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第366回 2017年10月第48回衆議院議員選挙結果に対する評価

前回の記事では、特に私の居住する愛媛県第一選挙区の投票結果について記事にしました。

今回は、第365回の記事 で行った私の予測と、また同じ「比例代表制」をテーマとしまして、「九州ブロック」の比例代表結果を受けて、私が実感した「一票の重み」について記事にしてみたいと思います。


愛媛県第二選挙区の投票結果

)7愛媛県第二選挙区投票結果(2017

今回も前回と同じ Yahoo!みんなの政治 よりデータを拝借しました。

第365回の記事 で行った予測の通り、小選挙区制度での当選者は自民党村上誠一郎氏。

次点は維新の西岡新氏で、ここは私が期待した結果通りになりました。

ただ、今回の選挙では区割りの見直しが行われ、元々松山市が所属する「愛媛県第一選挙区」に該当していた地域の一部が「第二選挙区」に区割り変更されたわけですが、そのような第一選挙区から第二選挙区に変更された地域では横山氏の獲得した票数の方が多かったようです。

これは「松山市」における横山氏の「知名度」が影響したわけですね。

で、改めて 第365回の記事 で問題としたのは「比例代表制度」についてを問題といたしました。

西岡氏も横山氏も小選挙区、比例代表に重複立候補していますので、仮に小選挙区で落選したとしても、比例で復活する可能性があったわけです。二人が所属する比例ブロックは「四国ブロック」になります。

で、第365回の記事 で掲載した「産経・FNN合同世論調査」の結果では、

2017年衆議院選挙比例投票先

となっていまして、これを四国ブロックにも反映させると

 1位/自民 2位/自民 3位/希望 4位/立憲 5位/自民 6位/公明

となることを掲載しました。つまり、

 自民3、希望1、立憲1、公明1

が当選するわけです。

ですが、四国ブロックでは、立憲からはたった一人しか立候補していないこともあり、まさか立憲が入るとは思っていませんでしたから、立憲分が自民に行くのか、希望に行くのか、という内容で記事を締めくくっています。

個人的にはここに維新が食い込むことも想定されるため、比例票を維新に投じることも選択肢の一つとしてはあったわけです。結局自民に入れましたが。

ところが・・・。

比例ブロック投票結果(2017)

これが実際の比例代表四国ブロックの投票結果です。

 自民3、希望1、公明1、そして「立憲1」

となりました。

入りましたね・・立憲民主党。

中傷的に「右、左」を使うのはあまり好きではないのですが、それでもリベラルでもない人たちのことを「リベラル」と呼称するのは反吐が出るほど嫌なので、あえて「左」という表現を使いますが、「左」側の人たちの結束力を目の当たりにさせられたわけです。

もちろんここには左だけでなく、いわゆる「不動票」の中から、自民に票を入れたくない、と考えた人、そして「自民に票を集めすぎるのは問題だ」と考えた人たちの票が集まっているわけですが、それにしても・・・ね。

さて。この「左側の人たち」の結束力。これを強く感じさせられたのが最後の最後まで結果が出なかった比例「九州ブロック」。です。


1票の重み

比例ブロック投票結果九州(2017)

これが九州ブロックの最終結果です。

得票率としては、

 自民 33.81%
 公明 15.82%
 希望 18.11%
 維新 4.30%
 立憲 16.34%
 共産 6.54%
 社民 4.30%
 幸福 0.78%

で、定数は20名ですので、結果

 自民7、公明3、希望4、維新1、立憲3、共産1、社民1、幸福0

となりました。

今回の衆院選の最大の特徴は、投票日当日に台風が日本列島を直撃し、様々な地域で開票時間になっても投票箱が開票場に到着せず、開票日時が翌日に延期された・・・という珍事です。

私の居住する愛媛県でも同様の事態が発生し、肝心の愛媛県第一選挙区の開票が先送りされたわけですが、出口調査等の結果を受けて自民党の塩崎さんは開票締め切りと同時に全国で最も早く当確が出るなどし、比例の方も当日中に結果が出ました。

ところが、今回話題とする九州ブロックでは、「佐賀」と「沖縄」の二つの県において結果が決まらず、比例ブロックは最後の最後まで結果が出ない・・・という状況が続いていました。

佐賀県で繰り延べされたのは佐賀第二選挙区。同選挙区の唐津市から投票箱が届かなかったため、また沖縄県ではうるま市(沖縄3区)、南城市(同4区)、座間味村(同1区)の3つの地域から投票箱が届かなかったため、結果が先送りされました。

佐賀二区では希望の大串氏と自民の古川氏が、沖縄では第4選挙区で自民党の西銘氏と無所属の仲里氏が最後まで小選挙区の議席を争いました。

さて。問題なのは「比例九州ブロック」。

これらの地域で開票が始まるまでの比例ブロックの開票結果は

 開票率97%。
 投票率 自民33.92%、維新4.3%、社民4.22%

という状況でした。この時点で決まっていない議席は小選挙区2、比例ブロック2の計4枠。

小選挙区の得票状況からこのうち小選挙区枠は希望1(佐賀)、自民1(沖縄)はほぼ確定と思われましたので、この時点での計算では比例枠を自民1、維新1が獲得するもの・・・と私は考えていたのです。

第365回の記事 で「ドント方式」についてご説明しましたので、決まり方について詳細は同記事をご参照ください。

で、開票率97%の時点で自民票は33.92%です。自民の7議席目までは確定していますから、残る1議席。つまり自民得票率を7の次の8で割った数字が大切になります。

33.92÷8=4.24

となります。この時点で維新が4.3%(÷1=4.3)、社民票は4.22%(÷1=4.22)ですから、順当にいけば

維新4.3
自民4.24
社民4.22

とならぶこととなり、僅差ではありますが自民票が社民票を上回りますので、九州ブロックの残り2枠を自民と維新が獲得することになります。

ところが・・・

比例ブロック投票結果九州(2017)

結果は残り2枠のうち1枠を維新、残る1枠を自民ではなく社民が獲得してしまったのです。

唐津市の有権者数が58110人、うるま市の投票者数が51343人、南城市の投票者数が34488人、座間味村に関しては情報がありませんが、有権者数が496名。

決して少ない人数ではありませんが、この3市1村の投票結果が九州全体得票数645万3440票の投票結果を左右することとなりました。

自民得票率 33.92%→33.81%
維新得票率 4.30%→4.30%
社民得票数 4.22%→4.30%

たった1議席ではありますが、自民側からすれば0.11%、社民側からすれば0.08%の差が、九州比例ブロックの結果を、しかも残り3%の開票状況からひっくり返してしまったわけです。

社員の票数を逆算すればたった222票。自民の側から逆算すればたった2399票の差です。

そして自民側の2399票を伸び悩ませたのは、もちろん社民票だけではなかったということ。そしてこれがわずか3市1村で起こった政治劇であった・・・ということです。

たった1議席かもしれませんが、この1議席を獲得すれば自民獲得議席数は285席と、解散前を上回ることになっていました。

ですが、この議席を失ったことで自民獲得議席数は284と解散前と同数に終結したわけです。個人的にこの差は決して小さな差ではなかったと考えています。ここに、「左側の人たちの結束力」を垣間見ることとなりました。

自民党を支持する私としては、「勝って兜の緒を締めよ」。これを警告する「1票の重み」であったわけです。

どの政党を支持するのか。これは各人の自由だと思います。ですが、だからこそそのたった『1票』を大切にしていただきたいと思います。



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衆院選が終わりましたので、中断していた ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯 の記事へと戻りたいところなのですが、その前に、やはり今回の衆議院議員選挙の結果を受けて、私なりの論評を行いたいと思います。


愛媛県第一選挙区候補者としての塩崎恭久(やすひさ)代議士

塩崎議員当選
※塩崎候補当選シーン

この写真は私自身が撮影したものです。
投票日当日は台風が近づく暴風雨の中での選挙戦となりました。

私の居住する選挙区は、愛媛県第一選挙区ですので、まずはこのお話から。

正直なお話をしますと私は、特に2012年に、行われた第46回衆議院議員選挙当時は自民党の支持者でありながら、第一選挙区からの立候補者である塩崎さんの事を、心の底から支持はしていませんでした。

それでも安倍内閣に頑張ってもらうためには自民党議員を応援するしかないと、非常に消極的な理由で塩崎さんに私の一票を投じていました。

このブログで何度も触れていますように、私がすべての議員の中で最も信頼しているのは麻生さんです。私が政治に関心を持つ原点となったのも、自民党を支持する原点となったのも麻生内閣のせいです。

ですから、麻生内閣が崩壊したとき、私自身の政治の当時の状況に対する怒りは非常に激しいものがありました。

麻生内閣に代わって政権の座についたのは民主党内閣でしたから、この政党に対する怒りもありましたし、この政党を支持し、政権の座につくことを許した国民に対する怒りもありました。

ですが、それ以上に私が腹が立ってならなかったのは、麻生さんを支持し、自ら総裁として票を投じたはずなのに、同じ自民党員でありながらマスコミ報道に揺さぶられ、『麻生叩き』にまい進した数多くの自民党議員たちに対して非常に激しい怒りを覚えていました。

実際そのような不届きな議員の多くは2009年の総選挙において次々と落選していきましたし、「みんなの党」という政党を作った江田憲司や渡辺喜美などといった議員の様に、自ら自民党を離れていった議員も多く存在しました。

そして、そんな「麻生叩き」に走った議員の一人が塩崎さんだったのです。

2012年の選挙の時は、「麻生叩き」に走った時の感覚がまだ抜けきっておらず、どちらかというと上から目線で、

 「自民党は悪かったかもしれない。けれども自分は正しかった」

という主張が非常に目立つ演説を繰り返していました。あの時の塩崎さんは、いったいなぜ麻生内閣の時、自民党があれほどに大敗したのか、その理由をまったく理解していなかったのです。

ですが、今回の衆議院議員選挙における塩崎さんは全く違っていました。まるで別人の様でしたね。


「消費増税」と「消費税全額還元プラン」

選挙っていうのは、本来自分自身や政党の政策を訴える場であって、たとえそれが自分自身の政党であろうが、他の痛すぎる政党であろうが、その立候補者であろうが、「批判」を行うための場ではないはずなんです。

私たちが聞きたいのは、そんな「批判」や「誹謗中傷」ではなく、いったいあなたがどんな政策を実行してくれるのか、あなたの政党がどんな政策を実行してくれるのか。そのことによって私たちの生活はどのように変化するのか。

