第83回 続・「消費税収」と「名目民間最終消費支出」など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>消費増税問題


<前回の記事 第82回 金融政策の限界②

前回の記事でもお伝えしました通り、第65回の記事に私が掲載した内容について、塩崎大臣の秘書の方よりお電話にて直接回答が返ってきましたので、その内容をご紹介したいと思います。

内容を総括しますと、「消費」の部分に関しては、私自身の認識に大きな誤りがございました。
記事では、どこに誤りがあったのかという内容について、具体的な数字を示しながら、比較していきたいと思います。

また、表そのものの見方にも誤りがございましたので、これについても改めて解説していきます。

ちなみに、その「表」というのはこちらの表です。↓
平成27年度 28年3月末租税及び印紙収入、収入額調 財務省
名称は「平成27年度 28年3月末租税及び印紙収入、収入額調」という名称で、財務省データです。
画像をクリックしていただきますと、財務省のHPに飛びます。

画像は縮小しているので見にくいと思いますので、実際に財務省サイトに移動して、ご覧いただきながら私の記事を読んでいただければと思います。データは最新のものです。

第65回の記事の中で私は、この表に関連する情報を、平成27年度と平成26年度を比較する形でを掲載いたしました。

ちなみにこの表は毎月2か月遅れで公表されているもので、毎月回収される税金が一体いくら回収できたのか、その金額を各税項目別に、前年度と比較する形で掲載したものです。

ここには当然「消費税収」が掲載されていて、毎月いくら消費税が徴収されているのかということを見ることができます。
「消費税」は固定で、2013年度までは5%。2014年以降は8%徴収されています。

消費税収を含まない消費金額が100万円であった場合、5%当時の消費税収は5万円。8%に変更された現在では8万円の税収になります。

消費税収は税率が固定されていて単純なので、逆に考えると、税収がわかれば一体いくら消費されたのかという消費金額を逆算することができます。
例えば、消費税率が8%、税収が8万円であれば、8万円を8で割ることで、1%辺りの消費税収を計算することができます。

8万円÷8=1万円

この1万円を100倍。すれば、消費金額から消費税収をマイナスした金額が出てきます。

1万円×100=100万円

この金額が、消費税収を除いた「消費」ということになります。100万円に108%をかければ税込みの金額=108万円が出てきます。
この法則は税率が変わらない限り、いくら金額が莫大になろうが、一定で変化することはありません。

2014年度は、「消費増税が行われた年」であり、「消費が減った」と言われている年です。
一般に消費増税に対して反対意見を述べる人たちは、この増税の影響が継続して経済に悪影響を及ぼすこととなり、その影響が2015年度にも及ぶ、と主張します。そして、その根拠としてタイトルにもある「民間最終消費支出」が増税前と比較して増加していないことを挙げます。

ですが、「消費税収」を見ると、第65回の記事でお示しした表では2015年度(平成27年度)の通算で昨対(2014年度比)が132%と急速に増額しており、金額に換算しても2.5兆円も増えていたことから、私の中では

「民間最終消費支出が減少しているからと言って、消費が減っていると断言することはできないのではないか」・・・①

という仮説に行き当たったのです。
単純に「消費税収」で比較すると、3%分増税されていますから、増税する前と後とで比較してしまうと、たとえ消費が減少していても、税収そのものは増えるという逆転現象が起きます。

そこで、増税後のデータである2014年度の数字と2015年度の数字を比較すれば、税収の面からも、また「消費額」の面からも①の仮説を証明できるのではないか、と考えて第65回記事のような比較を行いました。

そして、私が参加することになった勉強会にて、塩崎厚労大臣に対して、直接質問できる期間があったため、第65回の記事にてたどり着いた検証結果について、大臣に対して直接質問をぶつけました。

この質問に対して塩崎大臣側から返ってきた解答についてご紹介し、再検証するのが今回の記事の目的です。


まず、私の認識の中で最大の誤りだったのは、2014年度の消費税収を全額「8%」分であると考え、ここから逆算して「消費」を割り出してしまっていたこと。

塩崎大臣の秘書の方のご説明では、企業の決算月によって、提出された消費税納税分の中に、「5%分」の納税結果が含まれているということ。

例えば、企業決算月が12月であったと考えると、その企業の会計年度は1月~12月になります。ところが、政府の会計年度は4月~3月です。

ですので、この企業が14年度に行った申告内容には、政府会計の会計年度である13年度1月~3月のデータが含まれていることになります。

例えば決算月が8月であったとすると、この企業の会計年度は9月~8月ですから、この企業が14年度に行った申告分には政府会計年度13年度の9月~3月のデータが含まれていることになります。

このような理由で、14年度のデータの中には、13年度の税率が適応されたデータが含まれているため、単純に14年度のデータと15年度のデータを比較すると、経済成長ではなく、「増税」が原因で増えた税収が含まれている、ということになります。

