FC2ブログ
政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>検察庁法改正問題


<継承する記事>第500回 陰謀論に敗北した安倍内閣~検察庁法改正騒動を分析する~

前回の記事では、「検察庁法」で改正される部分の内、「第22条」の内容を解析するのにそれなりの時間を要しましたので、一旦記事を止め、今回の記事に続きを委ねる形を取りました。

いや、それにしても・・・わかりにくい。

で、前回では「国家公務員法第81条の7」を参考に「検察庁法第22条-2」のみを文章化してみたのですが、今回改めて「検察庁法第22条-3」についても文章家してみたいと思います。

検察庁法第22条-3
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該職員に係るが定年に達した日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該職員が定年に達した日において従事期限を定め、その職員を当該している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。ただし、検察庁法第九条第三項又は第四項(これらの規定を同法第十条第二項において準用する場合を含む。)の規定により検事正又は上席検察官の職を占めたまま勤務をさせる期限の設定又は延長をした職員であつて、定年に達した日において当該検事正又は上席検察官の職を占める職員については、引き続き勤務させることについて法務大臣が定める準則(以下単に「準則」という。)で定める場合に限るものとする。

一 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として準則で定める事由

二 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める官職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

②任命権者は、前項本文の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項第一号に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、準則で定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあつては、年齢が六十三年に達した日)の翌日から起算して三年を超えることができない。

③前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、準則で定める。

なぜ改めて3項も掲載することにしたのかと申しますと、両項の間では明らかに違う部分が1か所存在するからです。

前回の記事でもお示しした通り、2項は「検事総長、次長検事または検事長」について、3項は「検事または副検事」ついて記したものです。

改めてそれぞれの項を並列して並べてみます。

検察庁法第22条-2
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該職員が定年に達した日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該職員が定年に達した日において従事期限を定め、その職員を当該している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。ただし、検察庁法第9条第3項または第4項(これらの規定同法第10条第2項において準用する場合を含む)の規定により検事正又は上席検察官の職を占めたまま勤務を指せる期限の設定又は延長をした職員であって、定年に達した日において当該検事正又は上席検察官の職を占める職員については、引き続き勤務させることについて法務大臣が定める準則(以下単に「準則」という)で定める場合に限るものとする。

一 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由

二 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める官職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

②任命権者は、前項本文の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前号第1項に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、内閣の定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあっては、年齢が62歳に達した日)翌日から起算して三年を超えることができない。

③前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、内閣が定める。


検察庁法第22条-3
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該職員に係るが定年に達した日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該職員が定年に達した日において従事期限を定め、その職員を当該している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。ただし、検察庁法第九条第三項又は第四項(これらの規定を同法第十条第二項において準用する場合を含む。)の規定により検事正又は上席検察官の職を占めたまま勤務をさせる期限の設定又は延長をした職員であつて、定年に達した日において当該検事正又は上席検察官の職を占める職員については、引き続き勤務させることについて法務大臣が定める準則(以下単に「準則」という。)で定める場合に限るものとする。

一 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として準則で定める事由

二 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める官職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

②任命権者は、前項本文の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項第一号に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、準則で定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあつては、年齢が六十三年に達した日)の翌日から起算して三年を超えることができない。

③前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、準則で定める。

わかりますでしょうか? 2項については当該職員の定年延長を規定するのが「内閣」であり、3項については「(法務大臣が定める)準則」となっています。

そもそも検察官の定年延長については、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」として、国家公務員全体の定年を延長する一環として、同じ「国家公務員」である検察官についてもその定年延長を定めようとしたものです。


現行の検察庁法に「人事院」という言葉は一言も含まれていない


で、改めて現行法について検察庁法全体で「人事院」というワードに対して検索を掛けてみたのですが、現行の検察庁法において「人事院」という言葉は一言も登場しません。

この事から一体何が推察できるのかと申しますと、つまり「検察庁法」は「人事院」からも完全に独立した存在で、検察官はその任免に関して人事院からも一切の干渉を受けない存在であるという事です。

この事は、前回の記事でも記した「検察庁法第25条」によっても、

「検察官は、前三条の場合を除いては、その意思に反して、その官を失い、職務を停止され、又は俸給を減額されることはない。但し、懲戒処分による場合は、この限りでない。」

という文章によって保障されています。検察庁法上検察官の身分を左右するのは「年齢」と「検察官適格審査会の議決及び法務大臣の勧告」の二つしかありません。

法務大臣による勧告も、「検察官適格審査会の議決」を経てなされるもので、法務大臣が勝手に行うことはできません。

つまり、本来「検察庁」とは、法文全体を通して見ても他の国家公務員とは違い、「人事院」に対しても独立した特殊な存在で、唯一「検事総長、次長検事または検事長」については内閣(総理大臣)が、「検事または副検事」ついては法務省(法務大臣)が関与する権能を持っている、という事がわかります。

「権能」と言っても実際に権限を持つのは「任命」に関するものだけで、これに今回の改正により初めて「定年の延長」に関する権能が追加されることとなるわけです。

今回の検察庁法改正について、野党やマスコミ、及びまるで自分が知識人でもあるかのように勘違いしている連中がツイッター上等で「任期の延長」が人事院ではなく内閣によって行われることが、「内閣によって恣意的に検察庁人事に介入することを目的としたもの」であるかのように振れまわられていますが、全く違う事がわかりますね?

元々「検察庁法」は「人事院規則」から独立した存在なんです。

そして、元々「検事総長、次長検事または検事長」の任命権者は内閣総理大臣であり、「検事または副検事」の任命権者が法務大臣であることから、検察庁法における定年の延長に関する規定において、国家公務員法を援用する際、「人事院の承認」という文言を「内閣」及び「(法務大臣の)準則」と置き換えているだけです。


当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由

さて。では改めて前回紹介した、予算委員会質疑に関連した動画を見てみましょう。



いくつか紹介したい場所はあるのですが、記事が長くなりすぎてもいけませんので、私が見た中で一番興味深いと感じた部分を記事にしてみます。

質問しているのは国民民主党の後藤祐一議員。受けているのが森法務大臣です。

後藤祐一議員は森大臣に対し、

「ここ数年の国際的組織犯罪、サイバー犯罪の中で『最も』複雑困難化したと思われる事件をそれぞれ5件挙げる様に」

と問いかけています。

質疑の内容から判断すると、「当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由」の事例として、過去の答弁の中で森大臣より「国際的組織犯罪、サイバー犯罪」が例として挙げられたのだと思います。

これについて後藤祐一議員より「具体的事例を挙げろ」という質疑が行われました。

これに対して森大臣は、『最も』複雑困難化したと思われる事件について答えることが、捜査機関が『複雑困難だ』と考えている事件を明らかにすることとなり、治安への影響から考えても明らかにすることは困難であることを伝えながら、

「ここ数年国境を超える犯罪として報道されているもの」
「ここ数年のサイバー犯罪として報道されているもの」

についてそれぞれ5件事例を挙げています。ではどんな事例かと申しますと、まずは「ここ数年国境を超える犯罪として報道されているもの」について。

1.起訴:令和2年
 フィリピンに拠点を置いていた日本人グループによる特殊詐欺事件

2.起訴:平成30年
 韓国籍の被告人が韓国から金塊三キロを密輸したとされる事件

3.起訴:平成29年
 北海道の松前小島に着岸した北朝鮮の船の船長が発電機等を盗んだとされる事件

4.起訴:平成29年
 韓国籍の被告人が共犯者と共謀して韓国から金塊約30キロを密輸したとされる事件

5.起訴:平成28年
 横浜敷地内の韓国総領事館敷地内に人の排せつ物の入った紙箱を投げ込み、同総領事館の業務を妨害したとされる事件

あれ?

