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<継承する記事>第478回 年金制度に対する私の誤った分析結果を再検証します

前回に引き続き、

 「基礎年金給付費」 と 「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」

の認識について、私の誤った部分を全面的に認めさせていただいた上でその検証を続けさせていただきます。

前々回の

第477回 改めて分析する基礎年金勘定~誤っていた私の分析結果~

という記事から継続しての訂正、及び再検証を目的とした記事です。

また繰り返しになりますが、私の認識の誤りによって影響を受ける記事が少なからず存在しますが、私のブログの方針として、それらの記事を削除することは致しません。

なぜならば、それらの記事を下に何らかの分析をなさった方がいらっしゃるかもしれませんし、あるいはなにがしかの「情報ソース」として掲載なさっていた方もいらっしゃるかもしれないからです。

検証が完了後、極力影響を受ける全ての記事に対し、訂正記事の紹介文を掲載し、できれば誤っている部分に対して赤字で訂正を入れていきたいと思っています。掲載した文章は削除ではなく、訂正線を入れて赤字訂正を行う予定です。


改めて行う「基礎年金勘定」の分析

前回までの記事では、「基礎年金勘定」と各「年金勘定」を合算してグラフ化した次の2枚のグラフ。

国民年金収支(基礎年金勘定分を含む)
厚生年金収支(基礎年金勘定分を含む)

を通じて、確かに「国民年金勘定」はこれまでの私の主張より時期こそ遅れているものの、「破綻」とは程遠い状況になりつつあること、加えて「厚生年金勘定」については計算式上、実は赤字となっており、とても「破綻しない」と言い切れるほどの状況ではなかったことをお伝えしました。

ですが、この2枚のグラフを作成する際、その計算式に用いた数字は、私がオリジナルの計算式を用いてはじき出した数字を用いていて、必ずしも「正解」とは言えないことをお示ししました。

その上で最終的にたどり着いた結論として、「基礎年金勘定」「国民年金勘定」「厚生年金勘定」の3つの会計において、「積立金がどのように推移し、減っているのか、増えているのかを検証することが、「年金会計」全体の収支状況を見る上で大切でなのではないか、とする考え方に現在たどりつきました。

ところが、分析を進めていますと、どうも年金の収支状況に関しまして、非常に歪な部分が出てきましたので、そちらをまずは優先して解析していきます。

加えてこの解析の結果、私の認識の誤りをもう1か所訂正する必要が生まれる可能性があることをあらかじめお伝えしておきます。

基礎年金勘定収支推移

検証に用いるのはこちらのグラフ。

基礎年金勘定の収支の推移です。このグラフを見て、1か所。正確には2か所、いびつな部分があることがわかるでしょうか?

キーワードとなるのは「東日本大震災」。東日本大震災が勃発したのは2011年3月ですが、その翌年と翌々年。つまり2012年と2013年の「国民・厚生年金会計より繰入」の部分が、明らかに減少しているのがわかりますね?

私がこのブログで取り上げたことはあるはずなのですが、どの記事で取り上げたのか、検証する時間がございませんので、直接この記事で説明いたします。


基礎年金部分国庫負担割合1/3→1/2引き上げの経緯

基礎年金部分は、麻生内閣当時まで1/3を国庫にて負担していたのですが、小泉内閣当時の計画に従い、麻生内閣においてこの国庫負担分を1/3から1/2に引き上げました。

ですので平成21年度(2009年度)からは年金の国庫負担分が1/2となっています。

2019年7月の参院選において、福山哲郎が年金国庫負担を1/3から1/2に引き上げたのは自分たちだ、とのデマを振りまいていましたが、民主党政権が誕生したのは2009年9月の事。

同年の予算は前年に決められますし、民主党政権が誕生した時点で既に「平成21年度(2009年度)」はスタートしていましたから、民主党内閣が2009年度からの基礎年金国庫負担分の増額を決めることは物理的に、時系列的に不可能です。タイムマシンをあいつらが持っていたとしても不可能です。

