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この記事のカテゴリー >>ナチスドイツは一体なぜ誕生したのか?


<継承する記事>第471回 ヴェルサイユ条約と敗戦後ドイツの「ハイパーインフレーション」

第468回の記事 では、敗戦後のドイツ社会主義について、第351回の記事 及び 第354回の記事 で話題にしたことを理由に、これ以上追いかけることはしない、と記したのですが、ベーベルとリープクネヒトが処刑された後のドイツ。

「右傾化」が進んでいくわけですが、社会主義ではなく、「右傾化」について、その様子を改めてドイツのシリーズでも記事にしていきたいと思います。

その中でも、今回は「ワイマール憲法」にポイントを絞って記事にしたいと思います。


ワイマール憲法の成立

ワイマール憲法

個人的に、いつ成立したんだろう・・・と思っていたこのワイマール憲法。成立はスパルタクス団蜂起の結果ベーベルとリープクネヒトが処刑された1919年と同じ年の7月末。公布されたのが8月11日でした。

第468回の記事 で少し話題にしましたが、元々独立社会民主党がレーテによる独裁を目的として結成した「大ベルリン労兵レーテ執行評議会」。

この評議会を中心として開催されたはずの「大レーテ大会(ドイツ全土の「レーテ」が集まって開催された大会)」において、独立社会民主党ではなく、「社会民主党」が多数派を占める「レーテ大会」が全権力を掌握することとなり、また更に同大会において1919年1月19日、「国民議会選挙」が開催されることが決定されました。

その後、「スパルタクス団蜂起」が勃発するわけですが、右派義勇軍(フライコール)が結成され、全権を委任された国防大臣「グスタフ・ノスケ」の下、同蜂起は鎮圧。

大レーテ大会にて決定した通り、1月19日の「国民議会選挙」は予定通り開催されました。

同選挙において政権第一党となったのは社会民主党(得票率37.9%)、第二党が中央党(同19.7%)、第三党がドイツ民主党(同18.6%)で、この3党が連立政府を形成しました。

この時の投票率は82.7%だったんだそうですよ。すごいですね。

ちなみに第4党がドイツ国家人民党、第5党が独立社会民主党、第6党がドイツ人民党。共産党は選挙そのものをボイコットしたのだそうです。

この選挙ではドイツで初めて比例代表制が採用されたほか、女性の参政権も求められたのだそうです。

選挙権年齢も25歳から20歳に引き下げられ、議席も人口が集中している地域に多く配分されるようになったのだそうです。現在の日本の選挙制度ととてもよく似ていますね。

2月11日には元々社会民主党党首であり、選挙前の共和制政府の首相であったエーベルトが大統領として選出されました。

エーベルトはドイツ革命時、勝手に共和制政府の樹立を宣言したシャイデマンを首相として指名しました。

その結果、採択されたのが「ワイマール憲法」です。

ワイマール憲法の事。私は一度記事にしたいとずっと考えていました。ですが、私自身がワイマール憲法について論じるほどの十分な知識を有していませんでしたし、ワイマール憲法成立に至った流れを十分に把握するも至っていませんでした。

その背景も知りませんでしたし、だからこそ私自身がこの話題を記事にすることはありませんでした。

「この話題」何のことを言っているのか、ページタイトルからご推察いただけると思います。そう。以下の動画で麻生さんがおっしゃった、「ワイマール憲法」と「あの手口」に関する話題です。




一番最初に申し上げたように、うわぁっとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で、決めてほしくない。

ちょっと皆さんよく、落ち着いて。我々を取り巻く環境は何なんだと、この状況をよく見てくださいと、いう世論というものの上に憲法改正というものは成し遂げられるべきなんだと。そうしないと間違ったものになりかねないということを思うわけです。

最後に、僕は今、3分の2っていう話がよく出てきますけど、じゃあ伺いますが、ドイツは、ヒトラーは、あれは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。

ヒトラーっていったらいかにも軍事力でとったような形、全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違えんでくださいよこれ。

そして、彼はきちんとワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきたんだから。だから常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。

ここはよくよく頭に入れておかないといけないんあって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けてきてますけど、その上で、これをどう運営していくかは、かかって皆さん方が選ぶ、投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持であったり、そういったようなものが最終的に決めていくんだから。

私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。

ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

そのときに喧々諤々、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。

『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

僕は4月28日、忘れもしません、4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、言って、月曜日だったかなぁ。靖国神社に連れて行かれましたよ。それが私が初めて靖国神社に参拝した記憶です。

それから今日まで、結構年食ってからも毎年1回、必ず行っていると思いますけれども、そういったようなもんで行ったときに、わーわー、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか、これは。

昔はみんな静かに行っておられましたよ。各総理もみんな行っておられたんですよ、これは。いつから騒ぎにしたんです。マスコミですよ。違いますかね?(大きな拍手)

いつのときからか、騒ぎになった。と、私は思う。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。いうんで、憲法は、ある日気づいたら、ドイツもさっき話しましたけれども、ワイマール憲法がいつの間にか変わってて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気がづかないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね。

もうちょっと、わーわー騒がないで。

本当に、みんないい憲法と、いや言って、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。だから、ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんし、しかし、私どもはこういった物は重ねて言いますが、喧噪の中で決めないでほしい。

「ヒットラー」という人物について私が論じるのは、第471回の記事 でもお伝えしましたように、彼自身の著書である「我が闘争」。

この上下巻を読破してからにしようと思っています。

現時点ではまだ上巻の3/4程度までしか読めていません。ですが、ヒットラーという人物の為人についてはおぼろげながら把握しつつある、という状況だと現時点では思っています。

「ワイマール憲法」が成立した後の経緯についてもこれから学んでいこうとは思っているのですが、その上で、前記した麻生さんの発言について、本日は話題にしていきたいと思います。



麻生発言のポイント

多くの人が勘違いしていて、マスコミや野党陣営が必死に印象操作に利用した部分が麻生さんの発言の内

 憲法は、ある日気づいたら、ドイツもさっき話しましたけれども、ワイマール憲法がいつの間にか変わってて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気がづかないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね

という部分だと思います。

麻生さんの発言の内、着目していただきたい部分は、実は二つありまして、一つ目が次の部分。

 ①ここはよくよく頭に入れておかないといけないんあって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けてきてますけど、その上で、これをどう運営していくかは、かかって皆さん方が選ぶ、投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持であったり、そういったようなものが最終的に決めていくんだから。

という部分です。この言葉がどういった表現に続いて登場しているのかと申しますと、以下の通り。

 ②ドイツは、ヒトラーは、あれは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。

ヒトラーっていったらいかにも軍事力でとったような形、全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違えんでくださいよこれ。

そして、彼はきちんとワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきたんだから。だから常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。


麻生さんはこのスピーチを、どちらかというと麻生さんを支持する層。そして、憲法を改正すべきだと考える人たちに向けて行っています。

ですから、①についても、②についても、それは憲法を改正すべきだと考える人たちに向けて発信しているメッセージだということがわかります。


「ワイマール憲法」はどのようにして「ナチス憲法」へと変化していったのか

ワイマール憲法の中身にまで詳細に触れることはしませんが、麻生さん自身も言っているように、「ワイマール憲法」とは、「当時は世界で最も民主的な憲法とされ」ていて、第1条において「国民主権」が規定されていたり、その他「114、115、117、118、123、124、153」の条文では「基本的人権」が規定されていたりします。

ですが、この憲法で問題があったのは

「公安に著しい障害が生じ或いはその虞がある時は、大統領は障害回復のために必要な措置を取り、また武力介入が出来る。このために大統領は基本的人権を一時的に停止出来る」

との条文が含まれていたり、体制として大統領制がとられていて、大統領には「憲法停止の非常大権などの強大な権限」が与えられていたこと。

そして、大統領は、「国家宰相(首相)の任免を行う」ことができました。

大統領制をとっていましたが、大統領にはかつての「皇帝」のような役割が充てられていたんですね。

と言っても、このような制度は現在の米国などにも存在しますよね?

これに対し、麻生さんは

『私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けてきてますけど、その上で、これをどう運営していくかは、かかって皆さん方が選ぶ、投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持であったり、そういったようなものが最終的に決めていくんだから』

と言及しているわけです。つまり、同じ「憲法」でも、それはこれを運営する側によっていかようにでも変化していくことを指摘しているんです。

当時世界一民主的だと言われたワイマール憲法でさえ、これを運用する側の判断によって、最終的には「ナチス憲法」へと姿を変えてしまったわけですから。

「ナチス憲法」に姿を変える経緯としては、

1.世界恐慌の勃発による、社会民主党内閣の辞任
2.ヒンデンブルク大統領の「大統領緊急命令権」の発動。議会内少数派の首相就任(議院内閣制の停止:1930年)
3.1933年1月、ヒットラー内閣の誕生(ヒンデンブルク大統領の任命による)
4.国会議事堂放火事件の勃発(ヒットラーはこれを共産党員の仕業であると断定)
5.大統領により「民族と国家を防衛するための大統領緊急令」の発令(対共産党員:基本的人権の停止)
6.社会民主党議員の議会からの追放、及び弾圧
7.全権委任法の成立

という流れです。詳細は後日記事にします。

5~7は事実上ヒットラーによって行われたものですが、やり方としますと、ビスマルクによって「社会主義者鎮圧法」が実行された経緯 と非常によく似ていますね?

まだ途中ではありますが、「我が闘争」に記されている内容を見てみますと、ヒットラーの目指した「社会」とは、ビスマルク体制下、ヴィルヘルム1世の時代のドイツ帝国を復活させることにあったのではないか、と思われる節が多々見られます。

今回は麻生さんのスピーチを分析することを目的としていますので、この事について多く言及することは控えますが、多分、ビスマルクが行った「社会主義者鎮圧法」を批判する人は、そう多くはないのではないかと思います。

ではヒットラーの取った行為はどうでしょうか? ビスマルクの時は何も批判しなかったのに、ヒットラーの仕業になると急に批判に転じている人はいませんか?

そういった視点で、例えばネット上の記述なども見てみると少し違った見方ができるのではないかと考えています。


話が逸れましたが、ワイマール憲法が「ナチス憲法」へと変質していく過程が、「うわぁっとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で」進んでいっているように見えませんか?

また、このようなやり方を積極的に推し進めたのがあたかもヒットラーであるかのように見えてしまいますが、実はヒットラーが権力の座に就く以前より、大統領となったヒンデンブルクは「大統領緊急命令」を多用することで政権を運営していました。

そして、何よりドイツ国民は既に「議会制民主主義」に対して失望しており、大衆はヒンデンブルクのこのような権威主義的な政権運営を支持していました。

ここを一つ、押さえておきたいと思います。


改憲論者への忠告とマスコミ批判

もう一つ、着目していただきたいの以下のフレーズです。

 ③本当に、みんないい憲法と、いや言って、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。だから、ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんし、しかし、私どもはこういった物は重ねて言いますが、喧噪の中で決めないでほしい。

このフレーズを、「ナチス憲法が、みんないい憲法だと納得して成立したんだ」と勘違いしている人も多いのではないでしょうか?

ですが、ここでいう「憲法」とは、「ナチス憲法」のことではなく、「ワイマール憲法」のことです。

そして「変わった」というのは「全権委任法」がワイマール憲法下で国会審議を通過したということ。憲法に賛成した政党は、

「国家社会主義ドイツ労働者党(所謂ナチス)」、「ドイツ国家人民党」、「中央党」、「バイエルン人民党」、「ドイツ国家党」、「キリスト教社会人民運動」、「ドイツ人民党」、「ドイツ農民党」、「ドイツ農民連盟」の合計9つの政党で、合計441の投票数。

唯一反対したのがドイツ社会民主党でしたが、その票数は94票。

441票対94票で「全権委任法」は成立し、「ワイマール憲法」は「ナチス憲法」へと姿を変えたのです。

ここは私の推測ですが、この時ドイツの「マスコミ」、即ち新聞社は大騒ぎしていたんじゃないでしょうか?

いつのときからか、騒ぎになった。と、私は思う。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。

だから、静かにやろうやと。いうんで、憲法は、ある日気づいたら、ドイツもさっき話しましたけれども、ワイマール憲法がいつの間にか変わってて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。

だれも気がづかないで変わったんだ。あの手口学んだらどうかね。

「全権委任法」が成立したとき、ドイツの憲法の名前は、「ワイマール憲法」という名称でした。

「ナチス憲法」などという名称ではありません。

ですが、「ワイマール憲法」を成立させたのは「全権委任法」の成立に反対したはずの社会民主党を中心とした政党です。

「ワイマール憲法」は気が付いた時には、いつの間にか「ナチス憲法」へと姿を変えていたわけです。


 あの手口に学んだらどうかね

という麻生さんの言葉は、ほかでもありません。靖国参拝を「わーわー、わーわー」と「騒ぎ」にしてしまった、マスコミに向けて放たれた言葉です。マスコミと、おそらく「野党陣営」に対しても。

麻生さんは、きっとこういったドイツの歴史を非常によくご存じなのでしょう。ですが、このようなドイツの歴史を全く理解していない連中が、浅はかな知識で麻生さんの歴史解釈を批判し、「イデオロギーの攻撃」のために利用する。

無知なのはどちらかと、私は本当に訴えたい!