いかがでしょうか。ハッとされた方もいらっしゃるかもしれません。

そうです。第1件目のフィリピンに拠点を置いていた日本人グループによる特殊詐欺事件以外、すべてが「韓国」及び「北朝鮮」に関連した事例です。

5件目の事例は犯人対象の国、というわけではありませんので少し性質が異なっているかもしれませんが、このような事例を見ると、「検察庁法改正をやり玉にあげ、疎外しようとしている連中はひょっとして・・・」とすら思えてきます。

国会にたち、責めている連中はひょっとしてそういった国々の利権を守るために答弁しているのではないか、と。

勿論そんなことはないと思います。ですが、あたかも安倍内閣が「恣意的に検察庁人事に介入しようとしている」という飛んでも陰謀論をでっちあげることが許されるのなら、この事例の方がよほど信憑性が高いと思います。

続いてサイバー犯罪の事例です。

1.起訴:令和元年
 オンラインサービスの会員IDを不正に取得し、ネットショッピングに使えるポイントをだまし取ったとして電子計算機使用詐欺の罪に問われたとされる事件

2.起訴:平成30年
 ウェブサイトに仮想通貨の獲得手段マイニングに無断利用するプログラムを設けたとされる事件

3.起訴:平成27年
 仮想通貨ビットコインの取引所マウントゴックスから巨額の資金が消失したとされる事件

4.逮捕:平成26年
 被告人が他人のインターネットバンキングIDを不正取得するため、遠隔操作ウイルスをメールで送信するなどした事件

5.平成20年以降に順次基礎
 ウイルスに感染させたパソコンを遠隔操作するなどした事件

犯罪名はちょっと聞き取りづらかったので割愛していますが、いかがでしょう?

事件がものすごく専門性を増しているように思えませんか?

では、このような事件にかかわっている検事が定年により途中で交代しなければならなくなった場合。果たして問題なく引き継ぐことができるでしょうか?

これらの事件は全て検事が後退したとして問題がなかった事件であると言及されていますが、後藤祐一議員は、森大臣に対し、「これらの事件を上回るような、『引き継ぎ要件』となるような具体的事例を示せ」と森大臣に迫っています。

森大臣は答弁において、「当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由」等の内閣が定年延長に関連して、新たに制定する「事由」について、「法律として格上げされる人事院規則」を参考とし、より具体的に制定するという事を示しています。

順序として、

①第三者機関である人事院規則に於いて国家公務員の定年延長に関連した具体的な法律が制定される
②人事院規則が法律として制定された後、これに準ずる形で検察庁法改正における定年延長に関連した要件を具体的に定める

という順番になります。

この説明を森大臣は何度も繰り返し行っているのですが、後藤祐一議員は全く理解しようとしません。同じ質問を繰り返し行い、自ら質問時間を潰しておいて、挙句の果てに議長から質問時間が過ぎていることを何度も勧告されるのですが、これに全く従おうとしません。

そして最後の最後に出てきた言葉が

 「次の機会までに準備をして、人事院規則ができる前に具体的なイメージを示せ!」

という言葉。これ、後藤祐一議員の本音なんだと思います。

森大臣は、はっきりと「捜査機関が『複雑困難だ』と考えている事件を明らかにすることは、治安にも影響するため難しい」という説明をきちんと行っていますね?

だからこそ中立機関である「人事院」で定めた規定に準じる形で「定年延長に関連した具体的な要件を定める」と言っているのに、全く耳を貸しません。

答えられないことを知っててこういう質問しているんだろうと思います。


まとめ

元々国家公務員法において規定される予定の定年延長のためのルールを、援用する形で定めたに過ぎない「検察庁法改正」における定年のルールを、あたかも安倍内閣になにがしかの思惑があり、悪用するために改正するかのような「陰謀論」を仕立て上げた。

これが今回の検察庁法改正に関する顛末のすべてだと思います。

勿論、ではこれをコロナ騒動で世間があたふたしている中で決める必要があるのかと言われれば、一部の人間によってここまで複雑化されてしまった以上、これは適切ではないのかもしれません。

ですが、今回の顛末は、例えば「チェーンメール」が拡散されたり、「デマ」が拡散されるのと同じレベルで非常に悪質な事件だと思っています。

「チェーンメール」だって、それはあたかも正しいことが書かれているかの様に見えて、そこにはなにがしかの世論を惹起させるための「悪意」が込められているからこそそれは悪質なのです。

「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグも、これは明らかに悪意を以てこれを仕掛けた人間が存在します。

良しあしは別として、それに乗っかった皆々様。あなたたちはそれが本当に「正義」だと思っているのですか?

いい加減そういった「陰謀論」に乗っかるのはそろそろ終わりにしませんか?




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>検察庁法改正問題 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>検察庁法改正問題


記事はこちらから。

共同通信社記事より 5/18 15:31】
検察庁法改正、今国会見送りを確認

 安倍首相は自民党の二階幹事長との会談で、検察庁法改正案について、国民の理解なしに前に進めることはできないとして、今国会成立を見送る方針を確認した。


「#検察庁法改正案に抗議します」(#↽はあえて全角にしています)
↑というツイッターのハッシュタグが拡散され、結果的に今国会でも成立が見送りとされそうな「検察庁法改正法案」。

まずはこの法案。肯定派と否定派の間で論争のポイントとなっているのは「検察庁法第22条」の改正について。

以下に掲載しますが、例によってまともに読もうとすれば脳がわきますから、枠内は飛ばして読んでください。

まずは現行法。

「検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する」


この法案を、

第22条 検察官は年齢が65年に達したときに退官する。

2.検事総長、次長検事または検事長に対する国家公務員法第81条の7の規定の適用については、同条第1項中「に係る定年退職日」とあるのは「が定年に達した日」と、「を当該定年退職日」とあるのは「を当該職員が定年に達した日」と、同項ただし書中「第81条の5第1項から第4項までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む)を延長した職員であって、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、同条第1項または第2項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であって、引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限るものとし、当該期限は末日の翌日から起算して三年を超えることができない」とあるのは「検察庁法第22条第5項または第6項の規定により次長検事または検事長の官及び職を占めたまま勤務をさせる期限の設定又は延長をした職員であって、定年に達した日において当該次長検事または検事長の官及び職を占める職員については、引き続き勤務させることについて内閣の定める場合に限るものとする」と、同項第1号及び同条第3項中「人事院規定で」とあるのは「内閣が」と、同条第2項中「前項の」とあるのは「前項本文の」と、「前項各号」とあるのは「前号第1項」と、「人事院の承認を得て」とあるのは「内閣の定めるところにより」と、同項ただし書き中「に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあっては当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)」とあるのは「が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあっては、年齢が62歳に達した日)」とし、同条第1項第2項の規定は、適用しない。

3.検事または副検事に対する国家公務員法第81条の7の規定の適用については、同条第1項中「に係る定年退職日」とあるのは「が定年に達した日」と、「を当該定年退職日」とあるのは「を当該職員が定年に達した日」と、同項ただし書中「第81条の5第1項から第4項までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む)を延長した職員であって、定年退職日において管理職監督を占めている職員については同条第1項または第2項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であって、引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限るものとし、当該期限は当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の様実から起算して3年を超えることができない」とあるのは「検察庁法第9条第3項または第4項(これらの規定同法第10条第2項において準用する場合を含む)の規定により検事正又は上席検察官の職を占めたまま勤務を指せる期限の設定又は延長をした職員であって、定年に達した日において当該検事正又は上席検察官の職を占める職員については、引き続き勤務させることについて法務大臣が定める準則(以下単に「準則」という)で定める場合に限るものとする」と、同項第1号及び同条第3項中「前項の」とあるのは「前項本文の」と、「前項各号」とあるのは「前項第1号」と、「人事院の承認を得て」とあるのは「準則で定めるところにより」と、同項ただし書中「に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあっては、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)」あるのは「が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあっては、年齢が63年に達した日)」とし、同条第1項第2項の規定は、適用しない。