で、年金国庫負担分を引き上げるという事は、当然新たなる財源を必要とします。自民党では、この財源を平成23年(2011年)分まできちんと確保していました。

制度上は「将来の消費増税分を財源として充てる」ことが記されていたわけですが、自民党はこれに頼らない財源を毎年きちんとねん出していたんですね。

例えば平成23年度(2011年度)の財源は以下の通りです。

・ (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構特例業務勘定の利益剰余金(1.2 兆円)
・ 財政投融資特別会計財政融資資金勘定の積立金・剰余金(1.1 兆円)
・ 外国為替資金特別会計の剰余金(進行年度分:0.2 兆円)

総額2.5兆円分です。

この金額が、平成23年度(2011年度)末に国民年金勘定、厚生年金勘定へそれぞれ繰り入れられ、平成24年度(2012年度)分の基礎年金部分の財源として充てられることが決められていました。

ところが、2011年3月に勃発したのが東日本大震災。この財源として民主党政権では前記した2.5兆円分の年金の為の財源を復興に回してしまいましたから、当然年金会計全体では2.5兆円分の財源が失われてしまいます。

この事を意識して先ほどの基礎年金勘定の収支推移を見ていただきたいわけですが、2011年度に納められるはずの保険料国庫負担分が納められませんでしたので、2014年度分が「財源不足」に陥ります。

その結果、不足した財源が「国民・厚生」両会計か繰り入れられることはありませんでした。

その結果、両年度は基礎年金勘定としては「赤字」になっています。

では、この事を意識しながら次の「基礎年金勘定積立金」の推移グラフを見てみます。

基礎年金勘定積立金+剰余金推移

2011年まで上昇の一途をたどっていた「基礎年金勘定」の積立金(+剰余金)の額が、2012年、2013年と急落していることがわかりますね。これは、不足した基礎年金勘定の給付分を賄うため、基礎年金勘定の「積立金」が削られて支給に回されたことを意味しています。

そして2012年(平成24年)11月に「年金特例国債」が平成24年、25年分と発行されることが決められ、両年に年金特例国債がそれぞれ2.5兆円ずつ発行されています。

ただ、この事を考慮しますと、安倍内閣初年度にも同様に基礎年金勘定の「積立金」が削られている様子が見られますので、この事は別途検証が必要かと思います。

また、これとは別に安倍内閣において2016年度、2017年度も共に基礎年金勘定の「積立金」が削られており、更にその削られる幅が増えていますので、この事も別途検証してみます。

少し前置き記事を含む形となりましたが、次回以降記事では改めて他会計の「積立金」も含めて、全体で年金収支の検証を行ってみます。

年金特例国債の発行額がどのように吸収されているのかという部分も含めて検証してみたいと思います。



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<継承する記事>第477回 改めて分析する基礎年金勘定~誤っていた私の分析結果~

前回の記事に引き続き、「基礎年金勘定」に関する私の認識の誤りを検証し、その結果から過去の記事をどう訂正していくべきなのか。これを検証することを目的とした記事を作成します。

前回の記事をまとめますと、年金会計全体の内、国民年金の全額、及び厚生年金の基礎年金部分を管理するために設けられている「基礎年金勘定」。

ここには二つの「支出項目」があります。

一つが 

 「基礎年金給付費」。

もう一つが

 「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」

です。指摘をいただくまでの私の認識としては、年金を給付する際、「基礎年金部分」を全額基礎年金勘定から国民年金勘定、及び厚生年金勘定に繰り入れ、そこから受給者に対して支払われていたと思い込んでいました。

年金制度2

このグラフを見ていただくとご理解いただきやすいでしょうか。

年金受給者は「第一号被保険者」「第二号被保険者」「第三号被保険者」に別れており、第一号被保険者とは全ての保険者の内、「国民年金(基礎年金)」しか受け取ることができない人。

自営業者や学生さんなどがこれに該当します。その他、就労することができない人、もしくは就労していても厚生年金が適用されていない人なども含まれていますが、自営業者以外は基本的に「免除」もしくは「減額」が適用されていると考えられます。収入がなくて支払うことができませんからね。

「国民年金勘定」で管理されているのはこの第一号被保険者の皆さん。

第二号被保険者の人は国民年金以外に「厚生年金」を受け取っている人。「被雇用者(労働者)」の事です。

厚生年金部分はその1/2を企業が負担しています。

厚生年金勘定で管理されているのはこの「第二号被保険者」の事。この他、第二号被保険者の配偶者の事を「第三号被保険者」といいます。ポイントとなるのは、「第二号被保険者」は「厚生年金」だけでなく、同時に「国民年金」の加入者でもあるという事。

