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第448回 2018年度GDP第2四半期第2次速報~マスコミのデタラメ報道を糾弾~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>GDPの見方


本日、2018年度GDP第二四半期速報が発表されたようですので、今回はこちらの記事を作成したいと思います。

ドイツに関連したシリーズ はお休みです。

例によって、今回も新聞報道の引用からスタートします。

【日本経済新聞2月10日記事より】
GDP、年率2.5%減に下方修正 7~9月改定値

内閣府が10日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比0.6%減、年率換算では2.5%減だった。速報値(前期比0.3%減、年率1.2%減)から下方修正となった。法人企業統計など最新の統計を反映した。

QUICKがまとめた民間予測の中央値は前期比0.5%減、年率2.0%減となっており、速報値から下振れすると見込まれていた。

生活実感に近い名目GDPは前期比0.7%減(速報値は0.3%減)、年率は2.7%減(同1.1%減)だった。

実質GDPを需要項目別にみると、個人消費は前期比0.2%減(同0.1%減)、住宅投資は0.7%増(同0.6%増)、設備投資は2.8%減(同0.2%減)、公共投資は2.0%減(同1.9%減)。民間在庫の寄与度はプラス0.0ポイント(同マイナス0.1ポイント)だった。

実質GDPの増減への寄与度をみると、内需がマイナス0.5ポイント(同マイナス0.2ポイント)、輸出から輸入を差し引いた外需はマイナス0.1ポイント(同マイナス0.1ポイント)だった。

総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは、前年同期に比べてマイナス0.3%(同マイナス0.3%)だった。

ということで、記事としては非常に象徴的なので、今回は日本経済新聞からの引用です。

どの報道も、軒並みこのタイトルです。発表は「二次速報」で、もちろん「一次速報」も存在していたのですが、私としてはあえて二次速報まで待ってみていたところもあります。

一次速報の時から気づいてはいたんですよね。この、「デタラメ報道」のひどさに。


2018年(平成30年)度GDP第2四半期第2次速報

GDPの記事は、→こちらのシリーズ で継続して記事にしています。

マスコミ報道は基本的に、「季節調整」した「実質GDP」の「前期比」を「年率換算」したものを報道しています。

ですが、散々記事にしている通り、そもそも「実質GDP」の算出方法そのものが非常に信憑性の薄いものである上、これを更に信憑性の低い計算方法を用いて「季節調整」する意味が私には理解できません。

更に、「前期比」をなぜ「年率換算」しなければならないのでしょう?

「年率換算」とは、季節調整された実質GDPを前記と比較した「経済成長率」が「もし仮に1年間続いたらどの程度の成長率になるのか」というフィクションの数字です。過去の四半期別GDPデータを軒並み探っても構いませんが、おそらくそんな推測が当たった年度など、過去に1度たりとも存在しないのではないでしょうか?

よしんばもし存在したとしても、それは単なる「まぐれ」にすぎません。

そんな博打の様な統計データにしがみついてGDP報道をせずとも、たんに「前年の、同じ季節」と比較したデータを用いれば済む話です。

ですので、私が用いるGDP統計データは、GDP統計に一切人為的な手を加えていない「原系列」を「前年同期」と比較したものを用います。唯一参考程度に「実質GDP」は用いますが、重要視しているのはあくまでも「名目GDP」です。

【2018年度GDP第2四半期第2次速報(前年同期比)】
名目GDP
全体 133.382 兆円(-0.3%)

 民間最終消費支出 76.012 兆円(1.2%)
 家計最終消費支出 74.032 兆円(1.2%)
  除く持家の帰属家賃  61.520 兆円(1.4%)

 民間住宅 4.274 兆円(-5.2%)
 民間企業設備 21.341 兆円(2.1%)

実質GDP
全体  131.956 兆円(0.0%)

 民間最終消費支出  74.962 兆円(0.6%)
 家計最終消費支出  72.851 兆円(0.6%)
  除く持家の帰属家賃  59.388 兆円(0.5%)

 民間住宅  3.935 兆円(-6.4%)
 民間企業設備  20.767 兆円(1.2%)

内閣府

これが本当の「GDP統計」です。

で、皆さんきっと頭に疑問符が浮かぶはずなんです。私が掲載している項目のうち、「マイナス成長」しているのは「民間住宅」のみで、それ以外は全て「名実共」成長しています。

にも拘わらず、なぜか「名目GDP」の統計全体が前年同月を割り込んでいて、実質は0%成長で横ばい。おかしいなぁって、思いますよね?

