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<前回の記事 第81回 金融政策の限界①

前回に引き続き、「金融政策の限界」についての記事を掲載します。
サブタイトルで、「グラフで見る流動性の罠」という言葉を使っていながら、実際にどの部分が「流動性の罠」なのかということを示していませんでしたので、前回の記事を復習する形で、前半はこの部分についてご説明いたします。

改めまして、こちらのグラフ。
預金取扱機関 現金預金残高推移
これは、日本の「預金取扱機関」が保有する「現金資産」の残高の推移です。

「預金取扱機関」とはつまり、日本銀行を除く金融機関で、民間の銀行や信用金庫などの「預貯金」を取り扱っている金融機関のことです。
なぜこの「預金取扱機関」が保有する現金資産の残高をピックアップしてお示しするのかというと、今回のテーマが「金融政策の限界」というところにあるから。

「金融政策」とは日銀が市場に対して施す施策のことで、

(1)「政策金利(銀行等金融機関が日本銀行からお金を借りるときの金利)の調節」
(2)「金融市場(銀行等金融機関が保有している現金を含む金融資産が取引されている市場)に対し、債権や証券などの金融商品を日銀が売り買いして流通する資金の量を調節する」
(3)「預金準備率(銀行等金融機関が義務付けられている、日銀に預けておかなければならない資金の比率)の調節」

主にこの3つの政策のことを言います。
少し難しいですね。このうち(3)については、日銀もそれほど実施することのひくい金融政策ですので、今回話題になるのは(1)、(2)のことになります。
これは、 前回の記事でもお伝えした通りです。

冒頭にお伝えした「流動性の罠」とは、「政策金利が限りなく0%に近づくと、ありとあらゆる金融政策の効果が失われてしまう」という考え方です。(詳細は第16回の記事をご参照ください)

その大きな理由の一つとして、仮に「現金」以外の項目に投資したとしても、現金以上の価値に膨らむ可能性が限りなく0低いから。株を買っても、土地を買っても、人を雇用しても、設備投資をしても、その投資を行った金額以上になって帰ってくる見通しが立たないため、人も、企業も資産を現金のままで保有しようとします。
このような市場に「追加緩和」という方法でいくら現金を投下したとしても、人も、企業も現金の価値が最も高いと考えていますから、いくら金融市場に資金が増えたところで、「現金」以外の魅力のない市場に人も企業も「投資」を行おうとはしません。
金融市場に「現金」が溜まっていくだけです。

ところが、銀行・証券会社等金融機関も、預金者から預かった資産を運用しなければ利息を支払うことができませんから、唯一「現金」と同等の価値がある資産、「国債」に対して投資を行います。

つまり、この状況から脱却させるには、いかにして日銀が投下した現金を、現金と国債以外の分野に向けて投資させるのか。すなわちそのガイドラインともいえる「財政政策」が必要となってくるわけです。

前回の記事でご説明したのはこのような内容です。

アベノミクスでは、まず「第一の矢」を投下することによって、市場の「期待インフレ率」を高めた。
しかし、いくら期待インフレ率を高めることに成功したとしても、「第一の矢」とは所詮金融緩和であり、ゼロ金利にほぼ近い金融政策をとっている日本ではいつまでもその効果が持続することはない。その「金融政策」には限界があることを前回の記事ではお示ししました。

「第一の矢」とは、既にご存知の通り、「異次元の金融緩和」の言葉に象徴されるように、「金融緩和により、市場に流通するお金の量を増やすことで、出るれマインドを払しょくすること」が少なくともその表面的な目的となります。

「金融緩和」とは、市場に流通する「国債」等金融商品を日銀が買い集めることで、金融商品を現金化し、流通する現金通貨の量を増やす金融政策です。「市場(金融市場)」とは、主に銀行や証券会社等が取り扱う金融商品や現金通貨が流動している、いわば
「仮想的な市場」であり、日銀が「量的緩和」によって買い集める金融資産を取り扱っているのは主に銀行等「預金取扱機関」と「証券会社」であり、特に「預金取扱機関」が保有する資産の量は証券会社の17倍。国債に至っては50倍に上ります。

そこで、改めてこのグラフ。
預金取扱機関 現金預金残高推移
日本の「預金取扱機関」が保有する「現金資産」の推移なのですが、「日本銀行が行う金融緩和(量的緩和)によって、購入された金融資産に対して支払われた『現金』」が、一体どのような動きをしているのか、ということをみる上で、このグラフほど的確にその動きを把握できる資料はありません。

