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この記事のカテゴリー >>今村復興大臣V.S.西中誠一郎


テーマにしたい話題はいろいろあるのですが、タイトルの通り、今村復興大臣の激昂会見をテーマとしたいと思います。

【産経ニュース(2017.4.4 19:49)】
「出て行きなさい!」今村雅弘復興相が記者にキレる 夕方には「ちょっと感情的になってしまった」と陳謝
今村雅弘復興相が4日午前の記者会見で、フリーランスの男性記者の質問に激高し、会見室から「出て行きなさい!」「もう二度と来ないでください!」と声を荒らげる場面があった。

 男性記者は、東京電力福島第1原発事故による自主避難者への住宅の無償提供が3月末で打ち切られたことに関して質問。福島県に帰るに帰れない人がいるとして「大臣は福島県の実情をご存じない」「国が責任を取るべきではないか」と追及した。

 これに対し、初めは落ち着いて対応していた今村氏だったが、「責任を持って回答してください」と重ねて質問されるとスイッチが入り、「責任を持ってやっている。君はなんて無礼なことを言うんだ。撤回しなさい!」と怒りを爆発させた。

 今村氏はその後冷静さを取り戻し、同日夕に復興庁で記者団に陳謝。「ちょっと感情的になってしまった。改めておわびを申し上げ、今後はこういうことがないよう冷静、適切に対応していきたい」と語った。


動画も一緒に掲載しておきます。

概要としては、復興大臣である、今村雅弘氏が、東京電力第一原発事故に伴う自主避難者への住宅の無償提供が、先月(2017年3月)末で打ち切られたことに対して、自称フリー記者である西中誠一郎という人物が「国が責任を取るべきではないか」という質問を投げかけ、最終的にこれに対し今村復興大臣が切れてしまった・・・というニュースです。


西中誠一郎という人物

西中誠一郎

さて。上記画像は、今回今村大臣に対して質問を行った自称フリー記者である中西誠一郎氏。
彼のツイッター上のプロフィール画面です。

プロフィール項目を抜粋します。

西中誠一郎 氏プロフィール】
入管難民、歴史認識、植民地問題、朝鮮学校、在日外国人コミュニティ、先住民族の権利、原発、監視管理社会化等を取材しているフリー記者、ビデオ制作してます。

学生時代はOBOE吹き。

ヘッダーの絵は敬愛する曺良奎(チョリャンギュ)「マンホールC」(1959年).今年は「敗戦70年」「日韓基本協定50年」。気合い入れ直します!

私のブログは読む人から見れば、どちらかというと「右寄り」だと見えるかと思います。

ですが、私自身にはそのような思想は全くありません。私が正しいと感じている考え方が、たまたま一般的に「右寄り」だと考えられている方の主張に近いだけだと私は思っています。

そして私自身、「右」だの「左」だのという印象に基づく脚色は極力しない様に記事を作成していますし、日常の主張の中でも極力そのような表現は用いない様に心がけています。

ですから、私はここで西中誠一郎という人物の思想について、右だの左だのと言った色付けをするつもりは全くありません。

ですが、今回の記者会見に関して唯一ポイントとなるのは彼のプロフィールの中に、「原発」との文言が掲載されていること。
他のプロフィール項目や彼自身のツイッターへの投稿内容から考えて、彼の記している「原発」とは、「反原発」という立場を示したものであることは疑いようがありません。

つまり彼が「反原発」の立場から今回の質問を行い、結果的に今村大臣を激昂させてしまったのだ・・・ということに着目していただきたいのです。


今村復興大臣記者会見全文

動画をわざわざ再生させるのもなんですので、今回は復興庁がホームページ上に掲載してある、今回の今村復興大臣の会見全文をまずはご覧いただきたいと思います。

非常に長文になりますので、まずは読まずに画面をスクロールさせ、枠の一番最後まで記事は飛ばしてください。

【今村復興大臣記者会見全文】
今村復興大臣閣議後記者会見録(平成29年4月4日(火)1000~1015 於)復興庁記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。それでは、早速ですが、私から1点申し上げさせていただきます。

 いよいよ新年度になりました。一言抱負を申し上げたいというふうに思います。

 地震、津波被災地域については、生活インフラの復旧はほぼ終了し、住まいの再建も来年春までには9割以上が完成する見通しであり、復興は着実に進展していると思っております。また、いろいろ復興道路等々の方も着実に進んでいるというふうに思っております。

 2020年度までに地震、津波の被災地域の復興をやり遂げるという強い意志を持って、引き続き復興を加速していきたいというふうに思います。

 それから、福島についてでありますが、川俣町、浪江町、飯舘村、それから富岡町では3月31日、そして4月1日で避難指示が解除され、これから本格的に復興再生に向けた動きが始まっていくことになります。是非戻りたい方がまた戻れるように、帰還に向けた医療、介護、教育等の生活環境の整備について、一層の推進を図っていきたいというふうに思っております。

 また、帰還困難区域についても、今後5年を目途に居住可能を目指す特定復興再生拠点を整備していくことになります。このため、本日から始まる福島復興再生特別措置法改正のための国会、今日、本会議で趣旨説明、それから質疑、その後、委員会で提案理由説明をやりますが、そういった審議の方をしっかり対応して早期成立に尽力して、できるだけ早くいろんな効果が出るように頑張っていきたいというふうに思っております。

 それから、復興・創生期間でいきますと、2年目に入るわけでありますが、インフラなどのハード面での復興を着実に進めていくとともに、コミュニティー形成や生き甲斐づくりなどの心の復興や産業、生業(なりわい)の再生など、ソフト面での復興にも喫緊に取り組んでいきたいということであります。

 平成29年度予算を十分に活用して、被災者の方々が置かれている様々な状況に応じた、切れ目のない被災者支援、そして2点目で、産業、生業の再生を図るための人材確保対策の支援や様々な企業立地支援策のアピール、これは全国的に力を入れてやっていきたいというふうに思っております。

 それから、福島への教育、旅行の強化、インバウンドの推進などによる観光の推進。
 それから、放射線に対するリスクコミュニケーションでありますが、これについては今、官民合同で広範に力強くアピールといいますか、広報をしっかりやって風評対策にまた努めていきたいというふうに思っております。

 今日、新聞で見たんですが、入社式といいますか、そういう中で富岡町に10人、それから浪江町に8人、川俣町に6人の職員が入られたということもありまして、大変私もうれしく思っております。こういう若い人たちが、ふるさとの再生のために頑張っていただけるというのは大変力強く思っておりますし、また改めてしっかり御支援をしていきたいというふうに思っております。

 私の方からは以上です。


2.質疑応答

(問)今、お話があったように、31日に避難区域が解除され、そして、自主避難者の方の住宅の無償提供も打ち切られましたけれども、その週に、先週になるわけですが、避難者を中心にした全国の16の団体の方が安倍首相、それから松本内閣府防災担当大臣、それから今村復興大臣宛てに避難用住宅の提供打切り撤回と避難住宅の長期無償提供を求める署名というのを提出されました。

 2次署名分で約2万3,000筆、それから1次と合わせると8万7,000筆近くになる署名を提出されたんですけれども、大臣はこの署名について、申入れ内容について把握されていらっしゃるでしょうか。

(答)まだ確認はしていません。

(問)ああ、そうですか。その中で、やはり3月17日の前橋地裁の国とそれから東電の責任を認める判決が出たわけですけれども、国と東電は3月30日に控訴されました。

 ただし、同じような裁判が全国で集団訴訟が起こっておりますし、原発は国が推進して国策ということでやってきたことで、当然、国の責任はあると思うんですが、これら自主避難者と呼ばれている人たちに対して、国の責任というのをどういうふうに感じていらっしゃるのかということを、国にも責任がある、全部福島県に今後、今まで災害救助法に基づいてやってこられたわけですけれども、それを全て福島県と避難先自治体に住宅問題を任せるというのは、国の責任放棄ではないかという気がするんですけれども、それについてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか、大臣は。

(答)このことについては、いろんな主張が出てくると思います。

今、国の支援と言われますが、我々も福島県が一番被災者の人に近いわけでありますから、そこに窓口をお願いしているわけです。国としても福島県のそういった対応についてはしっかりまた、我々もサポートしながらやっていくということになっておりますから、そういうことで御理解願いたいと思います。

(問)福島県の近隣、関東から関西方面ですとか、日本全国に避難されている方もいらっしゃると思うんですが、全て福島県を通すということ自体がもともと今の自主避難の実態に合わないんじゃないかなという気がするんですけど、やはり国が子ども・被災者支援法に基づいて、しっかり対策をもう一度立て直す必要があると思うんですが、それについてはどうお考えでしょうか。

(答)それは今、言いましたように、福島県がいろんな事情、現地の事情等、そういったことも詳しいわけですから、そこにお願いして、それを国がサポートするというこの図式はこのままいきたいというふうに思っております。


(問)昨日、復興庁から被災者支援総合交付金第1回の配分が発表されたかと思うんですが、今回の配分について、どのような趣旨で行ったかというところの見解をお聞きしたいんですが。

(答)これは従来からもそうですけれども、できるだけさっき言った趣旨にのっとって、復興の加速化、特にソフト面、そういったところに力を入れてやっていくということで、具体的な項目等には皆さん、お手元に行っているかな。それで見てください。

(問)ソフト面の強化ということですか。

(答)特にそれを重点に置きたいと思います。

(問)今月で熊本地震から1年たちますけれども、東北の復興を手掛けている復興庁として、熊本地震の被災地に何か取り組まれるというか、お考えはありますでしょうか。

(答)熊本については、いろいろインフラの関係は国土交通省とか農林水産省が中心にやって、それで対応できていたと思います。

 それに加えて、いろいろ災害公営住宅の建設の仕方とか、いろんな寄り添いといいますか、そういったソフト面での対応については、復興庁が得た知見をそれぞれ熊本県なり何なりにも提供しながら、今までもやってきたつもりであります。

 ですから、もうちょっとで1年云々ということなんでしょうが、今のところ、何とかうまく行っているんじゃないかなというふうには思っていますけどね。いろいろとそのときによってまた新しい問題が出てきますから、そういうときには我々が提供できる、あるいは、指導できる面はもちろんやるつもりです。

(問)以前に、熊本地震のアーカイブみたいなものをつくりたいというふうにおっしゃっていたと思うんですけど、その辺りは分かりますか。

(答)ええ、これは熊本に限らず、東北の方でもそういう動きがあるわけですから、随時、更に加えてまた熊本の分も含めて、要するに、いざというときにどうしたらよかったのか、何がまずかったのか、そういったものを総括したものを、いろんな形でまた日本全国にアピールできるようなこともやらなきゃいけないかなというふうに思っておりまして、これはまた松本大臣ともよく相談して進めていきたいというふうに思います。

(問)それは内閣府が去年の12月に熊本地震の生活支援の在り方、また、ワーキンググループが報告書をまとめていますけれども、それとはまた別にということですか。

(答)それも参考にしながら、そして、またそれにもう一つ東北の分も加味しながらやっていった方がいいんじゃないかなと。

 いずれにしろ、これから先に日本列島が非常に、何て言いますか、動き出したと言ったら変ですけれども、そういった状況の中で危機管理というものを、そういった意識を強めて、また、体制もしっかりやらなければいけないなということを、私も最近つくづくそういうふうに感じていますから、またいろいろそういうことはより今後の参考になるようにというつもりでやっていきたいというふうに思っております。

 いざやっぱり大きな災害が起きると、非常に人命も損なわれるし、いろんな社会資本も大変傷みます。

 そうならないようにできるだけ防災、減災に力を入れるということが、結果的には、お金も掛からないという感じを私も強くしていますので、そういった言ってみれば強靱化といいますか、そういったことにも我々も復興庁の権限を生かしてまとめ上げていきたいというふうに思っているところです。

(問)福島県、福島県とおっしゃいますけれども、ただ、福島県に打切りの、これは仮設住宅も含めてですけれども、打切りを求めても、この間各地の借り上げ住宅とか回って、やっぱりその退去して福島に戻ってくるようにということが福島県の、やはり住宅設備を中心に動いていたと思うんですが、やはりさっきも言いましたように、福島県外、関東各地からも避難している方もいらっしゃるので、やはり国が率先して責任をとるという対応がなければ、福島県に押し付けるのは絶対に無理だと思うんですけれども、本当にこれから母子家庭なんかで路頭に迷うような家族が出てくると思うんですが、それに対してはどのように責任をとるおつもりでしょうか。

(答)いや、これは国がどうだこうだというよりも、基本的にはやはり御本人が判断をされることなんですよ。

 それについて、こういった期間についてのいろいろな条件付で環境づくりをしっかりやっていきましょうということで、そういった住宅の問題も含めて、やっぱり身近にいる福島県民の一番親元である福島県が中心になって寄り添ってやる方がいいだろうと。

 国の役人がね、そのよく福島県の事情も、その人たちの事情も分からない人たちが、国の役人がやったってしようがないでしょう。あるいは、ほかの自治体の人らが。だから、それは飽くまでやっぱり一番の肝心の福島県にやっていっていただくということが一番いいというふうに思っています。

 それをしっかり国としてもサポートするということで、この図式は当分これでいきたいというふうに思っています。

(問)それは大臣御自身が福島県の内実とか、なぜ帰れないのかという実情を、大臣自身が御存じないからじゃないでしょうか。それを人のせいにするのは、僕はそれは……。

(答)人のせいになんかしてないじゃないですか。誰がそんなことをしたんですか。御本人が要するにどうするんだということを言っています。

(問)でも、帰れないですよ、実際に。

(答)えっ。

(問)実際に帰れないから、避難生活をしているわけです。

(答)帰っている人もいるじゃないですか。

(問)帰っている人ももちろんいます。ただ、帰れない人もいらっしゃいます。

(答)それはね、帰っている人だっていろんな難しい問題を抱えながらも、やっぱり帰ってもらってるんですよ。

(問)福島県だけではありません。栃木からも群馬からも避難されています。

(答)だから、それ……

(問)千葉からも避難されています。

(答)いや、だから……

(問)それについては、どう考えていらっしゃるのか。

(答)それはそれぞれの人が、さっき言ったように判断でやれればいいわけであります。

(問)判断ができないんだから、帰れないから避難生活を続けなければいけない。それは国が責任をとるべきじゃないでしょうか。

(答)いや、だから、国はそういった方たちに、いろんな形で対応しているじゃないですか。現に帰っている人もいるじゃないですか、こうやっていろんな問題をね……。

(問)帰れない人はどうなんでしょう。

(答)えっ。

(問)帰れない人はどうするんでしょうか。

(答)どうするって、それは本人の責任でしょう。本人の判断でしょう。

(問)自己責任ですか。

(答)えっ。

(問)自己責任だと考え……。

(答)それは基本はそうだと思いますよ。

(問)そうですか。分かりました。国はそういう姿勢なわけですね。責任をとらないと。

(答)だって、そういう一応の線引きをして、そしてこういうルールでのっとって今まで進んできたわけだから、そこの経過は分かってもらわなきゃいけない。

 だから、それはさっきあなたが言われたように、裁判だ何だでもそこのところはやればいいじゃない。またやったじゃないですか。それなりに国の責任もありますねといった。しかし、現実に問題としては、補償の金額だって御存じのとおりの状況でしょう。

