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第362回 2017(平成29)年度8月分所得・法人・消費税収が発表されましたなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>日本の税収の見方


記事としては、カテゴリー「税収の見方」 の一記事であり、先月掲載した 2017年7月分税収記事 を引き継ぐものとなっているわけですが、何しろ今月(2017年10月)は衆議院解散総選挙の月となっております。

ですので、今回の記事は「アベノミクスの成果」を掲載する意味合いも含まれており、

 第361回 2016年版民間給与統計(国税庁Ver.)が公表されました

の内容も引き継ぐ記事としたいと思います。

第361回の記事 では、厚労省データと比較してより詳細な民間給与所得情報である2016年(暦年)の「国税庁データ」が先月9月に公表されたことを受け、「給与所得者数」「一人当たり平均年間給与」「給与所得者総合の年間給与総額」の3つの面から「アベノミクスの成果」としての民間給与所得情報を解析してみました。

今回はその後。2017年度に入ってからの給与所得状況を「税収」の側面から解析してみたいと思います。
また、併せてその他の「税収」に関連した情報も掲載いたします。


2017(平成29)年度8月分税収

2017年8月税収
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【2017(平成29)年度8月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 8月分 1.32兆(112.3%) 累計 6.93兆(106.2%)

 源泉分 8月分 1.29兆(112.5%) 累計 6.45兆(106.8%)
 申告分 8月分 0.02兆(103.3%) 累計 0.48兆(99.2%)

法人税 8月分 0.63兆(169.4%) 累計 0.49兆(370.3%)

消費税 8月分 1,78兆(101.6%) 累計 3.18兆(98.9%)

一般会計全体 8月分 4.56兆(111.0%) 累計 13.62兆(105.8%)


【法人税評】

おさらいですが、法人税の申告期限は「事業年度終了の日の翌月から2か月以内」となっています。

今回掲載しているのは8月の税収ですので、仮に8月決算の企業があったとしても、その申告は10月に行われるものが多くなると推察されます。

その上で、8月の法人税収を見てみると、8月単月での税収が6300億円。累計で4900億円となっています。

単月の数字よりも累計の方が少なくなっているのは、7月までの数字がマイナスだったから。つまり納付される額よりも還付される額の方が多かったから、ということになります。

納税する側の気持ちから考えると、決算状況が苦しければ、税金の支払いは先に延ばして、その額で他の支払いに回そうとする心理が働くのではないかと考えられます。このことを考えると、8月単月での納税額が前年度比で169%オーバーということは、8月決算の企業が10月に納税するはずの税収に関してもある程度期待ができるのではないでしょうか。


【所得税評】

今回の本丸はここですね。

「所得税」でも特に「源泉分」の所得税に対する評価です。

他の税制度と異なり、源泉分の所得税納税申告期限は「翌月10月」がその申告期限とされており、「源泉分」ですから、この税金は企業が一般の従業員に対して支払った給与から源泉徴収されたものです。

ということは、ここの金額は2017年7月に企業が従業員に対して支払った給与総額がそのまま反映されているということ。「所得税」や「消費税」、または「申告分所得税」と比較しても、この時点での源泉分所得税の納税額は、直近の日本の景気状況を最も反映したものである、ということができるのではないでしょうか。

その額が、 8月単月で1.29兆で前年同月比112.5%、累計でも6.45兆で前年同月比106.8%増しとなっており、少なくとも企業活動がより活発になっていることをきれいに反映していると考えることができます。

また、「源泉所得税」が増えているということは、考えられる状況は3つ。

 1.「給与所得者の数」が増えた
 2.「一人当たりの平均給与所得」が増えた
 3.「1」と「2」の両方が増えた

この3つのどれかです。源泉所得税は、4月分が前年度からマイナスされているため、現時点では累計で106.8%となっていますが、

5月分前年同月比 111%
6月分前年同月比 112.3%
7月分前年同月比 103.1%
8月分前年同月比 112.3%

となっており、その好調さがとてもよく反映されています。

第361回の記事 におきまして、昨年(2016年:暦年)の「給与所得者」と「平均給与所得」がともに上昇していることから、「高齢者の現役引退」は安倍内閣における雇用状況の改善を批判する材料とはならないことを示しましたが、本年8月分の状況からみても、その状況は今年も継続していることがとてもよくわかります。

