第93回 全国のスーパーマーケットの売上高から見る「消費」など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第92回 消費増税が先送りされた本当の理由

前回の記事では、「一旦消費増税評についてはここで終了したいと思います」とお伝えしたのですが、おそらくこのデータもお示ししたほうがより実感性が高いのではないかと思い、今回の記事を作成することにしました。

グラフは後段でお示ししようと思います。

私がここまで消費増税後の「消費」にこだわる理由は、あたかも「消費増税」が失敗であり、「個人消費」が伸びないために増税が延期されたかのような「デマ」が広まる現状を何とかしたいと考えているからです。

これまでにお示ししている、上記内容が「デマ」である根拠としては、

・「消費税収」から「消費」を逆算すると、消費増税前と比較して2015年度は消費が7兆円増えていること。(残り2か月のデータが集計されていない段階で)
・「消費者物価指数」が上昇していないように見えるが、項目別にみると「エネルギー」に関連する項目以外はほぼ全て上昇していること
・名目GDPのうち、「家計消費支出」が伸びていないように見えるが、この支出項目には「輸入額」が含まれており、この「輸入額」の減少が名目GDP全体が成長していないように見える主因となっていること。
・GDP等のマクロ指標を計算する際に用いられる指標「消費者物価指数」は、算出する際に「サンプル指数」が用いられており、正確に消費を反映しきれていないこと。
・消費者物価指数が上昇、または下落する際には「上昇バイアス」や「下落バイアス」があるため、実際の物価上昇よりも多く物価を上昇させてしまうこと

などをお示ししました。(詳しくは前回の記事をご覧ください)
ただ、それでもこのような指標だと現実感が乏しいと思いますので、私たち庶民が、最も消費増税の影響を受けると考えられる、スーパーマーケットの売上高から「消費」を見てみたいと思います。



全国スーパーマーケット売上高から見る「消費」

全国スーパーマーケット売上高の推移

消費税収から消費を算出する場合は、増税直後の年度においては8%税収と5%税収のデータが混在するため、やむを得ず13年度のデータと15年度のデータを比較する形で数値をお示ししましたが、この全国スーパーマーケットの売上高に関しては月別でデータが示されており、その売り上げ高に税率5%と8%が混在することはないだろうと推測されるため、純粋にその売上高を比較することができます。
※全国スーパーマーケット協会資料では、税抜き価格が示されている、との指摘がございました。税抜きであることに基づいてグラフ化した資料に差し替えています。

グラフは、「全国スーパーマーケット協会」様資料を参考にしました。

同ホームページには全国スーパーマーケット協会だけでなく、その他2団体のデータを含めた統計データも示されていましたので、本当はそちらの資料を使いたかったのですが、中途半端なタイミングで統計方法が変更されており、フラットな集計ができませんでしたので、やむを得ず全国スーパーマーケット協会様データのみの統計結果から集計しています。

集計方法は安倍内閣がスタートする前、2012年(年度ではなく、暦年です)の各月の数値を「100」と考えて、その後のデータが「2012年同月」と比較してどの程度成長しているのかというデータをグラフ化しました。

よく「前年同月比」でデータを示す場合がありますが、例えば「消費増税」などの特別な理由で「前年」に数値が極端に上昇していたり、下落していたりした場合、その極端な数字と成長率を比較することになりますから、誤ったデータが算出されがちです。

そこで、今回は「前年」ではなく、比較年を2012年に固定して計算しました。ですので、各比較年の成長率をよりフラットに見ることができます。また、固定月ではなく、「同月」で比較していますので、態々「季節調整」等行わずとも、前年との比較を純粋に行うことができます。

ただ、飽くまで「2012年同月」と比較した計算結果ですので、同一年内の、他の月と比較しようとしたときはその成長率が正確性を欠く場合があります。

また、売上高は税率が上がれば、たとえ「消費量」が減少していたとしても見かけ上上昇してしまいますので、このグラフでは8%への上昇後もすべて税率を「5%」だと考えて、5%に換算して計算しています。
※先述した通り、もともと税抜きのデータであった、という前提のグラフに差し替えています。

さて。いかがでしょうか。
赤まるで囲った部分。消費増税前後では確かに「駆け込み需要」と「買い控え」が発生し、売上高が極端に変動していますが、この2月を除くと、消費税が増税されたのかどうかなど関係なく、純粋に売上高が上昇していることがご理解していただけますでしょうか。

例えば、駆け込み需要月の直前。2014年2月の売上高は2012年2月と比較して104.5%の売上高上昇となっていますが、翌年。2015年2月の売上高は106.4%、さらにその翌年2016年2月の売り上げは113.7%です。

2014年1月の売上高は102.9%。2015年1月の売上高は108.3%。2016年1月の売上高は114.1%です。
実は、全国のスーパーマーケットの売上高は、増税後、全ての月に渡って増税前年である2013年同月の売上高を軒並み上回っているのです。

唯一駆け込み需要が発生した3月だけは、増税前が2012年度比111.5%、増税後2015年が111%と、わずかに0.5%上回っていますが、それでも2012年比で111%の売り上げ増です。
ちなみに2016年3月は115.8%と、当然2014年の値も、2015年の値も上回っています。

これだけ見ても、消費増税後の「消費」が、「消費増税の影響を受けた」とは少し考えにくい数字となっていますね。

「消費増税が行われれば、日本の景気は悪くなるに違いない」と考えた人たちが、情報をかき乱しまわった結果起きたのが一連の消費増税に伴った正体だと、私は思います。

消費増税を行った結果、決して消費は冷え込むことなく、税率が上昇した効果と相まって、実に20兆円が見えるほどの消費税収を達成した。これが真実だと思います。

財務省資産に従うのなら、家き上昇によりあと4兆円税収を増やせば、10%時に想定している消費税収24兆円は達成することが可能です。
2014年度の消費税収は16兆円。15年度はその14年度と比較して、3月末時点での累計で2.8兆円消費税収が増えています。
2014年度の消費税収とプラスすると、18.8兆円の税収です。残る2か月でどこまで税収を増やすことができるのか、その実績にかかる部分は大きいのですが、不足する税収部分を、アベノミクスによる「経済成長」で達成することは、そう難しくはないように感じます。

次回記事では、もう一つ私の「消費は増えている説」に釘をさす考え方がありますので、これを解説する記事を作成したいと思います。

このシリーズの過去の記事
>> 第94回 訪日(来日)外国人による「消費」が国内の経済に与える影響
このシリーズの新しい記事
>> 第92回 消費増税が先送りされた本当の理由

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