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前回の記事におきまして、

「消費税」は、その税率から、消費税の課税対象となったものに限り、その年に消費されたものやサービスの消費金額を逆算することができます。

この金額を計算していて、少し興味深い事実が見えてきたので、このことは後日改めて記事にしてみたいと思います。

と、掲載いたしました。

今回の記事は、この記述に関するアンサー記事を作成する予定です。

ただ、分析を行う中で、過去の記事全体を通じて多くの修正を行うことが必要な私の認識の謝りがございましたので、まずはこの記事でこれを訂正し、随時過去の記事にさかのぼって訂正を記載していく予定です。


消費税課税対象となった消費の推移


消費税課税対象となった消費の推移

こちらが、「消費税課税対象となった消費」の推移。

これまで、私はこの「消費税課税対象となった消費」を安倍内閣誕生以後のものにしか関心を持っていませんでしたので、基本的に安倍内閣誕生以後の「消費」にしか触れてきませんでした。

ところが、SNSサイトで議論を繰り返す中で、ふと「安倍内閣誕生以前」の消費にも関心を持つきっかけがあり、その数字を出してみたのですが、結果はグラフにお示しした通り。

麻生内閣が崩壊したのが2009年の9月。この2009年の「消費」を底値として、2010年、2011年、2012年と継続して「消費」は伸びており、前年と比較して2010年は5兆、2011年は3兆、2012年は同じく3兆、消費が伸びています。

もちろん、これは「消費税の課税対象となった」消費に限定したものですから、「消費」全体を示しているものではありません。

ですが、それでも「消費」を測る指標としては、他のデータよりよほど参考になるデータだと思っています。


私の「思い込み」が原因となった「勘違い」

グラフをよく見ていただくとわかると思うのですが、グラフの中に、私が過去の記事。例えば、 第405回の記事 で掲載した内容と異なるデータが掲載されています。

安倍内閣が誕生した直後の2013年度の「消費」が217兆円、2014年度の「消費」が同じく217兆円、2015年度の「消費」が218兆円となっていますね?

ですが、第405回の記事 では2013年度の消費額が270.748兆円、2015年度の消費額が276.607兆円と掲載していました。

消費総額でもその額が大きく異なっているわけですが、これは、私の中に一つ大きな「思い込み」があったことが原因です。

例えば、消費税率8%の「消費税率」の中で、「一般会計税収」は6.3%、「地方消費税」は1.7%となっています。
5%の当時であれば4%が一般会計税収、1%が地方消費税です。3%の時は全額が一般会計税収でした。

私は財務省のホームページに掲載されている 租税及び印紙収入、収入額調 のページから毎月の政府の「一般会計税収」を見ています。

で、ここに「一般会計税収」の項目で掲載されている「消費税収」を、例えば2017年度のものであれば、税率を「6.3%」、2013年度以前のものであれば税率を「4%」であると考えて税収を逆算していました。

ですが、先ほど掲載したグラフを作成している折、明らかにいびつな数字が算出されてしまったことから、これが誤りなのではないか、と感じたのです。

ポイントとなったのは、1996年度から1998年度にかけての「消費」です。

増税年度である1997年や2014年は税率が増税前のものと増税後のものが混在していますので、あくまで私の推測によって尤もらしい数字を算出したもの。仮の数字です。

3%から5%に増税されたときの数字で考えると、比較するべきなのは増税前の1996年度と増税後の1998年度の数字です。

3%当時は全額一般会計税収ですから地方消費税のことを考える必要はないのですが、5%に上がったときに問題は生じました。

私は当然4%であると想定して計算したのですが、1996年の「消費」は202兆。1998年。5%に増税されたとき、仮に4%であると考えると、1998年度の消費は、なんと252兆円になるのです。

1997年7月のアジア通貨危機勃発を受け、1998年はただでさえ日本国全体は数多くの金融機関が倒産し、それまで2万人台であった自殺者数が一気に3万人台を超えるほどの「大不況」に見舞われました。

そんな年に消費が一気に50兆円も増えるということは、まず考えられません。それ以降、他のどの年度を見てもそこまで消費が増加した年はありません。このことから、税率を4%で考えるのは誤りだと直感したわけです。

そこで、改めて5%で計算しなおすと、その消費額は201兆円。増税前より1兆円少ない金額となっていました。

もちろん、これが本当に正解なのかどうかはまず財務省に確認をする必要があるのですが、まず間違いはないものと思われます。


「誤り」を受けて改めて考察すると・・・

同じ状況は当然安倍内閣における「増税」でも起きているわけで、つまり増税前後、2013年と2015年を比較して、消費が6兆円増えたとする私の説は誤っていたことになります。

ただし、それでも2015年度の「消費」は2013年度と比較して1兆円増えており、少なくとも「消費増税」の悪影響を2013年1年で吸収することができていたという私の主張に誤りはないと考えています。

その翌年、2016年度に3兆円消費が縮小し、増税前の消費よりも縮小していますが、それでもその翌年(2017年度)は4兆円消費が増え、再び2013年度の消費を上回ることとなりました。

民主党内閣時代、2010年~2012年の3年間、4兆円→3兆円→3兆円のペースで消費は増えています。

そして安倍内閣が誕生したのは2012年12月。この年から翌2013年度にかけて、消費は実に10兆円も増加しています。

ですが、消費増税が行われた2014年度以降、その上昇幅にブレーキがかかっていることは、確かに事実です。

では、消費増税が行われなければ、本当に消費はもっと増えていたのでしょうか。では、どの程度増えていたのでしょう?

そして、仮に消費増税が行われていなければ、2017年度の消費税収は、どこまで増えていたのでしょうか?

次回以降の記事では、今回掲載した「消費税課税対象となった消費の推移」のグラフを用いて、改めて「検証」を進めてみたいと覆います。



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「税収」を年間で具(つぶさ)に追いかけてきた私としては、いよいよ、待ちに待った、という感慨のひと時であったりします。

もちろん、この結果が悪ければ、それはそれで残念な結果ではあるのですが、少なくとも2017年度のデータとしては、決して「残念な」結果にはなっていないところがミソ。

最終月である5月度のデータとして、唯一残念に思っているのは、5月単月の「消費税収」が、前年同月比で「93.8%」と前年割れしてしまっていたこと。4月までの時点では累計で103.3%と「消費の好調さ」を示唆していただけに、最も多くの税収が期待できる5月度のデータが前年を大きく下回っていたことは、私としては残念な結果ではありました。

ただし、それはあくまでも「5月単月」のデータであり、通年で見れば101.7%。前年を1.7%上回る結果です。

一般会計税収全体でも、5月単月で前年比106.3%、通年で106.0%。予算ベースを2%上回る結果となりました。


2017(平成29)年度税収

2017年度税収

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【2018(平成30)年5年度税収】※(  )内は前年同月です。
所得税全体 5月分 0.0759兆(101.1%) 累計 18.881兆(107.2%)

 源泉分 5月分 0.0099兆(91.0%) 累計 15.627兆(107.9%)
 申告分 5月分 0.0659兆(102.9%) 累計 3.188兆(104.1%)

法人税 5月分 5.053兆(116.9%) 累計 11.995兆(116.1%)

消費税 5月分 2.793兆(93.8%) 累計 17.513兆(101.7%)

一般会計全体 5月分 8.388兆(106.3%) 累計 58.787兆(106.0%)

データとしては5月度のものを載せていますが、「累計」の部分が2017年度の通年の実績となっています。


いつもですと、ここから税収別に詳細を掲載していくのですが、今回は先に新聞の記事を引用してみます。

【朝日新聞ニュースより】2018年7月6日14時42分
税収、昨年度は58・8兆円 好況で過去3番目の高水準

 財務省は4日、2017年度の決算見通しを発表した。世界的な好景気で消費税、所得税、法人税の「基幹3税」が3年ぶりにそろって前年度を上回り、一般会計の税収は58兆7875億円と過去3番目に高い水準となった。与党から歳出拡大を求める声が高まりそうだ。

 税収が増えたのは2年ぶり。前年度から3・3兆円増え、バブル期直後の1991年度の59・8兆円以来26年ぶりの水準となった。

 増収を後押ししたのは、好調な世界経済を背景とした企業業績の回復だ。16年度まで2年連続で減少した法人税は16・1%増の12・0兆円と、当初の見込みは下回ったものの、基幹3税の中で最も伸びが大きかった。自動車などの輸出が好調だったことや、東京五輪を控えた建設需要の高まりなどが寄与した。

 企業の好業績は所得税の伸びにも影響。上場企業の株式の配当収入や売却益の増加により、7・2%増の18・9兆円となった。消費税も1・7%増えて17・5兆円となった。

 この結果、税収は当初の見込みより1兆754億円上ぶれ、予算の使い残しなどもあわせた最終的な「剰余金」は約9100億円となった。

 18年度の税収はさらに59・1兆円に伸びると見込んでいる。歳出の3分の1以上を借金に頼る構造は変わっていないが、税収増で財政規律は緩みかねない。来年の消費増税や参院選を控え、歳出拡大を求める声が一層強まる可能性がある。

税収が増えた理由として、記事では日本国内の事情ではなく、海外の好調な経済状況が理由だ、と掲載されています。

前年と比較して伸び率が最も大きいのは「法人税」。率だけでなく、額面分でも1.67兆円増となっています。
次に所得税収(源泉分)。105%の伸び率で、金額では1.14兆円増となっています。

一般会計税収全体では3.3兆円増。予算ベースでは1.1兆円の「上振れ」となっています。


所得税収の見方

「所得税収」の内、伸び率が大きいのは所得税収「源泉分」となっているわけですが、これは記事中では以下のように記されています。

企業の好業績は所得税の伸びにも影響。上場企業の株式の配当収入や売却益の増加により、7・2%増の18・9兆円となった。

引用は朝日新聞記事から行っているのですが、今回の記事に関してはわかりやすく、内容がきちんとまとまっていると思いますね。私は源泉分を単純に私たちが受け取っている「給与所得」のみからねん出されていると思っていたのですが、確かに株式等からの配当も源泉徴収されますね。勉強になります。


消費税収の見方

また一方で消費税に関しては、確かに海外に販売されるものに関しても一時的に課税されているわけですが、これは事後的に還付を受けることができます。

例えば、同じ2018年5月の「消費税収」でも、これを「2017年度」で見るか、「2018年度」で見るかで掲載のされ方が異なります。

2017年度分ですと、前記した通り消費税収は「2.793兆」、累計で「17.513兆」となるわけですが、2018年度で見ると次のように掲載されています。

消費税 5月分 △0.092兆(前年同月比なし) 累計 △0.156兆 (前年同月比なし)

これはおそらく前年度分から還付されたものだと考えられます。
還付には海外に輸出したものにかけられていた消費税額以外に、2つほどパターンがあります。マイナス経常されているのはその総額です。

前年度輸出したものにかけられていた消費税は翌2018年度に還付されていますので、この金額を見れば2017年に輸出されたものにかけられた消費税と、2016年度に輸出されたものにかけられた消費税を比較することができます。(もちろん完全にわかるわけではありませんし、100%輸出に対する還付ではありませんが)

ちなみに、前年度の5月時点での還付は次の通りです。
消費税 5月分 △ 0.116兆 累計△ 0.160兆

5月分、累計とも2016年度の金額の方が2017年度の金額より多くなっていますので、少なくとも5月までのデータからは、

 ・2016年度に納税された消費税額を2017年度に納税された消費税額の方が上回っている。
 ・2016年度に輸出されたものにかけられていた消費税額が、2017年度に輸出されたものにかけられていた消費税額を上回っている。
 ・2017年度に日本国内で消費されたものの方が、2016年度に日本国内で消費されたものの金額を上回っている。

つまり、単純に「内需」で考えた場合でも、2016年度の内需を2017年度の内需が上回っている、と推測することができます。

「消費税」は、その税率から、消費税の課税対象となったものに限り、その年に消費されたものやサービスの消費金額を逆算することができます。

この金額を計算していて、少し興味深い事実が見えてきたので、このことは後日改めて記事にしてみたいと思います。


2017年度税収評

2017年度は、一般会計予算だけでなく、12月には補正予算も組まれています。

その額は2.7兆円で、その財源の一部として1.184兆円の「公債金(国債)」が充てられることになっていました。

ですが、結果的に2017年度の税収は予算に比べて1.1兆円「上振れ」したうえ、赤字国債の発行額は2兆円減額。また、実際に係った経費と予算との差額が9100億円発生し、これは「使い道のない金額」として予算上中に浮いた形となってしまっています。

私がそもそも「税収」を継続して記事にしている理由は、

 1.税収から日本の景気を観測すること
 2.2014年度に行われた消費増税の影響が限定的であったことを証明すること。

主にこの2点を理由としています。

テーマはやっぱり「消費増税」なんですよね。

私だって消費増税を行わないという選択肢をずっと主張していた側ですから、現在消費増税に反対している人たちの気持ちがわからないわけではないのです。

ですが、反対しているからといって、消費増税を行ったことでアベノミクスが失敗に終わったかのような主張を行う人たちがいることもやっぱり許せないわけです。なので、これを否定するための情報を集めることがまずは第一の目的でした。

ですが、一方で私のブログの代名詞ともいえる「60年償還ルール」。ある議論の中で、これを否定しようとする人がいたこともまた私が税収の調査を継続している目的ともなっています。

第359回 60年償還ルールで財政が破綻しない理由 の中で、国債発行元年から60年経過すれば、「国債発行残高」の増加額は頭打ちとなり、後は各年度で発行される国債発行額の単純な違いが増減の根拠になることを記事にしました。

これをやっぱり否定したい人がいるのです。

60年経過しようが、このまま国債を発行し続ければ、いつか日本の財政は破綻する・・・ことにしたい人が。

その理由として、「今年度(2017年度)も補正予算が組まれており、その財源として国債が発行されることが決まっている」という主張を行っていましたが、実際には財源として国債が発行されなかったばかりか、発行額は2兆円分縮小され、さらに9100億円の「使い道のない税収」までが発生している有様です。

もちろん自分の予測した経済状況と異なる結果が発生することがあるのは仕方のないことです。ですが、だからといって詳細に分析することをせず、単なる思い込みや願望で誤った情報を配信しようとする連中がいることは、私としては本当に腹立たしく思っているわけです。

せめて私自身はそうならない様、分析と検証を繰り返し、どこが正しくて、どこが誤っていたのか、これをきちんと配信されるサイトを作成するよう努めていきたいと思います。


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「2018(平成30)年4月度」と記していますが、今回のデータは「2017年度(平成29年度)翌4月」のデータです。

政府の「会計年度」は毎年4月に始まり3月に終了します。

ですが、「税収」に関しては、典型的なものとして「消費税」の納付期限が、「翌々月」の納付までで構わないとされており、例えば3月の消費税収を「5月」に納付するところまで認められているわけです。

ですので、「税収」に関しましても、確かに政府の会計年度は「4月~3月」なのですが、3月分の最終納付月が5月となっているため、「税収」のデータは毎年「当年4月~翌5月まで」のデータが1年分のデータとして公表されています。

ただ、翌年度、今回でいえば2018年度(平成30年度)ももうスタートしていますので、同時に「2018年度4月」のデータも公表されています。

ですが、今回はあくまで2017年度(平成30年度)の統計を分析することを目的としていますので、本日記事にする資料は2017年度としての2018年4月の数字となっています。


2018(平成30)年4月度税収

2018年4月税収
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【2018(平成30)年4月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 4月分 2.702兆(101.8%) 累計 18.805兆(107.2%)

 源泉分 4月分 1.112兆(97.4%) 累計 15.617兆(107.9%)
 申告分 4月分 1.589兆(105.1%) 累計 3.188兆(104.2%)

法人税 4月分 0.452兆(110.0%) 累計 6.941兆(115.6%)

消費税 4月分 1.833兆(102.1%) 累計 14.720兆(103.3%)

一般会計全体 4月分 5.666兆(102.8%) 累計 50.399兆(105.9%)

これが2017年度4月の「税収」です。


所得税収の見方


4月のデータとしては、ずっと好調を保っていた所得税収「源泉分」にブレーキがかかっているのがネガティブな要素としてはありますが、それでも累計で見ると所得税収「源泉分」は前年同月比107.9%で、予算ベースが前年同月比で102.7%ですから、これを5.2%上回っていることがわかります。

一方で、3月が確定申告月にはなるのですが、この「申告分」としては4月に納められるものが最も多いようです。

そしてこの数字が4月単月で前年比105.1%、累計が104.2%。予算ベースでは前年比98.4%で組まれていますから、これを4.8%上回っていることがわかります。

所得税収全体では源泉分のブレーキが効いていて前年同月比101.8%とはなっているものの、累計では107.2%。予算が前年比101.9%で組まれていますので、所得税収は全体の累計実績で5.3%も上回っています。所得税収は4月がピークですので、この数字はほぼ確定したものと考えて間違いないでしょう。


法人税収の見方

一方、法人税収としては、4月単月で前年比110.0%、累計でも115.6%と明らかに好調を維持しているのですが、何しろ予算ベースが前年比120%となぜこんな数字で組んだのかわからないほど莫大な伸び率で予算組されていますので、予算ベースでは不調となっております。

ただし、税収としては4月の法人税収は4522億円となっており、法人税収全体の予算額12.391兆円であることを考えると、その影響は微々たるもの。法人税収のピークは5月ですから、5月の数字に期待してみたいところです。


