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改めて見ますと、私が作成している消費者物価指数の記事が12月が最新となっていますので、1月、2月、3月と3か月分作成できていなかったんだな・・・と反省するところです。松山市議会議員選挙の関係で忙殺されていた・・・とはいえ。

今回のタイトルは、「平成29年(2017年)度の消費者物価指数」としていますが、実際には2018年3月の消費者物価指数が公表されたのであって、このことで2017年度1年間の情報がそろった、というのが正確なところです。

ということで今回は、2018年3月の情報と2017年度の情報を併記し、かつ2018年3月の情報を2018年2月と、2017年度の情報を2018年度と比較する形で記事にしてみたいと思います。

特に、年度の「消費者物価指数」の情報は、年金受給世代が受け取ることができる年金の額にも大きく反映されるものですので、個々も注目ポイントです。


平成30年(2018年)3月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
↓1.1(↑1.5)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
↓0.9(↑1.0 )

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
↓1.3(↑1.8)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
→0.5(↑0.5)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
→0.5(↑0.5)

エネルギーを除くと横ばい、加えると2月より下落している・・・ということは、3月はエネルギーの消費者物価指数の上昇幅が2月と比較して縮小しているということがわかります。ちなみにエネルギーの前年同月比は2月が7.0%上昇、3月が5.7%上昇となっています。

また、「持家の帰属家賃」を除くと2月が0.3%、3月が0.2%「総合」を上回ることもポイントとなりますね。(持家の帰属家賃に関しては第314回の記事 をご参照ください)

私が大切にしている消費者物価指数は、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」であることを常々伝えているわけですが、それでも「持家の帰属家賃」は、長らく消費者物価指数を引き下げる要因として働いています。

持家の帰属家賃を除くと、海外の物価動向や天候に左右されることのない、真の消費者物価指数は、前年同月比で2月が0.8%、3月が0.7%なのではないか、と推察されます。


平成29年度(2017年度)の消費者物価指数

【消費者物価指数総合の前年度比】※( )内は2016年度の前年度比です。
総合
↑0.7(↓-0.1)

生鮮食品を除く総合
↑0.7 (↓-0.2)

持家の帰属家賃を除く総合
↑0.9(↓-0.2)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
↑0.9(↓-0.2)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合
↓0.2 (↓0.3)

さて。いかがでしょう。2017年度と2016年度の情報を比較すると、「上昇幅」で見る限り、「エネルギー物価」が含まれる「総合」「生鮮食品を除く総合」「持家の帰属家賃を除く総合」「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」はすべて20017年度が2016年度より上昇しているのに、ここから「エネルギー物価」を取り除くと、2017年度の消費者物価指数は、2016年度の消費者物価指数の上昇幅を下回ってしまっています。

逆に2016年度の消費者物価指数を2015年度の消費者物価指数と比較しますと、エネルギー物価が含まれる消費者物価指数はすべてマイナスを記録していて、2015年度を下回っているのに、エネルギー物価を除くとプラス成長しており、2016年度の消費者物価指数は2015年度を上回っています。(こちらは上昇幅ではなく、実数での比較です

これだけを見ても、「エネルギー物価」の動向がいかに消費者物価指数全体に影響を与えているのか、ということを皆さんご理解いただけるはずです。


考察

それでは、年間を通じてみた場合、2017年度の消費者物価指数は、エネルギーや生鮮食品の影響を除くと、0.2%の物価上昇(持家の帰属家賃を除くと0.4%)の物価上昇にとどまっているわけですが、では何がその主要因であったのでしょうか?

【2017年度消費者物価指数(10大費目別)の前年度比】※( )内は2016年度の前年度比です。
食料 ウェイト:2623
↓1.1(↓1.4)

 生鮮食品 ウェイト:414
 ↓1.7(↓4.3)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 ↑1.0(↓0.9)

住居 ウェイト:2087
↓-0.2(↓-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  ↓0.1(↓0.3)

光熱・水道 ウェイト:745
↑4.3(↓-7.0)

家具・家事用品 ウェイト:348
↓-0.8(↓-0.5)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 ↓-0.1(↓-3.3)

被服及び履物 ウェイト:412
↓0.1(↓1.5)

保健医療 ウェイト:430
→1.2(→0.8)

交通・通信 ウェイト:1476
↑0.5(↓-1.4)

 自動車等関係費 ウェイト:836
 ↑2.1(↑-1.1)

教育 ウェイト:316
↓0.4(→1.4)

教養娯楽 ウェイト:989
↓0.4(↓0.8)

 教養娯楽用耐久財 ウェイト:59
 ↓-2.4(↓-2.0)

諸雑費 ウェイト:574
↓0.3(↓0.6)

このようにしてみますと、私が常に物価下落の主犯として挙げている「家事用耐久財」も、-0.1%と確かに下落こそしているものの、物価全体に影響を及ぼすほど大きなものではなく、また2016年度の-3.3%と比較すると大幅に改善されており、2017年度の物価が伸び悩んでいる理由、として充てるには少し無理があります。

また、もう一つの「主犯」として私があげている「教養娯楽耐久財(テレビ・PC)」も、確かに-2.4%と、昨年を上回る下落幅を記録してこそいますが、その差は0.4%。ウェイトも59と、物価指数全体の10000に比較すればわずかなウェイトとなっていますので、そこまで大きな原因と考えるには無理があります。

さて、それでは何が原因か・・・と申しますと、10大費目別物価上昇率全体を見てみますと、おのずと見えてきますね。

2017年度の消費者物価は、確かにプラス成長しており、前年の実数を上回っていますが、前年度の上昇幅を上回る上昇幅を記録しているのは「生鮮食品を除く食料」「光熱・水道」「交通・通信」の3つのみ。

「生鮮食品を除く食糧」以外の2項目は、ともに「エネルギー物価」を含む分野です。

つまりはエネルギー物価を含まない分野での物価上昇が、全体的にやや「伸び悩んでいる」ことが生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価が伸び悩んでいる理由です。

第399回の記事 でもお伝えしましたが、安倍内閣に入って、「所得」の分野では見事すぎるほどに「アベノミクス」の成果が出ているのです。

ですが、残念なことにこれが「物価」に関してはやや足りない。せっかく所得が伸びているのに、その所得が残念ながらまだ「消費」には向かいにくい状況が継続しているということ。日本国民から「デフレマインド」がまだ抜けきっていないってことです。

安倍内閣が目指す物価上昇率は「生鮮食品を除く消費者物価指数2%の経済成長」です。

「所得」から「消費」へ。

「物価」

日本国経済を安定的に発展させるため、安倍内閣に求められているのは、今こそ「消費」を喚起させるための経済政策なのではないでしょうか?

麻生内閣当時の経済政策って、非常に参考になると思うんですが、いかがでしょう、安倍さん。


改めて、次回記事では今回の記事を下に、「年金と消費者物価指数」について、今度はカテゴリー「日本の年金」 において記事にしてみたいと思います。

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現在(2018年1月30日)の段階~4月までにかけて、議員さんの後援会事務所のお手伝いをすることになりましたので、更新の頻度が落ちます。特にナチスドイツは一体なぜ誕生したのか? のシリーズ等は作成するのにどうしても時間がかかりますので、楽しみにしている方がいらっしゃったとしたら・・・申し訳ございません。

おいおい更新しますのであきらめずにお待ちください。

さて。今回はタイトルにもございます通り、2017年12月の消費者物価指数に関連した記事です。


平成29年(2017年)度12月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年11月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
↑1.0(↑0.6)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
↑0.9(↑0.9 )

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
↑1.3(↑0.7)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
↑1.1(↑1.1)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
↑0.3(↑0.3)

11月と比較した上昇幅が大きいのは「持ち家の帰属家賃を除く総合」で0.7→1.3(↑0.6%)、次が「総合」で0.6→1.0(↑0.4%)となっています。

それ以外は横ばいです。

ここから読み取れることとして、まず0.4%増加した「総合」から生鮮食品を除くと消費者物価指数は横ばいとなっていますので、消費者物価指数「総合」を引き上げているのは「生鮮食品」であるということ。ちなみに12月の生鮮食品の物価上昇率は4.8%(ウェイト:414)です。

一方で「持家の帰属家賃」を除くと消費者物価指数「総合」は上昇幅を拡大させていますので、日本国内には本来存在すらしない「持家の帰属家賃」は相変わらず消費者物価指数を下落させる要因として働いていることがわかります。ちなみに12月の「持家の帰属家賃」は-0.2%(ウェイト:1499)です。

しかし、それにしても本来存在すらしない「持ち家の帰属」のウェイト(重要度)がウェイト全体(10000)の15%を占めていて且つこれが物価全体を引き下げる方向に働いているというのに、その数字が含まれた「コアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数)」を物価上昇率の目安とするのもいかがなものか、と真剣に思います。

生鮮食品からさらにエネルギーを取り除いた「生鮮食品及びエネルギーを除く」は11月と同じ上昇率となっていますので、エネルギー物価指数そのものは11月とほぼ同じ水準なのではないか、と推測されるのですが・・・

実際の12月のエネルギー物価指数は前年同月比7.7%、11月は8.5%ですから、物価上昇への影響力はやや減退しています。
「エネルギー物価」はその大部分が原油価格に依存しており、主に海外の物価の影響を受けますから、エネルギー物価は高いより低いほうが良い、という理屈はこれまでにお伝えしてきたとおりです。


消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年11月の前年同月比です。
↑1.8(↓0.1)

 生鮮食品 ウェイト:414
 ↑4.8(↓6.1)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 ↑1.2(↑1.1)

住居 ウェイト:2087
↓0.1(↓0.1)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
 ↑ 0.1(↑0.2)

光熱・水道 ウェイト:745
↑5.2(↑5.9)

家具・家事用品 ウェイト:348
↓0.9(↓0.5)

被服及び履物 ウェイト:412
↓0.3(↓0.3)

保健医療 ウェイト:430
↑1.6(↑1.6)

交通・通信 ウェイト:1476
↑0.8(↑0.8)

教育 ウェイト:316
↑0.4(↑0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
↑0.4(↑0.3)

諸雑費 ウェイト:574
↑0.7(↑0.3)

下落しているのは「住居」「家具・家事用品」「被覆及び履物」の3つですが、「住居」に関しましては例によって「持家の帰属家賃」を除くとプラス成長(ただし、↑0.2→↑0.1と上昇幅は縮小)していますので、実質的に下落しているのは「家具・家事用品」「被覆及び履物」の2つです。


「家具・家事用品」の前年同月比

「家具・家事用品」の詳細を見てみますと、例によって「家庭用耐久財」が↓0.9となっており、また11月の前年同月比↑0.3と比較するとプラスからマイナスへ転向していますので、その影響が大きいということがわかります。

【家庭用耐久財の前年同月比】※( )内は2017年11月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
↓0.9(↓0.5)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 ↓0.8(↑0.3)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  ↓3.4(↓1.3)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   ↓5.9(↓7.1)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   ↑3.2(↑2.1)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   ↑2.5(↑4.1)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   ↓7.3(↓7.7)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   ↓18.5(↓0.1)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   ↑6.0(→0.0)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   ↑5.7(↑6.0)

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  ↑3.9(↑3.0)

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   ↑4.3(↑4.1)

   温風ヒーター(4)
   ↑4.8(↑0.9)

   空気清浄機(3)
   ↓0.6(↓4.6)

  一般家具(18)
  ↓2.0(↓0.6)

   整理だんす(5)
   ↓0.2(↑0.9)

   食堂セット(9)
   ↓3.4(↓1.3)

   食器戸棚(4)
   ↓1.3(↓1.1)

タンス

家庭用耐久財全体を見ますと、「家事用耐久財」が↓1.3 から↓3.4 へと下落幅を拡大しているほか、「一般家具」がまた↓0.6 から↓2.0 へと下落幅を拡大させています。

ただ、「家事用耐久財」を見ますと確かに全体的に物価は下落させる要因として働いているものが多いのですが、この傾向は11月から続いているもので、12月独特の現象ではありません。

唯一、「電気掃除機」のみが前年同月比-0.1%から-18.5%へと大幅に物価幅を拡大させてさせていますので、「家事用耐久財」の物価を下落させた要因の主犯はこの「電気掃除機」であると考えられます。

このほか、洗濯機は上昇させる方向へと作用していたりしますので、「電気掃除機」の物価が下落したことをもって、「安倍内閣の政策が失敗した」という人はいないのではないでしょうか。

一般家具が下落する方向にあるのは気にかけておく必要のある要因かと思います。


「交通・通信」の前年同月比

また、物価が上昇する要因として働いてはいるものの、その品目の中に、「物価」要因のうち海外の物価動向の影響を受けやすい「ガソリン」が含まれる費目。「交通・通信」に関してはさらに分解して検証しておく必要があると思いますので、毎度のことですが、ここも深堀して情報を見てみます。

【交通・通信の前年同月比】※( )内は2017年11月の前年同月比です。
交通・通信 ウェイト:1476
↑0.8(↑0.8)

 交通 ウェイト:224
 ↑0.4(↑0.3)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 ↑2.5(↑2.6)
 通信 ウェイト:416
 ↓2.3(↓2.4)

傾向として、「通信」が全体を引き下げ、「自動車等関係費」が全体を引き上げている状況はこれまで通りですが、自動車等関係費の上昇幅が縮小し、通信の下落幅もまた縮小していることがわかります。

「自動車等関係費」の上昇幅が縮小した原因を探ってみますと、

【消費者物価指数(「自動車等関係費」)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
自動車等関係費 ウェイト:836
↑2.5(2.6)

 自動車 ウェイト:199
 ↑0.1(↑0.1)

  軽乗用車 ウェイト:40
  ↓1.1(↓1.1)

  小型乗用車A ウェイト:55
  ↑0.6(↑0.7)

  小型乗用車B ウェイト:5
  ↑0.7(↑0.7)

  普通乗用車A ウェイト:80
  ↑0.4(↑0.4)

  普通乗用車B ウェイト:20
  ↓0.2(↓0.2)

 自転車 ウェイト:9
 ↑2.2(↑2.1)

  自転車A ウェイト:6
  ↑3.6(↑3.6)

  自転車B ウェイト:3
  ↓0.7(↓1.0)

 自動車等維持 ウェイト:628
 ↑3.3(↑3.4)

  ガソリン ウェイト:206
  ↑10.3(↑10.5)

  自動車タイヤ ウェイト:30
  ↑3.7(↑3.6)

  自動車バッテリー ウェイト:8
  ↑0.9(↑1.4)

  カーナビゲーション ウェイト:21
  ↑4.5(↑7.8)

  自動車整備費(定期点検) ウェイト:28
  ↑0.1(↑0.0)

  自動車整備費(パンク修理) ウェイト:22
  ↑0.3(↑0.3)

  自動車オイル交換料 ウェイト:12
  ↓0.1(↓0.2)

  車庫借料 ウェイト:51
  →0.0(↓0.1)

  駐車料金 ウェイト:9
  ↓0.6(↓0.6)

  自動車免許手数料 ウェイト:2
  →0.0(→0.0)
  
  レンタカー料金 ウェイト:5
  ↓0.2(→0.0)

  洗車代 ウェイト:2
  ↑0.8(↑1.0)

  ロードサービス料 ウェイト:3
  →0.0(→0.0)

  自動車保険料(自賠責) ウェイト:41
  ↓6.5(↓6.5)

  自動車保険料(任意) ウェイト:189
  ↑0.5(↑0.5)

と、こんな感じです。

物価を上昇させる要因としてガソリン代が最も大きいのはその通りなのですが、11月の↓10.5から↑10.3へとわずかに上昇幅は縮小しています。

そのほか、小型乗用車A、つまり小型自動車の国産車の物価上昇幅が0.7→0.6へと減少していることも自動車等関係費全体の物価上昇幅をやや縮小させている理由となっています。

このほか、軽自動車の物価が下落し、代わりに小型、普通を含めた普通車の物価が上昇していること。「普通乗用車」の場合は輸入車よりも国産車の物価が上昇する傾向にあることなど、この辺りは安定期に入ったように感じます。

つまり、自動車の物価は安定して上昇するサイクルに入ったのではないか、と。軽自動車の物価が下落していますので自動車全体の伸び率は0.1%とやや伸び悩んでいるように見えますが、軽→普通車へと移行している様子は必ずしも自動車の物価が「伸び悩んでいる」とは言えないのではないかと私は思います。

物価上昇幅のうち、私が最も着目している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が二か月連続で0.3%成長。持家の帰属家賃がさらに0.2%程下落させる要因として働いていることを考えると、実際には0.5%ほどの物価上昇率となっているのではないかと考えられます。

ちなみに政府日銀が目指している物価上昇率は「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」で、この値が二か月連続で0.9%。持家の帰属家賃を考慮すると1.1%の物価上昇ではないかと思われます。

時間はかかりましたが、ようやく政府日銀の目指す「物価上昇率」が目途に入ってきたのではないでしょうか?



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<継承する記事>
第384回 平成29年(2017年)度11月度消費者物価指数が公表されました。

前回の記事に引き続き、今回の記事では2017年11月度消費者物価指数の内、上昇している費目について記事にしてみたいと思います。


おさらい

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
△0.1(△1.3)

 生鮮食品 ウェイト:414
 △6.1(△12.1)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 1.1(1.0)

住居 ウェイト:2087
△0.1(△0.1)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.2(0.2)

光熱・水道 ウェイト:745
5.9(6.2)

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.5(△0.3)

被服及び履物 ウェイト:412
△0.3(△0.1)

保健医療 ウェイト:430
1.6(1.6)

交通・通信 ウェイト:1476
0.8(0.6)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.3(△0.1)

諸雑費 ウェイト:574
0.5(0.2)

ということで、前回記事より、11月度「10大費目別」消費者物価指数のおさらいです。

前回の記事では、11月度の消費者物価指数に対してマイナスに作用している「家具・家事用品」と「被服及び履物」の事を記事にしました。

今回の記事では、同じ10大費目の内、逆に11月度の消費者物価指数にプラスに作用している費目について記事にしたいと思います。

プラスに作用している費目としては、「食料」が生鮮食品を除くと前年同月比1.1%、「住居」が持ち家の帰属家賃を除くと前年同月比0.2%、光熱・水道が5.9%、保険医療が1.6%、交通・通信が0.8%、教育が0.4%、教養娯楽が0.3%、諸雑費が0.5%となっています。

要は「家具・家事用品」と「被服及び履物」以外全ての費目で物価は上昇していますよ、ということです。

ただし、同じ上昇する費目の中でも「光熱・水道」は10月度よりはその上昇幅を縮小させていること、「保健医療」「教育」は横ばいとなっていますので、今回の記事ではこれ以外の費目の中から特に10月度に対しても上昇させる要因となっている「交通・通信」と「教養娯楽」を中心に記事を作成していきたいと思います。


「交通・通信」費は本当に上昇しているのか?

言うまでもありませんが、この「交通・通信」の費目の中には私が重視している「生鮮食品・エネルギーを除く総合」から除外されている「エネルギー」に相当する項目、「ガソリン」が含まれていますので、この章を作成する目的は「ガソリン」を除外しても「交通・通信」の物価は上昇しているのかどうかを確認することになります。

【消費者物価指数(「交通・通信」)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
交通・通信 ウェイト:1476
0.8(0.6)

 交通 ウェイト:224
 0.3(0.1)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 2.6(2.2)
 通信 ウェイト:416
 △2.4(△2.5)

相変わらず「通信」の下落幅は大きいですが、これはその大部分が携帯電話の「通信料」に相当するものです。
つまり、主犯は「格安スマホ」ということですね。

ですが、その「通信」費も10月と比較すればわずかですが下落幅を縮小させています。

残る二つの中分類費目である「交通」と「自動車等関係費」。

「交通」はいわゆる公共交通費の事で、ここを引き上げているのは「航空運賃」ですね。航空燃料の変動の影響をうけたものでしょうか?

