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今回は、シリーズ第二次世界大戦はお休みして、少し気になるニュースについて記事にしたいと思います。

記事はこちらのニュースです。
日銀 大規模な金融緩和策を維持

NHKニュース記事なので、すぐ消えると思いますから、本文と画像を張り付けておきます。
4月28日 12時04分
日銀 大規模な金融緩和策を維持

日銀は、28日開いた金融政策決定会合で、今のマイナス金利政策を含めた大規模な金融緩和策を維持することを決めました。一方、目標とする2%の物価上昇率を達成する時期については、原油価格の低迷などを理由に「来年度中」に改め、これまでより遅れる可能性があるという見通しを示しました。

日銀は28日、金融政策決定会合を開き、国内外の景気や物価の現状と先行きについて議論しました。
その結果、目標に掲げる2%の物価上昇率の実現に向け、マイナス金利政策を含めた今の大規模な金融緩和策を維持することを、賛成多数で決めました。

国内では、中国など新興国経済の減速に加え年明け以降の円高もあって、企業や個人が景気や物価の先行きに慎重な見方を強めていて、消費が低迷しています。また、今月14日に発生した熊本地震の経済活動への影響も懸念されています。
しかし、日銀としては、日本経済そのものは緩やかに回復していると判断していることや、ことし2月に導入したマイナス金利政策の効果が投資や消費など実体経済に及ぶまでにはなお一定の時間がかかるとして、その効果を見極めたいと判断し、今回、金融政策を変更しなかったものとみられます。

また、日銀は、経済と物価についての最新の見通し、「展望レポート」を発表し、目標とする2%の物価上昇率を達成する時期については、原油価格の低迷などを理由に、これまでの「来年度前半ごろ」という表現を「来年度中」に改め、これまでより遅れる可能性があるという見通しを示しました。

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ニュースピックスにも掲載されていたニュースです。

ニュースを簡単に説明しますと、4月28日に日銀が28日に開いた会合で、大規模な金融緩和政策を維持することを決めた、というニュースです。
このニュースのポイントは、報道がなされるまでいわゆる「専門家」たちは「日銀がさらなる追加緩和を行うと予想していた」のに、「日銀は金融緩和政策を維持し、追加緩和は行わなかった」ということです。

その結果、それまで円安に推移していた為替相場は円高に急転換し、同時に株価も急落した・・・というのが一般的に考えられているこのニュースの見方です。

後段にて、私視点でのこのニュースの見方を示してみたいとおもます。


このニュースが報道された時点で私がニュースピックスに掲載したコメントがこちらです。

2016年04月29日
日銀が金融緩和策の維持を表明しただけで1ドル111円代後半だった為替が一気に108円代にまで急騰するのははっきり言って異常でしょう。

日銀の発表までじわじわとドルの値段が上がっていたところを見ると、投機筋による完全なマネーゲームにしか見えません。

正常な市場原理に基づく為替変動ではありませんから、政府はこれに対して、何らかの明確な意思表明をすべきではないでしょうか。

この意見には、実は明確な根拠があります。
下図は2016年4月~5月2日にかけての為替相場(円/ドル)の推移です。

2016年4月為替推移

赤枠で2か所囲っています。一つが4月21日~4月22日にかけて。
もう一つが4月27日~4月29日にかけて。

前段で、述べた、
このニュースのポイントは、報道がなされるまでいわゆる「専門家」たちは「日銀がさらなる追加緩和を行うと予想していた」のに、「日銀は金融緩和政策を維持し、追加緩和は行わなかった」ということです。

その結果、それまで円安に推移していた為替相場は円高に急転換し、同時に株価も急落した・・・というのが一般的に考えられているこのニュースの見方です。

という部分。ここが着目しているのは後半の赤枠部分。すなわち、4月27日から4月29日にかけての為替相場の推移。
ドルの価格が急落しています。

ほとんどのニュースはこのドルの急落のみを報道しています。ですが、私がこのニュースで本当に着目しなければならないと考えているのはこの期間の為替変動よりも前半。つまり4月21日~4月22日にかけての為替変動です。

たった一日のうちに109円台前半から一気に111円台後半、112円近くにまでドルの値が急上昇しています。
金額にして2.3円の急上昇です。(円ベースで見れば急落しています)

この日(4月22日(金))、何か特別に急に円安が進行しなければならないようなニュースはありませんでした。
私とすると、非常に疑問に感じる円安でした。

ニュースサイトの記事タイトルと社名のみ掲載します。
・市況】東京株式(前引け)=243円高、日銀の追加緩和策期待で買い優勢(株式経済新聞(株式会社みんかぶ))
・東証前引け、反発 上げ幅200円超 日銀緩和期待が根強い (日本経済新聞)
・〔マーケットアイ〕株式:日経平均は堅調継続、日銀の追加緩和期待が支え(ロイター)
・日銀、追加の緩和は?きょうから金融政策決定会合(テレビ朝日)
・日銀、物価下方修正を検討=追加緩和の是非判断-27日から決定会合(時事通信)


