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第382回 国・地方の借金1108兆円に…なお先進国最悪…なのか?など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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本日はこんな記事を見かけましたので、久しぶりに「国債」に関連した記事を作成してみたいと思います。

【読売新聞オンライン】2017年12月22日
国・地方の借金1108兆円に…なお先進国最悪

財務省は22日、2018年度末の国と地方を合わせた長期債務(借金)の残高が、17年度末の見込み(1087兆円)より約21兆円増え、1108兆円になるとの見通しを発表した。

債務残高

内訳は国が約915兆円、地方が約192兆円となる。国民1人当たりの金額に換算すると、17年度より18万円多い、約874万円の借金を抱える計算だ。

経済成長により国内総生産(GDP)が底上げされ、GDPに対する長期債務残高の割合は196%となった。17年度見込みの198%からはわずかに減るが、なお先進国では最悪の水準にとどまる。

また、政府は18年度に発行する国債(新たな借金と借り換え分などの合計)は、前年度より約4・1兆円少ない149兆8856億円とし、当初計画ベースでは4年連続で減らした。

記事は読売新聞から。

私のブログを読んでいただいたことのある方に関わらず、このタイトルに込められた一定の「悪意」を認識されている方は大分増えてきていると思います。

ただ、この「悪意」を「他のブログ」にて掲載している内容と同じ内容を掲載したのではもちろん私のブログらしくありませんから、私のブログでは、これを私のブログの「代名詞」の一つである「60年償還ルール」を根拠として記事にしていきます。

60年償還ルール的には第27回の記事第104回の記事、そして第359回の記事 でそれぞれご紹介した通りです。

特に 第359回の記事 は一つの完成形に至っている、と私は自負しておりますので、ご一読いただければありがたく思います。

読売新聞の記事中、財務省の発表はあくまでも「2018年度の見込み」ですから、まだ確定したものではありません。

2017年度までの資料としては、

国債発行残高の推移

こちらが詳細に掲載されています。クリックしていただきますと実際の財務省のページに移動します。

ただ、内容はあくまでも「国債発行残高」に関するものですから、地方債務までは掲載されていません。

読売新聞記事では2017年度末の見込みとして総額が1087兆円とあります。財務省データではこのうち「普通国債(建設国債:4条国債+赤字国債:特例国債)」の発行残高が総額で865兆となっていますから、地方債の発行残高は222兆円。

一方2018年の見込みとしては総額が総額が1108兆円、国の債務が915兆円、地方債が192兆円・・・ということですから、地方債、減ってますね。

ただし、おそらく読売新聞のデータにはいわゆる「国債」以外の銀行からの「借入」も含まれていると考えられますので、実際には「地方債が減っている」という私の記載内容は正確ではないと考えられます。

ですので、確定できる部分。「2018年度末の国と地方を合わせた長期債務(借金)の残高」が「1087兆円」から21兆円増え、「1108兆円」になるという見通しとなったこと、2018年の内訳が「国が約915兆円、地方が約192兆円となる」こと、そして

「政府は18年度に発行する国債(新たな借金と借り換え分などの合計)は、前年度より約4・1兆円少ない149兆8856億円とし、当初計画ベースでは4年連続で減らした」

と掲載されている内容のみから記事は作成していきます。


国と地方を合わせた長期債務の残高は本当に「先進国中最悪」なのか?


ブルームバーグの記事がもう少し詳しいので、こちらからも引用します。

【ブルームバーグ】2017年12月22日
財政赤字10年ぶり低水準、税収増見込む-来年度予算案を閣議決定

政府は22日、2018年度一般会計予算案を閣議決定した。総額は社会保障関係費の増加に伴い97兆7128億円と6年連続で過去最大を更新したが、60兆円近い税収を見込み、新規国債発行額を8年連続で減少させた。これによって、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)は改善し、赤字額は10年ぶりの低水準となった。

  歳入のうち税収は27年ぶり高水準の59兆790億円。賃上げを想定し、所得税を前年度当初比6%増の19兆200億円としたほか、消費税収は2.5%増の17兆5580億円と見積もった。法人税収は1.8%減の12兆1670億円。国債発行額は2%減の33兆6922億円に抑え、国債依存度は34.5%と10年ぶり(当初ベース)の低水準に抑えた。

  これによって国債費を除いた歳出と国債収入以外の歳入を差し引きしたPB赤字額は10兆3902億円と2年ぶりに改善し、5兆1848億円の赤字だった08年度以来の低水準を記録した。国・地方を合わせた政府の長期債務残高は対国内総生産(GDP)比196%の1108兆円程度、国の普通国債残高も対GDP比156%の883兆円程度といずれも過去最高を更新した。

こちらはタイトルからして読売記事とは方向性が異なりますね。

こちらの記事では普通国債残高が掲載されており、883兆円となっていますので、読売記事の「915兆円」から差し引いた32兆円が国債以外の「借入」(もしくは財政投融資債)ということになります。