とはいえ、年度ベースでは昨年度の源泉徴収分は前年度を割り込みましたから、それを100%否定するものとはならないのかもしれません。


【消費税評】

先月はここを「本命」として記事を作成しました。

「消費税」は「前年度の納税額」を参考に納税されますから、今年度の納税額は、2018年3月を迎え、さらに4月分、5月分のデータが出てくるまでは必ずしも今年度の消費状況を反映したものとはなりえません。

ですが、消費税はあくまで「消費されたもの」に対して加算される税制度であり、消費税納税額の推移をみることは、その「消費状況」を見るデータとしては役に立つものです。

そして、今年度の消費税納税額は「昨年度」の消費納税額を反映したものですから、つまり今年度納税された消費税額を見れば、昨年度の国内の消費状況をうかがうことができます。

このことを念頭において今月の消費納税額を見ますと、

8月単月で8月分1,78兆(前年度比101.6%)。累計で3.18兆(前年度比98.9%)となっています。

消費税納税額が累計で前年度割れを起こしているのは6月まで消費税納税額がマイナス計上(還付)されていたことが理由です。プラス計上が始まったのは7月からで、

 7月分前年同月比 105.2%
 8月分前年同月比 101.6%

となっていますから、少なくとも昨年度がスタートした当初消費状況は悲観するほど悪かったわけではなかったと考えることができます。消費税の申告期限も、前年度の納税額によって異なるとは言うものの、基本的に申告月より2か月以内となっていますから、7月分は昨年の5月分、8月分は6月分の消費状況を反映していると考えることができます。


【一般会計税収評】

さて。それでは最後に「一般会計税収」全体に対する評価について。

単月では前年度比111%、累計で105.8%となっていますから、税収全体としても非常に好調であることがわかります。
一般会計税収全体も4月はマイナスから入り、6月までは消費税と法人税両方のマイナス分の影響を、7月は法人税単独でのマイナス分の影響を受けています。

そのうえで、各々単月の前年度比は

 5月 96.9%
 6月 104.6%
 7月 106.1%
 8月 111.0%

となっています。8月累計の前年度比は105.8で金額は13.62兆円となっています。

予算ベースで考えますと、一般会計税収全体の前年度比は104.0%で組んでいますから、8月の時点で1.8%予算を上回っていることになります。

金額で考えると2318億円の「上振れ」です。

「源泉分所得税納税額」の推移から考えると、今年度の消費状況も、昨年度と比較すると「大幅に」改善するのではないか、と考えられます。

さて。これはあくまで私の「推測」にすぎませんが、今年度の「税収」は一体どうなるんでしょうか。現時点でも非常にワクワクさせられる数字です。


さて、いかがだったでしょうか。「税収」って、確かにタイムラグの発生する数字で、期間が終了するまでは正確性に欠ける数字でもあります。ですが、他の経済指標と異なり、あくまでも「実数」ですから、税収の持つ「意味」さえきちんと理解していれば、より実態に近い状況が反映されています。

この数字をもとに「アベノミクスの成果」を考えますと。特に今年度の数字はいよいよその大成功を予感させるものとなっているように思えてなりません。

今回の記事では、「源泉分所得税」の推移を参考に、「給与所得者数×平均給与所得」の総額の推移を見てみました。
ですが、これでもまだ、「単に給与所得者の数は増えたかもしれないが、給与は減っているんじゃないか」とか、逆に「一人当たりの給与は増えているが、格差が広がっているんじゃないか」といった意見を言う人がいるかもししれません。

次回の記事では、では「給与所得者数の推移」や「平均給与所得」は一体どうなっているのか。

第361回の記事 では「国税庁データ」ベースで昨年(暦年)の給与所得状況を分析しましたが、次回記事では厚労省データより、あくまでも「速報」レベルではありますが、今年度の給与所得状況について記事にしたいと思います。



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