このように、日銀の追加緩和に対する期待感が非常に高まっているように感じます。これは全て日銀会合が行われる前日、27日の記事です。半ば、日銀の追加緩和への期待をあおっている様には感じないでしょうか。

22日の時点では更にその色合いが強く感じられます。
急落、111円後半 日銀の追加緩和観測で(毎日新聞)
・NY円、急反落 1ドル=111円75~85銭、日銀追加緩和への思惑で(日本経済新聞)
・日銀追加緩和に市場の期待高まる 東京株は約2カ月半ぶり高値(産経ニュース)
・東証4日続伸、1万7572円 追加金融緩和へ期待感(琉球新聞)
・日経平均終値、208円高 「追加緩和」報道で買い急増(朝日新聞)

ですが、結果から考えると、22日の時点で海外の投機筋が日本円に対して信用売り(お金を借りて売ること)を仕掛け、見せかけ上の円安を演出し、日銀が大規模な金融緩和政策の維持を表明すると同時に一気に買い戻した。
これが真実でしょう。

出なければあの急速な円安、そして円高が発生する理由に説明がつきません。
これは完全な投機筋側のマネーゲームです。これに各機関の自称専門家たちや各マスコミ報道機関がまんまと乗せられたと、そういうことです。

このことについて、私とまったく同じ見方をしている人物が一人います。
麻生副総理 急な円高の動きをけん制する考え強調
そう。麻生副総理です。こちらもNHK記事なので、内容を張り付けておきます。

麻生副総理 急な円高の動きをけん制する考え強調
5月1日 1時31分
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外国為替市場で円高ドル安が急激に進んでいることについて、麻生副総理兼財務大臣は、ドイツなどへの訪問を前に先月30日夜、記者団に対し、「一方的で投機的な動きがみられ、極めて憂慮している」と述べたうえで、急な円高の動きをけん制する考えを強調しました。

外国為替市場では日銀が先週、金融政策を現状維持としたことなどを受けて、円を買う動きが加速し、先月29日のニューヨーク市場では一時、およそ1年半ぶりに1ドル=106円台前半まで値上がりするなど、円高ドル安が急激に進んでいます。

これについて麻生副総理兼財務大臣は、ドイツで開かれるアジア開発銀行の年次総会への出席などを前に30日夜、羽田空港で記者団に対し、「2日間で5円の円高は明らかに一方的で偏った、いわゆる投機的な動きがみられるので、極めて憂慮している」と述べました。

そのうえで麻生副総理は、「為替市場の動向を引き続き緊張感をもって注視し、必要に応じて対応する」と述べ、急な円高の動きをけん制する考えを強調しました。

また、アメリカ財務省が先月29日、為替操作を監視する対象として日本をリストに載せたことについて、麻生副総理は「日本の対応を制限するものでは全くない」と述べ、日本の政策判断には影響しないという認識を示しました。

私とまったく同じ考えを示していますね?

私の「正常な市場原理に基づく為替変動ではありませんから、政府はこれに対して、何らかの明確な意思表明をすべきではないでしょうか」という提言にまるで答えてくれるかのような麻生さんのコメントであり、これはある意味非常にうれしかったですね。

そもそも、日銀が、たかが金融政策の維持を表明しただけで5円以上も為替が上昇する等、はっきり言って異常です。
このような日銀が何か発表するだけで、ここまで市場がネガティブに動くのであれば、はっきり言って日銀は何も発表することができなくなってしまいます。「金融緩和」だってはっきり言っていつまでも行い続けられるものでもありません。

投機筋によって日銀の金融政策の選択が操られている。この状況ははっきりってどうにかするべきだと思いますね。
ちなみに為替に呼応するかのようにして株価も激しく上下しています。投機筋は為替と株価両方を使ってぼろもうけしています。

1.円の空売りによって急激な円安をもたらす。
2.円が安くなった時点で円買いを行い、日本の株を大量に購入する。
3.日銀の金融政策の発表と同時に空売りした円を一気に買い戻し、急激な円高をもたらす。
4.円安の時に購入した日本株を一気に売りに出し、現金化する。

この流れです。あそこまでマスコミが追加緩和をあおれば、投機筋にとってこれほどにやりやすいことはなかったのではないでしょうか。
現在はゴールデンウィーク中で、円はついに15円台後半にまで進行しています。
麻生さん。黒田さん。今こそあなたたちの腕の見せ所ですよ。


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