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第464回 物価から考える実質賃金~実質賃金の正体完結編~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>実質賃金と名目賃金


<継承する記事>第459回 実質賃金を日本一わかりやすく解説~勘違いからの脱却!~

「しつこい!」と言われそうですが・・・。

日本の将来に向けて、大切なことだと思いますので、私の頭の中で整理できてきたことを、改めて記事にしたいと思います。(大げさだ、思うかもしれませんが、その理由は文末に記します)

前回の記事 で、「完成版」と銘打って記事を作成したわけですが、頭の中で整理していますと、まだ「完成」にはどうやら至っていなかった様ですので、今度こそ、「完結編」として、本当に正しい「実質賃金の正体」について記事にしていきます。

前回の記事 では、以下の二つのグラフを用いて記事を作成しました。

名目賃金比較
実質賃金比較
(※実質賃金のグラフは正確なグラフではありません。何が正確ではないかといいう部分を捕捉すのが今回の記事の目的です)

上が「名目賃金」、下が「実質賃金」を示したものです。グラフは、「昨年」と「今年」を比較したものです。

今回は、前回作成した「名目賃金」のグラフを、項目ごとにもう少し詳細に分析しまして、「物価から見る名目賃金」と銘打って記事にします。


物価は世帯によって異なります。

たどり着いた最終結論はこれ。「物価は世帯によって異なる」ということです。

改めて、先ほどの「名目賃金」のグラフを見てみます。

名目賃金比較

名目賃金の総額が、昨年は25万円、今年は32万円となっています。

昨年の「名目賃金」の内訳は、以下のようになっています。

総額 25万円

 食料品 5万円
 授業料 5万円
 通信費 1万円
 電話代 1万円
 交通費 3万円
 その他 5万円

 消費に回さなかった金額 5万円

この内訳を、もう少し細かく見てみましょう。

総額 25万円

 食料品 5万円

  野菜 5品(キャベツ2玉、ニンジン5本、もやし1袋)
  肉類 3品(豚肉3パック)
  惣菜 10品
  カップラーメン 3個
  ポテトチップス 2袋
  チョコレート 4個
  外食 5回(20品)

 授業料 5万円

  パソコン教室授業料10か月分
  
 通信費 1万円

  インターネット接続料1か月分

 電話代 1万円

  携帯電話代1か月分

 交通費 3万円

  ガソリン代 90リットル
  船舶    1往復
  バス    9回

 その他 5万円

  散髪 1回
  パソコンの修理費 1回
  友人のお誕生日プレゼント 36品

 消費に回さなかった金額 5万円

詳細な内訳の金額はあえて記していません。あと、「物価」を集計するときの単位は詳しく知りませんので、私基準で上記のような単位を用いました。(お誕生日プレゼントは、後で数を分かりやすくするための数を多くしています。)

物価を出す場合は、各項目ごとに「加重平均」を行います。

例えば、「交通費」で考えてみます。

ガソリン代は1か月間、ずっと130円だったとします。その他、船舶が1往復15800円、バス代が1乗車辺り固定で2500円だったとします。高いとか安いとかいう判断はとりあえず無視します。

そうすると、まずガソリン代が総額で130円×90で11700円。船舶が21200円×1で15800円。バス代が2500円×9で22500円です。

ガソリン代、船舶、バス代の総額をすべて足すと5万円になりますね。

「加重平均」を行うときは、この5万円をガソリン代の購入総数60、船舶の購入総数1、バス代の購入総数6をすべて足したもので割ります。式は以下のようになります。

 {(130円×90)+(15800円×1)+(2500円×9)}÷(90+1+9)
=(7800円+21200円+21000円)÷100
=50000円÷100=500円

これが、この人の昨年の交通費の「物価」です。

同じような理屈で考えますと、他の「食料品」や「授業料」、「通信費」、「電話代」、「その他」の項目もすべて、大切なのは何円のものを消費したのか、ではなく、「何個」消費したのか、ということであることがわかりますね。

「食料品」であれば、「野菜」が合計で9。肉類が3、カップラーメンが同じく3、ポテトチップスが2、チョコが3、合計で20です。

食料品の消費額は合計で5万円、消費数量が50ですから、50000円÷50で1000円。
授業料・・・50000÷10=5000円
通信費及び電話代・・・・・10000÷1=10000円
その他・・・50000÷5=10000円。

これがそれぞれの項目の「物価」です。ここから、更に全体の「物価」を求めます。

名目賃金の内、「消費に回された額」は総額で20万円。アイテム数は食料品が50、授業料が10、通信費が1、電話代が1、交通費が100、その他が38。消費総数は50+10+1+1+100+38=200になります。

