第8回 「デフレ」と「インフレ」など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第7回 デフレを脱却する方法②

前回の記事では、「物価」を「GDP」の側面から考えるため、「10キログラムの米」を例として示すことで、「物価」に対する考え方を示しました。
またこの中で、「消費」の積み重ねが「GDP」を生み出している事、そして「消費」を生み出している存在として「企業」「家計」そして「政府」がいるということを説明しました。

そして、「物価」とは、すなわち「10キロの米」に対して、消費を生み出す「企業」や「家計」が行った全ての「消費」によって構成されているのだということを示しました。

GDP」を考える

前回の記事 でもお伝えしたとおり、「GDP(国内総生産)」とは、「物価」の集合体です。
前回の記事で示した内容から、GDPを改めて公式で表しますと、

GDP=家計の消費・投資+企業の消費・投資+政府の消費・投資+在後の増減額

となります。

そして、この合計金額を消費された数で割ったものが「物価」です。
またさらに、GDPには、ここに海外からの収益と支出。解りやすくいうと「輸出額-輸入額」という数字が含まれます。

さて。ここで改めて思い出していただきたいのが、「第4回の記事」で説明いたしました、「消費者物価指数(CPI)」という数字です。

記事中でも説明はしましたが、少しわかりにくかったのではないかと思います。

今回の記事で、「GDPを消費された数で割ったもの=物価」であるということをお示ししました。
消費者物価」とはつまり、月単位でこのGDPを計算し、月単位のGDP消費された数で割ったもの、ということです。
そして、この「消費者物価」を前月と今月とで比較した物。これが「消費者物価指数」です。

ところが、この「消費者物価」と「GDP」の間には、実は決定的な違いがあります。それが、「海外からの収支」という項目です。

既に掲載したとおり、GDPの項目には、海外からの収入がプラスされ、海外への支出がマイナスされています。
海外からの収入」で一番わかりやすいのはTOYOTAをはじめとする自動車会社が海外で自動車を販売したときに得られる収入の事。
海外への支出」で一番わかりやすいのは「原油」です。


デフレ」と「インフレ

デフレ」や「インフレ」を考えるとき、大切なのは「海外の経済動向に左右されず、日本国内の経済動向のみで経済状況を判断する」ということです。

輸出」の場合は、たとえ国内の経済状況が悪くとも、海外の経済状況が良ければ日本にも収入が入ってきますから、日本国内の経済も活性化します。逆に、海外の経済状況が悪くとも、国内の経済状況が良ければ、輸出高が国内に及ぼす影響も少なくて済みます。
つまり、「輸出サイド」から見た場合は、たとえ海外の経済状況が悪くとも、国内の努力で何とかなる部分が大きいと私は考えています。そういう意味では、普段から「輸出に頼らない経済システム」を構築することが必要だと思います。

ところが、「輸入」に関してはそうはいきません。
いかに国内の経済状況が良かろうが、悪かろうが、例えば「産油国」で戦争が起こり、原油輸入量が制限されてしまえば、おのずと日本国内の原油額は上昇します。

原油額が上昇すれば、「消費者物価指数」から見た「物価」は上昇します。なぜならば、消費者物価指数からは、その数字から輸入が排除されていませんから、原油額が上昇しただけで、消費者物価は増加するのです。

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消費者物価の上昇は国内の利益を圧迫しますから、物が売れなくなります。
結果、利益の部分削って、物の値段を下げざるを得ません。しかし、原油価格は上昇しますから、「消費者物価」は上昇します。

さて、ここで考えて頂きたいのが「インフレ」と「デフレ」という言葉です。
教科書的に言いますと、

インフレ」とは、「継続的に物価が上昇し続ける状態」、
デフレ」とは、「継続的に物価が下落し続ける状態」、

のことを言います。

では、原油価格が上昇し続けることにより、国内の「消費者物価」が上昇し続ける状況は「インフレ」なのでしょうか、「デフレ」なのでしょうか。

実は、上記の事例でいえば、原油価格が上昇し続けることによって、国内の利益が圧迫され、削られていますから、「デフレ」となります。

思い出してください。「GDP」とは、「物価の集合体」です。そして計算式上、GDPからはあらかじめ輸入額がマイナスされています。ということは、いくら原油価格が上昇したところで、原油が海外から輸入されたものである以上、GDPには全く影響を与えないのです。
ですが、「原油価格に上乗せされている利益」については、原油が海外から輸入された後、国内で生まれる予定の「付加価値」ですから、利益が圧迫され、削減されることによってGDPの値は減額します。

このことによって、「消費者物価が継続的に上昇し続けているにもかかわらず、デフレが続く」という状況が生まれるのです。

消費者物価指数」とは、国内の物価水準を見るためには有効といえますが、「インフレ」「デフレ」を見る際には、正確に物価情報を反映しませんので、インフレデフレを判断する際には、消費者物価指数ではなく、「GDPデフレーター」という数字を見ます。

GDPデフレーターについて理解するためには、「GDP」についてもう少し深く理解する必要がありますので、今回の記事はここまでとし、次回記事にその説明をゆだねたいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第9回 GDPデフレーターとは何か
このシリーズの新しい記事
>> 第7回 『物価』の見方

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