第65回の記事に置きまして、私は15年度1月時点での累計と、14年度1月の時点での消費税収累計を単純比較して、「2.5兆円の増収分」をそのまま「消費33兆円分」に相当するお伝えしましたが、これは誤りでした。

このことに関しては訂正するとともにお詫びしたいと思います。
(該当記事についても内容そのものは削除せず、訂正とこの記事への案内を行います)


検証の「リベンジ」

さて。さはさることながら。
このままで私があきらめることはありません。「消費が増えたのかどうか」ということなのですから、であれば単純にすべてのデータが消費税率5%のデータで構成されている13年度のデータと、全てのデータが8%のデータで構成されている15年度のデータで比較すればこの問題については解消できるはずです。

前述した通り、消費税収さえわかれば、逆算して消費税収を含まない「消費額」を割り出すことは可能です。
現時点で公表されている消費税収のデータは最新が16年3月、2か月遅れですから16年1月のデータになります。
この数字を増税前、14年3月に公表されたデータと比較すれば、少なくとも「消費税の課税対象となった消費額」を比較することができます。

2013年度1月 消費税収 7.9兆円 消費税収を含まない消費額 159.2兆円
2015年度1月 消費税収 12.9兆円 消費税収を含まない消費額 162.4兆円

その差額は3.2兆円です。ただ、ここにはいわゆる「駆け込み需要」の影響を排除できていない可能性があるので、1月と共に年末の12月のデータを含まないデータ。4月~9月のデータを比較する形で「リベンジ」というくらいですから、タイトルにもある、「消費税収」と「名目民間最終消費支出」のギャップについて改めてご説明したいと思います。

2013年度9月 消費税収 4.7兆円 消費税収を含まない消費額 95.2兆円
2015年度9月 消費税収 8.1兆円 消費税収を含まない消費額 101.4兆円
その差額は6.1兆円です。案の定3月のデータよりは広がっていますね。

さて、この時の「民間最終消費支出」について見てみます。「民間最終消費支出」とは、国の経済指標の中でもっとも大きい指標である「GDP」。このうち「民間の消費支出」を表した数字です。消費税から消費を逆算する方法とはまた異なる統計方法を用いています。

2013年度4月~6月 71.6兆円 7月~9月 73.4兆円
2015年度4月~6月 71.7兆円 7月~9月 73.3兆円
差額は0.03兆円とほぼ横ばいです。ちなみに「消費」の中には「政府最終消費支出」や「民間設備投資」という項目もありますから、これらについても掲載すると、

政府最終消費支出
2013年度 48兆円
2015年度 50兆円
差額 1.4兆円

民間最終消費支出
2013年度 31.4兆円 
2015年度 33.1兆円
差額 1.6兆円

総額3.05兆円

となります。消費税収から逆算した消費額は6.1兆円ですから、約3兆円のギャップが発生します。
このギャップが、民間最終消費支出と消費税収それぞれから産出される「消費金額」に生まれる差のギャップです。

それにしても、30兆のバイアスは、さすがに言いすぎでしたね・・・。反省します。

ただ、第65回の記事の記事でもお伝えした様に、消費税収1%辺りに期待される税収は、5%当時の税収で考えれば約2兆円に該当します。
2013年度の消費税収が通年で10.8兆円、1%あたりに換算すると2.16兆円。
2012年度の消費税種が10.35兆円。1%あたり2.07兆円になります。

その点でいくと、2014年度、消費税収直後の年度の消費税収は16兆円ですから、充分にその増税した目的は果たされた金額だと思います。
15年度の消費税収は、この16兆円を更に上回るペースで増えている、ということですから、これが経済成長に伴う影響であることは間違いないと思います。
仮に増税直前、駆け込み需要の発生した13年度の消費税収を消費税率が8%に換算すると、13年度の消費税収は17.32兆円であったことになります。

今年度は、昨年を上回るペースで進んでおり、現在2.7兆円の税収増となっています。仮に残る2か月、2月分と3月分が昨年度とまったく同じ数字であったとしても消費税収は総額18.7兆円となります。

塩崎大臣側が説明していた会計年度に伴う影響があるのだとしても、最新のデータは1月のものであり、この会計年度に伴う影響は排除できていると考えられます。この状態で3月の昨年度比は119%でした。

このことから考えても税収の昨年度比が昨年を下回ることはおよそ考えにくいと思います。
後2か月。7月に公表される5月分のデータ待ちとはなりますが、残り1.3兆円増えれば消費税収は12兆円。5%当時の税収で考えれば10%増税を行ったときに想定される税収にまで到達します。

ともかく、結果は7月を待て、ということですね。




このシリーズの過去の記事
>> 第85回 2016年(平成28年)GDP速報が公表されました~2015年度GDP速報の見方~
このシリーズの新しい記事
>> 第65回 「消費税収」と「名目民間最終消費支出」

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は >>消費増税問題 よりご確認ください


このエントリーにお寄せ頂いたコメント

URL:
コメント:
 

スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]