ということで、この人の昨年の「物価」は20万円÷200=1000円となります。

「物価」というと、政府が目指している物価が「消費者物価指数」という数字ですし、何となく全国一律なのではないか、とイメージしてしまいそうですが、実際には「一人ひとり」物価は異なります。

政府の「消費者物価指数」のホームページを見てみても、先行して「東京の消費者物価指数」の情報が掲載されています。この事から考えても、まず各地域ごとの「物価」が存在することはご理解いただけると思います。

ですが、実際には「地域」だけでなく、各世帯ごとの「物価」が本来存在するのです。


「実質賃金」は「金額」ではなく「数量」を表す数字です。

と、記しますと、意外に思われるでしょうか?

ですが、私は既に 前回の記事 におきまして、以下のように記しています。

「実質賃金」とは、では一体何なのかと申しますと、「受け取った名目賃金で、一体いくつ物やサービスを消費することができるのか」という、「個数」もしくは「量」で賃金を測る方法です。

と。

先ほどの物価の事例で示しました「昨年の物価」から昨年の「実質賃金」を考えてみます。

この人の昨年の「物価」は1000円でした。そして、この物価は名目賃金から「消費に回された金額」から計算しました。これは先ほど皆さんに見ていただいた通りです。

では、この人の、昨年の「実質賃金」はいくらになるのでしょうか?


実質賃金=名目賃金÷物価

そう。実質賃金とは、名目賃金を物価で割ったものです。

こんなことを言いますと、「いや、割るのは物価ではなく『消費者物価指数』だろう!」という人が現れそうですが、そうではありません。

あの公式は、あくまでも「実質賃金指数」を求めるための公式。

 『実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く)』

です。私が何を言っているのかということも、も少ししたらご理解いただけると思います。

実質賃金を求めるための公式は、あくまで「実質賃金=名目賃金÷物価」ですから、この人の場合の実質賃金は、名目賃金である「25万円」を、この人の「物価」である「1000円」で割ったもの。

25万円÷1000円=250

これが、この人の「実質賃金」です。では、この「実質賃金」の単位は「円」なのでしょうか?

違いますね。この250というのは、この人が購入した商品やサービスの数を合計した、「品目数」です。

そして、もう一度思い出してみてください。この人の昨年の物価、1000円という数字は、この人が名目賃金から「消費に回した金額」から算出されましたね?

では、その金額はいくらだったでしょう。そう。「20万円」です。

では、この人が仮に20万円しか賃金を受け取っておらず、上記の事例と全く同じ「消費」を行っていたとしたら、「実質賃金」はいくらになるでしょうか?

そう。「20万円」÷「1000円」ですから、200です。

当たり前ですよね? この人が消費した「品目数」は合計で200だったのですから。では、残る50という「実質賃金」はどこから出てきたのでしょう?

いうまでもありません。この人が消費しなかった金額。つまり「貯蓄に回した金額」から出てきています。

ですが、仮にこの人が、20万円分を消費に回さなければ1000円という物価は生まれていません。そろそろご理解いただけたでしょうか?

20万円を消費に回した結果生まれた物価「1000円」で、消費に回されなかった5万円を割ったもの。これが「実質賃金の正体」です。

実質賃金は、厳密に言えば5万円を1000円で割った50という値に既に消費に回されたはずの200を加えていますから、250がこの人の「実質賃金」です。ですが、この計算結果から、「実質賃金」に求められている定義は、「その月に、消費者が消費に回さなかった賃金で、翌月にいくつその月と同じものを購入することができるのか」という定義です。


物価が高い月は過小評価され、物価が低い月は過大評価される「実質賃金」

ですが、個人的に、「賃金」と呼ぶ限りは、やはり実質賃金は「金額」で表記するべきだと思うのです。

ですので、「実質賃金」の正体が「受け取った名目賃金から消費に回されなかった金額」である以上、実質賃金は「貯蓄に回された額」であると、はっきり定義づけるべきだと思うのです。

もう一度、冒頭に掲載した「名目賃金」の事例を掲載します。

名目賃金比較

「今年」の名目賃金を見てみますと、賃金の額は32万円と増えていますが、その増えた賃金の一部を10万円の「テレビ」の購入に充てています。

もう一度詳細に事例を考えて計算してみても構わないのですが、ちょうど「今年」の消費額の内、「テレビ」の購入に回した10万円を除いた部分の金額が、昨年と同じ「20万円」ですので、今年も昨年と同じように、テレビ以外は200の品目が購入されており、物価も同じ1000円であったと考えます。

昨年と同じ20万円分の物価1000円に加えて、今年は新たに「テレビ」が加わっていますから、改めて「テレビ」を物価に加えてみます。

(1000円×200+10万円×1)÷(200+1)
=30万円÷201
≒1493円

これが、今年の「物価」です。

それでは今年の「実質賃金」はいくらになるでしょうか。

この年受け取った名目賃金は32万円ですから、この金額を物価である1493円で割ってみます。

32万円÷1493≒214

これが今年の「実質賃金」です。前回の記事でも検証していますから、当たり前ですね。当然、昨年より少なくなっています。

では、このうち「消費に回された部分」はいくらでしょうか?

