FC2ブログ
政治など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>政治


<継承する記事>第515回 学術会議問題~民主主義科学者協会法律部会と判例から検証~

本日は令和2年11月20日…ということで、菅(すが)内閣が誕生してから早くも2カ月が過ぎようとしています。

学術会議の問題も少し時代遅れの様相を呈してきましたが、私としては本日の記事が最もオリジナリティの高い内容ともなっていますので、どうしても記しておきたい・・・ということで、空気を読まずに記事を作成していきます。

第514回 学術会議任命拒否は違法か?選任方法が変更された理由
第515回 学術会議問題~民主主義科学者協会法律部会と判例から検証~

こちら2つの記事に続く3記事目。学術会議問題についての完結編です。

第514回の記事では「学術会議法」そのものから、第515回の記事では平成17年に学術会議法改正が行われたその理由と結果という側面からそれぞれ記事を作成しました。

そもそも学術会議会員の選出方法に多くの課題があったわけですが、17年に行われた改正でもこの問題は解決されなかった。

会員全体に占める「法学者」の数に偏りがあり、更にその半数が共産党が設立した民間団体に所属する学者である…という事が現時点で学術会議法最大の課題です。

これを解消するために平成30年、「推薦」によって任命される他の法制度の過去の「判例」を下に、17年に法改正された学術会議法の「法的な解釈」を明確化するための協議が内閣法制局と学術会議事務局との間で行われ、学術会議事務局によってその書類が作成されました。

ここまでがこれまでの「あらすじ」です。

菅さんはこの「任命拒否」について、その理由を説明しようとしないわけですが、この事を「違法である」という意見を見かけることがあります。

私の予測としては、この理由を説明してしまうと野党によってさらに質問の応酬に晒され、国会審議で重要な審議等に時間をさけなくなることを想定してのものだと考えているのですが、ではこの菅さんの対応は法的に問題があるのでしょうか?

本日の記事のテーマはこの内容について記してみたいと思います。


学術会議任命拒否理由を説明すべき法的根拠

では、菅さんが任命拒否理由を説明しないことが「違法である」と主張する人たちは一体どのような理由でこれが
「違法」だと主張しているのでしょうか?

実は、この理由ではないかと考えられる法律がたった一つだけ存在します。それが「行政手続法」です。

行政手続法 

第8条
1.行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。

ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。

2.前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。

第14条
1.行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。

2.行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。

3.不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。

学術会議は「内閣府」に所属する行政機関、との位置づけですから、学術会議会員の任命とは「国家公務員の任命」を行う手続きになります。

国家公務員の任命は、「特許」という「行政行為」になるのだそうです。

で、もし今回の学術会議の問題において、菅さんの行った内容が任命「拒否」なのだとすれば、任命を拒否されたことによって不利益を被った人がいるはずです。

もしくは、学術会議法に定められている「会員の推薦」という手続きが、任命権者である総理大臣への「申請手続き」に該当するのだとすれば、その申請を拒否するわけですから、菅(すが)さんには前記した行政手続法第8条によって申請を拒否した理由を説明する「義務」が発生します。

この事が、菅さんに対して「拒否理由を説明すべき」「説明しないのは違法である」と主張する人たちのその「法的根拠」です。


任命拒否理由を説明しないのは違法なのか?

「会員の推薦」という手続きを「申請」と考えるのであれば、推薦を行った人間(もしくは団体)が申請をしているわけですので、推薦を行った現学術会議の会員が「申請者」ということになりますね?

では、行政手続法において「申請」という行政手続きはどのように定義されているのでしょうか?(後程ピックアップしますので、まずは枠内は読み飛ばしてください)

行政手続法

第2条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規程を含む。以下「規則」という。)をいう。

二 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

三 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

四 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

 イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
 ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
 ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
 ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

五  行政機関 次に掲げる機関をいう。
 イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、w:内閣府設置法 (平成11年法律第89号)第49条第1項 若しくは第2項 に規定する機関、w:国家行政組織法 (昭和23年法律第120号)第3条第2項 に規定する機関、会計検査院若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員
 ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)

六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

七 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

八 命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。
 イ 法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む。次条第二項において単に「命令」という。)又は規則
 ロ 審査基準(申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)
 ハ 処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)
 ニ 行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。以下同じ。)

行政手続法2条全体を掲載しましたが、この内「申請」については第3項に以下のように掲載されています。不利益処分についても掲載されていますので、ついでにピックアップしてみます。

申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

 イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
 ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
 ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
 ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

「申請」の部分を見てみますと、以下のように掲載されています。

法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。


これが行政手続法における「申請」の定義です。

行政法における「特許」とは、「国民が本来有していない特殊の権利・能力・法的地位を与える行為」についていうのだそうです。

公務員の任命とは、まさにこの「特許」に該当するわけです。「公務員に登用」された結果、「特殊の権利・能力・法的地位」を与えられるわけですから、公務員の任命手続きは行政法第2条でいう「行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分」に該当しますね?

では、「学術会議法」にのっとって学術会議の現会員が推薦し、その結果としてその推薦された候補者が学術会議の会員として認定される手続きの場合はどうでしょうか?


「推薦」と「申請」

私、今回の記事の中で、学術会議よりの「推薦」について、「仮にこれを申請と考えるのだとすれば」という仮定の下にお話ししていますね?

では、学術会議よりの「推薦」とは、本当に「申請」に該当するのでしょうか。

仮に、学術会議よりの「推薦」を「申請」と考えるのだとすれば、その申請者は推薦を行った「現学術会議の会員」になることをご説明しました。

そして「申請」の定義の中に、「自己に対し何らかの利益を付与する処分を求める行為」である、という文言が含まれていましたね?

仮に「現学術会議の会員よりの推薦」を「申請」であると考えるのだとすれば、行政手続法、「申請」の定義における「自己」とはすなわち「現学術会議の会員」だということになりますね。

定義を読みかえれば、「申請者に何らかの利益を付与する処分を求める行為」が「申請」なのですから。

では、「行政団体」であるはずの「学術会議」。その会員は当然「国家公務員」です。では、現在国家公務員であるはずの現学術会議の会員が、「自己の利益」を求める申請を行うことは、果たして法的に問題はないのでしょうか?

あくまでも仮定の話ですが、現学術会議の会員が「申請」を行うことによって、次期学術会議の会員が選出されることになります。

現在民間人である(現在国立大学の教授の場合は既に公務員)非会員が新たに学術会議の会員になることによって現学術会議の会員が利益を得る。

果たしてそのようなことが許されるのでしょうか?


「行政機関」の行う手続きは「行政手続法」によっては規定されていない

そうです。

当然前述したような内容は法律。「行政手続法」そのものによって否定されています。(枠内はまずは読み飛ばしてください)

行政手続法

第4条
1.国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。

2.次の各号のいずれかに該当する法人に対する処分であって、当該法人の監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの(当該法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又は当該法人の役員若しくは当該法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)については、次章及び第三章の規定は、適用しない。
 一 法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人
 二 特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人のうち、その行う業務が国又は地方公共団体の行政運営と密接な関連を有するものとして政令で定める法人

3.行政庁が法律の規定に基づく試験、検査、検定、登録その他の行政上の事務について当該法律に基づきその全部又は一部を行わせる者を指定した場合において、その指定を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)又は職員その他の者が当該事務に従事することに関し公務に従事する職員とみなされるときは、その指定を受けた者に対し当該法律に基づいて当該事務に関し監督上される処分(当該指定を取り消す処分、その指定を受けた者が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる処分又はその指定を受けた者の当該事務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)については、次章及び第三章の規定は、適用しない。

4.次に掲げる命令等を定める行為については、第六章の規定は、適用しない。
 一 国又は地方公共団体の機関の設置、所掌事務の範囲その他の組織について定める命令等
 二 皇室典範 (昭和22年法律第3号)第26条 の皇統譜について定める命令等
 三 公務員の礼式、服制、研修、教育訓練、表彰及び報償並びに公務員の間における競争試験について定める命令等
 四 国又は地方公共団体の予算、決算及び会計について定める命令等(入札の参加者の資格、入札保証金その他の国又は地方公共団体の契約の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定める命令等を除く。)並びに国又は地方公共団体の財産及び物品の管理について定める命令等(国又は地方公共団体が財産及び物品を貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又はこれらに私権を設定することについて定める命令等であって、これらの行為の相手方又は相手方になろうとする者に係る事項を定めるものを除く。)
 五 会計検査について定める命令等
 六 国の機関相互間の関係について定める命令等並びに地方自治法 (昭和22年法律第67号)第二編第十一章 に規定する国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係その他の国と地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間の関係について定める命令等(第1項の規定によりこの法律の規定を適用しないこととされる処分に係る命令等を含む。)
 七 第2項各号に規定する法人の役員及び職員、業務の範囲、財務及び会計その他の組織、運営及び管理について定める命令等(これらの法人に対する処分であって、これらの法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又はこれらの法人の役員若しくはこれらの法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分に係る命令等を除く。)

ピックアップしますと、

1.国の機関又は地方公共団体若しくはその機関に対する処分(これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の名あて人となるものに限る。)及び行政指導並びにこれらの機関又は団体がする届出(これらの機関又は団体がその固有の資格においてすべきこととされているものに限る。)については、この法律の規定は、適用しない。

要約しますと、「行政機関と行政機関との間の手続きには『行政手続法』は適用しない」

と書かれています。

同じく4条の以下の条文では
2.次の各号のいずれかに該当する法人に対する処分であって、当該法人の監督に関する法律の特別の規定に基づいてされるもの(当該法人の解散を命じ、若しくは設立に関する認可を取り消す処分又は当該法人の役員若しくは当該法人の業務に従事する者の解任を命ずる処分を除く。)については、次章及び第三章の規定は、適用しない。

「行政機関が行った『不利益処分』には『行政手続法』は適用しない」

と記されています。

私自身、SNSで議論する中で、行政書士さんから直接教えていただいた内容にはなりますが、今回の学術会議の問題を考える上では皆さんの参考になると思いますので、今回記事にさせていただきました。

現学術会議の会員が行ったのはあくまでも「推薦」であり、当然「指名」ではありませんし、「申請」でもありません。

やはりその判断は 第515回の記事 にて私が掲載しましたように、他の法律で行われた「推薦」。その「判例」に基づいて判断されるのが適正であると思います。

つまり、菅さんが、次期学術会議会員候補者の一部をその推薦から除外したことに、ついて、その理由を説明しなかったことについて、これが「違法である」と裏付ける法律は存在しません。

つまり、菅さんは法令に則って粛々と自らの職務を果たしているのだという事がよくわかります。

30に上る学術会議の「専門分野」に対して、「法学者」のみが他分野の倍近い会員数を占めていて、かつその半数がなぜ共産党が設立した民間団体に所属する学者であるのか。

寧ろその「説明責任」は「共産党」にこそ求められるのではないでしょうか?