現在の制度では、第一号被保険者、第二号被保険者(+第三号被保険者)共に「国民年金(基礎年金)部分」を一旦両年金勘定から引き出し、「基礎年金勘定」という別の会計帳簿に繰り入れ、そこで一括して支払われているという事です。


「基礎年金給付費」と「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」

改めて両項目の違いですが、「基礎年金勘定」という仕組みが導入された昭和61年よりも前に年金受給者であった人に対して支払われている「年給付費」が「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」と記されている項目で、この項目は給付される前に再び「国民年金勘定」、及び「厚生年金勘定」に繰り戻され、そこから受給者に対して支払われています。

しかし、昭和61年以後に受給者となった人は、これが他会計に繰り戻されることはなく、第一号~第三号までひっくるめて「基礎年金勘定」から支払われています。それが「基礎年金給付費」です。

私が誤っていたのは、この認識がなかったという事。

自分で調べてたどり着いた結果であり、私自身色んな資料を比較して検証をしていた「つもり」だったのですが、一番肝心な部分を考察することなく思い込んだまま情報として「確定」させてしまっていたという事。

これは改めて読者の皆様にお詫びさせていただきます。


基本に戻って考える

誤ってこそいましたが、ではだからと言って「誤っていました、ごめんなさい」で終わらせるわけにはいきません。

要はどこがどのように誤っていたのか、そしてその結果全体にどのような影響を与えることになるのか。そして終局の目的として、「年金は破綻しない」とする私の主張がそもそも間違っていたのか、それともそうではなかったのか。これを検証しなければ私のブログとしての役割を果たすことができません。

そこで、まずは「基本に立ち返って」考えることが大切かと思います。

私としますと、「国民年金勘定」及び「厚生年金勘定」において収入が減る中で給付費が減っていた(と思い込んでいた)ことを「発見」しましたので、これを「年金が破綻しない」最大の根拠であると考えていました。

それが次のグラフです。

国民年金収支

厚生年金収支

逆に言えば、この数字を下に「破綻するわけがない」と思い込んでいますから、それ以上の検証を行っていない状況でもあります。

ですが、実際には

国民年金収支(基礎年金勘定分を含む)
厚生年金収支(基礎年金勘定分を含む)

こちらの方が現在の年金収支状況としては「正解に近い」姿ですから、私のこれまでの根拠が「年金が破綻しない理由」とはなりえていないわけです。

とはいえ、「国民年金」に関しては次期が私のかつての認識と比較すると非常に遅れてはいますが、「破綻はしない」という状況には近づいているかと思います。

問題は「厚生年金」の収支です。前回も示しましたが、赤字幅がどのように推移しているのかと申しますと、以下の通り。

2007年 -7.18兆
2008年 -7.3兆
2009年 -8.04兆
2010年 -7.84兆
2011年 -7.42兆
2012年 -8.32兆
2013年 -8.28兆
2014年 -6.98兆
2015年 -6.32兆
2016年 -5.72兆
2017年 -5.12兆

年々その額を縮小させているとは言うものの、5兆円という額は決して小さいものではありません。ちなみに国民年金の収支状況はと申しますと、以下の通り。

2007年 -4.4兆
2008年 -4.26兆
2009年 0.08兆
2010年 0.04兆
2011年 0.47兆
2012年 1.11兆
2013年 1.37兆
2014年 1.5兆
2015年 1.6兆
2016年 2.13兆
2017年 2.25兆

と、プラス幅を増やしてこそいますが、とても厚生年金の赤字幅を相殺する段階には至っていません。最新の状態で2.87兆円ほどの赤字です。

ただ、今回お示ししている数字の根拠としているのは、「年金受給者」の数とその割合から、私が計算式によって作り出した数字ですので、これが「正しい数字」と言えるのかどうかと申しますと、必ずしもそうだと言い切ることはできません。