そういった内容が聞きたいのです。

今回塩崎議員は、特に「塩崎やすひさと語る会」というミニ集会を通じて、自分自身の政策、そして「安倍内閣」の政策を訴えることを非常に大切にしていました。

どんな内容であったとしても、それが説得力を持つのか持たないのか。それはその内容を訴える本人がその政策をきちんと理解できているのかどうか。自分自身の中に落とし込めているのかどうか。これにつきます。

今回安倍内閣が解散総選挙を実行したその理由の中の一つに、

2019年10月に引き上げられる消費増税分を、当初の予定より変更し、増税分を借金の返済ばかりでなく、少子化対策などの歳出により多く回す。

という内容がありました。

ですが、第358回の記事 において私が記事にしましたように、『「消費税収」は元々「国債の返済」になど充てられることにはなっていない』のです。

消費税による税収は元々「高齢者医療」「年金」「介護」の3つにしか利用することはできず、民主党内閣当時に自民・民主・公明の3党で増税が合意された折に初めて消費税による税収の様との一つに「子育て支援」が追加されたのです。

消費税収は「国債の返済」に充てることは元々できません。

実は、今回の衆院選においてこのことをはっきりと言葉にしていたのが塩崎議員です。

そして、増税時にその用途として「子育て支援」は含まれていたものの、「教育支援」が含まれていなかったことを述べ、10%増税時に増える税収の一部をこれまでお約束していた4つの財源ではなく、「教育」にも充てていくことを明確に言葉にしました。

私は塩崎さんの演説しか耳にしていませんから、他の選挙区においてどうだったのかは知りませんが、少なくとも塩崎さんの演説を耳にする限り、塩崎さんはこの「消費税」という仕組みや、「社会保障」という仕組みをきっちりと理解されているのだと、3つのミニ集会に参加して、これをヒシヒシと実感させられました。

これともう一つ、塩崎議員の演説の中に、どう考えても麻生さんの「消費税全額還元プラン」を意識したとしか思えない内容がたびたび登場しました。


私のブログでは、麻生さんの「消費税全額還元プラン」について、第34回の記事 で初めて触れています。

上記動画でこの「消費税全額還元プラン」の事をはっきりと知ることができます。5分40秒あたりからです。

この動画の中で、麻生さんの言葉として以下のような言葉が紹介されています。

「財政運用の仕組みが国民に見えやすいという視点は重要。

これと関連して例えば国から取得したアカウントでシステムにアクセスすれば、いつでも正確な年金を参照でき、将来のシミュレーションもできるといい」

「やはり実行するからには、世界で最も先進的なやり方を検討したい。すべての行政機関や病院、学校とつながるようにしてほしい」

今回塩崎さんが盛んに述べていた内容は、これを前提としたもの。「医療・介護システムのICT化」が話題の中心として挙げられていました。

お隣の韓国では既にこのシステムが導入されていることを挙げ、例えば他の医療機関で処方されたお薬が、いわゆる「ドクターショッピング」が行われた際に重複して処方されたり、場合によっては組み合わせによって死に至るようなお薬が処方されたりしない様、医療機関をICTで横断的につなぐことで、単に医療費の抑制につなげることだけではなく、人の命を守るような仕組みを実現させることに塩崎さんは言及していたのです。

まあ、これが「もともと麻生さんが考えていたものだ」なんて指摘すると、塩崎さんは怒り出すかもしれませんけどね。

厚労大臣時代に、これらのプランを図面化し、「置き土産」として厚労省に残してきたのは他ならぬ塩崎さん自身なのですから。

消費増税よって増えた税収は、このようなシステムを完成させるために利用されるわけです。もちろんそれ以前に、消費増税を行えば私たち国民の負担は増加するわけですから、増税を行う前に、「増税を行える状況にする」ことが必要だってことは当たり前のことです。

つまり、第4次安倍内閣の政策の目標は

 「消費増税を行える状況にまで日本国経済を成長させること」

にあるわけです。これは塩崎さんもそうですが、今回政調会長を務めることとなった岸田さんも様々な番組で言葉にしていましたね。

岸田さんもまた塩崎さんと同じ「財政再建派」の一人であったはずの人物ですから、このような財政再建派の人たちが財政再建ではなく、「財政出動」に言及するようになったということは、それだけ自民党内における意識改革が進んだことを示しているものと考えられます。

まあ、それでも「消費増税を行うべきではない」と主張している人たちには納得がいかないかもしれませんが、私自身としては「それでも消費増税を行わなければならない理由 として、これほど完璧な答えはなかったように思えます。

今回の私の大切な「1票」は、魂を込めて塩崎前厚労大臣に投じられました。

今回の衆院選における当確は、全国で最も早く塩崎候補に出されました。

肝心の愛媛県第一選挙区では、離島から投票箱が届かないため、開票そのものが翌23日9時半以降に繰り延べされたにも関わらず、です。

それだけ圧倒的だったということ。

改めて塩崎さん、

 当選おめでとうございました!!

記事としては、その他の選挙結果についての評論も知るするつもりだったのですが、少し記事が多くなってしまいましたので、その内容は改めて次回以降へとゆだねたいと思います。



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形としては第48回衆議院総選挙に関連して、第365回の記事 を引き継ぐ形で記事を作成するわけですが、今回はいつもとは違い、政治的なイデオロギー色を薄めて、単純に、「比例代表制度」という選挙制度について検証してみたいと思います。

というのも、私が居住している愛媛県、第2選挙区の立候補者の状況が、なかなか興味深いものとなっていることから、いつもはそれほど意識しない「比例代表制度」についていつも以上に関心を抱いた頃がその理由です。

愛媛県は選挙区が第1から第4まであり、私が所属している選挙区は第1選挙区。立候補者の状況はこんな感じです。

【愛媛県第1選挙区】
衆議院選挙2017愛媛県第1選挙区

画像は Yahoo!みんなの政治 より拝借しました。

私は自民党を支持していますので、もちろん塩崎候補に票を投じます。

問題となるのは第2選挙区。
【愛媛県第2選挙区】
衆議院選挙2017愛媛県第2選挙区

今回の愛媛県第2選挙区はいろいろといわくつきの選挙区。

まず第1に、今回の衆議院選挙から愛媛県では区割りが見直され、これまで第一選挙区として区割りされていた松山市の一部地域が2区になってしまったこと。


このことによって、今まで塩崎さんに票を投じることができていた塩崎さんの支持者が塩崎さんに票を投じることができなくなってしまったのです。そして、自民党支持者が票を投じることができる相手が先ほどの票に名前のある「村上誠一郎」氏。

ですが、この村上誠一郎氏、実は自民党議員としてもあまり評判が良い方ではありません。これが2つ目の「いわく」です。


3つ目のいわくなのですが、この第2選挙区は、あの「今治市」が所属している地域。そう、あの「加計問題」で話題となったあの今治市です。

記事としては、第356回の記事 で掲載しました通り、「加計問題」はそもそも今治市が「学園都市構想」を実現するために、土地は1983年から、財源は2005年から、ずっと用意してきていたものです。

「加計学園構想」とはまさしく今治市の「経済成長戦略」の一環なのです。

問題なのは、肝心の村上誠一郎がこのことを全く理解していないこと。彼はまるで野党です。

一方、このことをきちんと理解しているのは西岡新氏。第一選挙区の塩崎候補の秘書を元々務めていた人物です。

このシングルイシューで決めるのもどうかと私自身思いますが、村上誠一郎氏は加計問題だけでなく、一事が万事こんな感じですので、自民党支持者の中には彼には票を投じたくない、という人も少なくはないはずなのです。


また更に、第4のいわく。ここに立候補するもう一人の人物、横山博幸氏です。

彼はもともと「民主党」に所属していた愛媛県議会議員でした。2007年ですから、第一次安倍内閣~福田内閣にかけての頃です。
ですが、2013年。政権与党を務めた民主党のダメっぷりが明らかになると彼は民主党を離党し、「みんなの党」に入党します。

更に2014年にはこの度は「維新の党」より衆議院議員として立候補。なんと比例で復活当選してしまいます。

そして2016年、維新の党と民主党が合流したことで今度は「民進党」議員に、そして今年、2017年にはその民進党も離党し、今回の総選挙では「希望の党」の議員として立候補するのが彼、横山博幸氏です。

私には、彼は政治信条とは関係なく、自分自身にとって有利な党に所属し、次々と離党を繰り返しているようにしか見えないわけです。(維新の党→民進のケースは特殊ですが)

横山氏は更に、前回の衆院選小選挙区で、全国で最低の得票数を記録していながら、比例では「維新票」が集まったために彼は当選してしまったのです。


この様な状況ですので、もし私が愛媛県第二選挙区であったとすれば、私が票を投じるのは西岡新氏です。

ただ、それでも村上誠一郎氏にとっては盤石な地盤であることは確かですから、おそらく小選挙区では村上誠一郎氏が当選するでしょう。そうすると、西岡新氏も横山博幸氏も、「比例区」に回ることとなります。

今回の政党の支持率を考えると、おそらく「維新」ではなく「希望」に票が集まると考えられます。ですが、私には愛媛県第2選挙区において、西岡新氏を応援する理由はありますが、横山氏を応援する理由はありません。

比例区において維新より立候補する西岡氏が落選するのに、横山氏が当選するのはやっぱり違うのではないか、と思うのです。

私は比例区でももちろん自民党に票を投じるつもりです。ですが、四国ブロックで唯一維新より立候補する西岡氏のために、私の1票を自民ではなく維新に投じるのもありなのではないか、と考えたのことが「比例制度」に関心を抱くこととなった理由です。


比例代表制度ではどのようにして当選者が決まるのか

前置きがとても長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

ニュース的な題材として、産経ニュースより報道されていた、以下のニュースから取り上げてみたいと思います。

【産経・FNN合同世論調査】
比例で希望、立憲民主が拮抗 小池都知事の支持率は66%から39%に急落

2017年衆議院選挙比例投票先

ニュース情報はリンク先にてご覧ください。

私が利用したいのは先ほど掲載した「表」の内容です。すなわち、次回衆議院選挙における比例代表への投票先一覧。

出口調査において、「あなたは比例区はどの政党に票を投じますか」という質問に対して、回答者が行った回答内容です。

自民党 32.9%

希望の党 15.0%

公明党 8.5%

共産党 5.4%

立憲民主党 14.6%

日本維新の会 4.8%

社民党 1.0%

日本のこころ 0.9%

では、この数字の通りに特定の比例区に対して票が投じられたとしたら、いったいどの党が何議席ずつ獲得することになるのでしょう?