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>政治 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>政治


<継承する記事>第514回 学術会議任命拒否は違法か?選任方法が変更された理由

前回に引き続き、「学術会議」の「任命問題」に関連した記事を作成します。

この問題について客観的に判断するため、まずは前回の記事から、「学術会議の任命」についての考え方を纏めてみます。

1.学術会議における「選定方法」の変遷

・昭和57年 日本学術会議法の成立
・昭和58年 学術法の改正が行われる
・平成17年 推薦の選出を「学会」ではなく、「学術会議」が行うよう法改正が行われた。
・平成30年 前記した協議が学術会議事務局と内閣法制局との間で行われた。

2.政府より内閣総理大臣の任命権限について、「形式的な任命」との発言が行われたのは、58年の法改正に関連したもので、「現在(学術会議法制定当時)の有権者である科学者が会員の選出に関与する」ことが前提とされていた。

3.平成17年の法改正が行われた際、「学術会議法制定当時の有権者による推薦」ではなく、「学術会議の会員による推薦」へと選出方法が改められた。

4.17年に法改正が行われたことで、58年当時の政府が想定していた「現在(学術会議法制定当時)の有権者である科学者が会員の選出に関与する」という前提条件が崩壊した。

5.17年の改正は

・「在来の学問体系や諸学問分野の組織図から離れて組織が構成され、メンバーも選出されるべき」
・「科学に関する知識・意見の集約を幅広く行うため、産業人や若手研究者、女性研究者、地方在住者など多様な会員が業績、能力に応じて適切に選出されるようにすべきである」

という「総合科学技術会議」の具申を受けて行われた改正である。

6.筆者である私の私見として、17年の改正が行われたことを考慮しても、そもそも、「学術会議の会員」から「在来の学問体系や諸学問分野の組織」の影響が排除されていなければ、学術会議の根本的な問題は解消されない。

大きく纏めるとこのような内容になります。

今回の記事では、ここから更に6番の具体的な考え方と、タイトルにある「行政手続法」に関連した話題を記事としてまとめようと思います。


「在来の学問体系や諸学問分野の組織図」

先ほどの「まとめ」6番のポイントとして一番大きいのはこの「在来の学問体系や諸学問分野の組織図」ではないかと思います。

ということで、まずは「学術会議のホームページ」を見てみます。

日本学術会議

こちらが日本学術会議のホームページです。

ここから会員の名前なども見ることができるのですが、今回着目してみたいのはこちら。

学術会議協力学術研究団体

画像にリンクを貼ってますので、画像をクリックすると学術会議ホームページの「日本学術会議協力学術研究団体」というページにアクセスできます。

リンク先頁でPCであれば右サイドバー、スマホであれば画面下部より上図のようなリンク元を発見することができると思います。

「協力学術研究団」との名称がつけられていますが、要は17年に法改正が行われるまで、ここに記されているような組織からの推薦を受けて学術会議の会員が決められていたということです。

で、このような団体からの影響を排除しよう・・・というのが17年法改正の趣旨であったとも考えられるわけですが、この推薦団体の中に、以下のような名称の団体が存在します。

民主主義科学者協会法律部会

実際に学会のホームページより、前述の「協力学術研究団」の項目、マ行にアクセスしていただきますと、実際にその名称が記されており、クリックすればその団体のホームページへと遷移することができます。

情報としては私オリジナルのものではなく、以下のホームページで既に掲載されている内容です。

事実を整える

実は、前回の記事で引用させていただいた→「日本学術会議の問題雑感←こちらのリンク元ページと同じ作者の方。

たどり着き方は別々の方法でたどり着いたのですが、作者が一緒だったことに正直驚いています。私もこのような、多くの人に参照とされるような記事を作成していきたいですね。とても勉強になります。

引用します。

現時点での学問分野は30ありますので単純計算すると各学問分野で7名が選出されることになります。

法学はそのうちの1つであり、法学者がどれほど選出されているのか調べました。

18期 法学者23名 政治学者3名で第二部は計26名 ※7部構成 法学は第二部

19期 法学者20名 政治学者6名で第二部は計26名 

20期 法学者15名 ※3部構成に 法学は第一部

21期 法学者15名

22期 法学者15名

23期 法学者14名

24期 法学者15名

25期 法学者11名(外された3名を加えて14名) ※令和2年10月1日時点

裏付けはきちんとできている情報だと思いますので、この情報を事実として記事は進めていきます。

疑問点としてはまさに引用先の記事に記されている通りで、学術会議会員のすべての分野に占める「法学者」の割合が多いこと。

更に問題点として挙げられるのは、このうち

22期
法学者全15名中 民主主義科学者協会法律部会所属6名

23期
法学者全14名中 民主主義科学者協会法律部会所属5名

24期
法学者全15名中 民主主義科学者協会法律部会所属7名

25期(令和2年)
法学者全14名中 民主主義科学者協会法律部会所属7名(3名が任命されず)

引用元記事では25期の3名について「任命拒否」と記されていますが、私は「拒否」されたわけではないと考えていますので、「任命されず」と表記しています。

いかがでしょうか?

本来、全分野に平等に振り分けたとすれば、各分野7名ずつにしかならないはずなのに、なぜか法学者は毎年その倍以上の人数が推薦されており、更にその半数近くが「民主主義科学者協会法律部会」という民間団体に所属しています。

この状況を「異常だ」と感じることができない人がいるとすれば、その人の方が異常だと私は感じます。


民主主義科学者協会法律部会

では、この「民主主義科学者協会法律部会」とは一体どのような集団なのか。

これは、この団体が出している「声明」を見れば一目瞭然です。
①安保関連法案の強行採決に抗議し、そのすみやかな廃案を求める。(2015年7月26日)

②安保関連法案の採決に断固抗議する。(2015年9月20日)

③憲法9条解釈変更・集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議する声明(2014年7月20日)

④安保関連法案(戦争法案)に反対し、そのすみやかな廃案を求める研究団体共同アピール(2015 年6 月24 日)

ちなみに③の声明に関しては日本語だけでなく、韓国語、中国語、英語での声明も掲載されています。

「安保関連法案」の事を「戦争法案」と言っていた政党はどこだったか。考えなくてもわかりますね。

「日本共産党」です。

「民主主義科学者協会法律部会」という名称から想像がつくと思いますが、「民主主義科学者協会法律部会」は「民主主義科学者協会」の「法律部会」です。

つまり、本来であれば「民主主義科学者協会法律部会」以外に「民主主義科学者協会」というものが存在していなければおかしいのですが、実はこの「民主主義科学者協会」という団体、「1950年代末から1960年代前半頃にかけて大部分の部会は実質的に解体」しているのだそうです。

情報ソースとして、Wikiに掲載されている柘植正臣という人物の記した『民科と私』という書籍のみが現時点での情報ソースなのが心もとない点はありますが、この情報を下に記事は進めます。

この情報によりますと、「1956年の第11回全国大会開催を最後に民科本部としての正常な運営体制が崩壊」し、「翌1957年に本部事務所を閉鎖、事務局を解散した」とあります。

同ページにある情報として気になるのは、

「これらは運動体というより学会・研究会として活動しており、民科の当初の目的・活動はむしろ日本科学者会議に引き継がれている」

という部分です。あくまでWikiソースで、100%信用することはしませんが、そのような見方があるって事です。

ちなみに、「民主主義科学者協会法律部会」の「声明」としてご紹介させていただいたタイトルの3番には、その「賛同団体名」として以下の団体の名前が掲載されています。
新日本医師協会

新薬学研究技術者集団

地学団体研究会

日本医療総合研究所

日本科学者会議

日本科学者会議東京支部

民主教育研究所

文学教育研究者集団

民主主義科学者協会法律部会

唯物論研究協会

歴史科学協議会

歴史教育者協議会

東京歴史学研究会

歴史学研究会

この内「新薬学研究技術者集団」「日本医療総合研究所」「民主教育研究所」の3団体以外の名称は全て「日本学術会議協力学術研究団体」の一覧の中に掲載されています。(日本科学者会議東京支部は日本科学者会議、東京歴史学研究会は歴史学研究会の一部と考えます)

この事からも、「民主主義科学者協会法律部会」が学術会議全体に及ぼしている影響も決して小さいとは言えないと思います。


改めて考える、17年法改正の理由

それでは、改めて17年に「学術会議法」の「会員の選出方法」が変更された理由について考えてみます。

・「在来の学問体系や諸学問分野の組織図から離れて組織が構成され、メンバーも選出されるべき」

・「科学に関する知識・意見の集約を幅広く行うため、産業人や若手研究者、女性研究者、地方在住者など多様な会員が業績、能力に応じて適切に選出されるようにすべきである」