 我々を取り巻く環境は何なんだと、この状況をよく見てくださいと、いう世論というものの上に憲法改正というものは成し遂げられるべきなんだと。そうしないと間違ったものになりかねないということを思うわけです。

という麻生さんの言葉って本当に重いと思います。

現時点で、安倍さんは憲法9条に対して、第3条を書き加える、「加憲」という方法で妥協せざるを得なくなっています。

なぜでしょう? 真剣に議論して、自民党は自民党として、良し悪しは別として、きちんとした「改憲案」を持っているにも関わらずです。

「わーわー、わーわー」と騒ぎ立てる人たちがいるからですよ。

マスコミはまた、同じ歴史を繰り返したいんでしょうか?


この批判は、私がこれから記していく記事の中でも多々、登場することとなると思います。

ハッキリ言えば、「第二次世界大戦」という大惨事を引き起こした最大の理由は、敢えてこの言葉を用いますが、「左翼」と「マスコミ」の存在があったからです。

もちろん、人間にも、社会にも、国家にも様々な失敗を経て、成長する必要がありますから、そういう時代もまた必要だったのだと思います。

ですが、であればその失敗を糧に、人間は成長する必要があるのではないでしょうか?

ですが、あれほどの大惨事を引き起こしたにもかかわらず、未だに成長せず、前時代的な思考のまま固まっているのが「マスコミ」と「左翼」です。これはつくづく思います。

今更何を言っているんだと思う方もたくさんいらっしゃると思いますが、このシリーズのクライマックスに向けて、これから作成していく記事の中で、徐々にその理由をご理解いただけるようになると思います。

次回記事では、更に第一次世界大戦後ドイツの「右傾化」について記事を進めていければと思っています。



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この記事のカテゴリー >>GDPの見方


本日は2019年5月21日です。昨日2018年度のGDP速報(1次速報)が公表されました。

そう。公表されたのは「2018年度(平成30年度)」のGDP速報のはずなのです。ところが・・・

【日本経済新聞】2019/5/20 8:50
1~3月GDP、年率2.1%増 個人消費は0.1%減

内閣府が20日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.5%増、年率換算では2.1%増だった。2四半期連続のプラス成長となった。10~12月期は年率換算で1.6%増だった。住宅投資や公共投資の増加がプラス成長に寄与した。QUICKが集計した民間予測の中央値は前期比0.1%減で、年率では0.3%減だった。

生活実感に近い名目GDPは前期比0.8%増、年率では3.3%増だった。名目でも2四半期連続のプラスになった。

実質GDPの内訳は、内需が0.1%分のプラス、外需の寄与度は0.4%分のプラスだった。

項目別にみると、住宅投資は1.1%増で、3四半期連続でプラスだった。持ち家を中心に持ち直しの傾向がみられた。公共投資は1.5%のプラスだった。

輸出は2.4%減だった。中国を中心として海外経済の減速が影響した。輸入は内需の弱さを反映して4.6%減となった。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったため、GDPにはプラスに寄与している。

個人消費は0.1%減と、2四半期ぶりのマイナスだった。暖冬の影響で衣料品の販売が不調だったことや、食品の値上げを受け消費意欲が冷え込んだことが影響した。

設備投資は0.3%減で、2四半期ぶりのマイナス。米中貿易摩擦などによる中国経済の減速懸念で、電気機械などの製造業を中心に設備投資を手控える動きがみられた。民間在庫の寄与度は0.1%のプラスだった。

総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてプラス0.2%だった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは0.3%のプラスだった。

同時に発表した2018年度のGDPは実質で前年比0.6%増、生活実感に近い名目で0.5%増だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

経済に関連する記事なので、日経から記事は引っ張ってきました。

・GDP、年率2.1%増 1~3月期 輸入の落ち込み影響(朝日新聞)
・1~3月期GDPはプラス 市場の予想覆す 年率2.1%増 輸入減が押し上げ(毎日新聞)
・1~3月期実質GDP、年率換算2・1%増(読売新聞)
・1~3月期GDP 輸入急減、見かけ上プラス(東京新聞)

その他、主要各紙の記事タイトルは上記の通り。そう。どこにも「2018年度(平成30年度)」のGDPが公表された、と記している記事は存在しないんですね。

もちろん、2018年度第一四半期(4-6月)~第三四半期(10-12月)までのGDPは既に公表されていますから、「何をいまさら」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、にも関わらずなぜか「第四四半期(1-3月)の四半期別GDP」を「季節調整」し、更に「年率換算」した「年率GDP成長率」は掲載されています。

私、この傾向ははっきり言って異常じゃないかと思うんです。

「年率換算」に関しては、第140回の記事 にて、かなり詳細にご説明させていただいたことがあるのですが、これを転記する形で改めて皆さんにご理解いただきたいと思います。

【年率換算の計算方法】
1.第1四半期を前期、つまり前年度の第4四半期のGDPと比較して成長率を出します。
 第1四半期の成長率を1Q、前年度の第4四半期のGDPを4Q’とします。

第1四半期を前期比と比較した成長率
=(1Q-4Q')/4Q' この計算式を①とします。

2.①は「成長率」ですので、本体である4Q'に、1+①をかけたものが第1四半期のGDPになります。
第1四半期のGDP=4Q'×(1+①)×100

3.「年率換算」を行うときは、第一四半期の成長率が、第2四半期~第4四半期まで継続して続く、と考えるので

第2四半期のGDP=4Q'×(1+①)×(1+①)
第3四半期のGDP=4Q'×(1+①)×(1+①)×(1+①)
第4四半期のGDP=4Q'×(1+①)×(1+①)×(1+①)×(1+①)=4Q'(1+①)^4(^=乗数のことです)

となります。「年率換算」とは、この様な計算方法によって算出された第4四半期のGDPを前年度の第4四半期と比較した結果を算出するための計算方法です。

ですので、第1四半期の「前期比」を「年率換算」した計算結果は

{4Q'(1+①)^4-4Q'}÷4Q’×100={(1+①)^4-1}×100

これが「年率換算」の計算結果です。
もう少しわかりやすく表現すると、

〔{(1+第一四半期の成長率(前期比)}の4乗-1〕×100(%)

これが「年率換算」です。

私自身、かなり久しぶりに見ましたが、計算式を見るだけで脳がわきそうになりますね。

しかも検算をして1か所誤りを発見してしまいましたので、引用元の第140回の記事に赤で訂正を入れております。今回の記事では正しい計算式に修正しています。

そう。「年率換算」とはこのような計算式を用いて計算された、単なる計算結果に過ぎないということをぜひ覚えていていただきたいのです。

で、このような計算式に基づいて計算された「2018年度第四四半期」の「実質GDP」を「季節換算」したものの「2019年度の第四四半期」のGDPが「2018年度の第三四半期」と比較して2.1%増しになっています・・・という予言を行っているのがこの「年率換算」というものです。

ちなみに2017年度第四四半期の実質GDPの「年率換算」を行った値は-0.1%でした。

では、まる1年たった今、2018年度の第四四半期の「実績」と2017年度第四四半期の「実績」を比較するとどうでしょう。

2018年度第四四半期四半期を2017年度第四四半期と比較した実質GDPの「前年同月比」は0.8%です。

昨年の同じ時期に行われた実質GDP成長率は-0.1%であると予言されましたが、実際の結果は0.8%でした。

そうです。そもそもたった3か月間の「経済成長率」がまる1年間、同じペースで継続することなどまずありえないのです。にも関わらず、こんな「予言」がまるで事実であるかのようにして大騒ぎし、アベノミクスが成功だ、失敗だと大騒ぎしている連中に言いたい。

一体あんたたちは今年度当初に大騒ぎした厚労省による「毎月勤労統計調査」のデータ不正問題で一体何を学んだのだ、と。

あれだってそもそもその結果には「常勤雇用5名未満」の事業所のデータは全く含まれていない、「速報性」のみを重要視した、統計データとして参考程度にしかならないデータであることはあの事件が起こる以前からわかっていたことです。

ほんと、私からすれば今更感が半端ない事件でしかありませんでした。

あの事件から何も学べない人達がこの国では大多数を占めているのかと考えると、本当にうんざりする思いがします。体制派に対しても、反体制派に対しても同じことを感じます。せめてもう少し過去から学ぶ姿勢を身に着けてほしい、と。

ということで、私の発表する「GDP速報」は、

1.名目値、原系列を最重要視する。
2.季節調整、年率換算はフィクションにすぎないので検証する必要はない。
3.名目値に比較すると信頼性は落ちるが、物価を見る上で「参考」にはなるので実質値も検証はする。

という姿勢で記事を作成していきます。

数値は基本的に「名目値」「原系列」で、捕捉データとして「実質値」「原系列」を掲載します。


2018年(平成30年)度GDP第四四半期1次速報

【2018年度GDP第四四半期第1次速報(前年同期比)】
名目GDP
全体 137.893 兆円(0.9%)

 民間最終消費支出 75.806 兆円(0.4%)
 家計最終消費支出 74.132 兆円(0.4%)
  除く持家の帰属家賃  61.608 兆円(0.4%)

 民間住宅  4.211 兆円(2.6%)
 民間企業設備 25.364 兆円(2.4%)

実質GDP
全体  135.632 兆円(0.8%)

 民間最終消費支出 74.785 兆円(0.4%)
 家計最終消費支出 72.983 兆円(0.3%)
  除く持家の帰属家賃  59.448 兆円(0.2%)

 民間住宅 3.852 兆円(1.2%)
 民間企業設備  24.665 兆円(1.6%)

内閣府


さて、いかがでしょうか。日経新聞の記事に目を通してみますと、

・項目別にみると、住宅投資は1.1%増で、3四半期連続でプラスだった。持ち家を中心に持ち直しの傾向がみられた。公共投資は1.5%のプラスだった。

・輸出は2.4%減だった。中国を中心として海外経済の減速が影響した。輸入は内需の弱さを反映して4.6%減となった。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったため、GDPにはプラスに寄与している。

・個人消費は0.1%減と、2四半期ぶりのマイナスだった。暖冬の影響で衣料品の販売が不調だったことや、食品の値上げを受け消費意欲が冷え込んだことが影響した。

・設備投資は0.3%減で、2四半期ぶりのマイナス。米中貿易摩擦などによる中国経済の減速懸念で、電気機械などの製造業を中心に設備投資を手控える動きがみられた。民間在庫の寄与度は0.1%のプラスだった。

との内容が記されています。もちろんすべて「実質値」に対する記事なんですが、私が受容視するのは実質値ではなく名目値です。

名目値を算出する際でさえ、詳細なデータ把握ができているのPC、デジカメ程度のもので、それ以外の消費額はすべて計算式によって人為的に算出されたもので、はっきり言ってデータとしては疑ってかかるべきデータだと私は考えています。それを最初から信用し、真に受ける方がおかしい。

だからこそそのデータを検証し、どの程度信頼性があるのかと検証すべきもの、それが「名目GDP」です。

もちろん年率換算や季節調整されたものとは違い、全くのデタラメのデータではありませんから、「原系列」で数字を追いかけることには意味があると私は思っています。

ですが、「実質値」とは、そんな信憑性に疑いの余地があるデータを、更に「消費者物価指数」というまた新たに計算式を用いて算出されたもので割って求めたデータです。(※消費者物価指数で割って算出するのは『民間最終消費支出』内のデータに限ります)

そして、

 「名目値」=「売上(または消費)総額」
 「実質値」=「売上(または消費)数量」
 「GDPデフレーター」=「売上(または消費)単価」

のそれぞれ最大値であることを考えると、日本国全体の「支出」を見るためのデータである「支出側GDP」を、その消費単価(デフレーター)を全く考慮せず、単に消費数量(実質値)だけで考えることは非常に意味がないと考えていますので、はっきり言って名目値よりも実質値が重要視される現状もまた異常だと私は考えています。

ですが、マスコミ側の意図は実質値こそ生活の実感に近いという誤った意識の下、更に計算方法すら明確に説明することができない「季節調整系列」を用いた予言の数字である「年率換算」を行った数字が現在の日本の「現状を示している」という意図をもって記事を記していますので、私が正しいと考える「日本の現状」とそれを比較する形で記事を作成していきます。


・項目別にみると、住宅投資は1.1%増で、3四半期連続でプラスだった。持ち家を中心に持ち直しの傾向がみられた。公共投資は1.5%のプラスだった。

住宅投資は2.6%増です。記事では三四半期連続のプラスと記されていますが、四半期別で考えるのなら、住宅投資は五四半期連続でマイナスでした。実に1年と1四半期ぶりのプラス成長です。

ですが、それ以前の上昇幅が6%や7%といった非常に大きな幅での上昇率を8四半期連続で記録していますので、その反動だったと考えることができます。

公共投資、即ち「公的資本形成」は-0.7%。実は四四半期連続の前年度割れです。ただ、それ以上に民需が活発ですから、ここに着目して言及することは控えたいと思います。


・輸出は2.4%減だった。中国を中心として海外経済の減速が影響した。輸入は内需の弱さを反映して4.6%減となった。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったため、GDPにはプラスに寄与している。

なんだかあたかも「輸出減」が突然問題になったかのような記事の作成の仕方ですが、実は第三四半期において、GDPが前年度割れを起こしていたのですが、その最大の理由は「輸入額の上昇幅を輸出額の上昇幅が上回ったこと」でした。

17年(暦年)は輸出額が前年度比で10%を超えるペースだったものが、18年(暦年)に入って上昇幅を縮小し始め、これが18年度第四四半期に入って下落に転じた、というのが本当のところです。