4.法務大臣は、次長検事及び検事長が年齢63年に達したときは年齢63年に達した日の翌日に健治に任命するものとする。

5.内閣は前項の規定に関わらず、年齢が63年に達した次長検事または検事長について、当該次長検事または検事長の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該次長検事または検事長を検事に任命することにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由があると認めるときは、当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日の翌日から起算して1年を超えない範囲内で期限を定め、引き続き当該次長検事または検事長に、当該次長検事または検事長が年齢63年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務をさせることができる。

6.内閣は前項の期限又はこの項の規定により延長した期限が到来する場合において、前項の自由が引き続きあると認めるときは、内閣の定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して1年を超えない範囲内(その範囲内に定年を延長する日がある次長検事または検事長にあっては、延長した期限の翌日から当該定年に達する日までの範囲内)で期限を延長することができる。

7.法務大臣は前2項の規定により次長検事または検事長の官及び職を占めたまま勤務を指せる期限の設定又は延長をした次長検事または検事長については、当該期限の翌日に検事に任命するものとする。他足、第21条の7第1項の規定により当該次長検事または検事長を定年に達した日において占めていた職及び職を占めたまま引き続き勤務させることとした場合は、この限りでない。

8.第4項及び前項に定めるもののほか、これらの規定により健治に任命するに当たって法務大臣が遵守すべき基準に関する事項その他の検事に任命することに関し必要な事項は法務大臣が定める準則で、第5項及び第6項に定めるもののほか、これらの規定による年齢63年に達した日において占めていた官及び職を占めたまま勤務を指せる期限の設定及び延長に関し必要な事項は内閣がそれぞれ定める。

検察庁


というに変える・・・というのが今回の改正案騒動でした。

単純に読み解いたのでは意味が分かりませんので、いくつか捕捉する法案を掲載します。

まず登場するのが、「国家公務員法第81条の7」。実は、「国家公務員法」も改正されますので、この法律は新しい国家公務員法第81条の7のことを指しています。

国家公務員法第81条の7

(定年による退職の特例)
第八十一条の七 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該定年退職日において従事期限を定め、その職員を当該している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。ただし、第八十一条の五第一項から第までの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を延長した職員であつて、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、同条第一項又は第二項の規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合であつて、引き続き勤務させることについて人事院の承認を得たときに限るものとし、当該期限は、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない。

一 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

二 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める官職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

②任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項各号に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、人事院の承認を得て、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあつては、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)の翌日から起算して三年を超えることができない。

③前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、人事院規則で定める


で、検察庁改正法ではこの81条の7を読みかえるようですので、これに従って打ち換えていきます。

検察庁法第22条-2
任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該職員が定年に達した日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該職員が定年に達した日において従事期限を定め、その職員を当該している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。ただし、検察庁法第9条第3項または第4項(これらの規定同法第10条第2項において準用する場合を含む)の規定により検事正又は上席検察官の職を占めたまま勤務を指せる期限の設定又は延長をした職員であって、定年に達した日において当該検事正又は上席検察官の職を占める職員については、引き続き勤務させることについて法務大臣が定める準則(以下単に「準則」という)で定める場合に限るものとする。

一 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣が定める事由

二 前条第一項の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める官職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として人事院規則で定める事由

②任命権者は、前項本文の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前号第1項に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、内閣の定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、当該期限は、当該職員が定年に達した日(同項ただし書に規定する職員にあっては、年齢が62歳に達した日)翌日から起算して三年を超えることができない。

③前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、内閣が定める。

ここで、「前条第一項」の文言が3か所出てくるのですが、これはどう考えても「同条第1項」の誤りだと思います。書き漏れでしょうか

この場合の「任命権者」は内閣や法務大臣ですね。同条第3項についてもほぼ同じ変更がなされています。

2項が「検事総長、次長検事または検事長に対する国家公務員法第81条の7の規定の適用」について、、3項が「検事または副検事に対する国家公務員法第81条の7の規定の適用」

きちんと読み切れているのかは少し自信のない部分もありますが、ここで定年により退職をする職員が「内閣の定める」「当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由」ある場合に定年を超えても最大で3年間職務の延長ができる・・・と記されている部分が問題になっているわけです。



ちょうどこちらの動画で内閣から「武田国家公務員制度担当大臣」と「森法務大臣」が出席して国民民主党の後藤祐一議員と共産党の藤野保史議員からの質疑に応答しています。

全体を通じてポイントとなっているのは、現行法第22条にある

「検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する」

という一文です。


黒川検事長の定年延長

検察庁法における検察官の定年延長の問題がここまで大きく騒がれることとなった理由の一つとして、黒川検事長の定年延長の問題があります。

深く検証することは致しませんが、黒川氏の任期延長については「東京高等検察庁」からの依頼を受け、「人事院の判断」を受けて内閣が閣議決定したものです。

この時、内閣は閣議決定を行う際(検事長の任命権者は内閣)、検察庁法には延長についての規定がないため、国家公務員法を適用しました。

(定年による退職の特例)
第八十一条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。

 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、人事院の承認を得て、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。


野党は検察庁法の

「検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する」

という規定について、

「年齢以外の要素は一切考慮しないと書かれている!」

という主張を行っているのですが、実は検察庁法のどこを見てもそんな規定は記されていません。検察庁法にはただ、

「検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する」

という規定だけが記されているのです。また、25条には

第二十五条 検察官は、前三条の場合を除いては、その意思に反して、その官を失い、職務を停止され、又は俸給を減額されることはない。但し、懲戒処分による場合は、この限りでない。

とも記されており、この条文によって検察官の身分の独自性もきちんと保障されています。

この前提の下、記事としては本日の記事が長くなっていますので、後半を分けて次の記事にしたいと思います。




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>検察庁法改正問題 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>新型コロナウイルスについて


今回の記事は、タイトルにある通り、全国47都道府県の「現在感染者数」比較とこれに伴って一昨日、5月4日に安倍首相より行われた「緊急事態宣言の延期」に関する安倍首相の会見に対して、「出口戦略が表明されなかった」という意見が多発している事に対して私が感じた「違和感」を記事にしたいと思います。


全国の「現在感染者数」比較

では、早速ですが、ヤフーの「新型コロナウイルス感染症まとめ」 に掲載されています情報より、全国の「現在感染者数」の推移比較を目に見える形で掲載してみます。

後程、なぜ「現在感染者数」の推移を記事にするのかという事も含めて掲載しますが、全都道府県の情報を掲載しますので、非常に長くなります。まずは気になる都道府県のみをご覧いただくようにして、それ以外の都道府県は読み飛ばしてください。


全国

全国


北海道

北海道


青森

青森


岩手

岩手


宮城

宮城


秋田

秋田


山形

山形


福島

福島


東京

東京


神奈川

神奈川


埼玉

埼玉


千葉

千葉


茨城

茨城


栃木

栃木


群馬

群馬


山梨

山梨


新潟

新潟


長野

長野


富山

富山


石川

石川


福井

福井


愛知

愛知


岐阜

岐阜


静岡

静岡


三重

三重


大阪

大阪


兵庫

兵庫


京都

京都


滋賀

滋賀


奈良

奈良


和歌山

和歌山


島根

島根


鳥取

鳥取県


岡山

岡山


広島

広島


山口

山口


徳島

徳島


香川

香川


愛媛

愛媛


高知

高知


福岡

福岡


佐賀

佐賀


長崎

長崎


熊本

熊本


大分

大分


宮崎

宮崎


鹿児島

鹿児島


沖縄

沖縄


安倍首相が示した「出口戦略」

先日の安倍首相の会見を受け、マスコミやその出演者を中心に、「出口戦略」が示されていない、「具体的な数値を以て示してほしい」

という私からすればこれは非常に偏った意見が一斉に報道されました。

その上で大阪の吉村知事が示した「大阪モデル」を以上に持ち上げ、あたかも安倍首相が出口戦略を示していないかのような世論を一気に形成してしまいました。

ですが、実はそんなことはありません。先日の安倍さんの会見をきちんと聞いていた人たちには明確にわかったはずです。安倍首相の示した「出口」が。

では、次の資料を見てみましょう。

5-6感染状況

こちらはNewsDigestというアプリで、私がコロナ関連の情報を見る際に参考としているアプリです。わかりやすいので。

で、この画像は本日、2020年5月6日21時18分時点で最新の情報です。

わかりますでしょうか? 「現在感染者」項目の下に、緑色で「前日比-238」と記されていますね?