 だから、そこはある程度これらの大災害が起きた後の対応として、国としてはできるだけのことはやったつもりでありますし、まだまだ足りないということがあれば、今言ったように福島県なり一番身近に寄り添う人を中心にして、そして、国が支援をするという仕組みでこれはやっていきます。

(問)自主避難の人にはお金は出ていません。

(答)ちょっと待ってください。あなたはどういう意味でこういう、こうやってやるのか知らないけど、そういうふうにここは論争の場で
はありませんから、後で来てください。そんなことを言うんなら。

(問)責任を持った回答をしてください。

(答)責任持ってやってるじゃないですか。何ていう君は無礼なことを言うんだ。ここは公式の場なんだよ。

(問)そうです。

(答)だから、何だ、無責任だって言うんだよ。

(問)ですから、ちゃんと責任……

(答)撤回しなさい。

(問)撤回しません。

(答)しなさい。出ていきなさい。もう二度と来ないでください、あなたは。

いかがでしょう。
太文字にしてある部分が西中氏の質問です。

見ての通り、今回の質問の中で、途中一部福島に関する質問と熊本に関する質問が行われている以外は、全て彼の質問となっています。個人的に、それだけでも非常に常識が欠落していると思うんですが、私が記事にしたいのはその部分ではありません。

彼の質問と大臣の返答を更に抜粋してみます。

【西中誠一郎質問】
(問)今、お話があったように、31日に避難区域が解除され、そして、自主避難者の方の住宅の無償提供も打ち切られましたけれども、その週に、先週になるわけですが、避難者を中心にした全国の16の団体の方が安倍首相、それから松本内閣府防災担当大臣、それから今村復興大臣宛てに避難用住宅の提供打切り撤回と避難住宅の長期無償提供を求める署名というのを提出されました。

 2次署名分で約2万3,000筆、それから1次と合わせると8万7,000筆近くになる署名を提出されたんですけれども、大臣はこの署名について、申入れ内容について把握されていらっしゃるでしょうか。

(答)まだ確認はしていません。

(問)ああ、そうですか。その中で、やはり3月17日の前橋地裁の国とそれから東電の責任を認める判決が出たわけですけれども、国と東電は3月30日に控訴されました。

 ただし、同じような裁判が全国で集団訴訟が起こっておりますし、原発は国が推進して国策ということでやってきたことで、当然、国の責任はあると思うんですが、これら自主避難者と呼ばれている人たちに対して、国の責任というのをどういうふうに感じていらっしゃるのかということを、国にも責任がある、全部福島県に今後、今まで災害救助法に基づいてやってこられたわけですけれども、それを全て福島県と避難先自治体に住宅問題を任せるというのは、国の責任放棄ではないかという気がするんですけれども、それについてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか、大臣は。

(答)このことについては、いろんな主張が出てくると思います。

今、国の支援と言われますが、我々も福島県が一番被災者の人に近いわけでありますから、そこに窓口をお願いしているわけです。国としても福島県のそういった対応についてはしっかりまた、我々もサポートしながらやっていくということになっておりますから、そういうことで御理解願いたいと思います。

(問)福島県の近隣、関東から関西方面ですとか、日本全国に避難されている方もいらっしゃると思うんですが、全て福島県を通すということ自体がもともと今の自主避難の実態に合わないんじゃないかなという気がするんですけど、やはり国が子ども・被災者支援法に基づいて、しっかり対策をもう一度立て直す必要があると思うんですが、それについてはどうお考えでしょうか。

(答)それは今、言いましたように、福島県がいろんな事情、現地の事情等、そういったことも詳しいわけですから、そこにお願いして、それを国がサポートするというこの図式はこのままいきたいというふうに思っております。

(問)福島県、福島県とおっしゃいますけれども、ただ、福島県に打切りの、これは仮設住宅も含めてですけれども、打切りを求めても、この間各地の借り上げ住宅とか回って、やっぱりその退去して福島に戻ってくるようにということが福島県の、やはり住宅設備を中心に動いていたと思うんですが、やはりさっきも言いましたように、福島県外、関東各地からも避難している方もいらっしゃるので、やはり国が率先して責任をとるという対応がなければ、福島県に押し付けるのは絶対に無理だと思うんですけれども、本当にこれから母子家庭なんかで路頭に迷うような家族が出てくると思うんですが、それに対してはどのように責任をとるおつもりでしょうか。

(答)いや、これは国がどうだこうだというよりも、基本的にはやはり御本人が判断をされることなんですよ。

 それについて、こういった期間についてのいろいろな条件付で環境づくりをしっかりやっていきましょうということで、そういった住宅の問題も含めて、やっぱり身近にいる福島県民の一番親元である福島県が中心になって寄り添ってやる方がいいだろうと。

 国の役人がね、そのよく福島県の事情も、その人たちの事情も分からない人たちが、国の役人がやったってしようがないでしょう。あるいは、ほかの自治体の人らが。だから、それは飽くまでやっぱり一番の肝心の福島県にやっていっていただくということが一番いいというふうに思っています。

 それをしっかり国としてもサポートするということで、この図式は当分これでいきたいというふうに思っています。

(問)それは大臣御自身が福島県の内実とか、なぜ帰れないのかという実情を、大臣自身が御存じないからじゃないでしょうか。それを人のせいにするのは、僕はそれは……。

(答)人のせいになんかしてないじゃないですか。誰がそんなことをしたんですか。御本人が要するにどうするんだということを言っています。

(問)でも、帰れないですよ、実際に。

(答)えっ。

(問)実際に帰れないから、避難生活をしているわけです。

(答)帰っている人もいるじゃないですか。

(問)帰っている人ももちろんいます。ただ、帰れない人もいらっしゃいます。

(答)それはね、帰っている人だっていろんな難しい問題を抱えながらも、やっぱり帰ってもらってるんですよ。

(問)福島県だけではありません。栃木からも群馬からも避難されています。

(答)だから、それ……

(問)千葉からも避難されています。

(答)いや、だから……

(問)それについては、どう考えていらっしゃるのか。

(答)それはそれぞれの人が、さっき言ったように判断でやれればいいわけであります。

(問)判断ができないんだから、帰れないから避難生活を続けなければいけない。それは国が責任をとるべきじゃないでしょうか。

(答)いや、だから、国はそういった方たちに、いろんな形で対応しているじゃないですか。現に帰っている人もいるじゃないですか、こうやっていろんな問題をね……。

(問)帰れない人はどうなんでしょう。

(答)えっ。

(問)帰れない人はどうするんでしょうか。

(答)どうするって、それは本人の責任でしょう。本人の判断でしょう。

(問)自己責任ですか。

(答)えっ。

(問)自己責任だと考え……。

(答)それは基本はそうだと思いますよ。

(問)そうですか。分かりました。国はそういう姿勢なわけですね。責任をとらないと。

(答)だって、そういう一応の線引きをして、そしてこういうルールでのっとって今まで進んできたわけだから、そこの経過は分かってもらわなきゃいけない。

 だから、それはさっきあなたが言われたように、裁判だ何だでもそこのところはやればいいじゃない。またやったじゃないですか。それなりに国の責任もありますねといった。しかし、現実に問題としては、補償の金額だって御存じのとおりの状況でしょう。

 だから、そこはある程度これらの大災害が起きた後の対応として、国としてはできるだけのことはやったつもりでありますし、まだまだ足りないということがあれば、今言ったように福島県なり一番身近に寄り添う人を中心にして、そして、国が支援をするという仕組みでこれはやっていきます。

(問)自主避難の人にはお金は出ていません。

(答)ちょっと待ってください。あなたはどういう意味でこういう、こうやってやるのか知らないけど、そういうふうにここは論争の場で
はありませんから、後で来てください。そんなことを言うんなら。

(問)責任を持った回答をしてください。

(答)責任持ってやってるじゃないですか。何ていう君は無礼なことを言うんだ。ここは公式の場なんだよ。

(問)そうです。

(答)だから、何だ、無責任だって言うんだよ。

(問)ですから、ちゃんと責任……

(答)撤回しなさい。

(問)撤回しません。

(答)しなさい。出ていきなさい。もう二度と来ないでください、あなたは。

では、改めて冒頭でご紹介したニュース記事を振り返ってみます。

記事では、今回話題となっている無償援助打ち切りについて、この様に記しています。
男性記者は、東京電力福島第1原発事故による自主避難者への住宅の無償提供が3月末で打ち切られたことに関して質問。福島県に帰るに帰れない人がいるとして「大臣は福島県の実情をご存じない」「国が責任を取るべきではないか」と追及した。

 これに対し、初めは落ち着いて対応していた今村氏だったが、「責任を持って回答してください」と重ねて質問されるとスイッチが入り、「責任を持ってやっている。君はなんて無礼なことを言うんだ。撤回しなさい!」と怒りを爆発させた。

着目していただきたいのは、以下の文言。

 「東京電力福島第1原発事故による自主避難者への住宅の無償提供が3月末で打ち切られた」

先ずはゆっくり考えてみてください。
今回打ち切られたのは、

 「東京電力福島第1原発事故による自主避難者への住宅の無償提供」

です。
そう。打ち切られたのは「『自主』避難者への住宅の『無償』提供」であって、「強制避難者への無償提供」まで打ち切られた、とはどこにも書いていませんね?

また更に、「無償」提供は打ち切られていますが、「有償」提供まで打ち切られているわけではありません。
そして今村大臣は、これらのケースに対し、福島県が窓口となり、これを国がサポートしていく形で、

「福島県がいろんな事情、現地の事情等、そういったことも詳しいわけですから、そこにお願いして、それを国がサポートするというこの図式は『このまま』いきたい」

としています。
そう。つまり、現時点においても政府は、原発事故の被害を受けた地域に対して、現地の事情を一番よく理解している福島県を窓口とし、これをサポートする体制をずっと取り続けてきたんですね。

今村復興大臣

さて。こちら、西中氏に対して激昂する今村大臣のまさにそのシーンなのですが、ネクタイをよく見てください。
今村大臣の年齢は70歳なんですが、ネクタイの柄はなんとエヴァンゲリオン・・・。

アスカとレイの絵が描かれていますね。

年甲斐もなく・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのネクタイ、福島県三春町にある、「福島ガイナックス」から今村大臣にプレゼントされたものなのだそうです。

実際に見ていませんが、どこかの報道局ではそんな事情も知らずに今村大臣のネクタイの柄を批判する報道を行っていたのだそうです。

これだけ考えても、今村大臣の復興に対する思いって伝わってきますよね?
少し記事が長くなりましたので、今回の記事はここでいったん終了とし、次回記事にて、「今村大臣が切れた理由」について記事にしたいと思います。



この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継続する記事>
第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。ついに今回は第300回。記念すべき記事となりましたね。

そんな記念すべき記事のテーマは「エネルギーの物価動向」について。
2017年2月の消費者物価指数から考えてみます。

第259回の記事 でお伝えしました様に、2016年12月より、ついに「ガソリン価格」が上昇へと転じ、次いで1月には「他の光熱費」=「灯油」の物価も上昇に転じました。

第282回の記事 では、然し確かに「原油精製品」の物価は上昇に転じたけれども、他のエネルギー価格は未だに下落したままである事をお伝えしました。


エネルギー物価の動向

エネルギー


実は、「エネルギー」というカテゴリーでの物価は10大費目とはまた別表でまとめられていて、エネルギー全体で見ることができます。

【エネルギーの消費者物価指数の前年同月比】
11月 -6.7%

12月 -4.4%

1月 -0.8%

2月 1.6%

さて。ついに「エネルギー価格」はエネルギー価格全体で物価を引き下げる要因としては機能しなくなってしまいました。

「エネルギー価格」が含まれるのは、「水道・光熱」及び「交通・通信」の2費目です。

【水道・光熱の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
光熱・水道 ウェイト:745

 電気代 -2.1 (-3.4) ウェイト:356

 ガス代 -6.5(-7.4) ウェイト:181

 他の光熱 29.8(19.7) ウェイト:41

 上下水道料 0.5(0.5) ウェイト:167

既にお伝えしていますように、「水道・光熱」全体ではマイナス幅が縮小した、とはいうものの、未だに物価上昇率はマイナスなのですが、「他の光熱(つまり灯油)」の物価上昇率は1月の19.7%から更に上昇幅を拡大し、29.8%の物価上昇率を記録しています。

「電気代」「ガス代」のマイナス幅は大きいですが、それでも共にそのマイナス幅を縮小させています。

【交通・通信の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
交通・通信 0.3(0.3) ウェイト:1476

 交通 0.0(-0.2) ウェイト:224

 自動車等関係費 3.4(2.5) ウェイト:836

 通信 -5.4(-3.8) ウェイト:416

このうち、「エネルギー価格」が含まれるのは「自動車等関係費」ですので、ここを深堀してみます。

【自動車等関係費の消費者物価指数前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
自動車等関係費 3.4(2.5) ウェイト:836

 自動車 -0.3(-0.2) ウェイト:199

 自転車 3.4(4.4) ウェイト:9

 自動車等維持 4.7(3.4) ウェイト:628
  ガソリン 15.8(11.2) ウェイト:206

自動車は残念ながら物価が減少していますね。
ただ、大切なのはそこではありません。ピックアップしましたが、「自動車等維持費」の内、「ガソリン代」。

改めて「エネルギー」に相当する項目をピックアップしますと、

【エネルギーの消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
ガソリン 15.8(11.2) ウェイト:206