比例区では、当選者を決めるときに「ドント方式」と呼ばれる計算方法が用いられます。


ドント方式って何?

なぜ「ドント方式」と呼ばれるのかという理由は割愛しまして、さっそくその計算方法に入ります。

ドント方式では、まず各政党の得票率を「1」で割ります。

当然の話ですが、計算結果は

表1
自民 32.9 
希望 15.0
公明  8.5
共産  5.4
立憲 14.6
維新  4.8
社民  1.0
日ころ 0.9

となります。次に、先ほどの「得票率」を「2」で割ります。

表2
自民 16.5
希望  7.5
公明  4.3
共産  2.7
立憲  7.3
維新  2.4
社民  0.5
日ころ 0.5

次に、得票率を3で割ります。

表3
自民 11.0
希望  5.0
公明  2.8
共産  1.8
立憲  4.9
維新  1.6
社民  0.3
日ころ 0.3

続きまして、この表1から表3までの書く項目を同じ一つの表に並べてみます。

表4
自民 32.9
自民 16.5
自民 11.0
希望 15.0
希望  7.5
希望  5.0
公明  8.5
公明  4.3
公明  2.8
共産  5.4
共産  2.7
共産  1.8
立憲 14.6
立憲  7.3
立憲  4.9
維新  4.8
維新  2.4
維新  1.6
社会  1.0
社会  0.5
社会  0.3
日ころ 0.9
日ころ 0.5
日ころ 0.3

わかりやすいよう、党名準に並べてみました。次に、各項目を、数字が大きい順に並び替えてみます。

表5
1 自民 32.9
2 自民 16.5
3 希望 15.0
4 立憲 14.6
5 自民 11.0
6 公明  8.5
7 希望  7.5
8 立憲  7.3
9 共産  5.4
10 希望  5.0
11 立憲  4.9
12 維新  4.8
13 公明  4.3
14 公明  2.8
15 共産  2.7
16 維新  2.4
17 共産  1.8
18 維新  1.6
19 社会  1.0
20 日ころ 0.9
21 社会  0.5
22 日ころ 0.5
23 社会  0.3
24 日ころ 0.3

この順位が、比例代表制における「当選順位」になります。このような計算方法を「ドント方式」と呼びます。
※実際は更に÷4、÷5と計算は繰り返されることになります。例えば自民の32.9÷4は8.2になりますから、自民は更に6位の公明等の下、7位にもランクインすることになります。÷5ですと5.5になりますから8位の立憲と9位の共産の間に入る形となり、それ以降の順位は下にずれていきます。

四国ブロックでは当選者が6名ですから、上から6番目まで。

 1位/自民 2位/自民 3位/希望 4位/立憲 5位/自民 6位/公明

が「当選者」となります。つまり、自民3、希望1、立憲1、公明1、と。

FNN・産経合同の出口調査の結果を参考にするのであれば、残念ながら維新は比例区でも票を獲得することができない、ということになりますね。

ですが、「希望」は1名当選することになりますね。では、この1名は一体誰になるのでしょうか?


「名簿順位」が同じ順位であった場合の当選者の決まり方

「比例区」には、立候補者の名前がしるされた「名簿」が存在し、その名簿に記された立候補者の名前には「順位」がつけられています。

例えば「希望の党」の名簿順位は以下のようになっています。
名簿順位-名前
1 仁木 博文(徳島1区)
1 小川 淳也(香川1区)
1 玉木雄一郎(香川2区)
1 富永 喜代(愛媛1区)
1 横山 博幸(愛媛2区)
1 白石 洋一(愛媛3区)
1 桜内 文城(愛媛4区)
1 大石  宗(高知1区)
9 藤岡佳代子
10 鎌江 一平

ちゃんと入ってますね、横山博幸氏。ですがよく見てください。「名簿順位」が1番の人が、なんと8名もいます。

まさか希望が議席を獲得することになったら1位の人が全員当選するのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。ここで問題になってくるのは、「惜敗率」と呼ばれる数字です。


「惜敗率」って何?

「惜敗率」というのは、例えば愛媛県第二選挙区で当選したのが村上誠一郎氏であった場合。

前回、第47回衆議院議員選挙の構図も今回と同じなので、前回の得票数を参考にしてみます。

前回、第47回衆議院選挙における愛媛県第二選挙区の「得票数」は以下の通りでした。
村上誠一郎 57,168票
西岡  新 30,277票
横山 博幸 22,677票
植木 正勝 8,912票

と、こんな感じです。「惜敗率」とは、小選挙区で敗れた立候補者の得票数が、当選者の得票数の何%になるのか、という数字です。

例えば、上表の事例で言えば西岡新氏の得票数は30227票、村上誠一郎氏の得票数は57168票ですから、

 西岡新氏の惜敗率=30227÷57168=52.8%

一方、横山博幸氏の得票数は22677票ですから

 横山博幸氏の惜敗率=22677÷57168=39.6%

となります。前回の横山氏の惜敗率は西岡新氏の惜敗率を下回っていたにも関わらず、前回の衆議院議員選挙では横山氏以外に維新から立候補した立候補者がいなかったために当選することができた・・・というのが横山氏が前回の衆議院議員選挙において比例で復活当選することができた理由です。

基本的に名簿順位が同じ順位の立候補者は「重複立候補者」です。

つまり、「小選挙区」と「比例区」の両方から立候補しているのです。

ですので、同じ希望の党から立候補している他の同じ名簿順位立候補者で、横山氏の「ライバル」となるのは

 「小選挙区で他の立候補者に敗北した立候補者で、比例区に重複して立候補している者」

ということになります。もちろん希望の党のより多くの重複立候補者が小選挙区を勝ち抜くのであれば、横山氏が当選する確率はより高くなるわけですが、今回の選挙の構造として、今回の衆議院議員選挙では野党が完全にバラバラになりましたから、それぞれが協力して票を融通しあうようなことはありません。

ぶれずに、まじめに政治に取り組んできた自民党の「対抗馬」がお互いに票を奪い合う様な構造となるわけです。

自民党と希望の党の一騎打ちとなるのは香川県第1選挙区のみ。もちろん香川県第二選挙区(玉木雄一郎)や愛媛県第三選挙区など、そんな中で希望が自民党を食ってしまいかねないような選挙区も当然あるわけですが、他の選挙区には軒並み共産党が立候補していることもあり、西岡氏と村上誠一郎氏という2人の強敵に対峙する横山氏が惜敗率で他の希望の党立候補者を上回るような結果を残せるかどうかは、疑問がありますね。

FNN・産経による調査を参考とした結果では四国比例区は自民3、希望1、立憲1、公明1となるわけですが、私には今の四国ブロックで立憲民主党がそこまでの票数を獲得できるとは考えられません。

全国予測の立憲票が一体どこに流れるのか。個人的には、自民4、希望1、公明1あたりの当選数となるのではないかと考えているのですが・・・果たして。

第47回衆議院議員選挙、比例四国ブロックを勝ち抜く立候補者は一体どの政党の、どのような人物になるのでしょうか。

「小選挙区」だけでなく「比例区」にも改めて関心を持ち、その結果を楽しみにしたいと思っています。



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この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


今回も第363回の記事 同様、カテゴリーとしては 「物価」の見方 としてはいるものの、本日2017年10月15日(日)、来週末10月22日(日)の第48回衆議院総選挙を控え、第363回の記事 を継承する形で2012年12月に成立して以来、4年10か月の「安倍内閣の成果」を今回は「消費者物価指数」の視点から見てみます。

改めての復習ですが、「物価」というと皆さん店頭で並んでいる商品の「売価」をイメージされるかもしれませんが、それは単なる「店頭表示価格」であり、「物価」ではありません。

例えばA店の店頭で10万円のエアコンと20万円のエアコンが並んでいる様子を考えます。

多くの人は、「10万円」も「20万円」もそれぞれエアコンの「物価」だと考えるかもしれません。ですが、それは違います。

A店において10万円のエアコンしか売れなければA店のエアコンの物価は10万円。逆に20万円のエアコンしか売れなければ20万円がA店のエアコンの「物価」です。

つまり、店頭でいくらの値段がついて販売されていようが、実際にその商品が購入されなければ、それは「店頭価格」であって「物価」にはなりません。消費者が購入して初めて「物価」になるのです。

実際にはエアコンは1台しか売れないわけではないでしょうし、ひょっとすると10万円のエアコンが10台、20万円のエアコンが20台、なんていう売れ方をするかもしれません。

この場合は販売された台数を「ウェイト=重要度」と考え、

 {(10万×10)+(20万×20)}÷(10+20)=16万円

となり、この16万円がA店におけるエアコンの「物価」となります。

このような計算方法を「加重平均」と言い、この「加重平均」を繰り返し行うことで最終的な「消費者物価指数」は算出されています。(加重平均の詳細は 第53回の記事 をご覧ください)

ですから、例えば安倍内閣で本当に賃金が伸びず、消費者が安いものしか購入することができていないのであれば、いくら店頭における「店頭売価」が上昇していたとしても、本当にその商品が購入されていなければそれは「物価」としては計上されません。

消費者物価指数が上昇しているということは即ち消費者が店頭で実際に支払った「購入金額」が上昇していることになります。


この「消費者物価指数」の中には、先ほどご説明した、「店頭で実際に購入された金額」が物価として計上されていくわけですが、同じ物価でも、その上昇する理由が国民のお財布事情に関係なく上昇する場合があります。

その代表的なものが「原油」。そして「生鮮食品」です。

原油の相場を決めているのは、日本国内の消費事情ではなく、主に「投機市場」。つまり、日本国内ではなく海外で、原油が「投資対象」として売り買いされた際の相場価格によって原油の値段はきまっていきます。

ですから、いくら日本国民が安い原油を買おうと思っても、海外で販売される原油価格が日本国民が望む金額よりも高く取引されていれば、必然的に「原油」の物価は高くなります。これが日本国内で販売される「ガソリン」や「灯油」、そして原油を原料として生み出される製品の価格に反映されることとなるのです。


「エネルギー」CPIの影響

「消費者物価指数」は、略称で「CPI」と呼ばれます。CPIは大枠で、すべての物価を含んだ「総合」、「生鮮食品」を除いた「コアCPI」、「食料及びエネルギーを除く総合」という2つの「CPI」が存在し、それぞれ「CPI」「コアCPI」「コアコアCPI」と呼ばれています。