今期、「輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったため、GDPにはプラスに寄与している」などともっともらしいことを記すのなら、のなら、なぜマスコミは第三四半期、他の項目は民間住宅以外全てプラスなのに、輸入額の上昇幅が輸出額の上昇幅を大幅に上回ったためにGDP全体としては前年度割れを起こしたことを全く騒がなかったのでしょうか?(第460回の記事 参照)

私には不思議でなりません。ちなみに今期の統計データで前年度割れを起こしているのは「公的資本形成」「輸出額」「輸入額」の3項目のみで、他の項目はすべて前年度を上回っています。

毎日新聞は「1~3月期GDPはプラス 市場の予想覆す 年率2.1%増 輸入減が押し上げ」などと、さも輸入額の減少ににGDPが上昇した原因があるかのように記していますが、

輸入額の減少幅など5260億円にすぎません。輸出額から輸入額を差し引いた「純輸出高」は7090億円、2017年度第四四半期の純輸出高は1.102兆円ですから、これと比較すると3930億円のマイナス。純輸出高でみれば、輸出入額はむしろGDP全体を押し下げる働きをしています。

にも関わらずGDP全体では昨年同期と比較して1.3兆円成長した、というのが2018年度第四四半期の「輸出入」に対する正しい評価です。


個人消費は0.1%減と、2四半期ぶりのマイナスだった。暖冬の影響で衣料品の販売が不調だったことや、食品の値上げを受け消費意欲が冷え込んだことが影響した。

もうお解りですね。個人消費、つまり「家計最終消費支出」は「持家の帰属家賃」を除いたものとともに前年度比0.4%の上昇です。

実に2年1四半期連続の前年度増しです。

ちなみに「消費者物価指数」で見すと、確かに「被覆及び履物」の費目の内「衣料」が1月△0.3、2月△0.8、3月△0.4と前年度割れ、食料全体に関しても1月△1.5、2月△1.4、3月△0.3と前年度割れが続いていますが、ここから「生鮮食品」を取り除くと1月0.6、2月0.6、3月0.8と前年度を上回っており、「食糧及びエネルギーを除く総合」で見ても三か月連続で0.4と前年度越え。

これを見て「消費意欲が冷え込んだ」と言えるのか、私には非常に疑問です。

「消費者物価指数」は消費者の消費状況が反映されたものです。

「消費者物価指数」を算出する際に用いられる「連鎖指数」が前年のものを用いているため、消費者物価指数が急激な「価格変動」を反映しきれていないことは事実ですが、それがもし負担となるのならば他の費目の物価が影響を受けるはずです。

ですが、そうなっていない以上、「消費が冷え込んだ」とする日経のコメントは誤っているのではないか、と私は思います。


設備投資は0.3%減で、2四半期ぶりのマイナス。米中貿易摩擦などによる中国経済の減速懸念で、電気機械などの製造業を中心に設備投資を手控える動きがみられた。民間在庫の寄与度は0.1%のプラスだった。

設備投資費・・・マイナスですか?

前年度と比較して実に2.4%の前年度増し。前期の4.8%には及びませんが、実に2年1か月連続の「前年度増し」です。設備投資を控えてますかね?

ちなみに1月は決算期だからでしょうか。他の項目は12月が含まれる第三四半期の数字がすべて大きくなっているんですが、「設備投資費」だけは第四四半期の数字が毎年度大きくなっているんです。

そう。つまり企業設備投資費に限れば、第四四半期の数字は第三四半期の数字よりも大きいんです。これは実質値で見ても同じ傾向がみられます。

にも関わらず、これを「前期比」で見ると名実共にマイナスとなっています。

前年度を2.4%も上回っていて、原系列で見れば12月を含む「前期」を上回っている「企業設備」が「季節調整、年率換算」を行うとなぜか名目で4%、実質で1.2%のマイナス成長になる・・・という非常に不思議な現象となっております。

こんな数字をまともに相手にする方がいかれてます。一体どんな計算式なんでしょうね、「季節調整」って。ほんと、謎すぎます。


2018年(平成30年)度GDP第1次速報

さて。それではいよいよ「2018年(平成30年)度」全体でのGDP速報です。
【2018年度GDP第1次速報(前年同期比)】
名目GDP
全体 550.098 兆円(0.5%)

 民間最終消費支出 305.397 兆円(0.7%)
 家計最終消費支出 297.200 兆円(0.6%)
  除く持家の帰属家賃  247.149 兆円(0.7%)

 民間住宅  16.767 兆円(△2.6%)
 民間企業設備  89.648 兆円(4.1%)

実質GDP
全体  535.186 兆円(0.6%)

 民間最終消費支出  300.048 兆円(0.4%)
 家計最終消費支出  291.923 兆円(0.3%)
  除く持家の帰属家賃 237.985 兆円(0.2%)

 民間住宅  15.367 兆円(△4.2%)
 民間企業設備 87.124 兆円(3.2%)

内閣府


いかがでしょうか。


民間住宅について

既にお伝えしています通り、「民間住宅」に関しては第一四半期~第三四半期までの数字が前年度を大きく下回っていますので、トータルで見ても名目で2.6、実質で4.2%の前年度割れとなっています。

ただし、「物価上昇率」で考えますと、物価上昇率=名目(△2.6)-実質(△4.2)=1.6%の物価上昇となっています。

ミクロベースで表現するとすれば、売上総額、売上数量とも前年度を大きく下回りましたが、売り上げ単価としては前年度を1.6%上回る売り上げであった、との表現になります。


「個人消費」について

個人消費については「家計最終消費支出」を見ます。第470回472回473回 の記事でも取り上げた話題です。

「家計最終消費支出」に関しては、全体では「持家の帰属家賃」というフィクションの数字が含まれていますので、「除く持家の帰属家賃」で考えます。

名目が0.7%の前年度越え、実質が0.2%ですから、物価上昇率は0.5%。

昨年度が名目1.7%、実質1.1%、0.6%の物価上昇率でしたから、やや減速はしていますが、消費総額としては前年度を上回る値で完了しました。

目標として「2%の物価上昇」を目指す項目ですが、「物価」も「消費数量」も前年度を上回り、同時に「消費総額」も前年度を上回ったわけですから、安定した経済成長を遂げたといえるのではないでしょうか。


企業設備投資

こちらは名目が4.1%、実質が3.2%増で0.9%の物価上昇率となっていますから、これは大成長と言ってもよいのではないでしょうか?

「大企業ばかりがもうかって、労働者には回ってこない」と主張する輩もたくさんいますが、私がシリーズ 中間層の見方 でお示ししましたように、各所得層を100万円ごとに切ってみても、その「所得層」の水準が上昇してきていることがわかります。

引用したシリーズは27年までのデータしか掲載していませんが、最新で平成29年までの情報が既に公表されており、引用シリーズに掲載した状況は未だに継続しています。

「中間層の見方」に関しての記事は近いうちに更新したいと思います。

このような傾向からも、「大企業ばかりがもうかって・・・」という理屈は既に通用しなくなっているのではないかと私は思います。


GDP全体を通じて

まとめに入ります。

GDP全体で見ますと名目で前年度比0.5%とそう大きく伸びていないように見えるかもしれません。

ですが、名目全体で見ても下落しているのは「民家住宅」と「公的資本形成」の2項目のみ。それ以外はすべてプラス成長しています。

GDPを引き下げる要因として大きく働いているのはやはり「純輸出額」の下落。2017年度の4.934兆円から9875億円に下落しており、下落幅としては4兆円近くの下落幅。

GDP全体が550兆円ですから、GDPに対する割合としては0.7%に上ります。

このような状態にも関わらずGDP全体としては0.5%成長したということを考えれば、実に堅調な経済成長であったということができるのではないでしょうか。

「年率換算」などというフィクションの未来予測の数字に大騒ぎするのではなく、一つ一つ、今起きている現状を正確に判断できる冷静な視点を持つことこそ、私たち「国民」に求められている視点なのではないかと、そう思えてなりません。




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<継承する記事>第472回 明石順平氏説を妄信する皆様へ②~GDP改定と消費支出~

前回の記事 でもお伝えしました通り、本日は「統計で人を騙す方法」のタイトルで記事を作成してみます。

今回の内容がちょっとした続き物になってしまいましたので、連続して読めるよう、バックナンバーを張り付けておきます。

 第470回 明石順平氏説を妄信する皆様へ~実質賃金と実質消費の見方~
 第472回 明石順平氏説を妄信する皆様へ②~GDP改定と消費支出~

今回の記事が第三弾で「統計で人を騙す方法」となっております。


前回のダイジェスト

繰り返しになりますが、今回のシリーズはタイトルにもある明石順平氏(弁護士)が行った以下のツイート。



これに対して私が以下の投稿をしたところ

①実質消費支出は、二人以上世帯のみのデータで、二人以上の名目消費支出を一人世帯、及びその他の消費者まで含めた全体の消費者物価で割っているので、本来平行線となるべき実質消費支出に、本来含むべきではない一人世帯、及びその他の消費者の物価上昇が反映されている。
※①については正確ではなく、前回記事で訂正情報を掲載しています。

②「物価」は「価格」の増減のみで決まる訳ではなく、「消費量」が伸びなければ増加する事はない。つまり、消費者物価の伸びは、「価格」に関わらず消費量が増えている事を示している。

③給与所得者に限定すると、「物価」とは受け取った名目賃金の内、「消費」に回された額で決定するため、一部例外を除き、物価の伸び率が名目賃金の伸び率を上回る事はない。例外とは、給与所得以外の収入、過去に蓄積した貯蓄、借入の3つ。

④実質賃金とは、つまる所、給与所得者が受け取った賃金をどれだけ貯蓄に回す事ができたのか、その増減を示す数字なので、名目賃金が上昇する中で実質賃金が下落するという事は即ち消費が活性化しているという事。ちなみに物価が上昇すると実質賃金は過小評価され、下落すると過大評価される。

以上の事から、明石氏のグラフは黄色線のみがデタラメなデータであり、他のデータは安倍内閣に入って「消費」が活性化している事を証明しているグラフである。

明石順平氏から何の反論もなくブロックされた・・・というのが記事を作成し始めたきっかけとなっております。

で、特に「実質賃金」というキーワードに対し、おそらく次回参院選でこれを論点にしようと考えている政党を支持する皆様が「実質賃金の下落=アベノミクスの失敗」とする主張を盛んに行っているのが今のネット世論の現状です。

ですが、これまでの2回の記事でも散々ご説明させていただきました通り、名目賃金が上昇する中での実質賃金の下落は消費が活性化していることを意味しており、これはむしろアベノミクスが成功していることを示している数字です

で、私が行うこの様な実質賃金に関連した話題に対し、「消費はずっと縮小している」という反論がテンプレートのようにして返ってきます。

その根拠とされるのが先ほどお示しした明石順平氏のツイートです。特に投稿されている次の画像。

D5NqQqZUcAA7oYa.png

ここにある黄色のライン。明石氏が「実質世帯消費動向指数」として掲載しているグラフです。

このグラフは「世帯別消費動向指数」なので、国内の一つ一つの「世帯」ごとの消費支出を平均したデータになっています。これを「消費者物価指数(除く持家に帰属する家賃)」で割った実質のデータとなっていますから、物価が上昇する中では更に過小評価されたグラフです。

ですが、これを世帯ごとではなく、「全世帯」で合算して考えますと、次のような推移となります。

総消費動向指数(名目)

そう。特に安倍内閣がスタートした2013年以降で考えますと、2016年を除き、継続的に「消費」は増え続けていることがわかりますね?

世帯別と世帯合算でここまでの開きが出るのは「世帯数が増えた」からに他ならないわけですが、これに対し、テンプレートで返ってくる反論が、以下のグラフです。

20180501203523.png

「平成17年度(2005年度)」基準で作成した「家計最終消費支出」の動向を示したグラフです。名目か実質かまでは現時点では私にはわかりませんが。

「家計最終消費支出」とは、「GDP統計」の内「支出側GDP」の項目「民間最終消費支出」に含まれるデータです。

GDP統計は、2016年(平成28年)に改定が行われています。「総消費動向指数」は「全世帯の消費動向」を合算した数字なのですが、統計局のホームページにはこれが「GDP統計の『家計最終消費支出』」に当たることが記されています。

「総消費動向指数」とは、つまり「家計最終消費支出」を指数化したものなんですね。

特に総消費動向指数は平成28年のGDP改定に伴って新しく加えられたデータであり、相手方の主張としてはつまりこの統計が「安倍内閣の実績をよく見せるために、『かさ上げされた』統計データである」という主張を行っているのです。

で、またテンプレートのようにして張り付けられてきたのが以下のリンク先ブログ記事です。

モノシリンの3分でまとめるモノシリ話
明石順平氏のブログです。

正直申しますと、私はこの情報を示された時点では「消費動向指数」と、この指数が作成されるまで同じ情報として利用されていた「家計消費指数」の区別がついていませんでしたから、混同していたのは事実です。

「家計消費指数」についての何らかの修正が進んでいたことは知っていたのですが、私の頭の中の情報としては、「二人以上世帯について集計した『実質』を見るためのデータ」程度の認識しかありませんでした。

第165回の記事 で一度話題にしたことがあるのですが、元々日銀で「消費活動指数」というものが公表されていたので、私とするとこれと「家計消費指数」は似たようなもんだろう、という程度の認識でいたことは事実です。

ただ、おかげ様でこの「消費」に関するデータに関する知識を深めることができました。やはり議論はしてみるものだなと改めて思います。


少し話がそれました。先方が提示してきた明石順平氏のブログに掲載されていたのは「平成17年度基準の『家計最終消費支出』の推移を示したグラフでしたから、この時点で私はこれが2016年(平成28年)に行われたGDP改定に伴う変更であることはすぐにわかりました。