という事で、ここからは私の計算式を加えることなく、政府が公表している数字のみを用いて、年金会計の収支全体で考えてみます。


国民年金勘定と厚生年金勘定の考え方

まずはこの部分から。

「国民年金勘定」とは、大きく分けて

 収入 「国民年金保険料」「国庫負担分」「基礎年金勘定より受入」
 支出 「基礎年金勘定へ繰入」「年金給付費」

という項目で構成されています。その他事務費や運用益、積立金などもありますが、それらは考慮せずに進めていきます。

公的年金保険者数の推移

できたらグラフくらいは自分で作成したかったんですが、時間の都合上、厚労省の資料をそのまま掲載します。

「公的年金保険者数」、つまり年金を国に納めている人たちの数を年経で示したグラフです。

「第一号被保険者(国民年金加入者)」の数を見ますと、平成25年以降、年々減少していることがわかると思います。

という事は、つまり昨年年金を収めた人の数よりも、今年年金を収めた人の数の方が少ないという事。

国民年金の運用では、毎年4月、その年度が始まる一番最初の月に、前年度に納められた保険料の総額から、「今年納められると予測される保険料の総額」を引き出して、「基礎年金勘定」に繰り入れています。

ですが、その「保険者数」が年々減少していますので、当然「昨年納付された保険料の総額」よりも4月の段階で「今年納付されると予測される保険料の総額」の方が少なくなります。

ですから、当然「国民年金勘定」の中にはそこから引き出されることなく、国民年金勘定に残ったままの金額が発生します。

ところが、「国民年金」は個人が意識的に納めるものですから、中には国民年金を収めようとしない「未納者」もいます。

そのことで基礎年金勘定に繰り入れるための保険料が不足することがありますので、その場合は「年金積立金」の中から不足する分を引き出します。ですが、その保険料は「未納」であり、本来受け取り者のいない保険料ですので、その金額は将来給付されることなく「基礎年金勘定」に蓄積されることになります。

混乱するといきませんので、こちらの図を頭に入れながら考えてみてください。

年金システムのからくり

一方、「厚生年金勘定」を考える場合、先ほどの「公的年金保険者数の推移」を見ていただきますと、厚生年金の保険者の数は年々増えていることがわかります。

ちなみに増加に転じたのは、微増ではありますが平成22年から。遡ると平成19年までは継続して増加しています。保険者数全体で見ますと平成28年から増加に転じていますね。

この事が何を意味するのかと申しますと・・・というより、この点に関しては私も思い込んでいた部分があったのですが、保険者数が減少する国民年金勘定とは異なり、保険者数が増加していますので、「基礎年金勘定」の部分に関しては昨年度末に納付が完了した金額より、今年度に納付が予測される金額の方が多くなってしまいます。

そう。「未納者」の存在にかかわらず、厚生年金勘定では「基礎年金部分に繰り入れ」なければならない金額が不足する仕組みになっているんですね。これは盲点でした。

ですから、必然的に「年金積立金」は切り崩されることになります。

ですが、その「切り崩された」積立金も、「年金積立金」の項目から「基礎年金勘定」の項目に移動するだけで、年金会計全体で考えると当然「納付者」が増えているわけですから、収入全体としては増えていることになりますね。


国民年金勘定と厚生年金勘定の「支出」について

一方の「支出」に関しては、国民年金・厚生年金とも、「基礎年金部分」に関しては「基礎年金勘定」より「期首(4月)に年度を通じて必要となると考えられる給付費」が一体いくらになるのかという事が想定され、これが「基礎年金勘定」より繰り入れられ、それぞれの年金会計で給付に回されています。

冒頭でお伝えした通り、「国民年金勘定」「厚生年金勘定」にそれぞれ繰り入れられている金額は「昭和60年までに受給者となった人」の給付費のみであり、昭和61年以降の「基礎年金」は「基礎年金勘定」より支出されています。

国民年金勘定、厚生年金勘定ではそれぞれ、年度末に受給者が死亡し、給付が必要とならなかった金額が必ず残りますから、これが「積立金」として蓄積されていくことになります。厚生年金会計ではこれ以外に、「厚生年金部分」に関する管理が独自になされていますから、もしそこで給付費が不足するのであれば「積立金」の中から切り崩されることとなります。


このようにしてみていきますと、「国民年金」「厚生年金」はそれぞれ貸借対照表上は支出と収入の間ではバランスしているはずですから、何を見ることが大切なのかと申しますと、結果的に両会計から繰り入れられた金額で運用されている「基礎年金勘定」において一体いくら「積立」もしくは「切り崩し」が発生しているのか。

