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第369回 平成29年(2017年)度9月度消費者物価指数が公表されました。など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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先月末。10月31日に、9月分の「消費者物価指数」が公表されています。(本日は11月5日です)

第364回の記事 で8月分の情報も掲載したのですが、先月は衆院選選挙月だったこともあり、いつものような詳細な情報ではなく、大枠で「アベノミクスの成果」をうかがうことのできる記事に仕上げました。

ですが、先月より「消費者物価指数」の状況が少し「改善」する気配を見せていて、私個人的には「面白い状況」になっています。


平成29年(2017年)度8月/7月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年8月/7月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.7(0.7/0.4)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.7 (0.7/0.5)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.9(0.8/0.6)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.9(0.8/0.6)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.2 (0.2/0.1)

先月詳細な情報を掲載しませんでしたので、今回は先月の前年同月に加えて、7月度の前年同月比も併せて掲載しています。

この中でどの数字を一番重要視すべきかと申しますと、「海外の物価動向(エネルギー)」と「天候に左右される物価動向(生鮮食品)」を取り除いた数字、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が一番重要な数字になります。

0.2%の物価上昇ですから、まだまだ伸び悩んでいる状況は改善なされていませんが、そんな中で

 「持ち家の帰属家賃を除く総合」

が7月度の0.6%から8月が0.8%、そして9月は0.6%と、順調に回復しているのがまず第1の「面白い状況」です。

私のブログでは何度もお伝えしていますが、

 「持ち家の帰属家賃」

というのは、

 「もし持ち家が持ち家でなく借家だったとしたらいったいいくら支払っていることになるのか」

という、なぜそんな数字をわざわざカウントしなければならないのかが全く理解できないフィクションの数字ですから、日本の経済成長を知るためには本来不必要な数字です。

消費者物価指数総合が、

 7月:0.4%、8月:0.7%、9月:0.7%

と推移する中で、持ち家の帰属家賃を除いた総合は

 7月:0.6%、8月:0.8%、9月:0.9%

と推移していますので、本来フィクションの数字であるはずの持ち家の帰属家賃が、CPI全体を約0.2%も押し下げていることがわかります。

この理屈を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に当てはめて考えてみますと、

 7月:0.3%、8月:0.4%、9月:0.4%

といった様子で動いていることが推察されます。この0.4%という数字も、これは本来政府が目指している数字からすればまだまだ低いわけですが、2017年3月に-0.1%前年割れし、4月、5月、6月と0%成長を続けてきた状況から考えると、やはりこの0.4%という数字は期待を抱かせる数字ですね。

もちろん、本年3月、4月、5月、6月の前年同月比にも「持ち家の帰属家賃」が含まれていますから、ここから0.2%足した前年同月比を本来は想定しておくべきだとは思いますが。


【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】
※( )内は2017年8月-7月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.1(0.9-0.6)

 生鮮食品 ウェイト:414
 1.2(0.8/△1.1)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  1.0(0.9/0.9)

住居 ウェイト:2087
△0.2(△0.2/△0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.0(0.0/△0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
6.0 (5.2/4.3)

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.2(△0.2/△0.4)

被服及び履物 ウェイト:412
△0.3(0.6/0.0)

保健医療 ウェイト:430
1.8(1.8/0.1)

交通・通信 ウェイト:1476
0.0(△0.4/0.1)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4/0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.2(0.4/0.0)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(0.3/0.1)

念のためにお伝えしておきますと、「ウェイト」というのは「重要度」の事。消費者物価指数全体に対する影響度を数字化したものです。つまり、この数字が大きいほど物価全体に対する影響が大きい、ということになります。

一つだけネガティブな情報を載せておきますと、この10大費目のうち「被服及び履物」の費目が下落していることは少し残念な印象を私は受けています。

「エネルギー物価」の下落の影響を受けて、消費者物価指数全体がなかなか上昇できずにいる中で、「被服及び履物」の費目は安倍内閣スタート以来、永続的に前年度をオーバーし続けており、「物価の優等生」だったのですが、このところ上昇幅が頭打ちになったことも感じていました。

