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第423回 2018年度(平成30年)GDP第1四半期第2次速報(前編)など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>GDPの見方


このところ、ドイツの話題 が私の中でも風通しがよくなり、あまりにも筆が進むもので、定例で掲載している経済関連の記事もすっ飛ばして記事を進めておりました。

気持ちとすると「早く先が知りたい」という私のわがままでもあります。

ですが、今回の平成30年度第1四半期二次速報あたりから、おそらくこの情報を求めたアクセスなのではないか、と感じるアクセスが多く見られますので、さすがに検索をかけてくれた皆さんに悪いな、と思いまして、定例通り記事を作成しようと思ったわけです。

とはいえ、既に一次速報はスルーしていますので、今回のGDP速報に関連した情報がすでに出回っている状況下での記事の作成になります。

内閣府


まずは基本から

検索等でこの記事にたどり着いた方にとっては、私のGDP情報と出会うのは初めてになると思いますので、まずは私の「GDP」に関する考え方から記事を進めてみたいと思います。

特に、私のGDP情報の掲載の仕方は大手マスコミ等で出ている見方とは異なりますので、「それでいいのか!」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。


そもそも「GDP」とは?

日本語では「国内総生産」といいます。

では、「GDPとは何か」と申しますと、「ある一定期間に日本で生産された付加価値の合計値」ですね。情報が多くなりすぎると内容を理解することが難しくなると思いますので、今回は「支出側GDP」の情報で記事を作成いたします。

「支出側GDPって何のこと?」と思う方はぜひ、

第164回 生産側のGDPと支出側のGDP/統計上の不突合とは?

を読み込んでみてください。私たちが一番見る機会の多い「GDP」はこの「支出側GDP」です。

こんな風に記すと難しく感じられると思うのですが、例えば皆さんがコンビニで100円のチョコレートを合計で10枚購入したとします。計算式で表すと以下の通り。

チョコレートの単価 100円×購入数量 10個=購入総額 1000円

となります。「支出側GDP」から見ると、100円のチョコレートは、販売されて初めて100円という「付加価値」が生まれます。

このチョコレートが、合計で10個販売されていますので、この店では合計「1000円の付加価値」が生まれました。

これを、国レベルで考えた場合、ある一定期間に日本国内で購入された全ての物やサービスの「平均単価」に相当するものが「GDPデフレーター」、日本国内で購入された全ての物やサービスの「購入数量」に相当するものが「実質GDP」、日本国内で購入された全ての物やサービスの「購入総額」に相当するものが「名目GDP」です。

この情報の詳細は

第218回 GDPデフレーターとは何か?/日本一わかりやすく考える

をご覧いただければと思います。


「GDP」はあくまでも「推測」にすぎず、「真実」ではない!

GDPそのものは、いくつかの項目で構成されており、大きなくくりで言うと「家庭のGDP」「企業のGDP」「政府のGDP」「輸出入GDP」の4つです。(「家計」という表現のほうが一般的だと思いますが、今回の記事ではあえて「家庭」と表現します。)

この中で、「家庭のGDP」に該当するGDPは、政府の統計表では「家計最終消費支出」及び「民間住宅」という名称で掲載されています。

このうち、「家計最終消費支出」では、これを実質化する際、その分母として「消費者物価指数」が用いられています。「消費者物価指数」に関しては、私の記事の中でも具に記事にしています。(シリーズ 「物価」の見方

この消費者物価指数の算出方法として、詳細な費目ごとに「加重平均」という計算方法が用いられています。(参考:第53回 実質GDPへの疑惑

参照記事の中に記していますが、しかしこの加重平均の分母に用いられる「ウェイト(重要度)」はその根拠が「消費量」ではなく「消費金額」にあることなど、その信憑性に私は非常に懐疑的です。

分母もいわゆる「サンプル指数」が用いられているなど、必ずしもこれは正確であるとは言えないものです。

このようにして出来上がった「消費者物価指数」で「家計最終消費支出」を割ることでできるのが「家計最終消費支出」の実質値です。「実質GDP」とは、このような「計算式によって作り上げられた『推測値』」の集合体にすぎないことをまずは頭においていただきたいと思います。

「名目GDP」も基本的にサンプル指数を用いて作成されているわけですが、それでもまだ「実質GDPに比べればまし」です。


なぜ「前期比」の「季節調整値」の「年率換算」が重宝されるのかが理解できない!