消費税収の見方

消費税収としては、予算が99.5%と前年度割れで組まれている中、4月の実績としては金額で1.833兆円、前年度比で102.1%。累計で103.3%となっており、予算と比較しても前年比で2.8%のプラスとなっていますから、ここは「好調」というよりも「堅調」に推移しているといえます。

もちろん「消費税収」のピークも5月ですから、この時の伸び率に期待したいところです。


「消費増税」を批判する皆さんに向けて

来年度、2019年10月には、いよいよ消費税率が10%に引き上げられます。

では、この10%増税はやるべきなのか、やめるべきなのか。私としては、両方の考え方に一理あると思っています。

私が「消費増税を行うべきだ」とする最大の理由は、国民の「労働する意欲」を担保することにあります。

社会保障にしろ、時折話題となる「ベーシックインカム」にせよ、私は私たちが受けることのできる行政サービスは、あくまでも「労働の対価」として与えられるものであり、「働かずして行政サービスを受ける仕組み」は、長期的に見れば日本人から労働する意欲を奪い、外需に依存する国民性を作り上げてしまうのではないか、と危惧しています。

ただし、これはあくまでも現時点での「税収」が、日本の社会保障システムを根幹から揺るがしてしまうほどに枯渇しており、このままでは本当に社会保障システムを維持することが困難であるとする前提条件の下でのみ成り立つ理屈です。

例えば私は第401回の記事 及び第402回の記事 におきまして、私自身が厚労省年金課の担当者とお話させていただいた内容を下に、いかに厚労省職員が「年金」のシステムを理解せずに運用しているのかということを記事にしました。

はっきり言って、こんな理解度で年金課の職員に年金を運用してもらったのでは困るわけです。何より、国会議員に年金システムを「レク」し、国会で議論する元ネタを作るのは彼らなのですから。

こんな誤った理解度で「年金は崩壊寸前である」などといわれたのでは困るのです。

消費税を上げるなら上げるで、国会議員はもとより、官僚の皆さんがキチンと社会保障システムを、私のような人間に何か言われただけで返答に窮したりしないほどに理解した上で上げるのでなければ、はっきりいって国民を納得させることなどできません。


また一方で、「消費税を上げるべきではない」とする連中にも私はほどほどうんざりしています。

消費税を上げるべきではないとする連中の主張の柱となっているのは、「消費増税により、消費が低迷した」とする「デマ」があります。

【生鮮食品・エネルギー、消費増税の影響を除く消費者物価指数の前年同月比の推移】
CPI(生鮮食料・エネルギー除く)

こちらは、過去の記事で用いた資料です。グラフを見ていただくとわかると思いますが、「消費者物価指数」総合から、「生鮮食品・エネルギー・消費増税の影響」を取り除くと、増税年度である2014年度はすべての月で0%を上回っており、翌2015年度の消費者物価指数前年同月比は12月に1.3%を記録していて、ピークを記録しています。

増税年度に「消費が低迷した」と言われている最大の理由は、実は消費増税によるものではなく、海外の原油動向の影響をもろに受けた、「エネルギー物価の低迷」にあったのです。

これは、「税収」で見ても顕著で、増税が行われた2014年度。消費増税が行われていますから、当然消費税収は伸びる(10.829兆→16.028兆)わけですが、増加したのは消費税収だけではありません。唯一所得税収のうち「申告分」のみが99.7%と前年度割れしているのですが、所得税源泉分が「12.759兆→14.026兆(前年度比109.9%)」に、法人税収もまた「10.493兆→11.031兆(前年度比105.1%)」と、安倍内閣が誕生したばかりで、増税前の「駆け込み需要」があったはずの2013年度を大きく上回っているのです。

本当に消費増税が景気に悪影響を与えたのだとしたら、私たち一般国民が受け取るはずの給与所得が反映された「所得税収源泉分」が9.9%も増加したりするでしょうか?

「消費が低迷した」と言われますが、実際の消費税収の推移を見てみますと、

2013年度 10.829兆
2014年度 16.028兆
2015年度 17.426兆
2016年度 17.228兆
2017年度4月 14.720兆
(前年同月比103.3%から予測した2017年度消費税収17.796兆円)

となっています。
私のブログを熟知している方は、2014年度→2015年度の消費税収が大きく増えている理由をご存知だと思いますが、念のため説明しておきます。

「消費税」は、基本的に各企業とも「決算月」に納めるわけですが、仮に決算月が12月であった場合、1月~3月の売り上げには消費税が加算されていませんから、実際に増税分が含まれているのは4月~12月の9か月分のみ、翌1月~3月の増税分は翌年12月に納税されることになりますので、その差額が2015年度に増加していることになります。


2015年度の「消費」は増税年度の「消費」を上回っているのか?

「消費税収」とは、「消費されたもの」に対してかけられている税収ですから、逆算すれば日本国内で消費された物品やサービスの金額を算出することができます。

つまり、「消費税収の推移」を見れば、日本国内で実際に行われた「消費」が伸びたのか、それとも下落したのかということを測ることができるのです。

増税年度である2014年度は、納められた消費税の税率が一律ではありませんので、ここから消費税が含まれていない消費額を算出することは困難ですが、増税の前年度である2013年度の消費額と、翌2015年度の消費額を算出することはできます。

2013年度の一般会計における消費税収は10,829,294(百万)円です。

5%税率での消費税は、1%を地方税、4%を国税として充てることになっていますから、国税として納付されている10,829,294(百万)円の消費納税額は消費税全体の4%であることがわかります。

10,829,294(百万)円が税率4%分になるわけですから、これを4で割れば1%分の税収が算出されます。

 10,829,294(百万)円÷4=2,707,481(百万)円

2,707,481(百万)円は消費税を除く消費額全体の1%分に相当しますので、これを100倍すると、消費税を含まない消費額を算出することができます。

 2,707,481(百万)円×100=270,748,100(百万)円≒270.748兆円

同じ理屈で、2015年度の消費納税額は17,426,292(百万)円。
8%税率での国税分は6.3%になりますので、

 17,426,292(百万)円÷6.3=2,766,078(百万)円

これが消費全体の1%分になります。100倍します。

 2,766,078(百万)円×100=276,607,800(百万)円≒276.607兆円

となります。いかがでしょうか。安倍内閣誕生直後、駆け込み需要があったはずの2013年度の消費額が270.748兆円。
消費増税が行われた翌年。消費増税によって景気が低迷しているはずの2015年度の消費額が276.607兆円。

おかしいですね。消費が低迷しているはずの2015年度の方が、約6兆円消費が活発であったはずの2013年度の消費を上回っているのです。

2016年度に限って言えば、確かに前年度、2015年度の「消費」を下回っているわけですが、その翌年である2017年度。

あくまで私が個人的に計算した「見込み額」にすぎませんが、同じ計算式で消費額を算出すると2017年度の消費額は282.487兆円になります。

2016年度の低迷分が余分といえば余分ですが、2017年度の消費額は、2015年度の消費額を5.88兆円上回っていることになります。

増税前の2013年度と比較すると11.739兆円の消費増。

当時のGDPが507.246兆円ですから、2017年度と2013年度を比較すると、「消費税課税対象となる物品やサービス」のみの消費額で、なんとGDP全体の2.3%に相当する「消費」が増えていることになります。

消費増税の影響で、本当に消費は「低迷した」のでしょうか?

例えば、反増税はの急先鋒で、まるで自分の説がすべてを凌駕するかのように吹聴する高橋洋一は、ダイヤモンドオンラインにおいて、以下のような説を述べています。

【ダイヤモンドオンライン 5月31日より】
<前略>

前回の消費落ち込みは「増税効果」があったから

 骨太方針の原案には、「消費税率10%の引き上げを実施するとともに、税率引き上げによる需要変動の平準化に万全を期す」と書かれているようだ。

 経済財政諮問会議は、2014年4月からの消費税増税による景気の後退について、駆け込み需要が大きくその反動減と考えているのだろう。

 しかし、現実の消費の減少動向を見ると、単に駆け込み需要やその反動減では説明できない。実際は駆け込み需要があってその反動減以上に、消費は落ち込んだ。

 つまり、本当の「増税効果」があったと考えることができる。

駆け込み需要とその反動減では一定期間をならしてみれば消費減はなかったと暗に前提していることになるが、そうではなく本当の「増税効果」があったから消費が落ち込んだのだ。
<後略>

さて。本日の私の記事を読んだうえで、高橋洋一の記事を読んでみると、皆さんはどのように感じるでしょうか?

彼は

「経済財政諮問会議は、2014年4月からの消費税増税による景気の後退について、駆け込み需要が大きくその反動減と考えているのだろう」

と記しています。つまり、消費増税が行われた2014年から景気が後退した、と記しているのです。

ですが、2014年全体を通じてみますと、「消費税収」だけでなく、「所得税収」も「法人税収」も前年を大きく上回っています。

「生鮮食品」と「エネルギー」及び「消費税収の影響」を取り除くと「消費者物価指数」も増加し続けており、翌年12月には前年同月比1.3%というピークをつけています。増税年度は、駆け込み需要があったはずの2013年度を上回る物価上昇率を記録し、2015年度はその物価をさらに上回る「物価上昇率」を記録しているのです。

「消費」に絞って考えますと、税率が一律でない、増税年度である2014年度こそその算出は困難ですが、翌2015年度は、駆け込み需要があったはずの2013年度を6兆円上回る「消費額の増大」を記録しているのです。2017年度まで通算して考えますと、2013年度~2017年度の4年間で、毎年0.57%ずつ上昇している計算になります。

しかもその消費額は「消費税課税対象となる物品やサービス」のみの消費額であり、政府行政サービスを含む課税対象とならない「物品やサービス」はまた別に存在します。

さて。本当に高橋洋一氏のいうように、2014年4月以降、景気は後退したのでしょうか?
消費は減少したのでしょうか? しかもその減少幅は「単に駆け込み需要やその反動減では説明できない」ほどに落ち込んだのでしょうか?

違いますね。実際には増税年度も含め、しかも民間消費レベルで消費は拡大し、「雇用」の面からも「企業経営」の面からも、景気は成長し続けているのです。

唯一、2016年のみにその成長に陰りが見えていた、というのが「税収から見る安倍内閣日本の景気の真実」です。

2014年以降、景気が後退していたというのは高橋洋一らが吹聴している「デマ」だということです。そしてその「デマ」に、いわゆる「保守論客」と言われる面々までもが振り回されているわけです。

なぜでしょう? それは簡単なこと。彼らにとって、「消費増税」は悪であり、消費増税が行われれば、必ず日本の景気は悪くなってもらわなければ困るから。

そうでなければ、自分たちの論説そのものが崩壊してしまうからです。


まとめ

私自身、もともと「景気が回復していない状況における消費増税」には反対でした。

麻生内閣において、麻生さんは消費額を行うための目安として、「名目成長率3%、実質成長率2%、物価上昇率1%が、3年間継続し、国民が景気回復を実感すること」を挙げていました。

私としても、これが達成されていない状況で消費増税が行われたことには正直承服しかねる部分があったことも事実です。

ですが、だからと言って事実を捻じ曲げて消費増税に反対することの正当性を訴えることが、本当に正しいのでしょうか?

それでは「自民党だから」とか、「安倍内閣だから」とかいうただそれだけの単純な理由で自民党安倍内閣を批判し、日本国のためには全くならない理由をこじつけて批判し、国会を停滞させまくっている野党5党1会派と一体何が違うのでしょうか?

消費増税を行えば景気にブレーキをかけてしまう。それは決して間違った主張ではないと思います。

であれば、本当に消費増税反対派が行わなければならない主張は、「消費増税さえ行わなければ、安倍内閣における成長は今以上に顕著であったはずだ」と、こうなるのではないでしょうか?

安倍内閣におけるアベノミクスは決して間違いではないと私は考えています。

ですが、私と同じように主張する人たちが、消費増税が行われたというただそれだけの理由であたかも安倍内閣における経済政策が失敗であったかのように主張し、テーマから「消費増税」が外れるとアベノミクスを礼賛するそのダブルスタンダードな姿勢に、正直へきえきしています。

批判するなら批判するで、なぜ正確な情報を下に批判するという姿勢が取れないのでしょうか?

私には全く理解ができません。



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完全に一月分飛んでしまいましたが、改めてリスタート記事はこのテーマからスタートしていきたいと思います。


2018(平成30)年3月度税収

2月の情報が飛んでいますので、2月の情報も合わせて掲載します。

【2018(平成30)年2月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 2月分 0.777兆(110.0%) 累計 15.345兆(108.3%)

 源泉分 2月分 0.666兆(108.7%) 累計 14.148兆(109.0%)
 申告分 2月分 0.111兆(119.0%) 累計 1.197兆(100.9%)

法人税 2月分 1.226兆(122.3%) 累計 6.243兆(116.2%)

消費税 2月分 1.953兆(102.0%) 累計 12.009兆(103.3%)

一般会計全体 2月分 4.815兆(107.2%) 累計 41.820兆(106.5%)

【2018(平成30)年3月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 3月分 0.757兆(1050%) 累計 16.102兆(108.2%)

 源泉分 3月分 0.355兆(100.2%) 累計 14.504兆(108.8%)
 申告分 3月分 0.401兆(110.6%) 累計 1.598兆(103.2%)

法人税 3月分 0.245兆(112.4%) 累計 6.489兆(116.0%)

消費税 3月分 0.872兆(105.5%) 累計 12.887兆(103.5%)

一般会計全体 3月分 2.914兆(104.5%) 累計 44.737兆(106.3%)

これが、2月、3月それぞれの「税収」です。

3月は所得・法人・消費それぞれの税収が1兆円をしたまわる低水準の税収となっていますので、情報としてはあまり参考にしにくいものとなっていますが、それでも

所得税 105%
法人税 112.4%
消費税 105.5%

と、昨年を大きく上回る規模の税収となっており、その好調さがうかがえます。

ただ、3月度は三大税収の規模が大きくありませんので、結果的に三大税収以外の税収の影響を受けやすくなっていて、3月度は2月度の一般会計税収前年同月比107.2%から104.5%と上昇幅を縮小させており、累計の一般会計税収前年同月比を下回っていることから、累計も2月度の106.5%から106.3%へと前年同月比の規模を縮小させています。

ただし、それでも前年同月比106.3%です。予算ベースでの前年同月比が104.0%ですから、これを2.3%も上回っていることになります。

金額で考えますと、予算ベースでの3月末税収累計見込みが43兆7527億円。これに対して実績が44兆7379億円ですから、税収の実績が予算を9852.27億円「上振れ」していることになります。

ちなみにこの数字、「前年同月」と比較しますと、なんと2月末時点で2兆6680億円も税収が増加していることになるのです。

決算ベースで、予算が前年を2.3兆円上回る予定で組まれていますが、実績はその決算に対する累計をさらに0.3兆円、既に上回っている計算になります。

概算で、このままのペースが続くのであれば、今年度の税収総額は決算ベースで約59兆円となる計算になります。

安倍内閣が12月にスタートした2012年度の決算が約44兆円。
消費増税が行われる前年の2013年度の決算が約47兆円。
増税年度である2014年度の決算が約54兆円。

以降

2015年度 56.3兆
2016年度 55.47兆

と、2016年度に唯一前年度税収を下回ってこそいるわけですが、

2017年度税収は

 第二次安倍内閣スタート直後(民主党政権時代)より15兆円の税収増。
 実質的な第二次安倍内閣元年より12兆円の税収増。
 消費増税年度より5兆円の税収増。
 全ての月が増税後の情報へと切り替わった2015年度と比較して3.7兆円の税収増。

が見込みとして立っています。

よく、「増税しても税収は増えない」という人がいますが、きちんとした経済対策さえ実行すれば、消費増税による影響をここまで抑えることができることをこの結果は示しているといえます。

安倍内閣では、主に「所得」に対する経済対策を中心に行ってきましたので、その影響は「所得」、特に給与所得者の「所得」に最も翌表れています。

それでも他の税収に比べて伸び率が低いのが「消費税」。つまり、安倍内閣の政策で、あと一つ欠けている部分があるとすれば、「所得」を「消費」へと転化させるための政策。

2017年度は、1.2兆円の税収が「上振れ」する見込みです。上振れした果実を経済対策へと充てる政策を、麻生内閣当時のような「消費」を惹起するための政策へと向けることができれば、「消費税収」ももっと増加させることができるのではないでしょうか?