ちなみに冒頭に掲載した日経記事によれば、実質ベースで「個人消費は0.2%減」、「住宅投資は0.7%増」、「設備投資は2.8%減」と記されていますが、「前年同期」と比較すればこれがいかに情報をミスリードしているかがわかりますね。本来比較すべきなのは「前期」ではなく、「前年同月」です。そうすればわざわざ「年率換算」する必要も、「季節調整」する必要もないんです。

個人消費(家計最終消費支出)は昨年と比較すれば名目で1.2%のプラス、実質で0.6%のプラスです。ここからフィクションの数字である「持家に帰属する家賃」を除くと名目で1.4%のプラス、実質で0.5%のプラスです。

昨年と比較してこれだけ増加しているんです。

季節調整系列の前期比は「年率換算」することが前提となっていますから、マスコミが報道する「個人消費」を年率換算すると、実質では-0.8(持家の帰属家賃を除くと-1.2%)。

ですが、これってものすごくざっくりとした言い方をすると、「今年の実質GDPは昨年と比較すると0.6%成長しているのですが、来年度は1.2%のマイナスになるはずです」という、非常時矛盾したことを言っていることになります。

ちなみに、この「季節調整の年率換算」。「名目GDP」で見ますと、個人消費ではなんと0.7%のプラス(持家の帰属家賃を除くと0.8%のプラス)となっています。

おかしいですね。「実質GDPの季節調整系列の前期比」以外はすべて好調なデータが出ているのに、なぜか前年度割れした実質GDPとその詳細項目、そして「名目GDPの全体の数字」だけが報道され、その他の数字は一切報道されていないという・・・。

一応、「ログイン」をすればその記事の続きを見ることができるわけですが、わざわざそんなことをしてまで記事の続きを見る人はよっぽどの人です。


なぜこんな歪な統計結果が算出されているのか

不思議ですよね。家計、及び企業ともに名目で1%を超える経済成長率を記録しており、唯一「民間住宅」のみがマイナスを記録していますが、その金額は所詮2.35億円程度。

GDP全体から見れば吹いて飛ぶような数字です。にも拘わらず、なぜか名目はマイナス成長。実質でも同じような状況が生まれています。

実はGDP統計全体を見てみますと、前年同月と比較しまして、前年度割れしている項目が2つあるのです。

それが、政府の「公的資本形成」、つまり「公共事業費」と「純輸出高」。

政府の公共事業費は、数字から見れば1410億円程度ですので影響はそれほど大きくないのですが、問題なのはもう一つの「純輸出高」。

名目だけでお話ししますが、昨年度第2四半期の「輸出高」は23.983兆円、「輸入高」は22.205兆円で、純輸出高(輸出高-輸入高)は1.778兆円だったのですが、今年度は輸出高は24.701兆円と1兆円を上回る上昇幅を記録したものの、輸入高も24.565兆円と、金額で言えば2.36兆円を超える上昇幅を記録しています。

この事で、「純輸出高」が1361億円と大幅に下落。下落幅は1.6兆円を超えています。

民間の需要も、企業の設備投資費も成長しており、全体に大きく影響を与えているのはこの部分以外には存在しません。

では、なぜ「輸入高」はこれほどまでに上昇したのか。考えられるのは、「原油価格の高騰」です。原油価格に関してはまだ詳細に検証していませんのでそれが正しいのかどうかはわかりませんが、これは日本国に原因があるわけではなく、海外に原因のある現象です。

にも拘わらず、あたかも日本国経済が減退しているかのような記事をきれいに作り上げてしまうマスコミ各社。

とくに「経済」の専門紙であるはずの日経まで。この新聞に、「経済新聞」を名乗る資格があるのでしょうか?

確かにこの情報を流したのは政府側かもしれませんが、これを全く検証することもなく、流されたとおりに報道するのでは、それがマスコミである必要性など全くないと思います。

一民間人にすぎない私でさえ、パッと見ただけでわかることです。

ほんと。いい加減にしてほしいですね、マスコミの皆様。



このシリーズの次の記事
>> 第460回 2018年度GDP第3四半期1次速報~実質1.4%上昇は本当か?~
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>> 第424回 2018年度(平成30年)GDP第1四半期第2次速報(後編)

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