厚生年金勘定にはそれ以外に独自に運用されている「厚生年金部分」が存在しますから、これが積立金を切り崩すことで運用されているのか、それとも逆に積立金が加算されているのか。

「国民年金」はそもそも積立が減少する要素が「未納分」以外には存在しませんから、では一体いくら積み立てられているのか。

そして、最終的に「積立金」は一体総額でいくらになっているのか。これを所謂「運用益」を加味せずに見てみますと、その全容が見えてくるのではないかと思われます。

という事で、私の時間が来てしまいましたので、次回記事では、この「積立金」の収支推移を見ながら年金運用についての「解明」を行っていきたいと思います。



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今回の記事、私としては非常に不本意な記事になります。

タイトルにある通り、私が長年主張していた年金の考え方について、一部ですが、私の年金問題に対する主張全体に大きな影響を与えるほどに誤った部分があったことがわかりました。

私のブログの記事を読んで、参考にしてくださっていた方もいると思う中で、これは本当に申し訳ない思いがします。私自身としてもショックでしたし、非常に恥ずかしい思いがしています。

きっかけは本年(2019年)6月24日、以下の記事に読者の方からお寄せいただいたコメントです。(本日は同年7月26日です)

第476回 マクロ経済スライド調整率改定の意義~年金崩壊説の崩壊~

コメントそのものを抜粋いたします。
初めまして!恥ずかしながら最近になってようやく年金について興味を持ち始めた者です。
年金特別会計を見ていると「基礎年金給付費等基礎年金勘定へ繰入」という項目があり、検索してみるとこちらのサイトに出会いました。
記事を読み一旦は理解した気になってましたが、どうもおかしいような気がして確認のためコメントさせていただきます!

今のところの理解としては、
国民年金勘定では付加年金、死亡一時金などの給付を行い、残りを基礎年金勘定に入れます。
厚生年金勘定では報酬比例の年金、障害年金等を給付し、残りを基礎年金勘定に入れます。
基礎年金勘定では国民年金勘定、厚生年金勘定から受け取ったお金で基礎年金給付費、基礎年金相当給付費を支払います。

給付額は平成29年ですと基礎年金勘定22,408,941、国民年金勘定554,147、厚生年金勘定23,666,851で合計約46兆くらい
保険料は国民年金勘定1,396,425、厚生年金勘定30,944,165で合計約32兆
国庫負担は国民年金勘定1,939,211、厚生年金勘定9,481,945の約11兆
その他いろいろな歳入歳出があり(理解できてない項目が沢山あります)、結果としては何とか黒字で積立金に移行。
こう理解してます。
こちらのサイトでは基礎年金勘定を考慮されていないように見えました。

前回の財政検証では平成30年あたりまで赤字でしたが、厚生年金加入者が増えたのでしょうずっと黒字です。
それはいいのですが、マクロ経済スライドがデフレのせいでほぼ発動しておらず(今回何とか発動)所得代替率が思うほど下がりません。この調子ですと少子化による大赤字が待っています。
このままだと本当に破綻してしまうのではないでしょうか?
ちなみに私の破綻の定義は積立金が無くなり多額の赤字を所得代替率を大幅に下げること(30%くらい)で保つようにすることです。

長くなってしまい申し訳ありません!よろしくお願いします!

難しいと感じるかもしれませんので、まずは私のこちらの記事をご覧ください。

第117回 公的年金制度の仕組みをわかりやすく図解入りで解説いたします。

記事の中で、年金の運用が「年金特別会計(厚生・国民)」、「基礎年金勘定」、「年金積立金」の3つの財布を使って、トータルで運用されていることをお示ししています。

年金システムのからくり

問題となるのは、この内「基礎年金勘定」に関する説明です。

①年金会計の中から、前年に受け取った国民の「年金保険料」の中から、本年に納付されると考えられる保険料を全額引き出し、「基礎年金勘定」に繰り入れる
②「基礎年金勘定」から同年に給付に回されると考えられる年金受給額を全額引き出し、「年金会計」に繰り入れる
③「年金会計」の中から、その年に受給者がいなくなった金額を「年金積立金」に繰り入れる

