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第404回 中村愛媛県知事が公開した加計学園獣医学部に関する新文書の真相など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>加計学園問題


先日より問題となっております、中村時広(ときひろ)愛媛県知事が国会(参議院)の要請を受けて国会に提出した加計学園(岡山理科大学)獣医学部に関する、いわゆる「愛媛県新文書」について今回は検証したいと思っています。

私はそもそも松山市出身であり、今回の中村知事の暴走には、正直辟易しています。一体お前は何様のつもりだ、と。

まず整理しておきたいのは、「今治市」に設立された「岡山理科大学獣医学部」は、今治市が、昭和50年(1975年)より地域活性化のために計画してきた壮大なプロジェクトであり、いわゆる文部科学省と獣医学会の「権益」に長年阻まれて来たものを、安倍内閣においてようやく実現することができたものである、ということ。

当然愛媛県としても今治市と二人三脚で歩んできたものであり、本来であれば安倍内閣に感謝すべきところを、なんと中村知事はこれに泥を投げ返すような行動に出たわけです。


松山維新V.S.自民党松山支連

愛媛県以外にお住いの方には理解することが難しいかもしれませんが、愛媛県の地方議会の状況は、愛媛県であれば「愛媛維新V.S.自民党愛媛県連」、松山市であれば「松山維新V.S.自民党松山支蓮」という構図にあります。

愛媛維新のトップが中村知事、自民党愛媛県連のトップが塩崎恭久代議士という構図です。

今回、中村知事が突如として「首相案件文書」を出してきたのは4月10日のこと。この時の文書が以下の資料になります。

首相案件文書

そして、「首相案件」発言をしたとされる柳瀬元総理秘書官が参考人招致においてこれを否定し、愛媛県関係者と会談を持ったことを「記憶にない」と発言したことを受けて、知事は愛媛県の担当者が受け取ったとされる柳瀬氏の名刺を公開したわけです。


「首相案件文書」は結果的に松山市議会議員選挙対策

さて。松山にお住まいの方であればご存知かもしれませんが、「首相案件文書」が出てから「柳瀬元秘書官名刺公開」が行われるまでの間に、松山市では一つの大きなイベントがありました。

そう。「松山市議会議員選挙」です。

結果は以下の通り。

1位 松山維新現職 7490票
2位 松山維新現職 6094票
3位 立憲民主党新人 5857票
4位 松山維新新人 5165票
5位 公明現職 5067票
6位 自民現職 4883票(知事側)
7位 自民現職 4427票(支連側)

そのあと11位まで無所属が続き、12位に自民現職がようやく登場します。
ちなみに11位まで無所属、と記しましたが、松山維新の候補者は「松山維新」の名称では立候補しません。「無所属」として立候補します。

ですから、1位、2位、4位を「松山維新」と記しましたが、1位、2位は松山維新の重鎮で毎回ナンバーワン、ツーの座についている人であり、4位の新人も当選後知事側につくことがわかっていましたから、「松山維新」と記しましたが、8位~11位の中にも松山維新が混じっています。ですが、だれが維新なのかがわからない・・・というのが正直なところです。

11位は元自民で不祥事により自民を離脱した人物です。

元よりモリカケの絡みで自民陣営にとって苦戦となることは想定されていたのですが、中村知事の首相案件文書が自民党松山支連の面々にとってアゲインストな強風を吹かせたことだけは事実です。

ちなみに松山市には「立憲民主党」などという政党は前回まで存在しなかったのですが、今回新人として立候補した27歳の若者がなんと全体の第3位で当選するという信じれられない結果を生み出したことにも、知事の行動の影響があったのではないかと考えられます。

松山市の中にはあるんですよ。中村知事は、松山市議会議員選挙で松山維新(→選挙後、松山未来と改名しています)にとって、選挙を有利にするために意図的にあの資料を出してきたのではないか、っていう噂が。

このことを、全国の皆さんにはご理解しておいていただきたいと思います。


「愛媛県新文書」を時系列で整理してみます

前置きが長くなりました。私自身も選挙のお手伝いをしていましたし、なかなか今回の「愛媛県文書」を検証する時間が取れずにいたのですが、今回の記事において、改めて検証してみたいと思います。


・「愛媛県文書」が記しているのは、4月2日に関する記録のみである!