電気代 -2.1 (-3.4) ウェイト:356

ガス代 -6.5(-7.4) ウェイト:181

他の光熱 29.8(19.7) ウェイト:41

下落している品目が「電気代」と「ガス代」、上昇している品目が「ガソリン」と「他の光熱(灯油)」でとなります。

下落している品目のウェイトを合算すると「537」、上昇している品目のウェイトを合算すると「247」で、下落している品目のウェイトは上昇している品目のウェイトを2倍以上上回っているのですが、それを完全に打ち消すほどの伸び率を「ガソリン」及び「灯油」が示していますので、結果的にエネルギーの消費者物価指数は全体でプラスの前年同月比を示しています。


エネルギーの消費者物価指数が上昇に転じた意味

「エネルギーの消費者物価が上昇に転じた」と言っても、実際に上昇しているのは「灯油」と「ガソリン」の2項目のみで、残る「電気代」と「ガス代」は未だに前年同月比でマイナスを維持しています。

ですが、先日の報道では新年度(2017年度)より、再生可能エネルギー費用を電気代に上乗せする、と言った報道も流れています。

【日経新聞ニュース】
再生エネの電気代上乗せ、17年度は月686円 100円増に
2017/3/14 20:46

 経済産業省は14日、再生可能エネルギーの導入による電気代への上乗せが、2017年度は標準家庭で月額686円といまより約100円増えると発表した。太陽光や風力発電の導入が増え、電力大手の買い取りコストが膨らむためだ。5月の検針分から適用する。

 再生エネは電力大手が事業者から電気を買い取り、費用を電気代に上乗せして回収する。17年度は家庭で使う電気1キロワット時あたり2.64円が上乗せされ、16年度より0.39円多くなる。毎月の使用量が260キロワット時の標準家庭の場合、年間8232円の負担になる。再生エネの電気の買い取り制度が始まった12年度と比べると10倍以上の水準だ。

 太陽光や風力などの電気は高値での買い取りが保証されてきたため、導入が急速に広がった。17年度の買い取り費用の総額は2兆7045億円と16年度に比べて4千億円ほど増える見通しだ。

 経産省は12年度に1キロワット時あたり40円だった太陽光の電気の価格を16年度は24円まで下げた。17年度からは入札制を取り入れ、さらに安い電気を優先して買う。風力も17年度に初めて値下げし、上乗せの膨張を抑える。

問題になるのは、「エネルギー価格」とは、基本的に「原価」に相当する部分で、このことで収入の増える日本人が誰もいない、ということです。

勿論、引用したニュースの様に、買取を前提とした再生可能エネルギーであれば、電力を販売した事業者は儲かりますから、その分GDP上昇にも貢献はするでしょう。

今後、物価をみる上で大切になってくるのは、仮にエネルギー価格が継続的に上昇した場合、「エネルギー価格の上昇」に伴う物価上昇を根拠として物価が上昇したかどうかを判断するのではなく、エネルギーの物価を除外して、それでも他の物価がきちんと上昇しているのかどうか。これを見る姿勢がとても大切になってきます。

改めて、私流「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

このうち、「エネルギー物価」が含まれるのは「光熱・水道」「交通・通信」の二つですから、この2項目を除外して考えても、他の項目は全てプラス成長していますね?

「持ち家の帰属家賃をを除く住居」の伸び率が0.1%と低迷してこそいますが、私の中で、物価上昇率の基準は「名目3%、実質2%の1%の物価上昇率」です。


これについては、日銀黒田総裁も私と同じ考え方をしていて、日銀が物価上昇率としてコア2%を目指しているのは、「消費者物価指数は下方バイアスがかかりやすいため」であり、2%上昇を果たせばバイアスを取り除いたとしても1%の物価上昇は果たせている、と考えられるから。

黒田さんが本当に目指している物価上昇率は、実は2%ではなく1%なんですね。
これは私が敬愛する麻生さんも一緒。

麻生内閣時代の物価上昇率こそ、私が表現した「名目3%、実質2%の1%の物価上昇率」でした。

これを3年連続で達成して初めて消費増税の議論に入る・・・としていたわけですが、消費増税に関してはこれを達成しないまま、引き上げてしまいましたね。

まあ、事後的ではありますが、これを達成することができれば、国民の消費増税に対する負担が軽減される、と考えられています。

私の中の消費増税の基準年は、麻生内閣がスタートした2008年をベースで考えていますが、2008年の家計最終消費支出(持家に帰属する家賃を除く)は232兆円です。端数まで含めて、これが3%上昇すると考えると、家計最終消費支出は6.96兆円増えることになります。

そうすると、増額した翌年の家計最終消費支出は239兆円。その3%は7.17兆円。
その翌年の家計最終消費支出は246.兆円。その3%は7.39兆円。

これを6.96兆円、7.17兆円、7.39兆円を合算すると約21.5兆円となります。

一方、2008年の消費税収が10.25兆円で、仮にこの時の消費税率が10%、国庫負担分が現在政府が想定している8.2%であったとすると、10%時の消費税収は19.9兆円となります。

消費税収=家計の税収負担は約10兆円増えるわけですが、家計の収入は3年間で税収の約2倍増える計算になります。

まあ、これほど単純な計算結果にはならないでしょうが、この様な結果をめざすのであれば、実際に2%もの物価上昇は必要ないのではないか、と個人的に思うわけです。


改めて、「私式10大費目別消費者物価指数」を見ていただいて、いかがでしょう。
そんなに悪くないんじゃない、って思いません?

小分類品目別に絞っていくと、まだまだ改善が必要な品目があることは事実ですが、ひょっとしてアベノミクスってうまく行ってるんじゃない、って思いません?

その最終成果がみられるのは、実は来月よりその影響が見え始める「2016年度の所得・法人・消費税収」の結果です。
実は2月までの数字は出ているのですが、前年同月比ベースで見て、正直、あまり結果は芳しくありません。

ただ、一つからくりがございまして、「法人の申告分所得税」、「法人税」「消費税」については「事業年度末」(12月が事業年度末であれば12月末、3月が事業年度末であれば3月)から2か月以内が「申告期限」とされています。

勿論3月を決算期としている企業が多いですから、3月末~5月末に最も多く納税されますので、実はまだ本当に納税額が多いのか少ないのかはわからない・・・という事実があります。

3月末が決算であったとすると、その申告はどんなに早くても4月になるでしょうから、2017年度の本当の納税額が分かるのは4月以降、ということになりますね。

残る3か月の数字を楽しみにしています。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


<継続する記事>
第298回 消費者物価指数(CPI)の見方/2107年(平成29年)2月度版

さて。前回の記事に引き続き、2017年度消費者物価指数について記事にしてみたいと思います。

前回の記事で予告しました通り、今回の記事のテーマは「家電製品の消費者物価指数」です。

家電製品に関しては、1月度の記事 でも「それでも上昇しない消費者物価指数」とのタイトルで、他の消費者物価指数が軒並み改善する中で、唯一「家電製品」だけが未だに伸び悩んでいることをピックアップして取り上げました。

改めて、2017年消費者物価指数10大費目についておさらいしておきます。

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

「食料」及び「住居」については、より実体経済に近い部分を抽出して、「生鮮食品を除く食料」「持ち家の帰属家賃を除く家賃」を掲載しています。

前回の記事 でもお伝えしました通り、長らく低迷を続けてきましたこの「消費者物価指数」も、ついに「水道・光熱」を除くすべての費目について前年同月比プラス成長を達成しました。

「水道・光熱」がマイナスを記録している理由は、ここに「エネルギー価格」が含まれているからなんですが、ここも含めてエネルギー価格に関連した記事は次回作成いたします。

今回テーマとする「家電製品」が含まれるのは、「家具・家庭用品」及び「教養娯楽」の二つの費目です。

10大費目別では、「家具・家庭用品」「教養娯楽」とも前年比でプラス成長を果たしています。
特に「家具・家庭用品」は1月まで前年比マイナス成長を続けていましたから、漸く・・・といった感じです。

ただ、その内訳を見てみますと、この項目の根本的な課題が解決された・・・というわけではないようです。


家具・家庭用品の消費者物価指数

洗濯機

【「家具・家庭用品」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。

家具・家事用品 0.6(-0.1) ウェイト:348

 家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 室内装備品 -3.1(-4.0) ウェイト:25

 寝具類 1.1(1.1) ウェイト:27

 家事雑貨 3.7(3.7) ウェイト:72

 家事用消耗品 -0.9(-1.1) ウェイト:86

 家事サービス -0.1(0.0) ウェイト:27

比較しやすいように、ウェイト(重要度)も併記しました。

ご覧いただきますとわかりますように、「ウェイト」つまり「重要度」の最も大きな「家庭用耐久財」の消費者物価指数が前年同月比で最も伸びており、これが「家具・家事用品」の物価上昇に大きく貢献していることが分かります。

そして、今回テーマとしている「家電製品」もこの中分類品目の中に含まれています。

【「家庭用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
家庭用耐久財 0.6(-1.3) ウェイト:111

 家事用耐久財 -2.7(-4.8) ウェイト:57

 冷暖房用器具 5.1(2.7) ウェイト:37

 一般家具 2.7(2.6) ウェイト:18

「家庭用耐久財」は「家事用耐久財」と「冷暖房器具」及び「一般家具」の3つの小分類で構成されています。

そう。ご覧の通り、今回「家具・家庭用品」の消費者物価指数を大きく引き上げた最大の理由は、「冷暖房器具」の前年同月比が大幅に上昇したことにあります。

品目はこんな感じ。
  ルームエアコン 5.9(3.0)

  温風ヒーター 2.2(0.0)

  空気清浄機 1.8(4.1)

「ルームエアコン」が大きく牽引していることがわかります。
一方、もう一つの「家電製品」である「家事用耐久財」はこんな感じ。
  電子レンジ -19.5(-28.7) ウェイト:4

  電気炊飯器 2.6(0.3) ウェイト:11

  ガステーブル 3.7(4.8) ウェイト:3

  電気冷蔵庫 -6.5(-7.8) ウェイト:16

  電気掃除機 16.2(14.7) ウェイト:9

  電気洗濯機(全自動洗濯機) -20.2(-20.3) ウェイト:7

  電気洗濯機(洗濯乾燥機) 3.9(0.7) ウェイト:7

「ガステーブル」は家電ではありませんが、それ以外は全て「家電」品目です。
「電気炊飯器」「電気掃除機」「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」の3つが上昇する中で、「電子レンジ」「電気冷蔵庫」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の3つが物価を引き下げています。

「電子レンジ」「電気洗濯機(全自動洗濯機)」の2項目は二桁のマイナス幅を記録しています。
また、「電気冷蔵庫」は6%を超えるマイナス幅を記録している上に、「ウェイト(重要度)」も「家事用耐久財」全体57の内11となっていますので、その影響を無視することは出来ません。

但し、メーカー側の出荷状況(日本電機工業会データ)を見ますと、

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
電子レンジ
 数量:115.9%
 金額:110.8%

電気洗濯機(全体)
 数量:112.3%
 金額:112.2%

電気冷蔵庫
 数量:101.2%
 金額:101.0%

となっていますので、消費者物価指数側の数字の算出方法を100%信頼するのだとすれば、これは物価そのものの問題ではなく、販売店側の販売手法の問題である、ということもわかります。


教養娯楽の消費者物価指数

テレビ

【「教養娯楽」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

 教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 教養娯楽用品 0.1(0.6) ウェイト:210

 書籍・他の印刷物 0.5(0.2) ウェイト:128

 教養娯楽サービス 0.9(1.6) ウェイト:592

「教養娯楽」は全体のウェイトも989と大きくなっています。

1月の前年同月比0.9から上昇幅が0.4と縮小しているわけですが、その最大の理由は「教養娯楽用耐久財」のマイナス幅が拡大している事。

その他、「教養娯楽用品」「教養娯楽サービス」も上昇幅を縮小させており、それぞれウェイトが大きくなっていますので、「教養娯楽用耐久財」を深堀した後で、この2項目についても軽く見てみたいと思います。

【「教養娯楽用耐久財」消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
教養娯楽用耐久財 -4.2(-3.6) ウェイト:59

 テレビ -6.1(-3.4) ウェイト:15

 携帯型オーディオプレーヤー 0.6(-0.4) ウェイト:1

 電子辞書 17.3(-2.0) ウェイト:1

 ビデオレコーダー 3.2(0.6) ウェイト:4

 パソコン(デスクトップ型) -8.4(-7.0) ウェイト:8

 パソコン(ノート型) -10.6(-10.7) ウェイト:14

 プリンタ 9.6(7.5) ウェイト:2

 カメラ 8.6(4.7) ウェイト:4

 ビデオカメラ -17.1(2.0) ウェイト:2

 ピアノ 0.0(0.0) ウェイト:5

 学習用机 2.0(1.6) ウェイト:3

はい。ここでもやはり物価上昇率を伸び悩ませている最大の原因は「テレビ」及び「パソコン」の家電製品。

こちらもメーカー側の出荷状況(電子情報技術産業協会データテレビパソコン)を見てみます。

【2017年2月出荷状況(前年同月比)】
映像機器全体の出荷額:96.1%
 内薄型テレビの出荷台数:95.2%

パソコン
 出荷台数:114.7%
 出荷金額:114.5%

となっています。
テレビに関しては大分消費者物価指数の示す数字と現実の数字が近づいてきている様ですね。
つまり、出荷ベースで見ても販売ベースで見ても、「伸び悩んでいる」と。

PCは出荷ベースと販売ベースでの数字に大きな開きが見られます。
こちらも「販売側の問題」ということでしょうか。

日銀・安倍内閣の目指す「物価上昇率」を達成する上で、残るネックとなってくるのは「家電製品」のみ。
ピンポイントで何が問題であるのか、ということがようやく顕在化してきましたね。


「教養娯楽用品」と「教養娯楽サービス」

ここは、物価上昇率としてはプラスの数字を示していますから、軽く触れる程度にしておきます。

「教養娯楽用品」の中でマイナス幅が大きく、同時に「ウェイト」も大きな品目として、「運動用具類」と「玩具」。この二つの項目が挙げられます。

教養娯楽用品全体のウェイト210に対し、運動用具類が52、玩具が21となっています。

運動用具類は1月の-1.2%から-0.7%にマイナス幅を縮小させているのですが、玩具は-1.4%から-1.6%にマイナス幅を拡大させています。

玩具全体の中でウェイトが大きいのは「組み立て玩具」の8。
前年同月比は-0.5%から-1.3%に拡大しています。

下落幅が大きいのは、ウェイトとしては「1」と非常に少ないのですが、下落幅が-14.2を記録している家庭用ゲーム機据え置き型。
一方で携帯型は0.1%とプラス成長していますから、時代の流れを感じますね。


