第13回 緊縮財政政策がもたらしたものなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第12回 デフレを脱却する方法⑦

前回の記事では、東西冷戦構造崩壊前後の「地価」と「株価」を比較していただくことで、一般的にバブル崩壊の原因とされる「総量規制」が行われるより先に、すでに株価バブルは崩壊し始めていたこと。

このことから、「総量規制」とは、バブル崩壊の後押しをしただけで、実際には「総量規制」とはまた別にバブル崩壊の原因があるのではないか、とお伝えしました。

そして、あくまで「推測」ではありますが、その原因こそ「東西冷戦構造の終結」にあり、東西冷戦構造の終結により、世界の投資対象としての魅力が「日本」から「東欧」に移り始めていたことにあるのではないか。
そのことが、投資方たちの「心理」に与えた影響こそ、本当のバブル崩壊の原因だったのではないだろうか、とお伝えしました。

そして、今回のテーマへの付託として、デフレを生み出したもう一つの原因である「日米構造協議」についてご説明することをお約束しました。
ですが、今回の記事では、「日米構造協議」についてご説明する前に、いくつか拾わずに、そのままにしている話題があると思いますので、そちらのほうを先に拾ってから、この「日米構造協議」のテーマへとシフトしようと思います。



「デフレ」を生み出した小心者

第11回の記事で、文末に『「小心者」が崩壊させた日本のバブル経済』という文言を載せています。

では、この「小心者」とはいったい誰なのか。このことを少しご説明したいと思います。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは、既に亡くなった故人ではありますが、橋本龍太郎元総理大臣のことです。

バブル崩壊が起きたとき、大蔵大臣として「総量規制」を実施し、土地バブルが崩壊するきっかけを作った、とされる人物です。
ですが、私は前回の記事でもお伝えした通り、総量規制とは、バブルが崩壊する後押しを下に過ぎず、バブル崩壊の直接の原因ではなかったのではないか、と考えています。

では、なぜ橋本元総理のことを「小心者」と表現したのか。
それは、彼が、景気経済を下落させる要因となる様々な財政政策を、ピンポイントで、最も最悪なタイミングで実施している、その「読みの甘さ」に対して感じる部分です。

例えば、今回の「総量規制」についても、先述したように、前年度末の大納会をピークとして以降、急速に株価が下落を始めている、その真っ只中で実施しています。
加えてこのとき(3月20日)、実は日本銀行が「公定歩合(現在の政策金利)」をそれまで4.25%から5.25%まで引き上げています。
さらに8月30日、さらに6%まで引き上げられます。

日銀は、「日銀の独立」と言って、本来であれば日本国政府とは別に、日本銀行単独の考え方で「金融政策」を実施します。

ただし、「日銀法第4条」には、以下の通り

第四条  日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。

とも書かれていて、時に日銀と日本国政府が統一された意志の元、同じタイミングで金融政策と財政政策が実施される場合があります。
ちなみに、日銀が行う政策のことを「金融政策」、政府が行う財政に関連する政策のことを「財政政策」と呼びます。

また、日銀には「銀行の銀行」としての役割があり、日銀以外の民間の金融機関は日本銀行からお金を借りることができます。
このとき、民間の金融機関が日銀からお金を借りる時の金利を「公定歩合」と呼びます。現在はその意味合いが変更されていて、名称も「公定歩合」から「政策金利」へと変更されています。

日本国政府の財政政策である総量規制と、日銀の金融政策である公定歩合の引き上げが同時に行われたことを考えると、このとき日本国政府と日銀の間では、何らかの意思統一が行われていたと考えられます。

日銀は、政府からの指示で動いたのではないかと、そう考えられるわけです。

総量規制も公定歩合の引き上げも、いわゆる「金融引き締め政策」と呼ばれるもので、お金が有り余っていて、景気が過騰な状況にあるとき、市場の熱を覚まさせるために行われる政策です。
つまり、「インフレ経済」の時に本来行われるもので、「デフレ経済」の時に実施するべきものではありません。

デフレ下では、お金や資産は持っているだけでその価値が下落するわけですから、みんなお金を持とうとしない=借りようとしないですし、資産も手放そうとします。
(↑申し訳ありません。なぜかまったく逆のことを記していました。
デフレ下ではお金の価値は高まります。『持っているだけで価値が高まるので、お金を手放そうとしない』が正しい表記です。
現金通貨のまま保有しようとするので、お金を借りようとしない(借りると現金通貨の価値が既存するため)の誤りです。
資産に関しては資産のまま保有すると試算の価値が既存する可能性が高まりますから、資産を手放して現金化しようとします)

