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第408回 2017(平成29)年度の所得・法人・消費税収が発表されましたなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>日本の税収の見方


「税収」を年間で具(つぶさ)に追いかけてきた私としては、いよいよ、待ちに待った、という感慨のひと時であったりします。

もちろん、この結果が悪ければ、それはそれで残念な結果ではあるのですが、少なくとも2017年度のデータとしては、決して「残念な」結果にはなっていないところがミソ。

最終月である5月度のデータとして、唯一残念に思っているのは、5月単月の「消費税収」が、前年同月比で「93.8%」と前年割れしてしまっていたこと。4月までの時点では累計で103.3%と「消費の好調さ」を示唆していただけに、最も多くの税収が期待できる5月度のデータが前年を大きく下回っていたことは、私としては残念な結果ではありました。

ただし、それはあくまでも「5月単月」のデータであり、通年で見れば101.7%。前年を1.7%上回る結果です。

一般会計税収全体でも、5月単月で前年比106.3%、通年で106.0%。予算ベースを2%上回る結果となりました。


2017(平成29)年度税収

2017年度税収

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【2018(平成30)年5年度税収】※(  )内は前年同月です。
所得税全体 5月分 0.0759兆(101.1%) 累計 18.881兆(107.2%)

 源泉分 5月分 0.0099兆(91.0%) 累計 15.627兆(107.9%)
 申告分 5月分 0.0659兆(102.9%) 累計 3.188兆(104.1%)

法人税 5月分 5.053兆(116.9%) 累計 11.995兆(116.1%)

消費税 5月分 2.793兆(93.8%) 累計 17.513兆(101.7%)

一般会計全体 5月分 8.388兆(106.3%) 累計 58.787兆(106.0%)

データとしては5月度のものを載せていますが、「累計」の部分が2017年度の通年の実績となっています。


いつもですと、ここから税収別に詳細を掲載していくのですが、今回は先に新聞の記事を引用してみます。

【朝日新聞ニュースより】2018年7月6日14時42分
税収、昨年度は58・8兆円 好況で過去3番目の高水準

 財務省は4日、2017年度の決算見通しを発表した。世界的な好景気で消費税、所得税、法人税の「基幹3税」が3年ぶりにそろって前年度を上回り、一般会計の税収は58兆7875億円と過去3番目に高い水準となった。与党から歳出拡大を求める声が高まりそうだ。

 税収が増えたのは2年ぶり。前年度から3・3兆円増え、バブル期直後の1991年度の59・8兆円以来26年ぶりの水準となった。

 増収を後押ししたのは、好調な世界経済を背景とした企業業績の回復だ。16年度まで2年連続で減少した法人税は16・1%増の12・0兆円と、当初の見込みは下回ったものの、基幹3税の中で最も伸びが大きかった。自動車などの輸出が好調だったことや、東京五輪を控えた建設需要の高まりなどが寄与した。

 企業の好業績は所得税の伸びにも影響。上場企業の株式の配当収入や売却益の増加により、7・2%増の18・9兆円となった。消費税も1・7%増えて17・5兆円となった。

 この結果、税収は当初の見込みより1兆754億円上ぶれ、予算の使い残しなどもあわせた最終的な「剰余金」は約9100億円となった。

 18年度の税収はさらに59・1兆円に伸びると見込んでいる。歳出の3分の1以上を借金に頼る構造は変わっていないが、税収増で財政規律は緩みかねない。来年の消費増税や参院選を控え、歳出拡大を求める声が一層強まる可能性がある。

税収が増えた理由として、記事では日本国内の事情ではなく、海外の好調な経済状況が理由だ、と掲載されています。

前年と比較して伸び率が最も大きいのは「法人税」。率だけでなく、額面分でも1.67兆円増となっています。
次に所得税収(源泉分)。105%の伸び率で、金額では1.14兆円増となっています。

一般会計税収全体では3.3兆円増。予算ベースでは1.1兆円の「上振れ」となっています。


所得税収の見方

「所得税収」の内、伸び率が大きいのは所得税収「源泉分」となっているわけですが、これは記事中では以下のように記されています。

企業の好業績は所得税の伸びにも影響。上場企業の株式の配当収入や売却益の増加により、7・2%増の18・9兆円となった。

引用は朝日新聞記事から行っているのですが、今回の記事に関してはわかりやすく、内容がきちんとまとまっていると思いますね。私は源泉分を単純に私たちが受け取っている「給与所得」のみからねん出されていると思っていたのですが、確かに株式等からの配当も源泉徴収されますね。勉強になります。