税収年度は当年4月~翌年5月までとなっています。残り2か月。特に「消費税」に関して言えば、その年の本当の「消費」状況を見ることができるのは、最終月である5月です。

残る2か月の情報を、今から楽しみにしています。



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中々記事が更新できずにおりますが。やはりこのシリーズには私にも思い入れがありますので、1月分も記事にしていきます。

私の記事のタイトルでは「2018(平成30)年1月度」としておりますが、財務省側は「平成29年度 30年1月」と表現しています。


2018(平成30)年1月度税収

平成30年1月度税収
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今回は先に12月度税収のデータを再掲するところから始めてみます。

【2017(平成29)年12月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 12月分 1.413兆(106.0%) 累計 11.597兆(104.8%)

 源泉分 12月分 1.372兆(106.5%) 累計 10.528兆(105.4%)
 申告分 12月分 0.041兆(91.7%) 累計 1.068兆(99.3%)

法人税 12月分 0.209兆(115.9%) 累計 4.772兆(114.5%)

消費税 12月分 1.008兆(103.8%) 累計 8.653兆(103.3%)

一般会計全体 12月分 3.538兆(105.4%) 累計 31.582兆(105.1%)

1月分のデータが、ここからどのように変化するのかをぜひご覧ください。

【2018(平成30)年1月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 1月分 2.970兆(124.4%) 累計 11.597兆(108.3%)

 源泉分 1月分 2.953兆(124.6%) 累計 13.482兆(109.0%)
 申告分 1月分 0.016兆(104.8%) 累計 1.085兆(99.4%)

法人税 1月分 0.244兆(119.3%) 累計 5.016兆(114.8%)

消費税 1月分 1.402兆(105.1%) 累計 10.055兆(103.5%)

一般会計全体 1月分 5.421兆(114.3%) 累計 37.006兆(106.4%)

いかがでしょうか。

前年同月比累計で見ると

 所得税全体104.8%→108.3%
  源泉分 105.4%→109.0%
  申告分 99.3%→99.4%

 法人税 114.5%→114.8%
 消費税 103.3%→103.5%

 一般会計全体 105.1%→106.4%

となっています。特に大きいのは「所得税収」のうち「源泉分」、つまり給与所得者の給与から差し引かれる税金の増収分で、1月が単月で前年同月比124.6%、この影響を受けて所得税収全体も単月で124.4%。金額で5833億円の「増収」となっていますね。

この影響は一般会計税収総額にも表れていて、単月の前年同月比がなんと114.3%。金額で6795億円の「増収」です。


上振れした「税収」の活用方法

予算ベースで比較しますと、2018年度の税収は予算ベースで前年同月比104%で組まれているわけですが、実績はこれを2.4%上回る106.4%となっています。つまり、税収に対して2.4%一般会計税収は「上振れ」していることになります。

金額に換算しますと、1月度累計で8347.44億円が税収の「上振れ」。

これがもし年度全体まで続くと考えると、2018年度の一般会計税収は57.712兆円が予算額となっていますので、1.317兆円が現在予測される税収の「上振れ」分となります。


【平成29年度補正予算と税収の「上振れ」分の活用方法】

平成29年度も、例年通り「補正予算」が組まれているわけですが、平成29年度の補正予算額は、総額で1.6548兆円となっています。

そして、このうち1.1848兆円が「建設国債」で歳入を賄うこととなっているわけですが、仮に2.4%という税収の「上振れ」がこのまま継続して計上されるとすると、その額は1.3兆円のうわぶれとなるわけですから・・・。

そう。わざわざ「国債発行」に頼らずとも補正予算分を賄えることになりますね?

そしてさらに補正予算も含めた「剰余金」が発生するとすれば、それはまた翌年度の歳入予算に組み入れることが可能になるのです。

毎度同じことを繰り返しお伝えしていますが、「所得税源泉分」は「従業員の給与の支給状況」を、「所得税申告分」及び「法人税」は「企業の実績」を、「消費税」は「国民の消費状況」を表しています。

いまだにアベノミクスが失敗しているようなことを平気で言う野党の方々もいらっしゃいますが、「税収」は「消費者物価指数」や「GDP」、「毎月勤労統計」などとは異なり、「実数」に基づいて算出された「実績」です。

その他のマクロデータはあくまで計算式を用いて算出した「参考資料」にすぎません。

その「実績」である税収の統計資料がここまでの「好実績」を示しているのに、いまだに「アベノミクスは失敗した」と言っている皆々様。そろそろ目を覚ましてはいかがでしょうか。



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消費者物価指数に続いて、税収に関しても2017年末、12月のデータが公表されましたので、改めて記事にしてみます。
11月データと同様、今年度の日本国経済の「好調っぷり」をうかがわせるデータとなっています。


2017(平成29)年12月度税収

201712税収
PDFダウンロードはこちら

【2017(平成29)年10月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 12月分 1.413兆(106.0%) 累計 11.597兆(104.8%)

 源泉分 12月分 1.372兆(106.5%) 累計 10.528兆(105.4%)
 申告分 12月分 0.041兆(91.7%) 累計 1.068兆(99.3%)

法人税 12月分 0.209兆(115.9%) 累計 4.772兆(114.5%)

消費税 12月分 1.008兆(103.8%) 累計 8.653兆(103.3%)

一般会計全体 12月分 3.538兆(105.4%) 累計 31.582兆(105.1%)

今回も比較データとして、11月分のデータを掲載してみます。

【2017(平成29)年11月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 11月分 1.363兆(103.4%) 累計 10.183兆(104.6%)

 源泉分 11月分 0.859兆(104.9%) 累計 9.156兆(105.2%)
 申告分 11月分 0.503兆(100.9%) 累計 1.027兆(99.6%)

法人税 11月分 3.457兆(104.7%) 累計 4.562兆(114.5%)

消費税 11月分 1.891兆(107%) 累計 7.649兆(103.3%)

一般会計全体 11月分 7.595兆(105.3%) 累計 28.050兆(105.1%)


【法人税評】

税収としては11月が3.457兆、12月が0.209兆ですから、年間を通じてやはり11月に法人税の納付を行う企業は多い、ということなのでしょうね。

で、その法人税収なのですが、たかが2090憶・・・とは言いながらも、前年同月比で単月が115.9%、11月までの累計を上回っていますので、累計での前年同月比を引き上げる方向に働いています。

もちろん、予算ベースではなぜか前年同月比120%という膨大な数字が見込まれていますので、これと比較するとさすがに厳しいですが、それでも前年と比較して累計での114.5%という数字は企業の景況感の好調ぶりを示す指標となっているのではないでしょうか。


【所得税評】

所得税に関しては、「申告分」、つまり主に企業が納付する所得税の額が単月で前年同月比91.7%と弱腰に見えますが、それでもその額は410億円。11月の5030億円と比較しても納税額としては少額になっています。

ですので、全体への影響力としては低く、それよりも従業員に対する給与から支払われる所得税、『源泉分』が好調っぷりを示しています。
所得税全体 12月分 1.413兆(106.0%) 累計 11.597兆(104.8%)

 源泉分 12月分 1.372兆(106.5%) 累計 10.528兆(105.4%)
 申告分 12月分 0.041兆(91.7%) 累計 1.068兆(99.3%)

単月での納税額としても1.372兆と大きな数字となっており、その額が前年同月比で106.5%。累計でも105.4%となっています。

法人税収は累計を引き上げる方向に働いている、といっても少額でしたが、この源泉分の所得税収は1兆円超え。その上で11月分累計を上回っていますので、引き上げる影響力も大きなものとなっています。(0.2%上昇させる影響力)

つまり、これは給与所得者が受け取る給与の総額が前年度を上回っているということ。予算ベースが全体で102.7%の予想になっていますから、これを3%近くも上回っています。

所得税に関しては源泉分の影響が総額にも反映されており、12月分の前年同月比が106%、累計で104.8%、予算ベースを3%近く上回る数字となっています。


【消費税評】

消費税収に関しては11月が107%という数字を示していますので、これと比較すると弱く見えますが、それでも12月の消費税収は前年同月比で103.8%。

金額も同様で11月は1.89兆と2兆円近い数字でしたが、12月も1兆円をオーバーしていますから、その影響力も決して低いものではありません。

予算ベースが前年度比で99.5兆円ですから、この12月の段階にきて累計で103.3%という数字は、平成29年度の消費状況が好調であることを示しているといえるのではないでしょうか?

消費税収が「前年度の消費状況を反映したものである」ということは事実ですが、そろそろ決算月を迎えた企業も増えているでしょうし、前年度だけでなく、今年度の実績を反映した納税も増えてきているのではないかと推測することができます。


【一般会計税収評】

これは、シリーズ日本の税収の見方 を通じて述べていることですが、「税収」の特徴は、他のマクロ指標(GDP、消費者物価指数、賃金指数など)と比較して、国民が実際に支払っている額から計算されている分、より実数に近い結果が算出されます。

三大税収のうち、「所得税」の「源泉分」は従業員の「給与」から徴収されるものですから、所得税源泉分を見れば、日本国民全体が受け取っている「給与」の状況を見ることができます。

また「所得税」の「申告分」は個人事業主の所得が、「法人税」は法人の収益がそれぞれ反映されるものですから、所得税申告分や法人税の納税状況を見れば法人・個人を含めた企業業績がわかります。

消費税は国民や企業が「消費」した金額に対してかけられるものですから、「消費税」を見れば国民や企業の消費状況を、「消費者物価指数」を見るよりもより正確に推測することができます。

問題なのはそこにはタイムラグが発生するため、より正確な情報を把握できるようになるまでに時間がかかることにあります。

ただ、それでも1年は12か月。決算月などを中心に、12月を過ぎたあたりからその数値もより実態に近い状態が反映されることになります。

12月の数字では、唯一「所得税申告分」が累計でも前年割れとなっていますが、それ以外では

 所得税源泉分(国民の給与)=累計前年同月比 105.4%
 法人税(法人の業績)=累計前年同月比 114.5%
 消費税(国民の消費状況)=累計前年同月比 103.3%

となっており、2017年度、平成29年度の「税収から見る日本の景況感」がより好調であることがわかります。

今年度は、取り分けて税収に大きな影響を与えるようなイベントはありませんでしたので、増税翌年度の消費税収見込み のような大どんでん返しがあるとはまず考えられません。

一般会計税収全体では前年同月比が12月単月で105.4%、累計で105.3%となっています。

予算ベースを1.3%上回る状況ですが、このままのペースで行くと一般会計予算57.712兆円を前年同月でさらに1.3兆上回るとすると、予算をさらに7214億円「上振れ」する結果になりますね。

「捕らぬ狸の皮算用」ではありますが、今年度の税収が一体どこまで行くのか。今から楽しみですね。



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毎月作成しているこのシリーズですが、11月分のデータとしては中々熱い状況になりました。


2017(平成29)年11月度税収

2017年11月税収
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【2017(平成29)年11月度税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 11月分 1.363兆(103.4%) 累計 10.183兆(104.6%)

 源泉分 11月分 0.859兆(104.9%) 累計 9.156兆(105.2%)
 申告分 11月分 0.503兆(100.9%) 累計 1.027兆(99.6%)

法人税 11月分 3.457兆(104.7%) 累計 4.562兆(114.5%)

消費税 11月分 1.891兆(107%) 累計 7.649兆(103.3%)

一般会計全体 11月分 7.595兆(105.3%) 累計 28.050兆(105.1%)

今回は比較するため、10月のデータも掲載してみます。

【2017(平成29)年度10月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 10月分 0.92兆(98.9%) 累計 8.82兆(104.8%)

 源泉分 10月分 0.91兆(99.0%) 累計 8.29兆(105.2%)
 申告分 10月分 0.018兆(92.0%) 累計 0.52兆(98.5%)

法人税 10月分 0.41兆(113.5%) 累計 1.105兆(162.0%)

消費税 10月分 1.419兆(106.7%) 累計 5.75兆(102.0%)

一般会計全体 10月分 3.63兆(103.2%) 累計 20.44兆(105.0%)



【法人税評】

今月のデータの特徴は、法人税だけでなく、所得税の「申告分」に関しても同様の事が言えると思うのですが、計上されている金額が一桁増えていますね。

法人税であれば0.41兆円→3.457兆円、所得税申告分であれば0.018兆円→0.503兆円という感じです。

法人税であれば「法人税の申告期限は「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」」が申告期限となっていますから、要は9月に事業年度が終了した企業だということでしょうか?

法人税も申告税も、共に企業が納税するものですからね。このあたりはどういう事情なのか、再度調べてみる必要がありそうです。


さて、です。法人税は月単位0.41兆円からいっきに3.457兆円に増加し、累計も1.105兆から4.562兆と4倍近い数字になりました。

その代わり、累計の「前年同月比」は162.0%から114.5%と一気に減少しました。ただし、そもそも法人税累計の前年同月比が前年を大きく上回っていたのは、8月分の税収に関する記事でも触れました様に、「7月分までのマイナス幅が前年度より少なかったから」というネガティブな理由です。

そして同じ記事で「8月単月での納税額が前年度比で169%オーバー」であったことを理由に、「8月決算の企業が10月に納税するはずの税収に関してもある程度期待ができるのではないでしょうか」とも記しました。

8月は決算月だと考えられるため、決算月を迎えた企業が、その8月早々に納税した額が169%オーバーであったため、その2か月後、遅れて納税する企業の数字に期待ができるのではないか、という趣旨です。

残念ながら10月ではその結果は出てこなかったわけですが、前年比104.7%と、1月後れではありますが、11月分にその結果が表れています。

単月の納税額が多く、累計で4倍近い数字になった状況で、かつ累計の前年同月比は114.5%という数字を維持しています。

ただし、予算ベースでは120.0%となっていますから、予算ベースで考えるともう少し頑張ってほしいところ、というところでしょうか。
とはいえ、予算ベースは120%ですからね。少なくとも114%と実績も近い数字が出ているということは、何らかの根拠のある数字なんでしょうね。


【所得税評】

所得税の数字も中々期待できる数字が出てきています。

以前にもお伝えしていますように、「所得税」の内「源泉徴収税」は毎月翌10日までに納税する必要のあるものですから、その年の景気状況が、よりタイムリーに反映されやすい税項目となっています。

また、「申告分」に関しましても先ほどお伝えしたように、11月は10月と比較しても、その納税額が0.018兆円→0.503兆円と約4倍~5倍に相当する額になっており、今年度の実情をより反映しやすい納税額となっています。(納税額が少額である月と比べると偶然性が低くなる)

源泉分が前年同月比単月で104.9%、累計で105.2%。申告分 11月分が単月で100.9%、累計で99.6%となっています。
所得税全体では単月で前年同月比103.4%、累計で104.6%という状況です。

申告分はまだ伸び率が0.9%とそれほど高いわけではなく、累計でもまだ前年割れしている状況ですが、トータルでは4.6%オーバーとなっています。予算と比較しても2.5%オーバーしている状況で、全体を引き上げる方向に作用しています。

このまま頑張ってほしいですね。


【消費税評】

「消費納税」もまた好調です。

金額的には10月が1.419兆円、11月が1.891兆円ですから、確かに増加してこそいるもの、それぞれの月の消費税収全体への影響はそれほど差はないと思われます。

この状況の中で、10月単月の前年同月比は106.7%だったわけですが、11月度はこれが107%。わずか0.3%とはいえ、ただでさえ好調であった10月の消費税収前年同月比を更に上回る状況となっています。

累計としては9月に初めて前年同月比が+に転じたわけですが、その後10月が102%、11月が103.3%と、順調に「前年同月比」をクリアしています。

「消費税収」もまた「申告月より2か月以内」に納税する必要のある税であり、前年度の納税額によって納税しなければならない回数も①毎月、②年4回、③年2回、④年1回の4パターンに分かれています。

8月決算のお話を何度かしていますが、11月納税分にもこの①~④すべてのパターンで8月決算を迎えた企業の納税額が含まれていると考えられるわけですが、同時にまだ決算を迎えていない企業の場合は、「前年度の納税額」を参考に納税が行われています。

つまり、今年度の納税額を見れば、昨年度の消費納税状況が推測できる、ということです。「消費税」とは「消費されたものにかかる税」ですから、消費納税の状況を見ると、更に「消費状況」まで見えてきます。

これを考慮に入れますと、11月分の前年同月比107%という数字が、どんな意味を持つ数字なのか、ということが想像できるのではないでしょうか。

ちなみに

【2017年度消費税収の推移】
4月 △0.043兆
5月 △0.116兆 累計 △0.160兆
6月 △0.193兆 累計 △0.354兆
7月 1.752兆 前年同月比 105.2% 累計 1.397兆 前年同月比 95.7%
8月 1.784兆 前年同月比 105.4% 累計 3.181兆 前年同月比 98.9%
9月 1.149兆 前年同月比 101.6% 累計 4.330兆 前年同月比 100.5%
10月 1.419兆 前年同月比  106.7% 累計 5.750兆 前年同月比 102.0%
11月 1.891兆 前年同月比  107.0% 累計 7.649兆 前年同月比 103.3%

このように消費税収の推移を月別で追いかけてみますと、さらに「前年度の消費状況」が見えてきますね。

納税額がプラスに転じた7月から、「前年同月比」ベースでは9月にやや鈍るもの、他の月はすべて105%を上回る納税状況。そして「累計」で見ると毎月、月が進む度にその割合が増加している様子も見えますね。

政府・日銀が目指す物価上昇率は「2%」を目指していますが、「消費税納税額」から見る限り今年度の物価上昇率は、少なくともこれを上回っているのではないか、と推察されます。


【一般会計税収評】

3大税収としてはとても好納税額を納めているわけですが、一般会計税収全体としても、単月で105.3%、累計で105.1%とその好調な3大税収の納税状況を反映した結果が刻まれています。

10月と比較して累計では0.1%とわずかな増加幅の上昇ですが、ですが、単月で見ると103.2%→105.3%と1.1%も前年同月比が増加しています。

「法人税」や「所得税」のところで述べましたが、11月は企業からの納税額が大幅に増加しています。

この状況の中での好調っぷり。もちろんそれだけではなく、従業員の給与の増減を表す「所得税源泉分」そして、昨年の状況が反映されている、とは言え、日本国民の「消費状況」を表す「消費税」が共に増加していること。

「国民の消費」に関してはもう少し待つ必要がありますが、その「消費」に加えて「企業業績」「賃金」がそろって上昇している様子がわかるのが今回。2017年11月の「納税状況」です。