この改定とは、「産業関連表」に関する修正(第192回の記事 をご参照ください)で、2015年までは明石氏のグラフにあるように、「平成17年(2005年)基準」で作成された産業関連表が使用されていたのですが、2016年からは「平成23年(2011年)基準」で作成された産業関連表に更新されました。

明石氏のブログには、当然この「平成23年基準」の家計最終消費支出グラフも掲載されています。

20180501203934.png

2014年→2015年にかけてのグラフの勾配を見てみますと、17年基準のものは下落していますが、23年基準のものは上昇しています。

私に反論してきた皆さんは、この状況を以て「安倍内閣で行われた変更で、データがかさ上げされたのだ」という主張を行ってきました。つまり、そんな怪しいデータは信用できない、と。

私が作成した「総消費動向指数」のグラフは、23年基準の家計最終消費支出を指数化したものですから、基本的にグラフの勾配は同じ勾配になります。

ですが、そもそも17年(2005年)基準と23年(2011年)基準の違いは「産業関連表」の更新に伴う変更であり、むしろそれまで2005年基準のものが使用されていたことの方がおかしいわけです。

で、この主張を行うと何人かの人は私のタイムライン上から姿を消すわけですが、現時点で最も最近に議論した方から「明石氏のブログでは、そんな事は織り込み済みだ」という主張を行ってきたのです。

総消費動向指数は世帯別消費動向指数に世帯数を掛けたものなのだから、これと「家計最終消費支出」の間に違いが出るのはおかしい、とする主張です。

ここからが本日のテーマになります。


「統計」で人を騙す方法

私は正直言って明石氏のブログなど見る気は一切ありません。相手と議論を進める上で必要な情報に関しては見るわけですが、それも必要最小限です。

ですから、彼のブログに何が書いてあるのか、それほど理解することのないままに議論を進めていました。

私は相手の「総消費動向指数は世帯別消費動向指数に世帯数を掛けたものなのだから、これと『家計最終消費支出』の間に違いが出るのはおかしい」とする主張に対し、「家計最終消費支出」が「17年度基準」のものを言っていると思い込んでいますから、相手が

「消費動向指数とは家計最終消費支出を指数化したものである」

ということを理解していないのではないかと考え、そういった指摘を行います。

ですが、これに対し彼が提示してきたのは以下のグラフでした。

20180211161842.png

実はこのブログ、明石氏のブログの先ほどリンク先を張り付けた記事の中に掲載されていたのですが、最初この画像を相手がどこから引っ張ってきたのかが全く理解できませんでした。

そして、画像のURLを見て初めて、これが明石氏のブログに掲載されている画像だということがわかりました。

これは正直びっくりしました。私は「世帯数の推移」を示すデータは国勢調査のものしか存在せず、4年に一度集計されているものとばかり思っていましたから。

明石氏のブログの情報から検索を掛けてみますと、確かに統計局のHPに掲載されていました。
世帯数時系列データ(29年版)

この段階で私は初めて明石氏のブログを真剣に読み進めることとなりました。

先ほどの画像の箇所から画面をスクロールしますと、すぐに以下のようなグラフが登場します。

20180211163523.png

このグラフを見た段階で、私の頭の中はちょっとしたパニック状態になりました。

青いグラフは「家計消費指数(世帯別消費動向指数に相当)×世帯数」のグラフ。赤いグラフは「家計最終消費支出(総消費動向指数に相当)」のグラフです。正確に言えば、青いグラフは「家計最終消費支出」を「2002年基準で指数化」したもの。青いグラフは家計消費指数を「2002年基準に計算しなおしたもの」です。

確かにギャップが大きいんですね。ちなみにこのグラフのすぐ上には同じ比較を17年基準のものと行ったグラフがありました。

20180211163245.png

確かに17年基準のグラフだとその推移がリンクしているように見えます。

ここまでの開きが出る理由を必死に頭の中で考えていたのですが、全く答えが出てきません。つまり、これらのグラフを否定する理由が思いつかないわけです。

そこで私はまず同じグラフを自分でも作成してみようと考えました。

明石氏のブログにも掲載されているのですが、統計局の世帯数のデータには大規模災害が起きた際の世帯数が加算されていません。明石氏はそれぞれの年の世帯数に、各都道府県で公表されている世帯数を加算して「補正」を行っています。

この辺りはさすがだなと思いました。ですので、世帯数に関してはあえて私の手元で計算することはせず、明石氏のグラフに掲載されている世帯数をそのまま用いて作成しました。それが、次のグラフです。

総消費動向指数比較

このグラフは「世帯別消費動向指数×世帯数」と「総消費動向指数」を比較したもの。

いかがでしょう。簡易的に作成したもので、期間が短くなっていますので改めて明石氏のグラフと同じ、「2002年」からスタートするグラフも作成してみます。(※上グラフの2016年の数字が誤っていましたので下グラフでは修正しています

総消費動向指数比較

いかがでしょうか。グラフの配色も明石氏のものに合わせてみました。

            20180211163523.png

どうでしょう。全く印象が変わりませんか? 全く同じデータを用いて作成したグラフです。何が違うのでしょうか。

違うものが2つあります。

まずは一つ、ご覧いただきたいのは、私の作成したグラフの下部に示している「データテーブル」。

2015年のところをご覧いただくと、共に「100」になっていますね? これは、このグラフの「基準年」が2015年ですよということです。

ですので、2015年の「世帯数×世帯別消費動向指数」と「総消費動向指数」が共に100となっています。

明石氏のグラフでは、「2002年」が基準となっていますね? 私のグラフと明石氏のグラフの最大の違いはここです。

あと一つ、私のグラフは最終年が2017年になっていますが、明石氏のグラフでは2016年となっています。

明石氏のグラフでは2105年と2016年に矢印をつけることで、あたかも両年の世帯別集計と総消費との間にものすごい開きがあるかのように「印象操作」を行っていますが、この情報は全く正確ではなく、単に明石氏が基準年を2002年においてグラフを作成しているため、2015年になって突然開きが大きくなったかのように見えるだけ。

両年の「世帯別」の消費支出が下落しているのは事実ですが、明石氏はグラフの基準年を操作することによって「情報操作」を行っているのです。

更に、

      20180211163245.png

こちらのグラフは明石氏が作成した「2002年を基準年」とし、「2005年の統計方法」を用いて作成したグラフ。ややこしいですが、ここまで読んでいただいた方であればご理解いただけるのではないでしょうか?

このグラフを見ていただくと、最終年が2015年になっていることがわかりますね?

なぜ2015年までしか存在しないのか。簡単なことです。「2005年の統計方法を用いて作成した『家計最終消費支出』のデータ」が2015年のものまでしか存在しないからです。これは明石氏も把握しているはずです。

ですが、にも関わらず

            20180211163523.png

こちらのグラフでは、最終年が2016年。一年余分にデータが存在するのです。そして「17年基準」の資料には存在しないはずなのに、23年基準の資料では「2016年のデータ」にまで矢印をつけることによって、あたかも2015年~2016年の数字が23年基準では「かさ上げされている」かのように印象操作を行っているのです。

では、改めて両年のデータを「2015年基準」のデータで比較してみましょう。

総消費動向指数比較2

17年基準家計最終消費支出比較

いかがでしょう。私まで「印象操作」をしてしまわないよう、敢えてグラフ縦軸の最小値と最大値は同じ値にしています。

このようにしてみると、確かに17年基準の方が乖離が少ない様に見えますが、これも一種の「基準年のマジック」です。

2014年から2015年の変動を見ていただきますと、総消費動向指数(23年基準家計最終消費支出)は横ばいですが、17年基準では下落しています。

これだけの違いです。

逆に2012年から2013年の伸び率でみれば17年基準の方が23年基準よりも上昇率が大きくなっています。この事も23年基準のグラフの2015年基準で作成した場合の乖離が大きくなっている理由の一つです。

つまり、基準年を変えればグラフの印象などどの程度にでも操作できるということです。明石氏がこれを知ってやっているのか知らずにやっているのかは知りませんが、もし知ったうえでやっていたのだとすれば最悪ですね。これで書籍を売って利益を得ているんですから、はっきり言って詐欺師です。


もう一つの印象操作

気づいていらっしゃる方がいるかどうかはわかりませんが、先ほど私が作成したグラフ、世帯数に対し、共に「世帯別消費動向指数」を掛けて作成していますよね?

世帯別消費動向指数が登場したのは2018年の事です。これは過去にさかのぼって反映されているのですが、実は基準年である2015年以前のデータは「23年基準の家計消費指数」と同じ数字になっています。

そう。つまり私は両方のグラフで、「世帯数」に対し、「23年基準の家計消費指数」を掛けてグラフの青いラインを作成しています。

ですが、もちろんこの「23年基準の家計消費指数」にも、「家計最終消費支出」と同じように「17年基準の家計消費指数」が存在します。

もし「17年基準の家計消費指数」と「世帯数×家計消費指数」を比較するのであれば、当然「17年基準の家計消費指数」と比較するべきです。

ですが、なぜ私は17年基準の家計最終消費支出を比較する上で「23年基準の家計消費指数」を用いたのでしょう?

答えは簡単です。17年基準の「家計消費指数」は2011年(暦年)の第二四半期(4月~6月)までのものしか存在せず、年別のデータは2010年までのデータしか存在しないからです。

では、私はなぜデータが存在しないはずなのに、わざわざ「23年基準のデータ」まで用いて「17年基準の家計最終消費支出」と比較するためのグラフを作成したのでしょうか?

答えは簡単です。明石順平氏が、存在しないはずなのに、なぜか「2011年~2015年」までの「家計消費指数」と「世帯数」を掛けたデータで作成したグラフを、「23年基準で作成した家計消費支出がかさ上げされたデータである」とする根拠として作成し、公開していたからです。

とても不思議ですね? 明石順平氏の「2011年~2015年までの家計消費指数」のデータは、一体どこから湧いて出たのでしょうか?

答えは一つしかありません。明石順平氏は自ら「23年基準の『家計最終消費支出』」がかさ上げされたものであるといいながら、17年基準の家計最終消費支出と比較するための資料として23年基準の家計消費指数を用いているんですよ。

証拠? 証拠なら簡単に作成できます。

17年基準家計最終消費支出比較2

こちらが、私が作成した「17年基準の家計最終消費支出」と「世帯数×23年基準の家計消費指数」とを比較するグラフです。

20180211163245.png

一方、こちらが明石氏が作成した、「17年基準の家計最終消費支出」と「世帯数×家計消費指数」とを比較するグラフ。この家計消費指数が一体いつのものを参照して作成したのか、この時点ではわかりませんね?

では、次のグラフを見てみましょう。

17年基準家計消費指数×世帯数比較

着目していただきたいのは2007年~2008年にかけての部分。

明石のグラフでは2007年に茶色のライン、即ち「平成17年基準(家計最終消費支出)」のラインが上に来ていて、2008年では逆に青いライン、即ち「世帯数×家計消費指数」のラインが上にきていますね?

ですが、私が作成した「17年基準の家計消費指数」を世帯数に掛けたグラフでは、これが逆になっているのがわかると思います。

では、もう一度私が作成した「『17年基準の家計最終消費支出』と『世帯数×23年基準の家計消費指数』とを比較するグラフ」を見てみましょう。

17年基準家計最終消費支出比較2

いかがでしょうか? 明石氏のグラフと同じ状態になっているのがわかりますね?

即ち、明石氏は「23年基準の家計最終消費支出でかさ上げしたデータが用いられている」といいながら、自分自身が17年基準の家計消費支出と比較するためのデータとして、23年基準の家計消費指数のデータを用いているのです。

非常に矛盾していますよね? 詐欺師明石順平さん。

ではなぜ彼がこのような「印象操作」を駆使してブログ記事を作成したのか。この部分は私ではなく、この記事を読む皆さんに考えていただきたいと思います。


最後に・・・

長文になり申し訳ありません。

あと一つだけ軽く触れておきたいことがございます。

総消費動向指数比較

ここからは私自身が作成したグラフを用いて記事を進めていきます。

このグラフ中で、2015年~2016年にかけて、青いライン。即ち「世帯数×世帯別消費動向指数」が確かに急落しており、

 「ギャップの話は確かに言う通りかもしれないけど、消費は縮小しているのではないか」

と考える人もいるのではないかと思いますので、この部分につい少しだけ触れておきます。

「世帯別消費動向指数」という統計データでは、私が記事を作成している「消費者物価指数」同様、「10大費目別」のデータが掲載されています。

「10大費目別」、即ち

「食料」「住居」「光熱・水道」「家具・家事用品」「被服及び履物」「保健医療」「交通・通信」「教育」「教養娯楽」「その他の消費支出」

この10の「費目」です。

2015年~2016年にかけては、第225回の記事 などで散々話題にしましたように、ちょうど消費増税が行われた2014年7月頃から海外で原油価格が急落し、日本国内でもガソリンをはじめとするいわゆる「エネルギー価格」が急落した時期がありました。