さて。もう一つの「自動車関係費」ですが、ここに「ガソリン」の物価が含まれています。

「交通・通信」の中でウェイトも836と最も大きく、上げ幅も0.4%ですから、今回の「交通・通信」の物価を引き上げている最も大きな理由となっています。

【消費者物価指数(「自動車等関係費」)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
自動車等関係費 ウェイト:836
2.6(2.2)

 自動車 ウェイト:199
 0.1(0.1)

  軽乗用車 ウェイト:40
  △1.1(△1.1)

  小型乗用車A ウェイト:55
  0.7(0.8)

  小型乗用車B ウェイト:5
  0.7(0.7)

  普通乗用車A ウェイト:80
  0.4(0.4)

  普通乗用車B ウェイト:20
  △0.2(△0.2)

 自転車 ウェイト:9
 2.1(1.8)

  自転車A ウェイト:6
  3.6(3.2)

  自転車B ウェイト:3
  △1.0(△1.1)

 自動車等維持 ウェイト:628
 3.4(2.9)

  ガソリン ウェイト:206
  10.5(9.9)

  自動車タイヤ ウェイト:30
  3.6(3.5)

  自動車バッテリー ウェイト:8
  1.4(△0.9)

  カーナビゲーション ウェイト:21
  7.8(0.0)

  自動車整備費(定期点検) ウェイト:28
  0.0(0.0)

  自動車整備費(パンク修理) ウェイト:22
  0.3(0.3)

  自動車オイル交換料 ウェイト:12
  △0.1(△0.2)

  車庫借料 ウェイト:51
  △0.1(△0.1)

  駐車料金 ウェイト:9
  △0.6(△0.1)

  自動車免許手数料 ウェイト:2
  △0.0(△0.0)
  
  レンタカー料金 ウェイト:5
  0.0(0.0)

  洗車代 ウェイト:2
  1.0(1.0)

  ロードサービス料 ウェイト:3
  0.0(0.0)

  自動車保険料(自賠責) ウェイト:41
  △6.5(△6.5)

  自動車保険料(任意) ウェイト:189
  0.5(0.5)

自動車

想定はしていましたが、「交通・通信」の分野でのまだやはり物価回復の「本調子」というわけではなさそうですね。
「ガソリン」の影響が大きいことは予測通りでした。

それでもその伸び率は10月と比較すると0.9%増とそこまで大きいものではなく、また同時に「カーナビ」の物価上昇も貢献していることがわかりました。

ただ、「物価上昇」を見る上で要としたい「交通・通信」分野の花形である「自動車」も決して悪いわけではありません。傾向として、デフレの象徴ともいえる「軽自動車」の物価が下落し、「小型乗用車」へと移っている様子が見えてきます。

「普通乗用車B(外車)」も物価がは下落していますが、「普通乗用車A(国産車)」は消費増税の行われた2014年度より継続して毎月前年同月比がプラス成長しており、これは「小型自動車A」にも同様の傾向がみられることから、軽自動車を除く国産車に関してはついに「デフレを脱却した」と言える状況に至ったのではないかと思われます。


「教養娯楽」の消費者物価指数

【消費者物価指数(「交通・通信」)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
教養娯楽 ウェイト:989
0.3(△0.1)

 教養娯楽用耐久財 ウェイト:59
 △0.8(△1.1)

 教養娯楽用品 ウェイト:210
 △1.4(△1.3)

 書籍・他の印刷物 ウェイト:128
 1.0(0.4)

 教養娯楽サービス ウェイト:592
 0.9(0.3)

「教養娯楽」を見るときに、私がいつも問題にしている「テレビ」や「パソコン」などはこのうち「教養娯楽用耐久財」に含まれています。

前年同月比としてはマイナスになっていますが、「下落幅の縮小」という点では7月以降5か月間継続して縮小させていることになります。「教養娯楽用耐久財」に関しては、安倍内閣がスタートする以前は二けた。しかも20%を超える下落っぷりでしたから、当時がいかにひどかったのかということがよくわかります。

とはいえ、この傾向が入ったのは何も民主党政権がスタートした後、というわけではありません。

平成4年(1992年)2月~平成25年(2013年)7月まで、なんと21年以上も継続していました。まさしく「デフレの象徴」ですね。

「テレビ」は2016年6月から1年5か月継続しています。ピークが16年9月の-18.6%でした。ここから下落幅を縮小させ、11月は-1.6%まで縮小しました。

パソコンも同様で、ピーク時(デスクトップ型2017年2月:-8.4%/ノート型2017年3月-11.0%)からデスクトップ型が-1.3%、ノート型が-1.2%まで縮小しました。


さて。しかし、です。「教養娯楽」の中でこれを上昇させる要因となっている最大の費目は「教養娯楽サービス」。ウェイトも592、上昇幅も10月と比較して0.6%の改善となっています。

【消費者物価指数(「教養娯楽サービス」)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
教養娯楽サービス ウェイト:592
0.9(0.3)

 宿泊料 ウェイト:113
 1.5(1.0)

  宿泊料 ウェイト:113
  1.5(1.0)

 パック旅行費 ウェイト:42
 3.6(△2.9)

  外国パック旅行費 ウェイト:42
  3.6(△2.9)

 月謝類 ウェイト:103
 0.8(0.8)

 その他教養娯楽サービス ウェイト:334
 0.4(1.0)

  放送受信料 ウェイト:80
  0.0(0.9)

  入場・観覧・ゲーム代 ウェイト:128
  1.1(1.1)

 他の娯楽サービス ウェイト:126
 0.0(1.0)

観光

項目が多すぎるのでまあまあ端折ってます。

「その他教養娯楽サービス」「その他娯楽サービス」は物価を引き下げる方向に働いています。大きいのは「宿泊料」と「外国パック旅行費」。

「宿泊料」は国内旅行、「外国パック旅行費」は海外旅行です。

つまり、「旅行費」が総じて好調であったということですね。海外旅行に関しては特に10月度の前年比が-2.9%と大きく前年割れしていたこともあり、より大きな影響が出ています。


総評

長らく「デフレ」が続いていた日本経済ですが、自動車の物価動向に見られるように、少しずつ「脱却した」と言及してもそん色のない状況が生まれ始めたのではないかな、と感じています。

家事耐久財やテレビ、パソコンなどの家電製品を中心に、まだまだ物価下落の止まらない項目が存在することは事実ですが、可処分所得が「旅費」に回されるなど、私たち一般国民にもその好況感を実感できる状況になりつつあるのではないでしょうか?



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いつもは毎月月末に公表されている最新の「消費者物価指数」なのですが、何気に消費者物価指数のページを開いてみますと、昨日(12月26日)に最新、11月分の消費者物価指数が公表されていました。

これ、今月が年末なので特別に早くなっているのかと思いきや・・・

※全国結果の公表を、平成30年(2018年)1月分から1週間早期化します。
全国 1月分公表日:2月23日(金曜日)(変更前:3月2日(金曜日))
    2月分公表日:3月23日(金曜日)(変更前:3月30日(金曜日))
    3月分以降の公表予定は1月下旬に発表します。
統計局ホームページより)
つまり、来月(2018年1月)からは更にこの公表スケジュールが早期化し、毎月月末に公表されていたものが、1週間前倒しで公表されることになるんだそうです。

「消費者物価」って、毎月1か月遅れで公表されていますから、どうしても1か月分の「タイムラグ」が生じてしまいます。その点で1週間とは言え、わずかでも早くなることはその分より早く政策にも反映できることになりますから、良い傾向だといえるのではないでしょうか。

解析に入る前段階での今月の評価としては「生鮮食品を除く総合」や「持ち家の帰属家賃を除く総合」の前年同月比が改善しているということ(つまり「持ち家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合も改善している)、またエネルギーだけで見ますと、前年同月比8.5%とと大きな増加幅となっているものの、先月の8.6%よりはやや縮小していることから、先月と比較する上でその影響は少なくなってきている、ということでしょうか。

全体的に「改善の兆しが見えてきた」と言えるのではないでしょうか?

「物価」


平成29年(2017年)度11月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.6(0.2)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.9(0.8 )

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.7(0.3)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
1.1(1.0)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.3(0.2)

「総合」や「持ち家の帰属家賃を除く総合」の上昇幅が大きくなっているのは10月度の「生鮮食品」の物価下落幅が大きかったことが理由です。

11月度の生鮮食品の下落幅も-6.1%と大きくなっているものの、10月度の下落幅は-12.1%でしたので、その下落幅が1/2近くまで縮小していることがわかります。

生鮮食品の下落幅が縮小していますので、その分生鮮食品を除く物価の「見かけ上の上昇幅」が拡大している様に見えるのです。

ですが、生鮮食品を含まない物価についても、全体で0.1%ずつとわずかではありますが、上昇していることがわかりますね。


消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年10月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
△0.1(△1.3)

 生鮮食品 ウェイト:414
 △6.1(△12.1)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 1.1(1.0)

住居 ウェイト:2087
△0.1(△0.1)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.2(0.2)

光熱・水道 ウェイト:745
5.9(6.2)

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.5(△0.3)

被服及び履物 ウェイト:412
△0.3(△0.1)

保健医療 ウェイト:430
1.6(1.6)

交通・通信 ウェイト:1476
0.8(0.6)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.3(△0.1)

諸雑費 ウェイト:574
0.5(0.2)

こちらは毎回掲載しています、「10大費目別」の消費者物価指数。

10大費目別の評価としては、やはり「家具・家事用品」の不調。それでも毎回明日を引っ張っている「家庭用耐久財」は10月の0.8から0.5ポイント上昇幅が縮小してはいるものの、それでも0.3%のプラス成長。

マイナス要因として作用している「家事用消耗品」も10月の-2.4から-2.1に下落幅が縮小しています。

「悪い」と言ってもそこまで悪化しているわけではありません。「室内装備品」や「家事用消耗品」などを中心にもともと堅調ではありませんでしたから、家庭用耐久財の上昇幅の縮小や家事雑貨の伸び悩みなどの影響が反映されやすい状況にあったということでしょうか。

恒例ですが、参考までに「家庭用耐久財」の詳細も見てみます。

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.5(△0.3)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 0.3(0.8)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  △1.3(△0.9)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   △7.1(△9.0)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   2.1(5.7)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   4.1(8.2)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   △7.7(△11.3)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   △0.1(4.8)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   0.0(4.3)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   6.0(0.3)

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  3.0(3.4)

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   4.1(4.9)

   温風ヒーター(4)
   0.9(0.7)

   空気清浄機(3)
   △4.6(△7.9)

  一般家具(18)
  -0.6(0.6)

   整理だんす(5)
   0.9(1.2)

   食堂セット(9)
   -1.3(0.5)

   食器戸棚(4)
   △1.1(△0.1)

こうしてみると、「冷暖房器具」は持ち直しており、ネックとなっているのはやはり「家事用耐久財」であることがわかります。

一般家具もずっと物価の優等生っぷりを発揮していたのですが、11月に入って物価下落に転じましたね。このあたり、来月以降注視してみたいです。

また、「物価の優等生」という肩書で言えば、昨年度まで原油価格の下落に伴う物価下落が進む中、物価上昇を堅調に維持していた「被服及び履物」に関してもこのところ物価下落が続いています。

中でも、特に「洋服」が9月の-0.7、10月の-0.6、そして11月の-0.9と物価下落が継続していますので、このあたりも注視する必要がありますね。洋服ってやはり「付加価値」の分野ですからね。伸びてほしい項目です。


「物価」が上昇している理由

さて。同じ「物価」を見る中で、先述しました様に「家具・家事用品」や「被服及び履物」に関しては先月より悪化しているものの、それ以外の費目上昇幅を拡大、または下落幅を縮小させている項目があります。

詳細に見ますと、横ばいが「住居」「保険医療」「教育」の3大費目。上昇幅を縮小させているのが「光熱・水道」。

下落幅を縮小しているのが「食料」(生鮮食品を除くと上昇幅を拡大)、上昇幅を拡大させているのが交通・通信と諸雑費、下落から上昇に転じているのが「教養娯楽」です。

次回記事では、物価を上昇させている要因となっている費目の内、「交通通信」と「教養娯楽」を中心に記事を作成してみたいと思います。



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今月(2017年12月)初日に公表されており、本日は7日ですので、「速報」と称するには少し期間が経過していますが、タイトルの通り、2017年10月度消費者物価指数についての記事を作成したいと思います。

まだざっと見ですが、今回の特徴は「生鮮食品」の物価が下落していることにあげられるかと思います。もちろん私のブログで大切にしているのは「生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数」及び「持家の帰属家賃を除く消費者物価指数」ですから、生鮮食品の物価そのものは重視していません。

ただ、このことが他の費目に与える影響もあるかと思いますので、私の掲載する情報に、そんな「フィルター」をかけながら見ていただけると嬉しく思います。


平成29年(2017年)度10月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年9月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.2(0.7)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.8(0.7 )

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.3(0.9)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
1.0(0.9)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.2(0.2)

10月度の全体的な状況はこんな感じです。「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」と「生鮮食品を除く総合」の差が0.6ポイントありますので、これだけエネルギー物価が上昇したことを示しています。

また、「総合」と「生鮮食品を除く総合」の差が0.6ポイントありますので、この差は「生鮮食品」の物価下落が影響していることがわかります。総合を先月と比較しても0.5ポイントも引き下げているわけですから、あくまでも「前年同月比」ベースではありますが、影響は「大きい」と言えるでしょうね。

ただ、「生鮮食品」は基本的に天候や気温によって物価が上下落する費目ですから、私たち一般庶民が体感している「景気」の影響を受けて上下落するものではありません。(逆に景気に影響を与える場合はありますが)

ですので、私のブログでは参考程度の掲載にとどめておきます。

また、「持家の帰属家賃を除く総合」と「総合」を比較しますと、0.1ポイント開きがありますので、「持家の帰属家賃」はやはり消費者物価を下落させる方向に働いていることがわかります。(持家の帰属家賃は架空の数字です)


消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年9月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
△1.3(0.1)

 生鮮食品 ウェイト:414
 △12.1(1.2)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 1.0(1.0)

住居 ウェイト:2087
△0.1(△0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.2(0.0)

光熱・水道 ウェイト:745
6.2(6.0)

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.3(△0.2)

被服及び履物 ウェイト:412
△0.1(△0.3)

保健医療 ウェイト:430
1.6(1.8)

交通・通信 ウェイト:1476
0.6(0.0)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
△0.1(0.2)

諸雑費 ウェイト:574
0.2(0.1)

物価を下落させる方向で働いているのが「食料」「住居」「家具・家事用品」「被服及び履物」「教養娯楽」の5項目。残る5項目は逆に上昇させる方向に働いています。

ただし、「食料」は既に言及していますように生鮮食品の「-12.1%」が最大の影響を与えており、これを除くと1.0%と横ばい。しかも1%台ですから、消費状況を見るうえでの「物価」としては決して悪い状況ではありません。

また、「住居」もこれを引き下げる主要因となっているのは「持家の帰属家賃」で、これを除くと0.2%。決して高成長だとは言えませんが、それでも7月のマイナス成長を挟んで6月~9月まで物価上昇率が0%であったことを考えると、改善している状況にあります。

ですので、実際に景気状況を見る上での「物価を下落させる要因」として働いているのは「家具・家事用品」「被服及び履物」「教養娯楽」の3つ。

「被服及び履物」は昨年度は「物価の優等生」と私が呼称していたほどの分野ですから、物価状況としては少し残念な状況にあります。ただ、10月は季節の変わり目でもありますので、11月、12月と冬物が本格的に動き出した後の物価状況に着目したいと思います。

さて。となるとやはりポイントとなるのは「家具・家事用品」と「教養娯楽」の2つ。

そう。私がいつも物価下落の主犯にあげている「家電製品」が含まれている分野です。

ただし、


家具・家事用品の前年同月比

【家具・家事用品の前年同月比】
※( )内は2017年9月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
△0.3(△0.2)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 0.8(1.2)
 室内装備品 ウェイト:25
 △1.2(△1.8)
 寝具類 ウェイト:27
 0.2(△0.6)
 家事雑貨 ウェイト:72
 0.6(0.8)
 家事用消耗品 ウェイト:86
 △2.4(△2.3)
 家事サービス ウェイト:27
 0.1(0.1)

先月、先々月と同様の傾向ではありますが、「家具・家事用品」中分類費目の内、家電製品が含まれる「家庭用耐久財」全体では前年同月比+0.8%。9月より減少してこそいるものの、既に物価を下落させる要因としては働いていないことがわかります。

もう少し掘り下げてみてみます。

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.3(△0.2)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 0.8(1.2)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  △0.9(0.7)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   △9.0(△6.8)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   5.7(13.3)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   8.2(5.3)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   △11.3(△7.6)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   4.8(2.2)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   4.3(3.5)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   0.3(△4.2)

エアコン

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  3.4(2.2)

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   4.9(3.2)

   温風ヒーター(4)
   0.7(△1.1)

   空気清浄機(3)
   △7.9(△4.3)

  一般家具(18)
  0.6(0.7)

   整理だんす(5)
   1.2(2.2)

   食堂セット(9)
   0.5(0.0)

   食器戸棚(4)
   △1.2(0.2)

記事を作成していて今気づいたのですが、私一つ大きな思い違いをしていました。

家具・家事用品>家庭用耐久財 費目の内、「冷暖房用器具」は「家事用耐久財」に含まれるものと考えていたのですが、どうやら違いましたね。

冷暖房用器具は「家庭用耐久財」中分類費目の直下に入る費目で、「家事用耐久財」からは独立していたようです。

2016年2年7月までは「冷暖房用器具」も「家事用耐久財」同様物価の足をひっぱる主要因として働いていたこともあり、同一視していましたが、違いましたね。

2017年10月度の結果としては、家庭用耐久財全体としては前年同月比0.8%と+方向に働いているものの、「家事用耐久財」は9月度のプラス成長から一転して再び前年同月比0.9%のマイナス成長へと転じています。

ですが、「冷暖房用器具」が9月度の+2.2%より更に+3.4%と急成長したため、家庭用耐久財全体としては9月度の1.2%と比較するとやや縮小したもの、0.8%のプラス成長を維持することが出来た・・・というのが今回の家庭用耐久財費目の正当な評価ですね。

ただし、家具・家事用品全体では9月の-0.2%より-0.3%と更にマイナス幅を広げています。

家事用耐久財そのものが上昇幅を縮小させていることもその一つの原因ではありますが、その最大の要因となっているのは「家事用消耗品(ウェイト87)」の前年同月比-2.4%(9月-2.3%)ですね。

トイレットペーパーや洗剤、芳香剤関係の物価下落です。

所謂石油精製品なのですが、このあたりの物価が下落している理由をもう少し明確に把握出来たら一度記事にしてみたいものですね。


その他

もう一つの物価を下落させる要因となっている「教養娯楽」分野ですが、こちらは確かにマイナス要因として働いてはいますが、先月の+0.2→-0.1に転じた程度で、継続して物価を下落する主要因として働いているわけではありません。

この中で下落要因として働いているのは「教養娯楽耐久財」「教養娯楽用品」の2項目。

ただし、テレビやPCなどのいわゆる「家電製品」が含まれる「教養娯楽用耐久財」は2017年度ではマイナス幅が4月3.5、5月3.7、6月3.7、7月4.0、8月2.8、9月2.1、10月1.1と7月をピークに下落幅が縮小する傾向にあり、物価を下落させる要因としては少しその影響力を弱めている様です。

10月度で下落幅が大きかったのはウェエイト31の「教養娯楽用品」。耐久財のウェイトが11ですから、物価に対する影響力としては用品の方が大きくなっています。

品目要因としては「運動用具類(特にゴルフバッグ)」や「玩具」などの影響が大きくなっています。

ただし、この「教養娯楽用品」も、今月、先月と確かにマイナス成長を記録していますが、こちらも毎月同じ状況が続いているわけではありませんので、下落要因としては一時的なものかと思います。


さて。いかがでしょう。本当はもう少し掘り下げて「交通・通信分野」の成長分野なども見てみたいのですが、時間の都合上、今月はここまでとしたいと思います。

関心があればぜひ、統計局データ などを参考に、例えば「交通」の中でも「ガソリン」と「自動車」は実際どうなのか、などのデータをぜひ調べてみてくださいね。



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先月末。10月31日に、9月分の「消費者物価指数」が公表されています。(本日は11月5日です)

第364回の記事 で8月分の情報も掲載したのですが、先月は衆院選選挙月だったこともあり、いつものような詳細な情報ではなく、大枠で「アベノミクスの成果」をうかがうことのできる記事に仕上げました。

ですが、先月より「消費者物価指数」の状況が少し「改善」する気配を見せていて、私個人的には「面白い状況」になっています。


平成29年(2017年)度8月/7月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年8月/7月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.7(0.7/0.4)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.7 (0.7/0.5)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.9(0.8/0.6)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.9(0.8/0.6)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.2 (0.2/0.1)

先月詳細な情報を掲載しませんでしたので、今回は先月の前年同月に加えて、7月度の前年同月比も併せて掲載しています。

この中でどの数字を一番重要視すべきかと申しますと、「海外の物価動向(エネルギー)」と「天候に左右される物価動向(生鮮食品)」を取り除いた数字、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が一番重要な数字になります。

0.2%の物価上昇ですから、まだまだ伸び悩んでいる状況は改善なされていませんが、そんな中で

 「持ち家の帰属家賃を除く総合」

が7月度の0.6%から8月が0.8%、そして9月は0.6%と、順調に回復しているのがまず第1の「面白い状況」です。

私のブログでは何度もお伝えしていますが、

 「持ち家の帰属家賃」

というのは、

 「もし持ち家が持ち家でなく借家だったとしたらいったいいくら支払っていることになるのか」

という、なぜそんな数字をわざわざカウントしなければならないのかが全く理解できないフィクションの数字ですから、日本の経済成長を知るためには本来不必要な数字です。

消費者物価指数総合が、

 7月:0.4%、8月:0.7%、9月:0.7%

と推移する中で、持ち家の帰属家賃を除いた総合は

 7月:0.6%、8月:0.8%、9月:0.9%

と推移していますので、本来フィクションの数字であるはずの持ち家の帰属家賃が、CPI全体を約0.2%も押し下げていることがわかります。

この理屈を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に当てはめて考えてみますと、

 7月:0.3%、8月:0.4%、9月:0.4%

といった様子で動いていることが推察されます。この0.4%という数字も、これは本来政府が目指している数字からすればまだまだ低いわけですが、2017年3月に-0.1%前年割れし、4月、5月、6月と0%成長を続けてきた状況から考えると、やはりこの0.4%という数字は期待を抱かせる数字ですね。

