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第480回 年金に対する私の認識の誤りを「厚生年金勘定」から検証など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第479回 年金に対する私の認識の誤りを「基礎年金勘定」から検証

第477回 改めて分析する基礎年金勘定~誤っていた私の分析結果~
第478回 年金制度に対する私の誤った分析結果を再検証します
第479回 年金に対する私の認識の誤りを「基礎年金勘定」から検証

の3つの記事に引き続き、私の年金制度に対する認識の誤りを検証し、また更にではどのように誤っていたのか、終局的な目的として、年金は本当に破綻しないと言い切れるのか。この事を目的とした記事としては第4段目。

今回は「厚生年金勘定」を分析することによって、年金の収支を測定する上での「ノイズ」を一つ取り除いてみたいと思います。

前回の記事では『次回以降記事では他会計の「積立金」も含めて、全体で年金収支の検証を行ってみます。』と記したのですが、もう一つ前置きとして今回の記事を作成しています。


「厚生年金勘定」のノイズ

「国民年金勘定」も「基礎年金勘定」も共に年金制度の1階部分。
年金制度2

上図でいう「国民年金(基礎年金)」部分の会計収支のみを現したものですが、「厚生年金勘定」では、この所謂「1階部分」に加えて「厚生年金部分」。つまり「二階部分」が含まれる特殊な年金勘定です。

厚生年金勘定がそもそも黒字なのか、赤字なのか。この事をきちんと算出するために、まずはこの厚生年金勘定の「ノイズ」である「厚生年金部分」に集中して記事を作成してみます。

厚生年金収支(基礎年金勘定分を含む)

参考資料としてまずは厚生年金の「保険料」と「給付費」を私独自の計算方法を用いて比較した資料。上表をご覧ください。

この資料で見る限り、厚生年金を「基礎年金勘定+厚生年金部分」で合算して考えると、厚生年金勘定は「赤字」なのではないかとする推測が容易に成り立ちます。

ただし、このグラフの内、「基礎年金部分」に関しては、厚生年金受給者の内に、「国民年金のみを収めていた期間が含まれる受給者」も含まれていますので、単純にこれを「赤字である」と決めつけるわけにもいきません。

ですが、これを「厚生年金部分」に絞れば、ここには重複する受給者は含まれませんから、純粋に厚生年金収支における「厚生年金部分」が赤字であるか、黒字であるのかという事を図ることができます。

もったいぶることはしません。まずは結論から表示します。

厚生年金部分収支推移
※グラフとしてはまだ「未完成」ですから、転用はしないでください。どのように未完成なのかは後述します。

青が保険料収入。

(厚生年金保険料収入+国庫負担分)-基礎年金勘定へ繰入

という式です。計算式に国庫負担分が含まれていますが、これは「基礎年金勘定」へ全額繰り入れられています。


一方で、緑が給付費。

「厚生年金保険料給付費-基礎年金勘定より繰入」

という式です。つまり、長い間赤字だったという事・・・。

基礎年金勘定より繰り入れられた額がそのまま「基礎年金」として給付されますので、その差額が厚生年金部分となります。ただし、「基礎年金部分」には繰り入れられた後、同期間中に受け取り者がいなくなる部分がございます。

その部分は当然浮いてしまうことになりますが、厚生年金勘定としては一体ですので、給付者がいなくなった部分は厚生年金部分の不足部分に充てられていると考えられます。

ただし、グラフ中ではその「多めに見積もって繰り入れられている繰入分」を保険料全体からマイナスしていますので、「収入」の側は少しだけ少なめに算出されています。

ちなみに、「厚生年金収支」の赤字幅は以下のようになっています。これは第478回の記事 でお示ししましたね。

2007年 -7.18兆
2008年 -7.3兆
2009年 -8.04兆
2010年 -7.84兆
2011年 -7.42兆
2012年 -8.32兆
2013年 -8.28兆
2014年 -6.98兆
2015年 -6.32兆
2016年 -5.72兆
2017年 -5.12兆

では、同じ「厚生年金」の内、「厚生年金部分」の赤字幅はどのように推移しているでしょうか?