次回記事では、冒頭でお伝えした通り、「エネルギー価格」の変動に着目して記事を作成してみたいと思います。


この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


先月末(2017年3月末)、2017年2月の消費者物価指数が公表されましたので、今回はこの内容について記事にしたいと思います。
振り返りで、1月の消費者物価指数 の特徴として、何よりも大きいのは、政府の公表する「消費者物価指数(総合)」の項目が変化した、という事。

これまでは、「コアCPI」として、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という名称が割り当てられていたのですが、1月よりこの名称が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に変わりました。

勿論、項目として「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」という項目そのものがなくなったわけではないのですが、政府が重要視して公表していました、「消費者物価指数(総合)」「コアCPI(生鮮食品を除く総合)」「コアコアCPI(食品(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合)」という項目の「コアコアCPI」の内容が「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」に置き換えられたということです。

項目の重要性に就いては1月の消費者物価指数 にてごらんいただきたいのですが、これまで政府ではなく日銀が公表していたデータを政府も採用し、こちらの方が重要だ、と考えるようになったということです。

その他、2016年度までの消費者物価指数の中でずっと足を引っ張り続けてきていたのが「エネルギー価格」と「家電製品」の2つだったのですが、2016年12月、「エネルギー価格」の内「原油価格」に由来する品目の消費者物価指数がついに上昇へと転じ、これが1月も継続したという事。

この2点が大きな特徴だったかと思います。

2017年2月の分析はは先ず消費者物価指数の全体像から行っていきます。


消費者物価指数(総合)

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【消費者物価指数総合の前年同月比】
※( )内は2017年1月の前年同月比です。
消費者物価指数(総合) 0.3(0.4)

生鮮食品を除く総合(コアCPI) 0.2(0.1)

持家の帰属家賃を除く総合 0.4(0.6)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコアCPI) 0.1(0.2)

「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」以外は軒並み伸び率が鈍化していますね。
ちなみにもう一つ、「持ち家の帰属家賃を除く総合」を加えていますが、この理由については第281回の記事 をご参照ください。

このうち、私が重要視している新コアコアCPI=「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.1%と伸び悩んでいます。
なぜこの「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が伸び悩んでいる様に見えるのか。

このことを検証するため、今度は「10大費目別消費者物価指数」を見てみましょう。


10大費目別消費者物価指数

【10大費目別消費者物価指数の前年同月比】※( )内は2017年1月の前年同月比です。
食料 0.8(1.8)
生鮮食品 1.4(8.0)
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

住居 -0.2(-0.2)
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

解りますでしょうか?
「住居」に関しては、「持ち家の帰属家賃」は統計上実際には存在しない架空の数字であり、まったく重要性のない数字であることは散々お伝えしている通りで、「食料」に関しても「生鮮食品」は「利益」ではなく「原価」の増減によって物価が左右されますので、「生鮮食品を除く食料」の方が数字としては大切になる、ということも既にお伝えしているとおりです。

ですので、
生鮮食品を除く食料 0.7(0.6)

持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3)

光熱・水道 -2.1(-3.4)

家具・家庭用品 0.6(-0.1)

被服及び履物 1.3(1.1)

保健医療 0.6(0.5)

交通・通信 0.3(0.3)

教育 1.0(1.5)

教養娯楽 0.4(0.9)

諸雑費 0.3(0.4)

の10項目で見ることで、政府が目指す「物価上昇率」により近い状況を見ることができることができます。

さて、いかがでしょう。
遂に、「光熱・水道」を除くすべての10大費目で前年同月比プラスを達成することができました。

では、私が重要視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」ですが、一つ言えるのは、

 「住居」費目で、「住居」全体の前年同月比が -0.2%、
 持ち家の帰属家賃をを除く住居の前年同月比が0.1%

となっていますが、前述しました通り持ち家の帰属家賃はフィクションの数字ですから、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」を除くと新コアコアCPIももう少し数字は大きくなります。必要なデータだと思うんですけどね、この項目。

ただ、それ以上に、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」が1月より伸び悩んでいますので、「持ち家の帰属家賃をを除く住居」そのものも新コアコアCPIが1月より伸び悩んでいる理由の一つとなっています。

理由は、「設備修繕・維持」の中分類品目が1.0%から0.6%に鈍化したから。
ただ、それ以上に「家賃」が-0.4%の下落幅を維持していますので、「住居」費目をみる上ではこの「家賃」の下落が継続していることがウィークポイントとなっています。

この他、「教育」「教養・娯楽」「諸雑費」の3つの費目で上昇幅が鈍化しています。

「教育」では、「補習教育」が0.9%から-0.6%に下落したことが、「諸雑費」では「理美容サービス・理美容用品」の物価が下落したことがその要因となっています。

「教育娯楽」は後日記事にて触れる予定ですので、今回の記事では割愛します。

上昇幅が鈍化している項目をウェイト(重要度)別に見てみますと、
持ち家の帰属家賃をを除く住居 0.1(0.3) ウェイト:589

教育 1.0(1.5) ウェイト:316

教養娯楽 0.4(0.9) ウェイト:989

諸雑費 0.3(0.4) ウェイト:574

となります。「割愛する」と言いましたが、「教養娯楽」のウェイトが最も大きく、鈍化した幅も0.5%と、「教育」と並んで最も大きな鈍化幅となっていますね。

実はこの費目、「教養娯楽用耐久財」、「教養娯楽用品」、「書籍・他の印刷物」、「教養娯楽サービス」の4つの中分類品目で構成されています。

このうち、プラス幅が上昇しているのは「書籍・他の印刷物」だけで、他は全て上昇幅が縮小しており、「教養娯楽用耐久財」に至ってはマイナス幅が-3.6から-4.2に拡大しています。

「教養娯楽用耐久財」、つまり「テレビ」のことですね。
勿論テレビだけではありませんが、これまで足を引っ張り続けてきた「家電」の分野です。

ところが、実は今回の調査データの中で、もう一つの家電分野が含まれる、「家具・家庭用品」費目はマイナス成長からついにプラス転換しています。「家庭用耐久財」もまたプラス成長しているんですよね。


ということで、次回記事では、この「家電製品」ともう一つ、「教養娯楽用品」の中で物価の上昇幅を鈍らせた原因となっている「教養娯楽サービス」についても記事にしてみたいと思います。


この記事のカテゴリー >>ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯


<継続する記事>
第296回 ザポロージャのコサック軍(ヘーチマン国家)/ウクライナ人の誕生

私、シリーズ、十五年戦争(日中戦争)の原因と結果 に於いて、日本とロシアの間で勃発した「日露戦争」について、日本と中国とのかかわりあいという視点から、日露戦争が勃発する経緯については記しているのですが、日露戦争そのものの経緯については完全にスルーしています。

というのも、シリーズとしては当初日中間近代史に於いて、たびたび名前の登場する「満州」について、そもそも「満州」とは何なのか、そして「満州」は日中間の近代史に於いて、一体どのような位置づけであったのか。このことを解明することを目的としていたからです。

また一方で、「ロシア革命」に関しても、第64回の記事 や 第125回の記事 などで触れてはいますが、このロシア革命によって誕生したソビエト連邦が後のアジア・ヨーロッパ史に大きな変化をもたらすというのに、その詳細には触れていません。

これも、シリーズの趣旨が主に当時の中国国内に於ける背景に焦点を絞っていたことが理由で、ロシア革命にまで情報を広げると焦点がぼやけることを考慮したためです。

ただ、やはり現在までに至る日本の戦前・戦後史を考察する上で、この「ロシア」の存在は、決して無視できるものではありません。第一次世界大戦後、第二次世界大戦までの中国史に於いて、この「ロシア=ソ連」の存在が非常に大きな影響力を発揮していることはシリーズ、十五年戦争(日中戦争)の原因と結果 において掲載した通り。

今回のシリーズ では、そんなロシアがなぜ共産化し、中国や日本、ひいてはヨーロッパやアメリカにまであれほど大きな影響を発揮することとなったのか。このことを追求することを目的としています。


日露戦争勃発に至るロシア国内での背景

第79回の記事 にも掲載しました様に、日本とロシアが「日露戦争」を起こすに至った経緯としては、義和団の乱(北清事変)に於いて、清国から宣戦布告を突き付けられた清国に領土を保有する8カ国の内、ロシアを除く7カ国が北京に軍隊を派遣。

特に日本は、義和団から北京の外国人公使館区域に居留する925名の外国人と約3000人ほどの中国人クリスチャンを守るため、柴 五郎 中佐を中心に奮闘する中で、唯一ロシアだけが自国の権益を拡大するためだけに軍隊を派遣。

満州全土を占領してしまったことがそもそもの原因です。

その直前には清国領であったはずの「江東六十四屯」に突如として攻め込み、同地域に居住するすべての清国人を滅ぼし、誰も居住する者のいなくなった江東六十四屯を占領する・・・という考えるだけでもぞっとする暴挙を平然と行っています。

この当時はまだロシアは共産化されてはいなかったわけで、この様な事情を考察すると、ひょっとするとロシア人の中には元々この様な行為を平然と行える性質が存在した・・・ということなのではないかとも考えられます。この時清国人を虐殺したロシア人は、「コサック兵」であったとされています。


ロシア国内に於ける「ポグロム」

「ユダヤ人虐殺」と聞いて真っ先に思い浮かぶ国・・・と言えば、まずは「ドイツ」でしょうか。
ヒットラー率いるナチスが行ったユダヤ人大虐殺=ホロコーストのことが頭に思い浮かぶかもしれません。

ですが、ユダヤ人迫害の歴史はとても古く、ロシアでも同様にユダヤ人は迫害される立場にありました。
理由は様々考えられますが、ポーランドが分割併合されるまで、ユダヤ人はロシアから追放され、ユダヤ人は入国そのものが許可されていませんでした。

ところが、ポーランドが分割され、ロシアの占領下となってしまったことで、元々ユダヤ人に対して寛容な政策を取っていたポーランドに居住していたユダヤ人が、そっくりロシアの国民となってしまったわけです。


その後のロシアに於けるユダヤ人政策は比較的寛容なものとなるのですが、1856年、当時のロシア皇帝アレクサンドル2世はクリミア半島に於けるフランス・イギリス・オスマントルコ等の連合軍との戦争に敗れ、ロシア国内を「近代化」することが必要だと感じるようになります。

【アレクサンドル2世】
アレクサンドル2世

そこで、まず第一に実施したのが「農奴解放令」。
「農奴」。読んで字のごとく、地主の支配を受ける立場にあった農民たちのことです。

このことが、確かにロシアに於ける「産業革命」のきっかけとはなるのですが、このことが、マルクスやミハイル・バクーニンら共産思想の影響を受けたポーランドの小作人や学生たちの感情を焚き付け、1863年1月22日、ポーランドに於いて武力蜂起が勃発します。

この武力蜂起は1月蜂起と呼ばれ、1864年4月11日に鎮圧されます。
この武力蜂起を起こした参加者たちは、「ナロードニキ(人民主義者)」と呼ばれ、武装蜂起鎮圧後も政府や軍による弾圧を受けることとなります。

このことが原因で1881年、アレクサンドル2世は暗殺されるわけですが、彼の後を継いだアレクサンドル3世は、この暗殺を「ユダヤ人の仕業だ」と決めつけ、この後、ロシア政府によるユダヤ人に対する激しい迫害が行われるようになります。

【アレクサンドル3世】
アレクサンドル3世

アレクサンドル3世は、国民の不満を政府ではなく、ユダヤ人に向けることでその解決を図ろうとしたんですね。
この後、ロシア国内ではユダヤ人に対する迫害行為が広範囲にわたって行われるようになり、強姦や掠奪、虐殺行為を含めたユダヤ人に対する迫害行為は「ポグロム」と呼称されるようになります。

考えてみれば、フランス革命に於いても凄まじい虐殺行為は行われていたわけで、欧州を含めて、彼らはこのような虐殺行為を行う事に対して元々抵抗感が薄かったのでしょうか・・・。これだけはどうにも理解できません。

江東六十四屯に於けるアムール川事件が勃発したのは1900年ですから、事件を起こしたロシア人は同じような感覚で清国人を虐殺したのかもしれません。この感覚だけは本当に理解できません。


第59回の記事 で記しましたが、日露戦争に於いて日本に500万ポンドの軍事費を融通する為、米国の銀行家であるジェイコブ=シフを紹介したロスチャイルド家は、「ユダヤ人」の象徴のようにしても語られる一族です。

彼は、「ポグロム」の敵を討つために高橋是清にジェイコブ=シフを紹介した、とも言われています。

日露戦争が勃発するのが1904年2月8日。
翌1905年1月、ロシア第一革命が勃発します。

ロシア第一革命は、労働者たちが皇帝に対し、日露戦争の中止、労働者の待遇改善、憲法改正と基本的人権の付与等を求めてデモを行ったところ、警備兵に大量に射殺されてしまったことからロシア全土に広まった革命運動のことです。

実際には皇帝であるニコライ2世の知らないところで起きた事件(血の日曜日事件)が原因となっており、このことで、特にウクライナ地域に於いて革命運動が活発化します。

【ニコライ二世】
ニコライ二世

また、この事件をきっかけにロシア全国各地で結成されたのが「ソヴィエト(労働者・農民・兵士による評議会)」。

同年9月、ロシアは日露戦争に敗北。
ニコライ二世は「10月勅令」を発令し、国会開設と憲法の制定を発表することで時を同じくして設立された「立憲民主党」の支持を得ることに成功し、革命は鎮静化されます。

ちなみに、ニコライ二世によれば、この時革命に参加した参加者の90%がユダヤ人だったのだとか・・・。
事実なのかどうかはわかりませんけどね。


次回記事では、記事内容を「第一次世界大戦」へと移し、第一次世界大戦が勃発する経緯や第一次世界大戦に対するロシアの関わり合いについて記事にしてみたいと思います。


この記事のカテゴリー >>ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯


<継続する記事>
第293回 ロシアとウクライナ/ユダヤ人のロシア流入までの歴史

本筋から外さないために、どこから記せばよいか・・・ととても迷ったのですが、今回のタイトルはこんなタイトルで始めてみます。

第293回の記事 でも記しましたが、ウクライナは元々「キエフ大公国」という名称で、現在のイメージだと、「ソビエト連邦」という国の中に含まれていた国で、「ロシア」がソビエト連邦の大部分を占めていることから、ウクライナはロシアに支配されていた国だ・・・というような印象も強いかもしれませんが、元々「ロシア」の方がウクライナの原型であった「キエフ大公国」より派生した国。