もちろん、本年3月、4月、5月、6月の前年同月比にも「持ち家の帰属家賃」が含まれていますから、ここから0.2%足した前年同月比を本来は想定しておくべきだとは思いますが。


【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】
※( )内は2017年8月-7月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.1(0.9-0.6)

 生鮮食品 ウェイト:414
 1.2(0.8/△1.1)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  1.0(0.9/0.9)

住居 ウェイト:2087
△0.2(△0.2/△0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.0(0.0/△0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
6.0 (5.2/4.3)

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.2(△0.2/△0.4)

被服及び履物 ウェイト:412
△0.3(0.6/0.0)

保健医療 ウェイト:430
1.8(1.8/0.1)

交通・通信 ウェイト:1476
0.0(△0.4/0.1)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4/0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.2(0.4/0.0)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(0.3/0.1)

念のためにお伝えしておきますと、「ウェイト」というのは「重要度」の事。消費者物価指数全体に対する影響度を数字化したものです。つまり、この数字が大きいほど物価全体に対する影響が大きい、ということになります。

一つだけネガティブな情報を載せておきますと、この10大費目のうち「被服及び履物」の費目が下落していることは少し残念な印象を私は受けています。

「エネルギー物価」の下落の影響を受けて、消費者物価指数全体がなかなか上昇できずにいる中で、「被服及び履物」の費目は安倍内閣スタート以来、永続的に前年度をオーバーし続けており、「物価の優等生」だったのですが、このところ上昇幅が頭打ちになったことも感じていました。

昨年までの上昇に勢いがありすぎた、ということもあるのでしょうか。

個人的には「物価上昇率」は1%程度が健全であると考えていますので、このあたりで落ち着くのも一つの選択肢なのかもしれないな、とも思っています。


【家具・家事用品の前年同月比】
さて。今回の「消費者物価指数」10大費目の中で、私が一番「面白い!」と感じているのは、この「家具・家事用品」の分野です。

前年度比△2.0%ですから、「前年度割れしてるやん!」っていう声が聞こえてきそうですが、それでも今回着目すべきはここ。

家具・家庭用品CPI(~2017年9月)

「被服及び履物」がこれまでずっと安倍内閣の物価をけん引してきた物価の優等生であったのなら、この「家具・家事用品」は真逆で物価の足を引っ張り続けてきた劣等生。

平成26年は消費増税年ですから、4月に一気に物価が上昇しているのは消費増税が行われたことによるものです。

ただ、とはいえ翌平成27年4月にいったんは前年度割れするものの、同年12月まで前年同月比では上昇を続け、最終的に2.3%まで物価上昇を果たしました。

ところが、年明けの1月から急速にその上昇幅が縮小し、28年6月に前年度割れ。以来本年、平成29年9月まで前年度を割り込み続けているのです。

その、「主犯」ともいえるのが「家庭用耐久財」の前年度割れです。ピーク時には平成28年(2016年)9月の前年同月比-6.8%まで落ち込んでいました。

エネルギー物価の前年度割れは日本国内ではなく、海外の要因が大きいですので、日本国内の努力でどうにかしろ、と言われてもこれは無理な話です。ですからCPI総合から「エネルギー物価」を除いた消費者物価指数が存在するわけですが、

CPI(前年同月比)推移

こちらのグラフが示す黄色のライン。すなわち「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が2016年(平成28年)2月以降、その上昇幅が縮小する一つの原因としてこの「家具・家事用品」の低迷が完全な「主犯」となっていました。

【家具・家事用品の前年同月比】
※( )内は2017年8月/7月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
△0.2(△0.2/△0.4)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 1.2(1.0/0.0)
 室内装備品 ウェイト:25
 △1.8(△4.7/△4.7)
 寝具類 ウェイト:27
 △0.6(0.0/△0.2)
 家事雑貨 ウェイト:72
 0.8(1.1/1.1)
 家事用消耗品 ウェイト:86
 △2.3(△1.7/△1.4)
 家事サービス ウェイト:27
 0.1(0.1/0.1)

お気づきになりましたでしょうか?

「家具・家事用品」の中で、足を引っ張っている最大の要因はどの分類費目だったか覚えていますか?

そう。「家庭用耐久財」です。ウェイトが86と比較的多きい「家事用消耗品」が代わりに低迷し始めた様子が気にはかかりますが、それ以上に長い間足を引っ張り続けていた「家庭用耐久財」がようやく上昇に転じたことは、私にとって「非常に面白い」ことです。

家具・家事用品 ウェイト:348
△0.2(△0.2/△0.4)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 1.2(1.0/0.0)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  0.7(△1.1/△3.0)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   △6.8(△5.1/△14.9)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   13.3(4.5/2.6)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   5.3(6.2/6.3)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   △7.6(△9.7/△10.5)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   2.2(6.8/3.8)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   3.5(△0.1/1.5)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   △4.2(△1.1/△2.5)

   冷暖房用器具(ウェイト:37)
   2.2(3.7/2.9)

    ルームエアコン(ウェイト:30)
    3.2(4.1/3.3)

    温風ヒーター(4)
    △1.1(△1.1/△1.1)

    空気清浄機(3)
    △4.3(7.7/4.5)

  一般家具(18)
  0.7(1.5/2.8)

   整理だんす(5)
   2.2(2.1/3.4)

   食堂セット(9)
   0.0(1.2/1.0)

   食器戸棚(4)
   0.2(1.2/1.0)

改めて過去の記事を振り返ってみますと、7月の記事 でも同様の趣旨の内容を記事にしていましたね。

7月の記事 では、この費目が0%になったことを話題として取り上げましたが、その数字がなんと前年同月比で1.2%にまで回復しているわけです。

やはり季節ものである「エアコン」の動きが好調であることと、「電気炊飯器」の影響が大きいですね。

それだけではなく、物価が下落している項目でも8月、7月と比較するとその下落幅が縮小していることなども影響しており、これで「家事用消耗品」の動きがもう少し堅調であれば、「家具・家事用品」全体がプラスに転じていたんだろうな・・・と思うと、少し悔しい思いもしますね。

ちなみに「家事用消耗品」で上昇しているのは洗剤や紙製品など、「原油精製品」がほとんどです。原油自体は物価が上昇しているのに・・・少し不思議な感覚です。

このほか、物価上昇率0%となっている「交通・通信」の分野では、ウェイト224の「交通(運賃など)」が昨対0%、ウェイト836の「自動車等関係費」が昨対1.7%に対して、ウェイト416の「通信」が△3.5となっており、ガソリン代の物価上昇も含む「自動車等関係費」の物価上昇率を相殺する形になっています。

自動車等関係費の中で、「ガソリン」は確かに昨対7.1%と大きな物価上昇率を記録していますが、それだけではなく、肝心の「自動車」の項目も全体で0.2%の物価上昇率。このうち唯一「軽自動車」のみが前年同月比△1.1%と物価下落を記録していますが、「小型乗用車」が国産・外車とも0.7%、普通自動車が国産0.4%、外車0.3%と物価上昇を記録しており、動きとしては良い傾向です。

一歩で「通信」の足を引っ張っているのは携帯電話の「通信費」です。ウェイト230、物価下落率5.4%となっています。

そのほか、「教養娯楽」では「教養娯楽用耐久財」のうち「テレビ」が4.3%の物価下落、デスクトップ型パソコンが3.7%の下落、ノート型が4.8%の下落となるなど、教養娯楽全体が0.2%と物価上昇する中で、これが伸び悩む原因となっています。

「消費者物価指数」のうち、私が大切にしている「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は昨対0.2%と、まだまだ伸び悩む状況にはありますが、アベノミクスが目指す「物価上昇」に向けて、少しずつ明るい兆しが見え始めたのではないでしょうか?

って書くと、あたかもアベノミクスの効果があまり発揮されていなかったかのように誤解されてしまいそうですが、「物価」が上昇するにもいろんな理由があります。携帯電話料金の様にもともと高すぎる物価が下落してくれれば、当然その差額を他の消費に回すことができるようになります。

安倍内閣で「なかなか物価が上昇しない」と思っている皆さん。改めて「なぜ上昇しないのか」。関心をもって分析してみると、意外と面白い情報が見えてきたりしますよ。


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今回も第363回の記事 同様、カテゴリーとしては 「物価」の見方 としてはいるものの、本日2017年10月15日(日)、来週末10月22日(日)の第48回衆議院総選挙を控え、第363回の記事 を継承する形で2012年12月に成立して以来、4年10か月の「安倍内閣の成果」を今回は「消費者物価指数」の視点から見てみます。

改めての復習ですが、「物価」というと皆さん店頭で並んでいる商品の「売価」をイメージされるかもしれませんが、それは単なる「店頭表示価格」であり、「物価」ではありません。

例えばA店の店頭で10万円のエアコンと20万円のエアコンが並んでいる様子を考えます。

多くの人は、「10万円」も「20万円」もそれぞれエアコンの「物価」だと考えるかもしれません。ですが、それは違います。

A店において10万円のエアコンしか売れなければA店のエアコンの物価は10万円。逆に20万円のエアコンしか売れなければ20万円がA店のエアコンの「物価」です。

つまり、店頭でいくらの値段がついて販売されていようが、実際にその商品が購入されなければ、それは「店頭価格」であって「物価」にはなりません。消費者が購入して初めて「物価」になるのです。

実際にはエアコンは1台しか売れないわけではないでしょうし、ひょっとすると10万円のエアコンが10台、20万円のエアコンが20台、なんていう売れ方をするかもしれません。

この場合は販売された台数を「ウェイト=重要度」と考え、

 {(10万×10)+(20万×20)}÷(10+20)=16万円

となり、この16万円がA店におけるエアコンの「物価」となります。

このような計算方法を「加重平均」と言い、この「加重平均」を繰り返し行うことで最終的な「消費者物価指数」は算出されています。(加重平均の詳細は 第53回の記事 をご覧ください)

ですから、例えば安倍内閣で本当に賃金が伸びず、消費者が安いものしか購入することができていないのであれば、いくら店頭における「店頭売価」が上昇していたとしても、本当にその商品が購入されていなければそれは「物価」としては計上されません。

消費者物価指数が上昇しているということは即ち消費者が店頭で実際に支払った「購入金額」が上昇していることになります。


この「消費者物価指数」の中には、先ほどご説明した、「店頭で実際に購入された金額」が物価として計上されていくわけですが、同じ物価でも、その上昇する理由が国民のお財布事情に関係なく上昇する場合があります。

その代表的なものが「原油」。そして「生鮮食品」です。

原油の相場を決めているのは、日本国内の消費事情ではなく、主に「投機市場」。つまり、日本国内ではなく海外で、原油が「投資対象」として売り買いされた際の相場価格によって原油の値段はきまっていきます。

ですから、いくら日本国民が安い原油を買おうと思っても、海外で販売される原油価格が日本国民が望む金額よりも高く取引されていれば、必然的に「原油」の物価は高くなります。これが日本国内で販売される「ガソリン」や「灯油」、そして原油を原料として生み出される製品の価格に反映されることとなるのです。


「エネルギー」CPIの影響

「消費者物価指数」は、略称で「CPI」と呼ばれます。CPIは大枠で、すべての物価を含んだ「総合」、「生鮮食品」を除いた「コアCPI」、「食料及びエネルギーを除く総合」という2つの「CPI」が存在し、それぞれ「CPI」「コアCPI」「コアコアCPI」と呼ばれています。

「生鮮食品」が除かれるのは、生鮮食品が天候の影響を受けやすく、日本国内の景気動向とは異なる動きをすることが理由です。

そして、安倍内閣や日銀が目指している「物価上昇率」はこの3つのCPIのうち「コアCPI」の2%上昇を目指しているのですが、ここには「エネルギーCPI」が含まれています。前述した通り、エネルギーCPIは日本国内ではなく、「海外」のしかも「投機動向」の影響が反映されることから、いくら日本国内で頑張ったところで、海外で原油価格が大幅に下落したのでは意味がありません。

そこで、生鮮食品に加えてこの「エネルギー価格」を除いた物価動向を示す数字が欲しいところなのですが、今年度がスタートするまで、実はこの「生鮮食品及びエネルギー価格を除く総合」という指標は存在しませんでした。

正確には「日銀版コア」と呼ばれ、2015年11月より日銀によって公表されていた、統計局データとしては存在していませんでした。

代わりに、存在したのが「食料」全体とエネルギーを除く総合=「コアコアCPI」であったのですが、「食料」の中には天候の変動を受けないものも多く存在し、項目の重要度を示す万分率に換算された「ウェイト」は生鮮食品の414/10000に対し、生鮮食品を含まない食料は2209/10000ですから、食料全体のCPIを取り除くことは決して適切ではありません。

このことから、今年度に入って統計局は正式に「日銀版CPI」をこれまでの「コアコアCPI」と同じ位置での掲載を始めました。事実上、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が「コアコアCPI」としてのポジションを獲得した形になります。

【消費者物価指数(前年同月比)の推移/2014年1月~2017年8月】
CPI(前年同月比)推移
※少し小さくて見えづらいかもしれませんが、クリックしていただきますと画像は大きくなります。

こちらの画像は、これまで政府・日銀が物価目標としていた「生鮮食品を除く総合」と新しく指標として登場した「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、そして「ガソリンCPI」の3つを示しています。

ガソリンではなくエネルギー全体で表してもよいかな、とは思ったのですが、電気代等はどちらかというと電気代の自由化の影響で日本国内の事情も反映されていることもありますので、あえて「ガソリンCPI」の動向に絞ってみました。

赤い横線が前年同月比0%、青い縦のラインは「ガソリンCPI」の前年同月比が0%を割り込んでから再び0%を上回るまでの期間を示しています。

グラフは、消費増税が行われた2014年度が始まる直前。2014年1月から最新の2017年8月までの推移を示しています。ガソリンの動向が激しいので、コアCPI、新コアコアCPIは左軸に、ガソリンCPIは右軸に数値を掲載しています。

黄色のラインが「生鮮食品を除く総合」、オレンジのラインが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、そしてグリーンのラインが「ガソリンCPI」です。

「前年同月比」の推移を示していますので、グラフが右下がりになっていますと、あたかも前年度より物価が下落しているかのような錯覚に襲われますが、実際には0%赤い横ラインを下回るまでは物価は上昇し続けています。

特に、2014年度に「消費増税」がおこなれて以来、あたかも消費者物価が伸び悩み、むしろ下落し続けているかのような印象を私たちはマスコミ報道等を通じて刷り込まれてはいないでしょうか?

まず第一に、増税が行われた後も、増税年度である2014年7月まで、政府日銀が物価目標としています、「コアCPI」は上昇し続けています。7月から8月、9月にかけて、ガソリンCPIの「前年同月比」が8.7%から2%に急落しますが、それでも「コアCPI」は前年度割れなどしていませんね?

7月の1.6%から1.3%に、「緩やかに下落」しただけです。

この間、「新コアコアCPI」は、増税以来7月に一時的に「1.1%」に物価上昇率が上昇しはしていますが、10月まで「1%の物価上昇率を維持」しています。

そして10月から11月にかけて、ついにガソリンCPIが前年度割れを起こすのですが、これに伴って「物価上昇率」が下落するのは「コアCPI」のみであり、確かに「新コアコアCPI」は11月、一時的に1.0%から0.8%に、2015年3月から4月にかけてさらに0.6%に「物価上昇率が下落」するものの、それ以降「新コアコアCPI」の物価上昇率は上昇し、同年11月には1.3%まで上昇しているのです。

どうもこの「物価上昇率」に関しては、政府日銀が示した「2%の物価上昇」という言葉が独り歩きし、あたかも安倍内閣に入って物価が下落し続けているような錯覚を皆さん起こしているのではないかと思うのですが、けっしてそんなことはない、ということをこのグラフを見ればご理解いただけるのではないでしょうか?

確かに「コアCPI」を見ると2015年7月に0%を付けた後、11月、12月と一時的にプラスに転じはするものの、ガソリンCPIがプラスに転じる2016年12月、その翌2017年1月を迎えるまで前年度割れを続けているのですが、その間も「新コアコアCPI」は上昇し続けていますね?

「物価上昇率」こそ縮小してはいるものの、決して下落などしていないことがわかります。


私たちが本当に問題にしなければならないこと

ただ、私がこのブログで問題にしているのは、2017年3月、ちょうどガソリンCPIが前年同月比20.4%と最高値を記録した月、ついに前年度割れを起こしていることです。

特に2016年度に入って以降、新コアコアCPIは物価上昇率を縮小させ続けているのです。

では、この時肝心の国会は何をやっていたのでしょうか?

そう。「モリカケ問題」です。そして、防衛相の隠ぺい問題。

国会がモリカケ問題でこの世の終わりでもあるかのようにして大騒ぎしている間、安倍内閣が目指す「物価上昇率」のうち、肝心な「新コアコアCPI」はその物価上昇率を縮小させ続けていたのです。

もし、私が野党の立場にいて、本当に安倍内閣を攻撃したいのであれば、私ならこの「新コアコアCPIが急速に縮小していること」をまず槍玉にあげますね。そしてこういいます。

「アベノミクスの『効果』もそろそろ限界に来ているんじゃないですか?」

と。

その方がよほど説得力がありますよね?

そして、さらにこの様に言います。

「アベノミクスも、同じことばかりやっていたのでは長期的にその効果は頭打ちになります。

経済指標がその限界を示しているのですから、今こそ新たなる『経済政策』に手を打つべきではありませんか?」

と。その財源はもちろん

 「国債」

です。

さて、では。安倍内閣は私が主張するようなこの「新たなる経済政策」は何も実施していないのでしょうか?

実はそんなことはありません。

2016年第二次補正


ちゃんと実行しているんですね。
しかも私が言ったように「国債(建設国債)」を2.7兆円発行した上で。

このような経済政策の「効果」はすぐに出るもんじゃありません。ですが、第362回の記事 でお示しした、特に「源泉分所得税」の動向をみるとこれは一目瞭然なのではないでしょうか。

野党の皆さんは、「アベノミクスはもう限界に来ているんです!」と言いながら、このような新たなる経済政策の事は一切話題にせず、必死に「モリカケ暴き」に終始していましたね?

では、もし本当にこのモリカケに専念してこの新たなる経済政策に手を付けなかったら、いったいどうなっていたのでしょうか?

共産党も、元民進=希望の党&立憲民主党も「モリカケは税金の無駄遣いだ!」と言います。

ですが、モリカケに精一杯国会審議の時間を費やし、経済政策に全く手を付けず、結果として税収が2017年度も減収していたとしたら、これは一体どちらが「税金の無駄遣い」なんでしょう。

私は、2016年度の税収が減収に転じた理由の一つとして、一部を除く野党の皆さんが、まったくと言っていいほど本当に日本の国にとって必要な議論を行わず、まともな政策を提示しようとしなかったことに原因があるのではないかと思っています。

特に加計問題に関して言えば、あれはむしろ「国家戦略特区制度」を活用することで、今治市の地域経済を活性化することを目的とした政策です。

財源は今治市が学園都市構想を実現するため、小泉内閣下で実施された「合併特例債」を活用して積み立てた40億円の「合併振興基金」。土地は同じく学園都市構想を実現するために、1983年に造成された土地。残る24億円を今治市が、32億円を愛媛県が、96億円は加計学園自身が拠出しますので、日本国政府にとっては痛くも痒くもありません。

国家予算について審議する場」で、地方である今治市の、しかも民間の大学をつぶすための議論を繰り返していたのがあのモリカケ問題の真相です。

日本の経済を将来に向けて継続して成長させ続けるための議論を行わなければならない場で、まったく逆の議論を審議するためにあれだけの莫大の時間と経費が費やされていたわけです。

もちろん「経済」は政府が手を施さずとも、地方や企業の力だけで自律的に回転していけるに越したことはありません。

ですが、それが足踏みしそうなのであれば間髪入れず、速やかに政府が次の一手を施せる仕組みこそが日本国経済を成長させるために本当に必要な政策です。

「消費者物価指数からみるアベノミクスの成果」。毎月「物価」に関してはもう少し細かい記事を作成しているのですが、今回はあえて基本に立ち戻り、総論としての「物価」に関する記事を作成してみました。

政府を批判することは自由です。ですが、同じ批判をするのでも、誤った情報で誤った批判を行うのではなく、正確な情報で、的確な批判を行うことこそ、これは「野党」だけでなく、私たち一般国民にも求められている姿なのではないでしょうか?



