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第459回 実質賃金を日本一わかりやすく解説~勘違いからの脱却!~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>第458回 実質賃金マイナス公表の見方~消費されなければ物価にはならない!~

先日より、2度に渡って記事を作成したこの「実質賃金」。私自身が作成した内容を頭の中で反芻し、シミュレートしていたんですが、その中で私、とあることに気づいてしまいました。

私を含め、多分ほとんどの人がこの「実質賃金」という言葉に騙されていたんじゃないかと思うのです。「実質賃金」ですから、どうしても皆さん、「実質的な賃金」と思い込んでしまいがちで、ついつい実質賃金を、「名目賃金を受け取った月に消費に回せるお金」だと思いこんでいたんじゃないかと思うのです。

前回前々回 の記事で、私はこの事に疑問を呈し、そもそも「消費しなければ物価にはならない」ということを散々訴えてきたわけです。

改めて考えていただきたいのは、この「消費しなければ物価にはならない」という言葉の意味です。

実質賃金指数の求め方は、「名目賃金指数÷持家の帰属家賃を除く消費者物価指数」という式で求めることができます。


「持家の帰属家賃を除く消費者物価指数」とは何か?

「持家の帰属家賃」という言葉が乗っかっていますと、すごく難しいもののように感じるかもしれませんが、「持家の帰属家賃」とは、「日本国内では消費されていない物価」です。

シリーズ、「物価」の見方 では散々話題にしていますが、「持家の帰属家賃」とは、「海外の住宅事情と比較するために設けたフィクションの数字」です。詳しくは同シリーズを遡って読んでください。

日本国内では消費されていないわけですから、実質化する際の「物価」からは除外されます。当然ですね。

つまり、「持家の帰属家賃を除く消費者物価指数」とは、例えば1月であれば1月の間に「日本国内で消費された品物やサービスの物価指数」ということになります。

って表現するととてもわかりにくいですよね。そこで、もう少し砕いた表現をします。

「日本国内で消費された品物やサービスの物価」とは、「日本国内で、一人の人が消費した品物やサービスの平均単価」 です。

ですから、この数字に「消費された数」をかけると一人の人が一定の期間に消費した支出の「合計金額」が出てきます。


「実数」と「指数」

では、先ほどの「消費者物価指数」。ではこの値、どうやって算出しているのでしょう?

「名目値」=「実質値」×「物価」

という公式に当てはめれば、「消費者物価指数」は「名目値」を「実質値」で割る事で求められます。

ですが、消費者物価指数が気まなければ「実質賃金」を求めることはできませんから、上記の公式から「消費者物価指数」を求めることはできません。

「消費者物価指数」は、例えば今年の1月であれば、今年の1月の消費者物価を、「基準年の1月の消費者物価」で割ることで求めることができます。そう。今年の1月にも、基準年の1月にも、「消費者物価指数」以外に、「消費者物価」なるものが存在するはずなのです。

では、「名目賃金」と「名目賃金指数」の関係はどうでしょうか?

もちろん「名目賃金指数」は、今年の1月の名目賃金を基準年1月の名目賃金で割ることで求めることができます。





では、「実質賃金」と「実質賃金指数」は? 


「実質賃金」の正体

Aさんという人について考えてみましょう。

Aさんの今年度1月の名目賃金(手取り給与所得)が20万円だったとします。この月のAさんの総消費支出(平均単価×消費数)が15万円だったとします。

では、Aさんの「実質賃金」はいくらでしょう?

GDPの場合は、この場合「総消費支出」が名目GDP、「平均単価」がGDPデフレーター(物価)、「消費数」が実質GDPだと考えることができます。

では、「賃金」の場合は?