言うなれば「ウクライナ」が親で「ロシア」が子であった、という表現の方が近いかもしれません。
事実、モスクワ公はキエフ公の子供がキエフ公より譲り受けた「ウラジーミル・スーズダリ公」が元になっているわけですから。

キエフ大公国がモンゴルに支配されたのち、キエフ大公国を引き継いだのが「ハールィチ・ヴォルィーニ大公国」。
同時期、モスクワ大公国の原型であるウラジミール大公国もモンゴル占領下において存在していました。

ところが、キエフ大公国を引き継いだ「ハールィチ・ヴォルィーニ大公国」は、ハールィチ・ヴォルィーニ大公の血筋が途絶えてしまい、このことから一気に国力が衰退し、ポーランドとリトアニアに分割統治されることとなってしまいます。1349年)

ポーランドとリトアニアは、元々対立し、お互いに戦争を行う関係であったわけですが、共通の敵であるドイツ騎士団等に対抗する必要性に駆られ、ポーランドとリトアニアは同盟関係を結び、「ポーランド・リトアニア連合」となります。(1387年)


フメリニツキーの乱

1569年、ポーランドとリトアニアは、両国の元首を同一の人物が兼ねることにより、「ポーランド・リトアニア共和国」となります。

さて。1648年、そんな「ポーランド・リトアニア共和国」において、「フメリニツキーの乱」と呼ばれる武装蜂起が行われます。
この武装蜂起を主導したのが、「ボフダン・フメリニツキー」という人物。

【ボフダン・フメリニツキー】
フメリニツキー

彼は、ポーランド・リトアニア共和国王によって編成された「登録コサック」の一員で、反乱を起こす際には「ウクライナ・コサック」の指導者でもありました。

「コサック」の起源は明確ではないものの、そのルーツはウクライナにあり、その中にはキエフ公国の元士族・豪族も含まれていたのだとか。

没落した貴族と盗賊の集団であった、とのことですが、ロシアやポーランド・リトアニア等では軍人として重用されていた様子が見られます。

そんな中で、「登録コサック」とは、同じ「コサック」でも、国が正式に認めた「コサック」で、ロシア帝国時代には「貴族」としても認められていたのだとか。


そんなフメリニツキーの領地が、ポーランド貴族であるダニエル・チャプリンスキによって襲撃され、フメリニツキーの恋人であったモトローナ・チャプリーンシカまでも奪い去ってしまいます。

フメリニツキーはこのことを最高裁判所に対して提訴するのですが、敗訴。
さらにダニエル・チャプリンスキの手によって投獄されてしまいます。

ところが、フメリニツキーは警備長の手によって救い出され、ウクライナ・コサックの拠点がある、「ザポローシ゛ャ」へと逃げ出すことに成功します。

彼は、元々その経験や戦果、豊富な知識、家柄等も含めて、ウクライナ・コサックから尊敬される存在にありました。
彼は、ウクライナ・コサックを率い黒海北部、「クリミア・ハン国」のクリミア・タタール人(モンゴル人、というわけではないらしい)とも同盟関係を結び、ザポローシ゛ャに派遣されたポーランド政府軍に勝利します。

これを機に、フメリニツキーがポーランド政府を相手に起こした反乱が、「フメリニツキーの反乱」と呼ばれるものです。


第293回の記事 でもお伝えしましたように、この当時のポーランド政府は、ユダヤ人に対して世界で最も寛容な政府でした。

ポーランド政府は、ユダヤ人を初めとする、異国の知識人を優遇し、自国の農民を管理する立場に当たらせていました。

特にウクライナはポーランド政府から離れていることもあり、「農奴」として働かされていた農民たちの不満は鬱積していました。
また過去に反乱を起こしたウクライナ・コサックたちは軍人としての資格や自治権を奪われて農奴としての扱いを受けていたこともあり、反乱を爆発させる材料が勢ぞろいしていた・・・当時のウクライナはそのような状況に在りました。

ですので、当然自分たちを管理していた「ポーランド人とウクライナ人の貴族・カトリックの聖職者・ユダヤ人の収税吏と官吏」もさることながら、「反乱軍に加わらない、あるいは反乱を支援しない者も身分・宗教・民族を問わずに惨殺(Wikiより)」されます。

また、「一時期コサックの同盟者であったタタールはウクライナの町村でほしいままに奴隷狩りを行った」とのことで、この反乱で殺害されたユダヤ人の数は数万単位に上るのだとか。この話は、飽くまで余談ですけどね。


「ザポロージャのコサック軍」誕生

「ザポローシ゛ャのコサック軍」とは、軍の二つ名の様ではありますが、これ、れっきとした国の名前なんです。
タイトルで( )書きしている「ヘーチマン」とは、コサックの指導者の事。

「ヘーチマン国家」とは、コサックの指導者であるフメリニツキーが設立した国家である「ザポローシ゛ャのコサック軍」の通称になります。ヘーチマン国家誕生を受けて、初めて「ウクライナ人」が、この「ウクライナ」にルーツを持つ民族名として用いられるようになります。

「フメリニツキーの反乱」の結果、ウクライナにはこの「ヘーチマン国家」が誕生します。(1649年)
フメリニツキーはポーランドへの反乱期間中、継続してロシアに援軍を求めていたのですが、ロシアはこれを拒否し続けます。

最終的に、フメリニツキーは「援軍」を求めるのではなく、「ロシアの保護下」に置くことを要求。
1653年7月2日、ロシアはフメリニツキーの要求に応じることを約束。1654年1月18日、このことが正式に誓約されます。


ロシア・ポーランド戦争開戦

ウクライナが自国の保護下に置かれたことで、ロシアはポーランド対ウクライナ戦に参戦することになります。
このことを受け、ウクライナと同盟関係にあったクリミアは同盟を破棄、逆にポーランドと同盟関係を結びます。(1654年6月)

また更に、ポーランド・リトアニア共和国と対立関係にあったスウェーデン王国が参戦(1655年夏)。
フメリニツキーは自軍が優勢となったことから、クリミア・ハン国と再度交渉にあたり、自軍に復活させます。


ところが、決着が見え始めると、今度はウクライナ領土をめぐってスウェーデン、ロシア、ヘーチマン国家の間で対立が顕在化。1656年5月、ロシアはスウェーデンに対して宣戦布告し、今度はポーランド・リトアニアに対して和平を申し入れます。

和平交渉への参加を拒否されたことから、フメリニツキー軍はロシアとの国交を断絶し、スウェーデンに援軍を派遣します。
しかし、ここに至ってフメリニツキーは病床に倒れ、脳梗塞によって死去。

指導者を亡くしたコサック軍は空中分解し、内戦状態へと陥ります。

1718年スウェーデンの指導者であるカール12世が死去。スウェーデンが和平を申し出たことからこの戦争は終結し(1721年)、ロシアは一挙に北方最強国へとのし上がります。

1721年10月22日、「ロシアツァーリ国」改め、「ロシア帝国」が誕生します。


この後、1795年、ポーランドはロシア・プロセイン・オーストリアの三国で分割され、ポーランド・リトアニア共和国は「国家」として事実上消滅してしまいます。

「ウクライナ」にユダヤ人が大量に流入したことが、ロシアに大量のユダヤ人を招き入れる原因になった・・・と考えていたのですが、「ウクライナ」だけでなく、そもそも「ポーランド」そのものが分割されてしまったことによってロシアは大量のユダヤ人を国内に招き入れることとなったんですね。


さて。次回より、いよいよ部隊を「ロシア」へと移動し、時間軸もできれば「ロシア革命」まで進めることができれば、と考えています。


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第294回 アキエリークスとメール全文を比較(森友問題について)

前回の記事では、アキエリークス に掲載されている内容を下に、証人喚問に於いて籠池理事長が吐いた明らかな「嘘」と、証人喚問以前から籠池理事長と野党4党の間で何らかの「密約」が行われていたのではないかと考えられる、その「証拠」について記事にしてみました。

今回の記事では、もう一つのテーマである、昭恵夫人付官僚である谷査恵子氏から、籠池理事長に宛てて送信されたFAXに関連した情報を記事にしたいと思います。


問題になっているFAXとは?

籠池FAX1

塚本幼稚園 幼児教育学園
総裁・園長
籠池 泰典様

前略 平素よりお世話になっております。
先日は、小学校敷地に関する国有地の売買予約付定期借地契約に関して、資料を頂戴し、誠にありがとうございました。

時間がかかってしまい申し訳ございませんが、財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました。

大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。

なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております。

内閣総理大臣夫人付
谷査恵子

※明日より出張のため、携帯番号がしばらくつながらない可能性がございます。
ご迷惑をおかけいたします。


籠池FAX2

籠池様

平素よりお世話になっております。
先日頂戴しました資料をもとに、財務省国有財産審理室長の田村嘉啓氏に問い合わせを行い、以下の通り回答を得ました。

1) 10年定借の是非
通常、国有地の定借は3年を目安にしているが、今回は内容を考慮し、10年と比較的長期に設定したもの。他の案件と照らし合わせても、これ以上の長期定借は難しい状況。

2) 50年定借への変更の可能性
政府としては国家財政状況の改善をめざす観点から、遊休国有地は即時売却を主流とし、長期定借の設定や賃料の優遇については縮小せざるをえない状況。介護施設を運営する社会福祉法人への優遇措置は、待機老人が社会問題化している現状において、政府として特例的に実施しているもので、対象を学校等に拡大することは現在検討されていない。

3) 土壌汚染や埋設物の撤去期間に関する賃料の扱い
平成27年5月29日付 EW第38号「国有財産有償貸付合意書」第5条に基づき、土壌汚染の存在期間中も賃料が発生することは契約書上で了承済みとなっている。撤去に要した費用は、第6条に基づいて買受の際に考慮される。

4) 工事費の立て替え払いの予算化について
一般には工事終了時に清算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中。

この2枚のFAXです。


2枚のFAXは本当に問題なのか?

では、そもそもこのFAXがなぜ問題になっているのか。
マスコミ報道等を見ていると、安倍首相が2月17日の国会予算委員会に於いて、学校法人「森友学園」に対する国有地払い下げ問題への関与の関与を民進党福山議員より問われた際、

「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」

と返答したことにこのFAXの内容が反するからだ、と盛んに煽っています。
その理由として、当初野党やマスコミが主張していたのは、このFAX文章の中に、

「なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」

と掲載されていることを挙げていました。

即ち、昭恵夫人に報告しているということは、昭恵夫人付である谷さんが、昭恵夫人より指示を受けて財務省国有財産審理室長である田村嘉啓氏に問合せを行い、このことが後の国有地払下げに於ける8億円の値引きにつながったのではないか、という主張を展開していました。

そしてこれこそが、「安倍首相並びに安倍首相夫人が、国有地払下げ問題の値引きに関与していたという動かぬ証拠ではないか」というのが野党や各マスコミの主張です。

ところが証人喚問が行われた翌日。証人喚問に登壇した西田昌司議員と安倍首相とのやり取りの中で、そもそもこのFAXは、谷さんが昭恵んより指示を受けて動いたわけではなく、籠池理事長が昭恵さんではなく、谷さんに対して直接郵送した手紙に対する回答である、ということが暴露されてしまいます。

籠池手紙
こちらの画像はフジテレビが公開していたものを拝借いたしました。
この画像が、籠池理事長が谷夫人付に郵送されたとされる手紙の封筒、及びその全文です。

フジテレビが加工しているのは消印の日付をクローズアップしている部分だけですから、ほぼ原文のままです。文字が小さすぎて読めませんけどね。もしクレームが来ればこの画像は削除します。


さて。ですが、ここでいったん思い返してみてください。
この2枚のFAX用紙がここまで問題になったのはいったいなぜでしょう?

FAXに掲載されている内容が安倍首相の発言と矛盾するから?

いえ、違います。
理由はこちらの報道より。

【籠池泰典氏証人喚問】(産経ニュースより)
詳報(2)「国有地買い上げ条件を変更できないかと昭恵夫人の携帯に電話した」「口止めともとれるメールが届きました」

「次に土地の取引について申し上げます。

小学校の建設用地である、あの豊中の国有地の存在については、不動産屋さんから平成25年に紹介を受けました。これはすばらしい場所だと思い、小学校のために土地を確保したいと思いました。

その土地は国有地ということで、平成27年9月29日に定期借地契約を締結しました。

その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い時間へ、期間へ、変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。

留守電でしたのでメッセージを残しました。すると、後日、内閣総理大臣夫人付きの谷査恵子さんという方からご連絡をいただき、なかなか難しいとのお返事をいただきました。


平成27年11月17日に、谷査恵子さんからいただいたファクスでは『大変恐縮ながら、現状では希望にそうことはできない』『なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております』というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところであります」


もう一度黒文字の部分をピックアップしてみましょう。

私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。

留守電でしたのでメッセージを残しました。すると、後日、内閣総理大臣夫人付きの谷査恵子さんという方からご連絡をいただき、なかなか難しいとのお返事をいただきました。

そう。この2枚のFAXが一体なぜここまで問題になったのか。

答えは、証人喚問において籠池理事長が、

 「(土地の取得に関連して)昭恵夫人に残した留守電のメッセージに対する回答として(夫人付である谷さんから)2枚のFAXをもらった」

と証言したからここまで問題になったのです。

ですが、その翌日、安倍首相より谷さんが送ったFAXはそもそも籠池理事長が昭恵夫人の携帯に残した(と籠池理事長が主張している)メッセージに対するものではなく、籠池理事長が谷さんに対して直接送った手紙に対する回答であったことが暴露されてしまいます。

一万歩以上譲って、仮に籠池理事長が昭恵さんの携帯にメッセージを残したということが事実であったとしましょう。だとすれば、普通その後送られてきた手紙は、谷さん宛ではなく、昭恵夫人宛になるのではないでしょうか。

仮にその後昭恵夫人より籠池理事長に対して返答があり、「私のお世話をしてくれている谷さんが対応しますので、詳細を谷あてに送っていただけませんか?」 といった情報が昭恵さんから籠池理事長に伝えられていたのだとしたら、まだわからない話ではありません。

ところが、午後の衆議院証人喚問に於いて、自民党の葉梨議員との間で、こんなやり取りがなされています。

【籠池泰典氏証人喚問】(産経ニュースより)
詳報(19)元警察官僚の自民党議員が追及 「平成27年10月の消印がある。籠池さんの話は間違っている」

葉梨氏
「私、昭和58年に大阪府警の捜査2課で勤めてまして、平成元年から平成3年までは兵庫県警の捜査2課におりまして、あのへん、多少、土地勘はあるんで、午前中のお話も懐かしく、お聞きしておりました。

そこで、籠池さんに質問なんですか、午前中いくつかですね、論点の新しいお話も出ましたので、それを一つ一つ申し上げておきたいと思います。

午前中の参議院の質疑の中で、民進党議員の方からの質問でした。

(安倍晋三首相の)昭恵夫人に1回だけお願いをしたことがあります、ということを言われました。午前中のお話では平成27年の10月頃に、昭恵夫人の携帯に籠池さんが電話をされて、まず、留守電に入れておいたということですが、これについて返信はありましたか


籠池氏
返信の方はございません。今のことについて、参議院でお話しさせていただいたこと、ちょっと訂正をさせていただきますが、昭恵夫人が、当学園の名誉校長になられる前のことでございました。それだけお伝えいたします」

そう。籠池氏は、つまり彼が昭恵夫人に対して残したメッセージに対する回答は、昭恵夫人本人からは「なかった」とはっきり答えているのです。

だとすれば、なぜ籠池氏は土地取得に関する詳細な内容に対する問い合わせを、昭恵夫人宛ではなく、谷夫人付宛に郵送しているのでしょうか?

