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第365回 比例代表制度の当選順位のきまり方(ドント方式と惜敗率)など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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形としては第48回衆議院総選挙に関連して、第365回の記事 を引き継ぐ形で記事を作成するわけですが、今回はいつもとは違い、政治的なイデオロギー色を薄めて、単純に、「比例代表制度」という選挙制度について検証してみたいと思います。

というのも、私が居住している愛媛県、第2選挙区の立候補者の状況が、なかなか興味深いものとなっていることから、いつもはそれほど意識しない「比例代表制度」についていつも以上に関心を抱いた頃がその理由です。

愛媛県は選挙区が第1から第4まであり、私が所属している選挙区は第1選挙区。立候補者の状況はこんな感じです。

【愛媛県第1選挙区】
衆議院選挙2017愛媛県第1選挙区

画像は Yahoo!みんなの政治 より拝借しました。

私は自民党を支持していますので、もちろん塩崎候補に票を投じます。

問題となるのは第2選挙区。
【愛媛県第2選挙区】
衆議院選挙2017愛媛県第2選挙区

今回の愛媛県第2選挙区はいろいろといわくつきの選挙区。

まず第1に、今回の衆議院選挙から愛媛県では区割りが見直され、これまで第一選挙区として区割りされていた松山市の一部地域が2区になってしまったこと。


このことによって、今まで塩崎さんに票を投じることができていた塩崎さんの支持者が塩崎さんに票を投じることができなくなってしまったのです。そして、自民党支持者が票を投じることができる相手が先ほどの票に名前のある「村上誠一郎」氏。

ですが、この村上誠一郎氏、実は自民党議員としてもあまり評判が良い方ではありません。これが2つ目の「いわく」です。


3つ目のいわくなのですが、この第2選挙区は、あの「今治市」が所属している地域。そう、あの「加計問題」で話題となったあの今治市です。

記事としては、第356回の記事 で掲載しました通り、「加計問題」はそもそも今治市が「学園都市構想」を実現するために、土地は1983年から、財源は2005年から、ずっと用意してきていたものです。

「加計学園構想」とはまさしく今治市の「経済成長戦略」の一環なのです。

問題なのは、肝心の村上誠一郎がこのことを全く理解していないこと。彼はまるで野党です。

一方、このことをきちんと理解しているのは西岡新氏。第一選挙区の塩崎候補の秘書を元々務めていた人物です。

このシングルイシューで決めるのもどうかと私自身思いますが、村上誠一郎氏は加計問題だけでなく、一事が万事こんな感じですので、自民党支持者の中には彼には票を投じたくない、という人も少なくはないはずなのです。


また更に、第4のいわく。ここに立候補するもう一人の人物、横山博幸氏です。

彼はもともと「民主党」に所属していた愛媛県議会議員でした。2007年ですから、第一次安倍内閣~福田内閣にかけての頃です。
ですが、2013年。政権与党を務めた民主党のダメっぷりが明らかになると彼は民主党を離党し、「みんなの党」に入党します。

更に2014年にはこの度は「維新の党」より衆議院議員として立候補。なんと比例で復活当選してしまいます。

そして2016年、維新の党と民主党が合流したことで今度は「民進党」議員に、そして今年、2017年にはその民進党も離党し、今回の総選挙では「希望の党」の議員として立候補するのが彼、横山博幸氏です。

私には、彼は政治信条とは関係なく、自分自身にとって有利な党に所属し、次々と離党を繰り返しているようにしか見えないわけです。(維新の党→民進のケースは特殊ですが)

横山氏は更に、前回の衆院選小選挙区で、全国で最低の得票数を記録していながら、比例では「維新票」が集まったために彼は当選してしまったのです。


この様な状況ですので、もし私が愛媛県第二選挙区であったとすれば、私が票を投じるのは西岡新氏です。

ただ、それでも村上誠一郎氏にとっては盤石な地盤であることは確かですから、おそらく小選挙区では村上誠一郎氏が当選するでしょう。そうすると、西岡新氏も横山博幸氏も、「比例区」に回ることとなります。

今回の政党の支持率を考えると、おそらく「維新」ではなく「希望」に票が集まると考えられます。ですが、私には愛媛県第2選挙区において、西岡新氏を応援する理由はありますが、横山氏を応援する理由はありません。