これは、平成15年、に開催された「総合科学技術会議」によって具申されたものです。

この時の「総合科学技術会議」のメンバーは次の通り。

議長 小泉 純一郎 内閣総理大臣
議員 福田 康夫 内閣官房長官
 同 細田 博之 科学技術政策担当大臣
 同 片山 虎之助 総務大臣(代理 加藤 紀文 総務副大臣)
 同 遠山 敦子 文部科学大臣
 同 平沼 赳夫 経済産業大臣(代理 高市 早苗 経済産業副大臣)
 同 吉川 弘之 日本学術会議会長
 同 阿部 博之  
 同 井村 裕夫  
 同 大山 昌伸  
 同 黒田 玲子  
 同 松本 和子  
 同 薬師寺泰蔵  
 同 吉野 浩行  
  (臨時)    
議員 坂口 力  厚生労働大臣(代理 木村 義雄 厚生労働副大臣)
 同 大島 理森 農林水産大臣(代理 北村 直人 農林水産副大臣)
 同 鈴木 俊一 環境大臣
 同 石破 茂 防衛庁長官(代理 赤城 徳彦 防衛庁副長官)

こんな感じです。小泉内閣当時の「総合科学技術会議」ですね。

中には当時の学術会議会長も参加しています。それ以下の(臨時)の手前まで記されている「議員」は全て民間人ですね。(学術会議の会員がそうであるように、肩書は公務員となっているかもしれません)

このようなメンバーが具申した内容が先述した枠内の記述です。

現在ですらそうなのですから、「在来の学問体系や諸学問分野の組織図」の影響は当時はさらに問題となっていたのかもしれません。

法改正前の総務書の資料の中に「日本学術会議から推薦された会員の候補者につき、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない」との文言が出てきます。

例えばこのような文言が登場した理由として、ひょっとすると学術会議側からの「圧力」が存在した、もしくは当時の関係者等との間で一種の癒着のようなものがあったことも否定派できないかと思います。


内閣総理大臣の任命権

平成30年に、17年改正に関する内閣総理大臣の「任命権」について学術会議事務局と内閣法制局との間で資料が作成されたわけですが、その内容は以下の通り。

日学法第7条第2項に基づく内閣総理大臣の任命権の在り方について

内閣総理大臣による会員の任命は、推薦された者についてなされねばならず、推薦されていない者を任命することはできない。その上で、日学法第17条による推薦のとおりに内閣総理大臣が会員を任命すべき義務があるかどうかについて検訳する。

(1) まず、

①日本学術会議が内閣総理大臣の所轄の下の国の行政機関であることから、憲法第65条及び第72条の規定の趣旨に照らし、内
閣総理大臣は、会員の任命権者として、日本学術会議に人事を通じて 一定の監督権を行使することができるものであると考えられること

②憲法第15条第1項の規定に明らかにされているところの公務員の終局的任命権が国民にあるという国民主権の原理からすれば、任命権者たる内閣総理大臣が、 会員の任命について国民及び国会に対して責任を負えるものでなければならないことからすれば、 内閣総理大臣に、 日学法第 17 条による推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えないと考えられる。

(※)内閣総理大臣による会員の任命は、推膊を前提とするものであることから「形式的任命」と言われることもあるが、国の行政機関に属する国家公務員の任命であることから、司法権の独立が憲法上保障されているところでの内閣による下級裁判所の裁判官の任命や、 憲法第23条に規定された学閤の自由を保障ずるために大学の自治が認められているところでの文部大臣による大学の学長の任命とは同視することはできないと考えられる。

・最高裁判所の指名した者の名簿によって秤われる内閣による下級裁判所の裁判官の任命(憲法第80条及び裁判所法第40条)
・大学管理機関の申出に基づく任命権者による大学の学長等の任命(教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第10条)

こちらの内容ですが、憲法に言及した件は於いておくとして、ここに記されている内容は前回の記事でリンクを貼らせていただいた

日本学術会議の問題雑感

に掲載されている、「労働者委員の任命が争われた裁判例(大阪地判昭和58年2月24日)」の内容を考慮に入れたものではないかと考えられます。

リンク先内容をそのままコピペするのはちょっと控えたいので、判例の原文からポイントとなる部分を引用してみます。ちなみにこの訴訟の「原告」は「総評、同盟、中立労連、新産別などの中央組織に所属せず、純中立系もしくは無所属系と通称される大阪府下の単位産業別労働組合」。

「被告」は「知事」です。(何県かは調べられてないです)

で、原告の中には複数の原告がいて、「全大阪金属産業労働組合以外の原告」と「全大阪金属産業労働組合」。

内容はややこしいのでここですべてを記すことはしませんが、「全大阪金属産業労働組合以外の原告」の訴えは却下され、「全大阪金属産業労働組合」の訴えは棄却されています。

知事が訴えられた理由としては
地方労働委員会の労働者委員は、労働組合の推薦に基づいて、都道府県知事が任命し(法一九条二一項、七項)、知事は、当該都道府県の区域内のみに組織を有する労働組合に対して候補者の推薦を求め、その推薦があつた者の中からこれを任命するものとされている

わけですが、

被告は中立系労組の推薦する候補者のうちから、少なくとも二名を中立系労組に割り当てるべきである

のに、

「産別、総同盟、中立等系統別の組合員数に比例させる」という規準を無視し

要は中立系労組の候補者2名を任命せず、「裁量権を濫用して差別的な処分をした」というのがと主張し、原告は「本件任命処分は、被告が裁量権を濫用した違法なものであるから、その取消しを求め」ました。

人間関係や組合の構成が全くわかりませんので、具体的な内容は理解し難いのですが、この判決の中で裁判官は「全大阪金属産業労働組合以外の原告」については利益が侵害されることはない、として訴えを却下しました。

で、問題になるのはもう片方。「全大阪金属産業労働組合」の訴えに対する判決です。

この原告が原告として「侵害される利益」を有するかどうかという項目で判事は

 これらの規定の趣旨は、候補者の推薦をした労働組合に対し、その推薦をした候補者が知事から必ず任命されることまでも保障したものでないことは、推薦の性質上当然である。

 しかし、知事は、労働組合の推薦を受けていない者を労働者委員に任命することはできないから、その意味では、推薦は、被告の任命行為を拘束する性質をもつとしなければならない。


と述べています。

これは言い換えると、「労働組合の推薦を受けていない者を労働者委員に任命することはできない」けれども、「推薦をした候補者が知事から必ず任命されることまでも保障したものでないことは、推薦の性質上当然」だと言っているわけです。

この場合、「全大阪金属産業労働組合」が推薦者であり、他に推薦を受けた者がいるわけですが、推薦者である「全大阪金属産業労働組合」も侵害される利益があり、要は「原告適格を有する」とここでは述べています。

その上で判決としては、
法及び法施行令は、知事が、地方労働委員会の労働者委員を任命するには、労働組合から推薦があつた者の中から任命することにし
ている。

 したがつて、知事は、推薦があつた候補者の中から労働者委員を任命しなければならず、労働組合から推薦されなかつた者を労働者委員に任命することは裁量権の範囲を逸脱したものとして許されない。

 また、前に説示したように本件推薦制度の趣旨に照らし、労働組合から推薦された者全員を審査の対象にしなければならないから、推薦された者の一部をまったく審査の対象にしなかつた場合にも、推薦制度の趣旨を没却するものとして、裁量権の濫用があったとしなければならない。

 しかしながら、推薦は、指名とは異なるから、推薦に基づいて任命する場合の任命権者には、裁量権が与えられており、推薦された者が審査の対象とされた以上、推薦された候補者が労働者委員に任命されなかったからといつて、直ちに裁量権の濫用があったとするわけにはいかない。

本件任命処分は、地方労働委員会の委員という特別職の地方公務員の任命行為であるところ、このような行為を、相手方の同意を要する行政処分とみるか、公法上の契約とみるかはともかくとして、この任命行為は、その性質自体から、本来的に任命権者の広範な自由裁量に委ねられていると解するのが相当である。

したがつて、任命行為をするに際しての具体的な任命規準等については、そもそも法律による規制になじみにくい性質の行為であるといえる。

行政庁が、その裁量に任された事項について、裁量権行使の準則を定めることがあつても、このような準則は、本来、行政庁の処分の妥当性を確保するための一つの指針となるにすぎないものであつて、処分が右準則に違背して行われたとしても、原則として、当不当の問題を生ずるにとどまり、当然に違法となるものではない(最判昭和五三年一〇月四日民集三二巻七号一二二三頁)。

 そして、本件任命処分については、前記①(推薦がなかった人を任命しようとした)、②(法的な欠格がある人を任命しようとした)の各要件以外の事項は、すべて任命権者の裁量に委ねられているから、被告のした本件任命処分が、仮に右通牒(その存在については、当事者間に争いがない)に違背してなされたものであつたとしても、それによつて、当不当の問題が生じることは格別、違法の問題が生じる余地はない。

といった形で任命権者の裁量権の逸脱を意図した主張を徹底的に却下しています。


改めて、内閣総理大臣の「任命権」について

上記判例を頭においた上で、改めて、平生30年に作成された学術会議事務局資料を見直してみますと、
内閣総理大臣による会員の任命は、推薦された者についてなされねばならず、推薦されていない者を任命することはできない。その上で、日学法第17条による推薦のとおりに内閣総理大臣が会員を任命すべき義務があるかどうかについて検訳する。

特に前半部分、「内閣総理大臣による会員の任命は、推薦された者についてなされねばならず、推薦されていない者を任命することはできない」という文言を使用しているところから、上記判例に基づいて作成したである可能性が高いですね。

私としては「本丸」である「行政手続法」のところまで進みたかったのですが、やはり記事が長くなってしまいましたので、後は次回記事に委ねます。

ただ、「推薦の裁量権」が「任命段階」で違法となるようなことが判例でも徹底的に否定されていることが記事としてはご理解いただけたのではないでしょうか。ちょっと、他人のふんどしで相撲をとったような記事ではあったかもしれませんが、私としては訴えたい内容の一つでしたので、ご容赦いただければと思います。




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>政治 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>政治


