第88回 消費増税、再延期へ(2016年5月27日現)など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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先日より、報道局より、このような記事が配信されています。

安倍首相消費増税、再延期へ 「リーマン前に似ている」

毎日新聞2016年5月27日 02時30分(最終更新 5月27日 04時54分)

 安倍晋三首相は26日、来年4月に予定されている消費税率10%への引き上げを再延期する意向を固めた。現在の世界経済の情勢を2008年のリーマン・ショック直前と似ていると分析。予定通り増税した場合は、経済が急速に悪化する懸念があり、政権が目指すデフレ脱却が困難になると判断した。

 首相は26日、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席後、記者団に「今回のサミットで、世界経済は大きなリスクに直面しているという認識については一致することができた」と強調した。

 首相は首脳会議で、世界経済に関し、エネルギーや食料、素材などの商品価格について、資料を示しながら「最近の14年6月〜16年1月にはリーマン・ショック前後の08年7月〜09年2月と同じく55%下落した」と指摘。さらに中国など新興国や途上国の投資伸び率については「リーマン・ショック後の09年は05年以降では最低の3.8%だったのに対し、15年は2.5%とさらに落ち込んだ」など繰り返しリーマン・ショック時との比較に言及した。

 首相はこうした説明を踏まえて「リーマン・ショック直前の洞爺湖サミットで危機の発生を防ぐことができなかった。そのてつは踏みたくない」と強調。そのうえで「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると、危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」と訴えた。

 首相はこれまで、消費増税について「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り実施する」と繰り返し発言していた。リーマン級にはなっていないが、その「直前の状況」に似ているとして延期を決めれば、増税延期の理由を変更することになる。延期しても「アベノミクスの失敗」ではないと主張できると考えているとみられる。

 首相は14年11月に10%への引き上げの延期を表明した際に、「再び延期する必要はない」と説明していた。このため、自民党内には「再延期する場合には国民に信を問わなければならない」として、夏の参院選と同時に衆院選を行うべきだとの声がある。【仙石恭】

私がポジティブな引用元としてご紹介するのは非常に珍しいのですが、毎日新聞社からの引用です。
ポイントをとてもよくとらえた記事だと思います。
第65回の記事、および第83回の記事で、私は消費税収から逆算した、消費増税後の「消費」および「消費税収」は、安倍内閣による政策の結果が決してマイナスではなく、むしろプラスに作用していることをお示ししました。

この際、私から塩崎大臣側に送った文書に加えた文言は以下の通りです。
仮に消費増税を延期することが決定したとしても、「消費が伸びていない」とか、「国際情勢を鑑み」などというネガティブな理由ではなく、「消費増税を行った結果、アベノミクスとの相乗効果で、想定していた以上の消費税収を確保することができた」との理由を示し、「当面、増税を行うよりもこのまま景気対策に専念したほうが、より多くの消費税収が確保できるのではないか、との判断に至った」との理由であれば、増税を延期する理由として、国民に対しても、国際社会に対しても納得のできる説明を行うことができるのではないか。

要は、同じ増税延期をするに当たっても、あたかもアベノミクスが失敗したとか、そんなネガティブな印象を与える理由ではなく、国際社会に対しても明確に納得させることのできる、ポジティブな理由で延期すべきではないか、という私からの要望でした。


実はこのニュース、予感させるような前兆がなかったわけではありません。

首相がサミットでデータ提示、リーマン級下落と主張 一部で異論
Reuters 2016/05/26

[伊勢/志摩 26日 ロイター] - 安倍晋三首相は26日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の世界経済を討議するセッションで、コモディティ価格が「2014年以降55%下落しており、リーマン・ショック前後と同様」とするデータを各国に提示した。

しかし、現状の経済状況が「危機」に当たるかどうか異なる意見も表明され、首脳宣言の文言について、あす27日の発表ギリギリまで調整が続く見通しだ。

セッション後に世耕弘成官房副長官が明らかにした。安倍首相が示した資料では、エネルギー価格の下落率がリーマンショック後と同じ規模になっていると指摘。

新興国の投資伸び率が「リーマン・ショックより低い水準まで低下」したことや、新興国の国内総生産(GDP)の伸び率や輸入伸び率も「リーマン・ショック以降で最も低い水準」とし、リーマン・ショック時との比較を繰り返した。

もっとも、世耕氏によると、ある1人の首脳からは「クライシスとまで言うのはいかがなものか」との指摘があり、最終的な文言調整は首脳の補佐役であるシェルパ(首脳の補佐役)間での協議に持ち越された。日本の消費税率引き上げをめぐる議論は行われなかった。

一方、主要7カ国(G7)は機動的な財政政策と構造改革の推進で一致。世耕副長官によると、ある首脳から「財政出動を含む3本の矢が大事」との発言を引き出したという。

さらに中間層の利益拡大に向け、財政出動が果たす役割について、首脳間で認識を共有した。

ただ、安倍首相は「財政出動のタイミングや規模については、各国の事情を反映する必要がある」と述べ、一定の配慮を見せた。

サミットに先立って開かれたG7財務相会議では、ドイツのショイブレ財務相が「最も重要なのは構造改革」と述べるなど、財政出動では必ずしも各国の足並みがそろったわけではなかった。

しかし、今回の討議ではこうした意見が出ず、世耕氏は「世界経済認識とそれに対する処方せんでG7の首脳が大きく一致した」と強調。「G7として一歩踏み込んだ合意ができた」と、このセッションでの議論の進展を高く評価した。

さらにG7として、新興国経済の停滞に連携して対処していく必要性について、首脳間で確認した。

焦点の1つとみられていた為替に関しては議論されず、過去のG7やG20での合意内容を再確認する方向だ。財政再建についても「全く話題にならなかった」(世耕氏)という。