そう。彼はここで大きな嘘を堂々とついているんですね。
まかり間違ってこれが嘘ではなかったのだとしても、この一連の流れの中で、彼が「虚偽の証言を行っているのではないか」ということがまず第一に話題に上がるのが本来の国会のあるべき姿なのではないでしょうか。

更にもう一つ。上記葉梨議員とのやり取りは以下の様に継続します。

(籠池氏の、「参議院でお話しさせていただいたこと、ちょっと訂正をさせていただきますが、昭恵夫人が、当学園の名誉校長になられる前のことでございました。それだけお伝えいたします」という答弁を受けて)
葉梨氏「昭恵夫人が名誉校長になられたのは平成27年の9月で間違いございませんね」

籠池氏「そのとおりでございます」

葉梨氏「平成27年の9月に名誉校長になられて、そのあとに、昭恵夫人付きの職員に、あなたが手紙を書かれたことはありますか

籠池氏「今の時系列の違いですが、昭恵夫人が名誉校長になられる前に、私は手紙を書いたことはあります

葉梨氏「これはその手紙でしょうか。これは籠池さんが書かれたものですか」

籠池手紙

籠池氏「はい、あの、そのあて名書きは私の字体ではありませんが、家内の方で書いたものだと思います

葉梨氏「これは平成27年の10月の消印がございますので、名誉校長になられてから後ということでございますので、籠池さんのお話は間違いということになります。そして、その後しばらくしてなんですが、手紙を書いてから、職員が役所から聞いた説明をファクスで回答されたということでしたが、それは間違いございませんね」

籠池氏「はい、それは間違いございません。今、私の手元にもございますから、これをごらんになっていただいたら、いいんだと思います」

葉梨氏「ファクスで回答が来たと。それは小学校用地を10年の売買予約付き定期借地契約で契約をしたけど、これが50年にならないかという内容だったと、午前中、お話をされましたね。これが値下げにできないかという相談や工事費の立て替え払いの相談をしたわけですよね。これも確認いたします。午前中も同じお話をしてますから」

籠池氏「はい、そのとおりでございます。あの、ただ議員お示しのその封筒をもう一度、私見せていただかないと、それが私、私が私の自筆で書いておりますので、それは私の自筆じゃございませんので、それをお伝え申し上げておきます

葉梨氏「ただ、その相談を受けた職員が財務省に確認したところ、すべての法令、行政実務、さらには締結されている契約書等に照らして、ご希望に沿うことができないという回答がファクスであったということも間違いありませんね」

葉梨さん、ここは少し焦ったな、とは思うのですが、この時点で葉梨議員は封筒のコピーしか持っていませんでしたので、封筒の中身を示すことができませんでした。

ですが、後の報道内容等を見ていると、この封筒の中身は籠池氏が自筆で記していることはほぼ明らかにされています。
私はここで、封筒の中身を記したのは籠池氏自身だったのに、籠池夫人が記したと証言したことが「嘘」ではないか、とかそんなちっぽけな話をしたいわけではありません。

私が取り上げたいのは上記で赤色で掲載している部分。
彼は、葉梨氏の質問に対して、「昭恵夫人が森友学園の名誉校長になった後に谷夫人付に対して手紙を書いたことはない」と安に主張しているのです。

ですが、仮に封筒の中身の筆跡が彼自身の筆跡であるということが事実だとすれば、彼は昭恵夫人が名誉校長になった後、谷さんに対して手紙を書いたことがある、ということが事実だと証明されてしまいます。

そう。彼は自分自身が昭恵夫人が名誉校長に就任後、谷さんに対して手紙を書いているのに、「書いていない」という嘘をついているのです。

ではなぜ彼はそんな嘘を吐いたのか。
答えは簡単です。

 「(土地の取得に関連して)昭恵夫人に残した留守電のメッセージに対する回答として(夫人付である谷さんから)2枚のFAXをもらった」

という今回の証言の肝ともいえる、最大の「大嘘」との間での整合性が取れなくなるから。

籠池氏がここまであからさまな大嘘をついているわけですから、本来マスコミで取り上げるべきなのは、籠池氏のこの証言内容と事実との大幅な乖離であるべきであるはずです。

ところが、なぜかマスコミでは全く逆の報道姿勢を貫いていますね。

【昭恵氏も証人喚問を】(朝日新聞ニュース)
「昭恵氏も証人喚問を」豊中市議らが衆参議長に申入書

木村真・大阪府豊中市議ら関西の地方議員約50人が17日、安倍昭恵氏らの証人喚問を求める申入書を衆参両院の議長や二階俊博・自民党幹事長らに送った。

木村市議らは、森友学園が目指した小学校建設を巡り、国有地取得の交渉が学園側に非常に有利に進んだ背景には、名誉校長に就任(問題発覚後に辞任)した昭恵氏に国側が配慮した可能性があると指摘。昭恵氏のほか、交渉当時の財務省理財局長や近畿財務局長らの証人喚問も求めている。

 学園の籠池泰典氏は、安倍晋三首相から昭恵氏を通じて100万円を寄付されたと証言したが、安倍首相や昭恵氏は否定。籠池氏1人が証人喚問の対象になっている。木村市議は「昭恵氏も証人喚問して検証するべきだ」と話した。

 木村市議は、学園への国有地の売却価格を非公表としたのは不当として、大阪地裁に国を訴えている。

さて。今回反芻した籠池理事長の証言内容と、野党及びマスコミの対応から想像されることなのですが、

・野党は事前に2枚のFAX文面を既に入手していた
・与党側が既にFAX文面を入手しており、これをベースに質疑を行ってくることを想定していなかった
・野党は籠池氏との間で、証人喚問以前に直接このFAX文面に対する質疑シナリオをお互いに共有済みだった

また更に、
・マスコミも一枚噛んでいて、

 「報道を通じて絶対に籠池さんを有利にしますから、このシナリオでいきましょう」

といった裏合わせも既にできていたのではないでしょうか?
それが、彼のあの強弁の真相だとしたら・・・。


工事費の立て替え払いの予算化について

モーニングバードでの報道
こちらは、昨日テレビ朝日「モーニングバード」にて用いられていた画像をシャメったものです。
証人喚問に於いて、籠池氏が持参していたFAX文面の画像で、「2枚目のFAX」にを撮影したもの。

このところ、ネット上でもこの「2枚目が重要である」という拡散情報を非常によく目にします。
籠池氏が「重要」と書いているこの部分。

これは、サブタイトルにも記した2枚目のFAX4項目、「工事費の立て替え払いの予算化について」という内容について示したものです。

再掲します。

4) 工事費の立て替え払いの予算化について

一般には工事終了時に清算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中。

マスコミや野党側は、この情報が、

「安倍首相夫人である安倍昭恵氏の夫人付である谷査恵子氏が交渉した為、森友立替分返済の期日が早まった証拠」

だとしているのです。

官邸側は、この谷さんのFAXを、「谷さんが財務省国有財産審理室長に問い合わせを行ったが、ゼロ回答であったということを示すものであり、首相や首相夫人が土地取引に関与していないことが証明された」としているわけですが、この官邸側の回答に対して、「ゼロ回答ではなかったという証拠だ」と必死に主張しています。

ですが、よく考えてみてください。
この文面、どう考えても谷さんが考えた文面ではないですよね?

「冒頭の以下の通り回答を得ました」以下の文面は、谷さんの考えた文面ではなく、「財務省国有財産審理室長の田村嘉啓氏」より送られてきた文面を、そのままFAX用紙に掲載したもの。

送信日時が2015年11月17日となっており、籠池氏が谷さんに郵送した封筒の消印が10月27日となっていますからこの間凡そ20日間の間のやり取りであることが解ります。

勿論封筒が届いてから、直に役所に問い合わせたわけではないでしょうし、おそらく昭恵夫人にも「どのような対応しましょうか」といった趣旨の問い合わせは行っているでしょうから、実際にはもう少し日数は短くなっていると推察されます。

ではたったそれだけの日数の間に、財務省国有財産審理室長である田村嘉啓さんが、

「総理大臣夫人である安倍昭恵さんの付き人である谷さんからこんな問い合わせがあった。総理府人の付き人の問い合わせだから、早急に善処してやってくれ」

とでも言って財務省内で手配したのでしょうか?
そんなわけがありません。

田村嘉啓さんが、

 『学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第返金する」旨の了解であったと承知している』

と回答していることから、谷さんが問い合わせをするまでもなく、問い合わせをした時点で、

 「学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整」で、「予算措置がつき次第返金する旨の了解」は行われていた

ということです。
で、本来であれば27年度予算に間に合わせる予定だったけれども、残念ながら間に合わなかったので28年度予算に組み入れることにしていますよ、という返答を田村嘉啓さんが谷さんに対して行っただけのこと。

これを谷さんが一切加工することなくFAX文面に載せて籠池氏に対して送信した、ただそれだけのことです。

これって、「関与」したことになるんでしょうか?
谷さんは公務員ですから、職務の一環として行った事は、そりゃ「公務」になるのかもしれません。

だけどそんなことどうだっていいですよね? 本筋にはまったく関係ありません。

今話題になっている「忖度(そんたく)」すら行われているわけがありません。
せいぜい、谷さんが籠池氏からの要求に対して、

 「昭恵夫人の名誉もあるから、失礼のないよう、誠実に対応しなくちゃ」

程度の「忖度」でしょう。
もし本当に「忖度」が行われたのだとすれば、それは安倍首相や昭恵夫人ではなく、声が大きくワイワイとやかましく詰め寄ってくる籠池夫妻に対する「忖度」だったのではないでしょうか。

例えば、

 「ごみは表層部分の1億3千万円分しかないと聞いていたのに、掘ってみたらこんなにも大量のごみが出て来た。一体どうしてくれるんだ?

我々は小学校を建設する予定なんだ。小学生にこんなゴミの中で授業を受けろというのか。

撤去にだって莫大な費用が発生するんだ。もし開校までに撤去が間に合わず、開校が遅れたりしたらどう責任とってくれるんだ?」

といった後、
「もし開校が遅れたりしたら、損害賠償請求を行ったっていいんだぞ」

と。もちろん交渉を行ったのは籠池氏本人ではなく、酒井弁護士です。
「交渉」ですから、このくらいのことはありかもしれません。

で、財務省側が

「わかりました。表面の撤去費用には1億3千万円かかっていますし、お隣の給食センターでは14億円の土地を2000万円で払い下げた事例もあります。

今後、訴訟を含めた一切の責任を国側が行わないという条件(瑕疵担保責任免責)で、8億円値引きし、1億3000万円でお渡ししましょう」

といった結論を出した・・・といったところなのではないでしょうか。
まあ、このあたりは私の推測にすぎませんけどね。

ただ、一つだけ言えることは、偽証罪が成り立つ証人喚問

 「(土地の取得に関連して)昭恵夫人に残した留守電のメッセージに対する回答として(夫人付である谷さんから)2枚のFAXをもらった」

という大嘘を堂々と吐ける籠池理事長の問題が、一切議論されることもなく放置されたままにされていることにあるのではないでしょうか?

で、そんな籠池理事長と昭恵夫人と、どちらが本当に信頼できるのか、考えるまでもないと思いますけどね。


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「森友学園問題」。
直接言及するのは 第285回の記事 限りにしようと思っていたのですが、マスコミ報道の姿勢や維新・こころを除く野党の姿勢を見ていますと、どうにも我慢がなりません。

犯罪でもなんでもない事項をここまで徹底して取り上げ、あたかも犯罪が行われたかの様に取り扱う姿勢にはほとほと嫌気がさします。

そこで、今回はまずは籠池夫人と安倍昭恵さんとの間で行われたメールのやり取りと、もう一つ、元安倍昭恵夫人付官僚でいらっしゃいました、谷査恵子さんが、籠池氏からの手紙に対して行った返信FAXについて、二部構成で記事を作成したいと思います。


アキエリークスとメール全文を比較

さて。タイトルに掲載しています、「アキエリークス」とは何かと申しますと、こちら。
アキエリークス

Facebookで、自由党寄りの主張を展開する方の投稿へのコメントにて紹介されていたのを見て私も初めて知りました。
どんな内容かといいますと、先日安倍首相サイドにて全文が掲載されたメール内容の写真が、合計70枚掲載されているブログ記事です。

こんな感じです。

【籠池・明恵夫人メール】
籠池・明恵夫人メール0

一番特徴的な部分を取り上げてみました。
よく見てみますと、日時が2017年2月25日17時28分。

そして「From あべあきえ」となっていますので、安倍昭恵夫人よりどなたかに送信されたメールである、ということが分かります。
勿論相手は籠池夫人。つまり、この画像はメールを受け取った側である籠池夫人がこの「アキエリークス」を作成した誰か、第三者に対して提供した画像である、ということになります。

上記記事が投稿されたのは2017年3月24日。
2名はてなブックマークをしていまして、リンク先であるはてなブックマーク まで訪問しますと、はてなブックマークに掲載された時間が 「2017/03/24 19:32」 となっています。

年別でみても、2017年、つまり 今年一年間で投稿されている記事 は唯一この記事のみ。

2016年 で見ても、2015年でみても、投稿されている記事は一つもありませんから、おそらく今回のメール画像が投稿された記事が初の投稿であり、且つ唯一の投稿であるのは間違いないものと思われます。

何が言いたいのかと言いますと、例えば過去に何度も記事が投稿されていて、そのブログなりホームページなりのファンが既についているサイトであれば、例えば記事が投稿されてそう時間が経たないうちにはてなブックマークをつけることはあるでしょうが、このブログは今回対象としている記事が初めての記事であり、この記事の存在は誰も知らなかった、と考えられるということです。

にも関わらず、このj記事が投稿されたまさにその日に、特に一番最初にブックマークを付けた人は、このブログを投稿した人本人か、またはその関係者なのではないか・・・と考えられるということです。まあ、このネタは話の本筋ではありませんので、ここまでにします。


さて。改めて先ほどの画像を見てみますと、ここには以下のようなメール文が掲載されています。

「私もよくわかりませんが、色々気を付けなくてはいけないことがあります。
わたしが関わったということは、裏で何があるのではと疑われないように」

さて皆さん。

この文面をみてどのように感じるでしょうか?
何となく、「安倍昭恵夫人から籠池夫人に対して何等かの圧力がかけられたのではないか?」と感じませんか?