先日より、とあるSNSでタイトルにある学術会議任命拒否の問題が議論となっておりまして、議論を通じて私の中で一つの「答え」がまとまりましたので、備忘録的にこの記事を作成します。

まずはニュースの引用から。

【NHKニュースより】2020年10月9日 17時59分
日本学術会議の元会長 任命拒否は法律違反の可能性と批判

NHKニュース学術会議批判

「日本学術会議」の会員候補6人が任命されなかったことをめぐり、会議の元会長2人が野党の会合に出席し、在任中に2度、会員候補の任命などで政府の関与があったことを明らかにしたうえで、今回の政府の対応は法律違反の可能性があると批判しました。

野党の会合には、3年前の平成29年まで6年間、「日本学術会議」の会長を務めた東京大学の大西隆名誉教授と、大西氏の前に会長を務めた東京大学の広渡清吾名誉教授が出席しました。

この中で大西氏は、在任中、4年前の平成28年に行われた会員の定年に伴う補充人事と、3年前の平成29年の新たな会員候補の任命で、総理大臣官邸の関与があったことを明らかにしました。

そして、4年前の補充人事では官邸が難色を示して欠員となった一方、3年前の会員候補の人事は、候補者を決める前の段階で官邸から選考状況について説明を求められたものの、会議の推薦どおりに任命が行われたということです。

大西氏は政府の対応について「会議の会員になることは、学問の表現の1つの手段だ。その機会が奪われることは、学問の自由を制約していることになる。また、選考基準と違う基準を適用し、任命拒否したとなれば日本学術会議法違反になる」と述べました。

また、広渡氏は「今回の判断は、明らかに日本学術会議法に反する判断で、菅総理大臣の行動は全く誤っているとしかいいようがない。任命されなかった6人を外せば、会議が総合的、ふかん的になるのか、きちんと説明する責任がある」と述べ、それぞれ政府の対応を批判しました。

一方、広渡氏は、自民党の下村政務調査会長が、7日の記者会見で「日本学術会議」について、「法律に基づく政府への答申が2007年以降、提出されていないなど、活動が見えていない」と指摘したことについて、「答申は、政府が諮問してくれないとできない。『あなた方が諮問しなかっただけですよ』ということだ。喜んで活動するので、どうぞ諮問してください」と述べました。

任命された学術会議の会員は99人
日本学術会議の会員として今月1日付けで任命された研究者は99人です。

学術会議の会員は210人とされていて、3年ごとに半数を任命する制度になっていますが、今回は菅総理大臣が6人の任命を見送ったため、会員は204人となっています。

今回、任命された会員は、人文・社会科学の研究者が所属する第一部には、津田塾大学学長の※高橋裕子さん。

生命科学の研究者が所属する第二部には、大阪大学医学系研究科の心臓血管外科学の教授で、世界で初めてiPS細胞を使った心臓病治療の手術を行った澤芳樹さん。

理学・工学の研究者が所属する第三部には東京大学地震研究所の教授で、津波のメカニズムの研究をしている佐竹健治さんなどがいます。

一方、今回、会員に任命されなかった6人は全員、「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼びかけ人、または賛同者でした。

NHKが調べたところ任命された99人のうち、劇作家で大阪大学特任教授の平田オリザさんなど10人もこの会の呼びかけ人、または賛同者として会のホームページに掲載されています。

改めて述べる必要もないかもしれませんが、上記の記事で問題とされているのは、本年(令和2年)10月に内閣総理大臣へと就任した菅(すが)さんが、日本学術会議新会員を任命する際、日本学術会議から新会員候補者として推薦を受けた105名の内、任命しなかった、とされる問題の事です。

推薦を受けた新会員候補者の内6名を任命しなかったことを「任命を拒否した」と吹聴し、これが「日本学術会議法違反の疑いがある」と前学術会議会長である大西隆氏が主張している、というのが上記記事の内容です。

今回の記事の目的は、この「任命拒否問題」の違法性を否定することにあります。


前会長が違法性を主張する「学術会議法」とは?

「日本学術会議」そのものについては私も今回の騒動で初めて認知したタイプですから、これがどのようなものか、という具体的な説明は省略します。(正確性を欠く可能性が非常に高いため)

単純に言えば「日本の学者によって構成された、内閣府の下部組織」です。それ以上具体的な説明は現段階では控えます。

で、「日本学術会議法」とは、その日本学術会議の在り方について定めた法律の事です。

前文と1条、2条だけ先に掲載しておきます。

日本学術会議法

日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される。

第一章 設立及び目的

第一条 この法律により日本学術会議を設立し、この法律を日本学術会議法と称する。
2 日本学術会議は、内閣総理大臣の所轄とする。
3 日本学術会議に関する経費は、国庫の負担とする。
(平一一法一〇二・平一六法二九・一部改正)

第二条 日本学術会議は、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を
図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。

で、前学術会議会長は菅さんの「任命拒否」がこの「学術会議法」違反に当たる、と主張しているわけです。


菅首相の任命拒否は学術会議法の何に違反しているのか?

前学術会議会長を始め、多くの「知識人」やはっきり言えば「現政権に反対的な立場をとる人たち」は、まず今回の「任命拒否」が以下の法律に反している、と主張しています。
第七条
2 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。

第十七条 日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。

上の条文にある「内閣府令」とは以下の内容です。

平成十七年内閣府令第九十三号
日本学術会議会員候補者の内閣総理大臣への推薦手続を定める内閣府令

日本学術会議法(昭和二十三年法律第百二十一号)第十七条の規定に基づき、日本学術会議会員候補者の内閣総理大臣への推薦手続を定める内閣府令を次のように定める。

日本学術会議会員候補者の内閣総理大臣への推薦は、任命を要する期日の三十日前までに、当該候補者の氏名及び当該候補者が補欠の会員候補者である場合にはその任期を記載した書類を提出することにより行うものとする。

附 則
この府令は、平成十七年十月一日から施行する。

主張の根幹としては、「内閣総理大臣に学術会議の推薦を拒否する権利はない」といいう主張です。

と、ここまで読めば学術会議や政権に反対する立場をとる人がいかに無茶苦茶な主張をしているのか・・・という事を感じていただくことができると思います。

実は、ここに記されている「推薦」の問題については既に裁判にて複数の「判例」が出ており、行政府や地方公共団体が「推薦」に基づいて「任命」を行う際にはある程度の「裁量」があることが認められています。

記事としては、以下のリンク先が非常に詳しいので、そちらのリンク先でご覧いただければと思います。
↓↓↓
日本学術会議の問題雑感

判例では、「推薦は、指名とは異なる」ことを根拠に、「任命行為は、その性質自体から、本来的に任命権者の広範な自由裁量に委ねられていると解するのが相当である」とされています。

判例はこれを覆す判決が出るまでは一つの「法律」としての性格を持ちますので、要は推薦に裁量が認められることは法律で保障されている、と解釈すべきでしょう。(ただし、その裁量の範囲については異論あり)


任命拒否を問題視するグループが違法であるとする根拠

とはいえ、相手も「学術会議」の名の通り、法律の専門家も多く抱えた組織ですから、何の根拠もなく推薦拒否の違法性を主張しているわけではありません。

これはニュースとしては既出ですので、多くの方がご存じだとは思いますが、昭和58年に学術法の改正が行われた際、当時の中曽根総理大臣より「政府が行うのは形式的任命にすぎません」との発言が行われていること。

合わせて当時の総理府総務長官より、「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない、そのとおりの形だけの任命をしていく」との発言が行われていること。

同じ時期に作成された内閣府資料には「特に法律に想定するものを除き、内閣総理大臣は、日本学術会議の職務に対し指揮監督権を持っていないと考える。」との文言が記されていること。

この3つを根拠として任命拒否を問題視するグループは菅さんの任命拒否を「違法である」としているわけです。もしこれが合法だとするのなら、中曽根政権時代の解釈を変更しなければなりませんからね。


変更された「会員の選出方法」

ですが、上記を根拠とした主張にも当然「穴」があります。

中曽根さんが推薦方法に対する「解釈」を述べたのには当然「きっかけ」がります。以下の年表は私が作成したものです。
昭和57年 日本学術会議法の成立

昭和58年 学術法の改正が行われる
これまでの会員の選出方法が学会での総選挙から「科学者が自主的に会員を選出する推薦制」に変更。(首相による任命制度が行われるようになったのはこのとき)

改正を受け、中曾根氏より「形式的な任命」との発言がなされる。

平成17年 推薦の選出を「学会」ではなく、「学術会議」が行うよう法改正が行われた。

平成30年 前記した協議が学術会議事務局と内閣法制局との間で行われた。

今回の「任命拒否騒動」に至るまでの学術会議の「会員選出方法の遷移」について時系列でまとめてみました。

ご覧いただくとわかる通り、中曽根さんが学術会議からの「推薦」についての考え方(解釈)を示したのは昭和58年に行われた学術会議法の「法改正」を受けてのものです。

学術会議法が制定されたのは昭和57年ですが、翌昭和58年、「法改正」という手段によって学術会議の会員選出方法が変更されています。それまでは学術会議ではなく、学会全体における「総選挙」で学術会議の会員は選出されていました。

ですので、その結果を政府側が提示された場合、これを政府側の意思で「拒否」するという想定は当然なかったものと思います。

ですが、その選出方法が「総選挙」から「科学者が自主的に会員を選出する推薦制」に変更されました。つまり、それまで「選挙」という方法を通じて選ばれていた学術会議の会員が、選挙ではなく「推薦」によって選ばれることになったのです。(共産党などはこれを「現在の有権者の学術会議会員を選出する権利を奪う」と考えていたようです)

これに対し、政府側は「現在の有権者である科学者が会員の選出に関与する点においては基本的に同じである」と考えており、ゆえに、「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない、そのとおりの形だけの任命をしていく」との考え方を示したのです。

ですが。私が何をお伝えしたいのか、もう既に気づいている方もいらっしゃるでしょうが、平成17年。実はもう一度「会員の選出方法の変更」が行われています。58年同様、「法改正」という方法が取られています。

それも「推薦方法」が変更されており、それまで「科学者が自主的に」選出していた推薦方法から「学術会議が直接」推薦を行う方法に変更されたのです。

この時点で、「現在の有権者である科学者が会員の選出に関与する点においては基本的に同じである」という前提が崩れていることがわかりますね?