昨年までの上昇に勢いがありすぎた、ということもあるのでしょうか。

個人的には「物価上昇率」は1%程度が健全であると考えていますので、このあたりで落ち着くのも一つの選択肢なのかもしれないな、とも思っています。


【家具・家事用品の前年同月比】
さて。今回の「消費者物価指数」10大費目の中で、私が一番「面白い!」と感じているのは、この「家具・家事用品」の分野です。

前年度比△2.0%ですから、「前年度割れしてるやん!」っていう声が聞こえてきそうですが、それでも今回着目すべきはここ。

家具・家庭用品CPI(~2017年9月)

「被服及び履物」がこれまでずっと安倍内閣の物価をけん引してきた物価の優等生であったのなら、この「家具・家事用品」は真逆で物価の足を引っ張り続けてきた劣等生。

平成26年は消費増税年ですから、4月に一気に物価が上昇しているのは消費増税が行われたことによるものです。

ただ、とはいえ翌平成27年4月にいったんは前年度割れするものの、同年12月まで前年同月比では上昇を続け、最終的に2.3%まで物価上昇を果たしました。

ところが、年明けの1月から急速にその上昇幅が縮小し、28年6月に前年度割れ。以来本年、平成29年9月まで前年度を割り込み続けているのです。

その、「主犯」ともいえるのが「家庭用耐久財」の前年度割れです。ピーク時には平成28年(2016年)9月の前年同月比-6.8%まで落ち込んでいました。

エネルギー物価の前年度割れは日本国内ではなく、海外の要因が大きいですので、日本国内の努力でどうにかしろ、と言われてもこれは無理な話です。ですからCPI総合から「エネルギー物価」を除いた消費者物価指数が存在するわけですが、

CPI(前年同月比)推移

こちらのグラフが示す黄色のライン。すなわち「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が2016年(平成28年)2月以降、その上昇幅が縮小する一つの原因としてこの「家具・家事用品」の低迷が完全な「主犯」となっていました。

【家具・家事用品の前年同月比】
※( )内は2017年8月/7月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
△0.2(△0.2/△0.4)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 1.2(1.0/0.0)
 室内装備品 ウェイト:25
 △1.8(△4.7/△4.7)
 寝具類 ウェイト:27
 △0.6(0.0/△0.2)
 家事雑貨 ウェイト:72
 0.8(1.1/1.1)
 家事用消耗品 ウェイト:86
 △2.3(△1.7/△1.4)
 家事サービス ウェイト:27
 0.1(0.1/0.1)

お気づきになりましたでしょうか?

「家具・家事用品」の中で、足を引っ張っている最大の要因はどの分類費目だったか覚えていますか?

そう。「家庭用耐久財」です。ウェイトが86と比較的多きい「家事用消耗品」が代わりに低迷し始めた様子が気にはかかりますが、それ以上に長い間足を引っ張り続けていた「家庭用耐久財」がようやく上昇に転じたことは、私にとって「非常に面白い」ことです。

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.2(△0.2/△0.4)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 1.2(1.0/0.0)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  0.7(△1.1/△3.0)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   △6.8(△5.1/△14.9)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   13.3(4.5/2.6)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   5.3(6.2/6.3)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   △7.6(△9.7/△10.5)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   2.2(6.8/3.8)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   3.5(△0.1/1.5)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   △4.2(△1.1/△2.5)

   冷暖房用器具(ウェイト:37)
   2.2(3.7/2.9)

    ルームエアコン(ウェイト:30)
    3.2(4.1/3.3)

    温風ヒーター(4)
    △1.1(△1.1/△1.1)

    空気清浄機(3)
    △4.3(7.7/4.5)

  一般家具(18)
  0.7(1.5/2.8)

   整理だんす(5)
   2.2(2.1/3.4)

   食堂セット(9)
   0.0(1.2/1.0)

   食器戸棚(4)
   0.2(1.2/1.0)