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本日は2017年9月5日で、公表されたのは先月末ですので、少し期間が経過していますが、ほんの少しだけですが、状況が変化していますので、記事にしてみたいと思います。

おなじみになったかと思いますが、私が「消費者物価指数」を見る際のルールを改めて掲載しておきます。
・海外需要の影響を受けやすい「エネルギー」の物価は除外する必要がある

・天候によって、「需要」とは関係のない指標が出る「生鮮食品」の物価は除外する必要がある

・海外の水準と比較するために設定された、実際には存在しない数字である「持家の帰属家賃」は除外する必要がある。

不明な文言等ございましたら、同シリーズの過去の記事 をご参照ください。

それでは、改めまして2017年7月度の消費者物価指数を掲載したいと思います。

平成29年(2017年)度7月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.4(0.4)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.5 (0.4)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.6(0.5)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.6(0.5)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.1 (0.0)

この中で、私が最重要視すべきだと考えている情報は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。
これと同様に、「持家の帰属家賃を除く総合」もまた重要視しています。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」と「生鮮食品を除く総合」を比較した時、前年同月比で0.4%の差が生まれていますが、この0.4%の違いがエネルギー物価の変動を意味しています。

私、6月度の記事は作成しませんでしたが、その先月も含めて、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が3月に初めて-0.1%を付けて以来、前年同月比がずっと横ばい(0.0%)を続けていましたので、ここがわずかでもプラスに転じていることは、 久しぶりに安心できる材料が登場したということだと思います。

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。

食料 ウェイト:2623
0.6(0.8)

 生鮮食品 ウェイト:414
 -1.1(0.5)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.9(0.9)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  -0.1(0.0)

光熱・水道 ウェイト:745
4.3 (3.5)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.4(-0.8)

被服及び履物 ウェイト:412
0.0(0.2)

保健医療 ウェイト:430
0.1(0.0)

交通・通信 ウェイト:1476
0.1(-0.1)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.0(-0.1)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(-0.1)

このうち、「エネルギー物価」を含むのが「光熱・水道」、「交通・通信」の2費目ですので、ここを分解してみます。
光熱・水道 ウェイト:745
4.3 (3.5)

 電気代 ウェイト:356
 6.1(4.9)
 ガス代 ウェイト:181
 1.4(0.1)
 他の光熱 ウェイト:41
 21.2(23.0)
 上下水道料 ウェイト:167
 0.6(0.4)

交通・通信 ウェイト:1476
0.1(-0.1)

 交通 ウェイト:224
 0.0(-0.3)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 1.5(1.4)
 通信 ウェイト:416
 -2.8(-3.1)

「その他光熱費」は「灯油」の事ですので、灯油の物価が特に大きく上昇していることが分かります。

また「電気代」に関してましても「電力自由化」や「原油価格の下落」の関係で3月まで22カ月間連続で前年を割り続けていたのですが、4月より上昇に転じ、7月は前年同期比6.1%にまで上昇していますね。

「交通・通信」の中ではやはり「通信」の分野が下落を続けており、うぃとも小さくはありませんので、物価全体の足を引っ張っている様子がうかがえます。

一方で「交通・通信」分野の中でエネルギー価格が含まれているのは「自動車等関係費」ですから、ここをもう少し砕いてみます。
自動車等関係費 ウェイト:836
1.5(1.4)

 自動車 ウェイト:199
 0.3(0.3)

  軽乗用車 ウェイト:40
  -0.9(-0.1)
  小型乗用車A ウェイト:55
  0.7(0.4)
  小型乗用車B ウェイト:5
  0.7(0.7)
  普通乗用車A ウェイト:80
  0.5(0.5)
  普通乗用車B ウェイト:20
  1.3(-0.2)

 自転車 ウェイト:9
 2.0(2.3)
 自動車等維持 ウェイト:628
 1.9(1.8)

  ガソリン ウェイト:206
  6.3(6.1)

ガソリンの物価上昇幅はさすがに大きくなっていますが、これ以外にも「自動車」が全体で0.3%上昇。
特に「軽乗用車」のみ物価が下落する中で、他の費目(Aは国産、Bは外国産)は全て上昇しています。

「自動車等維持費」は費目数が多いのでガソリン以外は割愛しましたが、「自賠責保険料(▲6.5%)」や「レンタカー代(▲2.1%)」が大きく前年割れしている以外は目立って物価が下落している費目はありません。

家具・家事用品に起きた変化

私のブログではおなじみかもしれませんが、この「家具・家事用品」の分野。長らく物価の足を引っ張り続けてきた分野なのですが、実は少し変が起きています。

【消費者物価指数(家具・家庭用品)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。
エアコン

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.4(-0.8)

 家庭用耐久財(ウェイト:111)
 0.0(-1.0)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  -3.0(-5.1)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   -14.9(-13.7)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   2.6(-1.6)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   6.3(6.5)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   -10.5(-10.9)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   3.8(10.3)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   1.5(-14.8)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   -2.5(-2.7)

   冷暖房用器具(ウェイト:37)
   2.9(3.3)

    ルームエアコン(ウェイト:30)
    3.3(3.8)

    温風ヒーター(4)
    -1.1(-1.1)

    空気清浄機(3)
    4.5(5.1)

  一般家具(18)
  2.8(1.8)

   整理だんす(5)
   1.7(2.3)

   食堂セット(9)
   3.2(1.9)

   食器戸棚(4)
   1.0(-0.1)

足を引っ張っていたのは「家庭用耐久財」の内「家事用耐久財」です。もちろん7月度も▲3.0%ですから、決して「改善した」わけではありません。ですが、「家庭用耐久財」全体で見るとついに前年同月比が0%まで回復したわけです。

2月に一度0.6%を付けていますから、それ以来ということになります。

特にその影響が大きかったのは「全自動洗濯機」の1.5%、そして「ルームエアコン」の3.8%だったのではないでしょうか。
ルームエアコンに関しては6月も3.8%と大きく改善しており、継続的に物価が下落し続ける状況から回復しつつある状況が伺えます。

またそれ以上に大きいのは「一般家具」の2.8%かもしれません。一般家具の物価上昇率は比較的優秀で、これで9カ月連続の物価上昇となります。

第348回の記事 で2017年度4-6月期のGDPについて記事を記しましたが、私たち一般国民の景気状況を見る上で最も大切なのが「家計最終消費支出」という項目です。

この項目を構成しているのが今回のきじで取り上げた「消費者物価指数」。
4-6期GDPは巷の予想を大きく上回り、大幅な上昇幅を記録したわけですが、ニュース等の解説を見ていると、季節ものの動きが鈍く、第二四半期(7-9月期)は第1四半期程の上昇を期待することは出来ないのではないか、とする報道を見かけましたが、「ルームエアコン」は季節ものの中でも代表的なアイテムです。

この様な動きを見ていると、やはり第二四半期のGDPにも大いに注目したいですね。



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毎度おなじみとなりました、月末の消費者物価指数に関する記事です。

原油価格が消費者物価指数を引き下げる起因となる時代は終わり、物価を見る際の不必要な「勘違い」もされなくなりましたので、記事の重要度としてはランクが下がったとは思っているのですが、それでも私たち日本国民の生活水準を正確に理解する上では必要な一つの「指標」である消費者物価指数。

2017年度5月の統計データが発表されましたので、改めて記事にしたいと思います。

私が消費者物価指数を見る際に大切にしている基本情報を冒頭に記しておきます。

・海外需要の影響を受けやすい「エネルギー」の物価は除外する必要がある

・天候によって、「需要」とは関係のない指標が出る「生鮮食品」の物価は除外する必要がある

・海外の水準と比較するために設定された、実際には存在しない数字である「持家の帰属家賃」は除外する必要がある。

これが私の大切にしている物価水準の基本情報です。

同じカテゴリー 「物価」の見方 の中で何度も記していますように、2017年(2016年度)1月の消費者物価指数 より、これまで「食料及びエネルギーを除く総合」として掲載されていた「コアコアCPI」が、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わりました。

これによってこれまでのコアコアCPIよりもより私たちの経済状況を反映した結果を「消費者物価」としてみることができる様になりました。ただ、それでも「持家の帰属家賃」というノイズが入っていますから、注意してみる必要があります。


平成29年(2017年)度5月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年4月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.4 (0.3)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.5(0.5)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.6(0.4)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.0 (0.0)

5月度の課題は4月度と一緒ですね。「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が横ばいです。
横ばいというのは4月と比較してもそうなのですが、「前年同月比」で0.0%ですから、前年度と比較しても横ばい。つまり、「消費者物価指数」で見る限り、「物価」が成長できていないということです。

4月度の消費者物価指数 の記事でも同様な内容を述べたとは思うのですが、この「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」。

今年の2月までは辛うじてプラス成長を続けていたのですが、3月に至ってついに前年度割れ。4月、5月とマイナス成長こそ避けられているものの、0.0%の横ばい。

実は「物価」ベースで見る限り、アベノミクスは「深刻」とまでもは言わないまでも、「次の一手」を打ちつ必要がある状況にまでは来ているのです。「金融緩和」による期待インフレ率の維持にも限界がありますからね。

ちょっと愚痴みたいになりますが、ほんとに今は森友だ加計だとお騒ぎしている暇など本当はないんです。このままアベノミクスによる経済成長を失速させてしまわない様、本当に国会予算委員会で話し合わなければならない課題はここにあります。

念のために申し上げておきますと、3月のマイナス成長は「持家の帰属家賃」を除けばプラス成長しています。

4月はエネルギー価格と持家に帰属する家賃、生鮮食品のノイズを全て除くとおそらくマイナス成長していますが、その理由は「衣類」の内の季節もの、そして家電の内「エアコン」などの季節ものの影響が大きかったですから、物価が下落しているにはしているなりのきちんとした理由があります。

ただ、それでもかつてのような勢いがなくなっていることは確かです。だからこそ「次の一手」が必要なんですけどね。


【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年4月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.8(0.9)

 生鮮食品 ウェイト:414
 0.4(1.8)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.8(0.8)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.1(0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
2.2 (0.9)

家具・家事用品 ウェイト:348
-1.1(-0.9)

被服及び履物 ウェイト:412
0.1(-0.1)

保健医療 ウェイト:430
0.3(0.2)

交通・通信 ウェイト:
0.3(0.3)

教育 ウェイト:316
0.6(0.7)

教養娯楽 ウェイト:989
0.6(0.6)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(0.2)

4月度に昨対マイナスを付けた「被服及び履物」ですが、今月は無事プラスに回復。とはいえ未だ前年同月比0.1%と勢いに陰りが見えることは事実です。

【消費者物価指数(被服及び履物)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。

ファッション

被服及び履物(ウェイト:412)
0.1(-0.1)

 衣料(ウェイト:174)
 0.2(-0.2)

  和服(ウェイト:6)
  0.2(0.2)
  洋服(ウェイト:167)
  0.2(-0.2)

 シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.6(-0.7)

  シャツ・セーター類(ウェイト:87)
  -1.1(-1.2) 
  下着類(ウェイト:36)
  0.6(0.5)

 履物類(ウェイト:58)
 0.8(1.3)

 他の被服(ウェイト:34)
 -0.3(-0.2)

 被服関連サービス(ウェイト:24)
 0.8(0.8)

被服及び履物全体で見ますと、「衣料」の内、主力である「洋服」が-0.2から0.2に回復しており、これが被服及び履物全体をひきあげる主要因となっています。

一方、「シャツ・セーター類」が衣類物価を下落させる要因となっていますが、ここには季節ものである「セーター」が含まれていますので、大きく気に掛ける必要はないように思います。

「洋服」の回復が待たれるところですね。

【消費者物価指数(家事用耐久財)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
エアコン

家庭用耐久財(ウェイト:111)
-2.2(-2.2)

 家事用耐久財(ウェイト:57)
 -4.0(-3.7)

  電子レンジ(ウェイト:4)
  -10.3(-14.9)

  電気炊飯器(ウェイト:11)
  2.2(4.7)

  ガステーブル(ウェイト:3)
  5.0(4.2)

  電気冷蔵庫(ウェイト:16)
  -7.7(-8.4)

  電気掃除機(ウェイト:9)
  6.6(12.0)

  電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
  -18.6(-19.7)

  電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
  -3.3(-5.1)

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  -1.7(-2.3)

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   -2.6(-3.1)

   温風ヒーター(4)
   -1.1(-1.1)

   空気清浄機(3)
   7.7(4.7)

  一般家具(18)
  2.0(2.7)

   整理だんす(5)
   1.7(2.3)

   食堂セット(9)
   2.9(3.5)

   食器戸棚(4)
   0.2(1.6)

物価の足を引っ張る主要因となっている「家具・家事用品」の内、「家事用耐久財」。
ですが、4月度に物価マイナス成長を記録していた家電製品も、5月は軒並みそのマイナス幅を縮小させています。

「家事用耐久財」が0.3%悪化した理由としては、物価が下落する品目よりも、物価が上昇している品目の上昇幅が縮小しているところに原因があるようです。ただ、それでも殆どの品目が1%を超える物価上昇を記録していますから、物価が上昇している品目の事を気にする必要はないかと思います。

やはりネックとなるのは「家電製品」たちですね。


この他、「住居」がマイナスを記録していますが、「持家に帰属する家賃」を除けば0.1%のプラス成長を記録しており、今回の「10大費目」に於いてマイナスを記録したのは「家具・家事用品」のみ。

ただ、それでも全体として「伸び悩んでいる」のは明らかで、安倍内閣らしい「新たなる一手」を本当に心待ちにしています。

国民の生活の基盤は、「森友」や「加計」の「忖度」を問題視するのではなく、その「忖度」こそがまさに「地方創生」としての役割をになっており、私たち日本国民の生活水準を引き上げる為の大きな役割を果たしていることを認めることにこそあります。

「野党」の役割は国会をひっちゃかめっちゃかにかき乱すことにあるのではなく、政府の政策を私たち一般国民が理解できるように質疑を行い、本当に問題なのは何なのかということをわかりやすくするためにあります。

「党利党略」しか頭にない三流野党には、さっさと「国会」という舞台から消え去ってほしいですね。



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<継承する記事>
第326回 2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数が発表されました。

第326回の記事では、2017年度(平成29年度)4月分CPI(消費者物価指数)を全体から俯瞰(ふかん)した上で、「消費者物価指数(総合)」の内、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が横ばいであること、そしてここから更に「持ち家の帰属家賃」の影響を除外して尚上昇していないことを理由に、今が「アベノミクスの正念場」であることをお伝えしました。

ただ、一般紙のニュースでは生鮮食品を除く総合(コアCPI)が前年比で上昇していることを理由に、

 「4月の全国消費者物価、0.3%上昇 4カ月連続プラス 」

というタイトルでの記事がほぼすべてでした。ですが、ここには「エネルギー物価の上昇」が含まれており、エネルギー物価の上昇は日本国経済に対してデメリットしか与えませんから、本来「エネルギー物価」を取り除いた数字で比較することが大切です。

その数字こそが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」なのですが、このことをタイトルに上げ、記事の中心にしている一般紙はありません。取り上げていない、というわけではないのですが、余り着目されていない、ということです。

もし私が新聞記者であり、安倍内閣を叩きたいのであれば、今がまさにそのポイントで、タイトルとして全面的に取り上げていると思うのですが、そこは所詮マスコミ、というところでしょうか。


ただ、その理由として前回の記事では全体が伸び悩んではいるものの、特に「家具・家事用品」と「被服及び履物」が前年度割れしており、影響が大きいこと、そしてこれまで「物価の優等生」であった「被服及び履物」の物価下落はこれまで見られない状況であったため、特にこの「被服及び履物」の消費者物価について大きく取り上げました。

今回の記事では、もう一つ物価を伸び悩ませている理由、「家具・家事用品」について記事として取り上げてみたいと思います。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数

【消費者物価指数(家具・家庭用品)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
家具・家事用品(ウェイト:348)
-0.9(-0.8)

 家庭用耐久財(ウェイト:111)
 -2.2(-1.6)▲0.6

 室内装備品(ウェイト:25)
 -3.8(-3.4)▲0.4

 寝具類(ウェイト:27)
 1.3(2.2)

 家事雑貨(ウェイト:72)
 1.4(1.4)

 家事用消耗品(ウェイト:86)
 -1.4(-2.3)

 家事サービス(27)
 0.1(0.1)

今回のタイトルにある、「2017年度(平成29年度)4月分CPIが伸び悩む理由」としては、前回記事にした「被服及び履物」の大幅な下落が最大の理由で、それ以外の項目に関しては今回記事にする「家具・家事用品」の物価下落よりも、その他の項目の「上昇幅の縮小」の方が理由としては大きいのですが、それでもこの「家具・家事用品」が下げ止まりさえすれば物価が持ち為す事も事実です。

今月の「家具・家事用品」の傾向としては、全体で-0.9から-0.8に前年同月比マイナス幅が縮小している形にはなります。
「家具・家事用品」を構成する6つの中分類品目の内、前年度割れを記録しているのは「家庭用耐久財」・「室内装備品」・「家事用消耗品」の3つ。

この内「室内装備品」に関しましては、消費増税が行われた増税年度を省き、平成6年以来継続して前年度割れを記録していますので、これは今月に起きている特色ではない、と考えますので、今回の対象からは省きます。ちなみに「室内装備品」の物価を大きく下落させている最大の理由は「照明器具」の-15.9%、カーペットの-0.5%です。

「家事用消耗品」に関してはトイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤類など、石油精製品の影響が大きく見られます。

ということで、毎度おなじみの様になりましたが、「家事用耐久財」の消費者物価指数です。

エアコン

【消費者物価指数(家事用耐久財)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
家庭用耐久財(ウェイト:111)
-2.2(-1.6)▲0.6

 家事用耐久財(ウェイト:57)
 -3.7(-3.8)

  電子レンジ(ウェイト:4)
  -14.9(-26.0)

  電気炊飯器(ウェイト:11)
  4.7(2.0)

  ガステーブル(ウェイト:3)
  4.2(3.0)

  電気冷蔵庫(ウェイト:16)
  -8.4(-5.5)▲2.9

  電気掃除機(ウェイト:9)
  12.6(12.0)

  電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
  -19.7(-18.4)▲1.3

  電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
  -5.1(-2.1)▲3.0

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  -2.3(-0.4)▲1.9

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   -3.1(-0.7)▲2.4

   温風ヒーター(4)
   -1.1(1.0)▲1.9

   空気清浄機(3)
   4.7(0.1)

  一般家具(18)
  2.7(2.9)

   整理だんす(5)
   2.3(3.2)

   食堂セット(9)
   3.5(3.3)

   食器戸棚(4)
   1.6(1.6)


全体を見てマイナス幅を拡大させているのは電気冷蔵庫、電気洗濯機(全自動洗濯機)、電気洗濯機(洗濯乾燥機)、冷暖房用器具の4項目。「ウェイト(=重要度)」を見ますと、冷蔵庫が16、全自動洗濯機が7、洗濯乾燥機が7、そして冷暖房用器具が37となっています。

特に「冷暖房用器具」の内、「ルームエアコン」は30。

こうしてみますと、2017年度4月の消費者物価指数を下落させたのは「ルームエアコン」そして「衣類」だということが分かりますね。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」の影響を除外して考えますと、3月の「生鮮食品及びエネルギー及び持ち家の帰属家賃を除く総合」が0.1%から4月は0.0%に、0.1%成長から横ばいへと縮小しているのではないか、と私は考えています。

で、その0.1%の伸び率を縮小させた最大の理由が「衣類」と「ルームエアコン」。共に「季節もの」を代表するような品目です。

勿論4月度の「家事用耐久財」全体の前年同月比が「-2.2」と大幅に下落しており、消費者物価全体に対してネガティブな要素となっていますから、ここが改善することで初めてアベノミクスの求める「物価上昇」は漸く現実味を帯びてくることとなります。

ただ、4月度の伸び悩みは、どうやら「季節もの品目」の買い渋り、もしくはクリアランスセール等の影響ではないかと推測されます。

それにしても「加計問題」で大騒ぎしていますがあれ、本当日本国にとってデメリットしかないと思います。
もっと大切な問題はたくさんあります。CPIを上昇させるためにもう一段階アクセルをふかすような「財政政策」もそろそろ必要になるのではないでしょうか。

エネルギー物価が上昇に転じている今、まさに絶好のタイミングだと思います。

そういった前向きな議論がまったくできない。もしくは「させない」ためにわざとやっているのかどうかは知りませんが、それにしても民進党の面々はいい加減にしてほしいですね。



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さて、いよいよ統計データも2016年度から2017年度へと年度替わりをいたしました。
本日は2017年6月5日なのですが、消費者物価指数が公表されたのは5月31日。5日遅れの記事になります。

消費者物価指数をみる際のおさらいですが、

1.消費者物価指数「総合」を見る際は、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ること。
2.消費者物価指数「総合」を見る際は、「持家の帰属家賃及びエネルギーを除く総合」を合わせて参照すること。
3.「食料」は「生鮮食品を除く食料」の動向を見ること。
4.「住居」を見る際は「持家の帰属家を除く住居」を見ること。
5.「エネルギー価格」が含まれる項目(特に交通・通信)はエネルギー価格以外の物価にも着目すること。

この5原則を守ってデータを見る事が大切です。理由は 「物価」の見方 の過去記事をご参照ください。

それでは先ず「2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数」を「総合」と「十代費目別」でそれぞれ見てみます。


2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数
【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.4 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.5(0.3)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.4(0.4)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.0 (-0.1)