2007年 -5.92兆
2008年 -5.63兆
2009年 -6.63兆
2010年 -6.95兆
2011年 -5.70兆
2012年 -4.69兆
2013年 -4.35兆
2014年 -3.67兆
2015年 -2.65兆
2016年 -1.28兆
2017年 -0.54兆

リーマンショックの起きた2008年、翌2009年に赤字幅が大きく膨らんでいますが、その原因は受給額が減ったことではなく、給付費が急増したこと。

理由は現時点では不明です。

赤字幅としては厚生年金勘定全体よりも、厚生年金部分の赤字幅の方が縮小幅が大きく、近々黒字化してもおかしくないような状況にはなっていますね。

まあ・・・今の私の心境としては誤った情報を長年配信し続けた罪悪感でいっぱいです。

もう一つの視点いたしましては、年金の加入者数の推移。

第478回の記事 でお示ししました通り、厚生年金の加入者の数は、平成19(2007)年度まで増加し、20年、21年の2年間減少。

22年より再び増加に転じ、以降現在に至るまで毎年増え続けています。

「基礎年金勘定への繰り入れ」は毎年の期首、つまり4月に、前年3月末時点での年金加入者数から1年間に納付されると考えられる保険料の総額を予測して基礎年金勘定に繰り入れられるものです。

ですが、昨年度の期首の厚生年金加入者よりも昨年度期末の厚生年金加入者の数の方が多くなっているわけですから、昨年度に納付された保険料の総額は、昨年度期末の厚生年金加入者の数から予測される保険料の納付額よりも少なくなってしまいます。(加入者数が減少した2年間は取り除いて考えます)

この事から、当然今年度の期首に厚生年金勘定より引き出される「基礎年金部分」の金額は、昨年に納められた厚生年金の「基礎年金部分」の総額よりも多くなってしまいますので、必然的に前年までの厚生年金勘定の資産を切り崩して支払わざるを得ません。

その財源として平成25(2013年)までは厚生年金勘定の「年金積立金」が切り崩されていました。

ですが、2014年以降は、実は厚生年金勘定では「年金積立金」より1銭たりとも財源を受け入れていません。

つまり、2014年以降は、わざわざ年金積立金を切り崩すことをせずとも「厚生年金加入者が増えることによって不足する『基礎年金勘定へ繰入』るための財源」を単年度会計の中で賄えるようになっている、という事がわかります。

またもう1点。「厚生年金」に「未納者」はいない。私はこれを前提として今まで記事を作成してきましたが、厚生年金にも、支払い義務を負った企業がこれを支払わず、場合によってはそのまま倒産してしまうケースもありますから、当然「未納額」も存在します。

上記グラフには、これらの情報が加味されていませんから、単純にこのグラフだけを配信する事だけはご遠慮願いたいと思います。

更にもう一点。厚生年金勘定において「基礎年金勘定」より受け入れている額は、「昭和60年以前に年金受給者となった人」への支給額ですから、当然毎年減少しています。(私が勘違いをして誤った情報配信を行っていた部分です)

にもかかわらず、毎年国庫負担分を含む保険料収入が毎年増え続けているという事はきちんと評価すべきだと思います。

後は、年金の受給年齢が毎年上がっている事。

年金支給開始年齢の引き上げ

上図にある「定額部分」、これが基礎年金部分、「報酬比例部分」、ここが厚生年金部分です。

基礎年金部分に関しては既に受け取り開始年齢の引き上げが終わっていますが厚生年金部分に関してはまだこれから。上図で見る限り、42年までは継続します。

このような状況を考えますと、少なくとも現時点において厚生年金制度の「破綻」を危惧するような状況にはないのではないか、と私は思います。

それでは、次回記事こそ、「積立金」の部分にポイントを絞り、年金制度の新たな解明に向けて、記事を作成していければと思います。




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