多少誤解を生みそうな表現ですが、これは事実です。

日にちがたくさん登場しますから、あたかも数週間~数か月のことを記録している文書であるように勘違いしている人も多いかもしれませんが、今回の文書は4月2日に愛媛県の職員が、加計学園の関係者や今治市職員と共に、「内閣府」及び「総理官邸」を訪問した際の記録です。

そして、この4月2日訪問時の情報を補強する形でその他の日程で行われた愛媛県の地元における面談や電話連絡等の記録が添えられています。


・愛媛県職員は4月2日に2か所訪問している

これはすでに記している内容にはなりますが、愛媛県職員は4月2日の1日で、「内閣府」及び「首相官邸」を訪問しています。

話題になっている柳瀬元総理秘書官とあったのは内閣府を訪問した後、首相官邸にて。

この時に会っているのは柳瀬元秘書官以外に、角田喜彦氏と青山豊久氏という2名の内閣参事と面会しています。角田氏は文部科学省、青山氏は農林水産省の担当であったようです。

一方で直前に訪問した内閣府では藤原豊内閣府地方創生推進室次長国家戦略特別区域等担当と面会しています。

愛媛県側の訪問者は、愛媛県から2名、愛媛県東京事務所から1名、今治市から2名、加計学園から4名、計9名訪問しています。

ただし、首相官邸に入ることができたのはこのメンバーから今治市の担当が1名、加計学園から2名外れて、合計で6名に絞られています。

この時の訪問者について、柳瀬氏は

柳瀬氏は、10日の答弁で当初、面会相手が10人近くいて、主に話したのはメインテーブルの吉川泰弘元東大教授(現・岡山理科大獣医学部長)や学園の事務局の職員らだった

と答えています。ですが、そもそも愛媛県側のメンバーが6名しか入室を許されなかったのは部屋の広さの関係だった、と記されていることから、柳瀬氏が話している内容は、4月2日の話ではなく、別の日の内容と勘違いしているのではないか・・・ということが推察されます。

で、実はこの時愛媛県側が柳瀬氏(及び藤原氏)と話した時の内容で、同じことを別の形式でまとめた資料が合計で3つほど存在します。

【復命書別紙より】※内容はいったん読み飛ばしてください。
《県 市と加計学園との事前打合せにおける事務局長の主な発言》

・柳瀬秘書官に対しては、内閣府藤原次長を紹介いただいたことに対してお礼を述べたい。

・先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったことに対し、理事長から柳瀬秘書官にちゃんと説明しておくように言われている。同秘書官からも、本日、その点を質問される可能性があり、県・今治市から、100%の回答にはなっていないが、ちゃんと昨年12月26日にペーパーにより文部科学省に直接説明している旨を回答してほしい。

《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11:30》

・加計学園からは3月24日に1度話は聞いているとして、県・今治市から、獣医学部へ取り組む目的や姿勢、今治市が既に大学用地を準備していること、日本獣医師会や既存の獣医大学の反対がネックになっていることなどを説明。

・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・市がこれまで構造改革特区申請をされ、実現に至っていないことも承知。

・政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。

・そのため、これまでの構造改革特区のように事務的に対応されて終わりということではなく、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。

・国家戦略特区は、地方自治体に限らず、事業者や個人からでも全国レベルの制度改革の提案を受け付けるが、制度改革の実現のためには地方自治体の強力なバックアップが必要。言い換えると、知事や市長など自治体にどれくらいの熱意があるかというところが重要になってくる。

・国家戦略特区は、自治体等から提案を受けて、国の判断により地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体(提案をした自治体)が有利。仮に国家戦略特区申請を行ってその指定を受けられない場合でも、出口は、構造改革特区の指定や別の規制緩和により、要望を実現可能。