こちらは、「総合」を構成する項目です。既にお伝えした様に、この中で私が一番大切にしたい指数は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。

残念ながら前年同月比 0% と横ばいになっています。ただ、原則の2番目にありますように、この数字には「持家の帰属家賃」が含まれていますから、この「持家の帰属家賃」が含まれていない指数、即ち「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」も参考にします。

そうしますと、その数値は0.4%とプラス成長していることが分かります。ただ、ここには今度は「エネルギー」が含まれていますので、できればエネルギーを除いたものも見てみたい・・・と私は常に思っています。

ちなみに、このイレギュラー項目である「持家の帰属家賃」と「エネルギー」は以下の通りです。

持ち家の帰属家賃(ウェイト:1499)
-0.3(-0.4)

エネルギー(ウェイト:784)
4.5(3.9)

改めてご説明いたしますと、「ウェイト」とは各項目の「重要度」の事。最大が「総合」の10000で、各項目がこの10000の内一体どの程度の重要度を占めているのか、という数字です。

持ち家の帰属家賃とエネルギーを比較しますと、エネルギーの方がウェイトは低いのですが、前年同月比で1.6%も増加しています。

一方持家の帰属家賃は4月も3月も前年度比でマイナスを記録していますが、4月は3月より0.1ポイント改善しています。

「総合」で見ますと、「生鮮食品を除く総合」が0.2%から0.4%と0.2ポイント改善していますが、ここからエネルギーを除いた値は-0.1から0.0%と、0.1ポイントの改善となっています。同じく「持家の帰属家賃」を除いた値は0.4%から0.4%と横ばい。

「生鮮食品を除く総合」の3月の前年同月比が0.2%、更にエネルギーを除いた値が-0.1ですから、3月の「総合」の内約0.3%がエネルギーによって占められていることになります。

一方4月を見てみますと、「生鮮食品を除く総合」の4月の前年同月比が0.4%、更にエネルギーを除いた値が0.0ですから、4月の「総合」の内約0.4%がエネルギーによって占められていることになります。

「生鮮食品を除く総合」から更に「持家に帰属する家賃」を除いた前年同月比が3月、4月とも0.4%ですから、ここからエネルギーによって占められていると考えられる割合を差し引くと「生鮮食品、エネルギー、及び持家に帰属する家賃を除く総合」は前年同月比0.1%から0.0%に下落しているのではないか・・・と推測することができます。

あくまでも非常にざっくりとした概算ですが。

安倍内閣、及び日銀が取り組んできた「アベノミクス」ですが、いよいよ正念場を迎えたのではないか、というのが私がこの月の消費者物価指数を見た現時点での印象です。

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.9(0.5)

 生鮮食品 ウェイト:414
 1.8(-0.4)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.8(0.7)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.1(0.2)

光熱・水道 ウェイト:745
0.9 (-0.8)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.9(-0.8)

被服及び履物 ウェイト:412
-0.1(0.6)

保健医療 ウェイト:430
0.2(0.5)

交通・通信 ウェイト:
0.3(0.2)

教育 ウェイト:316
0.7(1.0)

教養娯楽 ウェイト:989
0.6(0.7)

諸雑費 ウェイト:574
0.2(0.4)

軒並み、先月の前年同月比を下回っていますね。
勿論、実際に前年の実績を下回っているのは「家具・家庭用品」及び「被服及び履物」の2項目だけですから、実績として悪化している、とは言えないと思います。

これまで「物価の優等生」であり続けた「被服及び履物」がマイナスへと転じていることは一番大きな部分かもしれませんね。
では、この「被服及び履物」の項目を少し深堀してみます。

ファッション


被服及び履物の消費者物価指数

【消費者物価指数(被服及び履物)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
被服及び履物(ウェイト:412)
-0.1(0.6)

 衣料(ウェイト:174)
 -0.2(0.2)▲0.4

  和服(ウェイト:6)
  0.2(0.0)
  洋服(ウェイト:167)
  -0.2(0.2)▲0.4

 シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.7(1.0)▲1.7

  シャツ・セーター類(ウェイト:87)
  -1.2(0.9)▲2.1 
  下着類(ウェイト:36)
  0.5(1.1)

 履物類(ウェイト:58)
 0.5(1.1)

 他の被服(ウェイト:34)
 -0.2(-0.1)

 被服関連サービス(ウェイト:24)
 0.8(0.9)

見てみますと、被服及び履物の物価を大きく引き下げているのが「洋服」そして「シャツ・セーター類」の2項目であることが解ります。では、この項目をもう少し深堀してみましょう。

【消費者物価指数(洋服)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
洋服(ウェイト:167)
-0.2(0.2)▲0.4

 男子用洋服(ウェイト:51)
 0.3(0.1)

  背広服(春夏物,中級品)(ウェイト:6)
  1.2(2.4)
  背広服(春夏物,普通品)(ウェイト:4)
  2.3(0.5)
  背広服(秋冬物,中級品)(ウェイト:6)
  -3.8(-3.8)
  背広服(秋冬物,普通品)(ウェイト:4)
  1.0(1.0)

  男子用上着(ウェイト:7)
  1.0(1.0)

  男子用ズボン(春夏物)(ウェイト:7)
  0.4(-1.6)
  男子用ズボン(秋冬物)(ウェイト:6)
  1.4(1.4)
  男子用ズボン(ジーンズ)(ウェイト:2)
  1.2(1.4) 

  男子用コート(ウェイト:5)
  -1.6(-1.6)
  男子用学校制服(ウェイト:5)
  1.0(1.2)

 婦人用洋服(ウェイト:95)
 0.6(1.2)

  婦人用スーツ(春夏物,中級品)(ウェイト:6)
  -3.2(-3.6)
  婦人用スーツ(春夏物,普通品)(ウェイト:3)
  -0.2(0.4)
  婦人用スーツ(秋冬物,中級品)(ウェイト:4)
  0.9(0.9)
  婦人用スーツ(秋冬物,普通品)(ウェイト:3)
  4.0(4.0)

  ワンピース(春夏物)(ウェイト:7)
  -3.8(-0.4)▲3.4 
  ワンピース(秋冬物)(ウェイト:6)
  -0.6(-0.6)

  婦人用上着(ウェイト:11)
  6.7(10.1) 

  スカート(春夏物)(ウェイト:4)
  0.4(-1.5)
  スカート(秋冬物)(ウェイト:4)
  2.4(2.4)

  婦人用スラックス(秋冬物)(ウェイト:12)
  6.6(6.6)
  婦人用スラックス(ジーンズ)(ウェイト:16)
  -4.4(-4.6)

  婦人用コート(ウェイト:14)
  -0.3(0.3)

  女子用学校制服(ウェイト:5)
  2.1(2.3)

 子供用洋服(ウェイト:21)
 -5.4(-4.2)▲1.2 

 男児用ズボン(ウェイト:7)
 -5.5(-6.1)

 女児用スカート(ウェイト:11)
 -6.6(-4.3)▲2.3

 乳児服(ウェイト:3)
 -0.1(1.0)▲0.9

マイナス幅の大きな品目もありますが、3月のマイナス幅と比較する上で傾向として大きいのは、子ども向け洋服の物価が全体的に大きく値を下げているイメージがありますね。

私自身は子供服を買う機会がありませんので実感がありませんが、全体的に値段が下がる傾向があるのでしょうか?
別途調査が必要な分野なのかもしれません。この傾向は2年近く続いている様です。

「被服及び履物は物価の優等生」という印象が強かったですから、私のチェックしていなかった分野ですね。

【消費者物価指数(シャツ・セーター・下着類)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.7(1.0)▲1.7

 シャツ・セーター類(ウェイト:87)
 -1.2(0.9)▲1.3

  男子用シャツ・セーター類(ウェイト:26)
  0.7(1.9)

  婦人用シャツ・セーター類(ウェイト:54)
  -2.1(0.6)▲1.5

  ブラウス(長袖)(ウェイト:4)
  0.5(-0.5)▲1.5
  ブラウス(半袖)(ウェイト:7)
  -2.2(0.7)▲1.5
  婦人用Tシャツ(長袖)(ウェイト:10)
  -2.3(-0.8)▲1.5
  婦人用Tシャツ(半袖)(ウェイト:14)
  -2.2(0.6)▲2.8
  婦人用セーター(長袖)(ウェイト:15)
  -2.1(1.2)▲3.3
  婦人用セーター(半袖)(ウェイト:4)
  -3.5(2.7)▲6.2

 子供用シャツ・セーター類(ウェイト:7)
 -1.5(-0.1)▲-1.4

  子供用Tシャツ(長袖)(ウェイト:3)
  -1.8(-3.2)
  子供用Tシャツ(半袖)(ウェイト:3)
  -1.2(2.9)▲4.1

 下着類(ウェイト:123)(ウェイト:36)
 0.5(1.1)

  男子用下着類(ウェイト:123)
  1.3(2.2)
  婦人用下着類(ウェイト:123)
  -0.2(0.2)▲-0.4
  子供用下着類(ウェイト:123)
  1.8(2.2)

この項目を見ますと、特に女性用のシャツ・セーター類のマイナス幅が大きいですね。
季節の変わり目で、買い控えが起きている様にも見えますね。

季節特有の現象である可能性もありますので、5月、6月と引き続き動向を追いかけてみる必要はありそうです。
10大費目別の物価で、エネルギー関連を除けば軒並み上昇幅が減少している中ではありますが、特に4月の特徴としてこの「被服及び履物」の分野がもたらしている影響は大きいですから。

次回記事では、もう一つ物価を下落させているポイントである、「家具・家事用品」について調査してみたいと思います。
何となく結果は見えてますけどね。



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第315回 生鮮食品及びエネルギーを除く総合が前年同月割れした理由(H28年度3月)

いつもであれば、前回の記事の後「教養娯楽」の費目に記事を記事を進め、更に「テレビ」や「PC」等を分析するわけですが、同じ調査を毎月行っていますし、今回も異なった結果が出ることはそれほど想像しにくいことから、今回は「教養娯楽」を深めることはせず、もう一つの調査項目、「エネルギー物価の動向」へと記事を進めてみたいと思います。


消費者物価指数「総合」の内、私が重視ししているのは新コアコアCPIともいえる新たなる指標、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」であることから、態々「エネルギー」を調査する必用はないのではないか、という方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、それでも政府日銀が「2%の物価上昇」の目標としているのはあくまでも「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」であり、ここにはエネルギーが含まれているため、無視するわけにもいきません。

また、私がずっと調査し続けている「10大費目」の中には、「エネルギー」に該当する物価とそうではない物価が混在している部分もあり、このあたりをきちんと分けて調べることでより私たち日本国民の生活に寄り添った「消費者物価」が見えてくるのではないか、とも考えていますので、引き続きこの「エネルギー」も分野として抽出して記事にしたいと思います。

エネルギー


「交通・通信」の消費者物価指数の前年同月比

【「交通・通信」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
交通・通信 ウェイト:1476
0.2(0.3)

 交通 ウェイト:224
 -0.3(0.0)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 4.4(3.4)
 通信 ウェイト:416
 (-7.4)-5.4

エネルギーをみる上で、まず外すことができないのは「ガソリン」の物価です。
ガソリンが含まれるのがこちらの「交通・通信」であり、「自動車等関係費」にガソリンの物価が含まれています。

「交通・通信」の費目を見てみますと、「自動車等関係費」はプラス幅を増大させていますが、「交通」が前年同月比0.0%から-0.3%へ悪化。「通信」も前年同月比-5.4%から-7.4%へとマイナス幅を拡大させており、「交通・通信」全体の消費者物価としては0.3%から0.2%に上昇幅を縮小させていることが分かります。

この費目で「交通」に含まれるのはバス、電車、鉄道、飛行機などの公共交通機関の運賃です。
JR在来線が-0.4%から0.0%に改善、高速のバス代が0.0%から0.1%に改善した以外はほぼすべて横ばい。

にも関わらずなぜ「交通」の消費者物価が上昇幅を縮小させているのかというと、実は唯一「航空運賃」のみが前年同月比-2.3%から-5.6%へとマイナス幅を拡大させています。

これが「交通」の消費者物価の上昇幅を縮小させた原因です。
ただし、他の費目にはなりますが、「教養娯楽」中「宿泊料(国内旅行費)」及び「パック旅行費(海外旅行費)」を見てみますと、

宿泊料 ウェイト:113
前年同月比
3月 1.8%
2月 0.0%

パック旅行費 ウェイト:42
前年同月比
3月 4.3%
2月 4.8%

と、パック旅行費は「4.8」から「4.3」に「上昇幅を縮小」させているとはいえ、それでも4.3%の上昇ですし、国内旅行も前年比0%から1.8%に大幅に改善していますので、航空運賃(ウェイト:22)の下落は、消費者物価全体には良い影響を及ぼしているのではないでしょうか。


「自動車等関係費」の消費者物価指数

こちらは全体を一覧表示する形を取らず、ポイントとなる部分をピックアップしてみたいと思います。

「自動車関係費」の前年同月比の上昇幅を拡大させている最大の原因は皆さんご想像の通り、「ガソリン」の物価上昇です。
ガソリンの消費者物価は2月の15.8%から更に20.4%も上昇しており、このことが「自動車関係費」の消費者物価を引き上げる要因となっています。

では、「ガソリン」以外の「自動車関係費」の消費者物価はどのようになっているのでしょう。

【「自動車」の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2月の前年同月比です。
自動車 ウェイト:199
-0.3(-0.3)

 軽乗用車 ウェイト:40
 -0.3(-0.3)

 小型乗用車(国産車) ウェイト:55
 0.1(0.1)

 小型乗用車(外車) ウェイト:5
 -9.7(-9.7)

 普通乗用車(国産車) ウェイト:01
 0.1(0.1)

 普通乗用車(外車) ウェイト:-9.7
 -0.6(-0.6)

ガソリンのウェイトが206ですから、「自動車」全体のウェイトは消費者物価指数全体に対して、ガソリンとほぼ同等の影響力を持っていることになります。

「自動車」の消費者物価の前年同月比はほぼ横ばいです。
全体の傾向として外車の物価が「小型」「普通」共大幅に下落しており、また「軽自動車」の物価も下落しています。

「自動車」全体の傾向として、外車を選択する人が減り、国産車も「軽」ではなく「普通車」を選択する人が増えているのではないか、との推測が成り立ちますね。燃費の問題等もあるのでしょうが、これは日本国内で考える上ではとてもよい傾向にあるのではないでしょうか。

「ガソリン」と同じ考え方で、「輸入車」もまたその利益の大部分は海外に吸収されますから、消費者物価全体で考える上では、例え一時的に自動車全体の消費者物価を引き下げることになったとしても国産車が選択される状況の方が好ましいと考えられます。

その他、「ガソリン」が含まれる「自動車等維持費」では、バッテリーやカーナビゲーションの消費者物価が前年度割れしていますが、たの項目は0~プラス成長で、上昇幅にも大きな変動は見られません。


【「通信」の消費者物価】

通信の消費者物価に関しては、第314回の記事 に掲載した日経ニュースにも掲載されていました様に、携帯電話機の物価が-15.9%から-26.6%にマイナス幅を大幅に拡大させており、これが最大の原因となっています。

ただ、日経ニュースでは

「春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落した」

と掲載されていましたが、であれば同じ現象が起きると考えられる2016年3月にも同じ様な物価の下落が起きていなければおかしなことになります。ですが、2016年3月の消費者物価前年同月比は8.8%と大幅に上昇しています。

だとすれば、「春先の値引きキャンペーン」以外にも別の理由がある、と考えるべきではないでしょうか。
記事としては非常に安易すぎる内容だと思います。


「光熱:水道」の消費者物価

【「光熱・水道」の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2月の前年同月比です。
光熱・水道 ウェイト:745
-0.8(-2.1)

 電気代 ウェイト:356
 -2.0(-4.0)

 ガス代 ウェイト:181
 -5.2(-6.5)

 他の光熱 ウェイト:41
 29.9(29.8)

 上下水道料 ウェイト:167
 0.5(0.5)

「他の光熱」とは「灯油」のことです。
ガソリンの前年同月比が20%増、灯油の前年同月比が30%増とあり、原油から直接精製される「エネルギー」に関してはこれまでの消費者物価の足を引っ張り続ける状況から大きく改善されていることが解りますが、それ以外の「電気代」や「ガス代」については未だに下落し続けていることが分かります。

最大の理由は電力の自由化が行われ、ガス代も価格競争に巻き込まれている状況が考えられるわけですが(ガス代と電気代が前年度割れし始めるのはほぼ同時期です)、ただここで一つ考えると、原発事故が発生するまで政府や電力会社が訴え続けてきた「原発を停止すると電力不足に陥り、電気代が上昇する」として主張は誤りであったのではないか、とも考えられます。

安倍内閣を支持する私たちとしては眼をそむけたくなる一つの事例にはなりますけどね。
勿論原発以外の方法を用いて発電を行うということは、一部の再生可能エネルギーを除いて火力を用いることになりますから、海外の原油価格の動向によって左右される部分も大きくなると思います。

ただ、それでも電気代が政府や電力会社によって「搾取」されていた部分もあったとする一つの「証拠」にもなりますから、個人的にはこのあたりの説明は政府や電力会社がきちんと行う必要のある分野だと思います。

そしてその上で原発を利用し続ける必要があるのであれば、その理由をきちんと国民が納得できるようにするべきなのではないでしょうか?

勿論私は安倍内閣を支持していますし、街中でドラを叩きながら大騒ぎして反原発を叫ぶような「反原発派」や「脱原発派」ではありません。

大切なのはこういった事情を「政府を批判するための材料」にしてしまうのではなく、本当のところはどうなのか。
正しいことは正しい、誤っていることは誤っていると指摘しあえる環境をつくることなのではないかと思います。

勿論、それでも原発を利用し続けなければならない理由はあります。
仮に日本が原発を利用しなくなったとしても、海外では原発は利用し続けられますし、もし日本が原発の利用を止めれば、日本は海外に対して「核を監理する技術」という側面で大きな「後進国」となってしまいます。

こじつけの様に思われるかもしれませんが、国際関係を考える上で、これは一つの大きな理由です。

少し話が大きくなってしまいましたが、電気代やガス代の変化についても今後とも着目していきたいと思います。


さて。税収に関するカテゴリー に於きまして、長らく放置していました「2016年度の税収」の調査結果ですが、「消費者物価指数」でも2016年度年間の指標が公表されたように、「税収」に関してもこれをうかがえるデータが出てき始めました。

法人に関する「税収」は基本的に2か月間猶予期間があり、3月の納税額が出そろうのはこれから2カ月後、5月の納税額が公表された後になるのですが、それでも2016年度3月の納税額が公表されたことで、昨年度通年の予測を行う事が可能になったのではないかな、と思っていますので、次回記事ではこの「2016年度税収」についての記事を作成したいと思います。

確定しているわけではないので、記事にするのはドキドキです・・・。



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第314回 平成28年度(通年)及び3月度消費者物価指数が発表されました

ということで、平成28年度(2016年度)3月消費者物価指数の内、「生鮮食品エネルギーを除く総合」が前年同月割れした理由を記事にしたいと思います。

理由のうち一つは 前回の記事 でお伝えした通り、「持ち家の帰属家賃」がマイナス成長したから。これは毎月記事にしている通りです。

実際これがなければ2016年度3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合はプラス成長していますから、最大の理由と言っても過言ではありません。

ですが、とはいうものの、それでもその伸び率は2月度の伸び率より縮小していますから、「持家に帰属する家賃」以外にも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の消費者物価が伸び悩んでいる理由、というのは存在することになります。

それではいつも通り、まずは「10大費目別消費者物価指数」から検証してみます。


2016年度3月10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.5(0.8)

 生鮮食品 ウェイト:414
 -0.4(1.4)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
 0.7 (0.7)

住居 ウェイト:2087
-0.2( -0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
 0.2 (0.1)

光熱・水道 ウェイト:745
-0.8 (-2.1)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.8(0.6)

被服及び履物 ウェイト:412
0.6(1.3)

保健医療 ウェイト:430
0.5(0.6)

交通・通信 ウェイト:
0.2(0.3)

教育 ウェイト:316
1.0(1.0)

教養娯楽 ウェイト:989
0.7(0.4)

諸雑費 ウェイト:574
0.4(0.3)

今回見ようとしているのは「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですから、「食料」は「生鮮食品を除く総合」で見ます。
また前回の記事で記した通り、「持家に帰属する家賃」は架空の数字ですから、「住居」も「持家に帰属する家賃を除く住居」で見ます。