「生鮮食品」が除かれるのは、生鮮食品が天候の影響を受けやすく、日本国内の景気動向とは異なる動きをすることが理由です。

そして、安倍内閣や日銀が目指している「物価上昇率」はこの3つのCPIのうち「コアCPI」の2%上昇を目指しているのですが、ここには「エネルギーCPI」が含まれています。前述した通り、エネルギーCPIは日本国内ではなく、「海外」のしかも「投機動向」の影響が反映されることから、いくら日本国内で頑張ったところで、海外で原油価格が大幅に下落したのでは意味がありません。

そこで、生鮮食品に加えてこの「エネルギー価格」を除いた物価動向を示す数字が欲しいところなのですが、今年度がスタートするまで、実はこの「生鮮食品及びエネルギー価格を除く総合」という指標は存在しませんでした。

正確には「日銀版コア」と呼ばれ、2015年11月より日銀によって公表されていた、統計局データとしては存在していませんでした。

代わりに、存在したのが「食料」全体とエネルギーを除く総合=「コアコアCPI」であったのですが、「食料」の中には天候の変動を受けないものも多く存在し、項目の重要度を示す万分率に換算された「ウェイト」は生鮮食品の414/10000に対し、生鮮食品を含まない食料は2209/10000ですから、食料全体のCPIを取り除くことは決して適切ではありません。

このことから、今年度に入って統計局は正式に「日銀版CPI」をこれまでの「コアコアCPI」と同じ位置での掲載を始めました。事実上、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が「コアコアCPI」としてのポジションを獲得した形になります。

【消費者物価指数(前年同月比)の推移/2014年1月~2017年8月】
CPI(前年同月比)推移
※少し小さくて見えづらいかもしれませんが、クリックしていただきますと画像は大きくなります。

こちらの画像は、これまで政府・日銀が物価目標としていた「生鮮食品を除く総合」と新しく指標として登場した「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、そして「ガソリンCPI」の3つを示しています。

ガソリンではなくエネルギー全体で表してもよいかな、とは思ったのですが、電気代等はどちらかというと電気代の自由化の影響で日本国内の事情も反映されていることもありますので、あえて「ガソリンCPI」の動向に絞ってみました。

赤い横線が前年同月比0%、青い縦のラインは「ガソリンCPI」の前年同月比が0%を割り込んでから再び0%を上回るまでの期間を示しています。

グラフは、消費増税が行われた2014年度が始まる直前。2014年1月から最新の2017年8月までの推移を示しています。ガソリンの動向が激しいので、コアCPI、新コアコアCPIは左軸に、ガソリンCPIは右軸に数値を掲載しています。

黄色のラインが「生鮮食品を除く総合」、オレンジのラインが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、そしてグリーンのラインが「ガソリンCPI」です。

「前年同月比」の推移を示していますので、グラフが右下がりになっていますと、あたかも前年度より物価が下落しているかのような錯覚に襲われますが、実際には0%赤い横ラインを下回るまでは物価は上昇し続けています。

特に、2014年度に「消費増税」がおこなれて以来、あたかも消費者物価が伸び悩み、むしろ下落し続けているかのような印象を私たちはマスコミ報道等を通じて刷り込まれてはいないでしょうか?

まず第一に、増税が行われた後も、増税年度である2014年7月まで、政府日銀が物価目標としています、「コアCPI」は上昇し続けています。7月から8月、9月にかけて、ガソリンCPIの「前年同月比」が8.7%から2%に急落しますが、それでも「コアCPI」は前年度割れなどしていませんね?

7月の1.6%から1.3%に、「緩やかに下落」しただけです。

この間、「新コアコアCPI」は、増税以来7月に一時的に「1.1%」に物価上昇率が上昇しはしていますが、10月まで「1%の物価上昇率を維持」しています。

そして10月から11月にかけて、ついにガソリンCPIが前年度割れを起こすのですが、これに伴って「物価上昇率」が下落するのは「コアCPI」のみであり、確かに「新コアコアCPI」は11月、一時的に1.0%から0.8%に、2015年3月から4月にかけてさらに0.6%に「物価上昇率が下落」するものの、それ以降「新コアコアCPI」の物価上昇率は上昇し、同年11月には1.3%まで上昇しているのです。

どうもこの「物価上昇率」に関しては、政府日銀が示した「2%の物価上昇」という言葉が独り歩きし、あたかも安倍内閣に入って物価が下落し続けているような錯覚を皆さん起こしているのではないかと思うのですが、けっしてそんなことはない、ということをこのグラフを見ればご理解いただけるのではないでしょうか?

確かに「コアCPI」を見ると2015年7月に0%を付けた後、11月、12月と一時的にプラスに転じはするものの、ガソリンCPIがプラスに転じる2016年12月、その翌2017年1月を迎えるまで前年度割れを続けているのですが、その間も「新コアコアCPI」は上昇し続けていますね?

「物価上昇率」こそ縮小してはいるものの、決して下落などしていないことがわかります。


私たちが本当に問題にしなければならないこと

ただ、私がこのブログで問題にしているのは、2017年3月、ちょうどガソリンCPIが前年同月比20.4%と最高値を記録した月、ついに前年度割れを起こしていることです。

特に2016年度に入って以降、新コアコアCPIは物価上昇率を縮小させ続けているのです。

では、この時肝心の国会は何をやっていたのでしょうか?

そう。「モリカケ問題」です。そして、防衛相の隠ぺい問題。

国会がモリカケ問題でこの世の終わりでもあるかのようにして大騒ぎしている間、安倍内閣が目指す「物価上昇率」のうち、肝心な「新コアコアCPI」はその物価上昇率を縮小させ続けていたのです。

もし、私が野党の立場にいて、本当に安倍内閣を攻撃したいのであれば、私ならこの「新コアコアCPIが急速に縮小していること」をまず槍玉にあげますね。そしてこういいます。

「アベノミクスの『効果』もそろそろ限界に来ているんじゃないですか?」

と。

その方がよほど説得力がありますよね?

そして、さらにこの様に言います。

「アベノミクスも、同じことばかりやっていたのでは長期的にその効果は頭打ちになります。

経済指標がその限界を示しているのですから、今こそ新たなる『経済政策』に手を打つべきではありませんか?」

と。その財源はもちろん

 「国債」

です。

さて、では。安倍内閣は私が主張するようなこの「新たなる経済政策」は何も実施していないのでしょうか?

実はそんなことはありません。

2016年第二次補正


ちゃんと実行しているんですね。
しかも私が言ったように「国債(建設国債)」を2.7兆円発行した上で。

このような経済政策の「効果」はすぐに出るもんじゃありません。ですが、第362回の記事 でお示しした、特に「源泉分所得税」の動向をみるとこれは一目瞭然なのではないでしょうか。

野党の皆さんは、「アベノミクスはもう限界に来ているんです!」と言いながら、このような新たなる経済政策の事は一切話題にせず、必死に「モリカケ暴き」に終始していましたね?

では、もし本当にこのモリカケに専念してこの新たなる経済政策に手を付けなかったら、いったいどうなっていたのでしょうか?

共産党も、元民進=希望の党&立憲民主党も「モリカケは税金の無駄遣いだ!」と言います。

ですが、モリカケに精一杯国会審議の時間を費やし、経済政策に全く手を付けず、結果として税収が2017年度も減収していたとしたら、これは一体どちらが「税金の無駄遣い」なんでしょう。

私は、2016年度の税収が減収に転じた理由の一つとして、一部を除く野党の皆さんが、まったくと言っていいほど本当に日本の国にとって必要な議論を行わず、まともな政策を提示しようとしなかったことに原因があるのではないかと思っています。

特に加計問題に関して言えば、あれはむしろ「国家戦略特区制度」を活用することで、今治市の地域経済を活性化することを目的とした政策です。

財源は今治市が学園都市構想を実現するため、小泉内閣下で実施された「合併特例債」を活用して積み立てた40億円の「合併振興基金」。土地は同じく学園都市構想を実現するために、1983年に造成された土地。残る24億円を今治市が、32億円を愛媛県が、96億円は加計学園自身が拠出しますので、日本国政府にとっては痛くも痒くもありません。

国家予算について審議する場」で、地方である今治市の、しかも民間の大学をつぶすための議論を繰り返していたのがあのモリカケ問題の真相です。

日本の経済を将来に向けて継続して成長させ続けるための議論を行わなければならない場で、まったく逆の議論を審議するためにあれだけの莫大の時間と経費が費やされていたわけです。

もちろん「経済」は政府が手を施さずとも、地方や企業の力だけで自律的に回転していけるに越したことはありません。

ですが、それが足踏みしそうなのであれば間髪入れず、速やかに政府が次の一手を施せる仕組みこそが日本国経済を成長させるために本当に必要な政策です。

「消費者物価指数からみるアベノミクスの成果」。毎月「物価」に関してはもう少し細かい記事を作成しているのですが、今回はあえて基本に立ち戻り、総論としての「物価」に関する記事を作成してみました。

政府を批判することは自由です。ですが、同じ批判をするのでも、誤った情報で誤った批判を行うのではなく、正確な情報で、的確な批判を行うことこそ、これは「野党」だけでなく、私たち一般国民にも求められている姿なのではないでしょうか?



