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第381回 神聖ローマ帝国崩壊に至る経緯など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>ナチスドイツは一体なぜ誕生したのか?


<継承する記事>第377回 バイエルン人と「オストマルク」~オーストリアの誕生~

バイエルン人とプロセイン人との対立を見る上で、どうも神聖ローマ帝国崩壊後、ドイツがプロイセン王国とオーストリア帝国に分裂した後の状況を見る必要があるのではないか、と思われます。

構図的に言うとプロイセン王国=プロイセン人、オーストリア帝国=バイエルン人、という構図です。

今回の記事では、まずドイツが分裂する前、神聖ローマ帝国崩壊に至る経緯を調べてみたいと思います。


神聖ローマ帝国はなぜ崩壊したのか

今回のテーマは、いつもとは逆で結論からさかのぼる形で記事を作成してみたいと思います。

神聖ローマ帝国最後の皇帝はフランツ2世。彼がドイツ皇帝(神聖ローマ皇帝)の退位を宣言し、帝国の解散を宣言したことで神聖ローマ帝国は崩壊しました。

この時、彼が行った宣言は以下の通りです。

朕はライン同盟の結成によって皇帝の権威と責務は消滅したものと確信するに至った。それ故に朕は帝国に対する全ての義務から解放されたと見なし、これにより、朕とドイツ帝国との関係は解消するものであるとここに宣言する。

これに伴い、朕は帝国の法的指導者として選帝侯、諸侯そして等族その他全ての帝国の構成員、すなわち帝国最高法院そしてその他の帝国官吏の帝国法によって定められた義務を解除する。

この言葉によりますと、「ライン同盟」の結成によりドイツ皇帝としての退位を決断したことになります。

では、「ライン同盟」とはいったい何なのでしょう?


「ライン同盟」とは何か?

Wikiベースで進めます。

Wikiによりますと、この「ライン同盟」について以下の様に記されています。
フランス皇帝ナポレオン1世の圧力により、神聖ローマ帝国内の全ドイツ諸侯は名目だけ存続していた帝国を離脱してフランス帝国と同盟し、ライン同盟が成立した。同盟は、ナポレオンを盟主とし、大司教ダールベルクを総裁としたフランス主導の国家連合であった。

つまり、「ライン同盟」結成を主導したのは「フランス皇帝」であったナポレオン1世であり、神聖ローマ帝国に所属していた前ドイツ諸侯が神聖ローマ帝国を離脱し、フランス帝国と同盟関係を結んだため、そもそも「神聖ローマ帝国」そのものが成り立たなくなったわけです。(1806年8月)

ナポレオン1世。私のブログでも、第52回の記事 で登場しましたね。

第60回の記事 では更にそのナポレオン1世が築いた「ナポレオン帝国」についても記事にしています。

少し引用してみます。

「ナポレオン帝国」の果たした役割

ナポレオンが登場する以前のフランスはヨーロッパ諸国と戦争状態にありましたので、ナポレオンの役割は、この「戦争状態」を収束させることにありました。

特に1798年、ナポレオンがクーデターにより実権を握ってからは、それまで各国からフランスを守るための戦争であったはずのものが「フランス革命の精神をヨーロッパ全土に拡大するため」との大義名分のもと、事実上の征服戦争を展開。ヨーロッパ各国に「自由主義」と「ナショナリズム(国民主義)」の精神を押し広げるのです。

ナポレオン帝国

濃い青がナポレオン帝国の領土、薄い水色が属国です。
フランスの右側が「ライン同盟」と呼ばれる連合国家、飛んで右側がワルシャワ公国。その間の二つの領土が上からプロセインとオーストリアで、両国ともフランスの同盟国です。

これだけのエリアにフランスが革命によって勝ち取った(?)「自由主義」と「国民主義」の精神が少なくとも「広められた」わけです。

ちょうど「ライン同盟」も「プロイセン」も「オーストリア」も名前が登場していますね。

ライン同盟が結成されたのは1806年7月。記事によると、ナポレオンが実権を握ったのは1798年の事ですから、ナポレオンが実権を握ってより8年後の出来事です。

記事によりますと、

『ナポレオンが登場する以前のフランスはヨーロッパ諸国と戦争状態にありましたので、ナポレオンの役割は、この「戦争状態」を収束させることにありました』

とあります。ではそもそもなぜナポレオンが登場する前のフランスはヨーロッパ諸国と戦争状態にあったのでしょうか。


「フランス革命」と「フランス革命戦争」

この理由は、実は第51回の記事 で触れており、その最大の理由は「フランス革命戦争」であることがわかります。

ここも少し引用してみます。
このころのフランスでは、国王の逃亡事件を機に、国王に対する不信感が高まり、これまで国民の多数を占めていた国王擁護派が、左派に傾倒するようになり、革命そのものが急進化する傾向にありました。