さて、こうしてみますと、
〇「食料(生鮮食品を除く食料)」は0.7→0.7と横ばい。

◎「住居(持家に帰属する家賃を除く住居)」は0.1→0.2と改善。

▲「光熱・水道」は-2.1→-0.8へと下落幅を縮小

×「家具・家庭用品」は0.6→-0.8と悪化。

△「被服及び履物」は1.3→0.6と上昇幅が縮小。

△「保険・医療」は0.6→0.5と上昇幅が縮小

△「交通・通信」は0.3→0.2と上昇幅が縮小

〇「教育」は0.1→0.1と横ばい

◎「教養・娯楽」は0.4→0.7と改善

◎「諸雑費」は0.3→0.4と改善。

と、こんな感じです。

改善しているのが 「住居」「教養娯楽」「諸雑費」 の4費目。
横ばいが 「食料」「教育」 の2費目。下落幅を縮小させているのが「光熱・水道」の1費目。

上昇幅が縮小しているのが 「被服及び履物」「保険医療」「交通・通信」の3費目。
悪化しているのが「家具・家庭用品」の1費目。

上が2016年度3月の物価上昇幅を拡大させる要因となっているのは 「住居」「教養娯楽」「諸雑費」 の3費目であり、逆に縮小させる要因となっているのは 「被服及び履物」「保険医療」「交通・通信」 の3費目、及び 「家具・家庭用品」だということになります。

「光熱・水道」に関しては「下落幅が縮小した」というだけで、物価そのものの足を引っ張っている要因であることに変わりありません。ただ、「エネルギー」の占める割合が多いですから、一旦調査対象から外します。ちなみにこの費目で唯一「エネルギー」ではない「水道」は0.5%の上昇で2月と比較して横ばいです。


ということは、やはり3月の消費者物価指数が伸び悩んでいる一番の原因はあいつ・・・ですよね、おそらく。そう。「家電製品」です。

これは、前回の記事 で掲載した日経ニュースでも

「春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。」

と記されており、「耐久財が物価を押し下げた」ことが記されています。
ただ、「ノートパソコン」は「教養娯楽」分野であり、「家具・家庭用品」ではありませんけどね。

ということで、まずは「家具・家庭用品」を砕いてみます。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数前年同月比


洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
家具・家事用品 ウェイト:348
-0.8(0.6)

 家庭用耐久財 ウェイト:111
 -1.6(0.6)

 室内装備品 ウェイト:25
 -3.4(-3.1)

 寝具類 ウェイト:27
 2.2(1.1)

 家事雑貨 ウェイト:72
 1.4(3.7)

 家事用消耗品 ウェイト:86
 -2.3(-0.9)

 家事サービス ウェイト:27
 0.1(-0.1)

ということで、「家具・家庭用品」の中で、最も「ウェイト」の大きい「家庭用耐久財=家電」がやはり「消費者物価」の足を引っ張る要素となっていることが分かりました。

「室内装備品(カーテンやカーペット、電気など)」がマイナス幅を拡大していますが、この分野は平成26年4月~平成27年5月にかけて一時的に物価が上昇していた時期もありますが、それ以外では平成5年以降1カ月の途切れもなく前年同月割れをしている分野ですので、今回の対象からは外します。

この他、「家事雑貨」が上昇幅を縮小させており、「家事用消耗品」もまた下落幅を拡大させていますので、この2分類も調査してみます。


【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
家庭用耐久財 ウェイト:111
-1.6(0.6)

  家事用耐久財
  -3.8(-2.7)

   電子レンジ
   -26.0(-19.5)

   電気炊飯器
   2.0(2.6)

   ガステーブル
   3.0(3.7)

   電気冷蔵庫
   -5.5 (-6.5)

   電気掃除機
   12.6(16.2)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)
   -18.4(-20.2)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)
   -2.1(3.9)

  冷暖房用器具
  -0.4(5.1)

   ルームエアコン
   -0.7(5.9)

   温風ヒーター
   1.0(2.2)

   空気清浄機
   0.1(1.8)

さて。今回も一般社団法人日本電機工業会 より、メーカーベースでの「出荷台数」及び「合計出荷額」について調べてみます。

【2017年3月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
出荷台数 117.2% 
出荷総額 112.7%

電気炊飯器
出荷台数 112.2%
出荷総額 106.7% 

電気冷蔵庫
出荷台数 107.5%
出荷総額 99.3% 

電気掃除機
出荷台数 109.7%
出荷総額 106.4%

電気洗濯機
出荷台数 121.5%
出荷総額 114.4% 

ルームエアコン
出荷台数 106.1%
出荷総額 104.6% 

と、こんな感じでしょうか。

見ての通り、唯一「電気冷蔵庫」の出荷総額が前年度割れしているものの、他は全て前年度オーバー。
ただ、どの項目も「出荷総額」を「出荷台数」が上回っていますので、「単価は下がったけれども、販売数量が増加した為、結果的に出荷総額が増えた」という状況も想定することは出来ます。

とはいえ、メーカーベースではきちんと「消費」は増えていることが分かります。
後はやはり販売店側の問題でしょうね。


この他、「一般家具」に関しては前年同月比2.9%。2月が2.7%ですから、「物価上昇率」としては非常に優秀な結果となっています。


「室内装備品」に関しては「照明器具」が-14.8%と大きく前年割れしていますが、「照明器具」に関してはデータが集計され始めて以来、ほぼすべての期間において前年度割れしており、どこか特定の内閣に於いて敢えてその影響を問題視する必要はないものと思われます。


「家事雑貨」に関しては、確かに前年同月比3.7→1.4と大きく上昇幅を縮小させてこそいますが、それでも1.4%という物価上昇率はそれほど悪い数字ではありません。

また、今回の「家事雑貨」という項目の中で、その最も大きな影響がみられるのは「台所用密閉容器」。つまり「タッパー製品」のことです。

理由はよくわかりませんが、この「台所用密閉容器」。2016年3月より2017年2月にかけての丸1年間、前年同月比70%超という物価上昇率を記録していました。これは、何かメーカー側の事情があったものとしか考えられません。

これが3月に入って前年同月比2.6%と落ち着いたため、このことが「家事雑貨」の消費者物価指数の上昇幅を大きく縮小させる結果となりました。ただこれは先月までが異常すぎたのであり、今月は「正常に戻った」と表現する方が正確だと思われます。


「家事用消耗品」は2月の下落幅0.9%から更に大きく物価が下落し、-2.3%となっています。

家事用消耗費の中で下落幅が広がっているのは「ティッシュペーパー」の-1.8%→-3.3%、台所用洗剤の1.4%→-3.6%の二つ。
共に石油精製品です。

正確な理由は分かりませんが、実際に原油が前年度を上回り始めたのは2016年11月以降の話であり、まだその影響が反映されきっていない、ということなのでしょうか。まあ、このあたりは特に付加価値が重要視されない分野ですから、それほど深く考える必要はないのかもしれません。


総括ですが、日経記事にもあった通り、「新生活応援」の影響もあったのかもしれませんが、やはり「家具・家庭用品」分野の内、「家電製品」の物価下落が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の伸び悩みに一つの大きな影響を与えているものと考えられます。

もう一つの家電分野、「テレビ、パソコン」に関しても同じ現象が起きているものと推察されますが、今回はこの分野に関しては深入りをせず、次回記事ではもう一つの気になる分野、「エネルギー」に関して調査を進めてみたいと思います。



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タイトルにございます通り、本日(4月28日)、平成28年(2016年)度通年の消費者物価指数が発表されました。

これは、勿論同時に平成28年(2016)度3月度の消費者物価も発表されたという事。
日経ニュースですと、こんな感じで報道されています。

【日経ニュースより】
消費者物価3月0.2%上昇 エネルギー除くとマイナス
2017/4/28 12:12

 総務省が28日発表した3月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が99.8となり、前年同月比0.2%上昇した。3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。エネルギーを除くベースでは0.1%下落し、13年7月以来3年8カ月ぶりにマイナスに転じた。

日経ニュースより(前年同月比)

 生鮮食品を除く総合指数は3カ月連続の上昇。ガソリンが20.4%と大きく伸びたほか、電気代や都市ガス代も前年比のマイナス幅を縮小した。国内外の旅行需要を反映し、宿泊料や外国パック旅行費も物価を押し上げた。

 ただ消費が力強さを欠くなか、エネルギー以外の物価は伸び悩んでいる。春先の値引きキャンペーンが広がった携帯電話機は26.6%下落したほか、ノートパソコンも11.0%下がるなど耐久財が物価を押し下げた格好だ。

 先行指標となる東京都区部の4月のCPIは、生鮮食品を除く総合指数で0.1%下落した。被服及び履物が0.1%下がった。昨年に比べて春夏物を値上げする動きが鈍かったという。4月中旬から小売り大手が日用品などの値下げに動いており、総務省は「ある程度は物価に反映されている」との見方を示した。

通年のニュースではなく、3月度の記事になります。

記事内容がだいぶん私が毎回掲載している記事に近くなってきたかな、とも感じます。
記事内容として、携帯電話や耐久消費財に焦点を当てているあたりがまさしく・・・といった感じですね。

記事で「消費者物価指数」と書いているのは、「生鮮食品を除く総合」であり、政府・日銀が「物価上昇」の目標としている数字で、「コアCPI」と呼ばれるものの事。

記事では、「3.9%上昇したエネルギーが物価全体を押し上げた。」と記されています。
消費者物価が下落している当時では、「エネルギー価格が全体を押し下げている」等とは書いていなかった様に記憶していますが、随分都合の良い話です。

で、記事中にある「エネルギーを除くベース」とは、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」の事。
第280回の記事 でご紹介した様に、平成28年度1月より新たに消費者物価指数に加えられた数字です。

12月までは「コアコアCPI」として、「食料およびエネルギーを除く総合」という指標がこの位置に割り当てられていましたが、これが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」へと変更された形です。理由はリンク先 でご覧ください。
 
28年度通年のニュースも報道されているんですが、ネット上ではまだ検索にかかりませんので、今回は報道を確認できる平成28年(2016年)度3月の消費者物価指数から記事にいたします。


平成28年(2016年)度3月度消費者物価指数の見方

先ずは大枠で、「消費者物価指数総合」に関連した項目から記事にします。

【消費者物価指数総合の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
総合
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合
0.2 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合
-0.1 (0.1)

こちらは2017年3月の消費者物価指数(前年同月比)です。

私は、長い間「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ることが大切だ、と言い続けてきたわけですが、その「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、遂に前年度割れしてしまいました。

ここが大切だ、と言ってきた私としては、この「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由を追求することが今回この「消費者物価指数」に関連した記事を作成する最大の目的となります。


「持家に帰属する家賃」の見方

住居

私の記事を読んでいる方であれば、既にご承知のことと思いますが、「消費者物価指数」をみる上で、一番気を付けなければならないのはこの「持家に帰属する家賃」の存在です。

【持家に帰属する家賃」の前年同月比】※( )内は2017年2月の前年同月比です。
持家の帰属家賃を除く総合
0.3(0.4)  ウェイト:8501

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
0.4(0.3)  ウェイト:8087

持家の帰属家賃
-0.4( -0.4) ウェイト:1499

第281回の記事 でお伝えしていますように、「持家に帰属する家賃」とは、

 「現在居住する持家が、もし持家ではなく借家であったとすると、その家賃はいったいいくらになるのか?」

という数字であり、本来そんなものに対する「消費」は全く発生していません。
そんな数字は現実には存在しない、フィクションの数字なのです。ですから、私個人の考えではありますが、この数字は本来「消費者物価指数」そのものに加えるべきではない数字です。

ちなみに上表の「ウェイト」とは、日本国で起きる全ての「消費量」を「10000」と考えたとき、持家に帰属する家賃であれば、その消費量は一体どのくらいの数字になるのか、という数字です。

日本国内で起きるすべての「消費」には共通の単位が存在しませんから、これを「加重平均」という方法を用いて平均化したもの。
私はこれを「重要度」と表現しています。

つまり、ウェイトとは、「消費者物価」を考えるとき、そのアイテムの「重要度の割合」を示したものです。
持家に帰属する家賃のウェイトは「1499」。本来日本ではそんなものの消費は全く起きていないにも拘わらず、なぜか存在する「持家に帰属する家賃」のウェイトが、なんと消費者物価指数全体の約15%も占めているのです。これははっきり言って異常です。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」には、そんなフィクションの数字が含まれており、その数字を差し引いた結果、前年同月比が前年度割れした、ということになります。

ですが、例えば「持家の帰属家賃を除く総合」では「持家の帰属家賃が含まれた総合」の前年同月比が0.2であることと比較して0.1ポイント増しの0.3%。この差は大きいと思います。

また、ここから「生鮮食品」を除いた「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」は0.4%と更に上昇幅を拡大させていることから、消費者物価指数「総合」の物価を引き下げている原因として、「生鮮食品」が影響を与えていることが分かります。

逆に上昇させている理由は「エネルギー」にあるわけですが、「持家に帰属する家賃」そのものは2月も3月も-0.4%と変化しておらず、持家に帰属する家賃を除かない「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%から-0.1%と、その下落幅は0.2%にすぎませんから、持家に帰属する家賃を除く「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は恐らく0.2%。

未だ前年同月比でプラス圏内にとどまっているものと考えられます。
私は思います。もし本当に正確に「消費者物価指数」を活用したいのであれば、「生鮮食品及びエネルギー」から、更に「持ち家の帰属家賃」を除いた「総合」も指標として加えるべきだと。


然し、それでも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が、2月から3月にかけて下落していることには変わりありませんから、次回記事ではこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が下落した理由について検証してみたいと思います。



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第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。ついに今回は第300回。記念すべき記事となりましたね。

そんな記念すべき記事のテーマは「エネルギーの物価動向」について。
2017年2月の消費者物価指数から考えてみます。

第259回の記事 でお伝えしました様に、2016年12月より、ついに「ガソリン価格」が上昇へと転じ、次いで1月には「他の光熱費」=「灯油」の物価も上昇に転じました。

第282回の記事 では、然し確かに「原油精製品」の物価は上昇に転じたけれども、他のエネルギー価格は未だに下落したままである事をお伝えしました。


エネルギー物価の動向

エネルギー


実は、「エネルギー」というカテゴリーでの物価は10大費目とはまた別表でまとめられていて、エネルギー全体で見ることができます。

【エネルギーの消費者物価指数の前年同月比】
11月 -6.7%

12月 -4.4%

1月 -0.8%

2月 1.6%

さて。ついに「エネルギー価格」はエネルギー価格全体で物価を引き下げる要因としては機能しなくなってしまいました。

「エネルギー価格」が含まれるのは、「水道・光熱」及び「交通・通信」の2費目です。

【水道・光熱の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
光熱・水道 ウェイト:745

 電気代 -2.1 (-3.4) ウェイト:356

 ガス代 -6.5(-7.4) ウェイト:181

 他の光熱 29.8(19.7) ウェイト:41

 上下水道料 0.5(0.5) ウェイト:167

既にお伝えしていますように、「水道・光熱」全体ではマイナス幅が縮小した、とはいうものの、未だに物価上昇率はマイナスなのですが、「他の光熱(つまり灯油)」の物価上昇率は1月の19.7%から更に上昇幅を拡大し、29.8%の物価上昇率を記録しています。

「電気代」「ガス代」のマイナス幅は大きいですが、それでも共にそのマイナス幅を縮小させています。

【交通・通信の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
交通・通信 0.3(0.3) ウェイト:1476

 交通 0.0(-0.2) ウェイト:224

 自動車等関係費 3.4(2.5) ウェイト:836

 通信 -5.4(-3.8) ウェイト:416

このうち、「エネルギー価格」が含まれるのは「自動車等関係費」ですので、ここを深堀してみます。

【自動車等関係費の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
自動車等関係費 3.4(2.5) ウェイト:836

 自動車 -0.3(-0.2) ウェイト:199

 自転車 3.4(4.4) ウェイト:9

 自動車等維持 4.7(3.4) ウェイト:628
  ガソリン 15.8(11.2) ウェイト:206

自動車は残念ながら物価が減少していますね。
ただ、大切なのはそこではありません。ピックアップしましたが、「自動車等維持費」の内、「ガソリン代」。

改めて「エネルギー」に相当する項目をピックアップしますと、

【エネルギーの消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
ガソリン 15.8(11.2) ウェイト:206

電気代 -2.1 (-3.4) ウェイト:356

ガス代 -6.5(-7.4) ウェイト:181

他の光熱 29.8(19.7) ウェイト:41

下落している品目が「電気代」と「ガス代」、上昇している品目が「ガソリン」と「他の光熱(灯油)」でとなります。

下落している品目のウェイトを合算すると「537」、上昇している品目のウェイトを合算すると「247」で、下落している品目のウェイトは上昇している品目のウェイトを2倍以上上回っているのですが、それを完全に打ち消すほどの伸び率を「ガソリン」及び「灯油」が示していますので、結果的にエネルギーの消費者物価指数は全体でプラスの前年同月比を示しています。


エネルギーの消費者物価指数が上昇に転じた意味

「エネルギーの消費者物価が上昇に転じた」と言っても、実際に上昇しているのは「灯油」と「ガソリン」の2項目のみで、残る「電気代」と「ガス代」は未だに前年同月比でマイナスを維持しています。

ですが、先日の報道では新年度(2017年度)より、再生可能エネルギー費用を電気代に上乗せする、と言った報道も流れています。

【日経新聞ニュース】
再生エネの電気代上乗せ、17年度は月686円 100円増に
2017/3/14 20:46

 経済産業省は14日、再生可能エネルギーの導入による電気代への上乗せが、2017年度は標準家庭で月額686円といまより約100円増えると発表した。太陽光や風力発電の導入が増え、電力大手の買い取りコストが膨らむためだ。5月の検針分から適用する。

 再生エネは電力大手が事業者から電気を買い取り、費用を電気代に上乗せして回収する。17年度は家庭で使う電気1キロワット時あたり2.64円が上乗せされ、16年度より0.39円多くなる。毎月の使用量が260キロワット時の標準家庭の場合、年間8232円の負担になる。再生エネの電気の買い取り制度が始まった12年度と比べると10倍以上の水準だ。

 太陽光や風力などの電気は高値での買い取りが保証されてきたため、導入が急速に広がった。17年度の買い取り費用の総額は2兆7045億円と16年度に比べて4千億円ほど増える見通しだ。

 経産省は12年度に1キロワット時あたり40円だった太陽光の電気の価格を16年度は24円まで下げた。17年度からは入札制を取り入れ、さらに安い電気を優先して買う。風力も17年度に初めて値下げし、上乗せの膨張を抑える。

問題になるのは、「エネルギー価格」とは、基本的に「原価」に相当する部分で、このことで収入の増える日本人が誰もいない、ということです。

勿論、引用したニュースの様に、買取を前提とした再生可能エネルギーであれば、電力を販売した事業者は儲かりますから、その分GDP上昇にも貢献はするでしょう。

今後、物価をみる上で大切になってくるのは、仮にエネルギー価格が継続的に上昇した場合、「エネルギー価格の上昇」に伴う物価上昇を根拠として物価が上昇したかどうかを判断するのではなく、エネルギーの物価を除外して、それでも他の物価がきちんと上昇しているのかどうか。これを見る姿勢がとても大切になってきます。

改めて、私流「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

このうち、「エネルギー物価」が含まれるのは「光熱・水道」「交通・通信」の二つですから、この2項目を除外して考えても、他の項目は全てプラス成長していますね?

「持ち家の帰属家賃をを除く住居」の伸び率が0.1%と低迷してこそいますが、私の中で、物価上昇率の基準は「名目3%、実質2%の1%の物価上昇率」です。


これについては、日銀黒田総裁も私と同じ考え方をしていて、日銀が物価上昇率としてコア2%を目指しているのは、「消費者物価指数は下方バイアスがかかりやすいため」であり、2%上昇を果たせばバイアスを取り除いたとしても1%の物価上昇は果たせている、と考えられるから。

黒田さんが本当に目指している物価上昇率は、実は2%ではなく1%なんですね。
これは私が敬愛する麻生さんも一緒。

麻生内閣時代の物価上昇率こそ、私が表現した「名目3%、実質2%の1%の物価上昇率」でした。

これを3年連続で達成して初めて消費増税の議論に入る・・・としていたわけですが、消費増税に関してはこれを達成しないまま、引き上げてしまいましたね。

まあ、事後的ではありますが、これを達成することができれば、国民の消費増税に対する負担が軽減される、と考えられています。

私の中の消費増税の基準年は、麻生内閣がスタートした2008年をベースで考えていますが、2008年の家計最終消費支出(持家に帰属する家賃を除く)は232兆円です。端数まで含めて、これが3%上昇すると考えると、家計最終消費支出は6.96兆円増えることになります。

そうすると、増額した翌年の家計最終消費支出は239兆円。その3%は7.17兆円。
その翌年の家計最終消費支出は246.兆円。その3%は7.39兆円。

これを6.96兆円、7.17兆円、7.39兆円を合算すると約21.5兆円となります。

一方、2008年の消費税収が10.25兆円で、仮にこの時の消費税率が10%、国庫負担分が現在政府が想定している8.2%であったとすると、10%時の消費税収は19.9兆円となります。

消費税収=家計の税収負担は約10兆円増えるわけですが、家計の収入は3年間で税収の約2倍増える計算になります。

まあ、これほど単純な計算結果にはならないでしょうが、この様な結果をめざすのであれば、実際に2%もの物価上昇は必要ないのではないか、と個人的に思うわけです。


改めて、「私式10大費目別消費者物価指数」を見ていただいて、いかがでしょう。
そんなに悪くないんじゃない、って思いません?