17年度の普通国債発行残高が865兆円ですから、増加した「普通国債発行残高」は18兆円、ということになります。

一方、18年度の国債発行額(建設国債+赤字国債=普通国債発行額)は「33兆6922億円」となっており、読売記事では普通国債以外の国債も含めた国債発行額の総額が「149兆8856億円」となっていますので、この額から普通国債発行額を差し引いた116兆1934億円が「借換債+財政投融資+復興債」の額であることになります。

17年度の「借換債+財政投融資債+復興債」の額は119兆5935億円ですから、「借換債+財政投融資債+復興債」の額が総額で
3兆4001億円減少したことになります。

実際に減少したのが借換債なのか、財政投融資債なのか、復興債なのかはわかりません。ですが、「復興債」は17年度で1兆5145億円ですから、仮に復興債が減少していたとしても、借換債か財政投融資債のどちらかも合わせて減少していることになります。

私は、おそらくその大部分は「借換債」からの減少分に該当すると考えています。


改めて考える「60年償還ルール」

さて。そこで「改めて」考えていただきたいのが「60年償還ルール」の事です。

2018年度の事例で考えますと、普通国債は単年度で33.7兆円発行されているにも関わらず、「普通国債発行残高」総額は21兆円しか増えていません。33.7兆円から21兆円を差し引きますと12.7兆円がどこかに消えてしまっていることになります。

税収で返済したからでしょうか?

いいえ、違います。もちろん「見込み額」なのは歳出だけでなく歳入も同じことですから、税収の見込みがやや多すぎる感があることは否めませんが、それでもこの見込み額から差し引かれた「税収」はすべて国債以外の「歳出」に充てられています。

税収で足りないから国債が発行されているのですから、33.7兆円国債が発行されたのであれば、その分「国債発行残高」に加算されなければ普通おかしいのです。

にもかかわらず、なぜ12.7兆円も姿を消しているのか。もうわざわざ説明するまでもないでしょうが、この金額は「60年償還ルール」の仕組みの中で吸収されてしまっているのです。

再度 第359回の記事 を見てみましょう。

頭が砕かれそうな思いがするかもしれませんが、大切なのは発行される予定の33.7兆円ではなく、増加した21兆円が一体どこから生まれたのか、ということ。

2017年度は新規普通国債が34.3兆円発行される見込みですが、18年度は33.7兆円しかされない予定です。この差額、6776億円分が「国債発行残高」総額からまず差し引かれます。

ですので、もし18年度の国債発行額が17年度と同額であったとしたら、国債は実際には21.6776兆円増額していることになります。

とすると、残る21兆円は一体どこから発生したのでしょうか?

実は、戦後日本で初めて国債が発行された年。今から52年前。昭和40年に発行された、たった1972億円の国債がその原資となっています。

こんな風に表現すると、「1972億円の国債が21兆円に膨らんだのか!」という人もいそうですが、違います。

18年度の見込み額は17年度よりも6776億円少なくなっていますから、その分「国債発行残高」から減額されました。

ですが、仮に18年度の見込み額が17年度より多かった場合。その額は「国債発行残高」に対して加算されます。

同額であれば増えることも減ることもありません。

つまり、2018年度に増額すると見込まれている国債発行残高21兆円とは、18年度に発行されることが見込まれている普通国債の新規発行額が原因で増えるのではなく、過去52年間の間に発行された国債の、年度ごとの「増減額」分が積み重なったもの、なのです。

単純にこの21兆円を52倍しただけでも1092兆円となりますから、この考え方は難しくないと思います。

もちろん毎年21兆円増え続けているわけではなく、現在はその積算額が883兆円となっています。また、実際にはこれ以外に「償還期が訪れていない国債」の未償還分の金額もこの中に含まれています。

では、その額は永遠に増え続けるのかと申しますと、これがそうではありません。

第359回の記事 をご覧いただければわかりますように、私たちの国では「60年償還ルール」というシステムが導入されていますから、60年経過すると、増加する21兆円の原資となっている昭和40年の国債発行額は「0円」となります。

つまり、昭和40年分の「借換債」が新たに発行されることはなくなりますから、60年経過するとその分が加算されることはなくなるのです。

何を言っているんだ、とおっしゃる方はぜひ 第359回の記事 をご覧になって、頭の中を整理してみてください。


マスコミ報道のいい加減さ

記事内容としては、特に読売の記事では、この考え方をまったく理解せず記事を作成していることがよくわかると思います。

記者としては三流以下ではないでしょうか?