これは、「現在入院(またはホテル等で待機している人」の数が前日と比較して238人減少しましたよ、という情報です。

なぜ減ったのでしょう?

勿論、「累計死亡者数」が+11となっていますから、昨日まで入院していた人たちの中から11人の方が亡くなったので、その分病床が空いた・・・という事もあるのですが、実はそれ以上に「累計退院者数」が331名増えている事。

つまり、本日331名の方が「退院」したことが一番大きいのです。患者数そのものは全国で104名しか増えていませんから、本日の「退院者数」が「新規感染者数」を大きく上回ったため、「現在入院者数」が大幅に減少したのです。

「本日はゴールデンウィークで検査数が」とおっしゃる人もいるかもしれません。

ですが、たとえそうであったとしても「本日『現在感染者数』」が昨日までと比較して減少したという事は事実です。

ひょっとすると、明日明後日、ゴールデンウィーク中で検査ができなかった人の検査数が増加し、再び「感染者数」が大幅に増えるかもしれません。ですが、「本日『現在感染者数』が減少した」という事は事実です。

つまり、この事実を積み重ねていくことこそ、安倍首相が示した「出口戦略」なのです。

ハッキリおっしゃっていますね?

「回復者の数が新規感染者数を上回る」ことが必要だという事を。それを示す具体的な数字が「現在感染者数」の推移です。


「大阪モデル」はそんなに過ぎれた指標なのか?

さて。その上で、上記に列記した全国の「現在感染者数」の推移を見てみましょう。

お伝えしましたように、本日は全国で見ても「回復者数」が多かったですし、逆に「新規感染者数」は少なかったですから、当然「現在感染者数」は減少しています。

ですが、これは「特別な事」なのかもしれません。たまたまそうなっただけなのかもしれません。

そう考えた上で、例えば「東京」の推移を見てみます。

東京

いかがでしょう。「全国」では確かに「現在感染者数」は減少していますが、東京だけ見てみますと、この数字は増加し続けていますね?

では、「大阪」はどうでしょうか。

大阪

5月1日に大幅に「現在感染者数」が減少したと、ほぼ横ばいが続き、本日ぐっと下落していますね?

ですが、本日の数字はひょっとすると「特別な事」なのかもしれません。そう考えると大阪の状況は「横這い」が続いていることになります。

では、私が居住している「愛媛県」のグラフを見てみます。

愛媛

4月22日をピークとして、それ以降「現在感染者数」は継続して下落していることがわかりますね?

そう。そういいう意味で見ると、私の住む「愛媛県」では、「コロナ問題」は収束しつつあります。

更に岩手県に至ってはこれまで継続して考えて一人たりとも感染者を出していません。ずっと「0人」のままです。

そう。地域によってコロナウイルスの感染状況は大きく異なっているのです。

では、なぜあたかも日本全国で「経済活動の自粛」が強要されているかのような状況が継続しているのでしょうか?


「緊急事態宣言」の意味

さて。よく考えてみてください。

安倍首相は最初、中々「緊急事態宣言」を出そうとしていませんでした。

なぜでしょう?

それは、安倍首相は「新型インフルエンザ等特別措置法」の規定にのっとり、ちゃんと専門家の意見を聞き、専門家が「緊急事態宣言」を出す条件として、「2~3日で感染者の数が2倍、3倍になるような状況」とはっきり示していました。

ですが、特に東京においてその専門家が示した「2~3日で感染者の数が2倍、3倍になるような状況」が今にも起きるのではないか、思わせるような急速な増加幅を示した時期がありました。

この時、小池知事が「緊急事態宣言が出されれば、いつでも対応できる準備はできている。早く緊急事態宣言を行ってほしい」といった趣旨の発言をしていたことを私はとてもよく覚えています。

ですが、私はこの時非常に疑問に感じていました。

「なぜ東京は東京独自で緊急事態宣言を行わないのだろう」と。

これは大阪に対しても一緒です。逆に北海道では独自に緊急事態宣言を出し、「コロナウイルスの第一波」を見事終息させていました。

そう。実はこの時、政府が緊急事態宣言を発令するより前に、東京、大阪で独自に「緊急事態宣言」を出すことこそ、両知事が本当にやらなければならなかったことなのです。

両知事が緊急事態宣言を独自で出さなかった理由は、仮に自分たちが緊急事態宣言を出したとしても「法的な根拠」がないからです。

緊急事態宣言が出されることによって小池知事や吉村知事の発言に「法的な根拠」が生まれ、その根拠に則って各自治体に「要請」や「指示」を行うことができるようになるため、両知事は安倍首相に対し、「緊急事態宣言」を出すことを求めました。

安倍さんは、この様な「圧力」を抑えきれず、やむを得ずに出したのが最初の「緊急事態宣言」でした。

そうです。「緊急事態宣言」を出す事によって高められるのは首相の権限ではなく、各「自治体の長」の権限なのです。

これを小池知事も吉村知事も忘れてしまっているんじゃないでしょうか?

安倍さんは宣言を出すとき、「東京」「神奈川」「千葉」「埼玉」「大阪」「兵庫」「福岡」の7都府県をその対象地域としました。

ですが、その結果、これらの地域から他の地域に感染者が流出し、感染が全国に拡大する恐れが生まれたことから、その後更に感染が拡大しつつあった「北海道」「茨城」「石川」「岐阜」「愛知」「京都」を「特定警戒都道府県」として指定した上で、全国に「緊急事態宣言」を発令しました。

その最大の目的は「都道府県をまたいだ人の移動を防ぐこと」を目的としたものです。

その上で、発令時にはすでに「都道府県をまたいで移動した人」が各都道府県に存在していました。これらの感染者から各地域への蔓延を防ぐため、クラスターの発生が確認されている繁華街での「接待を伴う飲食」や「三密が発生するイベント」などの中止を全国に要請しました。

ですが、逆に考えれば、これらの目的が達成された地域では順次「自治体の長」の判断で自粛要請を「緩和」することは可能であったはずです。

「新型インフルエンザ等特別措置法」の最大の特徴は「知事」の権限を高めることにこそあるわけですから。小池知事も、吉村知事もそれを求めて「緊急事態宣言」の発令を安倍首相に求めたのではなかったのでしょうか?

5月4日、改めて安倍首相より「緊急事態宣言の延長」が宣言されました。

ですが、同時に13の「特定警戒都道府県」を除く都府県に対しては宣言に伴った「制限の緩和」についても言及されました。

内容としては、県外への移動の他、過去にクラスターが発生した繁華街での「接待を伴う飲食業」や「大規模なイベント」以外は「3蜜」をさける事を条件として緩和される内容となっています・・・って、よく見れば、そもそも延長される前の内容と大きな変化は有りませんね。

ということは、今回の「緊急事態宣言」は元々そういう内容だったってことですよ。

であれば、もし「大阪」の状況が改善されたのであれば、それは特措法によって高められた大阪の「府知事」の「権限」で制限を緩和すればよいだけの話であり、その指標を国に求めるのはそもそもお門違いだと言うことです。

自粛延長に伴う「補償」の問題も散々話題に上がっていますが、その補償を求めるよりも先に、政府がすでに準備している「補償」を府民、都民が円滑に受けられるよう「情報提供」や「サポート」を行うのが知事の役割じゃないんでしょうか?

