第42回 実質賃金と名目賃金④~続実質賃金の正体~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第41回 アベノミクスを問う15

【アベノミクスを問う16】

前回の記事では、「実質賃金の正体」について。
なぜ名目賃金が増えても実質賃金が増えるとだめだ、と一般的に言われているのか。このことについて検証する記事を作成しようとしたのですが、途中、参考にしようとした厚生労働省のウェブサイトが、アノニマスによるDDos攻撃(F5キーの連打と同じレベルの攻撃)が行われたため、アクセスできず、記事を途中で終了させることとなりました。

本日確認したところ、無事復旧していたようですので、続けたいと思います。


名目賃金指数と実質賃金指数

参考までに、前回の記事のおさらいをしておきますと、

・「名目」とは金額ベースで見る指標。
・「実質」とは数量ベースで見る指標。


簡単に言えば、こういうことです。これは、賃金でもGDPでも一緒ですね。

では、改めて実質賃金指数と名目賃金指数の推移を見てみます。

【賃金指数の推移】
賃金指数推移

下の棒グラフが賃金指数。上の折れ線グラフがそれぞれの賃金指数を「前年同月」と比較したもの。2014年であれば2013年、2013年であれば2012年と比較して、いったいどのくらい成長したのか・・・というグラフです。指数が左、同月比が右です。

名目賃金は2010年を1つのピークに、2012年まで下落していますが、安倍内閣に入って2013年、2014年と継続して上昇しています。
第28回の記事でもお伝えしましたが、GDPとちがって、消費増税は企業にとって負担になりますから、通常であれば消費増税が行われれば、名目賃金は下落します。負担になるのですから、賃金が減るのは当たり前です。
ですが、グラフでもわかるように、2014年は消費増税が行われているにもかかわらず、名目賃金は上昇しています。
第28回の記事で、国税庁のデータを基にお話したときと同様の結果が、こちらの厚労省データでも表れています。

ところが、実質賃金で見ますと、名目賃金とは異なり、安倍内閣に入ってからも下落し続けていますね?
安倍内閣を批判する人たちが「名目賃金が増えても実質賃金が増えるとだめだ」と言っているのは、このことが根拠になります。

【消費者物価指数の推移】
消費者物価指数 推移

こちらは「消費者物価指数」の推移です。世界のネタ帳さんにちょうど良いデータがあったので、そのまま拝借しました。
画像をクリックしていただきますとネタ帳さんに遷移します。

2008年をピークに、継続して下落し続けていた「消費者物価指数」が、安倍内閣に入ってから上昇に転じています。
安倍内閣に入って、名目賃金が上昇し続けているにも関わらず、実質賃金が下落している理由はこれです。

実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数

です。「消費者物価指数」については、第39回の記事にてご説明しましたね?

再掲しますと、
消費者物価指数とは、日本国政府が、先述した「コモディティ」ごとに価格を集計し、価格のトータルを「物価」として算出し、先月の物価と比較して、その成長率を指数として示したものです。

消費者物価指数の中には、日本国内で生産されたものの指数だけでなく、海外で生産されたもの。

一番典型的なものとして「原油」の価格も含まれています。

ということです。少し難しいかもしれませんね。

リンゴの値段が基準年と比較して何円値上がりしたのか、または値下がりしたのか。
チョコレートの値段はどうなのか。
木材の値段はどうなのか。
ガラスの値段はどうなのか。

単位も違えば、産地も何もかも異なりますから、値段が上がるものもあれば下がるものもあります。上がり幅も下がり幅も異なります。
ですので、これらの値段変動率を、一つ一つのアイテムごとに計算し、「指数」として表します。
この中で、消費されたものの内何パーセントがリンゴで、何パーセントがチョコレートで、何パーセントが木材で・・・というように割合を算出します。これを「ウェイト」といいます。

項目ごとの指数とウェイトを掛け合わすことで産出された、その最大のものが「消費者物価指数」です。
GDPを考えるときはここから「輸出入物価」が除外されるのですが、賃金で考える場合は除外されず、そのまま計算されます。

安倍内閣を批判する人たちは、「安倍内閣に入って、円安になったせいで『輸入物価』が増えた。そのせいで国民の生活は貧しくなった」という人たちがいます。
「実質賃金」が下がり続けているわけですが、ではこの「物価」とは、安倍内閣に入って、いったいどのような理由で上がり続けているのか。
このことが次回記事への課題となります。そこを検証せず、ただやみくもに「実質賃金が上がっていないのは安倍内閣が失敗したせいだ」と主張するのはどうかと思います。

ここから先は次回記事に託そうと思うのですが、以下のことについて疑問符を提示して終了したいと思います。

下記は実際の平均給与所得(名目)の推移です。そのあとに、もう一度「賃金指数の推移」のグラフを示してみます。

【平均給与所得の推移】
平均給与所得

【賃金指数の推移】
賃金指数推移

少しおかしなことに気づきませんか?
国税庁データを参考にした「平均給与所得」では、安倍内閣に入って以降、2013年のデータも2014年のデータも、リーマンショック以降、2009年~2012年のデータをすべて上回っています。実質だけでなく名目も、です。

ところが、厚生労働省のデータを参考にした「賃金指数」では、2013年の数字はなんと2009年~2012年のデータをすべて下回っており、2014年の数字でさえ2009年~2011年までの数字を下回っているのです。

一体、どうしてこのような違いが生まれるのでしょう。
ちなみに、政府やマスコミが「実質賃金」だの「名目賃金」だの言って公表しているデータはすべて厚労省データです。

一体どちらの数字が正しいのでしょうか。
次回記事では、物価の変動に加え、冒頭でこちらの回答をお示ししたいと思います。

データは疑ってみましょう。そうすると真実が見えてきます。

このシリーズの過去の記事
>> 第43回 実質賃金と名目賃金⑤~厚労省データと国税庁データの違い~
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