小分類品目別に絞っていくと、まだまだ改善が必要な品目があることは事実ですが、ひょっとしてアベノミクスってうまく行ってるんじゃない、って思いません?

その最終成果がみられるのは、実は来月よりその影響が見え始める「2016年度の所得・法人・消費税収」の結果です。
実は2月までの数字は出ているのですが、前年同月比ベースで見て、正直、あまり結果は芳しくありません。

ただ、一つからくりがございまして、「法人の申告分所得税」、「法人税」「消費税」については「事業年度末」(12月が事業年度末であれば12月末、3月が事業年度末であれば3月)から2か月以内が「申告期限」とされています。

勿論3月を決算期としている企業が多いですから、3月末~5月末に最も多く納税されますので、実はまだ本当に納税額が多いのか少ないのかはわからない・・・という事実があります。

3月末が決算であったとすると、その申告はどんなに早くても4月になるでしょうから、2017年度の本当の納税額が分かるのは4月以降、ということになりますね。

残る3か月の数字を楽しみにしています。



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第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。前回の記事に引き続き、2017年度消費者物価指数について記事にしてみたいと思います。

前回の記事で予告しました通り、今回の記事のテーマは「家電製品の消費者物価指数」です。

家電製品に関しては、1月度の記事 でも「それでも上昇しない消費者物価指数」とのタイトルで、他の消費者物価指数が軒並み改善する中で、唯一「家電製品」だけが未だに伸び悩んでいることをピックアップして取り上げました。

改めて、2017年消費者物価指数10大費目についておさらいしておきます。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

「食料」及び「住居」については、より実体経済に近い部分を抽出して、「生鮮食品を除く食料」「持ち家の帰属家賃を除く家賃」を掲載しています。

前回の記事 でもお伝えしました通り、長らく低迷を続けてきましたこの「消費者物価指数」も、ついに「水道・光熱」を除くすべての費目について前年同月比プラス成長を達成しました。

「水道・光熱」がマイナスを記録している理由は、ここに「エネルギー価格」が含まれているからなんですが、ここも含めてエネルギー価格に関連した記事は次回作成いたします。

今回テーマとする「家電製品」が含まれるのは、「家具・家庭用品」及び「教養娯楽」の二つの費目です。

10大費目別では、「家具・家庭用品」「教養娯楽」とも前年比でプラス成長を果たしています。
特に「家具・家庭用品」は1月まで前年比マイナス成長を続けていましたから、漸く・・・といった感じです。

ただ、その内訳を見てみますと、この項目の根本的な課題が解決された・・・というわけではないようです。


家具・家庭用品の消費者物価指数

洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。

家具・家事用品 0.6(-0.1) ウェイト:348

 家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 室内装備品 -3.1(-4.0) ウェイト:25

 寝具類 1.1(1.1) ウェイト:27

 家事雑貨 3.7(3.7) ウェイト:72

 家事用消耗品 -0.9(-1.1) ウェイト:86

 家事サービス -0.1(0.0) ウェイト:27

比較しやすいように、ウェイト(重要度)も併記しました。

ご覧いただきますとわかりますように、「ウェイト」つまり「重要度」の最も大きな「家庭用耐久財」の消費者物価指数が前年同月比で最も伸びており、これが「家具・家事用品」の物価上昇に大きく貢献していることが分かります。

そして、今回テーマとしている「家電製品」もこの中分類品目の中に含まれています。

【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 家事用耐久財 -2.7(-4.8) ウェイト:57

 冷暖房用器具 5.1(2.7) ウェイト:37

 一般家具 2.7(2.6) ウェイト:18

「家庭用耐久財」は「家事用耐久財」と「冷暖房器具」及び「一般家具」の3つの小分類で構成されています。

そう。ご覧の通り、今回「家具・家庭用品」の消費者物価指数を大きく引き上げた最大の理由は、「冷暖房器具」の前年同月比が大幅に上昇したことにあります。

品目はこんな感じ。
  ルームエアコン 5.9(3.0)

  温風ヒーター 2.2(0.0)

  空気清浄機 1.8(4.1)

「ルームエアコン」が大きく牽引していることがわかります。
一方、もう一つの「家電製品」である「家事用耐久財」はこんな感じ。
  電子レンジ -19.5(-28.7) ウェイト:4

  電気炊飯器 2.6(0.3) ウェイト:11

  ガステーブル 3.7(4.8) ウェイト:3

  電気冷蔵庫 -6.5(-7.8) ウェイト:16

  電気掃除機 16.2(14.7) ウェイト:9

  電気洗濯機(全自動洗濯機) -20.2(-20.3) ウェイト:7

  電気洗濯機(洗濯乾燥機) 3.9(0.7) ウェイト:7

「ガステーブル」は家電ではありませんが、それ以外は全て「家電」品目です。
「電気炊飯器」「電気掃除機」「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」の3つが上昇する中で、「電子レンジ」「電気冷蔵庫」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の3つが物価を引き下げています。

「電子レンジ」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の2項目は二桁のマイナス幅を記録しています。
また、「電気冷蔵庫」は6%を超えるマイナス幅を記録している上に、「ウェイト(重要度)」も「家事用耐久財」全体57の内11となっていますので、その影響を無視することは出来ません。

但し、メーカー側の出荷状況(日本電機工業会データ)を見ますと、

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
 数量:115.9%
 金額:110.8%

電気洗濯機(全体)
 数量:112.3%
 金額:112.2%

電気冷蔵庫
 数量:101.2%
 金額:101.0%

となっていますので、消費者物価指数側の数字の算出方法を100%信頼するのだとすれば、これは物価そのものの問題ではなく、販売店側の販売手法の問題である、ということもわかります。


教養娯楽の消費者物価指数

テレビ

【「教養娯楽」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

 教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 教養娯楽用品 0.1(0.6) ウェイト:210

 書籍・他の印刷物 0.5(0.2) ウェイト:128

 教養娯楽サービス 0.9(1.6) ウェイト:592

「教養娯楽」は全体のウェイトも989と大きくなっています。

1月の前年同月比0.9から上昇幅が0.4と縮小しているわけですが、その最大の理由は「教養娯楽用耐久財」のマイナス幅が拡大している事。

その他、「教養娯楽用品」「教養娯楽サービス」も上昇幅を縮小させており、それぞれウェイトが大きくなっていますので、「教養娯楽用耐久財」を深堀した後で、この2項目についても軽く見てみたいと思います。

【「教養娯楽用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 テレビ -6.1(-3.4) ウェイト:15

 携帯型オーディオプレーヤー 0.6(-0.4) ウェイト:1

 電子辞書 17.3(-2.0) ウェイト:1

 ビデオレコーダー 3.2(0.6) ウェイト:4

 パソコン(デスクトップ型) -8.4(-7.0) ウェイト:8

 パソコン(ノート型) -10.6(-10.7) ウェイト:14

 プリンタ 9.6(7.5) ウェイト:2

 カメラ 8.6(4.7) ウェイト:4

 ビデオカメラ -17.1(2.0) ウェイト:2

 ピアノ 0.0(0.0) ウェイト:5

 学習用机 2.0(1.6) ウェイト:3

はい。ここでもやはり物価上昇率を伸び悩ませている最大の原因は「テレビ」及び「パソコン」の家電製品。

こちらもメーカー側の出荷状況(電子情報技術産業協会データテレビパソコン)を見てみます。

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
映像機器全体の出荷額:96.1%
 内薄型テレビの出荷台数:95.2%

パソコン
 出荷台数:114.7%
 出荷金額:114.5%

となっています。
テレビに関しては大分消費者物価指数の示す数字と現実の数字が近づいてきている様ですね。
つまり、出荷ベースで見ても販売ベースで見ても、「伸び悩んでいる」と。

PCは出荷ベースと販売ベースでの数字に大きな開きが見られます。
こちらも「販売側の問題」ということでしょうか。

日銀・安倍内閣の目指す「物価上昇率」を達成する上で、残るネックとなってくるのは「家電製品」のみ。
ピンポイントで何が問題であるのか、ということがようやく顕在化してきましたね。


「教養娯楽用品」と「教養娯楽サービス」

ここは、物価上昇率としてはプラスの数字を示していますから、軽く触れる程度にしておきます。

「教養娯楽用品」の中でマイナス幅が大きく、同時に「ウェイト」も大きな品目として、「運動用具類」と「玩具」。この二つの項目が挙げられます。

教養娯楽用品全体のウェイト210に対し、運動用具類が52、玩具が21となっています。

運動用具類は1月の-1.2%から-0.7%にマイナス幅を縮小させているのですが、玩具は-1.4%から-1.6%にマイナス幅を拡大させています。

玩具全体の中でウェイトが大きいのは「組み立て玩具」の8。
前年同月比は-0.5%から-1.3%に拡大しています。

下落幅が大きいのは、ウェイトとしては「1」と非常に少ないのですが、下落幅が-14.2を記録している家庭用ゲーム機据え置き型。
一方で携帯型は0.1%とプラス成長していますから、時代の流れを感じますね。


次回記事では、冒頭でお伝えした通り、「エネルギー価格」の変動に着目して記事を作成してみたいと思います。



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先月末(2017年3月末)、2017年2月の消費者物価指数が公表されましたので、今回はこの内容について記事にしたいと思います。
振り返りで、1月の消費者物価指数 の特徴として、何よりも大きいのは、政府の公表する「消費者物価指数(総合)」の項目が変化した、という事。

これまでは、「コアCPI」として、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という名称が割り当てられていたのですが、1月よりこの名称が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わりました。

勿論、項目として「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という項目そのものがなくなったわけではないのですが、政府が重要視して公表していました、「消費者物価指数(総合)」「コアCPI(生鮮食品を除く総合)」「コアコアCPI(食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合)」という項目の「コアコアCPI」の内容が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に置き換えられたということです。

項目の重要性に就いては1月の消費者物価指数 にてごらんいただきたいのですが、これまで政府ではなく日銀が公表していたデータを政府も採用し、こちらの方が重要だ、と考えるようになったということです。

その他、2016年度までの消費者物価指数の中でずっと足を引っ張り続けてきていたのが「エネルギー価格」と「家電製品」の2つだったのですが、2016年12月、「エネルギー価格」の内「原油価格」に由来する品目の消費者物価指数がついに上昇へと転じ、これが1月も継続したという事。

この2点が大きな特徴だったかと思います。

2017年2月の分析はは先ず消費者物価指数の全体像から行っていきます。


消費者物価指数(総合)

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【消費者物価指数総合の前年同月比】
※( )内は2017年1月の前年同月比です。
消費者物価指数(総合) 0.3(0.4)

生鮮食品を除く総合(コアCPI) 0.2(0.1)

持家の帰属家賃を除く総合 0.4(0.6)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI) 0.1(0.2)

「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」以外は軒並み伸び率が鈍化していますね。
ちなみにもう一つ、「持ち家の帰属家賃を除く総合」を加えていますが、この理由については第281回の記事 をご参照ください。

このうち、私が重要視している新コアコアCPI=「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%と伸び悩んでいます。
なぜこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が伸び悩んでいる様に見えるのか。

このことを検証するため、今度は「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。


10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
食料 0.8(1.8)
生鮮食品 1.4(8.0)
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

住居 -0.2(-0.2)
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

解りますでしょうか?
「住居」に関しては、「持ち家の帰属家賃」は統計上実際には存在しない架空の数字であり、まったく重要性のない数字であることは散々お伝えしている通りで、「食料」に関しても「生鮮食品」は「利益」ではなく「原価」の増減によって物価が左右されますので、「生鮮食品を除く食料」の方が数字としては大切になる、ということも既にお伝えしているとおりです。

ですので、
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

の10項目で見ることで、政府が目指す「物価上昇率」により近い状況を見ることができることができます。

さて、いかがでしょう。
遂に、「光熱・水道」を除くすべての10大費目で前年同月比プラスを達成することができました。

では、私が重要視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですが、一つ言えるのは、

 「住居」費目で、「住居」全体の前年同月比が -0.2%、
 持ち家の帰属家賃をを除く住居の前年同月比が0.1%

となっていますが、前述しました通り持ち家の帰属家賃はフィクションの数字ですから、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」を除くと新コアコアCPIももう少し数字は大きくなります。必要なデータだと思うんですけどね、この項目。

ただ、それ以上に、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」が1月より伸び悩んでいますので、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」そのものも新コアコアCPIが1月より伸び悩んでいる理由の一つとなっています。

理由は、「設備修繕・維持」の中分類品目が1.0%から0.6%に鈍化したから。
ただ、それ以上に「家賃」が-0.4%の下落幅を維持していますので、「住居」費目をみる上ではこの「家賃」の下落が継続していることがウィークポイントとなっています。

この他、「教育」「教養・娯楽」「諸雑費」の3つの費目で上昇幅が鈍化しています。

「教育」では、「補習教育」が0.9%から-0.6%に下落したことが、「諸雑費」では「理美容サービス・理美容用品」の物価が下落したことがその要因となっています。

「教育娯楽」は後日記事にて触れる予定ですので、今回の記事では割愛します。

上昇幅が鈍化している項目をウェイト(重要度)別に見てみますと、
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3) ウェイト:589

教育 1.0(1.5) ウェイト:316

教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

諸雑費 0.3(0.4) ウェイト:574

となります。「割愛する」と言いましたが、「教養娯楽」のウェイトが最も大きく、鈍化した幅も0.5%と、「教育」と並んで最も大きな鈍化幅となっていますね。

実はこの費目、「教養娯楽用耐久財」、「教養娯楽用品」、「書籍・他の印刷物」、「教養娯楽サービス」の4つの中分類品目で構成されています。

このうち、プラス幅が上昇しているのは「書籍・他の印刷物」だけで、他は全て上昇幅が縮小しており、「教養娯楽用耐久財」に至ってはマイナス幅が-3.6から-4.2に拡大しています。

「教養娯楽用耐久財」、つまり「テレビ」のことですね。
勿論テレビだけではありませんが、これまで足を引っ張り続けてきた「家電」の分野です。

ところが、実は今回の調査データの中で、もう一つの家電分野が含まれる、「家具・家庭用品」費目はマイナス成長からついにプラス転換しています。「家庭用耐久財」もまたプラス成長しているんですよね。


ということで、次回記事では、この「家電製品」ともう一つ、「教養娯楽用品」の中で物価の上昇幅を鈍らせた原因となっている「教養娯楽サービス」についても記事にしてみたいと思います。



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さて。2017年1月消費者物価指数記事の続きです。

賢明な方はもうお気づきですね。
「それでも上昇しない消費者物価指数」。つまり「家電製品」のことです。

「住居」を「持家に帰属する家賃を除く住居」に置き換えると、「10大費目別消費者物価指数」の内、前年度割れを記録しているのは既に「水道・光熱」及び「家具・家事用品」の2つだけ。

「水道・光熱」に関しては既に情報を掲載していますので、残る「家具・家庭用品」及び「教養・娯楽」中「教養娯楽用耐久財」について記事にしたいと思います。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数

洗濯機
【「家具・家事用品」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
家具・家事用品〔348〕
 -0.1(-1.0)

 家庭用耐久財〔111〕
 -1.3(-3.8)

 室内装備品〔25〕
 -4.0(-3.7)

 寝具類〔27〕
 1.1(0.1)

 家事雑貨〔72〕
 3.7(4.0)

 家事用消耗品〔86〕
 -1.1(-1.7)

 家事サービス〔27〕
 0.0(0.6)

今回対象としたいのは、この内「家庭用耐久財」についてですが、他の項目に関しても概要だけ記載しておきます。

下落している項目は「室内装備品」及び「家事用消耗品」の二つ。
「室内装備品」は「室内時計」「照明器具」「カーペット」「カーテン」の4つ。

この内、「前年同月比」でマイナス幅が大きいのは「照明器具(-14.9%)」なんですが、この項目は平成10年4月より、永続的に前年度割れを継続していますので、安倍政策とは関連性のない理由によるものと考えられます。

其の他「室内時計」「カーペット」も前年度割れを記録していますが、ウェイトが共に一桁で、全体への影響は小さいと考えられますから、この場では割愛いたします。

また、「家事用消耗品」はそのほぼ全てが紙類や洗剤、防虫剤関係でその原料として「原油」が用いられています。
ガソリンや灯油で見れば物価は前年度を上回りましたが、原油から生成される加工品ではまだその影響が残っている、ということでしょうか。

それでは本命の「家庭用耐久財」へと話題を進めます。


「家庭用耐久財」の消費者物価指数

【「家庭用耐久財」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
家庭用耐久財〔111〕
 -1.3(-3.8)

 家事用耐久財〔57〕
 -4.8(-8.3)

 一般家具〔18〕
 2.6(0.6)

「一般家具」に関しては、2016年7月~10月にかけて前年度割れを記録していましたが、11月より回復し、1月にはついに2%越え(政府目標物価上昇率の達成)を果たしていますね。

さて。ではもう一つ、「家事用耐久財」について。

【「家庭用耐久財」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
家事用耐久財〔57〕
 -4.8(-8.3)

 電子レンジ〔4〕
 -28.7(-28.5) 

 電気炊飯器〔11〕
 0.3(-1.0)

 ガステーブル〔3〕
 4.8(3.2)

 電気冷蔵庫〔16〕
 -7.8(-12.1)

 電気掃除機〔9〕
 14.7(4.7)

 電気洗濯機(全自動洗濯機)〔7〕
 -20.3(-20.0)

 電気洗濯機(洗濯乾燥機)〔7〕
 0.7(-2.9)

 冷暖房用器具〔37〕
 2.7(1.8)

  ルームエアコン〔30〕
  3.0(2.7)

  温風ヒーター〔4〕
  0.0(-8.7)

  空気清浄機〔3〕
  4.1(10.6)

さて、いかがでしょうか。「エネルギー価格」に続く消費者物価下落の犯人の一つであったこの「家事用耐久財」。
ですが、少し変化が見られるようになって来ましたね。

「家電」ではありませんが、「ガステーブル」は5月より10月にかけての前年度割れから回復し、12月が3.2%、1月が4.8%と、政府目標を大幅に上回っています。

また、「電気掃除機」に至っては、2015年7月の-1.2%から、翌8月の-10.1%。依頼二けたを超えるマイナス幅を継続し、20%のマイナス幅を頻繁に刻み続ける中、ついに12月に4.7%と前年度をクリア。そして更に1月はなんと14.7%のプラス幅を達成しています。

「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」も長らく前年度割れを継続し、9月には最大26.7%の前年度割れを記録していたのですが、2017年1月、ついに前年度をクリアし、0.7%のプラス成長を達成しました。

「ルームエアコン」~「空気洗浄機」までは全て「冷暖房用器具」に含まれますが、冷暖房器具全体では1月~7月まで前年度割れを記録していましたが、8月にプラスに転じ、9月に0%を記録するものの、それ以降は毎月プラス成長。1月は2.7%と、こちらも政府目標を達成してます。

残る品目は

 「電子レンジ」の-28.7%、「電気冷蔵庫」の-7.8%、「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の-20.3%

この3つです。何れもマイナス幅が大きく、消費者物価指数全体に対しても重しとなっていますが、多くの品目で2%を超える物価上昇率を達成していることは明るいニュースだと思います。

この分野は生産者側の出荷額・出荷量と消費者側の支出額との間に乖離が大きく、ジャ〇ネットタ〇タさんを筆頭に、家電業界が安売り競争を繰り広げている事がそもそも「物価下落」の最大の原因だと考えられます。


「教育娯楽用耐久財」の消費者物価指数

テレビ

【「教育娯楽用耐久財」の前年同月比】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
教養娯楽用耐久財〔59〕
 -3.6(-4.9)

 テレビ〔15〕
 -3.4(-11.4)

 携帯型オーディオプレーヤー〔1〕
 -0.4(0.1)

 電子辞書〔1〕
 -2.0(0.8)

 ビデオレコーダー〔4〕
 0.6(-2.9)

 パソコン(デスクトップ型)〔8〕
 -7.0(-6.7)

 パソコン(ノート型)〔14〕
 -10.7(6.1)

 プリンタ〔2〕
 7.5(6.4)

 カメラ〔4〕
 4.7(5.1)

 ビデオカメラ〔2〕
 2.0(1.1)

 ピアノ〔5〕
 0.0(0.0)

 学習用机〔3〕
 1.6(0.8)

ここでネックとなるのはやはり「テレビ」と「パソコン」ですね。
パソコンに関しては昨年の8月以降にWindows10への無料アップデートが行われたことなども影響しているのでしょうか。

タイミング的に、パソコンが前年割れを始めたのが2016年9月以降ですから、丁度符号がマッチします。

テレビに関しては、確かにマイナス幅は前年比3.4%と決して小さくはありませんが、2016年7月以降、二けたを超える下落幅を継続していたことから考えると、漸く落ち着いてきたかな、という感じを受けます。

店頭での大安売りからテレビショッピング、ネット通販と移行してきた家電の値下げ合戦ですが、何時までも値段を下げ続けられるわけがありません。きちんと利益を確保しなければ企業の営業活動にも限界がありますからね。

値下げしたとしても、そのことで企業がきちんと利益を確保できていれば問題はないのですが、果たしてその辺り、どうなのでしょうね。

来月以降の消費者物価の動向にも着目していきたいと思います。



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第282回 マスコミが3年4か月間付き続けてきた嘘/2017年(H29)1月CPIより

前回の記事の続きです。

前回の記事では、2017年の消費者物価指数が上昇した理由として、「原油価格」が「前年同月比」で上昇に転じたことで、「原油由来製品」の「エネルギー価格」が上昇に転じたことは、確かに物価を押し上げていると言えないことはありませんが、「エネルギー価格全体」ではいまだに「前年度割れ」が続いている状態であり、「物価を引き下げる要因」として働いている事をお伝えしました。

つまり、2017年の消費者物価全体で見る場合、エネルギー価格が全体で0.8%押し下げている「物価」を補てんして尚、消費者物価全体を押し上げている「品目」があるということ。

今回の記事は、2017年の消費者物価全体の中で、エネルギー価格のマイナス幅を受けて尚消費者物価全体を押し上げている「品目」を探り出すことを目的としています。


改めて、「10大費目別消費者物価指数」を検証します

36645ce32719bb44df93f9afb6a64216_s.jpg

【10大費目別消費者物価指数】※( )内は12月の前年同月比です。
総合
 0.4(0.3)
 生鮮食品を除く総合
 0.1(-0.2)
 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

食料
 1.8(2.5)
 生鮮食品を除く食料
 0.6(0.5)

住居
 -0.2(-0.2)
 持家の帰属家賃を除く住居
 0.3(0.2)

光熱・水道
 -3.4(-4.8)

家具・家事用品
 -0.1(-1.0)

被服及び履物
 1.1(0.6)

保健医療
 0.5(0.8)

交通・通信
 0.3(-0.7)

教育
 1.5(1.5)

教養娯楽
 0.9(0.5)

諸雑費
 0.4(0.3)

「生鮮食品を除く総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」で比較してみますと、前年同月比で0.1%の違いがありますから、エネルギーだけで消費者物価指数全体を0.1%分引き下げる原因として働いていることが分かりますね。

ちなみに、「持家の帰属家賃を除く総合」で消費者物価指数総合が前年度比0.6%。除かない総合が0.4%ですから、「持家に帰属する家賃」だけで消費者物価指数全体を0.2%も引き下げる要因として働いていることもわかります。

この様にしてみますと、「10大費目」の中で、消費者物価指数を引き下げる要因として働いているのは「水道・光熱」及び「家具・家事用品」のみ。「家具・家事用品」が下落している理由は、私のブログをずっと読んでいただいている方にはもう想像がついていますね?