大切なのは「年度間での国債発行額の差額」と「もっとも古い国債の発行額」を見る習慣。これがわかれば今回の読売のような記事は作成できないと思います。

新聞を読むときこんな視点で記事を見ていただければ、新たなる「発見」もあるかもしれません。ぜひ三流のマスコミ報道に振り回されることのないよう、正確な情報を手に入れる癖をぜひ皆さんも大切にしてくださいね。



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このエントリーにお寄せ頂いたコメント

国債残高1000兆(800兆)毎年新規国債40兆円


新規国債34兆円

(これが新聞で赤字国債と呼ばれるやつです)

借款債106兆円

(これが今まで借りた国債をもう一度国債を発行して

       借り換える分です)

過去二十年間34兆円くらいずつ赤字国債を発行して

積もりに積もった800兆円(34兆✕20年≒800兆)

今は純粋な基礎的財政収支の赤字分34兆円を日銀が受けおってます

このままだと日本の財政がパンクして

預金封鎖(日本の銀行がすべての国債を受けおってます

日本の総預金は1000兆と言われてます)

日本の経済はもはや潰れています

日銀がすべて請け負うしかないです

金融緩和ハ誰にも止められない
自民党にHISAYAと呼ばれるもの at 2018/06/04(月) 04:19 | URL

HISAYAさま

コメントありがとうございます。
ですが、HISAYAさまのご認識の中には必ずしも正しいとは言えないご認識があるようですので、少しご説明させていただきます。

> 国債残高1000兆(800兆)毎年新規国債40兆円
>
>
> 新規国債34兆円
>
> (これが新聞で赤字国債と呼ばれるやつです)
新規国債の中には「建設国債」と呼ばれるものと、「特例国債」と呼ばれる2種類の国債が発行されており、「赤字国債」と呼ばれているのはこの2種類の国債の内「特例国債」と呼ばれるものがこれに該当します。

29年度でいえば、建設国債は6.097兆円発行されており、いわゆる赤字国債の発行額は28.2728兆円になります。

詳細はこちらの記事↓
https://nonkinonki007.blog.fc2.com/blog-entry-200.html

をご覧ください。

>
> 借款債106兆円
>
> (これが今まで借りた国債をもう一度国債を発行して
>
>        借り換える分です)
>
> 過去二十年間34兆円くらいずつ赤字国債を発行して
>
> 積もりに積もった800兆円(34兆✕20年≒800兆)

違います。800兆円の国債は、昭和40年に初めて国債が発行されて以来、これが60分割された金額が毎年積み重ねられています。
ですので、正式にはまだ昭和40年に発行された国債は返済しきれていませんし、当然昭和41年~平成28年までに発行された国債は前年度その国債の一部が返済されないまま蓄積されています。

ですので、たった20年間ではっこうされた国債の発行残高が800兆円であるわけではありません。

詳しくはこちらの記事↓
https://nonkinonki007.blog.fc2.com/blog-entry-359.html

をご覧ください。

>
> 今は純粋な基礎的財政収支の赤字分34兆円を日銀が受けおってます
>
> このままだと日本の財政がパンクして
>
> 預金封鎖(日本の銀行がすべての国債を受けおってます
>
> 日本の総預金は1000兆と言われてます)
>
> 日本の経済はもはや潰れています
>
> 日銀がすべて請け負うしかないです
>
> 金融緩和ハ誰にも止められない

私個人的な意見としては、現在の日銀による「異次元の量的質的緩和」には反対です。
なぜなら、わざわざそんなことをせずとも、日本の金融市場には新規に発行された国債や借換債を毎年消化するための潤沢な資金は十分に余っているからです。

にも拘わらず、なぜ黒田日銀・安倍内閣は「異次元の量的質的緩和」を実施したのか。これは、それまでの民主党内閣の金融政策との違いを明らかにすることで、「流動性のわな」に陥ってびくともしなかった金融市場を動かすことを目的として行われたものです。

流動性の罠に陥った金融市場を動かす=名目利子率を高める方法は、以下の公式

 名目利子率=実質利子率+期待インフレ率(フィッシャーの方程式)

に当てはめますと、「期待インフレ率」を高めることが最大の近道です。

黒田日銀・安倍内閣による「異次元の量的質的緩和」はこれを意識して行われたものです。


ですが、せっかく市場の期待インフレ率が高まっても、同じことをずっと続けていたのでは市場も飽きてしまいますし、そもそも「異次元の量的質的緩和」の原資ともいえる既発国債の量は限られています。いつまでも安倍内閣誕生時期と同じ規模の金融緩和を継続することは不可能なのです。

黒田日銀・安倍内閣における「異次元の量的質的緩和」が莫大な金額の「買いオペ」を前提としたものである限り、マネタリストたちがいくら「金融政策の限界」を否定しようが、「異次元の量的質的緩和」にはいつか限界が訪れます。

ですから、黒田さんは「マイナス金利政策」を「イールドカーブコントール政策」へと変更し、さらに「物価目標(インフレターゲット)」の達成時期を金融政策から削除したのです。

もちろん、金融政策の規模を縮小することは、自ずから「期待インフレ率の縮小」に繋がりますから、よほど慎重に行う必要があります。

そして、それ以上に金融政策の役割が限界を迎えているのであれば、今度は政府の「財政政策」をどのように行うのかが本当に大切になってきます。

ただ、少なくとも現在の安倍内閣の「雇用状況」や「給与所得」の推移をみる限り、仮に今金融政策の規模を縮小したとしても(実際に縮小していますが)、金融政策が実体経済に与える影響はほぼない、と考えてもよいのではないでしょうか。
nonkinonki at 2018/06/07(木) 18:56 | URL

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