通常「価格」が下落すると「物価」は上昇に転ずる傾向があるのですが、これは消費者物価指数全体で見ても物価上昇が追い付かないほどに急落しました。

「前年同月比」で見る限り、この傾向は2016年11月頃まで続き、同年12月になってようやく底を打った感じです。

「世帯別消費動向指数」を見ても同時期にこの傾向が見られ先ほどお示しした「10大費目」の中でも特に「住居」「光熱・水道」「交通・通信」にこの傾向が強く見られます。

特に2016年により顕著に表れています。

「住居がなぜ?」と思われるかもしれませんが、「住居」の中で大部分を占めるのが「家賃(持家に帰属する家賃を含む)」です。

直接関係があるかどうかは不明ですが、個人的には家賃の下落にエネルギー価格の下落は影響しているのではないかと考えています。

わたしの考えが正解である、と断言するつもりは毛頭ありませんが、そのような考え方もあるのだということはご承知いただければと思います。



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<継承する記事>第470回 明石順平氏説を妄信する皆様へ~実質賃金と実質消費の見方~

第470回の記事 の中で私、「明石順平」という人物についてご紹介しました。

私が彼についての記事を作成するきっかけとなったのは、彼がTwitterに投降した以下のツイートが原因です。



で、上記ツイートに対し私が

①実質消費支出は、二人以上世帯のみのデータで、二人以上の名目消費支出を一人世帯、及びその他の消費者まで含めた全体の消費者物価で割っているので、本来平行線となるべき実質消費支出に、本来含むべきではない一人世帯、及びその他の消費者の物価上昇が反映されている。
※①については正確ではなく、前回記事で訂正情報を掲載しています。

②「物価」は「価格」の増減のみで決まる訳ではなく、「消費量」が伸びなければ増加する事はない。つまり、消費者物価の伸びは、「価格」に関わらず消費量が増えている事を示している。

③給与所得者に限定すると、「物価」とは受け取った名目賃金の内、「消費」に回された額で決定するため、一部例外を除き、物価の伸び率が名目賃金の伸び率を上回る事はない。例外とは、給与所得以外の収入、過去に蓄積した貯蓄、借入の3つ。

④実質賃金とは、つまる所、給与所得者が受け取った賃金をどれだけ貯蓄に回す事ができたのか、その増減を示す数字なので、名目賃金が上昇する中で実質賃金が下落するという事は即ち消費が活性化しているという事。ちなみに物価が上昇すると実質賃金は過小評価され、下落すると過大評価される。

以上の事から、明石氏のグラフは黄色線のみがデタラメなデータであり、他のデータは安倍内閣に入って「消費」が活性化している事を証明しているグラフである。

という投稿を行ったところ、彼から一切の反論もなくブロックされた・・・ということをきっかけとして前回の記事を作成しました。

で、「実質賃金の下落」という情報を「アベノミクスの失敗だ」と盛んに吹聴している連中が少なからずおりまして、そいういった連中がまるで教祖のようにして崇めているのがこの明石順平という人物です。

で、なぜ実質賃金の下落=悪玉論者たちがここまでこの明石順平という人物を信奉するのか。今回の記事のテーマの中心はこの話題です。


「実質消費」が下落する理由

まずは前回のおさらいです。

明石氏の投稿で用いられている次のグラフ。

D5NqQqZUcAA7oYa.png

「実質消費動向指数」について、前回の記事ではその理由が独立して一人暮らしを始める世帯や、結婚して新婚生活を始める世帯が増えたため、世帯数は増えたものの、一世帯を構成する人数が減少したためだ、という情報を掲載しました。

その根拠としたのが以下のグラフです。

総消費動向指数(名目)

こちらは「総消費動向指数」というもので、一人暮らし~二人以上の全世帯を合算した、「消費」の動向を示したものです。

2012年以降で、増税年とその翌年を除けば「総消費動向」は上昇し続けていることがわかりますね。

「総消費動向指数」は「世帯数」に「世帯別消費動向指数」を掛けたものですから、「世帯別消費動向指数」が下落する中で「総消費動向指数」が上昇する原因は「世帯数」が増えていること以外にあり得ません。

明石氏の「世帯別消費動向指数」は「実質」ですが、これは名目で見ても同じ傾向がみられます。

総世帯別消費動向指数

「実質消費」とやらが減少する理由が「独立して一人暮らしを始める世帯や、結婚して新婚生活を始める世帯が増えたため」だということは、この二つのグラフを比較すれば一目瞭然です。

で、私の中ではここまでで決着がついていたのですが、Twitterの中で私が明石氏のツイートが上記のような理由で「デタラメである」との指摘を行うと、いくつかの反論が返ってきました。

そして、ほぼ100%の確率で示されたのが以下のブログ記事です。

モノシリンの3分でまとめるモノシリ話

記事タイトル名は「おいおい,総務省統計局が怪しい数字を開発したぞ。みんな拡散して」となっています。

「総消費動向指数」と「家計最終消費支出」

彼らの指摘によれば、私の主張などこの記事の中で既に反論されている、いうわけです。

ブログの作者はもちろん彼らの教祖、「明石順平」です。

明石順平が同名のブログを作成していたことは前から知ってはいたのですが、何が書いているのか、大体想像がつくので、中まで入って読んだことはありませんでした。

ですが、私の主張が既に反論されている、とのことですから、少し見てみることにしました。で、現れたグラフが以下のグラフです。

20180501203523.png

私、前回の記事 で少し触れましたね。

「総世帯別消費動向指数」は、その名の通り、「世帯別」の消費動向指数です。ですが、「総消費動向指数」は、すべての世帯を合算した消費動向指数のこと。

GDPの項目で言えば、「家計最終消費支出」と同じものです。

計算式で言えば、「総世帯別消費動向」×「世帯数」を指数化したもの。

と。上記グラフのタイトルは、「平成17年基準家計最終消費支出」と書かれていますね。

これを見た瞬間、ピンときました。

今回と前回の記事は基本的に「実質賃金」や「実質消費」の正体を暴くことを目的としているわけですが、この話とは別に。

あちら側界隈で安倍内閣において「GDPのかさ上げ」が行われているとする論説をよく見かけることがありました。この事だな、と。

そう。「家計最終消費支出」とは、「GDP統計」の一項目である「民間最終消費支出」内に記されている項目のこと。私自身も記事を作成する際によく用いている数字です。「GDP統計の改定」については、実は私、改正が行われた段階で既に記事を作成しておりまして、

 第192回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より①
 第193回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より②
 第194回 「財政投融資債」とは何か?/「一般会計」と「財政投融資会計」の違い
 第197回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より③
 第198回 内閣府、GDP算出方法の改定/2016年第二四半期二次速報より④

以下の5つの記事の中で非常に「わかりやすく」ご説明しています。まあ、「わかりやすく」は私の自己満足なので、読む人によってはそう感じない方もいらっしゃるかもしれません。

作成した意義といたしましては、政府が作成した 地域経済分析システム「リーサス」 の開発などを前提に、いよいよ「ビッグデータ」を利用した、よりタイムラグの少ないGDP統計がスタートするんだなという期待感を受けてのものです。

私とすると、非常に前向きな期待感を以て作成をしたわけですが、この「GDP改定」があちら側の皆さんにとっては「安倍内閣によるかさ上げ」という判断になってしまうんですね。

「GDP統計」は実は「支出側」「生産側」「分配側」から見た3つのGDP統計がございまして、私たちがよく見かけるGDP統計は前期の内「支出側から見たGDP」になります。

今回の「指摘」を受けるまで、この 支出側GDPに関連したGDP改定は 第193回の記事 でご説明した「国際基準『2008SNA』」に関する改定だけだと思っていたのですが、実はこれ、明石氏のブログで説明されている「家計最終消費支出」には全く影響しない改定です。

2008SNAが導入されるまでは1993年の基準が導入されていて、何が変更になったかと申しますと、これまでは「生産側GDP」に「経費」として掲載されていた「研究開発費」を「支出側GDP」に計上されるようになった事。

「経費」として掲載されていた間は単年度で消え去ってしまっていたのですが、「支出側GDP」では「資産」として計上することができますので、一度掲載されると単年度で消え去ることはなく、所謂「減価償却」されるまでGDPに在庫として残っていくわけですね。

このように表現しますと、それこそまるで安倍内閣が都合よく基準変更したかのように思われてしまいそうですが、そもそも海外先進国では既にルール改正が行われています。まして1993年の基準を未だに使い続けていた方がおかしいのであって、特にGDPは海外の経済情勢と比較する目的で利用されることもありますから、ごく当然の改正だと私は思います。


「産業関連表」の更新

しかし、今回問題となったのはこの「2008SNA」に関する変更ではありません。

前述した通り、「2008SNA」が対象としているのは家計ではなく「企業」。ですから、「2008SNA」が変更されても「家計最終消費支出」が変動することはありません。

一瞬私も戸惑ったのですが、既に検証を終えている私としては原因を推察ことはそう難しいことではありません。私は「生産側GDP」の変動にしか影響を与えないと思い込んでいた、もう一つのGDP改定、即ち小タイトルにある「産業関連表」の変動です。

この事に関して、実は私自身の記事でも既に検証済みで、 第159回の記事 ではっきり書いています。

引用してみます。長文になりますので、読み飛ばしていただいても結構です。
【支出面から見たGDP】
「支出面から見たGDP」、つまり私たちが最も一般的に見ている「GDP」では、日本国の中で生産され販売された数多(あまた)の商品群の中から、代表的ないくつかの商品を抽出し、「加重平均」を取ることによって算出されています。
(「加重平均」の計算方法については第53回の記事 をご参照ください。)

第158回の記事 で「消費者物価指数」の「10大項目」のことを具にご紹介しましたが、消費者物価指数を算出する際も同じ方法がとられています。

ただ、「加重平均」を取る際に用いる「ウェイト」。

ウェイトとはすなわち、第157回の記事、第158回の記事 をそれぞれご参照いただければ「ウェイト」についてもイメージをしやすいと思うのですが、消費全体を10000と考えた場合、それぞれの項目の重要度が1万分のいくつになるのかということを指標化した数字のことです。

この「ウェイト」の決定方法として、「需要(支出)側から見たウェイト」と「供給(生産)側から見たウェイト」の二つの指標を用いて「支出側から見たGDP」は計算されています。よく名称として登場させている「コモディティーフロー法」とは、このうち「供給側から見たウェイト」を算出する際に用いられています。

「コモディティーフロー法」とは、「供給サイド」に於いて生産された「生産物」が、様々な流通過程。「運送」や「卸し」「小売り」等様々過程で発生する「経費」等を含めて、どのような経緯を経て消費者によって「消費」されるのか。

これを大本である「工業統計表」、「商業統計表」、「事業所統計表」(経済産業省)などから得られる基礎統計指標に、総務省が作成している「産業連関表」によって算出された「分配率」を各項目別にかけて算出された値が「供給(生産)側から見たウェイト」になります。この「供給(生産)側から見たウェイト」を算出するために用いられている計算方法を「コモディティーフロー法」といいます。

その品目数は工業統計表だけでも2000品目にも及ぶのだそうです。

一方、「需要(支出)側から見たウェイト」とは総務省が作成している「家計調査」や「家計消費状況調査」といった統計指標を用いて作成されます。

この二つの「ウェイト」を統合することによって名目GDPの内「家計最終消費支出」は算出されます。
統合の仕方としては、「支出側から見たウェイト」と「生産側から見たウェイト」の開き。これが大きければ「重要度が低い」と考えられ、ウェイトが少なめに、逆に開きが小さければ「需要度が高い」と考えられ、ウェイトも大きめに設定されます。

私自身が作成した記事ながら、よもやここまで詳細に記していたとは記憶していませんでした。ありがとう、昔の私。

引用記事中のページリンクは時間の都合上、ご容赦ください。

はっきり書いていますね。「産業関連表」が家計最終消費支出の作成に利用されていることが。

GDP改定において、この「産業関連表」が2005年基準のものから2011年基準のものに変更されたわけです。

で、明石氏のブログに掲載されていたグラフは、その「家計最終消費支出」に関連したグラフでしたので、私とすると、「ああ、あれか」とピンと来たわけです。

ですから私からすれば明石氏の主張などアベノミクスが失敗であったことにしたい連中の言いがかり以外の何者でもなく、今まで用いられていた2005年基準の産業関連表が2011基準の産業関連表に更新されただけの事。これを「アベノミクスのかさ上げ」と揶揄しているようにしか見えないわけです。

私が
総消費動向指数(名目)

こちらのグラフを理由に消費が活性化していることを提示。世帯別消費動向指数とのギャップは世帯数の増加にあり、一人暮らしや新婚生活を始める世帯が増えていることを指摘すると、

20180501203523.png

こちらのグラフを理由に「そんなかさ上げされたグラフなど信用できない」と反論をしてくる。テンプレートのようにしてこのパターンが繰り返されます。

ところが、最も最近議論した相手の方から、こんな指摘がありました。「明石氏のブログでは、『世帯数の増加』など織り込み済み」であると。

続きを記したいのですが、文章が長くなっており、若干仕事が入ってしまいましたので、本日の記事はここまで。

続きは「統計で人を騙す方法」というタイトルで記事を作成してみたいと思います。




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<継承する記事>第468回 ローザ=ルクセンブルクとリープクネヒトの処刑~スパルタクス団蜂起とその結末

第456回 までの記事で、ドイツが第一次世界大戦に参戦した理由を外交的な見地から、前回 までの記事で第一次世界大戦について「ドイツ国内の社会主義」という見地からそれぞれ記事にしてみました。

ナチスドイツは一体なぜ誕生したのか? というシリーズタイトルの話題に対して、

 1.「ドイツ」とは何か
 2.「オーストリア」の誕生
 3.ライン同盟結成までの「ドイツ」
 4.フランス二月革命とウィーン二月革命
 5.ウィーン体制と「ドイツ連邦」
 6.ドイツ関税同盟から見る「ドイツ」(大ドイツ主義と小ドイツ主義)
 7.ビスマルクの登場後のドイツ(シューレスヴィヒ=ホルシュタイン戦争→普墺戦争→普仏戦争)
 8.ビスマルクとドイツ帝国
 9.ドイツ国内における社会主義
 10.ビスマルクの失脚とその後のドイツ