その上で「ここが足りないから力を貸してください」と政府に求めるのが「緊急事態宣言によって権限を高められた」知事の役割なんじゃないでしょうか?

安倍さんは、更にコロナの問題について、何度も「主に東京の問題なんですが」と述べています。

それはそうですよね?

全国の「現在感染者数」11876名(Yahooベース)の内実に4635名が東京の「現在感染者数」なんですから。

自治体によってはすでに改善され、「現在感染者数」が減少に転じている自治体も多数あるのですから。

政府はきちんと「補償」を用意しています。

特に「弱者」に対する補償は非常にしっかりしています。(使いやすい、使いにくの問題こそあれ)

自治体によってはその補償が、特に「対企業」ベースでは十分ではないかもしれません。ですが、だから政府が何も対策を行っていないかのように情報を撹乱させ、「緊急事態宣言を独自で発令する」という責任から逃げた二人の知事を持ち上げ続けるのはそろそろ、終わりにしませんか?




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>新型コロナウイルスについて よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>新型コロナウイルスについて


第496回の記事 では

 「家賃の猶予、免除に応じた不動産業者への固定資産税の免除制度」
 「中小企業者・小規模事業者に対する固定資産税・都市計画税の減免」
 「住居確保給付金」

という3つの制度について、第497回の記事 では

 「緊急小口資金等の特例貸付」

について、それぞれ記事にしました。

ですが、これらの制度からは大きく零れ落ちている存在がありまして、それが「企業」の経費の問題です。

勿論、前回、前々回で記事として掲載した補助制度でも、例えば「個人事業主」レベルであれば十分に救済措置となる可能性はあるのですが、おそらく中小企業以上のレベルになると「これではとても賄えない」という企業も出てくるでしょう。

これを補填する目的で先日の予算員会を通過したのが「持続化給付金制度」です。


持続化給付金制度とは

既に多くの方がご存じだとは思いますが改めまして。

持続化給付金

ポイントをまとめてみます。
【対象】
中小企業及び個人事業主の内、
ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者。

【金額】
中小企業・・・200万、個人事業主・・・100万 かつ 昨年年間の売り上げからの減少分が上限

となっています。

で、こちら、「確定申告」を行っていることが前提条件となっていまして、売り上げが減少した月が昨年より50%以上減少していれば給付の対象となります。


持続化給付金のウィークポイント

さて。前回から前振りをしているこの「持続化給付金のウィークポイント」。

ポイントとなるのが給付されるベースとなるのが「売上」であるという事。「所得」ではないんですね。

勿論、普段、「売上」から経費を支出してその差額分が「所得」となっていますので、その「売上」を補填しますという発想そのものはおかしくないと思います。

ですが、ここで一つネックとなるのが「雇用者報酬」。つまり、「給与」のことです。

勿論、政府が用意している制度としては「雇用調整助成金」がございまして、この制度を使えば「雇用者報酬」の部分は賄えるかもしれません。

雇用調整助成金も改善され、元々給与の2/3を政府が補填したものが、7.5割~9割にまで改善され、更には10割まで引き上げられました。

つまり、事業が苦しくなって、従業員の解雇が必要になっても解雇せず、雇い続けた場合、その全額を政府が保証しますよ、というレベルにまで制度が改善されています。要件として

 「売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること」

という要件が、10%ではなく5%にまで引き下げられましたので、非常に利用しやすくはなっていると思います。

ですが、それでもその支給額には上限(日額8330円)があり、制度といて完璧なわけではありません。

申請そのもののも手間ですし、これを面倒だと感じて例えば従業員の給与を減額してしまったり、あるいは解雇してしまうような企業も少なくはないのではないでしょうか?

もしくはそれでも我慢してこれまでと同じ給与を従業員に手渡していて、自身の貯蓄を食いつぶしている「個人事業主」などもいるかもしれません。


持続化給付金、給付条件のウィークポイント

では、例えば個人事業主などで、

「従業員に給料を支払わなければ売り上げが1/2以下になることはないが、従業員に給料を支払ってしまうと手元に残るお金がゼロになってしまう」

ような事業主がいたとしたらどうでしょう?
または給料を全額歩合制にしていて、

「従業員が自分自身で稼ぐ給料は増収だが、それ以外の売り上げが1/2を割り込んでしまう」

様な場合はどうでしょうか? 「そんなことはありえない」と思う人もいるかもしれません。

では、

「個人事業主が事業Aと事業B二つの事業をしていて、事業Aを完全に従業員に任せていて、事業Aの収入は全額給与として従業員に渡していた場合」

はどうでしょうか? この時、

事業Bがコロナの直撃を受けて全く採算が取れなくなった

とするとどうでしょう?

事業Aは順調で、ひょっとすると「増収」になっているかもしれません。ですが、事業Aは壊滅的な打撃を受けていますから、個人事業主本人が受け取ることのできる売り上げはひょっとすると0になっているかもしれません。

個人事業主本人がコロナに感染し、入院してしまった場合などはどうでしょうか?

私このようなケースが発生することは十分に考えられると思うのです。

従業員がとても経営者のことを尊敬していて、「半分はお渡ししますよ」などというケースもあるでしょうが、必ずしもそうなるとは限りません。

ではもし「持続化給付金」の給付条件として、

ひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者。(ただし被雇用者への給与を除く)

という条件であったとしたらどうでしょう? 「被雇用者への給与を除く」の一言が条件に加えられるだけでかなり助らえる経営者もいると思いませんか?

もしくはここに「雇用調整助成金を利用している事業者は別」という文言が入っていてもよいと思います。

制度設計時にはまだどのようなウィークポイントがでてくるのか、予測しづらい部分もあると思います。

何よりもまず、実際に運用し、使える状態にすることの方が優先されますから、法案として出された段階で「ここがおかしい!」と突っ込むのはナンセンスだと私も思っています。

ですが、既に「制度」としては出来上がったのですから、「ブラッシュアップ」していく必要はあると思います。

「雇用調整助成金」も「緊急小口資金等の特例貸付」も、実際に施工された後、問題点を洗いなおしてブラッシュアップした結果、どんどんと国民が使いやすい形に変容していきました。

これは持続化助成金も同じことだと思います。

安倍さん、麻生さん。そして実際に制度設計をする官僚の皆さん。

個人事業主に対してだけでも構いません。私のこの案、ぜひ採用してみませんか?




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>新型コロナウイルスについて よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>新型コロナウイルスについて


昨日の記事 では、「家賃の猶予、免除に応じた不動産業者への固定資産税の免除」、「中小企業者・小規模事業者に対する固定資産税・都市計画税の減免」、「住居確保給付金」といった、主に「家賃」に関連した政府の現行補助制度について記事にしました。

趣旨としては、これだけの補助制度があるにも関わらず、あたかも政府が何の家賃補助制度を行っていないかの様なマスコミ報道、野党側の追及に対し、一言物申したい気持ちから作成した記事です。

ですが、特に「住居確保給付金」などはダイレクトに生活の支えとなる方などもいらっしゃるでしょうし、こちらは不動産会社側の企業努力に依存することにはなりますが、「家賃の猶予、免除に応じた不動産業者への固定資産税の免除」制度なども広く多くの国民が知っていただけるようになればいいな、と思っています。

今回は、加えて中小企業、大企業の経営難に対する支えとなるであろう、「持続化補助金」について記事を作成しようと思います。

私の視点としては、「このウィークポイントを改善すればもっと良くなるのにな」と感じる部分を掲載しようと思っています。

ただ、その前に。もう一つ、私としては「神制度」だと感じている「緊急小口資金等の特例貸付」についての記事を掲載します。

内容として多くの方の助けになるだろう、という視点と、「国民への一律10万円給付」制度の実施によって廃案となった「収入が激減した国民1世帯当たり30万円」という制度にもスポットを当てたいという視点もあります。