という説明を私は行っているのですが、この内の②、コメントをくださったチダ様のご指摘では、基礎年金勘定から年金会計に繰り入れられている額は、「全額ではないのではないか」とおっしゃっられています。

私としては、全く想定していませんでしたから、最初自分が何を言われているのかが理解できていなかったのですが、改めて基礎年金勘定の会計収支を見ると、確かに他の年金会計に繰り入れられている金額以外に、「基礎年金給付費」なるものが設定されていて、最新の使用で繰り入れられている額の20倍近い金額が歳出として計上されていたのです。

思い込みは怖い話で、私は私の説が誤っているとこれっぽっちも思っていませんでしたから、改めてこの「基礎年金勘定」を見直す機会を自分自身の中に設けていなかったわけですね。

項目の中に、「基礎年金給付費」という項目と、「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」という二つの項目があるのです。

恐らく私は最初に調べたときに、これを同じものである、と大きな勘違いをしていたのだと思います。

かつ、国民年金や厚生年金の収支をグラフで作成する際に参考としていた「基礎年金勘定」から繰り入れられた金額は、それぞれの年金勘定で「基礎年金勘定より繰り入れ」と記されているもののみを参考にしていましたので、よもや基礎年金勘定の側に繰り入れられていない金額が残っているとは思っていなかった、という事です。

今回だけで完結させられるかは自身がありませんが、訂正記事によって影響を受けるのは、私が年金勘定は「国民・厚生共に黒字だ」と主張している部分、及びその証拠として作成しているグラフ、またその運用制度そのものを説明した記事が軒並み影響を受けます。

全く影響を受けないのは「マクロ経済スライド」に関する説明のみです。ですが、マクロ経済スライドの「キャリーオーバー」に関して作成した記事は、「キャリーオーバーすべきではない」理由として年金収支に関する情報を用いているはずですので、こちらも訂正が必要になってくるかと思います。

ただ、私のブログのスタイルとして、記事を削除することはいたしません。記事を削除せず、記事中でどこが間違っていたのか、赤字で訂正文を加える形で修正を行っていきます。

現時点で、いくつかの資料を既に作成しておりまして、これから作成する記事の目的としては、まずは誤りをきちんと訂正する事。

その上で、現在の年金の収支状況が、基礎年金勘定から年金積立金まで含めて、全体で見てどのような収支状況にあるのか。この事を改めてきちんと検証していきたいと思います。


「基礎年金給付費」と「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」の違い

まずはこのご説明から。私は、基礎年金勘定帳簿に掲載されていた「基礎年金給付費」が、そのまま国民年金勘定、厚生年金勘定へと繰り入れられている金額だと思い込んでいました。

最大の原因は実は次の画像。

590cb2d042fffb1fe742825cd5ddcff4.jpg

今は同じ資料を厚労省のホームページから検索しようとしても出てこないと思います。

野田政権時代に、私が「年金財政は安全だ」ということを裏付けるために資料を作成していたのですが、その時に見つけていた資料で、ここに「基礎年金勘定へ繰入」という項目と「基礎年金勘定より繰入」という二つの項目があるのがわかると思います。

元々は、ここに掲載さ入れていた「基礎年金勘定」とは何ぞやというところから私の基礎年金勘定の検証はスタートしました。当時、この「基礎年金勘定」に着目してデータを作成している人などいませんでしたから、私としてはそれにたどり着いたとき、「これだ!」と心の中で快哉を叫んだ記憶がありますよ。

本当はこの時に、もう少し深く「基礎年金勘定」の事を調べておかなければならなかったのでしょうね。

あれから既に7年ほどたちます。今になって気づくとは・・・

ガッカリしても仕方ありませんね。記事を進めていきます。

では、サブタイトルにある

 「基礎年金給付費」と「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」の違い

について。この二つの項目が生まれた理由は、昭和61年に行われた年金制度の改正。要は、この時に初めて「基礎年金勘定」なるものが生まれたんですね。

これまで国民年金は国民年金、厚生年金は厚生年金として運用されていたものが、基礎年金部分を一旦「基礎年金勘定」へ全額繰り入れ、ここで別枠で運用することで、仮に国民年金が財源不足に陥ったとしても厚生年金受給者が納める基礎年金で国民年金を運用できるように改正された仕組みです。