比例区において維新より立候補する西岡氏が落選するのに、横山氏が当選するのはやっぱり違うのではないか、と思うのです。

私は比例区でももちろん自民党に票を投じるつもりです。ですが、四国ブロックで唯一維新より立候補する西岡氏のために、私の1票を自民ではなく維新に投じるのもありなのではないか、と考えたのことが「比例制度」に関心を抱くこととなった理由です。


比例代表制度ではどのようにして当選者が決まるのか

前置きがとても長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

ニュース的な題材として、産経ニュースより報道されていた、以下のニュースから取り上げてみたいと思います。

【産経・FNN合同世論調査】
比例で希望、立憲民主が拮抗 小池都知事の支持率は66%から39%に急落

2017年衆議院選挙比例投票先

ニュース情報はリンク先にてご覧ください。

私が利用したいのは先ほど掲載した「表」の内容です。すなわち、次回衆議院選挙における比例代表への投票先一覧。

出口調査において、「あなたは比例区はどの政党に票を投じますか」という質問に対して、回答者が行った回答内容です。

自民党 32.9%

希望の党 15.0%

公明党 8.5%

共産党 5.4%

立憲民主党 14.6%

日本維新の会 4.8%

社民党 1.0%

日本のこころ 0.9%

では、この数字の通りに特定の比例区に対して票が投じられたとしたら、いったいどの党が何議席ずつ獲得することになるのでしょう?

比例区では、当選者を決めるときに「ドント方式」と呼ばれる計算方法が用いられます。


ドント方式って何?

なぜ「ドント方式」と呼ばれるのかという理由は割愛しまして、さっそくその計算方法に入ります。

ドント方式では、まず各政党の得票率を「1」で割ります。

当然の話ですが、計算結果は

表1
自民 32.9 
希望 15.0
公明  8.5
共産  5.4
立憲 14.6
維新  4.8
社民  1.0
日ころ 0.9

となります。次に、先ほどの「得票率」を「2」で割ります。

表2
自民 16.5
希望  7.5
公明  4.3
共産  2.7
立憲  7.3
維新  2.4
社民  0.5
日ころ 0.5

次に、得票率を3で割ります。

表3
自民 11.0
希望  5.0
公明  2.8
共産  1.8
立憲  4.9
維新  1.6
社民  0.3
日ころ 0.3

続きまして、この表1から表3までの書く項目を同じ一つの表に並べてみます。

表4
自民 32.9
自民 16.5
自民 11.0
希望 15.0
希望  7.5
希望  5.0
公明  8.5
公明  4.3
公明  2.8
共産  5.4
共産  2.7
共産  1.8
立憲 14.6
立憲  7.3
立憲  4.9
維新  4.8
維新  2.4
維新  1.6
社会  1.0
社会  0.5
社会  0.3
日ころ 0.9
日ころ 0.5
日ころ 0.3

わかりやすいよう、党名準に並べてみました。次に、各項目を、数字が大きい順に並び替えてみます。

表5
1 自民 32.9
2 自民 16.5
3 希望 15.0
4 立憲 14.6
5 自民 11.0
6 公明  8.5
7 希望  7.5
8 立憲  7.3
9 共産  5.4
10 希望  5.0
11 立憲  4.9
12 維新  4.8
13 公明  4.3
14 公明  2.8
15 共産  2.7
16 維新  2.4
17 共産  1.8
18 維新  1.6
19 社会  1.0
20 日ころ 0.9
21 社会  0.5
22 日ころ 0.5
23 社会  0.3
24 日ころ 0.3

この順位が、比例代表制における「当選順位」になります。このような計算方法を「ドント方式」と呼びます。
※実際は更に÷4、÷5と計算は繰り返されることになります。例えば自民の32.9÷4は8.2になりますから、自民は更に6位の公明等の下、7位にもランクインすることになります。÷5ですと5.5になりますから8位の立憲と9位の共産の間に入る形となり、それ以降の順位は下にずれていきます。

四国ブロックでは当選者が6名ですから、上から6番目まで。

 1位/自民 2位/自民 3位/希望 4位/立憲 5位/自民 6位/公明

が「当選者」となります。つまり、自民3、希望1、立憲1、公明1、と。

FNN・産経合同の出口調査の結果を参考にするのであれば、残念ながら維新は比例区でも票を獲得することができない、ということになりますね。

ですが、「希望」は1名当選することになりますね。では、この1名は一体誰になるのでしょうか?


