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<前回の記事 第8回 デフレを脱却する方法③

前回の記事では、物価の集合体である「GDP」と、これを消費された数量で割ったものとして、「消費者物価指数」を比較する形で記事を掲載しました。

同時にGDPと消費者物価の決定的な違いとして、GDPには「輸出額」と「輸入額」が含まれないが、消費者物価にはそれが含まれるため、消費者物価指数では、正確な「物価」を把握しにくいこともお伝えしました。

そして、継続的に物価が上昇し続ける状況である「インフレ」と、継続的に物価が下落し続ける状況である「デフレ」を判断するために、指標として「消費者物価指数」ではなく、「GDPデフレーター」というものを用いるのだ、というところまで掲載いたしました。


GDPデフレーターとは

さて。では、抑々その「GDPデフレーター」とは何ぞや、というところからご説明いたします。

GDPデフレーターを理解する前に、「GDP」そのものをよく理解する必要があります。
GDPには、「名目GDP」と「実質GDP」という、二つのGDPがあります。

名目GDPは、今年1年で、家計・企業・政府を含めて、いったいいくら消費を行ったのか。その金額を単純に合計したものです。

例えば、昨年度、「消費税」が増税され、このことによって日本国内では一律に物価が上昇しました。
では、仮に消費増税が行われる前の一昨年度と、行われた後の昨年度、全く同数量の「消費」が行われたと考えます。。

一昨年度のGDP500兆円であったとします。昨年度も同数量消費されているわけですから、一昨年度昨年度で財物の値段が全く同じであったと考えると、昨年度のGDP500兆円になります。

ところが、昨年は消費増税が行われていますから、消費増税が行われた分、GDPは上昇します。
仮にその金額が5兆円であるとすると、5兆円分が一昨年のGDPに上乗せされます。(5兆円は概算です)

つまり、一昨年度のGDPは500兆円ですが、昨年度のGDPは505兆円になります。これが「名目GDP」です。

ところが、仮に昨年度消費増税が行われなかった、と考えると、上乗せされた分の5兆円は増えなかったことになりますから、昨年度のGDPは500兆円になります。

つまり、仮に物価が上昇しなかったと考えると、一昨年度のGDPは500兆円で、昨年度のGDPも500兆円になります。
この考え方で計算されたGDPのことを「実質GDP」といいます。

名目GDPとは、単純に計上された消費を、一切手を加えず、単純に合計した金額のこと。
実質GDPとは、名目GDPで合計された計算結果から、「上昇した物価」分を「上昇しなかったこと」にして計算した計算結果のことです。

GDPデフレーターとは、名目GDP実質GDPで割り、100倍したもの。
GDPデフレーターとは何か」と聞かれると、それは「名目GDPから実質GDPを計算するために算出された指標のこと」となります。

順番から言うと、実質GDPよりもGDPデフレーターの方が先に算出されるということになります。

GDPデフレーターの計算方法

では、GDPデフレーターはどのようにして計算されるのでしょう。
前回の記事で、「GDPデフレーターには輸入額輸出額が含まれていない」ということをご説明しました。

では逆に、「輸入額や輸出額を含んだ経済指標」は存在しないのでしょうか。つまり、「消費者物価指数」の大本となった指標です。
実は、この指標は「GNI」と呼ばれ、日本語では「国民総所得」と表現されます。

基準年となる年のGNI本年のGNIを比較します。
基準年の指標が本年に対する「実質GNI」になりますから、本年のGNIを基準年のGNIで割ることで、「GNIデフレーター」が算出されます。

また一方同じ基準年と本年の輸入額、同じく輸出額からそれぞれ計算すると、「輸入デフレーター」「輸出デフレーター」という指標が算出されます。

この3つの指標を組み合わせて計算することで、「GDPデフレーター」が計算されるのです。
このような方法を用いて、先に「GDPデフレーター」を算出しておくことで、名目GDPが算出されると、自動的に実質GDPが決まります。

インフレ」と「デフレ

それでは、改めて元のテーマに戻ります。
インフレ」とは、このGDPデフレーター前年と比較して増え続けている状態のことをいいます。
デフレ」とは、逆にGDPデフレーター減り続けている状態のことを言います。

基準年のGNIがベースになっていますから、100%を下回っている状態であれば、「基準年と比較してデフレである」。
逆に上回っている状態であれば「基準年と比較してインフレである」と考えることができます。

既に何度も説明していますので、大分ご理解はいただけていると思うのですが、「物価」とは、必ずしも「物の値段」のことではありません
例えば、「消費税」のように、直接物の単価に対して、一律に作用する税制度を語る場合であれば、「物価」=「物の値段」のことであると考えて差し支えないのですが、抑々「物価が増える」とは、「国民の消費に回せるお金が増える」ことを表します

例えば昨年は10万円のパソコンを1台買うのがやっとだったが、今年は10万円のパソコンに加えて、マウスとキーボードを買うゆとりができたと、そのような感覚です。

同じ「パソコン関連商品」というコモディティに、昨年と今年で余分にお金を支払っているのですが、「マウス」と「キーボード」という付加価値がついています。
決してパソコン1台分の価格が上昇したわけではありません。

物価」を考えるときは、このような考え方をします。

さて。次回はいよいよ本題。「デフレを脱却する方法」へと話題を進めていきます。
このシリーズの過去の記事
>> 第10回 デフレはなぜ起きるのか
このシリーズの新しい記事
>> 第8回 「デフレ」と「インフレ」

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は >>デフレを脱却する方法 よりご確認ください


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