といった流れで私のブログ風に言えば「解析」を行った後、前記した「外交的な見地から見るドイツが第一次世界大戦に参戦した理由」、そして「ドイツ国内の社会主義から見る第一次世界大戦」についてそれぞれ「解析」を行った感じになると思います。

わからないなりに調査し、裏付けを行い続けることでここまで深めていったシリーズですが、結果論からすると、これは非常に理にかなった方法であったと自負しています。

これは、現在私が書籍を購入して読んでいる、アドルフ・ヒットラーの「我が闘争」。これを読んでみた実感です。



念のために言っておきますが、もちろん私は無批判にヒットラーのことを礼賛することを目的としてこの記事やブログを作成しているわけではありません。あくまでも「客観的な」資料として用いるためにこの話題を記しています。

もし今すぐこの本を読みたいという方向けには、国立国会図書館デジタルコレクション のページからも読むことができます。

ただし、旧仮名遣いになっていますし、1ページ1ページクリックしてみていく必要がありますので、まあまあ読みにくいです。

私は上巻の前半までネット上で読んだのですが、特にiPhoneですとあまりに読みにくく、したがってPC上で読む必要があったため、中々読むための時間が作りにくかったことから、敢えて書籍を購入いたしました。

シリーズの最終目的であるこの「ヒットラー」という人物を記事にするには、まずこの人物のパーソナリティや考え方を理解する必要がある、と考えたがこの書籍を読むに至った理由です。そうしないとわからないと思ったんですよね。

現在はまだ上巻の後半部分を読み始めたばかりですので、まだその全体を把握しているわけではありませんが、上巻の前半部分を読んでみてまず感じた気持ちは、この本を読破するには、とある「前提条件」がいるということ。

そう。先ほど私が記したドイツの「近代にいたるまでの歴史」。これをハッキリと頭の中に入れた上でなくてはこれはまず読めないなと思いました。

内容に関する共感まで含めた「批判」は今後の記事で随時行っていくこととして、中世~近代までのドイツの歴史を先に学んでいなければ、言葉として理解できない、つまり解釈することが不可能であったり、誤った判断や受け止め方をしてしまうのではないかと感じる部分が大量にあるということ。

で、その内容でヒットラーを自分のそれまでの知識を前提に批判してしまい、疲れて全文を読まぬままに終わってしまいそうな、そんな感覚を非常に覚える内容です。

特に新聞やテレビ報道といった媒体に偏った情報収集を行っている皆さんにとってはそうだと思います。

この文章の中で彼はユダヤ人批判を行っているわけですが、この「ユダヤ人」という文字を、(批判を恐れずに言いますと)「韓国人」という言葉に変えて読むと、まるで現在の日本について語っているのではないかと錯覚するような内容です。

これ以上記すとあまりに差別的な内容になってしまいそうなので、「この話題」についてはこの場所でしか触れないつもりでいます。が・・・ひょっとすると後日触れることもあるかもしれません。(多分、触れます。)

ということで前置きはここまで。本題に入ります。


「ヴェルサイユ条約」に触れたいと思った理由

ヴェルサイユ条約って、その後の日本の歴史にも関わっていく実は大きな「ターニングポイント」であったりします。

日本のサイドから言えば、この「ヴェルサイユ条約」に中華民国側の意見が取り入れられなかったため、中華民国は条約に反発し、これに批准することはありませんでした。

詳しくは、

第124回 五四運動以降の中国(北洋政府)~なぜ日本は大東亜戦争を起こしたのか~ をご参照ください。

ざっくりとした概要としては、第一次世界大戦において日本は対独参戦をする折、ドイツが植民地化している中国の山東省を解放することを大義名分としており、実際にドイツ軍を撃破し、この地をドイツから奪還し、一時的に領有することとなりました。

この時中国の大統領であった袁世凱は「ドイツとの約束でこの土地をドイツ以外の国は領有することができないことになっている」事を理由に、日本に対して領有をすぐさま中止し、中華民国に返還することを要求するのですが、日本はドイツ相手に戦争をしているのであり、講和条約が締結され、日本が正式にドイツから山東省を取得するまで待ってほしい、と伝えます。

ですが、袁世凱はこれを聞き入れようとせず、賠償問題にまで発展しかねない状況が生まれたため、日本は当時孫文と話し合っていた内容を基に袁世凱に対して、所謂 対華21か条の要求 を行い特に山東省に対しては

・ドイツが山東省に持っていた権益を日本が継承すること

・山東省内やその沿岸島嶼を他国に譲与・貸与しないこと

・芝罘または竜口と膠州湾から済南に至る鉄道(膠済鉄道)を連絡する鉄道の敷設権を日本に許すこと

・山東省の港湾都市を外国人の居住・貿易のために新しく開放すること

という「要求」を行い、最終的にこれを認めさせます。

これに対して中華民国は講和条約において、日本が中華民国に山東省を返還することを盛り込むよう要求するのですが、当然完全無視されます。ヴェルサイユ条約は戦勝国から戦敗国に対する「講和条約」で、日本は「戦勝国」。

大戦において日本が戦っていた相手はドイツであり中華民国ではありませんから、当然の結果です。

で、同条約ではイギリスやフランス、アメリカからすればドイツの扱い方をどうするのかということを問題にしていますから、はっきり言って中華民国「ごとき」の片田舎の事なんぞどうでもよいわけです。後は日本との間で勝手にやってくれ、とこうなります。

ただ、実際にはこの後日本とアメリカを中心に締結された「九カ国条約」において日本から中華民国に山東省は正式に返還されることとなるわけですが。


「ヴェルサイユ条約」と「ハイパーインフレーション」

ですが。今回の記事のメインターゲットはこちら。

皆さんは、「ハイパーインフレーション」という言葉を時々耳にすることがあると思います。

私のブログでも、 第28回の記事 などで時々話題にしていますね。

経済学者のフィリップ・ケーガン氏の説によれば、「1ヵ月に50%を超える物価上昇をハイパーインフレの始まりとし、月間物価上昇率がそれを下回る期間が1年以上」続くことを「ハイパーインフレ」と呼ぶのだそうです。

私もずっとこの立場をとってきたのですが、国際会計基準の定めによりますと、「3年間で累積100%以上の物価上昇」をハイパーインフレと定義づけているのだそうです。

Wikiベースですが、日本の戦後で見ますと、「日本銀行の調査によれば、1934-1936年の消費者物価指数を1とした場合、1954年は301.8となった」(大東亜戦争の終結が1945年)とありますが、これも18年間での話ですから、さすがに「ハイパーインフレ」とは言えないかと思います。

さて。そんな滅多に起きることのない「ハイパーインフレ」。事例としてよく挙げられるのが 第28回の記事 でも話題にしました、「ジンバブエ」の事例ともう一つ、今回話題にするドイツの話題です。

ヴェルサイユ条約は基本的にアメリカが中心となって成立させたもので、この条約により「国際連盟」も誕生しました。

で、この内今回のテーマで問題となるのはドイツの「賠償責任」について定めた部分、同条約231条です。

231条
 連合国政府は、ドイツとその同盟国による侵略により強いられた戦争の結果として連合国政府、及びその国民が被ったあらゆる損失と損害を引き起こしたことに対し、ドイツとその同盟国に責任があることを確認し、ドイツはそれを承諾する。

232条
 連合国は本条約の他の条項によってもたらされる恒久的な資産の減少を考慮すると、そのような損失と損害を埋め合わせるのは 十分な資産をドイツは持ち合わせていないことを認識している。
 しかしながら連合国は、各国が連合国の一員としてドイツと交戦していた期間に、陸海空からのドイツの侵略によって連合国の民間人とその財産に対して与えられたあらゆる損害、及び本条項の付属書Ⅰに定められているすべての損害に対する賠償を要求し、ドイツはそれを承諾する。

まとめますと、

1.ドイツとその同盟国(ドイツ・オーストリア=ハンガリー・ブルガリア・オスマントルコ)は戦争を起こして対戦相手国の国民に対してたくさんの損害を与えたことをドイツは認めます。

2.連合国側も、ドイツが将来にわたって発生する損害まで賠償するだけの資産を持っていないことは理解しています。
  けれども、戦争中に対戦相手国国民に対して与えたあらゆる損害を賠償しなければならないことをドイツは認めます。

という内容ですね。

個人的な感想ですが、第一次世界大戦に関しては、はっきり言ってドイツが悪いと思います。ロシアに対して戦争を起こすことについては同盟国であるオーストリアを支援するという立派な大義名分があると思います。

ですが、そのために、つまりはロシアに勝利するためという理由で無関係なフランスに攻め込み、更にその進行方向にあるベルギーにまでも攻め込んだわけです。

更に事前の調査不足でロシアの戦力に対する見通しも甘すぎました。はっきり言えば自業自得です。

で、今回損害賠償を要求される相手となったのはそのフランスとベルギーです。特にベルギーは無関係すぎますよね。

ロシアと同盟関係にあったのはフランスでベルギーじゃありませんから。通り道にあって邪魔だから攻め込みますよ、と一方的に攻め込まれたのがベルギーです。で、この事でイギリスにまで宣戦布告するための口実を与えてしまったのです。

その元凶はヴィルヘルム二世。

冒頭に取り上げたヒットラーは「我が闘争」において、

「せめて日本がロシアに対して日露戦争を起こしたときにイギリスと協力してロシアに攻め込んでいたら、まず世界大戦になることはなかったよね」

とも言及しています。ヴィルヘルム二世はヒットラーの発想とは真逆で、日露戦争が勃発する前に中華民国山東省のキリスト教宣教師殺害事件に言いがかりをつけて山東省に攻め込み、山東省を植民地化しています。中華民国ではこれが理由で義和団事件から北清事変まで発展しているわけです。

北清事変中にロシアは勝手に満州を占領し、ここから撤退しなかったことが原因で日露戦争が勃発しました。

北清事変の時の芝五郎という人物の活躍に感動したイギリスは日本と同盟関係を結び、日露戦争の時は直接ではないものの、間接的に日本の勝利に貢献しています。

ビスマルクであればまず山東省を植民地化したりはしていないでしょうが、それでも植民地化してしまったことを前提として考えるのであれば、ひょっとしたらヒットラーと同じ発想をしていたかもしれません。

どこまで遡っても元凶はヴィルヘルム二世以外に存在しません。それでなくてもフランスは普仏戦争でビスマルクにぼろ負けして腹が煮えくり返るような思いをしてましたし、更に国内の人材が枯渇。味方はオーストリアしかいませんでしたし。

我が闘争を読んでみますと、ドイツ国内で社会主義者たちがのさばっていく理由も、特にイギリスによる「宣伝工作」の影響が大きかった様です。

ということで元凶はヴィルヘルム二世にあり、フランスやベルギーは「巻き込まれた」だけですから、両国に賠償しなければならないのは当然の話でしょう。

と、ここまでは私の感情を込めてみました。だってどう考えたってそうでしょう、と。


ドイツが課せられた「賠償責任」

ヴェルサイユ条約が締結されたのは、1919年6月の事。ですが、ドイツが支払うべき賠償金額が決まったのはそれから2年後、1921年の事でした。

金額が1320億金マルクで、これを30年払いで支払うことが決まったのだそうです。

66億ドルに相当するのだそうですが、現在の価値に直して一体どのくらいなのか、全くイメージができません。第一次世界大戦前のドイツの年間国民総所得の2.5倍の金額に相当するのだそうですよ。

で、敗戦後のドイツにそもそもこの金額を支払う能力があったのかどうか。更にドイツはその賠償金を外貨で支払うことが求められたため、自国通貨であるマルクを外貨に換えて支払う必要があります。言い換えればマルクを大量に売りさばく必要がありますから、当然急激な「マルク安」に襲われることになります。

賠償金を支払えば支払うほどドイツの債務はどんどん膨らんでいく・・・という鬼のような仕組みです。

ただでさえ戦前のドイツの国民総所得の2.5倍という莫大な金額であるうえ、ドイツ自身も戦争によって莫大な損害を受けているわけです。これに加えて為替変動でドイツの債務が雪だるま式に膨らんでいく状況ですから、ドイツとしてもついにその支払いを行うことができなくなります。

これに対し、特にフランスが強硬に反対する姿勢を見せ、ドイツにとってはその経済の中心地であるラインラントにある「ルール地方」。フランスは、ここの鉱山管理権を抵当に入れることを要求してきます。

ルール地方はドイツの炭鉱の中心地で、ウィーン体制の下でプロイセンに併合された後、ドイツ屈指の重工業地帯へと発展しました。その分人口も「爆発的に増加」したのだそうです。大戦当時のルール地方は、ドイツ最大の工業地域となっていたんですね。

一応フランスを擁護しておきますと、特にこのフランス側国境において戦場となったのはドイツではなくフランスやベルギー。両国とも炭鉱地帯に大きな損害を受けていました。

一方のドイツは敗戦国であるにも関わらず、その生産拠点であるルール地方は無傷。ですから、フランスがドイツに対してルール地方の鉱山管理権を・・・という件について、フランスの心情も理解出来なくはありません。実際フランスもアメリカやイギリスに対する債務を背負っていましたから。

