度の基礎年金勘定の収支を見てみますと、2016年で296.87億円、2017年で1105.34億円それぞれ赤字出していて、基礎年金勘定積立金においてもその分マイナスが出ています。

単純に考えますと、基礎年金勘定ではその年に「納付される」ことが予測される金額が全額国民年金及び厚生年金勘定より繰り入れられています。

その年に亡くなった方へは給付がなされませんので、その分「基礎年金勘定」では資金が余ることになるはずなのですが、それでも尚積立金を削らざるを得ない状況であった、という事でしょうか?

2017年度は10月より年金の受給に必要な納付機関が25年から10年に短縮されましたので、これに伴う歳出の増加も原因として考えられますが、2016年に関してはそれでは説明が付きません。

制度として、基礎年金勘定で運用されているのは「昭和61年以降に受給者となった人」のみです。最も高齢の方で92歳を過ぎたあたりでしょうか?

厚生労働省が公表している最新の「簡易生命表」によりますと、男性の25%、女性の50%程度が90歳までは生きているのだそうです。

簡易生命表

その割合も年々増えているようですので、この辺りが想定を超えてきたのでしょうか?

これが「基礎年金勘定」の積立金を見た時点での、現時点での私の「予測」です。


国民年金勘定「積立金」から見る年金の財政状況

気を付けていただきたいのは、ここは「未納者」が多い項目で、その分余計に「年金積立金」から切り崩されて運用されている項目だという事です。

国民年金積立金+剰余金推移

動きとしますと、「基礎年金勘定」の積立金の推移とよく似た動き方をしていますね。

ただし、リーマンショックが起きた2008年と、その翌年の2009年を見ますと、順調に積立金が増えていた基礎年金部分とは異なる動きがみられます。

これは、リーマンショックに関連した動向で、「失業者」が増えた事。この事で年金を支払う事の出来ない「未納者」が一気に増えたのではないかと予測されます。

加えて2012年、2013年の落ち込み方も同様ですね。ここもおそらくは国庫負担増加に伴う財源を民主党内閣で年金ではなく震災復興のために使ってしまったことが一つの原因と考えられます。

ただ、震災に伴って失業者が増加し、同時に「未納者」が増えた事もその理由として考えられると思います。

もう一つ、「国民年金加入者」は毎年減少していて、国民年金勘定での「収入」は未納者の増減に関わらず減少していると考えられますので、安倍内閣以降の伸び悩みの理由の一つとして考えられなくはないかと思います。

ただし、「基礎年金勘定」の動向とも一致が見られることから、それ以外になにがしかの理由が考えられるのではないか、とも思います。


厚生年金勘定「積立金」から見る年金の財政状況

さて。回りくどく記事を書いてきましたが、実は私の中である一定の「結論」は出ています。

それが示されているのがこの「厚生年金勘定」における積立金の推移から見えてきます。

厚生年金積立金+剰余金推移

本心とすれば、実は2007年以前のデータも欲しいなと思っています。ただ、今の仕事の都合上、中々まとまった時間が取れませんので、現時点でわかっているデータから検証を進めていきます。

いかがでしょうか? このグラフを見ますと、安倍内閣以前と安倍内閣以後の「動向」が非常にわかりやすく見えてきませんか?

「厚生年金勘定」での積立金の推移を見てみますと、2013年を谷として、それ以前とそれ以後で明らかに動向が異なりますね。

2013年までは積立金が切り崩されており、2014年以降は逆に積み足されていることがわかります。

もう一度こちらのグラフをご覧ください。

厚生年金部分収支推移

こちらは厚生年金勘定の内、「厚生年金部分」の推移を示したグラフです。少なくとも見かけ上は「赤字」でしたね?
もちろん、「厚生年金積立金+剰余金推移」のグラフにはこの「厚生年金部分」のデータも含まれています。

では、先ほどの「厚生年金積立金+剰余金推移」のグラフから、「厚生年金部分」を取り除いてみるとどのようになるでしょうか。

厚生年金積立金(厚生年金部分を除く)

これが、「厚生年金積立金」から「厚生年金部分収支」を取り除いた「厚生年金積立金」の推移です。

ややこしいと思われるかもしれませんが、厚生年金全体の「積立金」から、「基礎年金部分以外の厚生年金保険料(+国庫負担分)」を加え、更に「厚生年金部分の給付費」をマイナスしたデータです。

つまり、もし年金制度が「基礎年金部分」だけで運用されていて、厚生年金会計における「2階部分」がなかったとしたら厚生年金勘定はプラスになるのか、マイナスになるのかというデータです。

ご覧の通り、厚生年金会計全体の収支同様基礎年金部分だけの収支も2013年以降プラスで推移していることがわかります。つまり、「厚生年金部分(二階部分)」では確かに年金会計は赤字かもしれませんが、それを差し引いても「厚生年金会計」全体では安倍内閣以降の収支はプラスだってことです。

こんなことを言うと、「厚生年金だけでいえば確かにそうかもしれないけど、年金会計全体ではどうせ赤字なんでしょ?」

という人もいるかもしれません。では、最後に「年金会計」全体の積立金の収支を見てみましょう。


年金勘定「積立金」全体から見る年金の財政状況

年金積立金+剰余金総額推移

いかがでしょうか? 厚生年金勘定の動きと同様、2013年まで減少し、それ以降は増加に転じていることがわかりますね?

年金積立金総額(厚生年金部分を除く)

こちらは年金積立金総額から「厚生年金部分」を取り除いた動きです。

いうまでもありませんが、当然「年金積立金総額」と全く同じ動きを見せています。

ちなみに、私が示している「年金積立金」にはGPIFによって運用された「運用益」は含まれていません。

最新の2017年のデータで、GPIFの運用を含まない積立金の総額は基礎年金部分まで含めて総額で122兆円ですが、GPIFの運用益をふくめると164兆円です(基礎年金部分は含みません)から、その違いは明らかですね。

ちなみに、安倍内閣がスタートした2013年の私ベースの年金積立金は108.56兆円。最新の2017年が正確には121.77兆円ですから、GPIFの運用に頼らずとも安倍内閣では年金制度全体で12.9兆円の「運用益」を増やしているってことです。GPIFではこれに加えて更に43兆円の利益が生まれているという事です。

5回に渡りまして、非常に回りくどい記事を作成しましたが、これが「結論」です。

もちろん将来にわたって確実に破綻しないかのような私の言い方は決して正しかったとは言えません。これは本当にお詫びしなければならない部分だと思います。

今回の調査で、「第二号被保険者」を増やし、年金会計を安定させていくことがいかに大切な事なのかという事がとてもよくわかりました。そのことは、私の記事にコメントをいただいた さの 様のおっしゃる通りです。

改めまして、私のこれまでの記事を信頼し、ひょっとすると情報ソースとしてご利用いただいたのではないかと思われる皆様に心よりお詫びを申し上げます。

結論としましては、現在の年金の運用方法に従って丁寧に運用していけば、年金制度は決して破綻を過度恐れる必要はないシステムだという事がわかりました。ただし、条件として「第二号被保険者」の数を増やしていくこと。そして安定させていくことが最低条件です。

改めて現在の安倍内閣の政策がいかに正しい政策を実行しているのかという事も実感させられています。

今後、新らしい記事を作成しながら、並行してという事にはなりますが、私の過去の年金に関連した記事で必要な部分を随時修正していきたいと思います。

今後とも、私のブログをどうぞ、よろしくお願いいたします。




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