緊急小口資金等の特例貸付

この制度、私もともと存在は知ってはいたのですが、我がごととしては受け止めていませんでした。

私の収入としてはこの制度のお世話になるほどには減少していませんし、私の生活を支えられないわけではありませんから。

ですが、私の雇い主が急遽入院することとなり、私自身ではなく、雇い主の生活費を支える必要性に駆られたため、普段からお世話になっている松山市議さんにご相談したところ、今回話題とした「緊急小口資金等の特例貸付」という制度の話が登場しました。

Facebookで私自身としても話題を乗せたことがあったのですが、その時と比較しても、借り入れのためのハードルがかなり引き下げられていることを案内されたのです。

具体的に、ではどの部分が引き下げられたのかというと、「所得証明」の部分です。

この貸付を受けるためには、元々前年度の所得と比較し、今年度の収入が減少していること、更にそれによって生活が困窮していることを証明する資料が必要だったのですが、この確認が「口頭による確認で可能になった」とのお話でした。

また更に、「住民票」「印鑑証明」「振込先の口座情報(通帳のコピー)」等の書類さえ整っていれば受付後1週間後には指定された口座に振り込まれている、との情報もお伺いし、これは、と感じましたので私も窓口である自治体の社会福祉協議会へ向かいました。

実際、建物に入りますと、担当者が非常にわかりやすい場所に窓口を設置していただいておりまして、私と担当者との間に透明のフェンスを設置した上で、対応をしてくださいました。

ただ、私が訪問した際には、若干受付のルールが変わっていまして、受付担当者と申込者との間での濃厚接触を防ぐため、申し込みは全て郵送で行うこととなっていました。

想定としては、窓口で受け付けをしてもらって、所得についてもその場で口頭で説明できることを想定していたのですが、この点が想定と異なっていました。

また、もう一つハードルとしてあったのは「印鑑証明」の問題。

貸付を受ける当人は入院しています。印鑑証明を受ける場合は「印鑑証明カード」が必要となります。これが当人の自宅にあり、入院先では保管していませんので、どう考えても印鑑証明を入手することが不可能でした。

で、窓口でこの事を伝えたところ、「4月30日より印鑑証明が必要ではなくなるのではないか、との情報が入っている」との情報をくださいました。

その話をお伺いした上で、私は4月30日以降に改めて窓口を訪問することとしました。


緊急小口資金等の特例貸付の申し込み方法

という事で、改めて5月1日に訪問した際に確認した「緊急小口資金等の特例貸付の申し込み方法」について、ご案内いたします。
【緊急小口資金等の特例貸付の申し込み方法】

【申し込み窓口】

各自治体の社会福祉協議会

【申し込み方法】

 ①-1 社会福祉協議会窓口で必要資料を受け取る

 ①-2 または、書きリンク先より必要書類をダウンロードし、印刷する
  ○申請に必要な書類(様式、記入例)

 ② 必要となる書類を用意する

 ・必要となる書類

  1.社協で受け取った申し込み書類
  2.世帯全員が記載されている申込者本人の住民票
  3.振込先となる銀行の預金通帳の金融機関名、支店名、口座名義、口座番号が分かる部分のコピー
  4.本人が確認できる書類(下記ア~オのいずれか)
   ア. 運転免許証(住所変更している場合は両面コピー)
   イ. パスポート
   ウ. マイナンバーカード(保護ケースに入れたまま表面のみコピー)
   エ. 健康保険証
   オ. 在留カード(特別永住者証明書)※外国籍の方の場合

 ③ 必要となる書類1~4をすべて封筒に入れ、自治体の社会福祉協議会へ郵送

申し込み方法はこれだけです。

勿論、これは「申し込み方法」であり、申し込みを行った人がすべて対象となるとは限りませんが、私が聞いた限りではかなりの確率で対象となっています。

これを「どうせ貸し付けでしょ」と思う人もいらっしゃるかもしれません。

ですが、実際の返済スタートは受給できるようになった1年後。更にこの時点で本人が「住民税非課税世帯」であった場合、この20万円は返済する必要はありませんん。

そして、この制度は1か月で終わるわけではなく、2か月目以降、「総合支援資金」という制度も用意されていまして、

 ・(二人以上)月20万円以内
 ・(単身) 月15万円以内

を合計で3か月間受け取ることができます。

もちろん、こちらも「貸付」ですから返済する必要がありますが、緊急小口資金と同じで償還時に当人が「住民税非課税世帯」であった場合には返済が免除されます。

緊急小口資金


本当に「一律10万円給付」という選択は正しかったのか?

いかがでしょうか?

今回記事にした「緊急小口資金等の特例貸付」について。

勿論ご存知の方もいらっしゃったとは思います。ですが、実際に利用された方はいらっしゃるでしょうか?

こんなにも手続きが簡略化されていたことに驚かれている方もいらっしゃるのではありませんか?

ここで、改めて「世論からの異常なほどの同調圧力」を受けて実行されることとなった国民全員に給付される「一律10万円」のことを考えてみたいと思います。

一律10万円給付が採用される前に議案として上っていた「生活困窮世帯への30万給付」。

私の今回の記事を読んで、ハッとされた方も多いのではないでしょうか?

勿論制度としては「収入」が基準となっており、基準もやや不明確でしたので、「わかりにくい」制度であったことは事実です。

ですが私、今回の緊急小口資金等の特例貸付に関する体験を通じて思ったのですが、ひょっとして30万給付制度にはこの緊急小口資金貸付制度の対象が「援用」されていたんじゃないかと思うのです。

実際申請しているのは事業経営などを行った結果、「所得が非課税世帯並みになった」人たちばかりだと思います。

例えば、法案が成立した直後は「収入」ベースであったとしても、今回の緊急小口資金貸付制度がそうであったように、準じてその対象が拡大されるという方法が用いられていたのではないでしょうか?

もしくは同じ圧力をかけるのなら、「一律10万円を給付しろ」という圧力ではなく、「30万給付の対象を拡大しろ」という圧力をかけるべきだったのではないでしょうか?

緊急小口資金貸付制度では振込先の口座情報を提出することが前提条件となっていますから、この申し込みを行った時点で政府は生活困窮者の口座情報を手に入れることも可能であったはずです。

もしくは窓口を社協にすることで口座情報の再利用も可能になったはずです。

だとすれば、ひょっとすると緊急小口資金貸付の申し込みを行った人たちの手元には、既に30万円が届いていたかもしれません。

「一律10万円給付」は一聞するとかなり有益な制度である様にも思えます。

ですが、その予算は12兆円で、その財源は国債で賄われています。

そして、その大半が「今すぐには給付金を必要としない世帯または個人」に届けられます。



このようなツイートをなされていた議員さんもいらっしゃりますが、議員に手紙を送ったとされるお子さんの家庭は7人家族、とのこと。

たかがマスクでこのような手紙を送ってくるほどですから、おそらく生活としてはそれほど困窮しているわけではないかと思います。

ですが、この過程にはなんと70万円もの給付金が支給されることになります。

一方でコロナの影響にさらされ、今日明日を生きることに必死で、例えばその人が単身者であった場合などはたった10万円しか給付金は届けられません。

30万の世帯別給付では予算が3兆円組まれていましたから、あくまで政府の資産によれば、ということになりますが、12兆で組まれた10万円一律給付の内、本当に必要とされる人の下に届く給付金は3兆円分。

残り9兆円分はそうではない国民の下に届けられるという事です。

10万円一律給付という制度そのものが悪いというわけではありませんが、同じ12兆の予算を使うのであれば、世帯別30万円給付制度をもっとブラッシュアップさせていく方がよほど国民に寄り添った政策となったのではないでしょうか?