そして、このグラフを見ると「流動性の罠」とはいったいどのような経済現象なのか、ということをよく理解することができます。
後段では、このグラフをどのように見ることで「流動性の罠」について理解することができるのか、ということについてご説明したうえで、さらにもう一つの「金融政策の限界」についてお示しいたします。

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<前回の記事 第80回 日銀政策の意義

シリーズ第二次世界大戦についても鋭意製作中なのですが、前回の記事に関連した内容で、とあるところで議論になりましたので、そのことについて少し掲載してみたいと思います。

議論になった相手は、第15回の記事でご紹介した、「マネタリズム」という考え方にとらわれた相手でした。

改めて「マネタリズム」という言葉について解説させていただきますと、
マネタリズムとは

市場に流通する通貨の量さえ増やせば、国民の所得は拡大するという考え方。
日銀による「金融政策」さえ行っておけば、国民の所得は増え、経済は成長するという考え方。

詳細な内容については改めて第15回の記事に目を通していただければと思うのですが、ここでいう日銀による「金融政策」とは、主に

・政策金利(民間の金融機関が日銀からお金を借りるときの金利のこと)の引き下げ
・量的緩和(民間の金融機関が持つ国債や株などの金融商品を買い取って日本銀行券に換えること)の実施

この二つです。
マネタリズムとはつまり、政府が行う政策より、日銀によって実施されるこの二つの政策のほうが重要である、という考え方です。

ですが、「流動性の罠」という状況に陥った市場では、このようなありとあらゆる金融政策には意味が失われ、効果が失われてしまいます。(理由はクリック後の記事を参照ください)

このような市場における有効な手段は、「財政政策の実施」に他なりません。
後段において、日本銀行が公表している「資金循環表」に基づいたデータから、「流動性の罠」と呼ばれる状況について、具体的に解説していきたいと思います。

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<前回の記事 第79回 なぜ日本は大東亜戦争を起こしたのか~清国はどのようにして崩壊したのか④~

今回は、シリーズ第二次世界大戦はお休みして、少し気になるニュースについて記事にしたいと思います。

記事はこちらのニュースです。
日銀 大規模な金融緩和策を維持

NHKニュース記事なので、すぐ消えると思いますから、本文と画像を張り付けておきます。
4月28日 12時04分
日銀 大規模な金融緩和策を維持

日銀は、28日開いた金融政策決定会合で、今のマイナス金利政策を含めた大規模な金融緩和策を維持することを決めました。一方、目標とする2%の物価上昇率を達成する時期については、原油価格の低迷などを理由に「来年度中」に改め、これまでより遅れる可能性があるという見通しを示しました。

日銀は28日、金融政策決定会合を開き、国内外の景気や物価の現状と先行きについて議論しました。
その結果、目標に掲げる2%の物価上昇率の実現に向け、マイナス金利政策を含めた今の大規模な金融緩和策を維持することを、賛成多数で決めました。

国内では、中国など新興国経済の減速に加え年明け以降の円高もあって、企業や個人が景気や物価の先行きに慎重な見方を強めていて、消費が低迷しています。また、今月14日に発生した熊本地震の経済活動への影響も懸念されています。
しかし、日銀としては、日本経済そのものは緩やかに回復していると判断していることや、ことし2月に導入したマイナス金利政策の効果が投資や消費など実体経済に及ぶまでにはなお一定の時間がかかるとして、その効果を見極めたいと判断し、今回、金融政策を変更しなかったものとみられます。

また、日銀は、経済と物価についての最新の見通し、「展望レポート」を発表し、目標とする2%の物価上昇率を達成する時期については、原油価格の低迷などを理由に、これまでの「来年度前半ごろ」という表現を「来年度中」に改め、これまでより遅れる可能性があるという見通しを示しました。

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ニュースピックスにも掲載されていたニュースです。

ニュースを簡単に説明しますと、4月28日に日銀が28日に開いた会合で、大規模な金融緩和政策を維持することを決めた、というニュースです。
このニュースのポイントは、報道がなされるまでいわゆる「専門家」たちは「日銀がさらなる追加緩和を行うと予想していた」のに、「日銀は金融緩和政策を維持し、追加緩和は行わなかった」ということです。

その結果、それまで円安に推移していた為替相場は円高に急転換し、同時に株価も急落した・・・というのが一般的に考えられているこのニュースの見方です。

後段にて、私視点でのこのニュースの見方を示してみたいとおもます。

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