であれば、当然推薦方法が変更されたこの時点で、政府より変更された推薦方法に対する新たなる「解釈」が示されるべきだったのではないでしょうか?


「想定」されていなかった任命拒否

ただし、上記内容についても「反論」が存在しないわけではなく、改正法が制定される際、「内閣法制局」によってこの選出方法改正についての資料が作成されています。

学術会議法改正の趣旨

具体的な箇所を転記しますと、
現行の登録学術研究団体の推薦に基づいた会員選出方式を廃止し、会員選考については、現会員による選出制度に改正する。

具体的には、日本学術会議が規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を決定し、内閣総理大臣に推薦し、内閣総理大臣が、その推薦に基づき、会員を任命することになる。

この際、日本学術会議から推薦された会員の候補者につき、内閣総理大臣が任命を拒否することは想定されていない。

この資料が実際にどのタイミングで作成されたのかはわかりませんが、少なくとも平成17年に行われた「選出方法の改定」に関連した法改正に伴って作成されたことであることは間違いありません。

ここは私の「私見」になりますが、一つ疑問があります。

この文書の冒頭で「総合科学技術会議の意見具申」で具申された内容として、
「在来の学問体系や諸学問分野の組織図から離れて組織が構成され、メンバーも選出されるべき」と記しされており、「現在の7部制や学協会の推薦による会員選出方法は見直す必要がある」

と記されています。

また途中には
「科学に関する知識・意見の集約を幅広く行うため、産業人や若手研究者、女性研究者、地方在住者など多様な会員が業績、能力に応じて適切に選出されるようにすべきである」とも記されています。


では、選定方法を「現行の登録学術研究団体の推薦に基づいた会員選出方式を廃止し、会員選考については、現会員による選出制度に改正する」ことによって、本当に上記のような課題は改善されるのでしょうか?

例えば「現会員」に対して、「在来の学問体系や諸学問分野の組織」であったり、「学協会」であったりの影響が強く残っていたとしたら、会員選出方法を「現会員」からの推薦に限定してしまえばかえってその「偏り」はより深刻なものになるのではないでしょうか?

では、その客観的な判断は一体だれが行うのでしょう?

そもそも一体なぜ「内閣総理大臣が任命を拒否すること」が想定されなかったのでしょうか?

このような疑問は普通、多くの人が持ってしかるべき内容だと思います。


まとめ

本日の記事は少し長くなりましたので、記事を分けて続きは次回記事に委ねようと思います。

予定としては私が最後の章の末尾で示した問いかけに対して、政府はいったい同様な対応をしたのか。

またその上で「学術会議法」ではなく、「行政手続法」の観点から議論となった総理の「任命拒否」について、記事を作成してみようと思います。




このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>政治 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>改憲問題


先日(2018年9月22日)、愛媛県松山市の「椿神社」というところで、「憲法に自衛隊を明記する意義」というタイトルの講演会に参加する機会がありました。

愛媛県憲法改正国民投票連絡会議設立大会

画像にもございます通り、講師をなされたのは、自衛隊元「空将」でいらっしゃる織田邦男さんという方。私としては初めてお伺いするお名前です。

ただ、元々は講演会を開催することが主目的であったわけではなく、「愛媛県憲法改正国民投票連絡会議設立大会」のメインゲストとして織田さんが招かれた形になります。

大会には、実行委員会の共同代表としてもお名前を連ねていらっしゃいます、われらが加戸守行元愛媛県知事もご挨拶のため、登壇なさいました。

愛媛県憲法改正国民投票連絡会議設立大会挨拶


私は、実はこれまであまりこの「憲法改正問題」にはこのブログ上では触れてきませんでした。

実際にこれまでで話題にしたのは主に2回。ともに「緊急事態条項」をテーマとした記事です。

第86回 本当のアベノミクス
第105回 緊急事態条項の真実~現行法制の本当の問題点を問う~

「緊急事態条項」とは、例えば先日北海道を襲った北海道胆振東部地震や関西地域を襲った台風21号、広島、岡山、愛媛を中心に西日本一帯を襲った西日本豪雨災害のように、自治体や管理団体の垣根を超え、横断的に災害に対応すべき事態が発生したとき、一時的にその指揮権を内閣総理大臣に一括し、災害対応に当たることを可能とするための改正内容です。

また災害が発生した後で内閣の任期切れに伴う解散総選挙などがある場合、災害対応を優先するために一時的に内閣の任期を延長し、衆議院の解散を行わず、災害対応に当たることを可能とする内容も含まれています。

一部の野党はこれが内閣総理大臣の独裁体制を築くための法改正である、などとバカのように大騒ぎしていますが、私は最悪の事態に対応するため、このような法改正は実際に必要だと考えています。

説得力のある内容だと考えたから記事にしたわけですが、そもそもの「憲法改正議論」で考えた場合、やはり緊急事態条項の制定は憲法を改正する上での「傍論」にすぎません。その本丸はやはり「9条の改正」にあるのです。


9条に自衛隊を明記すべき理由

【日本国憲法第9条】
第1項
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第2項
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

これまでの私としては、確かに現在違憲状態にある自衛隊を合法とすべきだとする、その考え方そのものは理解できるのですが、では、それを今どうしてもやらなければならないのかとか、現行法制ではダメなのかとか、そういった考え方に対して疑いもなく、はっきりと答えることができる情報を持ち合わせていませんでした。

まして9条の法改正に反対するのは、そもそも自衛隊そのものが必要ない、と考えている共産党などの面々。「反対のための反対」を必死に考え、ウェブ戦略まで駆使して改憲勢力をつぶそうと考えている連中です。

ですから、私自身の中ですらまだ疑問点が残っているような話を、無責任にブログの記事にするわけにはいきません。

私の中で、「9条を改正すべき、説得力のある理由」に未だ巡り合うことができていなかったことがそもそも私がブログに9条に関する記事を記すことができなかった最大の理由です。


自衛隊の現状

現在自衛隊が抱えている最大の問題は「なりて不足」にあるのだそうです。

自衛隊は毎年8000人の自衛官を募集しているのだそうです。ですが、実際には6000人強程度しか集まっておらず、この「なりて不足」が将来の日本の「安全保障」に対して深刻な影響を与える可能性を指摘していました。


なり手が不足する理由

自衛官のなり手が不足する理由として、織田さんは以下の3つの理由を挙げていました。

 1.少子化
 2.好景気
 3.活動家らによる隊員の募集・広報活動の妨害

このうちで、「少子化」に関しては今後改善することは現実的に難しく、どうしようもない問題かと思います。

ですが、このうちで3番の「活動家らによる隊員の募集・広報活動の妨害」という問題は、本来発生させる必要のない問題であり、例えば2番の「好景気」が応募に二の足を踏ませる要因となっていることも、この3番を改善させれば、解消させることができるのではないか、と私は思います。


「活動家らによる妨害」とは何か?

例えば、皆さんは以下のような写真を見たときに、どのように感じるでしょうか。

自衛隊反対活動

こちらは東京都三鷹市というところで行われた地域の防災訓練に、自衛隊が参加することに反対する「市民」たちが行っている自衛隊反対活動の様子です。彼ら、彼女らは災害の時に「自衛隊が作ったカレーなど食べない」といっているんですね。

そして防災活動に迷彩服を着た自衛隊は参加するなとか、自衛隊ではなく災害救助隊を参加させろ、とか。

自衛隊反対活動2

こちらは隊員たちの真横で自衛隊の訓練に対する反対活動を行っている様子です。

共産党チラシ

こちらは奈良県で行われた勉強会のチラシの写真。赤枠で囲っている部分を拡大すると・・・

共産党チラシ2

少し文字が荒れているので読みにくいかもしれませんね。ここには、

「自衛隊は人殺しの訓練。奈良の若者が駐屯地誘致で自衛隊に狙われている。不安がいっぱい・・・」

と記されています。読み方によっては、奈良の若者が自衛隊に命を狙われている、ととられても仕方のないほどの表現です。

ですが、実際には自衛隊は海外でも「人殺し」など一度も行っていませんし、特に国内では災害時にたくさんの国民が自衛隊に命を助けられているはずです。


特に安倍内閣に入って、災害時における自衛隊の活動が大きくクローズアップされ、またSNS等が普及したこともあり、自衛官に対する謝意を言葉にする場面を多く見かけるようになりました。

ですが、このような自衛隊の活動が現在ほど報道されることもなく、またSNS等の媒体に触れることの少ない世代が多く住む自治体で、上記のような組織による活動が頻繁に行われていたとしたらどうでしょうか?

このような地域で育った子供たちは、自衛隊に対してどのような意識を持つでしょう?

もちろん、被災地の住民などは隊員たちに対する感謝の意を伝えるでしょうし、多分、隊員のお世話になった子供たちの中には「自分も大きくなったら自衛隊に入って、あの人たちのような存在になるんだ!」と思う子供たちも出てくると思います。

ですが、上記のような「反自衛隊活動」が盛んに行われている地域では、真逆の状況が起きることが想像されます。

また、実際に隊員として活動する皆さんの中にも、「自分たちはこんなに頑張っているのに・・・」と悲観的な感情を持つ人も増えるのではないでしょうか?

織田さんのお話ですと、県庁や市役所などの公の施設でも、自衛官募集のポスターなどを掲載していると、活動家らよりクレームが入れられる自治体もあるのだそうです。その結果、「ポスターを貼らない」という選択をするほどですから、そのクレームの度合いも右から左に受け流すことができるほどの規模のものではないということかと思われます。

織田さん自身も、防衛大学に進もうとしたとき、いわゆる日教組系の教員に取り囲まれて防衛学校に進むことをあきらめるよう説得された経験があるのだそうです。

では、一体なぜこのような、私たちから見れば「非常識」なことが法律で規制されることもなく、まかり通っているのでしょうか?