・(現在26次特区申請を行っているところであり、その最終結果が公表されていないが、その点はどうなるのかとの質問に対して)最終結果の公表は保留している。

・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。

・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい。

・総理は第一次産業にも熱心であり、提案内容は、獣医大学だけでいくか、水産、養殖といった他産業などの関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。

・事前相談も対応する。むしろ熱心な自治体ほど持ってきているといった感じがある。

・獣医師会等とは真っ向勝負にならないよう、摩擦を少なくして、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公衆衛生の観点や公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応、アジアの拠点・四国の拠点にする、鳥インフル対策、人獣共通感染症対策、地域の人材育成などに加え、ペット獣医師を増やさないような卒業生の進路の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。

・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。

・(本件は地方創生特区にならないのかとの質問に対して)地方創生特区は、現在3件指定しているが、地域に限定したものであり、その数をどんどん増やしていくものではないと考えている。本件は、四国という地域に限定したもので、地方創生になじむ面もあるものの、地方創生特区としては考えていない。

・獣医学部の設置について、愛媛県だけでなく、四国4県で応援している形がほしい。

(四国知事会では、四国に獣医学部が必要であるとして要望しているが、今治市に設置ということになると、他の3県も同意していないとの回答に対して)

四国他県の対応として、それは理解できるし、そこまでは、求めない。

・(新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状はどうかとの質問に対して)愛媛県・今治市としても気になることだと理解できるし、ここだけの話であるが、新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、当初よりもトーンが少し下がってきており、大学用地を用意している今治市と比べても、具体性に欠けていると感じている。

《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15:00》

・本日は、地方創生関連の一部改正法の議員説明が予定されており、多忙を極める内閣府藤原次長に面会できたのは良かった。

・本件は、首相案件となっており、何とか実現したいと考えているので、今回、内閣府にも話を聞きに行ってもらった。今後は、こういった非公式の場ではなく、藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。魅力的なものを持って行って相談してほしい。

・国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。通しやすい方でいい。現在、国家戦略特区の方が政治的に勢いがある。地方創生特区がピッタリではあるが、そう数は増やせない。四国は国家戦略特区の指定がないという点もいい。香川が打診中だったと思うが、申請する意味はある。

・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。

・県も市も首長がやる気になっているのかとの質問に対し〈積極的に取り組む姿勢であると回答〉

・四国に獣医大学がないのは有利。まずは企画書を提出いただきたい。その後に四国の獣医師会などの応援団、こういうものを作ってほしいという後押しをしてくれるところを味方に付けること。鳥インフル対策や水産物の輸出の関係で人がほしいとか、県だけでなく、四国全体の要望として出てくるのであればベスト。日本獣医師会が反対している中で、愛媛県獣医師会が賛成しているのは評価できる。

・四国全体の要望としてはどうかとの問いに対して〈四国各県も公衆衛生に携わる者、公務員獣医は不足しているという共通認識がある。四国知事会でも、「今治地域で」との文言はないが、要望として上げている旨回答〉。

・四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の視点から、農水省・厚労省も歓迎する方向。

・文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず。

・獣医師会には、直接対決を避けるよう、あまり心配しなくていいんですよといったような、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなどを明らかにすること。自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい。

・要望が出てくれば、政府の中は、内閣府が説明していくことになる。藤原次長は、多少強引な所もあり、軋轢(あつれき)が生じている点もあるが、突破力はある。

・〈加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ〉今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよい。


【報告・伺より】
【報告・伺】
<獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について>15年4月 地域政策課

1、4月2日(木)、県地域政策課長・今治市企画課長・加計学園事務局長らが藤原次長及び柳瀬秘書官らとそれぞれ面談した結果は次のとおり。

▽藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11・30

・要請の内容は首相官邸から聞いている。

・国家戦略特区は風穴を開けた自治体が有利。かなりチャンスがあると思っていただいてよい。

・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は具体性に欠けていると感じている。

▽柳瀬秘書官の主な発言(首相官邸)15・00

・本件は首相案件となっており、藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。

・学園から、首相と理事長が会食した際に、下村文科相が学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、(柳瀬氏に)意見を求めたところ、国家戦略特区の提案書と併せて取り組み状況を整理し、文科省に説明するのがよいとの助言があった。