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この記事のカテゴリー >>実質賃金と名目賃金


今回のシリーズは2017年9月28日衆議院解散を受けまして、「アベノミクスの成果」を具体的にお示しすることを目的として作成しています。

記事としては、またしてもカテゴリーをまたぎ、第362回の記事 を引き継ぐ形での記事になります。

またこれとは別に、第361回の記事 で「国税庁データ」をベースに、2016年(暦年)1年間を通じた民間給与所得情報を記事にしましたが、これは従業員の数が1名以上の事業所をすべて対象としており、厚労省データと比較して正確性はあるものの、速報性に欠けるデータですので、

 「じゃあ今年度の給与はどうなんだ!」

という声も聞こえてきそうですから、この声にお応えする形で、「常勤雇用者数が5名以下の事業所のデータが含まれていない、正確性に欠ける」で^多ではあるものの、「速報性のあるデータ」として、厚労省データより、2017年8月度の「月間給与所得」に関連した記事を掲載しようとおもいます。


「賃金指数」の推移

賃金指数(総合)

こちらは、「賃金指数」の推移。ボーナスの金額も含んでますので、12月や7月の数字が大きくなっています。

2017年(暦年)に入って、これまで業種別に分かれていた項目が「総合」「一般」「パートタイム」の3項目で掲載されるようになっていますので、さかのぼってみることができる、2015年12月からの数字をグラフ化してみました。

「賃金指数」とは、今年度であれば2015年(暦年)の年間の平均賃金を100として、これに対する増減を指数化したものです。もちろん指数ではなく実額で掲載することもできるのですが、残念ながら実額は一覧では掲載されておらず、集計に膨大な時間を必要としますので、増減の割合に関しては実額と同様に正確に算出されている「賃金指数」で掲載してみました。

パートタイム=非正規、一般労働者=正規、というわけではありませんが、イメージはしやすい分け方だと思います。

賃金指数(きまって支給する給与)

一方こちらは「決まって支給する給与」の推移で、賞与(ボーナス)が含まれないものです。

「賞与」を含む推移でみると、7月の賃金指数は総合で前年比-0.6%、一般労働者で-0.7%となっていますが、これを賞与を含まない賃金指数の推移でみますと、総合は0.5%、と前年の給与所得よりも増加しています。

7月の賞与を含む賃金指数が前年度割れしている理由として、産業全体で7月に支払われた賞与が平均で10万9189円であるのに対して6月に支払われた賞与が17万1278円。

一方2016年7月に支払われた賞与は11万2637円(2017年+3448円)、17万0630円(2017年-648円)となっており、賞与が支払われたタイミングが2016年と2017年との間でずれたことがあげられると思われます。

また、決まって支給される給与を見てみますと、1月の賃金指数が総合で-0.1%、パートタイム労働者で-0.9%と前年割れしていますが、この月を除くときまって支給される給与は全体で14か月、特に「一般労働者」に限定すれば、少なくとも私がグラフに掲載をした期間すべての月で前年同月を上回っていることがわかります。

これは、賞与を含む「総合」でも同様の事が言えますね。

また、賞与を含む「総合」で見れば、特に2017年度(4月)に入って以降、「パートタイム労働者」の賃金が前年同月を大きく上回っていることもわかります。


「実質賃金指数」の推移

「実質賃金指数」は、前章で掲載した「賃金指数」、すなわち「名目賃金指数」を「持ち家の帰属家賃を除く総合」で割ったものです。

実質賃金指数(総合)

実質賃金指数(きまって支給する給与)

さて、いかがでしょう。両グラフとも、赤いラインが「前年同月比0%」を示すラインです。つまり、これを下回っていれば前年割れ、上回っていれば前年オーバーということになります。

2017年(1月)に入ってからの数字を見てみると、いかがでしょうか。両グラフとも、完全に「前年割れ」していますね。

共産党の志位さんや小池さん当たりに餌を与えてしまいそうな数字ですが、私の記事をよく読んでいる賢明な読者の方にはもう想像がついているかもしれませんね。

なぜこんなことになっているのか。答えは簡単です。「分母が『持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数』だから。

特に「きまって支給する給与」の実質賃金の推移をみるととてもよくわかると思います。9月から10月にかけて一気に値を下げていますね?

この時期に何があったのか。そう。

 「原油価格(前年同月比)の上昇」

です。例えば、「実質賃金」の分母から「エネルギー(及び生鮮食品)」を除くとこんな感じになります。

実質賃金(生鮮及びエネルギーを除く)

もちろん、ここまで単純に考えることはできません(エネルギー価格が上昇すれば、それだけ家計には負担になる)。

「実質賃金」とは、「消費者物価指数」が上昇すれば下落し、下落すれば上昇します。当然ですね。「消費者物価指数」は実質賃金の分母なんですから。

本当は、ここから「生鮮食品」を除くことができれば良いのですが、残念ながらそのような政府データはありませんから、生鮮食品の物価変動まで含まれた情報になります。

私がなぜこんなグラフを出したのかというと、理由は二つあります。

最新の2017年8月の実質賃金指数(きまって支給される)は99.8で、前年度、2016年8月よりも0.2ポイント下落しています。

一方、2017年8月の持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数は100.5で、2016年8月よりも0.8上回っています。
生鮮食品も0.8ポイント、エネルギーに関してはなんと7.0ポイントも前年同月を上回っています。

消費者物価指数が上昇すると実質賃金が下落するのは、賃金が同じでも、物価が上昇することによって購入できる物品の量が減少することに由来します。

つまり、生鮮食品やエネルギー(ウェイト⦅重要度⦆は両方合わせて1198)がこれだけ上昇しているわけですから、今年は昨年と比較すると、「消費」は起こしにくい状況にあったはずです。

逆に言えば、昨年の方が今年に比べて消費は起こしやすかった=実質賃金は多かったはずなのです。

ところが、先ほどのグラフの様に、実質賃金の分母である消費者物価指数から「生鮮食費」と「エネルギー」を除外して考えると、なんと実質賃金は前年同月よりも0.4ポイントも増加してしまっています。

つまり、「生鮮食品」と「エネルギー」が上昇し、消費者物価指数全体が上昇したため、本来であれば消費は抑圧される=実質賃金は下落するはずなのに、逆に生鮮食品及びエネルギー以外に割くことが可能な賃金の量は増えているわけです。

「生鮮食品及びエネルギー以外の物価が下落したんじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、「生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数」は前年同月比で0.2%増加しています。

もちろんこの中には「持ち家の帰属家賃」が含まれていますから、これを除くとどうなのか、という声も聞こえてきそうですが、持ち家の帰属家賃は前年同月比で-0.2%。「生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数」と同じ絶対値です。

「生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数」のウェイトは8802、持ち家の帰属家賃のウェイトは1499ですから、いくら持ち家の帰属家賃のウェイトが大きいからと言って、それ単独で「生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数」の増加分を相殺することはできません。

つまり、「生鮮食品やエネルギーの物価が上昇」し、本来であれば国民の消費は圧迫され、生鮮食品及びエネルギー以外の実質賃金は減少しなければならないのに、逆に生鮮食品及びエネルギーを除外した実質賃金は増加しているということになります。


また、先ほどのグラフを掲載した二つ目の理由として、「エネルギー」は日本国内ではなく、むしろ「海外の需要の影響」を大きく受けるものであり、「生鮮食品」は「天候の変動の影響」を大きく受けるものです。

つまり、どちらも「アベノミクス」の失敗や成功の影響で増えたり減ったりするものではない、ということ。

実際に共産党の志位さんや小池さんがこの「実質賃金の下落」を「アベノミクスの失敗」の根拠としてあげるシーンを良く見かけますが、彼らは自分たちにとって都合の悪い情報には一切見向きもしていないということです。

「実質賃金」の側面から見ても、アベノミクスは非常に好調である。このことを立派に証明することができました。

次回記事では、続きまして今回話題にした「消費者物価指数」の側面からアベノミクスを検証してみたいと思います。



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この記事のカテゴリー >>日本の税収の見方


記事としては、カテゴリー「税収の見方」 の一記事であり、先月掲載した 2017年7月分税収記事 を引き継ぐものとなっているわけですが、何しろ今月(2017年10月)は衆議院解散総選挙の月となっております。

ですので、今回の記事は「アベノミクスの成果」を掲載する意味合いも含まれており、

 第361回 2016年版民間給与統計(国税庁Ver.)が公表されました

の内容も引き継ぐ記事としたいと思います。

第361回の記事 では、厚労省データと比較してより詳細な民間給与所得情報である2016年(暦年)の「国税庁データ」が先月9月に公表されたことを受け、「給与所得者数」「一人当たり平均年間給与」「給与所得者総合の年間給与総額」の3つの面から「アベノミクスの成果」としての民間給与所得情報を解析してみました。

今回はその後。2017年度に入ってからの給与所得状況を「税収」の側面から解析してみたいと思います。
また、併せてその他の「税収」に関連した情報も掲載いたします。


2017(平成29)年度8月分税収

2017年8月税収
PDFダウンロードはこちら

【2017(平成29)年度8月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 8月分 1.32兆(112.3%) 累計 6.93兆(106.2%)

 源泉分 8月分 1.29兆(112.5%) 累計 6.45兆(106.8%)
 申告分 8月分 0.02兆(103.3%) 累計 0.48兆(99.2%)

法人税 8月分 0.63兆(169.4%) 累計 0.49兆(370.3%)

消費税 8月分 1,78兆(101.6%) 累計 3.18兆(98.9%)

一般会計全体 8月分 4.56兆(111.0%) 累計 13.62兆(105.8%)


【法人税評】

おさらいですが、法人税の申告期限は「事業年度終了の日の翌月から2か月以内」となっています。

今回掲載しているのは8月の税収ですので、仮に8月決算の企業があったとしても、その申告は10月に行われるものが多くなると推察されます。

その上で、8月の法人税収を見てみると、8月単月での税収が6300億円。累計で4900億円となっています。

単月の数字よりも累計の方が少なくなっているのは、7月までの数字がマイナスだったから。つまり納付される額よりも還付される額の方が多かったから、ということになります。

納税する側の気持ちから考えると、決算状況が苦しければ、税金の支払いは先に延ばして、その額で他の支払いに回そうとする心理が働くのではないかと考えられます。このことを考えると、8月単月での納税額が前年度比で169%オーバーということは、8月決算の企業が10月に納税するはずの税収に関してもある程度期待ができるのではないでしょうか。


【所得税評】

今回の本丸はここですね。

「所得税」でも特に「源泉分」の所得税に対する評価です。

他の税制度と異なり、源泉分の所得税納税申告期限は「翌月10月」がその申告期限とされており、「源泉分」ですから、この税金は企業が一般の従業員に対して支払った給与から源泉徴収されたものです。

ということは、ここの金額は2017年7月に企業が従業員に対して支払った給与総額がそのまま反映されているということ。「所得税」や「消費税」、または「申告分所得税」と比較しても、この時点での源泉分所得税の納税額は、直近の日本の景気状況を最も反映したものである、ということができるのではないでしょうか。

その額が、 8月単月で1.29兆で前年同月比112.5%、累計でも6.45兆で前年同月比106.8%増しとなっており、少なくとも企業活動がより活発になっていることをきれいに反映していると考えることができます。

また、「源泉所得税」が増えているということは、考えられる状況は3つ。

 1.「給与所得者の数」が増えた
 2.「一人当たりの平均給与所得」が増えた
 3.「1」と「2」の両方が増えた

この3つのどれかです。源泉所得税は、4月分が前年度からマイナスされているため、現時点では累計で106.8%となっていますが、

5月分前年同月比 111%
6月分前年同月比 112.3%
7月分前年同月比 103.1%
8月分前年同月比 112.3%

となっており、その好調さがとてもよく反映されています。

第361回の記事 におきまして、昨年(2016年:暦年)の「給与所得者」と「平均給与所得」がともに上昇していることから、「高齢者の現役引退」は安倍内閣における雇用状況の改善を批判する材料とはならないことを示しましたが、本年8月分の状況からみても、その状況は今年も継続していることがとてもよくわかります。