来月はいよいよ年間のピーク月でもある「12月」のデータが上がってきます。

もちろん法人税や消費税の納税期限は「納税月の翌日から2か月以内」となっており、その実態が正確に反映されるまでには後3か月ほど待つ必要はありますが、今年度の「企業業績」「賃金状況」「消費状況」、特にこれまで昨年の納税状況がより反映されていた「消費税」に対して今年度の納税状況がより多く反映されるようになります。

12月のデータを見るのが今から楽しみです。



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先月の記事 と同じ振りにはなりますが、本日(2017年12月1日)には同時に消費者物価指数についてもデータが更新されていますので、後ほどこちらの情報も記事にしたいと思います。


2017(平成29)年度10月分税収

201710月税収
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【2017(平成29)年度8月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 10月分 0.92兆(98.9%) 累計 8.82兆(104.8%)

 源泉分 10月分 0.91兆(99.0%) 累計 8.29兆(105.2%)
 申告分 10月分 0.018兆(92.0%) 累計 0.52兆(98.5%)

法人税 10月分 0.41兆(113.5%) 累計 1.105兆(162.0%)

消費税 10月分 1.419兆(106.7%) 累計 5.75兆(102.0%)

一般会計全体 10月分 3.63兆(103.2%) 累計 20.44兆(105.0%)



【法人税評】

先月の記事で、8月決算を迎えた法人の法人税について、

「8月決算の企業もあるかと思いますが、その数字は来月に出てくるのではないかと考えられます」

という情報を掲載しました。9月分が1882億円であったわけですが、10月分は4,186億円となっています。前年同月比でも113.5%となっており、法人税の好調ぶりがうかがえます。

平成29年度(2017年度)の法人税納税額は予算ベースで昨対120%となっているわけですが、現時点での累計は前年同月比で162%。

進捗は6.6%で、まだまだ法人税納予算額のほんの一部にすぎませんが、やはり期待させてくれる数字ですね。


【所得税評】

こちらは・・・少し残念な感じですね。

7月の記事 で所得税の内、特に「源泉徴収分」が好調であることを引き合いに、「2017年度の景気の好調ぶりを示している」と記したわけですが、9月の昨対100.7%に引き続き、10月分の99.0%と、8月分で持ち上げた割には、9月、10月と源泉徴収分は低迷が続いています。

厚労省の毎月勤労統計でボーナスの影響を見てみたのですが、少なくとも「従業員5名以上の事務所」のデータを見る限り、ボーナスは基本7月に支払われているのですが、7月の一人当たりボーナスは前年度割れ。これが前年給与所得の前年割れの原因となっていました。

ただ、「所定内給与(ボーナス以外)」は前年度をオーバーしており、また8月は前年給与所得全体が前年度をオーバーしていますので、

 「ボーナスで一括して支払われるのではなく、所定内給与に上乗せされる傾向」

が見られるのではないでしょうか。しかしこのことが10月の所得税源泉徴収分にどう影響したのか、というところまではわかりません。

とはいえ、累計では源泉徴収分が105.2%、所得税全体が104.8%と好調を維持していますから、来月以降の実績に期待したいところです。


【消費税評】

先月に引き続き、ここは一つのポイントとなっています。

毎度お伝えしていますように、消費税は昨年度の消費納税額に合わせて、

 「毎月」「3か月に一度」「半年に一度」「年に1回」

の4パターンに分けられており、今年度の実績は今年度が終了するまでわからないわけですから、分納する際の納税額は「昨年度の納税額」を参考に決められています。

つまり、今年度の納税状況を見れば、昨年度の「消費」が本当に不調であったのか、それとも好調であったのかということを知る一つの指標になるわけです。

また、先月の記事 では、

来月は10月。これまでは納税ペースが毎月、または3か月に1度の企業が納税していたわけですが、10月には半年に一度の企業、そして決算月を8月に迎えた企業が納税を行います。

つまり、いよいよ昨年度ではなく、今年度の消費状況を反映した納税が行われるわけです

と記しました。

そう。今月の消費納税額の実績には、納税回数が「半年に一度の企業」が登場するほか、「決算月を8月に迎えた企業」もまた納税しているわけです。

「消費税の納税期限」は「事業年度終了の日の翌月から2か月以内」となっていますから、多くの企業が8月の実績を下に10月に納税することがその理由です。

そしてその実績が「前年同月比『106.7%』」であり、累計ではついに「前年同月比102.0%」と前年を2%上回る実績を示してきました。

昨年度の実績と今年度の実績が混在している状況ではありますが、この時点で「昨年度の消費は一昨年の実績を2%上回っていたのではないか」との推測が成り立ちます。

もちろん単純に「そうだ」と決められる情報ではありませんが、安倍内閣の目指す「2%の物価上昇」が、実は達成されつつあったのではないか・・・との推測が成り立つわけです。

「消費者物価指数」と一概に申しますが、「物価」で考える場合、少なくとも安倍内閣が目指す物価上昇は、「単体の物価がいくら上昇したのか」ということではなく、「消費総額全体で前年度を何%上回ったのか」。これを示しているはずです。

政府の示すマクロデータの多くは、サンプル指標のバイアスや、サンプル指標からマクロデータを導く際の計算式上のバイアスが含まれており、そのデータを何の疑いもなく「真実だ」とみるには難があります。

ですが、この「税収」という項目は、確かに正確に納税が行われたのかどうか、という個人レベル、企業レベルでの「行動」が原因となって起きるバイアスこそ発生しますが、それを織り込んで尚、人為的に決められたサンプル指標から人為的に計算式によって導かれた「GDP」や「CPI」などのマクロデータと比較すれば、よほど信頼に足るデータだと私は考えています。

次のポイントとなるのが12月分の実績が統計化される2月(12月に決算月を迎える企業もありますので)。

つまり今後11月~1月のデータは、昨年の「消費」を図る指標としてはまだ有効だということ。

来月以降のデータも楽しみにしながら、かつこれからは「今年度」の実績を図るデータとしてもこの「消費納税額」を活用したいと思います。


【一般会計税収評】

さて。一般会計税収全体では、10月の納税額は前年同月比103.2%。累計で105.0%となっています。

8月の111%、そして9月の103.7%と比較しますと、ややペースこそ落ちたもの、未だ前年同月比103.2%と好調を維持しています。

一般会計税収累計の予算が104%ですから、予算ベースを1%上回る実績。

「税収の上振れ」で考えますと、その金額は1947億円。9月の上振れが2233億円ですので、金額は減少していますが、これを「景気対策」のための財源として活用できることを考えると、ぜひ増加てほしいものです。

そのためにも「所得税」を筆頭とする3大税収には頑張ってもらいものですね。



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考えれば1か月も早いですね。月初恒例の「月別税収」が公表されました。今月は9月分の税収です。昨日(10月31日)は同じく9月分の消費者物価指数も公表されていますので、こちらも後ほど記事にしたいと思います。


2017(平成29)年度9月分税収

2017年9月分税収
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【2017(平成29)年度8月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 9月分 0.95兆(100.7%) 累計 7.89兆(106.0%)

 源泉分 9月分 0.93兆(100.9%) 累計 7.38兆(106.0%)
 申告分 9月分 0.017兆(88.7%) 累計 0.50兆(98.8%)

法人税 9月分 0.188兆(105.1%) 累計 0.696兆(218.9%)

消費税 9月分 1,149兆(105.4%) 累計 4.33兆(100.5%)

一般会計全体 9月分 3.18兆(103.7%) 累計 16.81兆(105.4%)

先月の数字 では桁が間違っていたものが一部あったようなので、後ほど訂正しておきます。


【法人税評】

先月もお伝えしましたが、法人税の申告期限は「事業年度終了の日の翌月から2か月以内」となっています。

ですので、今月の法人税は本年度7月に収められたものが大部分だと考えられます。8月決算の企業もあるかと思いますが、その数字は来月に出てくるのではないかと考えられます。

ただ、その「進捗状況」。つまり、法人税の納税状況が本年度予算に対してどの程度のペースで進んでいるのか、ということを見てみますと、昨年度の10月時点での進捗状況が5.6%。今年度は9月の時点で5.5%の進捗状況となっていますので、法人税収はなかなかのペースで回収されているということがわかります。

前年同月で見ても、8月の169%・・・とまではいきませんでしたが、それでも昨対105%。累計でもいまだ218%を記録しており、その好調さがうかがえます。


【所得税評】

8月はこの数字が「本丸」であるとして記事を作成しましたが、今月は少しおとなしめ。源泉分が昨対100.9%、申告分が88.7%となっています。

「申告分」の納税期限は3月15日、予定納税が行われるのは8月1日、11月30日の2回ですから、今回昨対割れをしていることはあまり意識する必要はないと思われます。

源泉分も、大人締め、とは言え9月単独で昨対100.9%。累計でも106%を維持していますので、いまだにその好調っぷりが衰えたわけではありません。

できれば・・・このまま維持してほしいですね。

所得税全体でも9月分が100.7%、累計は105.5%。予算ベースを3.6%上回る状況が続いています。


【消費税評】

今月の本命はここですね。

7月 も同様にここをポイントとして提示いたしました。

毎月繰り返しにはなりますが、「消費納税額」は「昨年度の納税状況」を参考として納税されています。

ですから、今年度の消費納税額を参考にすると、昨年度の消費納税額を推察することができるわけです。

そして、その納税額が9月もまた単月で105.4%。昨年度の納税額を参考にしているわけですから、略一律となるのは当然と言えば当然ですが、その納税額ががいよいよ累計でも昨年度をオーバーしてきました。

6月までは前年度への還付が行われていたため、消費納税額がマイナス計上されていたことが先月までの累計額が昨年度を下回っていた理由ですが、その累計額がいよいよ昨年度を上回ってきたわけです。

来月は10月。これまでは納税ペースが毎月、または3か月に1度の企業が納税していたわけですが、10月には半年に一度の企業、そして決算月を8月に迎えた企業が納税を行います。

つまり、いよいよ昨年度ではなく、今年度の消費状況を反映した納税が行われるわけですが、9月までの好調っぷりが維持されるのか、今からハラハラドキドキしますね。


【一般会計税収評】

一般会計税収全体としましては、8月の単月で111%という納税状況から比較すれば見劣りはするものの、9月の前年同月比は103.7%と前年度を3.7%オーバー。累計でも105.4%で、予算を1.4%上回る状況が続いています。

10月にはいよいよ8月決算を迎える企業の納税状況が反映される結果が登場します。

税収は日本の景気のバロメーター。

ぜひ良い結果であってほしいものですね。



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記事としては、カテゴリー「税収の見方」 の一記事であり、先月掲載した 2017年7月分税収記事 を引き継ぐものとなっているわけですが、何しろ今月(2017年10月)は衆議院解散総選挙の月となっております。

ですので、今回の記事は「アベノミクスの成果」を掲載する意味合いも含まれており、

 第361回 2016年版民間給与統計(国税庁Ver.)が公表されました

の内容も引き継ぐ記事としたいと思います。

第361回の記事 では、厚労省データと比較してより詳細な民間給与所得情報である2016年(暦年)の「国税庁データ」が先月9月に公表されたことを受け、「給与所得者数」「一人当たり平均年間給与」「給与所得者総合の年間給与総額」の3つの面から「アベノミクスの成果」としての民間給与所得情報を解析してみました。

今回はその後。2017年度に入ってからの給与所得状況を「税収」の側面から解析してみたいと思います。
また、併せてその他の「税収」に関連した情報も掲載いたします。


2017(平成29)年度8月分税収

2017年8月税収
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【2017(平成29)年度8月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 8月分 1.32兆(112.3%) 累計 6.93兆(106.2%)

 源泉分 8月分 1.29兆(112.5%) 累計 6.45兆(106.8%)
 申告分 8月分 0.02兆(103.3%) 累計 0.48兆(99.2%)

法人税 8月分 0.63兆(169.4%) 累計 0.49兆(370.3%)

消費税 8月分 1,78兆(101.6%) 累計 3.18兆(98.9%)

一般会計全体 8月分 4.56兆(111.0%) 累計 13.62兆(105.8%)


【法人税評】

おさらいですが、法人税の申告期限は「事業年度終了の日の翌月から2か月以内」となっています。

今回掲載しているのは8月の税収ですので、仮に8月決算の企業があったとしても、その申告は10月に行われるものが多くなると推察されます。

その上で、8月の法人税収を見てみると、8月単月での税収が6300億円。累計で4900億円となっています。

単月の数字よりも累計の方が少なくなっているのは、7月までの数字がマイナスだったから。つまり納付される額よりも還付される額の方が多かったから、ということになります。

納税する側の気持ちから考えると、決算状況が苦しければ、税金の支払いは先に延ばして、その額で他の支払いに回そうとする心理が働くのではないかと考えられます。このことを考えると、8月単月での納税額が前年度比で169%オーバーということは、8月決算の企業が10月に納税するはずの税収に関してもある程度期待ができるのではないでしょうか。


【所得税評】

今回の本丸はここですね。

「所得税」でも特に「源泉分」の所得税に対する評価です。

他の税制度と異なり、源泉分の所得税納税申告期限は「翌月10月」がその申告期限とされており、「源泉分」ですから、この税金は企業が一般の従業員に対して支払った給与から源泉徴収されたものです。

ということは、ここの金額は2017年7月に企業が従業員に対して支払った給与総額がそのまま反映されているということ。「所得税」や「消費税」、または「申告分所得税」と比較しても、この時点での源泉分所得税の納税額は、直近の日本の景気状況を最も反映したものである、ということができるのではないでしょうか。

その額が、 8月単月で1.29兆で前年同月比112.5%、累計でも6.45兆で前年同月比106.8%増しとなっており、少なくとも企業活動がより活発になっていることをきれいに反映していると考えることができます。

また、「源泉所得税」が増えているということは、考えられる状況は3つ。

 1.「給与所得者の数」が増えた
 2.「一人当たりの平均給与所得」が増えた
 3.「1」と「2」の両方が増えた

この3つのどれかです。源泉所得税は、4月分が前年度からマイナスされているため、現時点では累計で106.8%となっていますが、

5月分前年同月比 111%
6月分前年同月比 112.3%
7月分前年同月比 103.1%
8月分前年同月比 112.3%

となっており、その好調さがとてもよく反映されています。

第361回の記事 におきまして、昨年(2016年:暦年)の「給与所得者」と「平均給与所得」がともに上昇していることから、「高齢者の現役引退」は安倍内閣における雇用状況の改善を批判する材料とはならないことを示しましたが、本年8月分の状況からみても、その状況は今年も継続していることがとてもよくわかります。

とはいえ、年度ベースでは昨年度の源泉徴収分は前年度を割り込みましたから、それを100%否定するものとはならないのかもしれません。


【消費税評】

先月はここを「本命」として記事を作成しました。

「消費税」は「前年度の納税額」を参考に納税されますから、今年度の納税額は、2018年3月を迎え、さらに4月分、5月分のデータが出てくるまでは必ずしも今年度の消費状況を反映したものとはなりえません。

ですが、消費税はあくまで「消費されたもの」に対して加算される税制度であり、消費税納税額の推移をみることは、その「消費状況」を見るデータとしては役に立つものです。

そして、今年度の消費税納税額は「昨年度」の消費納税額を反映したものですから、つまり今年度納税された消費税額を見れば、昨年度の国内の消費状況をうかがうことができます。

このことを念頭において今月の消費納税額を見ますと、

8月単月で8月分1,78兆(前年度比101.6%)。累計で3.18兆(前年度比98.9%)となっています。

消費税納税額が累計で前年度割れを起こしているのは6月まで消費税納税額がマイナス計上(還付)されていたことが理由です。プラス計上が始まったのは7月からで、

 7月分前年同月比 105.2%
 8月分前年同月比 101.6%

となっていますから、少なくとも昨年度がスタートした当初消費状況は悲観するほど悪かったわけではなかったと考えることができます。消費税の申告期限も、前年度の納税額によって異なるとは言うものの、基本的に申告月より2か月以内となっていますから、7月分は昨年の5月分、8月分は6月分の消費状況を反映していると考えることができます。


【一般会計税収評】

さて。それでは最後に「一般会計税収」全体に対する評価について。

単月では前年度比111%、累計で105.8%となっていますから、税収全体としても非常に好調であることがわかります。
一般会計税収全体も4月はマイナスから入り、6月までは消費税と法人税両方のマイナス分の影響を、7月は法人税単独でのマイナス分の影響を受けています。

そのうえで、各々単月の前年度比は

 5月 96.9%
 6月 104.6%
 7月 106.1%
 8月 111.0%

となっています。8月累計の前年度比は105.8で金額は13.62兆円となっています。

予算ベースで考えますと、一般会計税収全体の前年度比は104.0%で組んでいますから、8月の時点で1.8%予算を上回っていることになります。

金額で考えると2318億円の「上振れ」です。

「源泉分所得税納税額」の推移から考えると、今年度の消費状況も、昨年度と比較すると「大幅に」改善するのではないか、と考えられます。

さて。これはあくまで私の「推測」にすぎませんが、今年度の「税収」は一体どうなるんでしょうか。現時点でも非常にワクワクさせられる数字です。


さて、いかがだったでしょうか。「税収」って、確かにタイムラグの発生する数字で、期間が終了するまでは正確性に欠ける数字でもあります。ですが、他の経済指標と異なり、あくまでも「実数」ですから、税収の持つ「意味」さえきちんと理解していれば、より実態に近い状況が反映されています。