ニュースでよく見かける「GDP」は、基本的に「季節調整を行った実質GDPを年率換算した値の前期比」です。

意味が分かりませんよね。冒頭でコンビニで販売されるチョコレートを参考に「GDP」の考え方をお示ししましたが、

 「実質GDP」×「GDPデフレーター」=「名目GDP」

という公式考えますと、「実質GDP」とは、所詮日本国中で消費者(および企業・政府)が支払った物やサービスの「平均単価」にすぎません。そして先ほどの章でもお伝えしましたように、そもそも「実質GDP」の計算式の正確性には疑問があるのです。

新聞は「日本国内全体で一体何円消費が起きたのか」ということよりも、「日本国内で一体いくつ、ものやサービスが利用されたのか」ということのほうが大切だと言っているのです。その正確性にすら疑問があるというのに。

また、「季節調整」は春と夏、夏と秋、秋と冬など、異なる季節同士を比較するため、素人では誰もその根拠を理解することのできないような計算式(指数)を使って行われています。季節調整系列とは、「人為的な手の加えられた、信憑性に乏しい」指数だということをご理解いただきたいと思います。

その季節特有の状況を計算式で算出することなどそもそも不可能です。もし比較するのならば、なぜ前年の同じ季節と比較しないのでしょうか? なぜ無理に「前期」と比較しようとするのでしょうか。

また、さらに大手メディアではこれを「年率換算」したものを記事に用いています。

「年率換算」とは、「もし仮に、『季節調整が行われた数字同士を比較した前期比』が、仮に1年間続いたとしたら、1年後の経済状況はどうなっているのか」という、完全なフィクションの数字です。

私はGDP分析を長らく行っていますが、あらゆる時期の『年率換算された実質GDP』がぴたりと一致したことなどただの一期たりともありません。実質だけでなく名目もそうですが。

当たり前です。今回であれば「2018年度第一四半期(4月~6月)のGDPを2017年度第4四半期(1月~3月)のGDPと比較したGDP成長率」が、今から9か月後まで継続しているわけがありません。充てられたとしたらそれはまさしく超能力。「予言者」です。

にも関わらず、なぜそんなフィクションの数字で新聞は一喜一憂しようとするのか。私にはまったく理解できません。


もう一つのフィクション「持家の帰属家賃」

これは、物価の見方 の中で散々記事にしているのですが、GDP統計の中には、本来加えるべきではない、「持家の帰属家賃」というものが数字として加えられています。

「持家の帰属家賃」とは、「もし自分がいま保有している持家が持家ではなく借家だったとすると家賃はいくらになるのか」という全く意味の理解できない数字です。

なぜこのような数字があるのかというと、海外では日本のように持家に住んでいる人が少ないため、海外の家賃と比較するために、わざわざ「持家の帰属家賃」という全く意味の分からない情報を計算式によって算出し、これをGDP統計にわざわざ加えているのです。

これだけは全く理解できません。

ですが、これは同じようなことを考えている人がいるということだと思います。GDP統計のうち、「家計最終消費支出」の中には、「持家の帰属家賃を除く家計最終消費支出」という項目がわざわざ掲載されています。


前置きが非常に長くなりましたが、以上の理由から、私のブログでは、

1.実質GDPではなく名目GDPを大切にする
2.前期比ではなく前年同月比で成長率を見る
3.家計を見る場合は「家計最終消費支出」ではなく、「持家の帰属家賃を除く家計最終消費支出」でみる

ということを大切にしています。ですので、基本的にはニュースから引用する場合を除いて私のブログには「前期比」に相当する情報は出てきませんので、ここをご理解いただきたいと思います。

長くなりますので、記事は次に分けます。

後編はこちら


このシリーズの次の記事
>> 第424回 2018年度(平成30年)GDP第1四半期第2次速報(後編)
このシリーズの前の記事
>> 第403回 2017年度(平成29年)GDP第四四半期第一次速報が公表されました

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このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>GDPの見方 よりご確認ください


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