そう。「201」です。214の内、201が消費に回された「実質賃金」。残る13が「消費に回されなかった実質賃金」です。

では、「消費に回されなかった名目賃金」はいくらかと申しますと、「32-30」で2万円。では、もし「消費に回されなかった名目賃金」が昨年と同じ5万円だったとするとどうでしょう?

「消費に回されなかった実質賃金」は、「5万円÷1493」ですから、約「33」になります。

昨年、「消費に回されなかった実質賃金」は「50」でしたね? 今年は10万円余分に消費したのに、なぜか実質賃金は昨年より少なくなってしまったのです。なぜでしょう?

そう。答えは簡単です。昨年に加えて10万円余分に消費を起こしたため、この人の「物価」が493円分高くなったからです。

ですが、既にお示ししましたように、「実質賃金の正体」。つまり、実質賃金に対して最も大きな影響を与えているのは賃金の内、「消費に回されなかった金額」です。

名目賃金が増え、消費を増やした上で、昨年と同じ金額貯蓄したとしても、「実質賃金」の世界ではなぜか昨年より貯蓄が減ったことになってしまっているのです。

これっておかしいですよね?

そう。物価が上昇すると、「実質賃金」は「過小評価」されてしまっています。逆に物価が下落すると実質賃金は「過大評価」されているのです。

このようなデータを用いて実質賃金が下落することを野党連中のように批判するのであれば、それは国民に「値段が高いものは消費するな」と言っているに等しい。

それではいつまでたっても国民の経済は成長しません。

また、「テレビ」の事例でもわかるように、高額商品は本来数年に一度しか購入しないようなものが多く、仮に「自動車の物価が高くなった」ことが理由で物価が上がったのだとしても、車なんで高価なものは、皆が毎月購入するようなものではありません。

一般家庭の生活には関係のないところで物価が上昇し、そのことが原因で実質賃金が下落したとしても、それは「世相を反映したもの」であるとはとても言えません。

物価が上昇したことは喜ぶべきことですが、これと実質賃金は分けて考える必要があるのです。


まとめますと、「実質賃金」は本来数量を表す数字ですので、それが「何円で売れたのか」ということは全く考慮されていません。

高価なものを購入すればおのずと跳ね上がるのが「物価」ですが、そんな高額な商品を毎月購入する人などそうはいません。

グラフに示した事例で考えますと、「今年」貯蓄に回された金額が2万円しか残らなかったのは、高額商品である「テレビ」を購入したことが理由です。

ですが、来月もまたテレビを購入するのかというと、そんなことは通常ありえません(ない、とは言えませんが)。

とすると、「実質賃金」を考える場合も、この人の「物価」から「テレビ」は取り除いて考えるのが本来あるべき姿なのではないでしょうか? ですが、実際は違います。こんな数字が「生活の実感に近い」と本当に言えるのでしょうか?

物価が上昇すれば「過小評価」され、下落すれば「過大評価」されているのが「実質賃金」の真実です。


私は当然自民党を応援していますし、安倍内閣を応援しています。安倍さんを党首とする自民党が目指す「憲法改正」。これを実現するには8月の参議院議員選挙でなんとしても、できれば自民党単独で議席の2/3を獲得する必要があります。

ですが、当然野党は次期参院選において自民党を攻撃する材料として私が記事にした「実質賃金」のネタを使ってきます。

しかし、私の記事を読んでいただければ、「実質賃金」にこだわって安倍内閣を批判し、国会を停滞させようとする行為が、いかに的外れであり、税金の無駄遣い以外に何者でもないのかということがご理解いただけるのではないでしょうか?

ぜひ私の記事をご一読いただき、安倍内閣を支持する皆さんが、憲法改正を実現したいと考える皆さんが、野党の的外れな批判に振り回されることなく、冷静に誤りを指摘できるようになることを、私は心の底から願っています。




このシリーズの次の記事
>> 第470回 明石順平氏説を妄信する皆様へ~実質賃金と実質消費の見方~
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>> 第463回 実質賃金を日本一わかりやすく解説~完成版実質賃金の正体~

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