この数字をもとに「アベノミクスの成果」を考えますと。特に今年度の数字はいよいよその大成功を予感させるものとなっているように思えてなりません。

今回の記事では、「源泉分所得税」の推移を参考に、「給与所得者数×平均給与所得」の総額の推移を見てみました。
ですが、これでもまだ、「単に給与所得者の数は増えたかもしれないが、給与は減っているんじゃないか」とか、逆に「一人当たりの給与は増えているが、格差が広がっているんじゃないか」といった意見を言う人がいるかもししれません。

次回の記事では、では「給与所得者数の推移」や「平均給与所得」は一体どうなっているのか。

第361回の記事 では「国税庁データ」ベースで昨年(暦年)の給与所得状況を分析しましたが、次回記事では厚労省データより、あくまでも「速報」レベルではありますが、今年度の給与所得状況について記事にしたいと思います。



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<継承する記事>
第359回 60年償還ルールで財政が破綻しない理由

前回の記事はカテゴリーを 日本国債の問題 とし、今回は 日本の税収の見方 としていますので、連続性が失われていますが、 政府データ(経済指標の見方) から見ていただきますと、連続した記事としてご覧いただくことができます。

前回の記事では、今回の記事、「それでも消費増税を行わなければならない理由」を記す前提条件として、あくまでの日本国債はまず破綻することはありませんよ、と、この理由を「60年償還ルール」を用いることで解説させていただきました。

で、今回の記事は「それでも消費増税を行わなければならない理由」。

このタイトルって、現在のコアな安倍内閣支持者からは袋叩きに合いそうなタイトルなんですが、私は このブログを始める前に作成していたブログ の時代から、一貫して消費増税の必要性は主張してきました。

ですが、そもそも旧ブログを作成した当時の私は、10%増税を前提として、私たち一般国民が強いられる負担は15兆円、GDPを500兆円と考えると、ちょうど3%分の増税額となることから、「民間給与所得を平均で3%増加させること」を増税の条件として掲載していました。もちろん名目です。

麻生さんは、麻生内閣当時、さらにこの名目3%成長を3年間、同時に実質2%、物価上昇率1%成長を3年間連続で果たすことを明確な条件として提示していました。

「景気回復に全治3年。私たちは3年間経済成長をさせることに専念しますので、これを達成した暁には増税させてください」

という、国民としても非常にわかりやすい形でした。ですが、麻生内閣は2009年8月、たった1年で倒閣してしまい、民主党鳩山内閣が誕生。以後2012年12月までの地獄の3年数か月がスタートしました。

この間、民主党政権は麻生内閣当時に実施された経済政策以外、何一つとして明確な経済成長戦略を実施せず、結果として超円高の大不景気が日本全土を覆った・・・というのがあの時の状況でした。

麻生さんは2008年を含めた3年間、景気回復に向けた集中的な経済政策に専念し、3年連続で経済成長を果たした後、速やかに消費増税の議論に入る、としたのです。
(※枠内は長文になりますので、最初は読み飛ばしてください)

【所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)(抄)】

附則
(税制の抜本的な改革に係る措置)

第104条
政府は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げのための財源措置並びに年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用の見通しを踏まえつつ、平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。

この場合において、当該改革は、2010年代(平成22年から平成31年までの期間をいう。)の半ばまでに持続可能な財政構造を確立することを旨とするものとする。


前項の改革を具体的に実施するための施行期日等を法制上定めるに当たっては、景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極め、予測せざる経済変動にも柔軟に対応できる仕組みとするものとし、当該改革は、不断に行政改革を推進すること及び歳出の無駄の排除を徹底することに一段と注力して行われるものとする。


第1項の措置は、次に定める基本的方向性により検討を加え、その結果に基づいて講じられるものとする。

個人所得課税については、格差の是正及び所得再配分機能の回復の観点から、各種控除及び税率構造を見直し、最高税率及び給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げるとともに、給付付き税額控除(給付と税額控除を適切に組み合わせて行う仕組みその他これに準ずるものをいう。)の検討を含む歳出面も合わせた総合的な取組の中で子育て等に配
慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討すること並びに金融所得課税の一体化を更に推進すること。

法人課税については、国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベース(課税標準とされるべきものの範囲をいう。第5号において同じ。)の拡大とともに、法人の実効税率の引下げを検討すること。

消費課税については、その負担が確実に国民に還元されることを明らかにする観点から、消費税の全額が制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充てられることが予算及び決算において明確化されることを前提に、消費税の税率を検討すること。その際、歳出面も合わせた視点に立って複数税率の検討等の総合的な取組を行うことにより低所得者への配慮について検討すること。

自動車関係諸税については、簡素化を図るとともに、厳しい財政事情、環境に与える影響等を踏まえつつ、税制の在り方及び暫定税率(租税特別措置法及び地方税法(昭和25年法律第226号)附則に基づく特例による税率をいう。)を含む税率の在り方を総合的に見直し、負担の軽減を検討すること。

資産課税については、格差の固定化の防止、老後における扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベース、税率構造等を見直し、負担の適正化を検討すること。

納税者番号制度の導入の準備を含め、納税者の利便の向上及び課税の適正化を図ること。

地方税制については、地方分権の推進及び国と地方を通じた社会保障制度の安定財源の確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進めること。

低炭素化を促進する観点から、税制全体のグリーン化(環境への負荷の低減に資するための
見直しをいう。)を推進すること。

これが、麻生内閣において取り決められた消費増税法である、「附則104条」と呼ばれるものです。

ただ、結果的に民主党内閣では何一つとして「景気回復に向けた集中的な取組」は行われれず、「経済状況を好転させること」はありませんでした。

ですが、にも関わらず2012年8月に民主党内閣下における消費増税法が成立し、ここに「景気付帯条項第18条第3項」があるにも関わらず、2013年(平成25年)10月、安倍内閣において増税が決定し、翌年2014年4月に消費増税が実施されました。
(※枠内は長文になりますので、最初は読み飛ばしてください)

【景気付帯条項第18条】
第18条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成23年度から平成32年度までの平均において名目の経済成長率で3パーセント程度かつ実質の経済成長率で2パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。

3 この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第2条及び第3条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ず等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

そもそも「消費増税」が大バッシングを受けたのはこの時のことです。


そもそもなぜ「消費増税」が必要とされるのか?


私のブログではすでに説明済みですが、これは福田内閣~麻生内閣にかけて行われた「社会保障国民会議」によって話し合われた内容がルーツとなっています。

社会保障国民会議

この会議を通じて

「2025年には、「医療・介護」にかかる医療費が、凡そ15兆円ほど、2008年当時の状況より増額する」

ことが試算されました。このための財源として、

「景気の良し悪しに左右されにくく、毎年安定して一定の税収が期待できる財源」

である「消費税」にスポットが当てられたのです。


※厚労省ホームページより一般会計税収推移

上図は、一般会計税収の総額、および三大税収である所得税、法人税、消費税の動きを示したものです。
見ていただくとわかると思いますが、所得税や法人税は「リーマンショック」などの経済危機に見舞われると大幅に税収を落としていますが、消費税だけはそう大きな増減はなく、ほぼ横ばいで一定の税収を確保していることがわかると思います。

赤いラインはそれぞれ増税のタイミングを示していますが、3%→5%、5%→8%に引き上げたとき、それぞれ消費税収が大幅に上昇していることがわかります。

「消費税」とは、そもそも景気がよかろうが悪かろうが、必ず消費されるものに対して課税されることがその税収が安定している最大の理由で、税率を引き上げれば引き上げただけ税収が上昇している理由でもあります。

「社会保障」は特に、景気がよかろうが悪かろうが、必ず必要となってくる「経費」です。景気が悪くなったから医療費は自己負担してください・・・というわけにはいかないのが「社会保障」です。

そこで、景気の変動を受けにくい税収として「消費税」にスポットが当てられたわけです。


「消費増税」はなぜ批判されるのか

消費増税が批判される理由として、よく言われるのが、「消費増税を行えば、国民の生活に負担をかけ、かえって消費を冷え込ませる」という内容です。

この根拠としてよく用いられるのが、先ほどの一般会計税収の推移を示したグラフで、1997年(平成9年)に行われた、いわゆる「橋本増税」です。

もう一度同じグラフを掲載します。
一般会計税収推移

見ていただきたいのは、「一般会計税収」総額の推移です。

5%増税が行われる前。1996年の税収は52.1兆円。増税年である1997年は53.9%と、唯一増税前の税収を上回るのですが、翌1998年が49.4兆円、その翌年が47.2兆円。

安倍内閣において増税が行われた2014年に至るまでの間で最も税収が多かったのが第一次安倍内閣当時(2007年)の51兆円で、増税年以降、増税前の1996年の一般会計税収を上回った年度が1年もない(増税年は除く)のです。

つまり、1997年に増税し、消費税収が増えたのは良いが、税収全体を見ると却って増税前を下回っており、増税は失敗だったのではないか・・・というのが消費増税が批判される最大の理由です。


税収が減退したのは本当に消費増税が原因だったのか?

勘違いをしていただきたくないのですが、私自身、8%増税が行われる前は、「私たちの所得が増税による物価上昇幅を上回るまでは消費増税を行うべきではない」と主張していましたし、前章で記した「消費増税を行うべきではない理由」は、実は私は誰かの情報を見て気づいたわけではなく、私自身が自ら発見しました。

もちろん私が発見する以前にもこのことに気づいていた人はいたでしょうが、私は旧ブログにこの情報を掲載していて、少なくともその記事を掲載する前にネット上でこの情報を投稿していたとはいなかったのではないかと思います。(リンクを張ろうと思ったのですが、記事数が多く見つけられませんでした)

つまり、橋本増税以降、一般会計税収が増税前を上回ったことが一度もない、という情報の発信元は私だったのではないか・・・とすら考えているわけです。(思い上がりだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私の気持ちの問題なのでご容赦ください)

私が言いたいのは、私は元々「私たちの所得が増税による物価上昇幅を上回る前の消費増税」には反対していた人間だということです。

ですが、「消費増税」を批判するのであれば、公平な情報に基づいて、偽りではなく正確な情報を用いて批判するべきだと私は考えています。

例えば、橋本増税において「税収が減退した」ことを私は記していますが、これが本当に橋本増税のせいだったのかというと、これにはいささか疑問があります。というのも、第14回の記事 にて掲載しましたように、橋本増税が行われた年も、7月までは順調に経済は成長しており、同年7月に「アジア通貨危機」が勃発したため橋本内閣までの日本が抱えていた課題が一気に噴出した、というのがその後の税収減退の理由としては正しいのではないかと考えているからです。

もちろん旧ブログに前章の情報を掲載した時にはそのことには気づいていませんでしたから、一方的に橋本増税悪玉論を私自身掲げていましたが、それは必ずしも正しい意見ではなかった、と現時点では思っています。


8%増税によって本当に日本国内の「消費」は減退したのか?

安倍内閣において行われた消費増税により、「景気に水を差した」とする主張を行う人を良く見かけます。
その理由として、「消費者物価指数」の減退が掲げられています。

消費者物価指数2013年~2017年8月

安倍内閣が目指す消費者物価指数は本来「生鮮食品を除く総合=コアCPI」なのですが、上図ではあえて「総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を掲載しています。

期間は安倍内閣が誕生した2012年12月~最新の2017年8月までを掲載しています。消費増税に伴う物価上昇がおおよそ1.7%に相当しますから、これを除外した数字で示しています。

この数字が、安倍内閣では2%を目指しているわけですが、これが増税年度である2014年5月に達成するものの、これ以降下落を続け、翌15年9月には0%、1月には前年度割れ。2月にふたたびプラスに戻りはするものの、3月の0%以降2016年10月まで前年度割れを継続するわけです。

もちろん私は赤いライン=総合の話をしています。

ですが、青いライン=「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見てみますと、少し違った状況が見受けられますね?

このグラフは、あくまでも「前年同月比」を示していますので、0%を上回れば物価は上昇し続けていることを示しているので、そこだけは勘違いなされないようにしてほしいのですが、この「前年同月比」のうち、赤いライン=「総合」が見かけ上急落し始める2014年6月以降も、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は横ばい、もしくは上昇を続け、特に2015年度、11月までは総合が下落する中で「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は上昇していることがわかります。

この理由として、シリーズ「「物価」の見方」の中で、海外で急落し始めた「原油相場」が最大の原因であり、これを除けば物価は継続的に上昇し続けていたこと。

これ以外に「持ち家の帰属家賃」や「家電製品の店頭売価」が物価を下落させている要因であることを具体的な数字とともにお示しし続けました

その上で昨年度末、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が昨対0%、3月にはマイナスをつけたことを受け、「新たなる経済対策が必要なんじゃないでしょうか」、と訴えたわけです。モリカケでわちゃわちゃやってる暇はないでしょう、と。

もちろん消費増税の影響がなかったとか、そういうことを言いたいわけではありません。ですが、消費増税によって本当に「消費」が減ったのかどうか。「減った」という人たちに対して私は「そうではないでしょう?」という記事を作り続けていました。

「批判を行うのなら、公平に行いましょう」と私が言っているのはすなわちそういうことです。


それでも消費増税を行わなければならない理由

では、8%増税は行うべきだったのでしょうか、それともやめるべきだったのでしょうか?

再来年には10%に引き上げられるわけなのですが、これは取りやめるべきなのでしょうか、それとも実施するべきなのでしょうか。それとも、「5%に戻すべき」なのでしょうか?

増税をやめるべきだ、または増税前の状態に戻すべきだ、とする立場の人たちはこのように主張します。「増税よりも、経済成長戦略に専念すれば、経済成長によって新たなる税収が生れるはずだ」と。

ですが、そもそも「消費税」は「社会保障のための財源」として本来充てられるべき税金です。経済成長によって、確かに税収は増えるかもしれません。ですが、逆もまたあり得るわけです。現在はアベノミクスの効果もあり、経済は順調に成長し続けているわけですが、例えば「リーマンショック級の経済危機」が訪れたとしたらどうでしょうか?

民主党時代の2012年から安倍内閣が誕生した2013年にかけて、消費増税を行う前であったにもかかわらず、税収は3兆円増加しています。ですが、これはあくまでもそれまでの経済政策がダメすぎたことと、そして増税前の「駆け込み需要」があったこと。を忘れてはならないと思います。

ではもし「そうではない状況」が生れたとき、その財源は一体どこから捻出するのでしょうか。不足するのであれば、その方法は一つしかありません。「国債」を発行して財源を賄うという方法です。


「日本国債の信認」と「労働する意欲」

はっきりといえば、社会保障の財源が不足するのであれば、バンバン国債を発行して銀行に購入させることで消費増税どころか、消費税を全額撤廃したとしてもその社会保障費を完全に賄うことができます。

既に掲載している通り、「60年償還ルール」を利用して運用すれば、元本次第で「国債発行残高総額」は増加しますが、この増加額には限度があります。仮に毎年60兆円ずつ国債を発行したとしても、80兆円ずつ国債を発行したとしても、60年経過すれば頭打ちになり、ある一定額以上は上昇しなくなります。

これは、第359回の記事 で解説した通りです。

もしそれでも、なにがしかの理由で日本国債が破綻するというのであれば、最終的に日本国政府が55%の最大株主である日銀が日銀券を発行し、日本国債を全額買い取り、日本国政府と日銀の会計帳簿を連結し、日本国政府の負債である国債と、日銀の資産である国債を相殺すれば日本の国債など一瞬で0円になります。


現在安倍内閣を支持する人の中でも、消費税率を10%に引き上げることに反対する人、または8%から5%に引き下げるべきだという人の主張として、「増税は消費を抑制し、却って税収を冷え込ませてしまう」という意見があります。

すでに述べていますように、確かに橋本増税では消費増税が行われた後、アジア通貨危機が勃発したこともあり、結果的に日本国内の消費を冷え込ませ、税収を増税以前と比較しても大幅に減退させてしまう結果となってしまいました。

ですが、安倍内閣において行われた8%増税はどうだったのでしょうか。

消費者物価指数2013年~2017年8月

8%増税において、あたかも消費が減退しているように見えるのは、「原油価格の下落」などに伴うエネルギー相場の減退が最大の理由であり、これを取り除けば毎月「前年同月」を上回っていたことは既にお伝えした通りです。昨年度末に初めて前年度割れを起こしましたが、それまではプラス成長を続けています。

一般会計税収推移

また「税収」に関しても同様です。確かに昨年度は税収が前年度割れを起こしていますが、それでも増税前、2013年度の税収と比較すれば、9兆円近い税収増を果たしており、橋本増税の時とは状況が異なっていることがわかると思います。

リーマンショック前年、2007年度の51兆円と比較しても、5兆円近く税収が増えていることになります。

また一方で、高齢者医療、介護の増加に伴い、2025年には2008年当時と比較して15兆円の財源が不足すると試算されています。

平成29年度一般会計予算

こちらは予算ベースですが、本年度、2017年度の歳入歳出を示した円グラフです。

歳入の内、国債発行額が34.3兆円、歳出のうち国債の償還額が23.5兆円。両歳費の差額、10.8兆円分が現時点の一般会計予算で不足している金額です。(国債の償還のために国債が発行されていることを批判なさりたい方は第359回の記事 をご覧ください)