最初は問題のある制度でも、一旦制度を成立させた上でブラッシュアップしていけば、本当に価値のある制度に化けていたんじゃないかと、私にはそう思えてなりません。


持続化補助金についての記事も後半に記そうと思っていたのですが、緊急小口資金貸付に関する内容が濃くなりすぎましたので、持続化補助金についての記事は次回に委ねます。




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>新型コロナウイルスについて よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>新型コロナウイルスについて


記事としては、将来消えてしまわない者の方がよいと思うので、こちらの産経新聞記事からまずは引用します。

【産経ニュース記事より 2020.4.30 21:00】
自民、家賃補助独自案へPT 岸田氏、求心力の維持狙う

 自民党は30日、新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減した飲食店のうち、賃貸物件に入居するテナントの家賃支援を検討するプロジェクトチーム(PT)の初会合を開いた。野党が既に家賃を一定期間猶予する法案を衆院に提出しており、検討を急ぐ。

 「時間との戦いだ。早急に取りまとめていただきたい」。会合の冒頭、自民の岸田文雄政調会長はこう述べ、迅速な協議を求めた。PTは岸田氏の案を基に、5月7日に党としての考えを取りまとめる。

 岸田氏の案は、家賃の支払いが困難な借り主(テナント)に対して政府系金融機関などが無利子・無担保融資を実施。テナントは融資を家賃などの固定費に使い、家賃の一部を国が後から給付金や助成金などで補填(ほてん)する。法整備が不要で、迅速に対応できる。

 岸田氏は減収世帯への30万円給付で党内を主導したものの、一律10万円給付に覆された。家賃支援で独自案を打ち出し、「ポスト安倍」の有力候補として求心力を維持したい考えだ。

 今回のPT座長には石原伸晃元幹事長、座長代理には根本匠前厚生労働相が就任。石原氏はかつて宏池会(現岸田派)に所属し、平成12年の「加藤の乱」では岸田氏や根本氏らと行動を共にした盟友だ。PTでは両氏が岸田氏を支える。

 公明党も30日、オーナーやテナントを支援する地方自治体の取り組みに対し、国が補助金などを支給することを柱とした対策案を打ち出した。

 立憲民主など野党5党の支援法案は2月以降、1カ月の売り上げが2割以上減った中小企業や個人事業主などを対象に日本政策金融公庫が家賃を肩代わりする猶予制度と、テナントの家賃を減額したオーナーに国が財政支援する補助制度を組み合わせた。(長嶋雅子)

個人的に、政治家としての岸田さんはあまり好きじゃないので、この記事のタイトルにも非常に抵抗を覚えるのですが、記事としてはコロナウイルスに対して、休業等の要請により収入が激減し、支払いが困難となった

 「家賃の支払いが困難な借り主(テナント)」

に対して家賃補助をどのように行っていくのか、とすることについて、自民党が独自案を考え始めましたよ、という内容になっています。

また更に野党から「家賃を一定期間猶予する法案」が既に「衆院に提出」されている事、

公明党からは「オーナーやテナントを支援する地方自治体の取り組みに対し、国が補助金などを支給することを柱とした対策案」が出てきたという事、

野党案の詳細として「1カ月の売り上げが2割以上減った中小企業や個人事業主などを対象に日本政策金融公庫が家賃を肩代わりする猶予制度」に加えて「テナントの家賃を減額したオーナーに国が財政支援する補助制度」が組み合わせられた事なども記されていますね。

ですが、このような記事を読みますと、あたかも現政権が「家賃」を補助する制度について、あたかも全く何一つ実行していないかのような印象を受けてしまいませんか?

そう。私がこのような話題の振り方をするという事は、そうではない、という事です。現政権は既にコロナの影響を受けた「国民」や「事業者」に対する補助制度を既に用意しているという話です。

野党は、現政権が野党が要求したこのような家賃の補助制度、及び「アルバイトの収入が減って生活が厳しい大学生への支援」についての要請に対し、「応じなかった」として現政権を追求する姿勢を見せている・・・という報道もよく見ますね?

ですが、このような報道の在り方は、私は決して適切ではないと思います。

現政権は、これらの支援をサポートするために「新制度」を作ることではなく、「現行の支援制度を拡充する」形で様々な支援策を既に実行済みです。その上で、例えば「持続化補助金制度」などの新制度を合わせて施行しています。

このようなことを、一体どれほどの方がご存じなのでしょうか?


家賃の猶予、免除に応じた不動産業者への固定資産税の免除

国交省のホームページより引用します。

ビル賃貸事業者の皆様へ~新型コロナウイルス感染症に係る支援策~

1. 減免したテナントの賃料は損金として計上することが可能です。

法人・個人が行った賃料の減額が、次の条件を満たすような場合等には、その減額した分については、寄附
金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能であることが明確化されました。

① 取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること

② 実施する賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること

③ 賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること

2. 国税・地方税・社会保険料が、原則として1年間納税猶予されます。

新型コロナウイルス感染症により国税・地方税・社会保険料を一時に納付することが困難な場合は、個人・法人の別、規模を問わず、申請により、原則として1年間、納税が猶予されます(延滞税も軽減)。

また、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する税については、新型コロナウイルスの影響により令和2年2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期に比べて概ね 20%以上減少している場合かつ、一時に納付することが困難と認められるときは、無担保・延滞税(延滞金)なく、1年間納付を猶予することができます。

※ 不動産所有者等がテナント等の賃料を減免した場合や、税・社会保険料の納付期限において賃料支払いを猶予した場合も収入の減少として扱われます。

3. 固定資産税・都市計画税が減免されます。

新型コロナウイルス感染症の影響により事業等に係る収入に相当の減少があった場合、中小事業者、中小企業者が所有し、事業の用に供する家屋(建物)及び償却資産(設備等)の令和3年度の固定資産税及び都市計画税が、事業に係る収入の減少幅に応じ、ゼロ又は1/2となります。

※ 不動産所有者等がテナント等の賃料支払いを減免した場合や、 書面等により賃料支払いを猶予した場合も収入の減少として扱われます。

このほか、同ページには融資や持続化補助金についての記載もあるのですが、「家賃の減免に応じた不動産業者」に対する直接の支援制度としてはこの3つではないかと思いますね。

固定資産税の免除(減少幅による)以外にもかなりな優遇制度が用意されています。

実は、「固定資産税の免除」については不動産業者だけでなく、「中小企業及び小規模事業者」についても同様な制度が用意されています。


中小企業者・小規模事業者に対する固定資産税・都市計画税の減免

おそらくなんですが、制度としては不動産業者に対する減免制度よりも先にこちらの「中小企業者・小規模事業者」に対する制度が先に考えられていたんじゃないかと思います。

以下、中小企業庁HPからの引用です。

新型コロナウイルス感染症の影響で事業収入が減少している
中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免を行います


<減免対象> ※いずれも市町村税(東京都23区においては都税)

・事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税(通常、取得額または評価額の1.4%)
・事業用家屋に対する都市計画税(通常、評価額の0.3%)

020年2月~10月までの任意の 連続する3ヶ月間 の事業収入の対前年同期比減少率

  50%以上減少・・・全額
  30%以上50%未満・・・2分の1



住居確保給付金

この制度は、元々「生活困窮者自立支援制度」として平成27年に制定された制度で、この制度が今回のコロナに関連して対象が拡大され、条件も緩和されました。

元々の制度としては、

➢ 支給対象者
○ 申請日において65歳未満であって、離職等後2年以内の者
○ 離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
○ ハローワークに求職の申し込みをしていること
○ 国の雇用施策による給付等を受けていないこと

➢ 支給要件
①収入要件:申請月の世帯収入合計額が、基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の1/12)+家賃額
以下であること。家賃額は、住宅扶助特別基準額が上限。
(東京都1級地の場合)単身世帯:13.8万円、2人世帯:19.4万円、3人世帯:24.1万円
②資産要件:申請時の世帯の預貯金合計額が、基準額×6(ただし100万円を超えない額)以下であること。
(東京都1級地の場合)単身世帯:50.4万円、2人世帯:78万円、3人世帯:100万円
③就職活動要件:ハローワークでの月2回以上の職業相談、自治体での月4回以上の面接支援等

➢ 支給額
賃貸住宅の家賃額(上限額は住宅扶助特別基準額)(東京都1級地の場合 単身世帯:53,700円、2人世帯:64,000円)

➢ 支給期間
原則3か月間(就職活動を誠実に行っている場合は3か月延長可能(最長9か月まで))

という内容になっていました。

ですが、例えばコロナに関連して家賃に困窮する対象の中には「個人事業主」も含まれていますね?

