第164回 生産側のGDPと支出側のGDP/統計上の不突合とは?など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<継承する記事>
第159回 GDP1次・2次速報、確報値の違い/三面等価の原則のバイアス

【前回までの振り返り】
今回の記事は、前述しているとおり、第159回の記事でお伝えした「三面等価」について検証することを目的とした記事です。

記事を作成するきっかけとなったのは、昨日報道されたこちらのニュース。
内閣府、名目GDP19兆円上積み 23年 新基準採用

関連して以下の二つのニュースを読んでいて、私のブログで記事にする「価値」を見出したからです。
<総務省>個人消費の新指標開発へ 19年にも公表
7月消費活動指数は前月比1.4%上昇、14年12月以来の高水準=日銀

引用はgooからの引用なので、時間がたつと消えてしまうニュースが、今回は備忘録的にニュースリンク先を掲載しているだけで、上記3つの記事に関しては次回以降で継続して記事を作成する予定です。

ですので、内容の掲載は次回以降に委ねるとして、まずはタイトルだけ把握をお願いします。

内閣府

【今回のテーマ】
今回の記事は、次回掲載予定の「消費活動指数」の内容への伏線です。
現在(2016年9月16日時点)私がこのブログに課している命題は、「日本の個人消費は本当に伸びていないのか?」という命題です。

結論から言うと、私は「伸びている」と考えています。これは過去の記事をご覧いただいてもご理解いただけると思います。
伸びていないように見える理由として、

・「輸入物価の下落」が物価を押し下げているため、消費が伸びていないように見える。
・政府が公開している統計データには「サンプルバイアス」をはじめとする様々な「誤差」が生れているため、消費状況を正確に把握しきれていない。

主にこの2点が原因だと考えています。

次回作成予定の「消費活動指数」。実は今回の記事をこのテーマで掲載しようと考えていたのですが、調べていく中で登場した「国民経済計算」という言葉。ぶっちゃけて言えば「GDP(国内総生産)」と同じ資料になるのですが、私たちがよく見る

「家計の消費/投資/貯蓄」+「企業の消費/投資/貯蓄」+「政府の消費/投資/貯蓄」

という項目で掲載されている統計指標とは別に、「国民経済計算」というデータを見ると、同じGDPでも、その項目が例えば「貯蓄」であったり、「可処分所得」であったり、私たちの生活により直結したデータが多く存在することが分かりました。

というか、確かにこのデータを使って私は過去に資料作成をしたことがあるな・・・と。

今回の記事では、タイトルにもある通り、この「国民経済計算」というデータから「国内総生産勘定」というデータを用い、「生産側のGDP」と「支出側のGDP」を比較する形でグラフ化し、目に見える形でこの「GDP」というデータの歪さを把握していただく事を目的としています。。

「統計上の不突合」

「国民経済計算」の「国内総生産勘定」というデータには、「国内総生産(生産側)」と、「国内総生産(支出側)」という二つのデータが掲載されています。「国内総生産」、つまりは「GDP」のことです。

「国内総生産(生産側)」は

1.1  雇用者報酬
1.2  営業余剰・混合所得
1.3  固定資本減耗
1.4  生産・輸入品に課される税
1.5  (控除)補助金
1.6  統計上の不突合

という6つの項目で、

「国内総生産(支出側)」は

1.7  民間最終消費支出
1.8  政府最終消費支出
  (再掲)
   家計現実最終消費
   政府現実最終消費
1.9  総固定資本形成
    うち無形固定資産
1.10 在庫品増加
1.11 財貨・サービスの輸出
1.12 (控除)財貨・サービスの輸入

という同じく6つ(正確には9つ)の項目で掲載されています。
「支出側」の国内総生産に関してはこれまでの記事でもたびたび説明していますので割愛しますが、今回着目していただきたいのは「生産側」の国内総生産のこと。

上記5つの項目に関しては何となくイメージできると思うのですが、一つだけよくわからない言葉がありますね?
これが、「統計上の不突合」という言葉です。

実はこの言葉。第159回の記事でご説明した、

「支出面から見たGDP」と「生産面から見たGDP」の間の「バイアス」

のことです。第159回の記事 では、「三面等価の原則」に鑑みれば、本来一致していなければおかしいはずの「支出面から見たGDP」と「生産面から見たGDP」なのですが、この二つの統計指標は一致しない、ということをお伝えしました。

その理由は、「生産側」と「支出側」の間で、それぞれの統計データを取るための「サンプル」が異なることにあります。

「統計上の不突合」=「支出面から見たGDP」-「生産側から見たGDP」

となります。さて。ではこの発想に基づいて、「生産面から見たGDP」と「支出面から見たGDP」を比較するためのグラフを作成してみます。


「生産面から見たGDP」と「支出面から見たGDP」の推移

【生産側から見たGDPと支出面から見たGDPの推移】
国内総生産 支出側・生産側比較

文字がちっちゃくて見えにくい・・・という方は画像をクリック、もしくはタップして拡大してご覧ください。
青い棒グラフが「支出」、黄色い棒グラフが「生産」、赤いラインが「統計上の不突合」です。単位は10億円です。

特徴的なのは、安倍内閣がスタートした2013年までは「支出側から見たGDP」が「生産側から見たGDP」を上回っていたのに、2014年度になって突如その関係が逆転してしまっています。つまり、「生産側から見たGDP」の方が「支出側から見たGDP」を上回ってしまっているのです。

勘違いしてほしくないのは、本来この二つの指標は一致すべき指標であって、例えばこれまで支出側が生産側を上回っていたのに、これが逆転したことを受けて、「生産された量消費されなくなってしまったのではないか」とか、そういう推測の成り立つ指標ではない、ということです。

にも関わらず、最大で5兆円。2014年度で2兆円もそれぞれの指標間で「誤差」が発生しているのです。
はっきり言って「誤差」のレベルを大きく超えてしまっているように思いますね。

これが、私が「GDP」という指標には「信ぴょう性がない」という理由の一つでもあります。
私はこのことをブログ上で訴え続けていたわけですが、どうやら政府でも同様に考えられていた、ということでしょうね。

前段でご紹介したニュースは、この様に、私と同じように感じた人たちが、「個人消費の計算方法を見直せ」と主張し、政府がそれを受けて指標を見直すよう指示を出しましたよ、というニュースです。

【次回テーマ】
次回記事では、こちらのニュース↓
7月消費活動指数は前月比1.4%上昇、14年12月以来の高水準=日銀

より、日銀が発表している「消費活動指数」について解説をしたいと思います。



このシリーズの過去の記事
>> 第192回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より①
このシリーズの新しい記事
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