29年度の税収は予算ベースで57.7兆円ですから、このうち32.4兆円が年金・医療・介護等の社会保障費に、残る25.3兆円がその他の財源に充てられることになります。

また残る税収のうち、15.5兆円は地方交付税・交付金として当てられており、税収の中で政府や国の行政機関が自分たちのために使っているお金は10兆円程度だということになります。

では、この10兆円が一体何のために使われているのかというと、公共事業費や防衛費を含む公共サービスを私たち一般国民に行うために用いられているわけです。(公務員の給料も当然含まれていますが、これも公共サービスの一環だと考えます)

2017年度に発行されている予定の、償還費以外の10兆円の国債は、このような政府や国の行政機関が私たち国民に施すための行政サービスのための資金が不足するために発行されている、ということになります。


2014年の8%増税に対して私が賛成なのかどうかと言われれば、必ずしも積極的に「賛成」だとは言えません。ですが、それでも「社会保障の財源は、国債の発行に頼らず、きちんとした裏付けを示すことが必要だ」と考えています。

今後、社会保障のための財源が今以上に不足することとなれば、おのずと私たちが政府や行政機関から受けているサービスの質が低下していくことを示しています。

もしも行政サービスの質を落とさず、ある一定以上の予算を確保しようと考えるのであれば、政府が

 「社会保障に不足する財源を補填するため、国債を発行して賄います」

と宣言すれば、それで事足りる話ではあります。ですが、私が危惧しているのは、ではこのような社会保障費のために政府が国債を発行します、といった場合、日本国民の

 「労働する意欲」

を担保することができるのかどうか、という話です。

生活保護受給者数の推移

こちらのグラフは、第28回の記事 で掲載した、生活保護者の数と、前年度と比較した伸び率を掲載したグラフです。

情報としては最新のものではないのですが、リーマンショック後、平成22年1月まで急激に生活保護受給者数が増加した後、前年同月比で生活保護受給者の伸び率は減退するものの、生活保護受給者の数そのものは減少していないことを示しています。

「社会保障費」って、きちんとしたルールの中で運用されていて、現役時代によく働いた人ほど老後により多くの社会保障費を享受することができるようになっています。その代表的なものが「年金」です。

ですが、現役時代に意図的に労働を行わず、または労働する意欲があったとしても定職に就くことができなかった人のうち、年金の免除申請を行わなかった人は、その「年金」を受け取る資格がありませんから、当然老後の生活費がなくなってしまいます。

そのような人たちがどのような手段をとるのかというと、それは「生活保護」という最終的なセイフティネットを利用することになります。このような人たちは、確かに家賃光熱費は保護費の中から支払いますが、例えば「医療費」も自己負担せず、全額国費で治療を受けることができます。

もしも政府が

 「あなたたちが現役時代に働こうが働くまいが、あなた方の老後の生活はすべて政府が面倒を見ますよ」

と宣言してしまった場合、私は上記に掲載したように、「労働」することを放棄し、行政サービスに頼りっぱなしになる人が増えるのではないか、と考えているのです。

その結果、日本国内では「生産力」が衰退し、物資を海外からの輸入に頼るようになり、日本国内の物価が海外の情勢や為替変動に左右されるような、そんな社会が訪れるのではないかと考えているわけです。

 「そんなことはない。ルール整備をきちんとすればいい」

という人はいるでしょうが、いつまでも現在の政権が続くとは限りません。経営者をサポートすることを批判し、労働者や非正規労働者、もしくは無職者の支援を重視する政府が現れれば、全くない、といえる話ではありません。

社会保障のサービスを安定して提供し、かつ日本国内の「労働する意欲」を担保しようとするのであれば、やはり、特に「老後」の社会保障費は財源の裏付けを明確にした上で運用するべきだ、というのが私の考えです。


私にだって、消費増税は凍結すべきだとか、繰り延べるべきだという人たちの意見が理解できないわけではありません。それも一つの考え方だと思いますし、逆に消費増税を行うことで日本国民の労働する意欲を減退させてしまう、という意見も当然あるでしょう。

また、第358回の記事 でもお示ししましたように、もともと高齢化に伴う社会保障費の自然増に伴う財源に充てるつもりであった消費増税分を幼児教育無償化等の他の政策に充てる余裕が出てきたということは、高齢化に伴う自然増の伸び率が思ったほど深刻ではなかったのではないか、とも私は考えています。

であればその分の伸び率を抑えるという方法もあるんじゃないか、という考え方も当然できると思います。

このように考えると、「消費増税」もまた数多くの政策判断の中の一つであり、これだけを理由で安倍内閣をたたいたり、掌を返したりする姿勢は果たしてどうなのかと私は思います。

中には消費増税を肯定する立場の人を貶したり、罵倒したりする意見を見ることもあります。もし消費増税に反対なのであれば、政府をきちんと納得させられる意見を持った人に票を投じ、または当選した議員さんを通じて政府に自分自身の意見を届けるような努力を行うのが本来のあるべき姿なのではないでしょうか。

ましてこのように将来のヴィジョンを描くこともせず、

 「政府が国債を発行し、日銀が金融緩和を行い続ければいつかは日本の景気は良くなるはず」

といった無責任な意見を述べることは果たしてどうなのでしょうか?

本当に日本の事を思い、自分自身の主張を行うのは正しいことだと思います。ですが、そのような自分の意見を通したいからと言って、「マクロ指標」を「ブレイクダウン」せず、つまり例えば「消費者物価」が下落している理由が消費増税のせいだと思い込み、誤った情報を根拠として現在の政策の批判を行うやり方はいただけません。

私は現在の安倍内閣を支持しています。それは「経済」だけでなく、「外交」や「防衛」、そして「憲法改正」の考え方も含めた、全体像としての安倍内閣を支持しているということです。

もちろん各論としてそれは違うんじゃないか、と思う部分も多々としてありますが、であればその部分を「おかしい」といえばよいのであって、だから安倍内閣はおかしい、ということにはなりません。まして誤った情報を下に安倍内閣を叩くのははっきりって間違いだと思います。

本日は長文になりましたが、「批判する」のであれば、情報をきちんと分析したうえで、現時点で自分場一番正しいと判断している情報を下に批判するのが政治家だけでなく、私たち日本国民も含めて本来の「あるべき姿」だと思います。

そして一方的に批判するのではなく、きちんと相手の意見にも耳を貸し、全否定をせず、正しいと思ったことは受け入れる姿勢を持つことこそ、日本を世界に誇れる国とするために、本当に必要なことなのではないでしょうか?



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税収に関しましては、実は毎月発表されていまして、今年度に入ってからも既に4月分、5月分、6月分と公表されています。

項目は複数あるわけですが、私の記事ではこの中でも特に「所得税」「法人税」「消費税」の3つの税収を追いかけています。

これらの税金にはそれぞれ申告期限に関するルールがありまして、
【所得税の申告期限】
源泉徴収分 毎月翌10日

 納期の特例を受けている場合(平成28年度の場合)
 1月~6月分・・・7月11日 7月~12月分・・・1月20日

確定申告分 3月15日

 予定納税 第1期・・・8月1日 第2期・・・11月30日


【法人税の申告期限】
事業年度終了の日の翌月から2か月以内


【消費税の申告期限】
前年度の申告額が

①・48万円以下・・・確定申告1回
②・~400万円・・・中間申告1回、確定申告1回
③・~4800万円・・・中間申告3回、確定申告1回
④・4800万円超・・・中間申告11回、確定申告1回

※申告日の翌月からの2カ月以内

となっています。

「消費税」の「中間申告」は、これを行うことが義務付けられているわけですが、例えば②の場合、1年間の納税額を2回に分けて納税してください、というものです。

ですが、実際に1年間の納税額がいくらになるか、など分かりませんから、「昨年度の納税額を参考」することになってます。
つまり、昨年度のトータルでの納税額を2分割、4部活、12分割して納税するわけです。

嘗ての記事で私はこの理屈を知らないまま記事を作成していたので、年間の消費納税予想額を大幅に外してしまい、結果的に誤った情報をばらまいてしまった・・・という苦い思い出があります。

また、消費税や法人税は、前年度余分に納税した納税額が「還付」という形で納税者に返還されますので、消費税と法人税は-~スタートします。

以上の内容を踏まえると、先ず「所得税」の内、「確定申告分」は年1回、予定納税を合わせても3回しか納税される機会がありません。

「法人税」もまた各事業所ごとの申告月1回分しか納税される機会がありませんし、消費税に至っては昨年度の実績が反映されることになりますので、はっきりと言えば各年度3月~5月を迎えるまでの納税額は正確性を欠くことになります。

ただ、それでも特に「消費税」に関して考えますと、ここに「昨年度の税収」が反映されるわけですから、一昨年と昨年を比較して、実際の納税額がどうであったのか・・・ということを参考にすることが可能になります。

正確ではないかもしれませんが、一昨年の「消費」と昨年の「消費」を比較する一つの指標になるのではないか、と私は考えています。今年度の経済指標としては弱いかもしれませんが、私の「娯楽」にぜひお付き合いください。


2017(平成29)年度7月分税収

2017年7月度税収
PDFダウンロードはこちら

昨年度まではWeb画面上+PDFデータで掲載されていたのですが、今年度からはPDFデータ+エクセルデータに変更されていますので、こんな白黒画面となっています。

【2017(平成29)年度7月分税収】※(  )内は前年同月比です。
所得税全体 7月分 3.7兆(102.8%) 累計 5.6兆(104.9%)

 源泉分 7月分 3.22兆(103.1%) 累計 5.15兆(105.5%)
 申告分 7月分 0.48兆(100.9%) 累計 0.46兆(98.9%)

法人税 7月分 △0.013兆(-%) 累計 △0.013兆(-%)

消費税 7月分 1,75兆(105.2%) 累計 1,39兆(95.7%)

一般会計全体 7月分 6.169兆(103.4%) 累計 9,.057兆(104.0%)


【法人税評】

法人税収はまだマイナスをつけていますが、それでもマイナス幅は前年度を下回っていますので、トータルに対する影響は前年度よりも少なくなります。


【所得税評】

また、「所得税」「法人税」「消費税」の中で唯一今年度の「現状」を表している数字が「所得税『源泉分』」です。

勿論ここも「納期の特例を受けている場合」という例外こそあるものの、基本的には今年度の給与所得者全体に対して、実際に支払われた「給与」にかけられた税金ですから、「現状」を表しているという状況に変わりはありません。

そして、その「所得税『源泉分』」の「前年同月比」が7月分で103.1%、累計で105.5%となっています。絶好調ですね。

ちなみにこの「所得税『源泉分』」ですが、昨年度は通年で前年同月比-98.1%と振るわなかった部分でもあります。
日本国民全体に支払われた給与総額が前年割れしたことを示す数字になります。

この部分が4月~7月までの累計で前年同月比105.5%でしたよ、ということです。ちなみに昨年は一昨年と比較すると96.9%。
では一昨年はどうであったのか、と申しますと、累計で4.37兆円。今年度は一昨年と比較して1.02%増加しています。

昨年が振るわなかった分、一昨年の数字をも上回って今年度が実績を上げていることは、やっぱりうれしいですね。


【消費税評】

さて。これが本命ともいえる「消費税」の評価です。
すでにお伝えしています通り、この数字は「昨年度の納税額」を参照して行われている納税額です。

つまり、この数字を見ると、一昨年と昨年の「消費」をリアルに比較することができます。

6月まではこの額がマイナスであり、つまり「納税額」を「還付額」が上回る状態にあったわけですが、7月からはようやくプラスに転じています。

そして、その「7月単月」での消費納税額が前年同月比105.2%だったわけです。この数字が何を表しているのかと申しますと、飽くまで参考値ではあるものの、「一昨年の納税額を昨年の納税額が上回っている」ことを意味します。

勿論7月納税ですから、冒頭にお示しした一覧表で考えますと、昨年の納税額が4800万円を超えていた事業者に限られるわけではありますが。

ちなみに6月分までがマイナスでしたから、消費納税額の7月単月分を7月までの累計が下回るという逆現現象が起きています。
累計では95.7%ですが、これは前年度納税額に対する還付分の影響が大きいと思いますので、現時点ではこの値を深めて考えることに意味はありません。


【一般会計税収評】
さて。それでは最後に一般会計税収全体に対する評価を行ってみたいと思います。

7月分が全体として調子が良かったものですから、一般会計税収トータルでも7月単月での前年同月比はなんと106.1%増となっています。累計でも103.4%増。

ちなみにこの数字、前年度決算ベースで見てみますと、前年同月比98.5%、0.816兆円の前年度割れとなっています。
これを前年度7月の数字で見てみますと、7月単月が5.819兆円、7月迄累計が8.767兆円。

今年度は7月分が6.169兆、一昨年比106.01% 累計 9,.057兆、一昨年比103.3%となっています。

今年度の特徴は、やはり「所得税『源泉分』」が累計ベースで前年度を105.5%と大幅に、更に一昨年も102.1%と上回っている部分にあるのではないでしょうか。

消費税率が5%から8%に引き上げられたのが2014年度(平成26年度)の事。

昨年度(2016年度)の消費税収や所得税収が一昨年度(2015年度)を下回ったことから、「消費増税の影響」を指摘する声もありましたが、今年度の実績を見るとどうもそうではなさそうだ、という様子が見えてきます。

今年度の実績も既に4か月目。「所得税『源泉分』」ですが、実は6月分は単月で前年同月比112.3%、5月分が111.0%となっており、この現象がどうも今月単独の現象ではないらしいということことが分かります。

昨年度の実績が反映されている「消費税収」等、今年度の実績とは呼べない部分も含まれたデータではありますが、「2017(平成29)年度7月分税収」。

中々幸先の良い出足ではないでしょうか?



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情報としては遅ればせながら・・・という形にはなりますが、2016年度税収がついに決定しました。最終的には7月に決算額として正式なものが発表されるわけですが、2016年4月~2017年5月まで追いかけ続けてきた「2016年度税収」がついに決定しました。

内容としては、

【2016年度(平成28年度)税収】
一般会計総額 55.46兆円(前年比98.5%)

所得税 計 17.6兆円(前年比98.9%)
 内源泉分 14.48兆円(前年比99.3%)
 内申告分 3.1兆円(前年比104.7%)

法人税収 10.3兆円(前年比95.4%)

消費税収 17.2兆円(前年比98.9%)

とまあ、軒並み前年度割れをする惨憺たる結果となってしまいました。

勿論原因はきちんと検証する必要があるわけですが、今回の記事では私がこの「税収」に着目して統計を集めるきっかけとなった、「消費税収」に着目して分析をしてみたいと思います。


消費増税によって本当に消費は減ったのか?

「消費税収」とは、基本的に「消費されたもの」に対して課せられる税金です。
私はこの「税収」以外に「消費者物価」についても着目して記事を作成していますが、それもこれも安倍内閣に於ける「消費」が実際に増えたのか減ったのか、これを分析するためです。

というのも、1997年におこなわれた当時の橋本龍太郎内閣5%消費増税において、橋本増税が行われて以来、それこそ安倍内閣が誕生するまで橋本龍太郎内閣以前の一般会計税収を上回った年度は1年度たりともありませんでした。

理由として、「消費増税が行われたことにより消費が減退し、この事が企業の業績にも悪影響を与えた」という理由が一般的です。

そして2014年、安倍内閣において8%増税が行われた際、「増税は消費に悪影響を及ぼす」として橋本増税の悪影響が再び日本を押そうかの様な主張が日本全国で行われました。

この主張は今でも一般的に行われており、2016年度に消費税収も含めて一般会計税収全体が前年度割れを起こしたことを受けて、これを「2014年度消費増税の影響だ」という説がまことしやかに行われています。

特に強いのは、実は野党を中心とする安倍内閣否定派ではなく、内閣参与まで務めた一部元官僚を含め、現在の安倍内閣を支持ししている人の中での論調です。

ですが、2014年度に消費増税が行われたことにより、本当に2016年度の「消費」は減退したのでしょうか?


2016年度消費税収が前年度割れした理由

さて。既に記していますように、2016年度の消費税収は98.9%と前年度割れしています。

既に述べていますように、「消費税」とは、実際に起きた「消費」に対してかけられるもので、この理屈だけから考えると、消費税収が前年度割れしているということは、2016年度の消費が2015年度の消費を下回ったことを意味しています。

ですが、この理屈は本当に正しいのでしょうか?