ですが、ドイツからしてみれば国家が破綻しかねないほどに莫大な賠償金を毎年支払わされているのに、その生産の拠点であるルール地方を取られてしまってはそれこそ賠償の見通しがつかなくなってしまいます。

フランスは、最終的に1923年1月4日、ベルギー軍とともにルール地方占領を宣言、11日から占領を開始します。

ルール占領

これに対しドイツ政府。当時はワイマール共和政政府で、首相はヴィルヘルム・クーノ。ドイツ人民党という「右派政権」の首相だったのですが、彼がとった方法は「鉱工業従事者にストライキやサボタージュを呼びかける『消極的抵抗』」。更に国民の生活費をドイツ帝国銀行による「紙幣増刷」で対応しようとしました。

ええ。生産ラインが完全にストップした状態で、しかも国民が働くことを中止した状態で、紙幣増刷なんて馬鹿な真似をすればどうなるのか。結果は見え見えです。当然のようにして勃発したのが「ハイパーインフレーション」でした。

ただでさえ外国の支払いをマルクを外貨に換えることで賄っていた状況下での振る舞いです。

現在のわが国にも、「ハイパーインフレ」が起きるのではないかと盛んにあおり吹聴する人がいますが、実際に「ハイパーインフレ」が起きる状況が、いかに特殊な状況下であるのかということが非常によくわかる事例です。

「ハイパーインフレの起こし方」の非常にわかりやすいマニュアルですね、これは。


次回へ

さて。ドイツで勃発した「ハイパーインフレ」について、今回は概略とその結論のみを記事にしましたが、次回はもう少し掘り下げて、そもそも「ルール占領」が起きるまでのドイツ国内の動きと、ハイパーインフレがどのようにして収束したのか、そういった情報を記事にできればと思います。

例えば、敗戦直後は社会民主党の代表が首相になっていましたが、いつの間にか首相が「右派」に代わっていますね? どのような経緯でそうなったのかということについても記事にしてみます。

この他、ドイツ敗戦後のヨーロッパ地図なども追いかけてみる予定です。




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冒頭に記しておくと、今回の記事は、「実質消費動向指数」が下落しているからくりを明らかにすることを目的としています。

私自身としては、第457回の記事第458回の記事第459回の記事第463回の記事第464回の記事 において一通りの決着を見たつもりではいたのですが、やはりTwitterなどを見ていますと、「実質賃金の下落」を根拠として政権批判を行う投稿が後を絶ちません。

その終局的な目的には、やはり野党陣営の思惑があり、次期参院選にて「実質賃金の下落」を争点とし、安倍内閣を陥落、もしくは改憲を阻止できるところまで議席数を減らさせたいとする思惑があるのではないかと思います。

ですから、一部の投降者はこれを理由として、意図的にこの投降を行い続けているのではないかと思います。

私としては、このような誤った認識に基づく情報を意図的に拡散し、これを選挙に利用しようとする勢力があることはやはり我慢なりませんので、このような意見に対して意見を述べ、お互いにその交換を行うわけですが、何度納得させても同様の投稿が減りません。

多分私と議論して納得してくれるタイプの人は私が記しているような、「意図的に」投稿を繰り返しているタイプの人ではないのだと思います。

ですが、一部明らかにそうではない、私のアカウントを潰そうとする意図を持ったアカウントやそのグループによる攻撃を私自身も受けましたので、記事の終盤辺りでこの手法についても記事にしようと思います。


「実質賃金」の考え方

「実質賃金」に関しては、一部私と近いスタンスをとるユーザーさんの中にも、必ずしも正確とは言えない情報を広げている皆様がいらっしゃいますので、個人的にはこれも何とかしたいと思っています。

その大元となっているのは上念司氏が拡散している情報なのですが、私自身も 第38回の記事 にて同様の話題を記しています。

要は、景気の転換点で、就労者数が一気に増えた場合は、それまで無職者であって「給与所得者」にはカウントされなかった人たちが「給与所得者」となり、「低所得者」が激増するため、所謂「平均賃金」は一時的に下落しますよ、とする主張です。

ですが、そもそもこの考え方は名目賃金にのみ通用する考え方であり、実質賃金には通用しない考え方です。100%通用しないわけではないのですが(実質賃金の増減にかかわるのはその対象となる人が給与所得者である必要があるため)、特に「平均賃金」に絡めて述べる場合には通用しません。

実質賃金を考える場合のポイントとなるのは、名目賃金全体をひとくくりにして考えることではなく、名目賃金を「消費に回された部分」と「貯蓄に回された部分」に分けて考えることが必要になります。

復習を兼ねて、実質賃金の算出方法を図解入りで説明していきます。

【実質賃金の求め方】
① 名目賃金を同じ月に「消費された部分」と「貯蓄に回された部分」に分ける
実質賃金①

② Aを、同じ月に消費した物品やサービスの合計数で割る
実質賃金②


③ B を a で割る
実質賃金③


④A’とB’を足す
実質賃金④

「実質賃金」はこのような方法で算出することができます。これまでの記事でさんざんご説明してきた内容なのですが、どうでしょう。図解してみるとわかりやすいでしょうか?

皆さんのご家庭でもぜひチャレンジしてみていただけると嬉しいです。

上の図解説明の中で「1か月の給与所得総額」と記しているのがもちろん「名目賃金」、②で算出された「1万円」という数字が消費者物価に相当します。

で、図内にも記しています通り、名目賃金の内「消費した物品やサービスの数量(A’)」と消費に回さなかった名目賃金を使って「消費に回せる回数(B’)」を足すと「実質賃金」が出てきます。

このようなことを記すと、「政府が発表している方法と違う!」と大騒ぎする人が出てくるのですが、政府が発表している「実質賃金指数」の求め方、即ち

 実質賃金指数=名目賃金指数÷消費者物価指数(×100)

という式は、「指数」を求めるための計算式です。(なので最後に「×100」とついています)

ここから「指数」という言葉を削除すれば、当然「実数」を求めることができます。

上の図解図で、「名目賃金」は30万円、物価は2万円ですので、30万円を2万円で割れば15になります。私が上の事例で「実質賃金」だと言っている数字が同じ「15」という数字になっていますね?

ちなみに、実質賃金を他の年度と比較する場合、図解のA’の部分は変化しません。例えば昨年販売されていた10万円のテレビを今年は購入しなかったとしても、実質賃金を考える場合は「物価の変動を排除」しますので、

「昨年は10万円で1台購入したテレビを、今年は0円で1台購入した」

と考えます。ですから、実際に変動するのは上図の内、B’の部分。この人物が消費ではなく貯蓄に回された部分から算出される実質賃金のみです。

実質賃金としてカウントされるためには、この人が「給与所得者」である必要があるので、確かに昨年この人が無職者であった場合、「受け取った給与所得を一部貯蓄に回したことを前提として」実質賃金が増加することは事実ですが、この人が受け取った賃金をいくら貯蓄に回すのかはこの人次第ですから、実質賃金を考える場合、「就労率」を考慮することはナンセンスです。

むしろ就職が安定し、来年も労働者である保証が高くなれば、当然この人は消費を増やしますから、おのずと「実質賃金」は下落することになります。つまり、実質賃金の増減に「就労率」は本来考慮する必要はないということです。

この事を理解していない人がこの情報を拡散しようとしますので、これが「実質賃金下落悪玉論者」たちに餌を与えていることも事実なので、この誤った情報を拡散するのは正直やめてもらいたい・・・というのは私の本音です。


「消費者物価」は必ずしも「給与所得者」が起こした物価ではない

さて。先ほどの図解で、私はある特定の架空人物の「名目賃金」と「物価」から「実質賃金」を算出しました。

この人の「物価」が、ではすべての人に当てはまるかと申しますと、まず当てはまりません。この人が起こした、特定の「消費」からこの人物の「物価」は算出されます。

そして、この人物の「物価」から算出できる「実質賃金」は、この人物の「実質賃金」だけです。この考え方をまずご記憶ください。

政府が発表している「名目賃金」や指数は、「給与所得者」、つまり労働して給与所得を受け取っている国民のデータです。

ですが、「実質賃金」を算出する際、政府は「消費者物価指数(持家に帰属する家賃を除く)」で名目賃金を割って算出しています。

このやり方は正しいのでしょうか?

先ほどの図解事例ですと、この架空人物の実質賃金は、この人物が取得した名目賃金を、この人自身の「消費活動」から生み出された「物価」で割ることによって算出しました。では、この人の「実質賃金」を算出するときに利用した「物価」を、この人物が居住する町民全体の「物価」を利用したとしたら、正確な「実質賃金」を算出することができるでしょうか?

答えはNoです。この架空人物が購入すらしていない物品やサービスは、この人物の「物価」には全く影響しません。

例えば、この人物はあるパン屋で100円のアンパンを購入したとします。ですが、町全体でもっとも多く売れたのが200円のアンパンだったとしたら、当然この町のアンパンの「物価」は上昇します。

ですが、この人物が購入したアンパンはあくまでも100円のアンパンが1つですから、それ以上に上昇することはありません。

つまり、実質賃金を計算するのであれば、その対象となる人物、もしくはカテゴリーに属さない人物、もしくはカテゴリーを「物価」から除外して考える必要があるのです。

では、「名目賃金」を「消費者物価」で割るという計算方法はいかがでしょうか?

もうお分かりだと思いますが、「消費者物価」の中には「給与所得者」ではないカテゴリーが含まれています。例えば学生であったり、年金生活者であったり、無職者の情報も含まれています。情報を出しているのは販売店のはずですから、販売店ベースではその消費が「家庭」の消費なのか、「企業」や「団体」の消費なのかもわかりません。

つまり、「名目賃金」を「消費者物価」で割るという計算方法では正確な「実質賃金」を算出することは不可能なのです。

実質賃金を考える場合は、この事も意識しておく必要があります。


「明石順平」とは何者か?

それでは本題です。タイトルに突然登場させた「明石順平」という人物。ご存じない方からは「誰?」というツッコミが入りそうですが、簡単に言えば、「実質賃金下落はアベノミクスの失敗だ!」と主張している人たちが軒並み妄信している人物です。

アベノミクスによろしく

こんな本を出している人物です。最近はこんな本も出したのだそうです。

明石2_

私のブログのタイトルに実によく似ているので、非常に心外です。こんなデータを見る能力もない人が、私のブログのタイトルをまるでパクったかのようなタイトルの本を出版しているのは、非常に心外です。

この本が出版されたのは今年の2月、とのことです。私のこのブログが始まったのは2105年ですから、当然私の方が早いです。パクったという表現は私の思い上がりでしょうが、タイトルが非常に似通っているのは事実。非常に心外ですね。

しかもこの人、経済学者でもなく、単なる弁護士にすぎないんですよね。にも拘わらず、あたかも経済学者でもあるかのようにふるまって、「データ」をデタラメに解釈した情報を配信するの、真剣にやめてほしいんですけど。


明石順平氏説のどこが「デタラメ」なのか?

対象となる情報は以下のツイートです。


で、私彼のツイートに、以下のようなコメントを投稿しました。

①実質消費支出は、二人以上世帯のみのデータで、二人以上の名目消費支出を一人世帯、及びその他の消費者まで含めた全体の消費者物価で割っているので、本来平行線となるべき実質消費支出に、本来含むべきではない一人世帯、及びその他の消費者の物価上昇が反映されている。

②「物価」は「価格」の増減のみで決まる訳ではなく、「消費量」が伸びなければ増加する事はない。つまり、消費者物価の伸びは、「価格」に関わらず消費量が増えている事を示している。

③給与所得者に限定すると、「物価」とは受け取った名目賃金の内、「消費」に回された額で決定するため、一部例外を除き、物価の伸び率が名目賃金の伸び率を上回る事はない。例外とは、給与所得以外の収入、過去に蓄積した貯蓄、借入の3つ。

④実質賃金とは、つまる所、給与所得者が受け取った賃金をどれだけ貯蓄に回す事ができたのか、その増減を示す数字なので、名目賃金が上昇する中で実質賃金が下落するという事は即ち消費が活性化しているという事。ちなみに物価が上昇すると実質賃金は過小評価され、下落すると過大評価される。

以上の事から、明石氏のグラフは黄色線のみがデタラメなデータであり、他のデータは安倍内閣に入って「消費」が活性化している事を証明しているグラフである。

すると・・・見事にブロックされました。

じゃあなぜ彼のツイートを張り付けられているのかと突っ込まれそうですが、第三者のリツイートから取得することができました。

彼がツイートそのものを削除されたらグラフは消えてしまうので、彼のグラフだけ拝借して貼り付けておきます。

D5NqQqZUcAA7oYa.png

このくらいのグラフであれば私も作成することはできますが、あくまでこのグラフを作成したのは私ではなく明石氏です。


明石氏のグラフのウィークポイント

このグラフには一つだけ、ここを切り崩せば明石氏説は一気に崩壊する・・・というウィークポイントがあります。

それがグラフの黄色線。「実質世帯消費動向指数」です。

これに対して私が指摘したのは、
①実質消費支出は、二人以上世帯のみのデータで、二人以上の名目消費支出を一人世帯、及びその他の消費者まで含めた全体の消費者物価で割っているので、本来平行線となるべき実質消費支出に、本来含むべきではない一人世帯、及びその他の消費者の物価上昇が反映されている。

という指摘です。

つい最近まで、この「世帯消費動向指数」に関しては、「総世帯数」というデータがなく、「二人以上世帯」と「単身世帯」がバラバラで掲載されていたんですよね。ひょっとすると私が見つけられていなかっただけかもしれませんが。