とはいえ、年度ベースでは昨年度の源泉徴収分は前年度を割り込みましたから、それを100%否定するものとはならないのかもしれません。


【消費税評】

先月はここを「本命」として記事を作成しました。

「消費税」は「前年度の納税額」を参考に納税されますから、今年度の納税額は、2018年3月を迎え、さらに4月分、5月分のデータが出てくるまでは必ずしも今年度の消費状況を反映したものとはなりえません。

ですが、消費税はあくまで「消費されたもの」に対して加算される税制度であり、消費税納税額の推移をみることは、その「消費状況」を見るデータとしては役に立つものです。

そして、今年度の消費税納税額は「昨年度」の消費納税額を反映したものですから、つまり今年度納税された消費税額を見れば、昨年度の国内の消費状況をうかがうことができます。

このことを念頭において今月の消費納税額を見ますと、

8月単月で8月分1,78兆(前年度比101.6%)。累計で3.18兆(前年度比98.9%)となっています。

消費税納税額が累計で前年度割れを起こしているのは6月まで消費税納税額がマイナス計上(還付)されていたことが理由です。プラス計上が始まったのは7月からで、

 7月分前年同月比 105.2%
 8月分前年同月比 101.6%

となっていますから、少なくとも昨年度がスタートした当初消費状況は悲観するほど悪かったわけではなかったと考えることができます。消費税の申告期限も、前年度の納税額によって異なるとは言うものの、基本的に申告月より2か月以内となっていますから、7月分は昨年の5月分、8月分は6月分の消費状況を反映していると考えることができます。


【一般会計税収評】

さて。それでは最後に「一般会計税収」全体に対する評価について。

単月では前年度比111%、累計で105.8%となっていますから、税収全体としても非常に好調であることがわかります。
一般会計税収全体も4月はマイナスから入り、6月までは消費税と法人税両方のマイナス分の影響を、7月は法人税単独でのマイナス分の影響を受けています。

そのうえで、各々単月の前年度比は

 5月 96.9%
 6月 104.6%
 7月 106.1%
 8月 111.0%

となっています。8月累計の前年度比は105.8で金額は13.62兆円となっています。

予算ベースで考えますと、一般会計税収全体の前年度比は104.0%で組んでいますから、8月の時点で1.8%予算を上回っていることになります。

金額で考えると2318億円の「上振れ」です。

「源泉分所得税納税額」の推移から考えると、今年度の消費状況も、昨年度と比較すると「大幅に」改善するのではないか、と考えられます。

さて。これはあくまで私の「推測」にすぎませんが、今年度の「税収」は一体どうなるんでしょうか。現時点でも非常にワクワクさせられる数字です。


さて、いかがだったでしょうか。「税収」って、確かにタイムラグの発生する数字で、期間が終了するまでは正確性に欠ける数字でもあります。ですが、他の経済指標と異なり、あくまでも「実数」ですから、税収の持つ「意味」さえきちんと理解していれば、より実態に近い状況が反映されています。

この数字をもとに「アベノミクスの成果」を考えますと。特に今年度の数字はいよいよその大成功を予感させるものとなっているように思えてなりません。

今回の記事では、「源泉分所得税」の推移を参考に、「給与所得者数×平均給与所得」の総額の推移を見てみました。
ですが、これでもまだ、「単に給与所得者の数は増えたかもしれないが、給与は減っているんじゃないか」とか、逆に「一人当たりの給与は増えているが、格差が広がっているんじゃないか」といった意見を言う人がいるかもししれません。

次回の記事では、では「給与所得者数の推移」や「平均給与所得」は一体どうなっているのか。

第361回の記事 では「国税庁データ」ベースで昨年(暦年)の給与所得状況を分析しましたが、次回記事では厚労省データより、あくまでも「速報」レベルではありますが、今年度の給与所得状況について記事にしたいと思います。



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本日は2017年10月。ですので、今更2016年の民間給与統計?、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実はこの情報は最新情報だったりします。

昨年はこの情報を 第175回の記事 で掲載しました。

タイトルをご覧いただくとわかると思うのですが、「民間給与所得」を公表している政府機関は実は2カ所。

一つは厚生労働省。もう一つは国税庁です。

厚労省のデータは毎月公表されていまして、最新だと2017年7月の確報まで公表されています。

ですが、今回スポットを当てたいのは厚労省データではなく国税庁データ。国税庁データは年に1度、毎年9月に公表されています。

今回このタイトルでの記事を作成したのは、つまり、2016年のデータが先月、9月末に公表されたからです。


民間給与所得、厚労省データと国税庁データの違い

まずは復習です。同じ給与所得のデータでありながら、なぜ厚労省データと国税庁データが二つ存在するのか。

これは、第43回の記事 で一度ご説明しました。

賃金違い

この情報は、人事院のホームページ に掲載されています。

最大の違いは、その調査対象が、厚労省のデータは「常用労働者」の人数が「5人以上」いる事業所に限られていることに対して、国税庁データは常用雇用者であるか非常勤であるかに関係なく、「従業員」の人数が「1人以上」いる事業所をその対象としていることにあります。

わかりやすく言いますと、「速報性」を重視しているのが「厚労省データ」であり、その「正確性」を重視しているのが「国税庁データ」だということになります。


2016年給与所得者数の推移

給与所得者数2016(国税庁Ver)

国税庁データは、年間を通じたデータですから、「1年間を通じて働いた給与所得者」というデータが存在します。2016年12月末時点での給与所得者数です。

給与所得者の増加数だけを見ると、消費増税年度である2014年から翌2015年よりも、2015年から2016年にかけての増加数の方が多いことがわかりますね。

安倍内閣スタート前の2012年と比較すると、実に300万人を超える「年間を通じて働いた給与所得者」の数が増えていることがわかります。


2016年平均給与所得の推移

平均給与2016(国税庁Ver)

こちらは年間を通じて働いた給与所得者が受け取った、一人当たりの「平均給与所得」の総額です。月間ではなく年間の給与所得。単位を掲載し忘れていますが、単位は「千円」。ですから2016年の年間平均給与は421万6千円。

増加幅で見ると増税年度であった2014年から2015年の増加額が4万4千円であるのに対して、2015年から16年の増加額は1万2千円。増加幅が縮小しているようにも見えますが、2014年が増税年度であり、企業も支出を抑制していた可能性がありますから、その分2015年の増加幅は大きくなったのではないかとも考えられます。


2016年年間給与総額の推移

年間給与総額2016(国税庁Ver)

こちらのグラフは、すべての給与所得者が年間を通じて受け取った給与所得の総額を示したものです。

こうしてみると、もちろん2011年に発生した東日本大震災の影響がある、とはいうものの、2012年の給与所得総額の落ち込みがいかに激しいかがわかります。

一方2015年~2016年にかけては、特に給与所得者数の上昇幅が大きかったこともあり、2014年から2015年にかけての1.7兆円を上回り、実に3兆円を超える給与所得が2015年よりも上乗せして給与所得者に対して支払われていることがわかります。

安倍内閣誕生前の2012年と比較すると、実に17兆円の給与が上乗せして給与所得者に対して支払われていることになります。

年度ではなく、暦年ベースで見ますと、2016年の名目GDPは537.06兆円。2012年の名目GDPは494.95兆円でGDP全体で37兆円を超える伸び率を示していますが、このうち17兆円が企業から従業員に対して支払われた給与であることになります。

これが、「安倍内閣の成果」です。

よく野党の皆さんやアベノミクスに否定的な皆さんが安倍内閣における「給与所得」や「労働者数」の増加、そして「求人率」や「雇用率」の増加を批判する際、

 「高齢者が定年で退職したため、労働者の数が不足し、結果としてこれらの数字が増えているのだ」

という主張を行うシーンを良く見かけます。

ですが、高齢者が退職したことが雇用状況の『見かけ上の改善』に影響しているというのなら、少なくとも「労働者数(給与所得者数)」は減少していなければつじつまが合いません。

アベノミクスの結果として、高齢者が退職する数以上に現役の給与所得者数の数が増え、かつその年間の平均給与所得も増加している。これが「アベノミクス」がもたらした「成果」です。

本日は2017年10月5日。巷では「希望の党」なる政党が名を馳せ、代表である小池百合子氏を筆頭にアベノミクスがあたかも失敗であったかのように吹聴するシーンをよく見かけます。

「でもそれは2016年までの話で、今年は・・・」

という声が聞こえてきそうですが。実は今月冒頭には「2017年8月度税収」が公表されており、ここには2017年度に入って私たち国民が受け取る「給与所得」がさらに上昇している様子がはっきりと示されています。

次回記事では、この2017年8月度税収をベースに、記事を作成したいと思います。



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<継承する記事>
第359回 60年償還ルールで財政が破綻しない理由

前回の記事はカテゴリーを 日本国債の問題 とし、今回は 日本の税収の見方 としていますので、連続性が失われていますが、 政府データ(経済指標の見方) から見ていただきますと、連続した記事としてご覧いただくことができます。

前回の記事では、今回の記事、「それでも消費増税を行わなければならない理由」を記す前提条件として、あくまでの日本国債はまず破綻することはありませんよ、と、この理由を「60年償還ルール」を用いることで解説させていただきました。

で、今回の記事は「それでも消費増税を行わなければならない理由」。

このタイトルって、現在のコアな安倍内閣支持者からは袋叩きに合いそうなタイトルなんですが、私は このブログを始める前に作成していたブログ の時代から、一貫して消費増税の必要性は主張してきました。

ですが、そもそも旧ブログを作成した当時の私は、10%増税を前提として、私たち一般国民が強いられる負担は15兆円、GDPを500兆円と考えると、ちょうど3%分の増税額となることから、「民間給与所得を平均で3%増加させること」を増税の条件として掲載していました。もちろん名目です。

麻生さんは、麻生内閣当時、さらにこの名目3%成長を3年間、同時に実質2%、物価上昇率1%成長を3年間連続で果たすことを明確な条件として提示していました。

「景気回復に全治3年。私たちは3年間経済成長をさせることに専念しますので、これを達成した暁には増税させてください」

という、国民としても非常にわかりやすい形でした。ですが、麻生内閣は2009年8月、たった1年で倒閣してしまい、民主党鳩山内閣が誕生。以後2012年12月までの地獄の3年数か月がスタートしました。

