第109回 イギリスEU離脱ショックを問う~日本国経済への影響を考える~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第108回 リーマンショック級の危機!?~イギリスEU離脱ショック?を問う~

前回に引き続き、今回もイギリスのER離脱ショックについて記事にしてみたいと思います。

【イギリスキャメロン首相 辞任】
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前提条件として頭においていただきたいのは、

あくまでもイギリスがEUから離脱するのは2年後(現在は2016年6月25日)

だということ。

現在起きている経済現象は、あくまでも「実体経済」には基づかない、「虚構経済」。「フェイクマネー」と呼んだりするのですが、国家予算並みの資本を一気に動かすことができるレベルの金融機関(民間企業)が、電子データを操作して動かしている経済現象だということです。

日本円が1ドル99円台にまで急騰したのも、日本株が一時的に1300円以上値下がりしたのも、別に安倍首相が悪いわけでもなければ麻生財務大臣に責任があるわけでもなんでもありません。

世界経済を不景気にしたり好景気にしたりしているのは、彼ら「国際金融機関」の責任による部分が非常に大きいのです。

第92回の記事で、私は勝手に推測して麻生財務大臣とドイツ財務大臣とのやり取りを、あくまでも「フィクション」として記させていただきましたが、ここで名前を出している「ドイツ連邦銀行」もそんな「国際金融機関」の一つです。

リーマンショックの時はリーマンブラザーズのCDS債(リーマンブラザーズが破たんしたら受け取れる保険のような金融商品)を大量に保有していて、リーマンが破たんした時、そのCDS債の発行元であるAIGより莫大な資金を受け取ったのがドイツ連邦銀行です。

この時AIGは破綻の危機にさらされましたので、ここに米国は国費を投じました。
つまり、米国国民の税金が、右から左に、そのまんまドイツ連邦銀行に、引き渡される結果となったのです。

ちなみに、この時オバマ大統領は、どう対処してよいかわからず、当時日本の総理大臣であった麻生さんに、直接電話で相談しています。

【本日のテーマ】
さて。では、このような「国際金融機関」の動向を前提として、今回のイギリスのEU離脱が日本国経済に与える影響とは、どのようなことが考えられるでしょうか。

短期的な、昨日1日の動きではありますが、ここから想像してみたいと思います。

円高や株安が日本国経済に与える影響

このような経済危機が発生した時、まず一番最初に話題になるのがこの「円高」や「株安」のお話です。
ですが、まず日本国内で考えたとき、「円高になったから」とか、「株安になったから」と言って、何か直接的なダメージを受ける人はいるでしょうか?

過去の記事で既に何度も述べていますが「小泉内閣」の時は、実体経済に対する財政出動はほとんど行わず、「構造改革」の名のもとに、財政支出を圧縮する「緊縮財政政策」を取っており、日銀の金融政策にのみ依存するような経済政策をとっていました。(第69回の記事をご参照ください

このことから小泉内閣では実体経済はまったく成長せず、海外の投資家が日本からお金を借りて海外に投資する、「フェイクマネー」に依存した経済政策をとっていました。(円キャリートレード:第18回の記事をご参照ください)

「貯蓄性向」が高く、資産を現金のまま保有する傾向の強い日本人や日本企業に比べて、海外の民間人や民間企業は、資産を「投資」し、投資から収益を上げようとする傾向が強いですから、このことが海外の企業に大ダメージを与え、海外の企業と取引をしていた日本企業もまたその影響に晒されることとなりました。

ですが・・・どうでしょう。この一連の流れの中で、どこか「円高」だとか「株安」などというキーワードが、日本国経済に影響を与えたシーンは見られたでしょうか。もちろん、海外から日本株に資金を投資していた人たちは何か影響を受けたかもしれません。

また、当時は「投資信託」という、専門の投資家に自分自身の資産の運用を依存する金融商品も日本では流行っていましたから(これが『実体なき経済成長』と呼ばれる所以です)、このことで大ダメージを受けた一般人や企業もたくさんいたと思います。

ですが、「円高」や「株安」のせいではありませんね?

