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第461回 2019年度版本当の国債発行額と国債発行残高の推移など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>日本国債の問題


今回は久しぶりに国債情報を分析したものを記事にしてみます。

タイトルを見て、わかる人にはわかるとは思うのですが、今回の記事には、

 第104回 本当の国債発行額と国債発行残高の推移

の「更新版」としての役割を担ってもらおうと思っています。

同記事を作成したときには、第27回 国債を返済する仕組み~60年償還ルール~ が最も人気のある記事、だったのですが、現時点ではこの104回の記事 が圧倒的に私のブログで第一位のアクセス数を誇っております。

日本で発行される国債の基本的な考え方は、第27回の記事 に掲載しています通りで、日本国の国債が破綻しない最大の理由は、この「60年償還ルール」にある、という考え方に基づいて当ブログは構成されています。

で、60年償還ルールで日本国債が破綻しない理由については、「第359回の記事」でその分析結果を掲載しています。

では、なぜ今になって第104回の記事の更新版を掲載しようと思ったのか。これは、私の「60年償還ルール」に関する考え方を証明するような経済指標が見つかったから。

といっても、別にこれまで掲載してきた記事とは異なる、新しい情報が出てきたわけではありません。これまで掲載してきた情報の、「最新情報」がこれを示していたということです。

「結論から入る」タイプの人には、私の記事は読みにくい、もしくは煩わしく思われるかもしれませんが、このような記事の作り方が私のスタイルですので、どうぞお付き合いいただければと思います。


3つの「国債発行額」の推移

結論から入るタイプの方のために、あらかじめこの記事で掲載する内容をここで掲載しておきます。

1.「一般会計における国債(建設国債+赤字国債)」発行額の推移
2.「借換債」発行額の推移
3.国債発行残高総額の推移

この3つです。それぞれ、2006年度から2019年度まで、過去14年分の「国債発行額」を掲載します。

ここから何が読み取れるのかは順次掲載していきます。

1 一般会計における国債発行額の推移
一般会計における国債発行額

2.「借換債」発行額の推移
借換債発行額

3.国債発行残高総額の推移国債発行残高の推移

2018年度は補正予算を組んだ後の予算、2019年度は当初予算ベースとなっています。

徐にこのグラフを掲載されたところで、皆さんからすれば、「で?」という一言で終わってしまうかもしれません。

例えば第104回の記事 では、2016年までの数字をグラフ化していますが、2016年度には補正予算が含まれていないため、今回のグラフとは多少違っています。

で、そのあたりを見て「2019年もどうせ予算ベースでしょ。また補正予算組んだら増えるんだから意味ないじゃん」とおっしゃる人もいるかもしれません。

ですが、私が見ていただきたいのはそんな1番の表面上の数字ではなく、2番と3番。特に3番の「国債発行残高の増加幅」を見ていただきたいのです。

では、次にその「国債発行残高の増加幅」をグラフではなく、表形式で掲載してみます。

国債発行残高前年差額 : 一般会計前年度差額(単位:兆円)
2006年度 4.8 : -3.8
2007年度 9.8 : -2.1
2008年度 4.5 :  7.8
2009年度 48.0 : 18.8
2010年度 42.3 : -9.7
2011年度 33.6 :  0.5
2012年度 35.1 :  4.7
2013年度 38.9 : -6.6
2014年度 30.2 : -2.4
2015年度 31.3 : -3.6
2016年度 25.2 :  3.1
2017年度 22.6 : -4.5
2018年度 27.0 :  1.8
2019年度 16.5 : -2.7

年度→国債発行残高の増加幅→一般会計における国債発行額の増加幅の順で掲載しています。

この表を下に、私が何を言いたいのか、ご推察いただけるでしょうか?


「60年償還ルール」の満期

私のブログでは、「国債が破綻しない理由」として、この「60年償還ルール」を中心に記事を作成しています。

60年償還ルールとは、日本国政府が発行した国債は60年分割で返済することが可能となっていること。

日本ではこのルールの下に、償還期を迎えた国債はいったん全額償還されるのですが、償還期を迎えた国債のうち、まだ償還する必要のない国債については、「借換えても良い」ことになっています。

「借換債」とは、この「借り換えてもよい国債」に対して発行されているのですが、戦後、日本で初めて国債が発行されたのは、昭和40(1966)年の事。その額1972億円です。

更に調べてみますと、60年償還ルールが決まったのはその3年後、昭和43年(1968年)の事。

で、同年国債発行額の内、1000億円に対してこの60年償還が行われたのが60年償還の始まりだったようです。

では、60年償還が始まった1968年から数えて60年後、とは一体何年になるでしょう。

単純に1968年に60を足した年。つまり、2028年がその60年目となります。


今年が2019年ですから、もうすでに10年を切っています。満期になれば残額は0円になりますから、それ以上借換債を発行する必要はありません。

仮に1968年に発行された国債の借換債が、仮に毎年発行されていたとすれば、最後の借換債が発行されるのは、2017年。

これが償還されれば、1968年に発行された国債の「国債発行残高」は0円になります。

今年は52年分の借換債を含む「国債」が、飛んで2023年には56年分、2024年には57年分、2025年には58年分、2026年には59年分、2027年には60年分の「国債」が、発行されます。