ですから、その認識で指摘させていただいたのですが・・・あるんです。改めて見てみますと、「総世帯」の消費動向指数が、名実共に。

これに気づいたのは別の方と議論していた時に「消費動向指数」を見る様にと指摘されたので、改めて見てみたことがきっかけです。

で、私は例によって「実質値」が大嫌いですので、実質ではなく「名目」の「原系列」を見てみますと、以下の通りです。

総世帯別消費動向指数

最も古いデータが2002年の情報でしたから、2002年からの情報にはなっているんですが・・・減ってますね。

明石氏のグラフは実質ですが、これは「二人以上世帯」か「総世帯」か、「実質」か「名目」かに関係なく、下落してますね。

私が彼への指摘に掲載させていただいた内容は決して間違いではありません。あくまで明石氏のグラフが「二人以上世帯」の情報であったという前提において、ですが。

実質は名目を消費者物価で割った値ですが、これは「消費動向指数」も同じです。ちなみに「消費動向指数」とは、世帯ごとの「消費支出」をデータ化したものです。

実質化する場合は、本来「世帯別」の物価指数を持ってくる必要があるのですが、もちろん統計データとしては分母に世帯別ではなく、「消費者物価」を持ってきていますので正確なものは出ません。

出ませんが、同じデータを「名目」でやり直した場合もそう変わらないデータが出ています。

これはおかしい、と。

何度も述べていますように、例えば「消費者物価」は消費が増えなければ上昇しません。消費増税などで食料品など不景気でも変わらず消費されるものまで含めて一気に、強制的に「価格」が引き上げられたようなケースを除けば、たとえ物の値段が上昇したとしても、「消費」が増えなければ物価は上昇しません。

つまり、物価が上昇しているということは「消費」が活性化していることを意味しているのです。

そして「名目賃金」が上昇する中で「消費」が活性化するということは、名目賃金から消費に回される金額が増えるということですので、当然「物価」は上昇します。

そして当然「貯蓄」に回される「割合」は減少しますし、かつ物価が上昇することで実質賃金は過小評価されますので、当然実質賃金も下落します。

つまり、明石氏のグラフで黄色いライン、「実質消費動向指数」以外、すべてのデータが安倍内閣に入って消費が活性化していることを示しているのに、なぜ「消費動向指数」だけが下落しているのか・・・。

実は私、この事に気づいていなかったわけではないのです。ですが、明確な「答え」にたどり着けていませんでしたので、見てみないふりをしていたのは事実です。

で、この問題に一つの「光」がさしたのは、図らずも先ほどの「消費動向指数」を見る様に指摘なさった方との議論を通じて、でした。


もう一つの「消費動向指数」

先ほどの議論を行う際、私は最初、誤って次のグラフをデータとして掲載してしまいました。

総消費動向指数(名目)
こちらは、「総消費動向指数」と呼ばれるものです。もちろん名目のデータです。

いかがでしょう。明らかに増えていますね?

先ほどの青いグラフですと継続して2011年まで下落し、12年、13年と上昇した後、再び下落に転じていましたが、こちらの赤いグラフはリーマンショック直前の2007年まで上昇し、リーマンショック後急落。2010年には一時的に持ち直すものの、2011年には再び下落。

ですが、その後2012年以降2015年まで上昇し、増税年に一時的に下落した後、再び上昇に転じています。

どちらもの同じ「消費動向指数」です。

では、一体何が違うのでしょうか?


「世帯別消費動向指数」が下落していた理由

多分、勘の良い方であれば、二つの「消費動向指数」の違いを目にした時点で、その理由を一瞬で思いつくはずです。

「総世帯別消費動向指数」は、その名の通り、「世帯別」の消費動向指数です。ですが、「総消費動向指数」は、すべての世帯を合算した消費動向指数のこと。

GDPの項目で言えば、「家計最終消費支出」と同じものです。

計算式で言えば、「総世帯別消費動向」×「世帯数」を指数化したもの。

「総世帯別消費動向」は下落しても「総消費動向指数」は上昇する理由。それはたった一つ、「世帯数」が増えたからです。

いかがでしょう。ここで頭にクエスチョンマークが多発した人物は、案外と賢い方かもしれません。今の日本は既に「人口減少社会」に突入しているはずです。

にもかかわらず「世帯数」は増えている。しかも下落する「総世帯別消費動向」を帳消しにする勢いで増えているわけです。

どういうこと? と、私も必死に悩みました。ですが、答えはそう難しくありません。

家庭が「分派」、つまり、「独立」しているということです。


「総世帯別消費動向」が下落し、世帯数が増加するということ

例えば、これまで将来的な不安を抱え、家族と一緒に暮らしていた人が、新しく就職し、一人暮らしを始めた。
将来が安定し、結婚するカップルが増え、新婚生活が増えた。

そうしますと、当然一世帯当たりの構成人数は減少しますし、当然世帯当たりの消費支出も減少します。

ですが、これはどちらかというと望ましい傾向ですよね?

「消費動向指数」の項目の中には消費者物価指数のように、「10大費目別」のデータも掲載されているのですが、世帯別消費動向指数の中で下落していたのが「住宅」。消費者物価指数と同じであれば、この「住宅」には新築は含まれません。一番大きな項目は「家賃」です。

恐らく「持家に帰属する家賃」も含まれているものと思われますが、戸建ての家賃よりはアパートなどの家賃の方が少ないはずですので、ここも納得できる話です。

そして増加していた費目は「家具・家事用品」。独立する世帯が増えれば当然家具・家電製品への需要が高まりますから、新生活には欠かせない「費目」です。

こう考えると非常につじつまが合いますね。

つまり、「世帯別消費動向指数」が下落しているのは、子供が独立する世帯が増え、新生活を営む世帯が増えていることを意味しているということがわかります。

つまり、明石氏が示しているグラフは、、「世帯別消費動向指数」のデータまで含めて、アベノミクスが非常にうまくいっている様子を示したデータであることがわかります。

明石氏は、「名目賃金(青)の伸びが物価の伸びを大きく下回った」とも書いていますが、本日の記事でも図解入りでご説明した通り、「物価」は名目賃金の内「消費に回された金額」から形成されていますから、一部の例外を除き、名目賃金の伸び率が物価の伸び率を上回ることはありません。

明石氏のグラフですと、あたかも物価上昇率が名目賃金の伸び率を上回っているかのように見えますが、厚労省データではなく国税庁データを使って「名目賃金指数」を作成し、消費者物価指数と比較しますと、以下のようになります。

給与所得と消費者物価比較

厚労省データと国税庁データの違いは、「常用雇用5名以下の事業所」が含まれているかいないか。含まれているのが国税庁、含まれていないのが厚労省です。

そして「消費者物価指数」には何度も申していますように、「給与所得者」ではない消費者が起こした「物価」も含まれていますから、上のグラフでも名目賃金指数と比較する上での「物価指数」は高めに出ています。

また、先ほど「一部例外を除く」とお伝えしましたが、「例外」とは以下の3つ。

・給与所得者が、給与所得以外の収入源を持っている
・給与所得者が、借り入れを起こした
・給与所得者が、これまでに貯蓄した賃金を切り崩して消費にあてた

の3つです。以上の様な情報を頭に入れて先ほどのグラフを見ていただきますと、「名目賃金の伸び率が物価の伸び率を上回ることはありません」という指摘が決して間違いではないこともご理解いただけると思います。


ツイッターを通じて私のアカウントが受けた攻撃

本日の記事、少し長めになっていますので、読みつかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、もう少しだけ本日の記事にお付き合いください。

冒頭にお伝えしましたように、私は複数の記事を通じて名目賃金が上昇する中での「実質賃金(指数)の下落」を、実は消費が活性化していることを意味しており、景気指標としてはむしろ好意的に受け止めるべき情報であることをお伝えしてきました。

私としてはその考え方を一人でも多くの人に理解していただきたいと思うと同時に、実質賃金の下落=悪であるという誤った認識の下、安倍政権批判を行う投稿を少しでも減らしたいと思い、ツイッター上で1か月ほど様々な人と議論を行ってきました。

で、議論をしてくれる人は最終的には納得をして下さるのですが、私と同じ考え方を持った人の議論をサポートする目的で、

 「中には意図的にやってる連中もいるはずですから。

ツイッターだけでなく、いろんなところで「世論」を作り上げて、時期参院選に利用する気満々なんだと思います。

だからこそ、その論点を是非に潰したい」

との投降を行ったところ、その直後くらいから私のアカウントに対する攻撃がスタートしました。

その手法をお伝えして、本日の記事は締めくくりたいと思います。


「アカウント潰し」に使われた手法

①過去のツイートの大量リツイート

最初、始まったのは私の過去の投稿の大量リツーイト、という方法です。

私も別に私の投稿がリツイートされることには抵抗はありませんし、むしろ「何がよかったのかな・・・」くらいの気持ちでそのリツイートされる様を見ていました。

悪い気は最初していなかったということは事実です。

そのうち、そのリツイートされた投降を更にリツイートする人が現れました。

これも私は悪い感じは覚えず、むしろ、やはりうれしく思いました。ただ、その中に私自身の顔を直接認識することはできないものの、表情を除く輪郭が把握できる投降や、また私が応援する地元の議員さんを撮影し、ツイートした写真なども拡散されており、少し変な感じはしていたのです。


③私の過去の投稿に対する批判

内容は、東京都議会選の折、とある著名人が安倍首相の「こんな人たち」発言を取り上げて批判していたものを私が逆に批判した投稿です。

東京都議会選挙なのに、やけに「市民」という言葉を連発していたので、それを「都議会選なのに、『都民』でもなく『国民』でもなく、『市民』」が安倍政権批判を行っていたと暴露している」という批判を行った投稿です。

本日は2019年5月ですから、もう2年近く前の投稿です。

「市民」という名称がフランス革命などの「市民革命」の時代から本当に「市」に住んではいない一般人に対しても使われている言葉であることは私も重々承知していますし、あえて揶揄する目的で行った投稿です。

ですが、この投降に対する執拗な批判がスタートしました。批判を行ってきたのは2名です。

最初は軽くあしらっていたのですが、何となく嫌な感触を覚えました。


私の輪郭が見える写真を用いた中傷

先ほどお伝えした私の写真が私の知らないところで拡散され、その写真を用いた中傷が行われていることがわかりました。これも「わざわざ」中傷が行われていることを伝えに来た人がいたからわかったんですが、その人もいわば「グル」。

私のアカウントを攻撃しているメンバーと同じ目的を持った人物です。

ハッとさせられたのはこの時です。先ほどの私の投稿に対する執拗な批判も、ツイートの異常な拡散もすべて私のアカウントを攻撃することを目的として行われていたことに気づきました。

彼ら、彼女らが拡散している情報の中には私が信頼し、応援している議員さんの情報も含まれています。このままだとその人たちにまで被害が及ぶのではないか、と感じさせられました。

また、私が行っている投降の中には、私自身が特定されてもおかしくない投稿があることも事実です。

例え特定されたとしても、特段問題があるわけではありませんが、相手の異常さを考えるとさすがにまずいのではないか、と感じたわけです。

一瞬ぞっとする感覚を覚え、まずは大量リツイートを行った人物をブロック、再リツイートを行った人物をブロック、写真の拡散を行った人物、またはそれらにいいねボタンを押していた人物まで含めて軒並みブロックした後、その時点で私に絡んできていた一名のみを窓口としてブロックせずに残し、その人物の私に対する投降を軒並み通報しました。


Twitter社はこのような身に危険を覚える行為に対して全く対応しません!!

最後に窓口と残していた人物は、更に私の過去の投稿をスクリーンショットをとって保存し、仮に私がブロックしたとしても拡散し続けられる体制を既にとっていました。

彼をブロックしなかった理由はそこにもあったのですが、これらの通報に対して、Twitter社からの回答は、「これらの投稿には全く問題ありません」という回答でした。

恐らく、私のアカウントを攻撃してきた連中はこのようなTwitter社の対応を既に把握していて攻撃してきていたのでしょう。

やむを得ず最後の窓口となっていた人物もブロックしたわけですが、私はSNSを利用していて初めてこのような恐怖を覚えました。


まとめ

冒頭で、
Twitterなどを見ていますと、「実質賃金の下落」を根拠として政権批判を行う投稿が後を絶ちません。

その終局的な目的には、やはり野党陣営の思惑があり、次期参院選にて「実質賃金の下落」を争点とし、安倍内閣を陥落、もしくは改憲を阻止できるところまで議席数を減らさせたいとする思惑があるのではないかと思います。

という内容を記しました。

そして、実際にTwitterにて同様の書き込みを行ったところ私のアカウントが一斉に攻撃を受けたことを考えますと、これはおそらく事実なのだと思います。

たかがTwitterというSNSツールですが、これほどに恐ろしい一面を秘めていたことを改めて実感させられました。

私の事例は取るに足らない、ほんの一部に過ぎないかもしれませんが・・・。

野党を支持しているのはそれこそ「こんな人たち」ということです。もちろん与党の議員が全員そんな聖人君子かというとそんなことはありません。ほとんどの議員がなにがしかゆすられると困るような傷を抱えているのだと思います。

ですが、こんな姑息なことをしてくる連中を私は与党議員やその支持者で見たことがありません。

私は私自身が正しいと思う情報をきちんと自らの手で分析し、発信しています。私自身の正義感に基づくものです。世の中がより良き方向へと導かれるよう、今後も負けずに情報発信を行っていきたいと思います。




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