第33回 なぜ「消費税」なのか。など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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アベノミクスを問う⑧

前回の記事では、公的年金制度が国民年金・厚生年金ともに大幅な黒字であり、あたかも年金制度が赤字運営されているかのようなイメージを持たれている原因は、年金制度の会計帳簿が3つに分かれていること。

年金会計のための制度間で資金が移動するため、そう感じている人が多いのだということをお示ししました。

年金制度とは、ある一定期間納付した人が受け取れる制度であり、今のように年金制度があたかも破たんするかの方なデマが繰り広げられると、年金を納めない人が増えてしまいます。
年金を納めていない人は年金を受け取ることができませんから、年金以外に頼ることができる収入減がない場合、生活保護という制度に頼らざるを得なくなります。もちろん、国民年金しか加入していない場合、6万円強しか年金を受け取ることができないわけですから、不足する分は保護に頼らざるを得なくなりますが、それでも全額生活保護に頼るよりはまし。

年金は年金を納めた人が受け取れる制度ですが、生活保護は一部税制度を除き、納税を行っていなくてもお金を受け取ることができる制度です。

また、抑々この国の年金制度は、「働いていること」が前提となる制度です。
自営業者でもない限り、きちんと働いていれば年金は給与から天引きされる形で、全額会社が収めてくれます。
普通に生きていれば、年金を受け取ることができないような状況には陥らないはずです。

つまり、問題なのは年金制度にあるのではなく、真面目に生きていても、就労状況につくことができない人がいるという現実が問題なのです。
後日記事で、安倍内閣下での就労状況についても話題にする予定ですが、景気経済を回復し、企業が国民をきちんと雇うことができる状況を作ることこそが、何よりもの年金制度対策なのです。

さて。今回の記事では、それではなぜ「消費税」なのか。
社会保障の財源として、私も消費税がふさわしいと考えているわけですが、ではなぜ消費税でなければならないのか。

このことについて、「消費税」という税制度の特色から解説をしていきたいと思います。

「消費税」とは?

「消費税」とは。こちらについてはわざわざ説明せずとも皆様ご存知ですね。
我々国民が「消費したもの」に対して、一律で等しくかかってくる税金のことです。

消費税の使途 財務省

こちらは、現在財務省のHPに掲載されている消費税の用途について解説している図です。

消費税がすべて社会保障のために利用されている、と説明しましたが、実は図のように、一部が「地方消費税」として地方へ、また更に一部が「地方交付税」として地方へ配分されています。

消費税というのは、「福祉目的化税」と言われて、国会の予算総則にて「高齢者医療」「年金」「介護」以外の財源としては利用できないことが記されていました。民主党内閣において、子育てに対して財源が充てられることも認められました。

5%当時でも、1%が地方交付税、1%が地方消費税として充てられていました。
この枠は守られるようですが、地方消費税として0.7%、地方交付金として、こちらは金額になってますね。0.6兆円が増やされるようです。

合計8%で21.7兆円となっています。
予算ベースですが、このうち1.7%分が地方消費税となりますので、残る17.1兆円が国庫に納められるわけですね。

なるほど・・・ということは、6.3%分が17.1兆円となるわけですか。ここは私、勘違いしていました。
誤解を生みやすいですね、ここ。

さて。こちらは一般会計の税収を、税目別にグラフ化したものです。財務省HPへのリンクを張っています。

一般会計税収の推移

年度が少し古くて、23年度までのデータとなっていますので、8%増税が行われた後の数字はグラフには含まれていません。

赤いラインが所得税。オレンジのラインが法人税、青いラインが消費税です。
見ていただくとよくわかるのですが、赤いラインやオレンジのラインは、バブル崩壊であったりアジア通貨危機であったりリーマンショックであったりの影響を受けて、急激にラインが下落していますね?

ところが、青いライン。つまり「消費税」に関しては、どのような経済危機が起きても浮いたり沈んだりすることはなく、一貫してほぼ同じ水準の税収を維持していることがわかります。

何が言いたいのかと申しますと、消費税とは「景気変動の影響を受けにくい税制度」だということです。

「社会保障」とは、医療や年金、介護など、一貫して一定水準以上の負担を必要とする分野です。
リーマンショックが起きたから支払いません、東日本大震災が起きたから支払いません、というわけにはいかない分野だということです。

このことから、景気変動の影響を受けにくい消費税は、社会保障の財源として適していると考えられています。

消費税収が一定である理由

さて。それでは、どうして消費税収は景気の影響を受けにくく、不景気でも景気が良い時と同様の税収が期待できるのでしょうか。

これは、「消費税」が「消費」に課せられる税金であることにその理由があります。
「消費者物価」を考えるとき、消費額全体を「10000」として考えた場合、例えば「食料」や「エネルギー」という項目が、全体のうちどの程度を占めているのか、という考え方を計算するための指数を「ウェイト」と言います。

2015年7月で考えると、消費者物価のうち、最も多くのウェイトを占めるのが食料品で2525。次が住居で2122。住居のうち最も多くのウェイトを占めるのが「家賃」で1865。

「消費税」とは、食料や家賃のように、日本がどれほど不景気になったとしても、等しくすべての国民が消費するものに課せられる税です。それがお金持ちであろうが、そうでなかろうが。

さて。ここで考えていただきたいのです。
食料品にしても、家賃にしても、人間が生きていく上では欠かすことのできない消費支出で、毎月継続的に支出を行います。だからこそ消費税の収入は安定し、どんなに不景気なったとしても大幅に下落したりすることはありません。

ですが、現在公明党主導で推し進められている「軽減税率」。これは、食料品をはじめとする「国民が最も多く消費するもの」に対して行われることを目的とした減税制度です。

もし現在考えられている軽減税率を実行するとすれば、増税したことによって本来増税に期待される消費税収は伸び悩むことになります。
アベノミクスの効果で、現在は景気が良くなりつつあります(現在のアベノミクスの経済指標については後日記事にて掲載します)ので構わないのですが、海外の経済現象等が原因で再び不景気が押し寄せたとき、税収は一気に減少することになります。

もし、最低税率を8%の税率に設定するのならば、限りなく8%時の税収に近付くのではないかと思われます。
であれば、わざわざ10%にする必要はないし、税目が消費税である必要もありません。

景気によって消費量に変動が生じるものに課せられる税金は、社会保障のための財源としては適していません。
ですので、私は消費税に対して軽減税率を導入することには反対です。増税を行う本来の意味を見失っているよう感じます。

ですが、消費税には「逆進性」、つまり、所得の少ない人ほどより負担感が大きくなる、という欠点を抱えていることも事実です。では、どのようにすればこの消費税の逆進性を緩和することができるのか。

「マイナンバー制度」に着目し、次回はこのようなテーマで記事を作成します。

このシリーズの過去の記事
>> 第34回 マイナンバー制度の正体
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