2、県としては、併行して、学園が想定する事業費や地元自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治新都市への中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方について十分に検討したい。

<概要メモ 官邸 柳瀬秘書官>

獣医学部新設の話は総理案件になっている。(懸案として、安倍首相が文科省からの宿題を返せていないという話があり、そのことを心配されていたと聞いたが<加計学園>)その話は下村大臣のところにもっていったのか?


【内閣府藤原次長と柳瀬総理秘書官との面談についてより】
内閣府藤原次長と柳瀬総理秘書官との面談について

4月2日(木)の面談結果について下記のとおり概要メモを報告します。

【内閣府 藤原次長】
愛媛県と今治市からこれまでの取組を簡単に説明した後、今後の特区提案について下記のような話があった。

・構造改革特区として提出されているが、突破口を開くという意味では国家戦略特区で申請することも考えられる。

・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うことになった。国家戦略特区では広く全国レベルの制度改革提案というものであり、一般的な話にはなるものの、やはり風穴をあけた自治体を特区として指定するというのは十分に考えられる。

・今後4月末から5月の連休明けには提案を募集するので、それにぜひ応募を。

・総理は一次産業にも熱心である。申請の軸として獣医学部のみならず水産、養殖といった他産業についても盛り込むことも考えられるが、そのあたりは自治体に任せる。

・事前相談も対応する。むしろ熱心な自治体ほどもってきているといった感じがある。言い換えると自治体にどれくらいの熱意があるか、というところが重要になってくる。

・公衆衛生の観点、公務員獣医の確保といったこれまでの獣医学部ではなかったようなものを提示することも重要である。加計学園の名前は公式なペーパーには出ていないそうだが、実際の事業者と具体的な話ができている、といった点でかなりプラスであると思う。

・申請するにあたっては、2、3枚の分量で具体的かつインパクトがあるものを。資料を作成されたら、早めに相談してもらいたい。

(現在26次特区申請を行っているところだが(今治市))
・特区申請を一体化するという理由から現在審議を止めているところ。

(新潟市から国家戦略特区で追加申請があったかと思うが(愛媛県))
・一時期は打診があったが、現在はそうでもない。具体性があるかどうかでいえば、今治市のほうが上だと思われる。

【官邸 柳瀬秘書官】
・獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった。

・こういった非公開の場でなく、ちゃんとした公開でのヒアリングを行い、「民」の評価を得る必要がある。そのためには魅力的な提案であること(を)示す必要がある。

・獣医師会の反対がある、という点については、これから新設する獣医学部は既存の学部と競合しない分野であることを主張するほうが良い。進路が競合するのではないか、という心配を払しょくするものができれば。

・役所としても厚生省・農水省は獣医学部の空白地帯である四国に学部ができることは、鳥インフル対策等の観点からも望ましいと思っているはず。文科省もいい大学ができるのであれば反対はしないだろう。

・ただし、正面をきるのは得策ではない。こういう特徴があり、これまでとはこういった点を差別化している、という情報をクリアにする必要がある。

・まずは企画書を。その後に応援団、こういうものを地域は望んでいた、という後押しをしてくれるところを味方につけること。四国全体の要望として出すのであればベスト。

・特区担当(内閣府)は調整をするところである。官邸にも内閣参事官として農水省と文科省から出向している者がいるので必要に応じて相談してはどうか。構造改革特区でやるか国家戦略特区でやるかはテクニカルな問題である。

・公開ヒアリングの日程を決めること、そしていい中身をつくることがマスト。(さきほど内閣府で藤原次長とも話をしたが、まずは国策として国家戦略特区で申請する、という話がでた(愛媛県))