活動家らが自衛隊に反対する理由

はっきりといえば、自衛隊という存在が、活動家らにとっては「イデオロギー化」しているから。これ以外に理由はありません。

ですが、彼らもまたそのような主張を面と向かって行うことはしません。想定される彼らの「自衛隊に反対する理由」こそが、「自衛隊は違憲な存在であること」なのです。

彼らにこのような活動をやめさせる最大の方法こそ、私は自衛隊の存在をはっきりと憲法に明記し、自衛隊そのものを「合憲」な存在にすること以外には考えられません。

例えば教育の現場で、「自衛隊が人殺しを目的とした集団である」と子供たちに教えたとしても、それを「偏見であり、職業に対する差別だ」と取り締まることは、現状では難しいかと思われます。その理由は、現状では自衛隊は事実上「違憲」な存在であり、憲法9条に記された、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とする文言に抵触する存在であるからです。

「まさか」と思う人もいるかもしれませんが、私、今まさにSNS上でこの問題について、共産党の方と議論しているのですが、はっきりと「自衛隊が人殺しを目的とした集団である」と言ってきました。

私が「自衛隊は人殺しを目的にはしていない」とお伝えしたところ、「今はそうではない。だが将来的には」と答えてきましたので、実際にそういう認識が共産党の方にはあるのでしょう。

ですが、このような事実に基づかない憶測が偏見を生み、一部の学校教育の場で、特に隊員を父親や母親に持つ子供たちの気持ちを苦しめる結果になっているのだとしたら、正直ってこれは看過できるものではないと思います。

このような現状が自衛官「なりて不足」の原因につながっているというのは非常に筋の通ったご意見だと私は感じました。

そして、もしこの原因を取り除くことができたとしたら、逆に自衛隊の隊員さんたちは尊敬される立場になり、国民のため、自衛官になりたいと考える人も増えるのではないかと思うのです。

これは、織田さんが自衛隊のなり手が不足する理由の一つとして挙げられた、二番の「好景気」という部分も解消する一つのソリューションともなるでしょう。

自衛隊が、好景気にも選ばれる職業となれば、好景気が理由で自衛隊のなり手が不足する現状はなくなります。


改めて考える、「自衛隊を憲法に明記すべき意義」

私たちが、特に喫緊で意識しておかなければならないのは、やはり災害時における自衛隊の隊員の不足に関する問題です。

もちろん、「それがあえて自衛隊である必要があるのか」といわれれば、もちろん自衛隊以外の災害救助専門の部隊を用意する方法もあるとは思います。

ですが、「だから自衛隊は必要ない」ということにはならないのではないでしょうか。


織田さんのお話で「なるほどな」と思わされた話題の一つとして、中国やロシアが日本の領空に近づいた際に発せられる、「スクランブル要請」の問題です。

両国が、特に領空侵犯を仕掛けてくる最大のタイミングは、例えば先日北海道で起こった「北海道胆振東部地震」や関西地域をお襲った21号、西日本豪雨災害、そして東日本大災害。

このような、日本が自然災害によって最も困難に見舞われた時にこそ両国の領空侵犯スレスレの行為は数を増すのだそうです。

もしこの時に自衛隊がスクランブル発進をせず、この状態を放置していたとしたら、両国は簡単に領空、了解侵犯を実行し、特に中国は、南シナ海のように領海内に基地を建設し、領海を実効支配するような行動も平気で行ってくるでしょう。

「憶測だ」といわれればそれまでですが、「やってこない」確証などどこにもありません。米国軍が自衛隊に変わってやってくれるわけではないのです。

自衛隊は必要なのです。

では、せっかくそれだけの装備や組織力を持ち、災害復旧にもっとも力を発揮することができる自衛隊を、例えばスクランブル発進にのみ対応させ、災害時の救済・支援は行わせない、などということほど馬鹿らしいことはありません。

そして、例えば自衛隊以外の災害救助専門の部隊を用意するよりも、自衛隊を憲法に明記した上で名実ともに合憲な存在とし、その役割の中に「災害復旧」を規定したほうが、時間的な面でも、予算的な面でもよほど現実的です。

ですが、現在のように自衛隊の存在を憲法上不安定なまま放置し、活動家たちによる自衛隊バッシングを継続させていれば、いずれ災害復旧、救済支援にあたる自衛隊員の数が不足し、充足していれば助かったはずの命を助けることができなかったり、復興の遅れをもたらし、被災者が必要以上に不自由な生活を強いられるような状況が現実的に発生しかねません。


では、なぜ「今」なのか?

自衛隊を憲法に明記するためには、当然憲法を改正する必要があります。

そのためには、「憲法を改正しても構わない」と感じる国会議員を2/3以上結集し、憲法を改正するための発議が行える状況を作らなければなりません。

改憲に反対する勢力が必死に活動を展開すし、憲法を改正する必要がない、という印象操作をメディアまで利用して行っている状況がありますから、この2/3の改憲勢力をそろえられる機関など、そうやすやすと作ることができるわけではありません。

もしそのタイミングを逃せば、自衛隊は違憲状態のまま放置され、活動家たちのバッシングのターゲットとされ、いずれ私たちの国、「日本」という国の安全を脅かす状況が発生したとしても、全く不思議なことではないのです。

そうなったときにはもう遅い。

織田さんの言葉を借りるとすれば、「本当に改憲する必要が生まれたときにはもう遅い」のです。

改憲する必要が生まれてから選挙を行ったとしても、改憲に賛成する国会議員が2/3集まる保証などどこにもありません。

もし仮に公明党の「加憲案」に妥協したとしても、自衛隊を憲法に明記できるタイミングは「今」しかないのです。

この考え方は、私にとっても非常に納得のいくものでした。

自衛隊が将来人殺しを目的とした集団となる、なんてそんなもの妄想以外の何者でもありません。はっきり言って自衛隊に対する「侮辱」ですね。

ですが自衛隊は、「そんな人たち」でももし災害に巻き込まれれば救助しなければならないんです。

「自衛隊が将来人殺しを目的とした集団となる」という非現実的な妄想を信じて自衛隊を違憲状態のまま放置するのか。それとも日本の安全保障を充実させるため、自衛隊を合憲な存在とし、だれからも尊敬される存在となる一つのきっかけづくりを行うのか。

ぜひ、この記事を読んだ皆さんにも一生懸命考えていただきたいと思います。



このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>改憲問題 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>政治


<継承する記事>
第366回 2017年10月第48回衆議院議員選挙結果に対する評価

前回の記事では、特に私の居住する愛媛県第一選挙区の投票結果について記事にしました。

今回は、第365回の記事 で行った私の予測と、また同じ「比例代表制」をテーマとしまして、「九州ブロック」の比例代表結果を受けて、私が実感した「一票の重み」について記事にしてみたいと思います。


愛媛県第二選挙区の投票結果

)7愛媛県第二選挙区投票結果(2017

今回も前回と同じ Yahoo!みんなの政治 よりデータを拝借しました。

第365回の記事 で行った予測の通り、小選挙区制度での当選者は自民党村上誠一郎氏。

次点は維新の西岡新氏で、ここは私が期待した結果通りになりました。

ただ、今回の選挙では区割りの見直しが行われ、元々松山市が所属する「愛媛県第一選挙区」に該当していた地域の一部が「第二選挙区」に区割り変更されたわけですが、そのような第一選挙区から第二選挙区に変更された地域では横山氏の獲得した票数の方が多かったようです。

これは「松山市」における横山氏の「知名度」が影響したわけですね。

で、改めて 第365回の記事 で問題としたのは「比例代表制度」についてを問題といたしました。

西岡氏も横山氏も小選挙区、比例代表に重複立候補していますので、仮に小選挙区で落選したとしても、比例で復活する可能性があったわけです。二人が所属する比例ブロックは「四国ブロック」になります。

で、第365回の記事 で掲載した「産経・FNN合同世論調査」の結果では、

2017年衆議院選挙比例投票先

となっていまして、これを四国ブロックにも反映させると

 1位/自民 2位/自民 3位/希望 4位/立憲 5位/自民 6位/公明

となることを掲載しました。つまり、

 自民3、希望1、立憲1、公明1

が当選するわけです。

ですが、四国ブロックでは、立憲からはたった一人しか立候補していないこともあり、まさか立憲が入るとは思っていませんでしたから、立憲分が自民に行くのか、希望に行くのか、という内容で記事を締めくくっています。

個人的にはここに維新が食い込むことも想定されるため、比例票を維新に投じることも選択肢の一つとしてはあったわけです。結局自民に入れましたが。

ところが・・・。

比例ブロック投票結果(2017)

これが実際の比例代表四国ブロックの投票結果です。

 自民3、希望1、公明1、そして「立憲1」

となりました。

入りましたね・・立憲民主党。

中傷的に「右、左」を使うのはあまり好きではないのですが、それでもリベラルでもない人たちのことを「リベラル」と呼称するのは反吐が出るほど嫌なので、あえて「左」という表現を使いますが、「左」側の人たちの結束力を目の当たりにさせられたわけです。

もちろんここには左だけでなく、いわゆる「不動票」の中から、自民に票を入れたくない、と考えた人、そして「自民に票を集めすぎるのは問題だ」と考えた人たちの票が集まっているわけですが、それにしても・・・ね。

さて。この「左側の人たち」の結束力。これを強く感じさせられたのが最後の最後まで結果が出なかった比例「九州ブロック」。です。


1票の重み

比例ブロック投票結果九州(2017)

これが九州ブロックの最終結果です。

得票率としては、

 自民 33.81%
 公明 15.82%
 希望 18.11%
 維新 4.30%
 立憲 16.34%
 共産 6.54%
 社民 4.30%
 幸福 0.78%