このことに関してはまた後日記事にします。

整理しますと、
生鮮食品を除く食料〔2209〕
 0.6(0.5)

持家の帰属家賃を除く住居〔589〕
 0.3(0.2)

被服及び履物〔412〕
 1.1(0.6)

保健医療〔430〕
 0.5(0.8)

交通・通信〔1476〕
 0.3(-0.7)

教育〔316〕
 1.5(1.5)

教養娯楽〔989〕
 0.9(0.5)

諸雑費〔574〕
 0.4(0.3)

これらの項目が2017年1月の消費者物価を引き上げる要因として働いています。
ウェイト(重要度)として大きいのは、「生鮮食品を除く食料」及び「交通通信」、あと、「教養娯楽」の3項目ですね。
「持家に帰属する家賃を除く住居」も決して低くはありませんね。

「交通・通信」に関しては、前回の記事 にも掲載しましたね。

中分類で「交通」「自動車等関係費」「通信」の2つに分類されており、「交通」と「通信」は未だにマイナス。
唯一「自動車等関係費」のみがプラス成長していて、「交通・通信」全体を0.3%成長と押し上げていることをお示ししました。

更に、「自動車等関係費」の中分類を更に絞って、小分類で掲載し、「自動車等関係費」の中でも、「自転車」と「自動車等維持」という二つの品目がプラス成長していることをお示ししました。

ただ、「自動車等維持費」の品目を全品目掲載できていなかったようですので、改めて「自動車等維持」の品目別のみ再掲載します。

【自動車等維持消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車等維持〔628〕
 3.4(0.4)

 ガソリン〔206〕
 11.2 (1.6)

 自動車タイヤ〔30〕
 0.7(1.1)

 自動車バッテリー〔8〕
 -0.8(0.1)

 カーナビゲーション〔21〕
 -3.0(-6.4)

 自動車整備費(定期点検)〔28〕
 0.6(0.7)

 自動車整備費(パンク修理)〔22〕
 0.3(0.3)

 自動車オイル交換料〔12〕
 0.8(0.8)

 車庫借料〔51〕
 0.0(0.1)

 駐車料金〔9〕
 1.3(1.3)

 自動車免許手数料〔2〕
 0.0(0.0)

 レンタカー料金〔5〕
 0.5(0.3)

 洗車代〔2〕
 0.4(0.5)

 ロードサービス料〔3〕
 0.0(0.0)

 自動車保険料(自賠責)〔41〕
 0.0(0.0)

 自動車保険料(任意)〔189〕
 0.3

ウェイト(重要度)が最も大きいのは「ガソリン」であり、ここの前年同月比での伸び率が最も大きいことから、自動車維持費3.4%の伸び率に対して影響が一番大きいのが「ガソリン」であることは間違いありません。

ただ、「自動車等維持」の項目の中でマイナスを記録しているのは「自動車バッテリー」及び「カーナビゲーション」の二品目のみで、他は全てプラス成長、もしくは横ばいであることが分かります。

この他、「交通」の中分類品目の中でも、小分類「鉄道運賃」「一般バス代」「タクシー代」「航空運賃」「有料道路料」の中で、前年度割れを記録しているのは「航空運賃」のみ。他は全て横ばい、もしくはプラス成長です。

また同じく中分類品目「自動車等関係」中、小分類で前年度を割っているのは「自動車」のみですが・・・

【自動車消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車〔199〕
-0.2(0.1)

 軽乗用車〔40〕
 -0.3(0.3)

 小型乗用車A(国産車)〔55〕
 0.1(0.3)
 
 小型乗用車B(輸入車)〔5〕
 -9.7(-9.7)

 普通乗用車A(国産車)〔80〕
 0.1(0.3)

 普通乗用車B(輸入車)
 0.8(0.8)

と、こんな感じ。
小型輸入車が-9.7%と下げ幅が大きくなっていますが、これは12月も同様で、12月自動車全体としてはプラス成長していますので、1月特有の状況として、やはり軽自動車のマイナスが自動車の消費者物価に大きく影響しています。

ですが、それでも軽自動車と小型輸入車以外の消費者物価は上昇しています。
こうしてみると、なんとなく見えてきますね。どうも、2017年1月の消費者物価が上昇している理由は、「ガソリン価格」だけが理由ではないらしい・・・ということが。


「生鮮食品を含まない食料」に関しても同じような形で記事を作りたいのですが、何しろアイテム数が多く、「原価」と「利益」の分けて考えることがどうしても難しい分野ですので、詳細を記事にすることは差し控えたいと思います。

ただ、全ての項目の中で最もウェイト(重要度)が大きく、前年同月比も0.6%となっていますから、「生鮮食品を含まない食料」の物価上昇に対する貢献度は決して小さくはありません。

原料として生鮮食品を用いている加工食品もありますから、ここはもう少し生鮮食品の物価が落ち着くまで待って見てもよいかもしれませんね。


「教育・娯楽」の消費者物価

さて。もう一つ「ウェイト」の大きな分野で、且つ前年同月比をが大きな費目として、「教養・娯楽」が挙げられます。

【「教養・娯楽」消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
教養娯楽〔577〕
 0.9(0.5)

 教養娯楽用耐久財〔59〕
 -3.6(-4.9)

 教養娯楽用品〔210〕
 0.6(0.9)
 
 書籍・他の印刷物〔128〕
 0.2(0.1)

 教養娯楽サービス〔592〕
 1.6(1.1)

さて、いかがでしょう。
この分野でも、実際にマイナス要因となっているのは「教養娯楽用耐久財」の1項目のみ。
ここは、「テレビ」や「パソコン」などが含まれています。

というと、なぜ下落しているのか、私の記事をよく読んでいらっしゃる方には何となく想像がつきますね?
ここも後日改めて記事にします。

教養娯楽用品のウェイト210、書籍・他の印刷物の128と、どちらもその重要度としては決して小さくはありませんが、中でも特に大きなウェイトを示しているのが「教養娯楽サービス」の592というウェイト(重要度)。物価上昇率も1.6と中々の好成績です。

では、この「教養娯楽サービス」の中身を見てみますと・・・
【「教養娯楽サービス」消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
教養娯楽サービス〔592〕
 1.6(1.1)

 宿泊料〔113〕
 2.7(1.5)

 パック旅行費〔42〕
 6.7(6.7)

 月謝類〔103〕
 0.5(0.5)

 他の教養娯楽サービス〔334〕
 1.0(0.7)

一目瞭然ですね。「宿泊料(国内旅行)」と「パック旅行費(海外旅行)」の2項目が完全に「教養娯楽サービス」全体を引き上げる役割を果たしています。

「引き上げている」と表記しましたが、他の「月謝類」や「他の教養娯楽サービス」もきちんとプラス成長しています。
特に「他の教養娯楽サービス」は334とウェイトも大きく、物価上昇率も1.0%と大きくなっていますから、この小分類項目も消費者物価指数全体を引き上げる上で大きく貢献しています。

この項目の中で貢献度が大きいのは「入場・観覧・ゲーム代(ウェイト128、成長率2.6%)」です。
映画鑑賞、演劇観覧、サッカー・プロ野球観覧、ゴルフ練習・プレー料金、ボーリング、プール使用料、テーマパーク、カラオケなど、まさしく「娯楽」を象徴するものばかり。

不景気時にはいち早く切り捨てられる分野です。
この分野で「マイナス」を記録している品目は「ビデオソフトレンタル代」及び「獣医代」の2品目のみ。

つまり、「教養娯楽サービス」費目の内、「他の教養娯楽サービス」はそのほぼすべての品目に亘って「物価を上昇」させるために貢献している、ということになります。

教養娯楽用品に於いて「運動具類」と「玩具」がマイナスをつけてはいるものの、教養娯楽用品全体としては0.6%のプラス成長。
ここから見ても、ロイター報道に於ける「原油などエネルギー価格が前年との比較で急騰しており、指数を押し上げた」という表現が如何に的外れなものであるのか、ということが見えてきますね?

NHKでは、

『原油価格の上昇の影響でガソリンや灯油の価格が上がったことや、牛肉や米などの価格が上がったことなどによるものです』

とも報道していますが、そもそも牛肉は「生鮮食品」ですし、ここまで軒並み消費者物価が上昇している以上、これを「牛肉と米」だけの理由にすることもまた非常に偏った報道の在り方です。

消費者物価指数の優等生である「被服及び履物」も412というウェイトを誇る中で1.1%消費者物価が上昇していますし、ウェイト430の保健医療が0.5%の上昇、316の「教育」が1.5%、574の「諸雑費」が0.4の上昇。

マスコミが必死に取り上げている「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」の上昇率はたかが0.1%の上昇率にすぎません。

「生鮮食品を除く食料」も「持家の帰属家賃を除く住居」も「被服及び履物」も「保健医療」も「交通・通信」も「教育」も「教養娯楽」も「諸雑費」も、10大費目別消費者物価指数の内実に8項目に亘って「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」の物価上昇率を上回っているのです。

いい加減「消費者物価が下落している」かの様に情報を歪曲して報道する姿勢から卒業したらどうかと思うんですが、マスコミの皆さん。


次回記事では、それでもまだ下落している「消費者物価」についての記事を掲載したいと思います。



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<継承する記事>
第281回 持家に帰属する家賃と2017年(平成29年)1月消費者物価指数

前回までの記事で、今回の消費者物価指数のポイントとして、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」という項目が追加されたこと、その上で未だに「持家に帰属する家賃」が消費者物価指数に加えられたままであり、本当の意味で正確に「アベノミクスの影響」を測定できる状態には未だに至っていないということを掲載しました。

ただ、これらのポイントは飽くまでデータの掲載方法として私の意見や考え方を述べたもの。
では、実際に「2017年1月の消費者物価指数」はよかったのか悪かったのか。ポイントとしてどこを抑えておくべきなのかということを記事にしたいと思います。


2017年1月消費者物価指数総合及び10大費目別指数

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【2017年1月度消費者物価指数(総合)前年同月比】※( )内は12月の数字です
総合
0.4(0.3)

 生鮮食品を除く総合
 0.1(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く総合
 0.6(0.4)

 持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合
 0.2(-0.2)

 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合
 0.1(0.0)

ニュース記事のタイトルは

「全国消費者物価指数、1月は前年比0.1%上昇、1年1ヵ月ぶりプラス」

というタイトルでほとんどの報道局が今回の消費者物価指数について報道しています。
ですが、実際の「消費者物価指数」総合は見ていただければわかる通り前年同月比0.4で、これは10月より3か月連続のプラス成長となっています。

ですが、報道局は軒並み、「1月は前年比0.1%上昇、1年1ヵ月ぶりプラス」との報道内容。
これは、実は「消費者物価指数(総合)」ではなく、日銀が物価上昇率の目標として設定している「コアCPI」、つまり「生鮮食品を除く総合」の成長率の事を意味しています。

ですが、私の記事を読んでいただいている方には、この報道がまったく意味のない報道であることは簡単にご理解いただけると思います。その理由は、「コアCPI」には「エネルギー価格」が含まれているから。

日銀が「2%の物価上昇率」を目指しているのは、「物価に含まれる『原価』に相当する部分のみ」が上昇することなど目指してはいません。目指しているのは「原価」と共に「利益」に相当する部分が上昇することを目指しているのです。

「エネルギー価格」の内、特に「原油価格」は完全に海外の投機市場の影響を受けたものですから、この影響を受けて物価が上昇することなど望んではいないのです。

大切なのは、「生鮮食品『及びエネルギー』を除く」総合の消費者物価指数の動向。
これが前年同月比0.2%プラスで、実に3年4か月連続でプラス成長を果たしている、という事こそ本当に報道側が報じなければならない内容で、本来タイトルとすべき内容です。

総務省はそのために「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を新しく項目に加えたのですから。本当にいけてません。まあ、今更こんな報道をすると、日本全国に大激震が走りますからね。今までマスコミがでデタラメを報道し続けていたということが明るみに出るわけですから。

では、続いて「10大費目別消費者物価指数」を見てみます。


【10大費目別消費者物価指数】※( )内は12月の前年同月比です。
総合
 0.4(0.3)
 生鮮食品及びエネルギーを除く総合
 0.2(0.1)

食料
 1.8(2.5)
 生鮮食品を除く食料
 0.6(0.5)

住居
 -0.2(-0.2)
 持家の帰属家賃を除く住居
 0.3(0.2)

光熱・水道
 -3.4(-4.8)

家具・家事用品
 -0.1(-1.0)

被服及び履物
 1.1(0.6)

保健医療
 0.5(0.8)

交通・通信
 0.3(-0.7)

教育
 1.5(1.5)

教養娯楽
 0.9(0.5)

諸雑費
 0.4(0.3)

「食料」に関しては、生鮮食品が前年度費8.0%増と高騰を続けていますので、「食料」全体から生鮮食品をマイナスしますと、生鮮食品を含まない食料の前年同月比は半減しています。

ですが、それでも「0.6%」の上昇率を記録していますね。

「住居」に関しては、前回の記事 でもお伝えしました通り、「持家に帰属する家賃」という架空の消費者物価が「住居」全体の消費者物価のマイナス要因として働いていますので、これを除くと全体の0.2%ダウンから一気に0.3%のプラスへと転じます。

ここまでは前回までの記事で掲載しました通りです。


「光熱・水道」の見方

この項目に関しては、ロイター記事にて以下の様に記されています。

東京 3日 ロイター
総務省が3日発表した1月の全国消費者物価指数は、政府・日銀が指標として重視する生鮮食品を除いた指数(コアCPI)が前年比0.1%上昇し、1年1カ月ぶりのプラスとなった。原油などエネルギー価格が前年との比較で急騰しており、指数を押し上げた。

1月の原油価格が前年比でほぼ2倍の水準となったのを反映し、ガソリンが前年比11.2%上昇(12月は1.6%上昇)、灯油も19.7%上昇(12月は0.0%)したほか、電気代や都市ガス代のマイナス幅が縮小したことも寄与した。

ガソリン代は「光熱・水道」には含まれていませんが、他の項目に関しましては、以下の通りです。

【水道・光熱消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
光熱・水道〔745〕
 -3.4(-4.8)

 電気代〔356〕
 -5.6(-6.5)

 ガス代〔181 〕
 -7.4(-7.7)

 他の光熱(つまり「灯油」のこと)〔41〕
 19.7(0.0)

 上下水道料〔167〕
 0.5(0.5)

さて。いかがでしょう。
ロイター記事では、「生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)が0.1ポイント上昇した理由として、「原油価格上昇によりガソリンや灯油が上昇」し、「電気代や都市ガス代のマイナス幅が縮小したこと」を挙げています。

ですが、少なくともこの「水道・光熱費目」で見る限り、確かにマイナス幅は縮小こそしていますが、「水道・光熱」全体ではマイナス。コアCPIを引き下げる要因として働いていますね?

「水道代」がプラス上昇する中で「水道・光熱」全体がマイナス成長しているということは、少なくともこの「水道・光熱」で見る限り、コアCPIが0.1%プラス成長している理由は「エネルギー価格」以外にあるということです。

では、もう一つのエネルギー価格、「ガソリン」について検証してみましょう。


「交通・通信」の見方

【交通・通信消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
交通・通信〔1476〕
 0.3(-0.7)

 交通〔224〕
 -0.2(-0.3)

 自動車等関係費〔836〕
 2.5(0.4)

 通信〔416〕
 -3.8(-2.9)

こちらは、先ほどの「水道・光熱」とは少し違った様子が見えますね。

交通・通信全体の「ウェイト」は1476と大きな重要度を占める中で、この分野を構成する項目の内、「交通」と「通信」はマイナス成長。

その中で、唯一「自動車等関係費」が前年度比2.5%とプラス政党を果たしています。ウェイトも836と、中部類項目としては大きな重要度を占めています。

では、この「自動車等関係費」を深堀してみましょう。

【自動車等関係費消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車等関係費〔836〕
 2.5(0.4)

 自動車〔199〕
 -0.2(0.1)

 自転車〔9〕
 4.4(4.7)

 自動車等維持〔628〕
 3.4(0.4)

「ガソリン」が含まれるのはこの内「自動車等維持」の項目です。
【自動車等維持消費者物価指数】※〔 〕内はウェイト、( )内は12月の前年同月比です。
自動車等維持〔628〕
 3.4(0.4)

 ガソリン〔206〕
 11.2 (1.6)

 自動車タイヤ〔30〕
 0.7(1.1)

 自動車バッテリー〔8〕
 -0.8(0.1)

 カーナビゲーション〔21〕
 -3.0(-6.4)

 自動車整備費(定期点検)〔28〕
 0.6(0.7)

 自動車整備費(パンク修理)〔22〕
 0.3(0.3)

 自動車オイル交換料〔12〕
 0.8(0.8)

いかがでしょう。
「ガソリン」の消費者物価指数は、前年度比で見ますと、11.2%と確かに大幅に上昇しています。

この他、「灯油」とも合わせて、例えば記事内容が、

「原油などエネルギー価格が前年との比較で急騰しており、指数を押し上げた」

としているのなら、これは確かに適正かもしれません。ですが、ガソリン価格が前年度比で11.2%増を記録しているとはいえ、そのウェイトは206。これがウェイト365の電気代前年度比5.6%のマイナス、及びウェイト181のガス代前年度比7.4%のマイナスまで含めて吸収し、更に0.1%押し上げるまでの効果があったのかというと、実はそんなことはありません。

2017年1月の「エネルギー価格」は全体で前年度比-0.8%。
実は原油由来のエネルギー価格こそ前年度比で大幅に上昇したものの、エネルギー価格全体で見ると、その消費者物価指数は前年度比で0.8%のマイナス。消費者物価指数全体を引き下げる要因として働いているのです。

私が何を言いたいのか。

つまり、

『2017年1月の「生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)」は、エネルギー価格が全体で0.8%のマイナスを記録したにも関わららず、0.1%の物価上昇を記録した』

とするのが正しい記事の書き方なんです。つまりロイター記事は、ここに至ってまだ大嘘の記事を書いているという事。
この点に関して言えば、ロイター以外の記事は比較的正しい内容を掲載ています。

つまり、「原油精製品がコアCPIを押し上げた」と。

ただ、それでもきちんと考えるべきなのは、原油精製品がコアCPIを押し上げたのは事実としても、それ以上にエネルギー価格が全体でマイナス要因として働く中、「コアCPI」、もっと言えば「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は上昇している、ということなのです。

そしてそこには「持家に帰属する家賃」というマイナス要因が更に含まれているにも拘わらず。

次回記事に於いては、ではどうして2017年1月消費者物価指数は「上昇」に転じたのか。
このファクターを詳細に探っていきたいと思います。



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