・国家戦略特区のほうが、政治的に勢いがある。地方創生特区はあまり数が増やせないということもある。四国はまだないから、香川が打診中だったと思うが、申請する意味はあるだろう。

・確認だが、愛媛県・今治市の両首長がやる気である、ということで間違いないか。
→間違いない。県からは重要要望として毎年提出させていただいているし、今治市は土地の準備まで行っている。

・四国全体の要望としてはどうか。
→四国各県も公衆衛生に携わる者、公務員獣医は不足しているという共通認識がある。四国知事会でも、今治地域で、との文言はないが、要望としてあげている。

・そのスタンスであれば獣医師会の反対は要件ではないように思うが。

(懸案として、安倍総理が文科省からの宿題を返せていないという話があり、そのことを心配されていたと聞いたが(加計学園))
・その話は下村大臣のところにもっていったのか?

(百点満点の答えがでているわけではないが、その点については県・市からも説明してもらいたい(加計学園))

(昨年12月に専門教育課にはご説明に伺っている。獣医師会について一度説明はしているものの、それから面会すらできないといった状況であり、こちらとしてもなんとかしたいと思っているところである。(愛媛県))

(中央(獣医師会)からの引き留めが強いが、「うちに作るなら」という話があるのも事実(加計学園))

・それならば企画書をつくって特区担当者に説明するがてら下村大臣の耳にも入るようにすればよい。文科省でいうと高等教育局の吉田局長にしかるべきときに提案を。

・文科省からの宿題(獣医師会の賛同を得ること)については個別に対応するのではなく、企画書として全体を見られる形でつくるべき。

・文科省の中では求めたものに対応していない、という認識があり、県や市が行っているという認識とにずれがあるように思う。(角田参事官)

・状況は常に本省にも説明している。企画書ができれば農水省にも説明を。(青山参事官)

(特区関連は直接藤原次長に行ったのでいいか)
・構わない。とにかくいいものを作ること。

この3つです。

3つの報告書から読み取れること

これらの文章から読み取れることとして、まず「国家戦略特区」という話は、4月2日の訪問時に初めて出てきているということです。

「復命書」の藤原次長に対する質問事項として、以下のような質問と回答が記されています。

(本件は地方創生特区にならないのかとの質問に対して)地方創生特区は、現在3件指定しているが、地域に限定したものであり、その数をどんどん増やしていくものではないと考えている。

本件は、四国という地域に限定したもので、地方創生になじむ面もあるものの、地方創生特区としては考えていない。

つまり、愛媛県・今治市側が訪問した目的は、国家戦略特区に申請することではなく、「地方創生特区」に申請すること。

【地方創生特区とは?】
自治体側から提案し、意欲ある市町村の取り組みを国が総合的に支援し、地域と一緒に事業を作り上げる制度

となっています。この制度を使うと、国から事業費の2/3の助成を受けることができるんですね。

ただし、年間で最大500万円、最長3年となっていますので、今回の今治市獣医学部の助成としては微々たるものかもしれません。

しかし、藤原次長からはこの事業が「地方創生特区としては考えていない」と否定されています。
その理由として、地方創生特区は本来地域に限定したものであって、その数をどんどん増やしていくようなものではないから。

そして、「四国という地域に限定して行うのであれば地方創生になじむ」ものの、「地方創生特区としては考えていない」と返されているのです。

そう。つまり、藤原次長はこの時今治市の獣医学部の新設を、四国だけにとどめるものではなく、他の地域にもどんどん増やしていくことを想定していたんですね。

そして、そのうえで

『そのため、これまでの構造改革特区のように事務的に対応されて終わりということではなく、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい』

との提案を愛媛県・今治市は藤原次長より受けています。

さらに藤原次長は

『今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始』

することを愛媛県・今治市に伝えています。つまり、これまでは構造改革特区と国家戦略特区は別々に取り扱っていたが、今年度からは双方を一体的に取り扱う、と言っているわけですね。

この後面会した柳瀬秘書官は、

『本日は、地方創生関連の一部改正法の議員説明が予定されており、多忙を極める内閣府藤原次長に面会できたのは良かった』

と伝えていることから、愛媛県・今治市が訪問したのは、藤原次長が構造改革特区と国家戦略特区を一体化するための法改正の議員説明が予定されている、その真っ只中であった、ということがわかります。


『首相案件』?