この間、民主党政権は麻生内閣当時に実施された経済政策以外、何一つとして明確な経済成長戦略を実施せず、結果として超円高の大不景気が日本全土を覆った・・・というのがあの時の状況でした。

麻生さんは2008年を含めた3年間、景気回復に向けた集中的な経済政策に専念し、3年連続で経済成長を果たした後、速やかに消費増税の議論に入る、としたのです。
(※枠内は長文になりますので、最初は読み飛ばしてください)

【所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)(抄)】

附則
(税制の抜本的な改革に係る措置)

第104条
政府は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。

この場合において、当該改革は、2010年代(平成22年から平成31年までの期間をいう。)の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とするものとする。


前項の改革を具体的に実施するための施行期日等を法制上定めるに当たっては、景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極め、予測せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとするものとし、当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行われるものとする。


第1項の措置は、次に定める基本的方向性により検討を加え、その結果に基づいて講じられるものとする。

個人所得課税については、格差の是正及び所得再配分機能の回復の観点から、各種控除及び税率構造を見直し、最高税率及び給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げるとともに、給付付き税額控除(給付と税額控除を適切に組み合わせて行う仕組みその他これに準ずるものをいう。)の検討を含む歳出面も合わせた総合的な取組の中で子育て等に配
慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討すること並びに金融所得課税の一体化を更に推進すること。

法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベース(課税標準とされるべきものの範囲をいう。第5号において同じ。)の拡大とともに、法人の実効税率の引下げを検討すること。

消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする観点から、消費税の全額が制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充てられることが予算及び決算において明確化されることを前提に、消費税の税率を検討すること。その際、歳出面も合わせた視点に立って複数税率の検討等の総合的な取組を行うことにより低所得者への配慮について検討すること。

自動車関係諸税については、簡素化を図るとともに、厳しい財政事情、環境に与える影響等を踏まえつつ、税制の在り方及び暫定税率(租税特別措置法及び地方税法(昭和25年法律第226号)附則に基づく特例による税率をいう。)を含む税率の在り方を総合的に見直し、負担の軽減を検討すること。

資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベース、税率構造等を見直し、負担の適正化を検討すること。

納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上及び課税の適正化を図ること。

地方税制については、地方分権の推進及び国と地方を通じた社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進めること。

低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化(環境への負荷の低減に資するための
見直しをいう。)を推進すること。

これが、麻生内閣において取り決められた消費増税法である、「附則104条」と呼ばれるものです。

ただ、結果的に民主党内閣では何一つとして「景気回復に向けた集中的な取組」は行われれず、「経済状況を好転させること」はありませんでした。

ですが、にも関わらず2012年8月に民主党内閣下における消費増税法が成立し、ここに「景気付帯条項第18条第3項」があるにも関わらず、2013年(平成25年)10月、安倍内閣において増税が決定し、翌年2014年4月に消費増税が実施されました。
(※枠内は長文になりますので、最初は読み飛ばしてください)

【景気付帯条項第18条】
第18条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。

3 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ず等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

そもそも「消費増税」が大バッシングを受けたのはこの時のことです。


そもそもなぜ「消費増税」が必要とされるのか?


私のブログではすでに説明済みですが、これは福田内閣~麻生内閣にかけて行われた「社会保障国民会議」によって話し合われた内容がルーツとなっています。

社会保障国民会議

この会議を通じて

「2025年には、「医療・介護」にかかる医療費が、凡そ15兆円ほど、2008年当時の状況より増額する」

ことが試算されました。このための財源として、

「景気の良し悪しに左右されにくく、毎年安定して一定の税収が期待できる財源」

である「消費税」にスポットが当てられたのです。


※厚労省ホームページより一般会計税収推移

上図は、一般会計税収の総額、および三大税収である所得税、法人税、消費税の動きを示したものです。
見ていただくとわかると思いますが、所得税や法人税は「リーマンショック」などの経済危機に見舞われると大幅に税収を落としていますが、消費税だけはそう大きな増減はなく、ほぼ横ばいで一定の税収を確保していることがわかると思います。

赤いラインはそれぞれ増税のタイミングを示していますが、3%→5%、5%→8%に引き上げたとき、それぞれ消費税収が大幅に上昇していることがわかります。

「消費税」とは、そもそも景気がよかろうが悪かろうが、必ず消費されるものに対して課税されることがその税収が安定している最大の理由で、税率を引き上げれば引き上げただけ税収が上昇している理由でもあります。

「社会保障」は特に、景気がよかろうが悪かろうが、必ず必要となってくる「経費」です。景気が悪くなったから医療費は自己負担してください・・・というわけにはいかないのが「社会保障」です。

そこで、景気の変動を受けにくい税収として「消費税」にスポットが当てられたわけです。


「消費増税」はなぜ批判されるのか

消費増税が批判される理由として、よく言われるのが、「消費増税を行えば、国民の生活に負担をかけ、かえって消費を冷え込ませる」という内容です。

この根拠としてよく用いられるのが、先ほどの一般会計税収の推移を示したグラフで、1997年(平成9年)に行われた、いわゆる「橋本増税」です。

もう一度同じグラフを掲載します。
一般会計税収推移

見ていただきたいのは、「一般会計税収」総額の推移です。

5%増税が行われる前。1996年の税収は52.1兆円。増税年である1997年は53.9%と、唯一増税前の税収を上回るのですが、翌1998年が49.4兆円、その翌年が47.2兆円。

安倍内閣において増税が行われた2014年に至るまでの間で最も税収が多かったのが第一次安倍内閣当時(2007年)の51兆円で、増税年以降、増税前の1996年の一般会計税収を上回った年度が1年もない(増税年は除く)のです。

つまり、1997年に増税し、消費税収が増えたのは良いが、税収全体を見ると却って増税前を下回っており、増税は失敗だったのではないか・・・というのが消費増税が批判される最大の理由です。


税収が減退したのは本当に消費増税が原因だったのか?

勘違いをしていただきたくないのですが、私自身、8%増税が行われる前は、「私たちの所得が増税による物価上昇幅を上回るまでは消費増税を行うべきではない」と主張していましたし、前章で記した「消費増税を行うべきではない理由」は、実は私は誰かの情報を見て気づいたわけではなく、私自身が自ら発見しました。

もちろん私が発見する以前にもこのことに気づいていた人はいたでしょうが、私は旧ブログにこの情報を掲載していて、少なくともその記事を掲載する前にネット上でこの情報を投稿していたとはいなかったのではないかと思います。(リンクを張ろうと思ったのですが、記事数が多く見つけられませんでした)

つまり、橋本増税以降、一般会計税収が増税前を上回ったことが一度もない、という情報の発信元は私だったのではないか・・・とすら考えているわけです。(思い上がりだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私の気持ちの問題なのでご容赦ください)

私が言いたいのは、私は元々「私たちの所得が増税による物価上昇幅を上回る前の消費増税」には反対していた人間だということです。

ですが、「消費増税」を批判するのであれば、公平な情報に基づいて、偽りではなく正確な情報を用いて批判するべきだと私は考えています。

例えば、橋本増税において「税収が減退した」ことを私は記していますが、これが本当に橋本増税のせいだったのかというと、これにはいささか疑問があります。というのも、第14回の記事 にて掲載しましたように、橋本増税が行われた年も、7月までは順調に経済は成長しており、同年7月に「アジア通貨危機」が勃発したため橋本内閣までの日本が抱えていた課題が一気に噴出した、というのがその後の税収減退の理由としては正しいのではないかと考えているからです。

もちろん旧ブログに前章の情報を掲載した時にはそのことには気づいていませんでしたから、一方的に橋本増税悪玉論を私自身掲げていましたが、それは必ずしも正しい意見ではなかった、と現時点では思っています。


8%増税によって本当に日本国内の「消費」は減退したのか?

安倍内閣において行われた消費増税により、「景気に水を差した」とする主張を行う人を良く見かけます。
その理由として、「消費者物価指数」の減退が掲げられています。

消費者物価指数2013年~2017年8月

安倍内閣が目指す消費者物価指数は本来「生鮮食品を除く総合=コアCPI」なのですが、上図ではあえて「総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を掲載しています。

期間は安倍内閣が誕生した2012年12月~最新の2017年8月までを掲載しています。消費増税に伴う物価上昇がおおよそ1.7%に相当しますから、これを除外した数字で示しています。

この数字が、安倍内閣では2%を目指しているわけですが、これが増税年度である2014年5月に達成するものの、これ以降下落を続け、翌15年9月には0%、1月には前年度割れ。2月にふたたびプラスに戻りはするものの、3月の0%以降2016年10月まで前年度割れを継続するわけです。

もちろん私は赤いライン=総合の話をしています。

ですが、青いライン=「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見てみますと、少し違った状況が見受けられますね?

このグラフは、あくまでも「前年同月比」を示していますので、0%を上回れば物価は上昇し続けていることを示しているので、そこだけは勘違いなされないようにしてほしいのですが、この「前年同月比」のうち、赤いライン=「総合」が見かけ上急落し始める2014年6月以降も、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は横ばい、もしくは上昇を続け、特に2015年度、11月までは総合が下落する中で「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は上昇していることがわかります。

この理由として、シリーズ「「物価」の見方」の中で、海外で急落し始めた「原油相場」が最大の原因であり、これを除けば物価は継続的に上昇し続けていたこと。

これ以外に「持ち家の帰属家賃」や「家電製品の店頭売価」が物価を下落させている要因であることを具体的な数字とともにお示しし続けました

その上で昨年度末、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が昨対0%、3月にはマイナスをつけたことを受け、「新たなる経済対策が必要なんじゃないでしょうか」、と訴えたわけです。モリカケでわちゃわちゃやってる暇はないでしょう、と。

もちろん消費増税の影響がなかったとか、そういうことを言いたいわけではありません。ですが、消費増税によって本当に「消費」が減ったのかどうか。「減った」という人たちに対して私は「そうではないでしょう?」という記事を作り続けていました。

「批判を行うのなら、公平に行いましょう」と私が言っているのはすなわちそういうことです。


それでも消費増税を行わなければならない理由

では、8%増税は行うべきだったのでしょうか、それともやめるべきだったのでしょうか?