では、ここで籠池理事長が証人喚問に於いて行った発言を振り返って見ましょう。

【籠池理事長証人喚問詳報(2)4/5より/産経ニュース】
詳報(2)「国有地買い上げ条件を変更できないかと昭恵夫人の携帯に電話した」「口止めともとれるメールが届きました」
「この問題が国会で議論されるようになってから、私の妻のところに昭恵夫人から、ご夫妻が今、大変なことは想像がつきますが、『主人にとっても大変なことに巻き込まれたということも理解いただきたいと思います』とか、

『私がかかわったということは裏で何かがあるのでは』と疑われないように

という、口止めともとれるメールが届きました。あんなに私たちの学校の開校を楽しみにしてくれていて、考え方に非常に共鳴しているのです、とか、森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いていると総理もおっしゃっていただいていたのに、どうしてなのか割り切れない思いです」

 「私は純粋に、自分の理想とする教育を実現するために、小学校設立に夢中になって走り続けてまいりました。その途中で、多少無理をしてしまったことはあるかもしれません。でも私が、昭恵夫人や畠先生にお願いした先でどのような対応がなされたというのは本当にわかりません」
こちらは、産経ニュースより、籠池理事長が行った証人喚問に於ける全文が掲載された記事より抜粋したものです。

この中で、私が太文字にしている部分を見てみましょう。

『私がかかわったということは裏で何かがあるのでは』と疑われないように という、口止めともとれるメール

籠池・明恵夫人メール0

あれ?
確かに、明恵夫人より、「口止めともとれるメール」が届いていますね。

ですが、もうすでに安倍首相側より配信されている情報でもご存知の方は多いと思いますが、このメールには続きがあります。

【籠池・明恵夫人メールの続き】
籠池・明恵夫人メール0-2

そう。これはショートメール画面ですから、文字数に限りがあり、細切れになっているんですね。

つまり、

「私もよくわかりませんが、色々気を付けなくてはいけないことがあります。
わたしが関わったということは、裏で何があるのではと疑われないように、細心の注意を払わなければならなかったということだったのでしょう

これが、メールの「全文」です。

では更に、証人喚問に於ける籠池氏の答弁に対して翌日の参議院予算委員会に於ける西田昌司議員の質疑に対する安倍首相の答弁を見てみましょう。

【森友学園参院予算委 西田昌司議員質疑】
安倍首相
「今回、このメール、残念、ここで公表されなかったのは残念なんですが。

メールのやり取りを全て、籠池氏の奥さんとうちの妻とのメールのやり取りは全て正直に公開させていただいております。妻は、相手方が完全に了解しなければということで一切出してこなかったんですが、私はこれ見ましたから、これ出せば、分かるじゃないかといってきたんですが、相手方がそうではなかったものですから今日に至っている。

ここに至って公開させていただいたところでございます。

いずれにしても私の妻も、こうした役職(森友学園が新設する小学校の名誉校長)を引き受けるにおいては慎重でなければならなかったという趣旨のことは申していたわけでございます。

しかしメールの一部を使って、メールで口止めをしたと籠池氏がおっしゃっていることは、極めて、もう一度申し上げますが、極めて遺憾であり、その中で例えば勘ぐりをされる。

まっとうな人間がまっとうなことをしているのを阻止されるなどという籠池夫人からのメールに対して、李下に冠を正さずという趣旨で(昭恵夫人が)返信したものであるということは明らかでありまして、(籠池氏側の主張が)悪意に満ちたものであるということは申し上げておきたいと思います


さて。ここで一つ疑問がわいてきます。
籠池理事長は、一体何を見て「口止めともとれるメールが届きました」と証言したのでしょう。

もちろん私は籠池理事長を擁護するつもりはさらさらありません。ですがあくまでも仮定の話ですが、

籠池・明恵夫人メール0

こちらのメール画面しか見ていなかったとしたら、いかがでしょう。
若しくは籠池夫人が、この画面しか理事長に見せていなかったとしたら・・・。

もう一つ深く話をするとすれば、籠池理事長は、既にこのメールがやり取りをされた経緯をすべて把握していて、証人喚問が終了した後に、この画面が公にされることをすでに知っていたとしたら。

アキエリークス」は、「ワードプレス」と呼ばれるブログシステムをつかって作成されています。

但し、ワードプレスは私が現在作成しているFC2ブログやその他アメブロなどのブログシステムとは異なり、事前にブログを設置するためのサーバーを確保しておかなければなりませんし、その契約は少なくとも一日では完了しません。

何が言いたいのかというと、少なくとも「アキエリークス」 に掲載されている写真は、証人喚問が行われる前。23日以前に獲得しておかなければ24日にあれほど都合よく「アキエリークス」なるものを公開することは出来ないということです。

タイトルに「アキエリークス」という名称が用いられていますが、これは海外で一時期有名になった「ウィキリークス」をもじったものであることは容易に想像できます。

「ウィキリークス」とは、例えば政府であったり、大手企業であったり、宗教団体であったり、通常であれば機密にされ、公開されないはずの情報を公開し、所謂「体制」を揺るがすことを目的として作成されたものです。

「アキエリークス」という名称が用いられている以上、これは本来であれば安倍昭恵夫人が隠そうとしているはずの情報を安倍昭恵夫人夫人の意図に反して公開することで、「安倍内閣」という体制を揺るがそうとする意図を持った人が作成したことは容易に想像できるわけです。

では、改めて「アキエリークス」にて公開されているメール画像をここでも掲載してみます。画像は69枚ありますので、読まれる方はその意識でご覧ください。

トップ画像
メール画像1

2017/2/25
From明恵夫人
メール画像2

From明恵夫人
メール画像3

From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
メール画像13

From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
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From明恵夫人
メール画像19

From明恵夫人
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2017/02/26
From明恵夫人
メール画像21

2017/02/28
From明恵夫人
メール画像22

From明恵夫人
メール画像23

From明恵夫人
メール画像24

From明恵夫人
メール画像25

From明恵夫人
メール画像26

2017/03/01
From明恵夫人
メール画像27

2017/03/02
From明恵夫人
メール画像28

2017/03/03
To 明恵夫人
メール画像29

To 明恵夫人
メール画像30

2017/03/05
To 明恵夫人
メール画像31

2017/03/07
To 明恵夫人
メール画像32

To 明恵夫人
メール画像33

To 明恵夫人
メール画像34

To 明恵夫人
メール画像35

2017/03/08
To 明恵夫人
メール画像36

To 明恵夫人
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From 明恵夫人
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To 明恵夫人
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From 明恵夫人
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To 明恵夫人
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To 明恵夫人
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To 明恵夫人
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To 明恵夫人
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From 明恵夫人
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To 明恵夫人
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From 明恵夫人
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To 明恵夫人
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To 明恵夫人
メール画像49

To 明恵夫人
メール画像50

2017/03/09
From 明恵夫人
メール画像51

2017/03/10
To 明恵夫人
メール画像52

From 明恵夫人
メール画像53

To 明恵夫人
メール画像54

From
メール画像55

To
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From 明恵夫人
メール画像57

To 明恵夫人
メール画像58

From 明恵夫人
メール画像59

To 明恵夫人
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2017/3/11
To 明恵夫人
メール画像61

2017/03/16
From 明恵夫人
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To 明恵夫人
メール画像63

From 明恵夫人
メール画像64

To 明恵夫人
メール画像65

From 明恵夫人
メール画像67

From 明恵夫人
メール画像68

To 明恵夫人
メール画像69

From 明恵夫人
メール画像70

さて、いかがでしょう。
基本的に、明恵夫人が「祈ります」や「神様」を多用しているのは、彼女がクリスチャンだから。
全体を通して読むとつじつまが合わない様に見えるのはショートメールなので内容が細切れになっているから。

さて。それにしても、既にお気づきの方はいらっしゃると思いますが、内容として民進や共産党、そして籠池氏自身にとって都合の悪い画像は全て掲載されていませんね。

例えば、2月28日の件は以下の通りです。(日刊スポーツより
2月28日

 (昭)私は講演の謝礼を頂いた記憶がなく、いただいていたのなら教えて頂けますでしょうか。

 申し訳ありません。

 (籠) 申し訳ありません。

 あまりにひどい なぜその情報はどなたからですか 全国の方々から励ましのメールがどっさり届き励まされます 絶対おかしい!

 (昭)報道をされたようなので、確認です。

 (籠)えーひどい ひどすぎます 応援メールをみていただきたいぐらいです

 (昭)私も籠池園長の熱意は信じています。

 本当に記憶から飛んでしまって、他の講演等は全て振込みか、銀行に入れて税理士事務所に管理してもらっているのですみません。

 (籠)今まであきえさんとはなしていました

 私学審議会が通らなかったら幼稚園も自宅も破産ですちゃんと正しく見ている方はいます 辻本清美共産党今はぐっと辛抱です(笑)

 民進党の議員はおもしろがって 先生方に近より 怒らせようとして ニタニタ笑いながら 幼稚園に侵入するので びっくりする子達をみて 笑うのだそうです 先生方は 入らせないように阻止させるのです 家の前にも報道陣が今もいて 警察に 今通報しました

ここは、肝心の講演謝礼についてのやり取りが交わされる場面ですが、アキエリークスには籠池夫人のちぐはぐな返答の画面は掲載されていません。

このやり取りを見る限り、籠池夫人は謝礼の報道が偽りの報道であり、「絶対おかしい」と言っている様に見えます。
当然末尾の民進党議員に対する印象文に関してはカットされています。

3月1日の件に関しては以下の通りです。

(籠)拝啓村上幕僚庁の会見に涙がでました稲田さんに表彰状を貰ったんじゃないと主人は吐き捨てました

平成五年より自衛隊の要請をマスコミにも返上しないときっぱりと園長は申してました

昨夜マスコミから逃れるために豊中南警察に被害届を出したあとアパホテルに身を隠しています

昨夜長年幼稚園で将棋の講師をしている川崎先生が谷川名人にマスコミが幼稚園のきて報酬をいくらもらったのか あきえさんを調べているといわれたそうです

将棋連盟から指導棋士の将号を返上しないと幼稚園にいくならやめよといわないがやめてほしい朝日と毎日がスポンサーなのだそうです

失業の危機に一日中奥さんからせめられ政治家は何をしてるんですか 発身ばかりわずかな給料で税金ばかりがふえ一日中テレビでゴシップ問題で他に話題はないんですか 国会議員が国を悪くしているんじゃないですか

辻元清美が幼稚園に侵入しかけ 私達を怒らせようとしました
嘘の証言した男は辻本と仲良しの関西生コンの人間でしたさしむけたようです

(昭)今はじっと我慢の時です。私もまだまだ追い詰められるのかもしれませんが、お互い頑張りましょう。

(籠)誘導尋問にのらぬようにしてください絶対に国の不利になるようなことはいってません孫請業者の作業員がその委託社長がしてないといったのにもかかわらずその三日だけきた作業員が辻元清美が潜らせた関西なんとか連合に入っている人間らしいです作業員はわからないくせにマスコミにいわしていたそうです

 あきえさん 分断がねらいです ひっかからぬよう 国の再生の為にまけないようにしてほしい

 下請け業者の社長は現場もマスコミに写し全くうめてないことをしっていて三日だけきた作業員を辻元清美は送り込みました

 辻元清美生コンをみればある関西こうえき連合の人間をマスコミに出し社長の言い分はのせなかったそうです 国会議員の犯罪じゃないですか

 (昭) 心の垢を落とす、本当にそうだなあと思います。

 この国のために命を懸ける夫を思う気持ちは一緒です。

ここは、ピンポイントで民進党議員である辻元清美議員が、彼女が懇意にしている「関西生コン連合」の作業員を現場に潜入させ、マスコミの取材に応じさせた・・・という情報が掲載されている部分です。

この部分を辻元議員は自身のホームページ や民進党ホームページにて、以下の様に掲載し、否定しています。

本日公表されました、安倍昭恵夫人と籠池夫人が交わしたメールの文面の中に、辻元清美に関する虚偽がありました。
民進党より、報道関係各位に、まったくの事実無根である旨、文書にて配布しております。
以下に文書内容を転載します。

===
平成29年3月24日
報道関係各位
安倍昭恵夫人と籠池夫人との間のメールについて

民進党役員室

本日、公表された安倍昭恵夫人と籠池夫人とのメールには、わが党の辻元清美議員に言及した箇所がありますが、そこで記されている内容は事実に反する虚偽のものです。

本年3月1日のメールに、辻元清美議員が塚本幼稚園に侵入しかけたとされていますが、そのようなことは一切なく、そもそも同議員は塚本幼稚園の敷地近くにも接近していません。
このことは、周囲にいた多数のメディア関係者を含め、皆が確認しているところです。
また、辻元清美議員が、作業員を下請け業者に送り込んだとされていますが、これも全くの事実無根です。
これは、ネット上で流された根も葉もない噂を信じたためと思われますが、そのような事実は一切存在しません。
メディア各位におかれては、このような誤った内容を拡散しないよう強く求めます。