さて。ここで、柳瀬秘書官の発言として、この「首相案件」という言葉が2度登場します。

1回は復命書別紙にて。2回目は報告・伺にて。ところがこの言葉、もう一つの『内閣府藤原次長と柳瀬総理秘書官との面談について』という報告書では、以下のように表現が変わっています。

『獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった』

と。そう。先ほどの2つの報告書では「首相案件」であった場所が、いつの間にか「総理案件」に置き換えられているんですね。

また、「総理案件」という表現については、『報告 伺』にもう1か所用語が登場します。

<概要メモ 官邸 柳瀬秘書官>

獣医学部新設の話は総理案件になっている。(懸案として、安倍首相が文科省からの宿題を返せていないという話があり、そのことを心配されていたと聞いたが<加計学園>)その話は下村大臣のところにもっていったのか?

この内容については、「復命書」にて以下の通り表現されています。

・〈加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ〉今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよい。

この記述を受けて、報道ではあたかも安倍さんと加計理事長との間で行われた会食に下村元文科大臣が同席していたかのようにして報道していましたが、よく読めばそうではないことがわかりますね。

安倍さんと加計理事長が会食をしたとき、安倍首相から加計理事長に、「そういえば加計さん、この間下村さんが『加計学園は課題への回答もなくけしからん』と怒っていたよ」という伝達があった、という話です。

ほんとマスコミの国語力を疑います。

また一方で、「復命書」には、柳瀬秘書官のところを訪問する前に加計学園と事前打ち合わせを行った内容として、

先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったことに対し、理事長から柳瀬秘書官にちゃんと説明しておくように言われている。

同秘書官からも、本日、その点を質問される可能性があり、県・今治市から、100%の回答にはなっていないが、ちゃんと昨年12月26日にペーパーにより文部科学省に直接説明している旨を回答してほしい。

この内容から、安倍さんと加計さんが会食を持ったのは、少なくとも県と今治市が昨年(2014年)12月26日にペーパーにて文部科学省に直接説明を行う以前の話であることがわかりますから、この会食が持たれたのはは完全に「構造改革特区」に係る時期の話であったことがわかります。

安倍首相は、少なくとも構造改革特区時代の話として、加計学園が今治市と組んで獣医学部新設申請を行っていた話は知っていたと言っているわけですから、ここには矛盾はありませんね。

先ほどの概要メモに話を戻しますが、

『獣医学部新設の話は総理案件になっている。(懸案として、安倍首相が文科省からの宿題を返せていないという話があり、そのことを心配されていたと聞いたが<加計学園>)その話は下村大臣のところにもっていったのか?』

という並びになっていますので、『獣医学部新設の話は総理案件になっている』ことと、『懸案として、安倍首相が文科省からの宿題を返せていないという話があり、そのことを心配されていた』という話が同じ文脈の中で語られているかのように勘違いされてしまいそうですが、そもそもこの2つの話題はそれぞれ別々の話題に関するメモ書きであることがわかります。

愛媛県側が当初示していた「首相案件」文書における「首相案件」という文言は、実は「総理案件」という言葉でっただろうということは、柳瀬氏の参考人質疑からも推測することができます。

では、この「総理案件」という言葉が、本当に安倍首相直々に加計学園を優遇していることを示しているのかどうかと申しますと、ここは推測することしかできません。

ですが、この時期がちょうど構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱う法改正が行われる時期であったことを考えると、柳瀬氏は例えば「首相肝いりの案件」などという趣旨で発言したのかもしれません。

もしくは「担当が内閣府になる」という趣旨の内容を「総理案件」と表現したのかもしれません。

全体的な流れからしますと、加計学園、もしくは愛媛県・今治市は、相談を先に首相官邸に行っていることは明らかかと思われます。そして、おそらく柳瀬さんは、4月2日に愛媛県・今治市と面談する前に、一度加計学園にあって話をしているのではないかと思われます。

ちょうどこの時期は新潟市が国家戦略特区として獣医学部設立を申請している時期でもあり、このタイミングで過去に名刺交換をしたことのある加計理事長が面会を申し込んできたので、「ぜひ一度話を聞いておきたい」と考え、首相官邸に招いたのではないでしょうか?