討議では、英国の欧州共同体(EU)離脱問題も話題になり、一部に首脳から状況は(残留に向けて)改善しているのではないかとの見解が表明されたという。

27日に閉幕するサミットは、首脳宣言で「G7伊勢志摩経済イニシアティブ」を打ち出し、世界経済を主要国がリードする姿を示す。

(梅川崇、宮崎亜巳 編集:田巻一彦)

こちらはロイターのニュースです。見た瞬間、「そうきたか!」と、正直びっくりしたというのが私の感想です。
どういうことかといいますと、安倍首相にしろ、麻生副首相にしろ、消費増税を延期させる条件として、「リーマンショックや東日本大震災並みの経済危機が訪れない限り」という条件を示していました。

つまり、首相がサミットで、日本ではなく、世界経済が「リーマン級の危機を予兆させる状況にある」とそう述べた時点で、粗方の人は、私と同じように感じたはずです。「そうきたか!」と。

安倍首相は、世界の経済状況を見ていると、リーマンショックと同規模か、リーマンショックを上回る規模の危機を示す経済指標がる、と伝えています。

首相、リーマン級危機を警戒 サミット世界経済討議で
こちらは日経新聞の記事です。

あまり記事を張り付けすぎると文章が長くなりすぎますので、活用したい画像だけご紹介します。



要は、原油価格や食料品価格、素材価格などの、世界経済の指標となるコモディティの価格が、リーマンショック「前後」と同程度の下落幅となっている、と言っているわけです。

また、このほかにも


新興国への投資比率がリーマンショックを下回る水準にまで下落している、と主張しています。
これ、ちょっと考えるとわかるとは思うのですが、例えば原油価格の下落であったり、食料品価格の下落であったり、元々は海外の投機筋のマネーゲームが理由で価格が暴騰していた投機市場から、投機筋が撤退してしまったために起こった経済現象です。

安倍さんは、「リーマンショック前後の下落幅と比較」しているといっていますが、原油価格が下落したのはリーマンショックが発生した直後。「前後」という表現は、いささか正確性を欠いているように思います。
そして、今回の原油価格の下落は、何も今になって急に始まった経済現象ではなく、昨年7月頃より、継続して起きている経済現象です。このことは、日本経済にとってはマイナス、というよりもむしろプラスに作用しています。

新興国への投資の伸び率にしても、これが下落していることが本当に経済にとって大問題となるのであれば、「新興国に対してどう経済的支援を行っていくのか」ということの方が議題となるはずです。

そう。だから内需拡大のため、財政出動しましょう・・・という話にはならないはずなんです。
にも拘わらず、どうしてこんなことが議題になるのかといえば・・・・











そうです。安倍さんは明らかに消費増税を先延ばしするために、なんとG7を完全に利用しているんです。
これは正直びっくりです。利用する、といってもG7に入って、突然こんな提案を行うわけはありません。

G7各国に対しても事前から根回しが行われているはずですし、はっきり言って日本以外のG7各国にとっては、突然「財政出動」だとか言われても、なんのこと、突然? となるはずです。


安倍首相「独に財政出動説得したい」 米教授が発言暴露
こちらのニュースは、安倍首相が米国のノーベル経済学賞受賞者であるポール=クーグルマン教授を日本に呼んで交わされた意見交換会で、日本側から「オフレコで」とお願いした内容を、クーグルマン教授が暴露してしまった・・・というニュースです。

ですが、おそらくこれは嘘。はなっからクーグルマン教授が暴露することも含めて裏で示し合わされていた内容なんじゃないかと思います。
この後、ゴールデンウィーク期間中に安倍首相は欧米各国を飛び回り、G7各国に対して、「財政出動をしてくれ」と懇願して回ります。これ、おそらく日本国民やマスコミに対して、今の日本にとって必要なのは、「財政出動」であることを刷り込ませるために行われたものと想像されます。

はっきり言ってこんなもの、わざわざ安倍さんが各国を飛び回って必死にPRせずとも、おそらく裏側では各省庁官僚機関を通じて、既に通達されていたはずです。まあ、G7まで含めて、全てが「茶番」ですね、これは。

さて。では、です。この策略、一体だれが考えたんでしょう。
過去にお伝えしたことがあると思いますが、第1次安倍内閣における安倍さんは、所謂「マネタリスト」でした。つまり、金融政策さえ行っておけば経済は回るんだと、そう考えていたタイプの人です。(ちょっと乱暴な言い方ですが)

彼が考え方を変えたのは、自民党が選挙で敗北して野党に陥落した後。民主党内閣下で、山本幸三さんからレクチャーを受けて、所謂「目からうろこが落ちた」ような状況に陥りました。それまでは財政破綻論者で、日本の財政はこのままでは破綻すると思い込んでいただけに、かなり衝撃だったと思います。

動画を探すのは難しいのですが、これは配信されていたYoutube動画で、安倍さん自身が言っていました。

そんな安倍さんが、この一連のシナリオを考えるでしょうか。私は無理だと思いますね。
おそらくいるんです。裏でこのシナリオを描き、画策した人物が。

次回記事にて、その安倍内閣の裏でシナリオを描いた描き、画策した人物について、私の半ば「妄想」ともとられかねない持論についてご説明できればと考えております。


このシリーズの過去の記事
>> 第89回 続・消費増税、再延期へ~安倍内閣のシナリオライター~
このシリーズの新しい記事
>> 第85回 2016年(平成28年)GDP速報が公表されました~2015年度GDP速報の見方~

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