で、定数は20名ですので、結果

 自民7、公明3、希望4、維新1、立憲3、共産1、社民1、幸福0

となりました。

今回の衆院選の最大の特徴は、投票日当日に台風が日本列島を直撃し、様々な地域で開票時間になっても投票箱が開票場に到着せず、開票日時が翌日に延期された・・・という珍事です。

私の居住する愛媛県でも同様の事態が発生し、肝心の愛媛県第一選挙区の開票が先送りされたわけですが、出口調査等の結果を受けて自民党の塩崎さんは開票締め切りと同時に全国で最も早く当確が出るなどし、比例の方も当日中に結果が出ました。

ところが、今回話題とする九州ブロックでは、「佐賀」と「沖縄」の二つの県において結果が決まらず、比例ブロックは最後の最後まで結果が出ない・・・という状況が続いていました。

佐賀県で繰り延べされたのは佐賀第二選挙区。同選挙区の唐津市から投票箱が届かなかったため、また沖縄県ではうるま市(沖縄3区)、南城市(同4区)、座間味村(同1区)の3つの地域から投票箱が届かなかったため、結果が先送りされました。

佐賀二区では希望の大串氏と自民の古川氏が、沖縄では第4選挙区で自民党の西銘氏と無所属の仲里氏が最後まで小選挙区の議席を争いました。

さて。問題なのは「比例九州ブロック」。

これらの地域で開票が始まるまでの比例ブロックの開票結果は

 開票率97%。
 投票率 自民33.92%、維新4.3%、社民4.22%

という状況でした。この時点で決まっていない議席は小選挙区2、比例ブロック2の計4枠。

小選挙区の得票状況からこのうち小選挙区枠は希望1(佐賀)、自民1(沖縄)はほぼ確定と思われましたので、この時点での計算では比例枠を自民1、維新1が獲得するもの・・・と私は考えていたのです。

第365回の記事 で「ドント方式」についてご説明しましたので、決まり方について詳細は同記事をご参照ください。

で、開票率97%の時点で自民票は33.92%です。自民の7議席目までは確定していますから、残る1議席。つまり自民得票率を7の次の8で割った数字が大切になります。

33.92÷8=4.24

となります。この時点で維新が4.3%(÷1=4.3)、社民票は4.22%(÷1=4.22)ですから、順当にいけば

維新4.3
自民4.24
社民4.22

とならぶこととなり、僅差ではありますが自民票が社民票を上回りますので、九州ブロックの残り2枠を自民と維新が獲得することになります。

ところが・・・

比例ブロック投票結果九州(2017)

結果は残り2枠のうち1枠を維新、残る1枠を自民ではなく社民が獲得してしまったのです。

唐津市の有権者数が58110人、うるま市の投票者数が51343人、南城市の投票者数が34488人、座間味村に関しては情報がありませんが、有権者数が496名。

決して少ない人数ではありませんが、この3市1村の投票結果が九州全体得票数645万3440票の投票結果を左右することとなりました。

自民得票率 33.92%→33.81%
維新得票率 4.30%→4.30%
社民得票数 4.22%→4.30%

たった1議席ではありますが、自民側からすれば0.11%、社民側からすれば0.08%の差が、九州比例ブロックの結果を、しかも残り3%の開票状況からひっくり返してしまったわけです。

社員の票数を逆算すればたった222票。自民の側から逆算すればたった2399票の差です。

そして自民側の2399票を伸び悩ませたのは、もちろん社民票だけではなかったということ。そしてこれがわずか3市1村で起こった政治劇であった・・・ということです。

たった1議席かもしれませんが、この1議席を獲得すれば自民獲得議席数は285席と、解散前を上回ることになっていました。

ですが、この議席を失ったことで自民獲得議席数は284と解散前と同数に終結したわけです。個人的にこの差は決して小さな差ではなかったと考えています。ここに、「左側の人たちの結束力」を垣間見ることとなりました。

自民党を支持する私としては、「勝って兜の緒を締めよ」。これを警告する「1票の重み」であったわけです。

どの政党を支持するのか。これは各人の自由だと思います。ですが、だからこそそのたった『1票』を大切にしていただきたいと思います。



このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>政治 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>政治


衆院選が終わりましたので、中断していた ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯 の記事へと戻りたいところなのですが、その前に、やはり今回の衆議院議員選挙の結果を受けて、私なりの論評を行いたいと思います。


愛媛県第一選挙区候補者としての塩崎恭久(やすひさ)代議士

塩崎議員当選
※塩崎候補当選シーン

この写真は私自身が撮影したものです。
投票日当日は台風が近づく暴風雨の中での選挙戦となりました。

私の居住する選挙区は、愛媛県第一選挙区ですので、まずはこのお話から。

正直なお話をしますと私は、特に2012年に、行われた第46回衆議院議員選挙当時は自民党の支持者でありながら、第一選挙区からの立候補者である塩崎さんの事を、心の底から支持はしていませんでした。

それでも安倍内閣に頑張ってもらうためには自民党議員を応援するしかないと、非常に消極的な理由で塩崎さんに私の一票を投じていました。

このブログで何度も触れていますように、私がすべての議員の中で最も信頼しているのは麻生さんです。私が政治に関心を持つ原点となったのも、自民党を支持する原点となったのも麻生内閣のせいです。

ですから、麻生内閣が崩壊したとき、私自身の政治の当時の状況に対する怒りは非常に激しいものがありました。

麻生内閣に代わって政権の座についたのは民主党内閣でしたから、この政党に対する怒りもありましたし、この政党を支持し、政権の座につくことを許した国民に対する怒りもありました。

ですが、それ以上に私が腹が立ってならなかったのは、麻生さんを支持し、自ら総裁として票を投じたはずなのに、同じ自民党員でありながらマスコミ報道に揺さぶられ、『麻生叩き』にまい進した数多くの自民党議員たちに対して非常に激しい怒りを覚えていました。

実際そのような不届きな議員の多くは2009年の総選挙において次々と落選していきましたし、「みんなの党」という政党を作った江田憲司や渡辺喜美などといった議員の様に、自ら自民党を離れていった議員も多く存在しました。

そして、そんな「麻生叩き」に走った議員の一人が塩崎さんだったのです。

2012年の選挙の時は、「麻生叩き」に走った時の感覚がまだ抜けきっておらず、どちらかというと上から目線で、

 「自民党は悪かったかもしれない。けれども自分は正しかった」

という主張が非常に目立つ演説を繰り返していました。あの時の塩崎さんは、いったいなぜ麻生内閣の時、自民党があれほどに大敗したのか、その理由をまったく理解していなかったのです。

ですが、今回の衆議院議員選挙における塩崎さんは全く違っていました。まるで別人の様でしたね。


「消費増税」と「消費税全額還元プラン」

選挙っていうのは、本来自分自身や政党の政策を訴える場であって、たとえそれが自分自身の政党であろうが、他の痛すぎる政党であろうが、その立候補者であろうが、「批判」を行うための場ではないはずなんです。

私たちが聞きたいのは、そんな「批判」や「誹謗中傷」ではなく、いったいあなたがどんな政策を実行してくれるのか、あなたの政党がどんな政策を実行してくれるのか。そのことによって私たちの生活はどのように変化するのか。

そういった内容が聞きたいのです。

今回塩崎議員は、特に「塩崎やすひさと語る会」というミニ集会を通じて、自分自身の政策、そして「安倍内閣」の政策を訴えることを非常に大切にしていました。

どんな内容であったとしても、それが説得力を持つのか持たないのか。それはその内容を訴える本人がその政策をきちんと理解できているのかどうか。自分自身の中に落とし込めているのかどうか。これにつきます。

今回安倍内閣が解散総選挙を実行したその理由の中の一つに、

2019年10月に引き上げられる消費増税分を、当初の予定より変更し、増税分を借金の返済ばかりでなく、少子化対策などの歳出により多く回す。

という内容がありました。

ですが、第358回の記事 において私が記事にしましたように、『「消費税収」は元々「国債の返済」になど充てられることにはなっていない』のです。

消費税による税収は元々「高齢者医療」「年金」「介護」の3つにしか利用することはできず、民主党内閣当時に自民・民主・公明の3党で増税が合意された折に初めて消費税による税収の様との一つに「子育て支援」が追加されたのです。

消費税収は「国債の返済」に充てることは元々できません。

実は、今回の衆院選においてこのことをはっきりと言葉にしていたのが塩崎議員です。

そして、増税時にその用途として「子育て支援」は含まれていたものの、「教育支援」が含まれていなかったことを述べ、10%増税時に増える税収の一部をこれまでお約束していた4つの財源ではなく、「教育」にも充てていくことを明確に言葉にしました。

私は塩崎さんの演説しか耳にしていませんから、他の選挙区においてどうだったのかは知りませんが、少なくとも塩崎さんの演説を耳にする限り、塩崎さんはこの「消費税」という仕組みや、「社会保障」という仕組みをきっちりと理解されているのだと、3つのミニ集会に参加して、これをヒシヒシと実感させられました。

これともう一つ、塩崎議員の演説の中に、どう考えても麻生さんの「消費税全額還元プラン」を意識したとしか思えない内容がたびたび登場しました。


私のブログでは、麻生さんの「消費税全額還元プラン」について、第34回の記事 で初めて触れています。

上記動画でこの「消費税全額還元プラン」の事をはっきりと知ることができます。5分40秒あたりからです。

この動画の中で、麻生さんの言葉として以下のような言葉が紹介されています。

「財政運用の仕組みが国民に見えやすいという視点は重要。

これと関連して例えば国から取得したアカウントでシステムにアクセスすれば、いつでも正確な年金を参照でき、将来のシミュレーションもできるといい」

「やはり実行するからには、世界で最も先進的なやり方を検討したい。すべての行政機関や病院、学校とつながるようにしてほしい」

今回塩崎さんが盛んに述べていた内容は、これを前提としたもの。「医療・介護システムのICT化」が話題の中心として挙げられていました。

お隣の韓国では既にこのシステムが導入されていることを挙げ、例えば他の医療機関で処方されたお薬が、いわゆる「ドクターショッピング」が行われた際に重複して処方されたり、場合によっては組み合わせによって死に至るようなお薬が処方されたりしない様、医療機関をICTで横断的につなぐことで、単に医療費の抑制につなげることだけではなく、人の命を守るような仕組みを実現させることに塩崎さんは言及していたのです。