【消費税が納税される仕組み】

中間申告の方法

こちらは過去の記事で何度かお示ししたことがあると思うのですが、消費税を納税する際の「中間申告」について示した図表です。

企業の前年度の納税額に応じて1年間の中間申告を含めた申告回数を

1回 2回 4回 12回

に分け、より多く納税した企業ほど中間申告を行える回数が多くなっています。

ですが、その企業が1年間にどれくらい収入を挙げられるかは分かりませんから、中間申告を行う際、企業は「前年度の収入を参考に」消費納税を行うことができます。

確定申告を含めた申告回数が12回であれば、前年度の納税額を12等分し、これを本年度に1か月分ずつ納税していくやり方です。

前年度の納税額が1億2000万円だったとすれば、今年度はこれを12等分し、1カ月に1000万円ずつ納税します。

最終的に確定申告を行う際、不足していれば不足する分を支払いますから当然申告月の納税額は前年を上回る(100%以上)ことになりますし、逆に多く納税しすぎていれば前年を下回る(100%以下)ことになります。


【2016年度消費納税額に感じていた違和感】


【2016年度月別消費納税額前年同月比】
4月 (前年、本年共マイナス)
5月 (前年、本年共マイナス)
6月 (前年プラス、本年マイナス)
7月 95.1%
8月 100.3%
9月 94.7%
10月 92.9%
11月 91.5%
12月 101.8%
1月 102.8%
2月 98.7%
3月 100.4%
4月 101.9%
5月 111.7%

上記図表は、月別の前年同月比です。4、5、6月の実数がマイナスになっているのは、前年度、海外に向けて販売を行った業者が消費納税額の「還付」を受けていることが原因です。

では、私が何に対して「違和感」を感じていたのかと申しますと、前述致しました通り、基本的に「中間申告」は前年度の実績を参考に納税されますから、通常であれば前年度と今年度の申告額は「同額」でなければおかしいはずなのです。

勿論、消費納税には2か月間の猶予がありますから、当月に納めたのか、1カ月後に納めたのか、2カ月後に納めたのかによって多少の誤差は生まれると思います。ですが、例えば特に10月や11月の様に10%近くも前年度割れすることには違和感を覚えます。

そして、消費税の納税方法として、
前年度の納税額に応じて中間申告を行う。
中間申告を行う際、本年度の納税額は本年度が終了するまでわからないため、前年度の納税額を参考にして納税を行う。

という方法がとられます。そして、

確定申告時、中間申告時の納税額が不足していれば不足する分を余分に納める為、確定申告時の納税額は前年度の納税額を上回る

為、中間申告時の納税額を本年度が昨年度を上回れば、年度最終付きの納税額は前年同月比で100%を上回ることになります。

企業によって決算月が異なりますが、最も多くの企業が決算月を迎えるのが政府会計年度末である3月。
そして、消費税納税は2カ月の遅延が認められていることから、年度で最も多くの企業が納税する月は3月より2カ月後、5月になります。

と、ここまでお伝えすれば察しの良い方はもうお気づきかもしれませんね。
2016年度最終付きである5月の消費税納税額は前年同月比111.7%。4月が101.9%、3月が100.4%となっていますね。

これは即ち、2016年度の消費税納税額が2015年度を上回っていることを示しています。

では、なぜ消費税納税額はトータルで前年度を下回っているのでしょうか?


消費税還付金の罠


【2016年度4月~6月の消費納税額】※( )内は2015年度の納税額です
4月 -360億円(-197億円)
5月 -344億円(-318億円)
6月 -1343億円(+222億円)

いかがでしょう。4月~6月までの間で、納税もされていないうちからマイナスされている金額。これは前年度の「還付金」であると考えられます。

例えば、増税年度の2014年から経年で消費税納税額の推移を見てみます。

【2014年度~2016年度の消費税納税額】
2014年 16.03兆円
2015年 17.42兆円
2016年 17.22兆円

ですが、4月~6月にマイナスされている額は、本来それぞれの年度に加えるべきではない数字ですから、2015年度の数字に515億円、2016年度の数字に2060億円をそれぞれ加えます。

2015年 17.47
2016年 17.43

また、2016年4月~6月にマイナスされていた2060億円という数字は本来2015年度分からマイナスされるべき数字ですから、17.47兆円から2060億円をマイナスします。

2015年 17.27兆円
2016年 17.43兆円

という数字が出てきます。ただ、2016年度もまた2017年度分からマイナスされることになりますので、この計算式はまだ途中経過だということになります。

勿論、ここに見えていない還付額もまだあるはずですから、この数字が正しいと言い切ることは出来ませんが、2016年度分の消費納税額が本当に2015年度分と比較して減っているのかということはまだ定かではありません。

また、2014年度の消費税納税総額が16.03兆円ですから、これと比較すれば仮に2015年の納税額を仮に下回っていたとしても、増税年度に比較すれば1兆円を上回る納税額を記録していることが分かります。


さて。ただ、とはいえ「2%の物価上昇」を目指す政府としては、やはり「消費の伸び」は欠かせない部分があります。「横ばい」ではだめです。

物価の記事 でもお示ししましたが、そろそろ「アベノミクスマジック」にも限界が見え始めていることは確かです。

だからこそ、本来の「安倍内閣」の魅力である「経済」についての効果を国民が感じられるよう、切れ目のない政策を打つことがとても大切です。ほんと、森友だ、加計だと大騒ぎしている暇なんてないんですけどね・・・。

今が「正念場」ですよ、安倍さん。



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さて。本日は2017年6月4日ですが、6月の月初に、2016年度4月分税収が公表されています。

第317回の記事 でお伝えしましたが、2016年度9月まで、ほぼ毎月記事にしていた税収の話題なのですが、消費税の納税方法の観点から、毎月記事を更新することそのものに意味がないことに気づかされてしまったため、それ以降は税収に関連した記事を中断していました。

理由は 第317回の記事 をご参照いただければと思います。

ただ、いよいよ先月、2016年度3月より、2016年度の実績に伴った消費納税が本格的に行われ始めたのではないか、と推測されるため、先月より再び記事を作成しています。

政府会計年度に於ける2016年度は実際には3月で終了するのですが、税収に関しては特に法人税、及び消費税の申告期限が、「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」となっていますので、税収の会計年度は5月迄継続します。

他の税収に関しましても、遅れて納税されるケースもありますので、他の税収に関しても5月迄納税額は増加しています。

さて、それでは2016年度4月税収を見てみましょう。

【2016年度4月分税収】
2016年度4月分税収


私がこの「税収」にこだわるのは、私がこのブログで年間を通じて掲載している「GDP」や「消費者物価」、「賃金」などの統計に比べて、この「税収」という項目は、正確な「実数」であるから。

GDPや消費者物価、賃金等あくまでも「アンケート結果」に基づいて計測し、統計的手法を用いて算出した「概数」でしかありません。その数字が本当にあっているのかどうかを知る方法など、政府機関も含めて誰も持ち合わせていないのです。

ところが、この「税収」だけは違います。
実際に企業が営業活動に応じて手にした売り上げや利益の中から、実際に納税した金額を集計して計測した「実数」なのです。

もちろん納税する側が正確に申告し、納税しているのかという問題はありますが、その部分を除けば「税収」ほどその年度内の経済状況を正確に反映しているものはありません。私が統計指標として「税収」を大切にしている最大の理由はこれです。

また、同時に既に述べていますように、「税収」はその項目によって集計方法や納税するためのルールが異なりますから、最終月、5月の時点で大どんでん返しがあることもありますので、税収からその年度の景気を予測する私としましては、本当にこのデータを示すのは、「戦々恐々」です。

では、4月度の税収の内、3大税収である「所得税」「法人税」「消費税」をピックアップしてみましょう。

【2016年度3月分税収】
所得税合計
4月分 2,654,259 前年同月比 100.9←117.2
累計 17,535,996 前年同月比  98.9←98.5
予算前年度比 99.5% 進捗 99.0% 前年度 99.6%

 源泉徴収分
 4月分 1,142,385 前年同月比 102.6←123.8
 累計 14,475,021 前年同月比  98.1←97.7
 予算前年度比 99.2% 進捗 98.8% 前年度 98.1%

 確定申告分
 4月分 363,233 前年同月比 99.6←111.5
 累計 1,511,874 前年同月比 103.0←106.5
 予算前年度比 100.7% 進捗 100.2% 前年度 98.0%

法人税 
4月分 411,243 前年同月比 91.6←110.6
累計 5,593,693 前年同月比 94.1←94.3
予算前年度比 102.9% 進捗 53.9% 前年度 58.9%
消費税
4月分 1,795,323 前年同月比 101.9←100.4
累計 14,250,596 前年同月比 96.6←95.8
予算前年度比 96.4% 進捗 84.8% 前年度 84.7%

一般会計税収総額
4月分 5,510,848 前年同月比  100.2←101.5
累計 47,580,778 前年同月比  97.9←97.7
予算前年度比 99.2% 進捗 85.2% 前年度 86.3%

さて。中々微妙な数字ですね・・・。
「所得税」に関しましては、年間を通じて最も大きな数字が出てくる月が4月、つまり今回の統計結果となっています。
前年度比として0.4%足りていませんが、5月度でどこまでこの数字をカバーできるかが肝ですね。

「所得税」の中でも確定申告分は累計で前年度比103%を達成しており、所得税の予算前年度比が100.7%、この数字に対する進捗割合が100.2%となっていますので、既に前年度をオーバーしていることが確定しています。

「法人税」と「消費税」の税収が年間で最も大きくなるのは次月である5月。

一般会計税収総額は前年度比97.9%。その額は約1兆円です。
法人税が▲3746億円、消費税▲5090億円。

所得税源泉徴収分差額が▲2871億円所得税申告分が+882億円。所得税全体としては▲1988億円。
所得税5月分は毎年全体で700億円~800億円ですから、どう頑張っても所得税全体でのマイナス分を取り返すことは難しいと思われます。

つまり、所得税収は前年度割れ。この理由として、私が居住する四国の所得税状況として、事業主が納める申告分所得税は増えたものの、投資から生まれる所得税が減少したため、前年度割れをした、との報道がありました。つまり、実体経済によらない、金融頼みで収益を得ていた人たちの所得が減収したということです。

これを見ても、私がさんざんお伝えしている通り、「金融頼み」ではなく、「労働の対価」として支払われる「給与」や「経営」によって所得を得ることが大切であることがよくわかります。

話が少しそれましたが、所得税で落とすことがほぼ確定している税収分を果たして法人税及び消費税で賄うことが出来るのか。この差額を5月一月で解消できるのか、という部分が見所ですね。

ちなみに、2015年度5月のデータによりますと、法人税収は4兆5889億円。消費税収は4兆1253億円。共に4兆円を上回る税収です。この2税で、4月分で前年度割れしている1兆円分を補てんすることが出来るのか。

本当にドキドキものです。



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カテゴリー名を長らく 消費増税問題 としていたのですが、カテゴリー名としては対象を限定してしまうので、「日本の税収の見方」へとカテゴリー名を修正しました。

改めて、2016年度3月分所得税・法人税・消費税に関する記事を掲載したいと思います。


税収に関しては、2016年9月までほぼ毎月記事にしていたのですが、税収を毎月記事にすることそのものに、余り意味がないことに気づいてしまったため、10月以降はこれを記事にすることを中断していました。

その最大の理由は「消費税」の納税方法にあります。

消費税は、前年度の納税額に応じて「毎月納税」「二カ月ごとに納税」「半年に一度納税」「年に一度納税」という4つのパターンがあります。

前年度の納税額が大きければ大きいほど納税回数が多くなるのですが、その納税額は「1年間の納税額を均等割りした金額」となります。

ですが、1年間で納税しなければならない納税額が一体いくらになるのか。これはその年度が終了しなければわかりません。
解らない以上、均等割りして納税することは不可能ですので、そこでその納税額は「前年度の納税額を参考に」納税してかまわないということになっています。

つまり、前年度1年間の納税額を均等割りし、最終付きに不足する分はまとめて納税したので構わない、というやり方です。
逆に多く納税しすぎていた場合は最終月の納税額が少なくなるわけです。

ということは、毎月収められている「消費納税額」は、今年度の収益に基づくものではなく、前年度の納税額に基づくもの。
つまり、まったく参考にならない額である・・・ということに私は気づかされてしまいました。

以来私は税収について記事にすることを中断したわけです。
ところが、ついにその「年度」の納税額が一体いくらになるのか・・・ということがわかる時が来ました。

それが今月です。もちろん既にお伝えしました様に、消費税の納税は2か月遅れても構わないことになっていますから、年度の納税額がはっきりしたからと言って、全社きちんとした額を納めるわけではありませんが、3月に納税された金額を参考にすれば、通年で納税される金額が一体どの程度になるのか、その予測がつくことになるのです。

また、これ以外にも

【所得税の申告期限】
源泉徴収分 毎月翌10日

 納期の特例を受けている場合(平成28年度の場合)
 1月~6月分・・・7月11日 7月~12月分・・・1月20日

確定申告分 3月15日

 予定納税 第1期・・・8月1日 第2期・・・11月30日

【法人税の申告期限】
事業年度終了の日の翌月から2か月以内

等となっており、毎月現状を把握できるのは源泉徴収分のみで、法人に関して言えば所得税は政府会計年度、法人税は事業会計年度が終了しなければ全体の納税額は解らない為、特に事業会計年度が集中すると考えられる3月末まで待つことで、年度通年の「税収」の見込みが立つこととなるわけですね。

要は、税金は基本的に年に1回納められるものであり、その期限が集中するのが3月であるため、3月にならなければその年度の「税収」は見込みがつかない、ということです。


で、その2016年度3月のデータがようやく出て来ました。

2016年度3月税収

一覧で書き出してみます。

【2016年度3月分税収】
所得税合計
3月分 718,068 前年同月比 117.2 ←105.9
累計 14,881,737 前年同月比 98.5 ←97.7

 源泉徴収分
 3月分 354,835 前年同月比 123.8 ←107.8
 累計 13,332,636 前年同月比 97.7 ←97.1

 確定申告分
 3月分 363,233 前年同月比 111.5 ←94.9
 累計 1,549,101 前年同月比 106.5 ←105.0

法人税 
3月分 218,714 前年同月比 110.6 ←105.0
累計 5,593,693 前年同月比 94.3 ←93.7

消費税
3月分 827,703 前年同月比 100.4 ←98.7
累計 12,455,894 前年同月比 95.8 ←95.5

一般会計税収総額
3月分 2,791,756 前年同月比 105.1 ←101.5
累計 42,072,523 前年同月比 97.7 ←97.1

さて。私としてはこの「税収予測」に関して、前回思いっきり外してしまった経験があるのでこの様な形で予測を行う事には戦々恐々なのですが・・・

ご覧の通り、3月の数字は全て2月分より改善していますから、当然累計でも改善されています。
私がなぜこの「税収」にこだわるのか。

これはカテゴリー名が以前は「消費増税問題」としていたことからもご推察いただけるかもしれませんが、私がチェックしているのは、安倍内閣に於いて「消費増税」が行われた結果、日本の「消費」は減退するのかどうかということです。

特に「消費税」というのは、日本国民が起こした「消費」にかけられる税金ですから、消費税収から逆算することで日本国全体で起きた「消費」総額をを求めることが出来ます。

例えば私がずっとこだわって記事にしている「消費者物価指数」や、その他統計局が発表している「家計消費」などのデータで日本国内で起きている「消費」を知ることができる・・・と一般的には思われているわけですが、実際にはこれらのデータは大元となっている情報が「アンケート結果」ですから、その信憑性ははっきり言うと「参考程度」にしかならない数字です。

ですが、「消費税収」に関してはこのあたりとても正直です。
勿論「消費」を起こすのは家計だけではありません。当然「企業」や「政府」も起こすわけですが、GDPデータ等から見てもその大半を「家計」が起こしていることは想像に難くありません。

つまり、「消費税収」が年間を通じて増えているのか、減っているのかということを調べることで、一年間の消費が増えたのか、それとも減ったのかということを知ることができるのです。

時間的イレギュラーや、必ずしも申告者が正確に申告するわけではないことなど、正確にならない要素もありはしますが、特に1年間待ち続けることで、少なくとも「時間的イレギュラー」は解消できますし、アンケート結果に頼った消費者物価や家計消費などに比べれば、よほどその信憑性は高い、と私は考えています。


一般会計税収全体としては、2016年11月まで2015年度比で政府は102.3%の予算を組んでいたわけですが、法人税収の伸び悩みなどから、途中でその目標を99.2%に下方修正しました。

このことで野党やその野党を指示している面々からは「アベノミクスの失敗だ」とか、また元々安倍内閣を支持していながら、消費増税に伴って手のひらを返した面々からは、「消費増税のせいだ」といった批判を受けたわけですが、既にお伝えした様に月ごとに正確な税収が反映されていたのは「源泉徴収分」のみ。

それ以外の数字は3月のデータが全てで揃うまで(2か月のタイムラグを合わせて5月のデータが出てくるまで)、信憑性のある税収の評価はできません。

ですので、個人的には目標を下げる必要などなったのではないか・・・とも思っているわけですが、これもまた5月が到来するまでは何とも言えませんね。

ただ、少なくとも3月のデータで見る限り、主要三税、「所得」「法人」「消費税」そして「一般会計税収総合」は全て前年度の数字を上回っています。

私にとって特に「消費税収」と「一般会計税収総合」はアベノミクスの成否を判断する上での試金石。
三月のデータを見る限りでは、4月、5月と一気に納税が行われるのではないか・・・と考えています。

両月の結果をハラハラしながら見守りたいとおもいます。



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<継承する記事>
第210回 2016年度9月次税収(消費税収・所得税収等)が発表されました①

「消費納税」の考え方

全開の記事より、「消費税」の部分だけをピックアップして記事にしてみます。
内容としては、2015年度中に私が考え続けていた「誤解」をより詳らかに説明することを目的とします。


【2015年度の「誤解」とは?】

何度もお伝えしています通り、「消費税」は「前年度の納税額」を参考に決められます。
今年は2016年なので、2015年の納税額を参考に決められています。2015年の納税額は、2014年の納税額を参考に決められています。

ですが、私は当初、「今年度」の「月別」データは、「今年度の消費」に対して支払われた税金だとずっと思いこんでいました。

【第一の誤解】

2014年。消費増税が行われた当時。

確かに5%から8%に増税されたため、「税収」だけで比較すれば3%分の誤差が生れるため、フェアな比較はできないかもしれない。だが、税率がかけられる前。税抜きの消費額同士を比較すれば、「消費の変化」を見ることができるはずだ。