個人事業主ですから、当然コロナ騒動が落ち着いたら事業を再開する人もいるでしょうし、もしくは現在収入が激減していたとしてもいつかは回復するかもしれません。

ですからそんな人は当然「ハローワーク」などにはいきませんし、就職活動もしません。

この事から、「支給対象者」に以下のような条件が加えられました。

○ 申請日において65歳未満であって、離職等後2年以内の者
○ 給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にあるもの

また、これはきっちり確認できているわけではありませんが、

○ 離職等の前に世帯の生計を主として維持していたこと
○ ハローワークに求職の申し込みをしていること
○ 国の雇用施策による給付等を受けていないこと

の3つの条件は撤廃されているのではないかと思います。

ちなみに「補助率」というものがありまして、家賃の3/4がその補助の対象となります。

実施主体は都道府県・市・区等の自治体で、例えば私が住んでいる愛媛県では以下のような内容になっています。

支給内容

支給額

世帯の人数に応じた額を上限として、支給対象者が賃借する住宅の家賃額を支給。ただし、支給対象者の世帯月収が下記(表1)の「基準額(A)」を超える場合は、収入に応じて以下の数式により算定された額を支給。

(上限額)

・単身:32,000円
・2人世帯:38,000円
・3~5人世帯:42,000円
・6人世帯:45,000円
・7人以上世帯:50,000円
(支給対象者の世帯月収が「基準額」を超える場合)

住居確保給付金支給額=家賃額-(世帯月収-「基準額」)
(※)「基準額」は下記の(表1)収入基準額の「基準額(A)」を指す。

支給期間

原則3か月間(一定条件の下(※)最長9か月間)
(※)当該受給中に下記「支給要件」の(6)の活動を誠実かつ熱心に行い、かつ、延長申請時に(2)を除く「支給要件」を満たすこと。

支給方法

県の福祉事務所(県地方局地域福祉課及び八幡浜支局福祉室)から住宅の貸主の口座に直接振り込みます。

支給要件

住居確保給付金は、支給申請時に次の(1)~(8)の要件のすべてに該当する方が対象です。

(1)離職等又はやむを得ない休業等により経済的に困窮し、住居を失った又は賃貸住宅に居住し住宅を失うおそれのあること。
(※)申請者及び申請者と同一の世帯に居住し、生計を一にする者のいずれもが、申請者が就労活動を行うに当たって居住可能な住居を所有していない場合に限ります。

(2)(ア)申請日において、離職、廃業の日から2年以内であること又は(イ)就業している個人の給与その他の業務上の収入を得る機会が当該個人の責めに帰すべき理由、都合によらないで減少し、当該個人の就労の状況が離職又は廃業の場合と同等程度の状況にあること。

(3)離職等の日において、主に世帯の生計を維持していたこと又は申請日の属する月において、主に世帯の生計を維持していること。
(離職時には主たる生計維持者ではなかったが、その後離婚等により、申請時には主たる生計維持者の方も含みます。)

(4)申請日の属する月における、申請者及び申請者と同一の世帯に居住し、生計を一にする者の収入の合計額が下記(表1)の「収入基準額(A)+(B)」の以下の方(※)
(※1)収入には、公的給付を含みます。また、給与収入の場合、社会保険料等天引き前の事業主が支給する総支給額になります。
(※2)基準額(A)は、住民税均等割が非課税となる所得額を収入額に換算し、12分の1を乗じて得た額になります。
(※3)家賃額(B)は、生活保護法による住宅扶助基準に基づく実施機関別の限度額になります。


愛媛県収入基準額

(5)申請日における、申請者及び申請者と同一の世帯に居住し、生計を一にする者の金融資産(預貯金及び現金)の合計額が下記(表2)の金額以下である方

愛媛県資産要件

(6)常用就職の意欲があり、ハローワークに求職申し込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うこと。
(ハローワークへの求職申し込みと月2回以上の職業相談等を受けること、月4回以上「くらしの相談支援室」の面接等の支援を受けること、原則週1回以上求人先への応募を行う又は面接を受けることが必要です。)

(7)申請者及び申請者と生計を一つにしている者のいずれもが、国の雇用施策の給付(求職者支援制度の職業訓練受講給付金)または地方自治体が行う住宅等困窮離職者への類似の給付または貸付を受けていないこと

(8)申請者及び申請者と生計を一つにしている者のいずれもが暴力団員でないこと。

全国版と異なっているのは「補助率」の部分ですね。

全国版では補助率が3/4となっていますが、愛媛県版では「収入基準額」を設定した上で、収入がこれを下回る分では全額、上回る分では収入全額から収入基準額をマイナスした金額、となっていますね。

ちなみに私が参考にしている全国版は「一般財団法人ハトマーク支援機構」様サイトに掲載されている情報を参考にしていまして、「全国版」というと語弊があるかもしれません。


対コロナ対策としての家賃補助制度報道のデマ

さて。いかがでしょう。

この記事に目を通していただいている方の中に一体どの程度の方が現在これだけの補助金・免除制度が整っていることをご存知の方がいらっしゃるでしょうか?

殆んどの方がこの事をご存じないのではないでしょうか?

これらの補助金・免除制度が整った上で、更に給付されるのが「持続化補助金」です。

中小企業で200万、個人事業主で100万です。

果たしてこの額が「少ない」と感じるでしょうか? 政府の経済対策は本当に「後手」に回っているのでしょうか?

確かに私が今回の記事でお示しした現行の政府の助成制度では間に合わない業者もたくさんあるでしょう。

ですが、それを指摘するのなら、まずはこれらの助成制度をきちんと国民にわかりやすく紹介した上で「それでもまだ足りない部分がありますよね?」と訴えるのが本体の報道の在り方ではありませんか?

今回は「家賃」のことしか掲載していませんが、この上で更に用意されているのが企業の従業員の給与を補填する「雇用調整助成金」制度。

実は私、記事にこそ掲載していませんが、今回のコロナに関してはかなり早い段階でこの「雇用調整助成金」には着目していたんじゃないかとする自負もあります。



勿論、手続きが煩雑だとか、上限が低いといった問題点があることも事実ですが、政府としてはかなりな頻度でブラッシュアップを行っていますし、近いうちに電子申請も可能となります。

今朝のNHK報道では西村経済再生担当大臣では将来的な上限の引き上げ、更にその額を過去に遡及して繁栄させることにまで言及していました。

対コロナ法体系全体として、本当に国民の使いやすい形になっているのか、本当に役立っているのか、指摘される部分があるのは当然だと思います。ですが、それは「遅い」わけではないのではないでしょうか?

国民が政府の動きを「遅い」と感じるのは、報道機関がこういった政府の具体的な動きを報道せず、現時点で活用できる法体系に対して全くと言っていいほど報道しないからではないでしょうか?

法体系を考える官僚だって鉄人じゃありません。首相が独断で勝手に法制度を決めることができるわけではありません。

現政権を責める人たちは、寧ろ「後追い」で政府を批判しているようにしか私は見えません。

次回記事では、改めて「一律10万円給付」に対する私の考えと、「持続化補助金」のブラッシュアップすべきではないかと私が感じる部分について記事にしたいと思います。




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>新型コロナウイルスについて よりご確認ください


スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]