総量規制とは、資産の価値が上がることを抑制するための政策ですし、公定歩合の引き上げは国民や企業・投資家が保有している資産の価値を下落させ、借金の額を増やすための政策です。
(↑ここも正確じゃありませんでした。公定歩合の引き上げは資産の価値を高めます。ただ、同時にマイナスの資産=負債の価値も高めてしまいますので、負債の価値が高まるスピードが資産の価値が高まるスピードを上回れば、結果的に資産の価値を下落させてしまうことになります。)

インフレか、資産の価値が保有しているだけで借入を上回る水準で上昇するのであればみんな借りようとするでしょう。
ですが、デフレ下ではその逆です。保有しているだけで価値は下落し続けるわけですから、みんな手放そうとしますし、借入は起こさなくなります。(←この小節は間違いありません。「資産」の価値は下落し、「現金通貨」の価値が高まります)

その結果、デフレはより深刻になり、景気経済はどんどん悪化するのです。

確かにバブル期は景気経済が過騰しており、経済は「インフレ」状態にありました。
ですが、既にご説明しています通り、総量規制が実施された時には、株価が急速に下落する状況にあり、株価は「デフレ」がスタートするまさにその真っ只中にあったのです。

総量規制と公定歩合の引き上げを同時に行ったそのタイミングは、まさに最悪のタイミングであったと言わざるを得ません。
「いつかバブルが崩壊するんじゃないか」という不安感。ひょっとすると年初からの株価の急落は、そんな政府心理にも悪影響を与えたのかもしれません。しかし、その結果、海部内閣下、橋本龍太郎大蔵大臣は、最も最悪なタイミングでこの政策を実施したのです。

橋本龍太郎とは、ご存知の方も多いでしょうが、5%の消費増税が実施されたときの総理大臣でもあります。
このときの説明は後日にゆだねますが、増税とは、「緊縮財政政策」と呼ばれる政策の代表です。

「緊縮財政政策」とは、「いつか日本の国債が破たんするんじゃないか。日本の借金が返せなくなるんじゃないか」という心理がもたらす政策です。
ですが、第2回の記事でもお伝えした通り、日本の国債には破たんしない、明確な理由があります。
※話題はそれますが、昨年消費税に対して8%増税が行われました。
今回の記事と矛盾するようですが、実は私はこの増税については賛成の立場です。消費税の考え方については、後日別に記事を作成いたします


橋本龍太郎氏を「小心者」と呼ぶのは、彼のこのような財政・金融政策に対する考え方が根底にあります。
事実、総量規制の実施はバブル崩壊を悪化させましたし、5%消費税の実施は多くの企業倒産を引き起こしました。
どちらの政策も本来必要な政策なのですが、彼はなぜかこれを「最もやってはいけないタイミング」で実施してしまいます。



金融機関はなぜ本来の役割を果たせなかったのか

第10回の記事では、「デフレを終息させるため、なぜ金融機関は適切な役割を果たせなかったのか」というテーマを投げかけました。
株価が急落し、1992年以降は土地バブルも崩壊する中、金融機関には「不良債権」という名の、「返済不能に陥った債権」が蓄積していきます。

我々国民は、銀行や郵便局にお金を預けます。
預けたお金に、金融機関が日銀からお金を借りたときの利息=公定歩合(政策金利)の水準に、少し上乗せされた金利が支払われます。

国民がお金を預けることで、銀行が潤沢に運用できる資金が増えます。
この資金を元手に銀行は企業に貸し付けを行い、預金者に支払う金利よりもさらに上乗せした金利を設定し、この金利よりの収入で銀行は運用されています。

貸し付け金利から預金者利息も支払われますし、行員の給与も、光熱費、管理費、維持費等もすべて支払われます。

バブルの崩壊により、金融機関の収入源ともいえる貸し付け債権が返済不能に陥り、利息すら支払えないような状況に陥るのです。
こうなれば、当然銀行の収入源はなくなってしまいますし、当然預金者への利息も支払えなくなります。

その結果、銀行等金融機関さえも倒産してしまうようなとんでもない状況が発生した。これがいわゆる「デフレ不況」のもたらしたものです。

前回の記事でお約束した「日米構造抗議」についてのテーマは後日に委ねます。
また、もう少し歴史的な部分もお伝えしたいのですが、その内容も後日に委ね、次回はいよいよ「デフレを脱却する方法」。根源のテーマへとシフトします。

バブルはなぜ崩壊したのか。日本国政府はなぜバブルを終結させることができなかったのか。
次回は「歴史的側面」ではなく、「経済的な側面」から、客観的に記事を記していきたいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第14回 『阪神大震災』と『アジア通貨危機』
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