【真実】
会計年度、決算月の違いにより、企業の中には2014年度に2013年度分の消費税を納税する企業がいる。
したがって2014年度の税収からは正確な「税抜きの消費金額」を計算することはできない。

【第二の誤解】

2014年の誤解を踏まえた上で。2015年度スタート当時。

2014年度は確かに税率が混在するかもしれないが、増税前の税率は5%、増税後の税率は8%なので、2013年の月別のデータから5%分、増税後、2015年の月別のデータから8%分の税率を引いて計算すれば、税抜きの消費金額を算出し、増税前後を比較することができるはずだ。

【真実】
「消費税率」には「国税」と「地方税」が混在していて、政府が公表しているのは「一般会計税収(国税)」であり、増税前は4%が国税分、増税後は6.8%が国税分なので、そもそも計算する税率が違う。

【第三の誤解】

自らの予測が大外れしてショックを受けた2015年5月までの間。

政府が発表している一般会計は「国税」であり、増税前の2013年度の月別の税抜き消費額を税率4%から逆算し、増税後、2015年度の月別の税抜き消費額を6.8%から逆算し、それぞれを比較すれば消費額の変化を月別に比較できるはずだ。

【真実】
年間の消費税納税総額が分かるまでの間、月別の消費税納税は前会計年度納税額を参考にして決められている。


特に、第三の誤解を知ったときは、正直雷で撃たれたような衝撃を覚えました。

これらの誤解に対するそれぞれの真実を踏まえた上で、増税前後の「消費税収」について考えてみます。


2014年度の消費税収と2015年度の消費税収についての考え方

消費税の「税抜き価格」を計算する場合、一番考え方が難しいのは2014年度です。


【2014年度の「月別」の消費納税額】

2014年の「月別」の消費納税額は、増税が行われる前。2013年度の消費納税額を参考に決められています。

ただ、実際に2014年の月別の納税額を見てみますと、2013年度の実績以上の納税が行われています。
考えられる理由としては分納を行うことができるのは前年度に納税額が大きかった企業だけですから、納税額そのものが大きくなっていること、などでしょうか。

また、年間を通じて実績を上げ続ける自信のある企業などはきちんと月別でも8%勘定の納税を行っていたのかもしれません。
どちらにしても2014年の月別の消費納税額は増税前、2013年のものを参考としていますので、本来の実績よりも低い納税額となっています。


【2014年度の「年間」の消費納税額】

一方、「年間の消費納税額」に関して言えば、2014年度の納税額の一部には2013年度の実績も含まれていますから、トータルでの納税額も年間を通じて完全に8%の税率が適用されている2015年度と比較すると低くなっています。


【2015年度の「月別」の消費納税額】

一方で、2015年度の「消費税収」は2014年度の実績をベースに決定されています。
ですので、2015年度の「月別」の納税額は2015年度実績ベースの納税額よりは低い納税額となっています。


では、改めて今年度(2016年度)9月次の「消費税納税額」を見てみます。

平成28年度 9月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省

イメージからしますと、納税までに2か月の猶予がありますから、実際には2か月前。7月の納税額です。昨年度(2015年度)の7月の納税額を参考に行われた7月分の納税額です。勿論8月分や9月分の納税を行っている企業もいます。

6月までは還付分が反映されていて、累計はマイナスになっていますので、正味7月~9月の3か月分のデータです。
累計で前年同月比93.1%、予算比で98.6%となっています。

飽くまでも昨年度の実績が反映されたものであり、14年、15年の実績と違って初めて純粋の税率8%同士が比較されたデータであることもあるのですが、「マイナス」っていうのはあまり気持ちのいいものではありませんね。


【その他の税収について】

税収全体で見ますと、前年同月比は前年比95.2%、予算比が102.3%となっています。

下落幅として大きいのはやはり筆頭が「法人税」の累計53.1%(-2746億円)ですが、金額の面だけからいえば消費税の-3177億円も大きいです。

その他前年同月と比較して、揮発油税の-126億円、関税の-568.6億円などが大きいです。
一般会計税収全体としては8029億円のマイナス。ただ、予算比ではプラスとなっていますから、このまま予算ベースの値を維持することに期待したいですね。




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発表されてから少し時間が経過してしまいましたが、毎月月初に発表されている「税収」の月別の値が財務省より公表されていますので、こちらの内容を記事にしてみたいと思います。

第186回の記事 でもご説明しましたが、私がこの「月別の税収」にこだわり始めたのは、そもそも「消費増税が行われてから後、消費が落ちているのではないか」とする各種の主張に異を唱えることが目的でした。

「消費税」は「消費されたもの」に対してかけられる税金ですから、消費税率がかけられる前の「消費本体」の動向を見れば、本当に消費が減っているのかどうかを判別することが可能になるからです。

ただ、記事を作成していて、よくよく考えると、「今年度の月別の消費税収」は「昨年度の納税額」を参考にして決められているため、実際に今年度月別に収められている消費税の納税額は、昨年の納税額を参考にして決められていることになりますので、月別の「消費税納税額」は参考にはならない・・・ということに、8月の記事を作成していて気づいてしまいました。

ですから、「月別の消費税納税額」は「この年の消費動向の参考とはならない」ことを前提として記事を作成することになります。


【2016年度9月次税収】

平成28年度 9月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省

こちらが2016年9月次一般会計税収一覧です。


【所得税収について】

8月分 と比較しての大きな違いとして、「所得税源泉分」の前年同月比ベースでのマイナスです。

8月は100.3%でしたが、9月は82.9%と大きく下落していますね。
ちなみに9月に納められる所得税収は、8月分の所得税収。

ですから、8月の「給与所得」が前年を下回っていたことになります。
但し、これについては第188回の記事 で既にその理由をご説明しています。

厚生労働省2016年8月分毎月勤労統計によりますと、2016年はボーナスの支払いが7月に集中しており、2015年は8月に集中していたため、その差として8月の名目賃金総額が下落しました。7月のボーナス支給が前年同月比でプラス3.7%、8月のボーナスが前年同月比でマイナス7.7%ですから、原因はここだと考えられます。

累計が前年同月比でマイナスになっていますので、私の主張は「希望的観測」なのかもしれませんが、政府の予算ベースでも101.9%と100%を超えていますので、政府も同様な予測を元々行っていたのだと思います。

また一方で同じ所得税でも「申告分」は前年比でプラスとなっています。
これは、企業が7月に行った「予定納税」が理由であり、9月にも前年を上回る予定納税が「遅延」して行われたものと考えられます。

トータルではやはり「所得税源泉分」が足を引っ張る形となり、前年比累計96%となっていますが、予算比では100.9%となっています。


【法人税収の推移】

「法人税」に関しましては、8月次の記事 でもお伝えしました通り、納期は年1回。前年の納税額が20万円を超える企業は中間納税を行うこととなっています。

累計の前年同月比が53.1%となっていますが、これは7月まで行われていました、前年度の法人税納税額の還付の影響が大きくなっています。9月次の納税額は前年同月比で96.7%、累計での政府予算比は113%となっています。


【消費税収について】

既にお伝えしています通り、「消費税納税額」は昨年度の納税額をベースに決められています。
ということは、昨年度の納税額は、「一昨年」の納税額をベースに決められていました。

消費税は、前年度の納税額によって、「毎月」「2か月に1度」「半年に一度」「1年に1度」という4つのパターンでの納税を行うことになっています。

この納税方法について、第114回の記事 で一度詳しく説明はしているのですが、では読んですぐ理解できるかというと、必ずしもそのような内容にはなっていないように感じますので、一度記事を分けて、「消費税」の部分だけピックアップして記事にしたいと思いjます。



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<継承する記事>第186回 2016年度8月次税収(消費税収・所得税収等)が発表されました①
それでは、前回に引き続き、2016年度8月次税収についてチェックしてみます。

【2016年度8月次税収】
平成28年度 8月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省

一般会計税収トータルで見ますと、8月の税収が前年同月比97.8%、累計で95.8%となっています。
7月が単月で91.5%、累計で94.9%ということでしたから、どちらも回復はしていますが、マイナスっていうのはちょっといただけませんね。

ちなみに「一般会計税収」っていうのが、所謂「日本国政府」の総予算のことです。


【法人税収について】
マイナス要素として大きいのは「法人税」でしょうか。

ただ、調べてみますとこの「法人税」。申告回数が事業年度決算月のみの年1回。申告期限が決算月より2か月間猶予されていますね。また、前年の納税額が20万円を超える場合は中間申告を行う必要があるとされていますから、多くても年2回。つまり、申告頻度が他の税制に比べて少ないんですね。

法人税。累計で33.2%となっていますが、前月までで税収の還付等も多く行われているようですので、この様なことが影響しているものと思われます。

累計ベースですと、法人税が金額で前年比約2700億円のマイナス。一般会計全体のマイナス分が5700億円ですから、一般会計税収の半分以上が法人税のマイナス分によるもの、ということになります。

ただ、政府予算ベースですと法人税は113%増、一般会計全体で102.3%となっていますから、こちらは順調である、ということではないでしょうか。


【所得税について】
所得税の場合、「源泉分」と「申告分」の2種類の所得税があります。

「源泉分」とは所謂給与所得から徴収される所得税のこと。
事業主等勤め人ではない人で、確定申告を行う必要がある人はもう一つの「申告分」に集計されています。

「申告分」に関しては、確定申告を行う必要があるのは年1回ですので、こちらも法人税と同じく申告頻度が他の税収より少なくなっています。ただし、確定申告については、一部「予定納税」を行うことが認められている人がいて、予定納税は7月と11月に行われています。

ですから、申告分の納税は7月に初めて行われ、遅延分が8月に納税されているものと考えられます。

前年同月比でみると、源泉では8月分が横ばい、累計で97.5%となっていますから、この数字で見る限りでは労働者に対して支払われる給与が伸び悩んでいるのかな、と考えることができます。

トータルでも累計分は98.1%ですから、源泉分の所得税が足を引っ張っていることになります。
但し、予算ベースで見ると逆に申告分が伸び悩んでおり、源泉分と合計分では順調だと考えることができますね。月別の予算はどのようにして計算しているんでしょう。疑問です。


【消費税について】
ある意味「ほんまる」ですが、消費税収について。

7月度のデータ では単月が95%、特に累計が87%と「伸び悩み」が見られたのですが、8月は単月では100.3%と前年度並みに回復し、累計は92.6%と、90%台にまで戻してきています。

ここは安倍内閣の「消費」が減退しているのか、成長しているのかを推しはかるための数字ですから重要です。
・・・といいたいところなのですが、よくよく考えてみるとこの数字、実は今年度の消費額ではなく、前年度の「総納税額」を参考に支払われているもの。ということは、月別の納税額から「消費」そのものを推し量ることは不可能ということ・・・。

年度が終わるまで待たなければならないということに今気づいてしまった私でした。


【他の税収について】
さて。その他の税収に関してですが、「たばこ税」「酒税」「揮発油税」等、これらのデータは軒並み金額ではなく「消費量」に対して課せられるもの。これらの税収が減退しているということはすなわち、「消費量が減っている」ということ。

たばこ税などは健康志向の問題もございますので、おいておくとして、特に「揮発油税」などは物価そのものが下落しているわけですから、消費量そのものは増えていてほしい分野だったのですが、残念ですね。

ハイブリッドや電気自動車等が増えている影響もあるのかもしれません。

ふ~~む。
明るい判断材料が出ることを期待したんですが、どうも8月の税収データは芳しくありませんね。

っていうより、単月の消費税収データからは消費そのものを算出することが難しい、ということに気づいてしまったのが一番痛かった・・・。3月まで待て、ということですね。

来月以降も、目立つ情報があればこの税収に関する情報をお示しできればと思います。
ただ、消費税収が単月データでは云々・・・ということに気づいてしまった今、そこまで取り分けてお示しする必要性は薄れてしまったのかもしれません。



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<継承する記事>第160回 2016年度7月次税収(消費税収・所得税収等)が発表されました。
先月よりこだわって表示させていただいている月別の「税収」。

特に「消費税収」については安倍内閣において増税が話題とされ始めて以来、継続してチェックし続けてきました。

私がなぜこの「消費税収」についてこだわるのか。
ブログを具に読んでいただいていて、ご存知の方も多いかもしれませんが、私は「消費増税」に関して「必要だ」とするスタンスを取っています。

理由はただ一つ。「政府支出」には「明確な財源の裏付けが必要だ」と考えているからです。
「財政規律」と一言にいいますが、政府が組む予算って、単年度、もしくは直近の経済状況のみを考えて組んでよいものではないと思います。

勿論、「60年償還ルール」が存在し、仕組み上万が一つも破綻する可能性のない日本の国債が、あたかも破綻するかのように煽ったり、「収支均衡(プライマリーバランス)」などというよくわからない表現で根拠のない財政規律の必要性を訴えるのも正直どうかと思います。

ですが、「財源の裏付けのない予算」は、将来的に「日本国民の生産意欲の剥落」をもたらすのではないか、と私は考えています。

ベーシックインカム の問題についてもそうなのですが、予算に財源が必要ないのならば、最終的に労働していない人、つまり生産活動を行わない人たちに対しても無尽蔵にお金を配ればよいのでないか、という発想につながってしまいます。

生産活動をが行わなければ、結局物資が不足し、所謂「供給不足」に陥ってしまいますし、そうなると物価が高騰し、又は海外からの輸入に物資を頼らざるを得なくなります。つまり、日本経済のイニシアチブを海外に握られてしまうことになるんですね。

それが本当に日本国民にとっての「国益」につながるのかということです。

「増税なんてしなくても国債発行で賄えばいいじゃん!赤字は日銀に補てんさせればいいじゃん!」という結論をどこかのタイミングで政府が行ってしまうと、所謂「財政規律」に収集がつかなくなるのではないか、ということを「消費増税問題」は私たちに突きつけています。


前置きが長くなりました。で、「消費増税」に反対する人たちが消費増税に反対する理由の中に、「増税すれば消費が減退する」という人が多いため、そうではないんだということを追求するため、この「消費税収」にこだわってきました。

私が何度もこのブログでお示ししている様に、政府が発表するマクロ指標には、所謂「サンプル指標」が用いられており、また更にサンプルから計算式によってマクロデータ(消費者物価指数やGDPなど)を引っ張ってきているため、計算方法に伴うバイアスも発生しています。

そもそもサンプルの取り方が偏っていれば日本の「消費」や「景気」を正確に計算することはできませんし、何度もお伝えしている様に、現在の日本の「消費に関する指標」には海外からの輸入物価の変動に絡む「エネルギー価格の変動」が込で算出されており、物価の下落によって本当に景気が良くなっているのか、悪くなっているのかということすらわからに状況に陥っています。

ですが、その点「消費税収」には上記したような「サンプルバイアス」も「計算式に伴うバイアス」も発生しません。
単純に「消費されたもの」に関して課税されますから、税収から本体価格を逆算することで、バイアスが含まれない「消費」そのものの動向を計算することが可能になるのです。

勿論「課税対象となったもの」に限定されますし、中には未納者もいますからその分は正確に反映されません。
ですが、未納率が毎年一定であることや、課税対象となる品目も一定であることから鑑みれば、所謂サンプル指標に比べればより正確な消費動向が反映されるものと考えています。

ただ、この中には「エネルギー価格」も含まれていますから、その分は別途考慮する必要はあります。

で、これを計測することで「増税によって消費が減っている」説を打ち砕こうと考えたわけです。

結論として、私の推測は正しく、消費税収から産出される「消費」動向は増税前を増税後の方が上回っていました。
消費増税を行っても尚、「アベノミクス」は成果を上げていたという証拠です。

このことは、政府もきちんとキャッチしていて、内閣府がマクロ指標の計測を見直す方針を示しています。
このニュースに関しては後日記事にいたします。

さて。改めて今年度もこの「消費税収」のチェックを続けているのは、アベノミクスの効果は、本当に継続しているのか?
今年も「消費」は伸び続けるのか。このことを調査することが目的です。

ただ、年初は前年度余分に支払った税金の「還付」も行われ、正確に反映されない面もありますので、今年度は「消費税収」だけでなく、所得税や法人税など、他の税収についても合わせて計測することで、「消費動向」を調査していこうと思います。

文章が長くなりましたので、8月度結果発表は次回記事に委ねます。

平成28年度 8月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省



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消費税問題 のカテゴリーなどで時々お示ししてはいるのですが、実は日本国政府が公表している「税収」は毎月1日に発表されています。

基本2か月遅れでの発表なのですが、「税収」は「GDP」や「消費者物価指数」などのマクロ指標とは異なり、「推測」ではなく「実績」の統計データが発表されますので、結構信頼性の高いデータです。

「税収」は実績である以上、「支払われた税金」しか計上されないという欠点はあります。
つまり、「支払われていない税金」に関しては計上されないため、その分本来の結果との間で「ブレ」が生じます。
ただ、そのことをあらかじめ想定して考えることで、より確実性の高い分析・および予測が可能になります。

今月1日にも、今年度7月次のデータが公表されています。

【平成28年(2016年)度 7月末租税及び印紙収入、収入額調】
平成28年度 7月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省

【今回のテーマ】
今回の記事では今月1月に公表された2016年度7月のデータに関して、その評価と今後の経済に対しての予測を行ってみたいと思います。

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