改めて過去の記事を振り返ってみますと、7月の記事 でも同様の趣旨の内容を記事にしていましたね。

7月の記事 では、この費目が0%になったことを話題として取り上げましたが、その数字がなんと前年同月比で1.2%にまで回復しているわけです。

やはり季節ものである「エアコン」の動きが好調であることと、「電気炊飯器」の影響が大きいですね。

それだけではなく、物価が下落している項目でも8月、7月と比較するとその下落幅が縮小していることなども影響しており、これで「家事用消耗品」の動きがもう少し堅調であれば、「家具・家事用品」全体がプラスに転じていたんだろうな・・・と思うと、少し悔しい思いもしますね。

ちなみに「家事用消耗品」で上昇しているのは洗剤や紙製品など、「原油精製品」がほとんどです。原油自体は物価が上昇しているのに・・・少し不思議な感覚です。

このほか、物価上昇率0%となっている「交通・通信」の分野では、ウェイト224の「交通(運賃など)」が昨対0%、ウェイト836の「自動車等関係費」が昨対1.7%に対して、ウェイト416の「通信」が△3.5となっており、ガソリン代の物価上昇も含む「自動車等関係費」の物価上昇率を相殺する形になっています。

自動車等関係費の中で、「ガソリン」は確かに昨対7.1%と大きな物価上昇率を記録していますが、それだけではなく、肝心の「自動車」の項目も全体で0.2%の物価上昇率。このうち唯一「軽自動車」のみが前年同月比△1.1%と物価下落を記録していますが、「小型乗用車」が国産・外車とも0.7%、普通自動車が国産0.4%、外車0.3%と物価上昇を記録しており、動きとしては良い傾向です。

一歩で「通信」の足を引っ張っているのは携帯電話の「通信費」です。ウェイト230、物価下落率5.4%となっています。

そのほか、「教養娯楽」では「教養娯楽用耐久財」のうち「テレビ」が4.3%の物価下落、デスクトップ型パソコンが3.7%の下落、ノート型が4.8%の下落となるなど、教養娯楽全体が0.2%と物価上昇する中で、これが伸び悩む原因となっています。

「消費者物価指数」のうち、私が大切にしている「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は昨対0.2%と、まだまだ伸び悩む状況にはありますが、アベノミクスが目指す「物価上昇」に向けて、少しずつ明るい兆しが見え始めたのではないでしょうか?

って書くと、あたかもアベノミクスの効果があまり発揮されていなかったかのように誤解されてしまいそうですが、「物価」が上昇するにもいろんな理由があります。携帯電話料金の様にもともと高すぎる物価が下落してくれれば、当然その差額を他の消費に回すことができるようになります。

安倍内閣で「なかなか物価が上昇しない」と思っている皆さん。改めて「なぜ上昇しないのか」。関心をもって分析してみると、意外と面白い情報が見えてきたりしますよ。


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このエントリーにお寄せ頂いたコメント

此方では、ご無沙汰です。
物価の有り様は、正しく進めるのに理解したり良く考えさせられます。
最近思いましたが、本来、物価を表さないといけない理由。GDPを表さないといけない理由。今の式での傾向と世界がどうか。
私見から経済指標の意義を以下としました。
物価とは、国民の所得額に見あった額に、物の価格がなっているかを知るための指標
GDPとは国民が順調に経済に付加して経済活動をサイクル的に行っているか