「名簿順位」が同じ順位であった場合の当選者の決まり方

「比例区」には、立候補者の名前がしるされた「名簿」が存在し、その名簿に記された立候補者の名前には「順位」がつけられています。

例えば「希望の党」の名簿順位は以下のようになっています。
名簿順位-名前
1 仁木 博文(徳島1区)
1 小川 淳也(香川1区)
1 玉木雄一郎(香川2区)
1 富永 喜代(愛媛1区)
1 横山 博幸(愛媛2区)
1 白石 洋一(愛媛3区)
1 桜内 文城(愛媛4区)
1 大石  宗(高知1区)
9 藤岡佳代子
10 鎌江 一平

ちゃんと入ってますね、横山博幸氏。ですがよく見てください。「名簿順位」が1番の人が、なんと8名もいます。

まさか希望が議席を獲得することになったら1位の人が全員当選するのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。ここで問題になってくるのは、「惜敗率」と呼ばれる数字です。


「惜敗率」って何?

「惜敗率」というのは、例えば愛媛県第二選挙区で当選したのが村上誠一郎氏であった場合。

前回、第47回衆議院議員選挙の構図も今回と同じなので、前回の得票数を参考にしてみます。

前回、第47回衆議院選挙における愛媛県第二選挙区の「得票数」は以下の通りでした。
村上誠一郎 57,168票
西岡  新 30,277票
横山 博幸 22,677票
植木 正勝 8,912票

と、こんな感じです。「惜敗率」とは、小選挙区で敗れた立候補者の得票数が、当選者の得票数の何%になるのか、という数字です。

例えば、上表の事例で言えば西岡新氏の得票数は30227票、村上誠一郎氏の得票数は57168票ですから、

 西岡新氏の惜敗率=30227÷57168=52.8%

一方、横山博幸氏の得票数は22677票ですから

 横山博幸氏の惜敗率=22677÷57168=39.6%

となります。前回の横山氏の惜敗率は西岡新氏の惜敗率を下回っていたにも関わらず、前回の衆議院議員選挙では横山氏以外に維新から立候補した立候補者がいなかったために当選することができた・・・というのが横山氏が前回の衆議院議員選挙において比例で復活当選することができた理由です。

基本的に名簿順位が同じ順位の立候補者は「重複立候補者」です。

つまり、「小選挙区」と「比例区」の両方から立候補しているのです。

ですので、同じ希望の党から立候補している他の同じ名簿順位立候補者で、横山氏の「ライバル」となるのは

 「小選挙区で他の立候補者に敗北した立候補者で、比例区に重複して立候補している者」

ということになります。もちろん希望の党のより多くの重複立候補者が小選挙区を勝ち抜くのであれば、横山氏が当選する確率はより高くなるわけですが、今回の選挙の構造として、今回の衆議院議員選挙では野党が完全にバラバラになりましたから、それぞれが協力して票を融通しあうようなことはありません。

ぶれずに、まじめに政治に取り組んできた自民党の「対抗馬」がお互いに票を奪い合う様な構造となるわけです。

自民党と希望の党の一騎打ちとなるのは香川県第1選挙区のみ。もちろん香川県第二選挙区(玉木雄一郎)や愛媛県第三選挙区など、そんな中で希望が自民党を食ってしまいかねないような選挙区も当然あるわけですが、他の選挙区には軒並み共産党が立候補していることもあり、西岡氏と村上誠一郎氏という2人の強敵に対峙する横山氏が惜敗率で他の希望の党立候補者を上回るような結果を残せるかどうかは、疑問がありますね。

FNN・産経による調査を参考とした結果では四国比例区は自民3、希望1、立憲1、公明1となるわけですが、私には今の四国ブロックで立憲民主党がそこまでの票数を獲得できるとは考えられません。

全国予測の立憲票が一体どこに流れるのか。個人的には、自民4、希望1、公明1あたりの当選数となるのではないかと考えているのですが・・・果たして。

第47回衆議院議員選挙、比例四国ブロックを勝ち抜く立候補者は一体どの政党の、どのような人物になるのでしょうか。

「小選挙区」だけでなく「比例区」にも改めて関心を持ち、その結果を楽しみにしたいと思っています。



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