まあ、これが「もともと麻生さんが考えていたものだ」なんて指摘すると、塩崎さんは怒り出すかもしれませんけどね。

厚労大臣時代に、これらのプランを図面化し、「置き土産」として厚労省に残してきたのは他ならぬ塩崎さん自身なのですから。

消費増税よって増えた税収は、このようなシステムを完成させるために利用されるわけです。もちろんそれ以前に、消費増税を行えば私たち国民の負担は増加するわけですから、増税を行う前に、「増税を行える状況にする」ことが必要だってことは当たり前のことです。

つまり、第4次安倍内閣の政策の目標は

 「消費増税を行える状況にまで日本国経済を成長させること」

にあるわけです。これは塩崎さんもそうですが、今回政調会長を務めることとなった岸田さんも様々な番組で言葉にしていましたね。

岸田さんもまた塩崎さんと同じ「財政再建派」の一人であったはずの人物ですから、このような財政再建派の人たちが財政再建ではなく、「財政出動」に言及するようになったということは、それだけ自民党内における意識改革が進んだことを示しているものと考えられます。

まあ、それでも「消費増税を行うべきではない」と主張している人たちには納得がいかないかもしれませんが、私自身としては「それでも消費増税を行わなければならない理由 として、これほど完璧な答えはなかったように思えます。

今回の私の大切な「1票」は、魂を込めて塩崎前厚労大臣に投じられました。

今回の衆院選における当確は、全国で最も早く塩崎候補に出されました。

肝心の愛媛県第一選挙区では、離島から投票箱が届かないため、開票そのものが翌23日9時半以降に繰り延べされたにも関わらず、です。

それだけ圧倒的だったということ。

改めて塩崎さん、

 当選おめでとうございました!!

記事としては、その他の選挙結果についての評論も知るするつもりだったのですが、少し記事が多くなってしまいましたので、その内容は改めて次回以降へとゆだねたいと思います。



このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>政治 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>平和安全保障法関連法案


<前回の記事 第114回 最終結論!「消費税収」問題~皆さん、ごめんなさいm(_ _)m~

本日の記事は、私が過去に記した記事。
第105回 緊急事態条項の真実~現行法制の本当の問題点を問う~
↑こちらの記事のアクセス状況を解析していて感じた疑問点を記事にする予定です。

何に疑問を抱いたのかというと、単純に言えば私の記事が検索結果に表示されないこと。
いや・・・「それはいくら何でも自信過剰すぎでしょ」というご意見もあるかもしれません。

ですが、これは何も根拠がない話ではないんです。

【googleトレンドによる解析結果】
緊急事態条項検索結果

Googleトレンドとは、そのキーワードを使った検索が、行ったどの程度行われたのか。その時系列を示したグラフです。

「緊急事態条項」というキーワードは、それほど古いキーワードではない、ということが分かります。
2015年5月より、少しずつ検索件数が上昇し始め、2016年に入って、急に検索件数が上昇し、それまで一桁台だった検索件数が、一気に100件まで検索の割合がピークを迎え、100%まで上昇します。

(※追記:検索数が少ない間であれば、所謂「SEO」を仕掛けることは、それほど難しい方法ではありません。同系統の記事を大量生産し、組織的にアナログでクリックしまくれば、それらの記事で「上位」を固めることが可能です。
また、Googleさんは「息の長い記事」を高評価する傾向があるようですので、このタイミングでSEOを仕掛けられていれば、新参記事が上位に食い込むことは容易ではありません)


その後、上がったり下がったりは繰り返すものの、比較的多めの検索件数が継続されていることが分かります。
「え?その何が『根拠なの?』」というご意見もあるかもしれません。

【本日のテーマ】
上グラフを手掛かりとして、私がなぜ「緊急事態条項」というキーワードで、自分の記事が検索結果に表示されないことに対して疑問を抱いたのかということを記事にしてみたいと思います。

このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>平和安全保障法関連法案 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>平和安全保障法関連法案


<前回の記事> 第5回 安全保障関連法成立!

第4回の記事については、続編を後日に委ね、今回は第5回の続編として記事を作成します。
タイトルは「安全保障関連法改正の価値」といたしました。

改正の賛否等を含め、巷では様々な意見がこの案件に関して様々なところで述べられています。

ですが、私の中では、どなたのご意見ともおそらく異なるのではないだろうか、と考える一つの意見がありますので、このことを今回は書き記したいと思います。

書き記す前に、皆さんの「安倍晋三」という人物に対する印象はいかようなものでしょうか。

自民党総裁としての任期を全うし、首相としては任期途中で退陣した小泉純一郎という人物。
小泉内閣に於いて幹事長という役割を果たし、小泉内閣の任期を引き継いで首相になった人物。それが安倍晋三という人物です。

就任後1年を経過したころ、「潰瘍性大腸炎」という難病を再発し、首相という役職を継続することが難しくなり、彼は就任後1年という短い期間で首相の座を降りました。

彼はその当時から「戦後レジームからの脱却」という言葉を多用し、敗戦後、GHQによって米国から押し付けられた教育観・宗教観から脱却し、日本人としての「誇り」を取り戻そうと謳い続けていました。

「自虐史観からの脱却」、「戦後教育からの脱却」などという言葉に象徴されるように強権的なイメージが強く、あたかも日本を「戦前の日本」にでも戻すのかというような、そんなイメージを押し付けられてきたのも彼の特徴です。

ですが、私がここで示そうとしているのは、そんな彼の、ネガティブなイメージの延長線上にある「安全保障関連法改正」ではありません。実は、そんな彼が第一次安倍内閣に於いて、総理大臣を務めた際、その内閣で「外務大臣」を務めた人物。

「麻生太郎」という人物にフォーカスしようと考えています。


このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>平和安全保障法関連法案 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>平和安全保障法関連法案


ついに成立しました。安全保障関連法。

安全保障関連法が成立 与野党間の激しい攻防の末に、未明の採決
↑こちらは、産経デジタルへのリンクです。

削除される可能性の低いサイトですので、内容はリンク先でご覧ください。

この法案成立に対する私の感想としては、「戦争法案!」と必死に煽ってばかりいた民主党と共産党が一番暴力的だった、という印象です。

動画としてはこちらがよくまとまっていると思いますので、こちらの動画を掲載します。

民主党の小西議員が、採決の際、委員長である自民党鴻池さんにとびかかっている様子を紹介した動画です。

一方、こちらは民主党の津田弥太郎議員が自民党の大沼瑞穂議員を引きずり、投げ飛ばした様子を紹介しています。


このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>平和安全保障法関連法案 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>平和安全保障法関連法案


<前回の記事 日本国債は破綻するのか?

前回の記事では、「日本国債が破たんしない理由」について説明いたしました。
記事中でも記したのですが、前回の記事は、実は今回のテーマ、「集団的自衛権を問う」への布石です。

日本国債と集団的自衛権。全く関係がないように感じますよね。
ですが、前回の記事中で、若干ヒントも示しています。その内容は、以下の2点です。

1.仮に国会で説明するとすると、このようなややこしい説明を行うわけですが、そうではない、一般の国民に対してこのような説明を行ったとしても、まず理解できません。

ですので、とてもわかりやすく、簡略化して説明したのが麻生さんのスピーチです。

2.破綻させるほうが難しい。これが今の日本国債の現状です。
ですが、それでもなお、もし万が一、まかり間違って破たん状態に陥った場合の回避方法をあらかじめ法律において制定している。これが日本の国債に関する法整備の状況です。

まずありえない。起こりうるはずはないけれども、それでもなお発生した場合のことまであらかじめ考慮しておく。
何があっても問題がない状況にしておく。これが本当の国の「危機管理」ではないでしょうか。


このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>平和安全保障法関連法案 よりご確認ください


この記事のカテゴリー >>平和安全保障法関連法案

国債
映えある第1回目のテーマは、「国債」の問題から。
ですが、実はこの「国債」の問題。実はもう一つ記事の作成を考えている、「安保法制」のテーマへの布石です。

国債」と「安保法制」。一体何の関係があるの? と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、両方の法制度の根底にある思想には、全く同じ共通点が流れています。これに気づけるかどうかが、抑々「安保法制」という今話題のテーマを理解できるのかどうか。そのキーポイントになる、と私は考えています。

結論から言うと、「日本国債は破綻しない」。この一語につきます。
このことについては、以下の動画麻生元総理が詳しく説明しています。



こちらは2011年。当時民主党政権時代に、JNSCという自民党のネットサポータークラブの勉強会で、現麻生財務大臣がスピーチしている様子です。

麻生さんが説明している、「国債が破たんしない理由」は以下の通りです。

・日本国債は政府にとっては債務(借金)だが、借り手は金融機関を中心とする日本企業・日本人であり、日本国債は日本人にとっては「債権」であるということ。(94%が日本人、残る6%が外国人)
・日本国債の6%を外国人が保有しているが、日本国債は『円建て』で発行されており、もし足りなくなれば、最終的に日本政府が円を発行して返せばいい。


大きくまとめると、つまりはこういうことです。

ただ、上記の理由の中で、二つ目の「もし足りなくなれば(円紙幣を)日本政府が発行して返せばいい」と放言している部分に関しては、厳密にいえば正しくありません。

このシリーズの次の記事
>>
このシリーズの前の記事
>>

にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 経済ブログへ

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は>>平和安全保障法関連法案 よりご確認ください


スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]