ですが、2028年には1968年に発行された国債の借換債は発行されませんから、前年と同じ60年分の「国債」しか発行されません。

詳しくは第359回の記事 を読んでいただきたいのですが、つまり国債発行残高の「増加」に歯止めがかかるのです。


満期を迎える国債内訳(2018年12月末)

こちらは、財務省が公表している、「国債発行残高」の満期別内訳です。一番左が2018年度、つまり今季で満期を迎える国債の内訳。来年、再来年と右に向かってグラフは進んでいきます。

このグラフを見ますと現在、借換債を含めた国債は、「10年」「5年」「2年」「1年」物の国債が、それぞれほぼ同じ割合で発行されているようです。

先ほどお示しした、1968年債の満期に関する事例は、あくまでも借換債が毎年発行されていたと仮定した場合の事例です。

では、もし「借換債」が毎回「10年物国債」で発行されていたとしたらどうでしょう。1968年、最初に発行された国債が10年物であったとすると、この年に発行された国債の「借換債」が最後に発行されるのは満期を迎える2028年から10年前。2018年には既に発行されている事になります。

この事例で申しますと、2018年には、既に「60年分の国債」が発行されている事になります。遡って17年に59年分、16年に58年分、発行されていることになりますが、2019年には既に60年償還初年度である1968年債の借換債は発行されていないことになりますね。

つまり、借換債が10年物で発行されていた場合に限定すれば、2019年度以降は、借換債の発行年数には既に「上限」が訪れていることになり、「年数ベース」ではこれ以上は増えることはない、ということになります。

借換債の中には「超長期国債」といって、10年を上回る償還期限の国債も発行されており、例えば31年に償還期限を迎える国債の中には、「15年債」や「20年債」が含まれていることがグラフからもわかると思います。

当然ですが、「60年償還ルールベースで考えますと、既にこれらの国債の中には「満期分の借換債」が含まれていることが考えられるわけです。

そこで、再度先ほどの表を見てみます。

国債発行残高前年差額 : 一般会計前年度差額(単位:兆円)
2006年度 4.8 : -3.8
2007年度 9.8 : -2.1
2008年度 4.5 :  7.8
2009年度 48.0 : 18.8
2010年度 42.3 : -9.7
2011年度 33.6 :  0.5
2012年度 35.1 :  4.7
2013年度 38.9 : -6.6
2014年度 30.2 : -2.4
2015年度 31.3 : -3.6
2016年度 25.2 :  3.1
2017年度 22.6 : -4.5
2018年度 27.0 :  1.8
2019年度 16.5 : -2.7


18年度の国債発行残高の「増加幅」が比較的大きく、また一般会計における国債、つまり「新規発行債」の発行額が18年度よりも減少していることが理由として挙げられるとは思いますが、それにしても「16.5兆円」しか「国債発行残高」は増加していません。

リーマンショック前、2007年、2008年に次ぐ水準です。ちなみに2008年の増加幅が小さくなっているのは、ここに占める「財政投融資債」の発行額が前年よりも下落していることにありますので、単純な比較はできません。

そういう意味で言うと、2009年の国債発行残高が大きく増加していますが、これは単に「リーマンショックによる国債発行額の増加」が大きかったということだけではなく、この年に償還期を迎えた国債が多く存在し、「借換債」の発行額が増えていたことが理由として挙げられます。

少し余分なことを記しましたが、それにしても2019年度の国債発行残高の増加幅が極端に少なくなっているように思いませんか?

また、この縮小傾向は、実は2014年から継続しています。18年が極端に上昇しているだけで。

借換債の発行額の推移ももう一度見てみます。

借換債発行額

13年から14年にかけて、一時的に増加していますが、それ以降、19年までの5年間、継続して減少していますね?

このことは、60年償還ルールにおける「最終発行年」を過ぎた国債がそろそろ姿を見せ始めたことが原因なのではないか、と私は思うのです。

「日本国債が破綻する」とか、「日本国債はいくらでも発行していいんだ!」とか、極端な意見が巷では目立ちますが、国債発行残高はそろそろ「増加しにくい状況」へと変わり始めます。

ひょっとすると「減少」に転じてもおかしくはない状況がやってきているわけです。

プライマリーバランス(財政均衡)がどうとか、そういった緊縮云々には全く関係なく、です。

日本の国債発行残高がなぜ増え続けるのか。その本当の「答え」。私の説が正しいかどうかが証明される時期が、そろそろ訪れるのではないでしょうか。




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