但し、国が管理する(国土が明確)中での経済活動は、その活動が行われる土地の需要が他の物より高くなりやすい。
日本以外の先進国とシンガポール、中国の名目GDPは物凄く上がってますが、日本は上がってません。同様、更にすごい係数で名目GDP上昇国は地価が上がってます。十~百倍レベルで。
此れは、純粋な国民の経済活動だけでなく海外からの投機によるものによる高騰で、国民が手をだせなくなってます。アメリカの人口は日本の約三倍、ホームレスは日本の五十倍。アメリカの大学生は女性ですら一割は経済的な理由でホームレスを経験しています。統計ないですが上海、香港は此の比ではないです。此れは国民が望む経済発展ではないかと。そして、物価にもGDPにも土地と言う資産の購入価格は反映されませんので、土地所有者には『持ち家の帰属家賃』を当て、国民のための物価把握が必要かと(ようは、地価が反映される)。不動産でもない人々が持ち家でも借家でも地価の高騰は幸せな経済活動にとって妨げにしかならない。
GDPにとってその方式は(持ち家の帰属家賃算入)高めに出てしまう欠点がありますが、G7で指摘も上がってないから、諸外国も同じではと推測します。地価も合わせ、程よく上昇させるのが是。

追記。劣化番キージョは前任と違い、言葉巧みで、廻りに迎合させるから、ある意味厄介ですね(*´∀`)♪
かっ at 2017/11/06(月) 00:17 | URL

>物価にもGDPにも土地と言う資産の購入価格は反映されませんので、土地所有者には『持ち家の帰属家賃』を当て、国民のための物価把握が必要かと(ようは、地価が反映される)。

なるほど、土地購入額が「物価」に反映されていない、っていうのは盲点でした。確かに「住居」という項目はあっても「土地」という項目はないですね。

ただ、であれば尚土地は土地として購入額を反映できる状況にできる工夫も必要なのかもしれないですね。

日本のGDOが上昇しない理由の中に、確かに日本が他国からの輸出入に頼らない内需国である、という側面もあるのでしょうね。
国土から見ると本当にちっぽけな「小国」である日本ですが、日本国内だけできちんと経済を回すことができている、という証明なのかもしれません。

劣化版kijo氏は、徐々に馬脚を現してきましたね。
一方でからんちょ氏が意外と勉強熱心であったことは意外でした。

言ってることの一部は相変わらずめちゃくちゃですけどね(;^_^A

(×国債が札割れを起こしたのは国債が飽和状態にあるから→○国債が低金利で購入する魅力が失われているからなど)
のんき at 2017/11/06(月) 15:32 | URL

『ただ、であれば尚土地は土地として購入額を反映できる状況にできる工夫も必要』
土地は、資産の中で、唯一、経年劣化、償却、損耗しないから(戦争等除き)かと(゜▽゜*)住居にしても、新築と築一年では大きな差がありますが、土地は需要と供給だけで、経済活動すれば必ず価値が向上するから、(仮の家賃としてでも)反映させなければいけなかったのかと思われます(゜▽゜*)
二人とも、自分の言葉にしてない(きちんと理解してなく何かをコピペ)から、只、劣化版kijo氏は、おんなじになり、バーナンキーの背理法とか託つける。多分、実験データを相関係数出すなんてしたことがない。
一方でガラン氏は、口は悪いし後付けですし、質問にも答えてないですが、参考にしてるのが公的な物だから、其処の部分に間違いがない。多分、教える人がいるのかと(゜▽゜*)
かっ at 2017/11/11(土) 21:30 | URL

からんちょ氏は、確かに髭氏と同じ匂いがしますからね(;'∀')

> 『ただ、であれば尚土地は土地として購入額を反映できる状況にできる工夫も必要』
> 土地は、資産の中で、唯一、経年劣化、償却、損耗しないから(戦争等除き)かと(゜▽゜*)住居にしても、新築と築一年では大きな差がありますが、土地は需要と供給だけで、経済活動すれば必ず価値が向上するから、(仮の家賃としてでも)反映させなければいけなかったのかと思われます(゜▽゜*)
> 二人とも、自分の言葉にしてない(きちんと理解してなく何かをコピペ)から、只、劣化版kijo氏は、おんなじになり、バーナンキーの背理法とか託つける。多分、実験データを相関係数出すなんてしたことがない。
> 一方でガラン氏は、口は悪いし後付けですし、質問にも答えてないですが、参考にしてるのが公的な物だから、其処の部分に間違いがない。多分、教える人がいるのかと(゜▽゜*)
nonkinonki at 2017/11/14(火) 23:01 | URL

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