========

配布した文書のPDFはこちら

このようなデマにくれぐれも惑わされないようにお願いいたします。

勿論これが事実であれば非常に問題であるわけですが、今回ご紹介した アキエリークス にはこの情報は一切掲載されていません。


さて。以上の内容から、今回の一件に関して、籠池夫妻と民進党を初めとする野党4党(維新・こころを除く)の関わりあいについて、一つの推論が成り立ちます。

1.野党4党と籠池夫妻(もしくは単独で籠池理事長)との間で、証人喚問以前より既に一定以上の人間関係ができていた。

2.野党4党は、証人喚問が終わった後、「アキエリークス」にて籠池夫人より野党4党に関係のある何者かに対して提供されたっメール情報が掲載されることを知っていた。

3.掲載される内容を下に野党4党と籠池理事長との間で証人喚問に関するすり合わせが行われており、証人喚問後、メール情報、及び「明恵夫人付官僚が籠池理事長へ送ったFAXの内容」を下に与党を攻める示し合わせが行われていた。

4.ところが、アキエリークスによってメール情報がリークされるより先に、安倍首相がメール情報全文を公開してしまい、アキエリークスでは伏せて公開しない予定であった内容までばらされてしまったため、大きく予定が狂ってしまった・・・。

これ、おそらく当たらずとも遠からずだと思います。


このことを前提として、上記動画を見ると、福山哲郎ら民進党議員たちの慌てぶりの理由がよく理解できます。


次回記事では、もう一つの「リーク」情報である明恵夫人付官僚より籠池理事長に送信されたFAXの見方について記事にしたいと思います。


この記事のカテゴリー >>ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯


<継続する記事>
第292回 ポーランドとドイツ騎士団とユダヤ人/ソ連誕生までの布石

だめだ・・・

どうもこのシリーズを書こうとすると、私がそもそもなぜこのシリーズを記そうと思ったのか、という軸がぶれそうになります。

結論として導きたいのは、そもそもロシア帝国が崩壊し、共産化したのは「ロシア人とユダヤ人との対立」の結果である、という結論です。もちろんこれは仮説であり、まだ証明できてはいません。

これを証明するためにこのシリーズを作ろうとしているのですが、どうも「悪魔のささやき」が聞こえてきてなりません。
仕方のない部分はあるのですが、どうしても「ユダヤ人迫害の歴史」を追求しようとしてしまいます。

ですが、これをやっちゃうと本来の「ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯」を追求する以上に記事数を割いてしまいそうでなりません。

もっと言えば、最終的には「ロシア革命はユダヤ人の陰謀であり、ロマノフ家はユダヤ人の手によって壊滅させられた」というところまで持っていきたいわけです。

というと語弊があるかもしれませんね。私は、この仮説が事実であるのか、それともデタラメなのかということを証明したいのです。
ここを証明することが目的ですので、ユダヤ人迫害の歴史は、ロシア中世・近代史に関連する部分に極力留め、それ以上過去にまでは遡らない様努めたいと思います。


前回の記事 では、モンゴル(キプチャク・ハン国)の脅威に晒され、弱体化しつつあったポーランドが、ユダヤ人に寛容な政策を取ることで、他国で迫害されるユダヤ人を自国内に招き入れ、ドイツ商人と共に、ポーランドの経済回復の一助となってく様子を記事にしました。

で、そもそも私がなぜポーランドがユダヤ人を招き入れることとなった歴史に触れようとしたのかというと、このことが後々ロシア内にユダヤ人を大量に招き入れることとなる根拠となったから。

で、私がなぜ「ユダヤ人迫害の歴史」に言及したくなるのかというと、そもそも「ポーランド」にユダヤ人の数が激増した理由は、ポーランド以外の国々でユダヤ人が迫害を受け続けてきていたからであり、これはロシアもまた例外ではありません。

つまり、ロマノフ朝によるユダヤ人に対する迫害がユダヤ人のロマノフ朝に対する反感へと繋がり、これが後のロシア革命へとつながったのではないか・・・というのが一つの「仮説」です。


さて。ではなぜ「ポーランドの歴史」が「ロシアにユダヤ人を招き入れる原因となったのか、と申しますと、ここに大きく関係してくるのが「ウクライナ」の存在です。

では、もう一度前回の記事でご紹介した、「元」国時代の地図を見てみます。

モンゴル

ロシアを支配していた「キプチャク・ハン国」の領土内、カタカナで「キエフ」と書かれている領土内に、さらに小さい文字で「キエフ」、そして「モスクワ」という文字が書かれているのが分かると思います。

前回の記事でもお伝えしました、元々キプチャク・ハン国がこの地を急襲する以前、この国には「キエフ・ルーシ」という国が存在していました。モンゴルの急襲によって「キプチャク・ハン国」と名を変えるわけですが、まだここに「キエフ・ルーシ(キエフ大公国)」が存在していた時代。

時の権力者、ユーリー・ドルゴルーキー大公は、自身の息子であるフセヴォロド3世に、嘗て自身が「公(公国の元首のこと)」として治めていた領土を分け与え、「ウラジーミル・スーズダリ公」の位を与えます。

フセヴォロド3世はこの土地に、「ウラジーミル・スーズダリ公国」を建国し、これが後の「モスクワ・ルーシ(モスクワ大公国)」の原型となります。フセヴォロド3世の死後、この土地はフセヴォロド3世の息子であるユーリー2世が継承します。

モンゴルが攻めてきたのはユーリー2世の時代(1238年)。モンゴル軍により、ユーリー2世の一族は、軒並み滅ぼされ、彼自身も戦死するのですが、彼の弟であるヤロスラフ2世が大公の座を受け継ぎ、彼はモンゴルに「臣下」として従事することで「モンゴル帝国領ウラジーミル公国」の存在を維持します。

更にその息子、アレクサンドル・ネフスキーの末子である「ダニール・アレクサンドロヴィチ」がアレクサンドルより「モスクワ領」を受け継ぎ、「モスクワ公」を名乗ることとなります。ダニーるの血縁者が後にモンゴル王より「モスクワ大公」に任じられ、ダニールの息子であるユーリー3世とイヴァン1世が連続して「モスクワ大公」の位に就くこととなります。

この時代はまだ、「モスクワ大公国」はモンゴルの支配下にあったんですね。

【モスクワ大公国】
モスクワ大公国-2


モスクワ大公国は、確かにユーリー2世よりウラジーミル領を分け与えられたフセヴォロド3世の子孫が更に受け継いだ土地なのですが、実際にモンゴルに滅ぼされた後の「キエフ大公国」そのものを勝ち取り、継承したのは「ハールィチ公国」と「ヴォルィーニ公国」とが合併した「ハールィチ・ヴォルィーニ大公国」でした。

ハールイチ・ヴォルイーニ大公国

この、「ハールィチ・ヴォルィーニ大公国」こそ、「ウクライナ」の源流。

ハールィチ・ヴォルィーニ大公国はモンゴルとの戦いに敗れた後、ウラジミール大公国同様モンゴルの属国となるのですが、大公であったダヌィーロは、自分の息子を隣国リトアニアの初代大公であったミンダウガスの娘と婚姻関係を結ばせ、リトアニアとの関係を強固なものとし、ともにドイツ騎士団との戦いや、ポーランドへの遠征なども行います。

1340年に大公が途絶え、国が貴族の支配を受けるようになると、その国力は一気に弱体化し、後にポーランド・リトアニアによって分割統治されることなります。

ハールィチ公国はポーランド領に、ヴォルィーニ公国はリトアニア領となります。
この当時、ポーランドとリトアニアは連合国となっており、「ユダヤ教」に対してヨーロッパ一寛容な国家でした。
(※失礼しました。ハールィチ・ヴォルィーニ大公国がポーランドとリトアニアに吸収された当時、両国はハールィチ・ヴォルィーニ領をめぐって戦争を起こしており、まだ「連合国」と呼べる関係にはありませんでした。
吸収した後、ドイツ騎士団に対抗するため、お互いが連携(1387年)し、同盟関係を結ぶことで「連合国」としての形を築くことになります)


そんな「ポーランド・リトアニア連合国」に「ウクライナ」は吸収されてしまったんですね。
この時、「ウクライナ」という地域に、もまた大量のユダヤ人が流入します。


少し見えてきましたね?
このことが、後にロシア帝国にユダヤ人が大量に流入するきっかけとなります。

そのためには、もう少しこの「ウクライナ」という国の歴史をたどる必要があるのですが・・・。
その記事は次回へゆだねます。


この記事のカテゴリー >>ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯


<継続する記事>
 ソビエト連邦の誕生までの歴史~ロシア人とは何者なのか?

タイトルは非常に悩みました。
ロシアのどの時代にスポットを当てるべきなのか、そもそもタイトルとして、「ロシア」そのものにスポットを当てても良いものなのか。

カテゴリーの名称としては、ロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯 との名称ですから、なぜポーランドやドイツ、ユダヤ人が関係あるんだ、との声も聞こえてきそうですが・・・。

ただ、調べていますと、どうもソ連誕生の歴史を追いかける上で、「ユダヤ人」や「ポーランド」、そして記事にこそ含めていませんが、「ウクライナ」という国の存在も無視できないということが見えてきました。

【「元」の時代のユーラシア大陸】
モンゴル

こちらは、13世紀。1200年代に、モンゴル帝国「元」がアジアを支配していた時代の地図です。
世界の歴史マップ」様より拝借いたしました。

余談ですが、15世紀には更にロシア中央部に「シビル・ハン」国が勃興するのですが、後にロシア・ツァーリ国に併合され、「シベリア」とその名称を変えます。

ご覧いただくとわかりますが、後の「ロシア大公国」が誕生する位置もまた「キプチャク・ハン国」が占領しており、この領土内に「モスクワ」と書かれていることもわかります。

カタカナで「キエフ」と書かれていますが、元々この地域に「キエフ大公国」という国が存在し、この国の正式名称が「ルーシ」。
「ロシア」という名称の由来となる国の名前です。

さて。この「キエフ」が位置した地域までキプチャク・ハン国が席捲しており、その領土は「ポーランド」にまで迫っていますね。
この時、ローマ教皇であったグレオリウス9世より、全てのキリスト教徒に対して、

 「ポーランドを救援してこの異教徒襲来と戦うべしという」
という「詔書」が発せられます。この時、皇帝から命令を受け、ポーランドへ向かったのが「ドイツ騎士団」。

明確な時期は分かりませんが、1241年4月9日、ポーランド・ドイツ連合軍とモンゴル軍が初めて戦闘していますので、この時期が目安になりますね。

ちなみに彼らに命令を下したグレゴリウス9世は、「神聖ローマ帝国」の教皇。
神聖ローマ帝国とは、もともと「東フランク王国」と呼ばれていた地域で、「ドイツ人」とは、一般的にこの「東フランク王国」の出身者たちのことを差していたようです。

ドイツについては後日、改めてシリーズ化します。
プロセインへのドイツ騎士団の移住は、「東方植民」と呼ばれる、神聖ローマ帝国以前から続くドイツ人の植民政策の一環で、これはドイツ人そのものの繁栄をもたらします。

一方でポーランドは、モンゴルによる侵攻などの影響も受けて荒廃し、ドイツ人はさらにポーランドの開拓地への移住を推し進めます。

この様に記すと、あたかもポーランドがドイツによってどんどん占領されているかのようなイメージを受けますが、モンゴル人による侵攻を受けて荒廃するポーランドと違ってドイツは繁栄と共に近代化も推し進められており、ドイツから持ち込まれた「都市法」は、ポーランドの伝統的な習慣法と比較しても、とても進んだものであり、ポーランドはこのドイツ都市法を積極的に受け入れていったんですね。

おかげでポーランドでは農業は回復し、都市化・近代化が推し進められ、元々自然環境にも恵まれていたことから、どんどん経済的繁栄を回復していくこととなります。

この時、ポーランド国王は、都市再生の為、ドイツ商人と同時に、「ユダヤ人」も自国領土へと招き入れます。ユダヤ人は、ポーランドに於いて、「法」によって思想と生活の両面から保護されることとなります。

この当時、ヨーロッパ全土では「反ユダヤ主義」なるものが展開されており、ユダヤ人は迫害を受けていましたから、ユダヤ人は続々とポーランドへと移住してきます。

彼らの知識やビジネスノウハウは後のポーランドにとって経済的な柱となり、ポーランド初の通貨も、彼らユダヤ人の手によって生み出されたのだそうです。

どうも、この当時からユダヤ人には「陰謀論」なるものがついて回る傾向にあり、ユダヤ人により、キリスト教徒がいけにえとされ、儀式として殺害されている・・・といった「デマ」がまことしやかに信じられていたのですが、ポーランド国王は、この様な「デマ」をすでに「胡散臭い」と見抜いていて、この様な「デマ」からもユダヤ人を法律によって保護したのだそうですよ。


さて。一方で「ドイツ騎士団」ですが・・・。
地図上部に、紫色で「ドイツ騎士団領」という文字がありますね。

これは、「プロセイン」と呼ばれる地域で、後に「プロイセン王国」が築かれる、その基盤ともなる地域です。
ここに、「プルーセン人」という、「異教徒(キリスト教以外の宗教の信者)」がおり、この人々を「キリスト教化」することに手を焼いていたポーランド国王は、当時ハンガリーにいたドイツ騎士団に呼び寄せ、プルーセン人の対応に当たらせます。

この時、引き換えとしてポーランド国王はドイツ騎士団に対し当時自国領土であった「クルムラント」の領有権を認め、また更にローマ教皇はプルーセン人の土地である「プロイセン」の領有権もドイツ騎士団に対して認めます。

1226年~1228年にかけてのことですから、モンゴル人によるポーランド侵攻以前の事ではありますが、教皇の命を受けてポーランドまで移民してきたドイツ人たちは、やがてポーランドの支配をもくろむようになります。

このお話は、シリーズをドイツに移した後でふれたいと思います。


記事としては少し短いですが、今回の記事を前提として、次回記事内容がそこそこボリュームのあるものとなる予感がしますので、今回はここで区切りを付けたいと思います。

次回は「ウクライナ」という国にスポットを当て、シリーズロシア革命とソビエト連邦誕生に至る経緯 を追いかけてみたいと思います。


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