この時の人数が10名程度であり、この時に学部長である吉川教授も同席していたのではないかと思われます。

またさらに、この時に今回の案件が内閣府の管轄であることを理由に加計理事長に藤原氏を紹介し、加計理事長は3月24日に内閣府を訪問し、藤原氏と面会。事の経緯を相談し、意気投合。4月2日のアポ取りを行ったものと思われます。

この時の経緯については、今治市側からも一部資料が流出していますので、これも紹介しておきます。

今治市復命書
今治市復命書2
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
今治市復命書3
今治市復命書4
4枚目の資料に、「15:00から(黒塗り)4月1日に急遽決まったため」という記載が見られます。

他の資料で、これが「4月2日15時~16時半までの予定が急遽決まった」ことを示しているものであることが確認できています。

つまり、加計学園は藤原氏と面会した後、首相官邸とも必死に連絡を取り、柳瀬氏と会うことができないかどうかという打診をかけていたということ。柳瀬氏と連絡が取れ、訪問が決まったのが4月1日。

このことを加計学園は今治市に連絡したわけです。そこで、今治市は急遽予定を変更し、帰りの便を遅らせたわけです。

ちなみに同じ情報が愛媛県の資料では復命書にて、「15時~15時40分総理官邸」と記されていますので、実際にあって話すことができた時間は40分。(この資料は報告書ですから、実際に訪問した時間が記載されています)

また、愛媛県の資料では、「内閣府藤原次長と柳瀬総理秘書官との面談について」において、
特区担当(内閣府)は調整をするところである。官邸にも内閣参事官として農水省と文科省から出向している者がいるので必要に応じて相談してはどうか。構造改革特区でやるか国家戦略特区でやるかはテクニカルな問題である。

という記述があります。

ここで柳瀬氏より愛媛県・今治市が紹介されているのが途中でご紹介した角田喜彦氏と青山豊久氏という2名の内閣参事。

つまり、愛媛県職員が首相官邸にいた40分の間に、さらに文部科学省角田参事、農林水産省青山参事とも面会し、柳瀬氏よりの紹介を受けているということです。

朝日新聞の記事では、中村知事の発言として、
「職員はメインテーブルに座っていた。後ろじゃない」と説明。面会したのは加計学園の関係者、県職員、今治市職員の計6人で、全員がメインテーブルに座ったとし、「職員に聞いたところ、この日は吉川氏はいなかった」とも述べた。

 また、「県職員は子どもの使いじゃない」とし、職員が積極的に発言した、とも主張。

と記されています。ですが、このたった40分の間に、しかも柳瀬氏以外の人物を2名紹介されたほどの時間で柳瀬氏に与えられた印象は、果たしてどの程度のものだったのでしょう?

柳瀬氏が本当のことを言っているのかどうか、それは私にはわかりません。

ですが、たかがこの程度の面談で、中村知事が激高(したふりを)し、「愛媛県の信頼に関わる!」などと主張できるほど大それた面談であったとはとても思えません。

何よりこの面談が、「前日に急遽決まった面談」であることも忘れてはいけないと思います。


中村知事が、市議会議員選挙で自分たちの陣営の選挙結果を有利に運ぶため、つまりは「私利私欲のため」に公開した文書が、ここまで国政を混乱させる結果となっているわけです。

中村知事。相応の姿勢を見せるのがあなたの本来行うべきことだと思うのですが、あなたはどう感じるでしょうか。


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