第26回 日本国債を発行する仕組み(ルール)など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第25回 アベノミクスを問う③
<継承する記事 日本国債の問題①

前回の記事では、麻生内閣と安倍内閣の財政政策を比較することで、安倍内閣のウィークポイントを提示し、「第4の矢」として、「国民の手元にまで情報を届ける為の政策」が必要だということをお伝えしました。

今回の以降の記事において、「消費増税」および「マイナンバー制度」の問題についてお伝えすることをお約束したのですが、その前に。
私は「消費増税は必要である」との考え方を持っています。
その理由をご理解いただくためには「日本国債の仕組み」というものをあらかじめ知っておいていただく必要があると考えています。

そこで、今回より数回の記事に分けて、「国債の仕組み」についてご説明したいと思います。

日本国債の仕組み

今回の記事は、次回以降の記事にて、「日本国債を破たんさせる方法」というタイトルの記事を作成しようと思っていまして、その記事で登場が予測される、様々な国債に関連する用語の意味をあらかじめご理解いただくことを目的としています。

第2回の記事におきまして、「日本国債は破綻しない」ということをお伝えし、その理由を掲載しました。

その理由としてお示ししたのが以下の二つです。

【日本国債が破綻しない理由】
・日本国債は政府にとっては債務(借金)だが、借り手は金融機関を中心とする日本企業・日本人であり、日本国債は日本人にとっては「債権」であるということ。(94%が日本人、残る6%が外国人)
・日本国債の6%を外国人が保有しているが、日本国債は『円建て』で発行されており、もし足りなくなれば、最終的に日本政府が円を発行して返せばいい。

(円を発行するのは日本銀行であり、政府ではない、という方は第2回の記事をご覧ください)

国債の破たんを主張するエコノミストの中には、「このまま国債を発行し続ければ、国債の利息が膨大になりすぎて、『ギリシャの様になる』」という人がいます。

【ギリシャ国債返済期限別 長期金利】
ギリシャ国債

此方は現在のギリシャ国債の金利。一番利率の高い2年物でも、今年のその利率は8.9%。
1年前は21.6%もあったんですね・・・。

ギリシャ危機の叫ばれていた2010年当時は、1年物国債で360%もの利率だったのだそうです。

では、現在の日本の国債の金利を見てみましょう。

【日本国債返済期限別 長期金利】
日本国債

こちらは日本の国債です。ギリシャと同じ2年物国債の金利を見てみると、現在の金利は0.011%。10年前でも0.029%。
なんと1%の1/10にも満たないのです。

ギリシャと日本の国債の利率の差。「破綻する」とのうわさの絶えない両国ですが、では一体なぜこれほどの利率の差が生まれるのでしょう。

「表面金利」と「長期金利」

【戦後国債額面】


こちらは、「戦後国債」と言って、戦時中の日本にて発行されていた国債です。Wikipediaから拝借いたしました。
「国債」とは、元々このように、一枚の紙に額面が記されたものです。

一般的に「国債の金利」とは、「長期金利」と呼ばれるものをさします。
この「長期金利」。私たちが通常「金利」だと考えている「金利」とは多少異なる動きをします。

私たちが通常「金利」だと考えている金利は銀行等金融機関にお金を預けた際に受け取ることができる金利のことで、この金利は金融機関が日銀からお金を借りる際に設定される「政策金利」がベースになっています。

しかし、「長期金利」とはこのような「金利」とは異なる方法で決定します。

【10年物国債の入札結果】
10年利付国債(第340回)の入札結果 財務省

「国債」の価格は、「入札」によって決定します。
上図は、財務省HPから閲覧できる、国債の入札結果の画面です。「長期金利」とは「10年物国債」の金利のことですから、上図はその10年物国債の内、最も最近落札された、9月1日の入札結果です。

画面途中に、「表面利率」という項目がありますね?

この画面は、例えば2兆円であれば、日本国政府が「2兆円の国債に0.4%の金利を付けます。誰か買ってくれませんか」と問いかけたところ、「0.4%では無理ですが、0.42%であれば引き受けますよ」と、入札した業者が回答し、無事落札した画面です。

この結果、この業者は「10年後、2兆円の国債に、年率0.42%の利息を付けて返済してもらえる権利」を獲得します。
この時、この業者が獲得した国債のことを、「新規発行国債」と呼びます。

この入札に参加できる業者は限られていて、「銀行等金融機関」「保険会社」「証券会社」の3種類の機関しか入札することができません。

これらの業者は、国債を落札
した後、市場に公開し、一般向けの販売を開始します。
この時販売された国債のことを「発行済み国債」と呼びます。

落札が行われた時点で、国債の価格は決定していますから、今後どのようなことがあったとしてもこの国債の価格が変わることはありません。価格が変わることがない、ということは、利息が変わることもありませんし、10年後政府が国債の保有者に対して支払わなければならない価格も変動することがありません。

この、入札の時に決定した金利のことを「表面金利」と呼びます。

落札した業者は、手にした国債を市場に出すわけですが、仮にその価格を5万円、年率0.4%と考えた場合。
単利で0.4%が10年間毎年支払われるわけですので、その利息は2000円。元本と合わせて52000円、10年後に返済を受けることができます。

この時、国債に人気があった場合は多少値上げしても売れますから、たとえば5万円の国債を51000円で売った場合。
買った人は10年後、その国債で52000円の返済を受けることができるわけですが、購入したときに余分に1000円支払っていますから、実質的な利益は1000円しか受け取ることができません。
利率にして0.2%の利益です。

逆に、人気がない場合はそのままの金額では売れませんから、業者は額面から値下げし、49000円で国債を売ったとします。
買った人は10年後、その国債で52000円の返済を受けることができるわけですが、49000円で購入していますから、差額分3000円の利益を手にすることができます。
利率にして0.6%です。

この、購入額との差額を合わせた実質的な利益のことを「利回り」といいます。
「長期金利」とは、即ちこの「利回り」のことです。

希望表面金利は、この長期金利を参考にして決めます。

ですが、仮にこの長期金利がいくら上昇したところで、政府が支払うべき金額は既に決まっていますから、政府にとっては痛くもかゆくもありません。
「返済不能に陥る」ことなどありえないわけです。

ちなみに現時点での2015年10月15日現在の10年物国債長期金利は0.315%で、落札表面金利を大幅に下回っています。
日銀による買いオペもありますから、一概に「人気がある」と言い切ることはできませんが、少なくとも「よく売れている」ことは事実です。
しかもその利率は世界最低水準。世界で最も破綻する可能性の少ない国債が日本国債です。

もちろん、「国債がよく売れる」ということは、「国債より魅力のある金融商品が市場に存在しない」、つまりデフレから脱却できていないと考えることもできます。もっとも日銀の買いオペがありますから、これも一概に言い切ることはできません。

国債はこの国で、現金通貨の次に破綻する可能性の低い資産です。

ですが、それでもいう人がいます。「だけど、長期金利を参考にするのなら、次に入札するときはやばいんじゃないの」とか、「10年物国債の償還期が訪れたとき、政府は本当に返済できるの?」とか。

そんな疑問にお答えするため、次回は「60年償還ルール」に着目して記事を作成してみたいと思います。

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