国王の逃亡を手引きしたスウェーデン王グスタフ3世は、逃亡失敗の知らせを受けるとフランスから亡命した貴族たちと共に諸外国に呼びかけて「反革命十字軍」を組織する計画を立て、ロシアとも軍事同盟を締結しますが、グスタフ3世は暗殺されます。

また、亡命に成功していたルイ16世の実弟であるアルトワ伯爵が、神聖ローマ帝国皇帝やプロイセン王と共に「ピルニッツ宣言」という、一種の宣戦布告とも受け取れるような宣言を出すなどフランスと諸外国の間では今にも戦争が巻き起こるのではないかと、このような機運が高まる状況にありました。

ジロンド派はピルニッツ宣言等の「外圧」を「革命政府に対する脅迫」であると受け止め、1972年4月、オーストリアに対して宣戦布告します。(フランス革命戦争)。

逃亡した国王とはもちろんルイ16世の事。そしてルイ16世の夫人はあのマリーアントワネット。オーストリア=ハプスブルグ家を実家に持つ女性です。

このあたりの推移は、シリーズ「右翼」と「左翼」の違いを分かりやすく検証します に最初から目を通していただけますと、よく理解いただけるのではないかと思います。

つまり、フランスが諸外国と戦争状態に陥った最大の理由はフランス革命が勃発したこと。特にルイ16世がフランスより国外逃亡を図った「ヴァレンヌ事件」と、神聖ローマ皇帝レオポルト2世とプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世がフランスにおける王権復旧を求めて行った「ピルニッツ宣言」そしてこれに応じる形でフランス革命政府が起こした宣戦布告。

これをきっかけとしてフランスは欧州諸外国との間で戦争状態に陥ることになります。

改めてご記憶いただきたいのは、フランス革命戦争が起きた当時はフランス革命が起きた後。つまり、フランスによる王政が事実上崩壊した状態にあった、ということです。

帝政を敷いていたフランス以外の諸外国にとっては、この影響が自国にまで及ぶことはある意味恐怖であったのではないでしょうか?

ですからスウェーデン王がルイ16世(ブルボン家)の逃亡を手引きしたり、ドイツ(神聖ローマ)皇帝とプロセイン王が王政復旧を求めたり、といった行動を行ったのでしょう。

実際、フランス革命を起こすことに成功したフランスでも、ナポレオンの登場後は再び帝政へと戻っています。


ピルニッツ宣言

発端となるピルニッツ宣言が出された経緯ですが、ルイ16世の国外逃亡に対して、一番動揺したのは、ルイ16世(ブルボン家)の下に妹を嫁がせていた神聖ローマ皇帝であるレオポルト2世(ハプスブルグ家)。

妹の身を案じ、ブルボン家に対する支援を行うことをヨーロッパ諸侯に呼びかけるわけですが、結果的にこれに応じたのがスウェーデン王グスタフ3世と、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世の2名。

引用文にもある通り、スウェーデン王グスタフ3世はロシアとも同盟を結成し、反十字軍同盟を結成するわけですが1792年3月に暗殺されます。

同年7月、オーストリアとプロイセンは同盟関係を結びます。

このオーストリアとプロセインに、ルイ16世の弟であるアルトワ伯をはじめとするフランスからの亡命貴族が熱心に働きかけ、発表されたのがルイ16世の完全なる自由を取り戻すために武力による圧力を加えますよ、内容の「ライプニッツ宣言」。

これに亡命貴族たちが熱くなって更なる脅迫をフランス革命政府に対して行ったことからフランス革命政府が起こって行ったのがフランス革命戦争を引き起こした「宣戦布告」です。


この記事はフランスを追いかけるための記事ではありませんので、フランス革命に関してはこの程度にとどめておきます。

結論として、神聖ローマ帝国が崩壊したのは「フランス革命」が勃発したから。ものすごく簡単に言うとそういうことですね。

ただ、少なくともこの時代、対フランス革命政府という大義に於いてオーストリア(ハプスブルグ家)とプロイセンは同盟関係を結べる関係にはあった、ということです。とはいえ、ハプスブルク家=バイエルン人というわけではありませんから、バイエルン人とプロイセン人が友好的であった、ということにはならないでしょうけれど。

次回記事では、「ナポレオン帝国」の結成において結ばれた「ライン同盟」。この「ライン同盟」がどのような経緯で結ばれたのか、このあたりに着目して記事を作成してみたいと思います。



このシリーズの次の記事
>> 第383回 中世におけるバイエルン/バイエルン王国の誕生とライン同盟
このシリーズの前の記事
>> 第380回 オーストリアとハプスブルグ家

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