再来年には10%に引き上げられるわけなのですが、これは取りやめるべきなのでしょうか、それとも実施するべきなのでしょうか。それとも、「5%に戻すべき」なのでしょうか?

増税をやめるべきだ、または増税前の状態に戻すべきだ、とする立場の人たちはこのように主張します。「増税よりも、経済成長戦略に専念すれば、経済成長によって新たなる税収が生れるはずだ」と。

ですが、そもそも「消費税」は「社会保障のための財源」として本来充てられるべき税金です。経済成長によって、確かに税収は増えるかもしれません。ですが、逆もまたあり得るわけです。現在はアベノミクスの効果もあり、経済は順調に成長し続けているわけですが、例えば「リーマンショック級の経済危機」が訪れたとしたらどうでしょうか?

民主党時代の2012年から安倍内閣が誕生した2013年にかけて、消費増税を行う前であったにもかかわらず、税収は3兆円増加しています。ですが、これはあくまでもそれまでの経済政策がダメすぎたことと、そして増税前の「駆け込み需要」があったこと。を忘れてはならないと思います。

ではもし「そうではない状況」が生れたとき、その財源は一体どこから捻出するのでしょうか。不足するのであれば、その方法は一つしかありません。「国債」を発行して財源を賄うという方法です。


「日本国債の信認」と「労働する意欲」

はっきりといえば、社会保障の財源が不足するのであれば、バンバン国債を発行して銀行に購入させることで消費増税どころか、消費税を全額撤廃したとしてもその社会保障費を完全に賄うことができます。

既に掲載している通り、「60年償還ルール」を利用して運用すれば、元本次第で「国債発行残高総額」は増加しますが、この増加額には限度があります。仮に毎年60兆円ずつ国債を発行したとしても、80兆円ずつ国債を発行したとしても、60年経過すれば頭打ちになり、ある一定額以上は上昇しなくなります。

これは、第359回の記事 で解説した通りです。

もしそれでも、なにがしかの理由で日本国債が破綻するというのであれば、最終的に日本国政府が55%の最大株主である日銀が日銀券を発行し、日本国債を全額買い取り、日本国政府と日銀の会計帳簿を連結し、日本国政府の負債である国債と、日銀の資産である国債を相殺すれば日本の国債など一瞬で0円になります。


現在安倍内閣を支持する人の中でも、消費税率を10%に引き上げることに反対する人、または8%から5%に引き下げるべきだという人の主張として、「増税は消費を抑制し、却って税収を冷え込ませてしまう」という意見があります。

すでに述べていますように、確かに橋本増税では消費増税が行われた後、アジア通貨危機が勃発したこともあり、結果的に日本国内の消費を冷え込ませ、税収を増税以前と比較しても大幅に減退させてしまう結果となってしまいました。

ですが、安倍内閣において行われた8%増税はどうだったのでしょうか。

消費者物価指数2013年~2017年8月

8%増税において、あたかも消費が減退しているように見えるのは、「原油価格の下落」などに伴うエネルギー相場の減退が最大の理由であり、これを取り除けば毎月「前年同月」を上回っていたことは既にお伝えした通りです。昨年度末に初めて前年度割れを起こしましたが、それまではプラス成長を続けています。

一般会計税収推移

また「税収」に関しても同様です。確かに昨年度は税収が前年度割れを起こしていますが、それでも増税前、2013年度の税収と比較すれば、9兆円近い税収増を果たしており、橋本増税の時とは状況が異なっていることがわかると思います。

リーマンショック前年、2007年度の51兆円と比較しても、5兆円近く税収が増えていることになります。

また一方で、高齢者医療、介護の増加に伴い、2025年には2008年当時と比較して15兆円の財源が不足すると試算されています。

平成29年度一般会計予算

こちらは予算ベースですが、本年度、2017年度の歳入歳出を示した円グラフです。

歳入の内、国債発行額が34.3兆円、歳出のうち国債の償還額が23.5兆円。両歳費の差額、10.8兆円分が現時点の一般会計予算で不足している金額です。(国債の償還のために国債が発行されていることを批判なさりたい方は第359回の記事 をご覧ください)

29年度の税収は予算ベースで57.7兆円ですから、このうち32.4兆円が年金・医療・介護等の社会保障費に、残る25.3兆円がその他の財源に充てられることになります。

また残る税収のうち、15.5兆円は地方交付税・交付金として当てられており、税収の中で政府や国の行政機関が自分たちのために使っているお金は10兆円程度だということになります。

では、この10兆円が一体何のために使われているのかというと、公共事業費や防衛費を含む公共サービスを私たち一般国民に行うために用いられているわけです。(公務員の給料も当然含まれていますが、これも公共サービスの一環だと考えます)

2017年度に発行されている予定の、償還費以外の10兆円の国債は、このような政府や国の行政機関が私たち国民に施すための行政サービスのための資金が不足するために発行されている、ということになります。


2014年の8%増税に対して私が賛成なのかどうかと言われれば、必ずしも積極的に「賛成」だとは言えません。ですが、それでも「社会保障の財源は、国債の発行に頼らず、きちんとした裏付けを示すことが必要だ」と考えています。

今後、社会保障のための財源が今以上に不足することとなれば、おのずと私たちが政府や行政機関から受けているサービスの質が低下していくことを示しています。

もしも行政サービスの質を落とさず、ある一定以上の予算を確保しようと考えるのであれば、政府が

 「社会保障に不足する財源を補填するため、国債を発行して賄います」

と宣言すれば、それで事足りる話ではあります。ですが、私が危惧しているのは、ではこのような社会保障費のために政府が国債を発行します、といった場合、日本国民の

 「労働する意欲」

を担保することができるのかどうか、という話です。

生活保護受給者数の推移

こちらのグラフは、第28回の記事 で掲載した、生活保護者の数と、前年度と比較した伸び率を掲載したグラフです。

情報としては最新のものではないのですが、リーマンショック後、平成22年1月まで急激に生活保護受給者数が増加した後、前年同月比で生活保護受給者の伸び率は減退するものの、生活保護受給者の数そのものは減少していないことを示しています。

「社会保障費」って、きちんとしたルールの中で運用されていて、現役時代によく働いた人ほど老後により多くの社会保障費を享受することができるようになっています。その代表的なものが「年金」です。

ですが、現役時代に意図的に労働を行わず、または労働する意欲があったとしても定職に就くことができなかった人のうち、年金の免除申請を行わなかった人は、その「年金」を受け取る資格がありませんから、当然老後の生活費がなくなってしまいます。

そのような人たちがどのような手段をとるのかというと、それは「生活保護」という最終的なセイフティネットを利用することになります。このような人たちは、確かに家賃光熱費は保護費の中から支払いますが、例えば「医療費」も自己負担せず、全額国費で治療を受けることができます。

もしも政府が

 「あなたたちが現役時代に働こうが働くまいが、あなた方の老後の生活はすべて政府が面倒を見ますよ」

と宣言してしまった場合、私は上記に掲載したように、「労働」することを放棄し、行政サービスに頼りっぱなしになる人が増えるのではないか、と考えているのです。

その結果、日本国内では「生産力」が衰退し、物資を海外からの輸入に頼るようになり、日本国内の物価が海外の情勢や為替変動に左右されるような、そんな社会が訪れるのではないかと考えているわけです。

 「そんなことはない。ルール整備をきちんとすればいい」

という人はいるでしょうが、いつまでも現在の政権が続くとは限りません。経営者をサポートすることを批判し、労働者や非正規労働者、もしくは無職者の支援を重視する政府が現れれば、全くない、といえる話ではありません。

社会保障のサービスを安定して提供し、かつ日本国内の「労働する意欲」を担保しようとするのであれば、やはり、特に「老後」の社会保障費は財源の裏付けを明確にした上で運用するべきだ、というのが私の考えです。


私にだって、消費増税は凍結すべきだとか、繰り延べるべきだという人たちの意見が理解できないわけではありません。それも一つの考え方だと思いますし、逆に消費増税を行うことで日本国民の労働する意欲を減退させてしまう、という意見も当然あるでしょう。

また、第358回の記事 でもお示ししましたように、もともと高齢化に伴う社会保障費の自然増に伴う財源に充てるつもりであった消費増税分を幼児教育無償化等の他の政策に充てる余裕が出てきたということは、高齢化に伴う自然増の伸び率が思ったほど深刻ではなかったのではないか、とも私は考えています。

であればその分の伸び率を抑えるという方法もあるんじゃないか、という考え方も当然できると思います。

このように考えると、「消費増税」もまた数多くの政策判断の中の一つであり、これだけを理由で安倍内閣をたたいたり、掌を返したりする姿勢は果たしてどうなのかと私は思います。

中には消費増税を肯定する立場の人を貶したり、罵倒したりする意見を見ることもあります。もし消費増税に反対なのであれば、政府をきちんと納得させられる意見を持った人に票を投じ、または当選した議員さんを通じて政府に自分自身の意見を届けるような努力を行うのが本来のあるべき姿なのではないでしょうか。

ましてこのように将来のヴィジョンを描くこともせず、

 「政府が国債を発行し、日銀が金融緩和を行い続ければいつかは日本の景気は良くなるはず」

といった無責任な意見を述べることは果たしてどうなのでしょうか?

本当に日本の事を思い、自分自身の主張を行うのは正しいことだと思います。ですが、そのような自分の意見を通したいからと言って、「マクロ指標」を「ブレイクダウン」せず、つまり例えば「消費者物価」が下落している理由が消費増税のせいだと思い込み、誤った情報を根拠として現在の政策の批判を行うやり方はいただけません。

私は現在の安倍内閣を支持しています。それは「経済」だけでなく、「外交」や「防衛」、そして「憲法改正」の考え方も含めた、全体像としての安倍内閣を支持しているということです。

もちろん各論としてそれは違うんじゃないか、と思う部分も多々としてありますが、であればその部分を「おかしい」といえばよいのであって、だから安倍内閣はおかしい、ということにはなりません。まして誤った情報を下に安倍内閣を叩くのははっきりって間違いだと思います。

本日は長文になりましたが、「批判する」のであれば、情報をきちんと分析したうえで、現時点で自分場一番正しいと判断している情報を下に批判するのが政治家だけでなく、私たち日本国民も含めて本来の「あるべき姿」だと思います。

そして一方的に批判するのではなく、きちんと相手の意見にも耳を貸し、全否定をせず、正しいと思ったことは受け入れる姿勢を持つことこそ、日本を世界に誇れる国とするために、本当に必要なことなのではないでしょうか?



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