ここから後は、私の「憶測」です。数学者でも統計学者でもない、ズブの素人の私の「憶測」だと思ってご一読ください。

ですが、「根拠」がないわけではありません。

私は、「実質賃金」の正体は、「手取り賃金」を受け取った後、同じ月に行った「支出」を全額差し引いた残りこそ「実質賃金」なのではないかと考えているのです。

式で表すのなら、

手取り賃金=「月間手取り給与」-「月間消費支出」


となります。

Aさんが1月給与所得を受け取った後、、1月に物品の購入やサービスに対する支出を行った後、手元にいくらお金が残っているのか、ということです。

つまり、1月の給与所得のうち、貯金に回すことができたお金こそ「実質賃金」なのだと。

実質賃金の正体

手取り賃金=「月間手取り給与」-「月間消費支出」の根拠

例えば、「基準年」1月の名目賃金が20万円、総消費支出が15万円だったとします。この場合、貯蓄に回すことができる金額は5万円です。この場合の「実質賃金指数」は名目賃金÷総消費支出(×100)ですから、約133.3となります。

以降4年間の1月の賃金を以下のように設定してみます。

名目賃金
基準年 20万円
2年目 25万円
3年目 30万円
4年目 10万円
5年目 50万円

つづいて、「総消費支出」を以下のように設定してみます。
総消費支出
基準年 15万円
2年目 18万円
3年目 29万円
4年目 12万円
5年目 10万円

ここから、「貯蓄額」を計算します。
貯蓄額
基準年 5万円
2年目 7万円
3年目 1万円
4年目 -2万円
5年目 40万円

では、次に「実質賃金指数」を算出してみます。(小数点第2以下は切り捨てます)
実質賃金指数
基準年 133.3
2年目 138.8
3年目 103.4
4年目 83.3
5年目 500.0


着目していただきたいのは、「貯蓄額」と「実質賃金指数」の相関関係です。

数値の大きい順に並べ替えてみます。
貯蓄額
5年目 40万円
2年目 7万円
基準年 5万円
3年目 1万円
4年目 -2万円

実質賃金指数
5年目 500.0
2年目 138.8
基準年 133.3
3年目 103.4
4年目 83.3

人によると、「当たり前やん!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。数学が得意な方であれば、わざわざ私がこうやって計算し、並べなおすまでもないでしょう。

そう。「貯蓄額」と「実質賃金指数」の相関関係は全く一緒なんですね。その順序が崩れることはありません。

もし仮に、私の「推測」が誤りであったとしても、それぞれが同じ関係性を持つ数字であることは疑いようがありません。


「総消費支出」の内訳

では、こんなことを暴き出して、私が一体何を主張したいのかと申しますと、ここ。

 「総消費支出の内訳」

の話です。

 「実質賃金」=「名目賃金」-「総消費支出」

であることは証明させていただきました。

問題となるのは、この式のうち、「総消費支出」。その内訳についてです。

問題1
Aさんが受け取った名目賃金が、40万円だったとします。Aさんはこの月、20万円のパソコンを1台、5万円のゲーム機を1台、営業車でガソリン代を3万円、家庭用の灯油を2万円消費しました。

この月のAさんの「実質賃金」はいくらでしょう。


答えは、

 名目賃金(40万円)-総消費支出(20万円+5万円+3万円+2万円)=10万円。

つまりこの月のAさんの実質賃金は10万円です。

問題2
Aさんが受け取った名目賃金が15万円だったとします。Aさんはこの月営業車のガソリン代を3万円、食費に2万円消費しました。

この月のAさんの「実質賃金」はいくらでしょう。

もうわかりますね。この月のAさんの実質賃金もまた、10万円です。

問題1も、問題2も共に営業車のガソリン代を3万円消費していますが、問題1ではそれ以外にパソコンを1台、ゲーム機を1台購入していますね。つまり、「娯楽」のために消費活動を行っているのです。

ところが、問題2ではガソリン代以外に食費として2万円しか消費していません。この月は生活するのに精いっぱいだったことがわかります。

ですが、どちらの月も「実質賃金」は同じ10万円なのです。


現在、野党マスコミの皆さんは、厚労省の毎月勤労統計で不正が行われ、「実質賃金がマイナスであったことが隠されていた!」「アベノミクスは失敗だ!」と大騒ぎしています。

ですが、どうでしょう?

実質賃金がマイナスだったということは、本当に「アベノミクスの失敗」を意味しているのでしょうか?

国民は、そもそも何に対して「消費活動」を行ったのでしょうか?

「実質賃金がマイナス」という、一見するとネガティブな言葉にかみついて、具体的な内容を検証することもなく、批判するだけであれば国会議員である必要はありません。中学生でもできます。

本当に疑問です。彼ら、彼女らに「国会議員」である資格はあるんでしょうか?




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