消費税収の見方

また一方で消費税に関しては、確かに海外に販売されるものに関しても一時的に課税されているわけですが、これは事後的に還付を受けることができます。

例えば、同じ2018年5月の「消費税収」でも、これを「2017年度」で見るか、「2018年度」で見るかで掲載のされ方が異なります。

2017年度分ですと、前記した通り消費税収は「2.793兆」、累計で「17.513兆」となるわけですが、2018年度で見ると次のように掲載されています。

消費税 5月分 △0.092兆(前年同月比なし) 累計 △0.156兆 (前年同月比なし)

これはおそらく前年度分から還付されたものだと考えられます。
還付には海外に輸出したものにかけられていた消費税額以外に、2つほどパターンがあります。マイナス経常されているのはその総額です。

前年度輸出したものにかけられていた消費税は翌2018年度に還付されていますので、この金額を見れば2017年に輸出されたものにかけられた消費税と、2016年度に輸出されたものにかけられた消費税を比較することができます。(もちろん完全にわかるわけではありませんし、100%輸出に対する還付ではありませんが)

ちなみに、前年度の5月時点での還付は次の通りです。
消費税 5月分 △ 0.116兆 累計△ 0.160兆

5月分、累計とも2016年度の金額の方が2017年度の金額より多くなっていますので、少なくとも5月までのデータからは、

 ・2016年度に納税された消費税額を2017年度に納税された消費税額の方が上回っている。
 ・2016年度に輸出されたものにかけられていた消費税額が、2017年度に輸出されたものにかけられていた消費税額を上回っている。
 ・2017年度に日本国内で消費されたものの方が、2016年度に日本国内で消費されたものの金額を上回っている。

つまり、単純に「内需」で考えた場合でも、2016年度の内需を2017年度の内需が上回っている、と推測することができます。

「消費税」は、その税率から、消費税の課税対象となったものに限り、その年に消費されたものやサービスの消費金額を逆算することができます。

この金額を計算していて、少し興味深い事実が見えてきたので、このことは後日改めて記事にしてみたいと思います。


2017年度税収評

2017年度は、一般会計予算だけでなく、12月には補正予算も組まれています。

その額は2.7兆円で、その財源の一部として1.184兆円の「公債金(国債)」が充てられることになっていました。

ですが、結果的に2017年度の税収は予算に比べて1.1兆円「上振れ」したうえ、赤字国債の発行額は2兆円減額。また、実際に係った経費と予算との差額が9100億円発生し、これは「使い道のない金額」として予算上中に浮いた形となってしまっています。

私がそもそも「税収」を継続して記事にしている理由は、

 1.税収から日本の景気を観測すること
 2.2014年度に行われた消費増税の影響が限定的であったことを証明すること。

主にこの2点を理由としています。

テーマはやっぱり「消費増税」なんですよね。

私だって消費増税を行わないという選択肢をずっと主張していた側ですから、現在消費増税に反対している人たちの気持ちがわからないわけではないのです。

ですが、反対しているからといって、消費増税を行ったことでアベノミクスが失敗に終わったかのような主張を行う人たちがいることもやっぱり許せないわけです。なので、これを否定するための情報を集めることがまずは第一の目的でした。

ですが、一方で私のブログの代名詞ともいえる「60年償還ルール」。ある議論の中で、これを否定しようとする人がいたこともまた私が税収の調査を継続している目的ともなっています。

第359回 60年償還ルールで財政が破綻しない理由 の中で、国債発行元年から60年経過すれば、「国債発行残高」の増加額は頭打ちとなり、後は各年度で発行される国債発行額の単純な違いが増減の根拠になることを記事にしました。

これをやっぱり否定したい人がいるのです。

60年経過しようが、このまま国債を発行し続ければ、いつか日本の財政は破綻する・・・ことにしたい人が。

その理由として、「今年度(2017年度)も補正予算が組まれており、その財源として国債が発行されることが決まっている」という主張を行っていましたが、実際には財源として国債が発行されなかったばかりか、発行額は2兆円分縮小され、さらに9100億円の「使い道のない税収」までが発生している有様です。

もちろん自分の予測した経済状況と異なる結果が発生することがあるのは仕方のないことです。ですが、だからといって詳細に分析することをせず、単なる思い込みや願望で誤った情報を配信しようとする連中がいることは、私としては本当に腹立たしく思っているわけです。

せめて私自身はそうならない様、分析と検証を繰り返し、どこが正しくて、どこが誤っていたのか、これをきちんと配信されるサイトを作成するよう努めていきたいと思います。


このシリーズの次の記事
>> 第409回 消費税収から逆算される「消費」の推移~過去の記事訂正を含む~
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