昭和61年に改正された年金制度が実行されましたので、60年までの年金受給者と、60年以降の年金受給者の間で運用の仕組みに違いが生まれます。

と、ここまで記せば何となくわかるんじゃないかと思いますが、昭和60年までに年金受給者となった人の基礎年金年金給付費が「基礎年金相当給付費他勘定へ繰入及交付金」、それ以降に受給者となった人の基礎年金給付費が 「基礎年金給付費」。

60年までに受給者となった人の基礎年金は基礎年金勘定から国民・厚生両年金勘定に「繰入」られて運用されていますが、それ以降に受給者となった人の基礎年金は、繰り入れられることなく、一括して「基礎年金勘定」の中で運用されていた・・・という事。

これに気づけなかったことは、私のブログ記事に大きな誤りを生んでしまいました。私のブログを信頼し、参考にしていただいた方へは、心の底よりお詫びを申し上げたいと思います。


「国民年金」及び「厚生年金」の収支に「基礎年金勘定」分を加えると・・・

あらかじめ申し上げておきますと、以下のグラフは私の推測に基づく計算式で作成したデータを含めていますので、参考にしていただいても構いませんが、それぞれのグラフを根拠として単独で利用することだけはやめてください。

【国民年金収支推移】
国民年金収支(基礎年金勘定分を含む)

【厚生年金収支推移】
厚生年金収支(基礎年金勘定分を含む)

これまで利用してきた以下のグラフ
【A】
国民年金収支
【B】
厚生年金収支

にそれぞれ基礎年金勘定から繰り入れられることなく、基礎年金勘定内で「国民年金受給者」及び「厚生年金受給者」にそれぞれ給付されている給付費を加算したものです。

基礎年金勘定内でわざわざ分けて掲載されているわけではありませんから、ここは計算式によって私が算出したデータを用いています。

計算式として用いた数字は

①基礎年金給付費
②(重複を含まない)年金受給者数
③厚生年金受給者数(共済年金等受給者も含む)
④国民年金受給者数(②-③)

の4つです。ここから

⑤厚生年金受給者数の(重複を含まない)年金受給者全体に占める割合(③÷②)
⑥国民年金受給者数の(重複を含まない)年金受給者全体に占める割合(④÷②)

を算出し、それぞれを①に掛けた値を⑤は厚生年金収支に、⑥は国民年金収支にそれぞれ加算しています。

このグラフで見ますと、国民年金給付費に関しては基礎年金給付費を加えようが加えまいが、年金受給者の数は年々減っており、収支で見てもプラスになっていることがわかります。

一方で、厚生年金給付費に関してはトータルで見ると給付費は増加しており、保険料+国庫負担分も増加してこそいるものの、給付費の増加に追い付くことはできず、トータルで見ると毎年赤字なっていることがわかります。

ちなみに、どの程度の赤字額かと申しますと、

2007年 -7.18兆
2008年 -7.3兆
2009年 -8.04兆
2010年 -7.84兆
2011年 -7.42兆
2012年 -8.32兆
2013年 -8.28兆
2014年 -6.98兆
2015年 -6.32兆
2016年 -5.72兆
2017年 -5.12兆

の赤字です。額がまあまあ太いですね。

ただ、これらの数字の母体となっている厚生年金受給者とは、「厚生年金受給資格者者」の事であり、この人達が皆一生を通じて厚生年金加入者であったわけではありません。ですから、本来は「国民年金受給者」に加えるべき部分も含まれた受給者について掲載したグラフだという事だけはご認識いただければと思います。

また、私があくまでも独自の計算式によって求めた「概算」ですから、これが正しいかどうかは証明することすらできません。

まずは「概算でこのような結果が出た」という事実だけを把握していただければと思います。

という事で、今回は私に時間が無くなってきましたので、この記事は一旦ここで終了にします。あまりにも記事を作成しない期間が長くなると、コメントをいただいたチダ様にも申し訳ないと思いまして、急ぎ作成したのが本日の記事です。

次回記事では、では今回のように私独自の計算式を加えず、「基礎年金勘定」「国民年金勘定」「厚生年金勘定」をそれぞれ加工しない数字を用いて検証するとどうなるのか。年金制度全体での収支状況を検証してみます。



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