特に短期的に見る場合、「円高」はむしろ輸入品の物価を押し下げますから、これは日本人にとって好材料となるはずです。
また、「株安」も企業は株式を発行した段階で、既に資金は手に入れていますから、企業にとってはその手にした資金を元手に、どの程度事業規模を拡大し、収益を上げていくのかということの方が重要で、「株価が下がったから」と言って何か直接的なダメージを受けることはありません。

新規株式を発行した時はさすがにその影響をもろに受けることにはなるでしょうが、少なくとも「株安」が直接企業業績に与える影響など、非常に限定的なものです。

影響を受けるのは民間人や民間企業ではなく、「投資家」なのです。

リーマンショック後の日本経済は本当に縮小したのか?

さて。思い出していただきたいのです。
リーマンショックが発生したのは2008年。その直後に政権を担当したのは麻生太郎さんでした。

【松山の代表的な観光地:道後温泉】
道後温泉

こちらは私の地元、愛媛県松山市で有名な観光地、「道後温泉」です。

麻生内閣の時、所謂「財政政策」として印象深いのは「定額給付金」「エコカー補助金」「エコカー減税」「高速道路土日祝一律1000円」「エコポイント」等、国民の需要をあっせんするような経済政策でした。

この政策のおかげで、土日祝の人口の大移動や、麻生内閣が終了した後にはなりましたが「エコポイント」の影響で、エコ家電だけでなく、その周辺の備え付け家具などが一括で20万円まとめて消費された・・・などということがニュースでも話題になりました。

私の地元「松山」でも、この道後温泉を筆頭に、県内の過疎地域に至るまで人口が流動し、連日活気の良いニュースを目の当たりにしていたように記憶しています。

具体的なGDP成長など、目に見える経済成長ではありませんでしたが、あの当時、少なくとも私たち国民は「好景気」を実感していたのではないでしょうか。
むしろ不景気に見舞われたのは麻生内閣の後。民主党政権下、財政政策も金融政策も、まともな経済政策を「何も」といっていいほど実施しなかった状況下ではありませんか?

その結果、円高は解消されず、企業は海外に大脱出し、また株価も低迷したまま、最終的には8000円を割り込むような状況にまで落ち込んだのです。

「原油価格」の動向

ここで、2つのグラフを見ていただきたいと思います。

【原油価格の動向(日足:WTI先物)】
原油価格(日足)

【原油価格の動向(時間足:WTI先物)】
原油価格(時間足)

共に「原油価格」の動向で、上が一日単位の推移、下が一時間当たりの推移です。
上が約半年の原油価格の動き、下がここ1週間での原油価格の動きを示しています。

今年2月を下限として、実はここ数か月原油価格が上昇する傾向にあったのですが、昨日の「イギリスのEU離脱ショック」の影響で、原油価格が急速に値を下げています。

日足軸で見ればそうたいした動きではありませんが、「国際金融期間」は、今回のイギリスEU離脱によって、「原油を売る」という選択肢を取っていることが分かります。
この原油価格をコントロールしているのも国際金融機関です。

これも一時的な動向かもしれませんが、イギリスのEU離脱は原油価格にとっても大きな影響を与える可能性があることを示しています。
第99回の記事等の記事でもお伝えしましたが、実は「原油価格の下落」とは、消費増税に伴う「マイナスの影響」をきれいさっぱり払拭してしまうほどに大きな影響を持つ経済現象になります。

まとめ

さて。今回のイギリスのEU離脱は、様々な機関、人物の予想を大きく覆す結果とはなりましたが、このようにしてみてみると、日本国経済にとって、決して悪い影響がある、とは言い切れないのではないかという推測が成り立ちます。

大切なのは、その時の政権が、その政策を過たず、円高であれば円高の、円安であれば円安の、正しい「経済政策」さえ行うことができれば、「イギリスのEU離脱」など決して恐れるものではないのではないかと思います。

しかもまだ2年間時間に猶予期間があります。この間しっかりと準備もできるでしょう。
まあ、まずは今回の投票結果によって大きな動きを見せた「国際金融機関」に対し、日本が日本として、毅然とした経済政策を実行していくことこそ、まずは一番大切なことなのではないでしょうか。

【日本経済新聞記事(2016/6/24 23:56)】
日本、単独介入辞さぬ構え 首相「市場安定に万全期す」
英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴い、政府・日銀は今後も急激な円独歩高が進んだ場合には日本単独での円売り介入も視野に対応する構えだ。

 安倍晋三首相は24日、英EU離脱決定を受け、首相官邸で関係閣僚会議を開催した。世界経済や金融市場のリスクに懸念を示したうえで、「世界経済の成長と金融市場の安定に万全を期す」と強調した。



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