第7回 『物価』の見方など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第6回 安全保障関連法改正の価値
<継続するテーマ 第4回 デフレを脱却する方法①

2回ほど別のテーマを挟みました。
今回は第4回のテーマに引き続き、「デフレを脱却する方法」について掲載します。

前回の記事中では、

・デフレを脱却するには、「流動性の罠」と呼ばれる状況から抜け出すことが大切である。
・「流動性の罠」を理解するためには、いくつかの経済用語を理解することが必要である。

ことを掲載しました。

流動性の罠」を理解するために、まず理解することが必要な言葉が「デフレーション」という言葉であること。
デフレーション」という言葉を理解するために、抑々「物価」という言葉を理解することが必要だということ。

そして、「物価」を理解するためには「ミクロ的視点」と「マクロ的視点」を理解することが必要だとお伝えしました。

そして、最後に経済指標を表す言葉である、「消費者物価指数(CPI)」という言葉を提示しました。


物価」について考える

さて。今回は「物価」について考えてみます。
物価」を考える前に、「物価」の集合体ともいえる「GDP(国内総生産)」のことを考えてみます。

GDP」という言葉であれば、きっと皆さん耳にしたことがあるともいます。「日本のGDP」であれば、「日本で生産された財物・サービスを合計したもの」ということになります。

例えば、日本という一つの国で考えた場合。たとえとして、「10キログラムの米」を事例として考えてみます。

もちろんブランドもたくさんありますし、生産地によっても価格は変動しますが、この国には「1種類の米」しかなく、必ず10キログラム単位で販売されていると考えます。

この、「10キログラムの米」が、いったいいくらで取引されるのか。これが即ち「物価」です。

A町の農家のB氏が精魂を込めて米を生産し、合計で1000キログラム(1トン)の米を作ったとします。
ですが、作っただけでは「物価」は生まれません。を作った後、このを誰かが購入するから「物価」は生まれるのです。

例えば、B氏が作った米を、A町の大手スーパーCが、全て10キログラム当たり3000円で買ったとします。これが「物価」です。
同時に、スーパーCは10キロ当たり3000円の米を1トン買うわけですから、農家に対して3000×100=30万(円)支払います。
ここで、企業であるスーパーCの「消費」が生まれます。

一方、スーパーCは、購入した1トンの米から、利益をとる必要がありますから、米を10キログラム当たり5000円で販売します。
米が1年間で、全体の90%、つまり900キログラムだけ売れたとすると、このスーパーCの1年間の売上高は5000×90=45万(円)になります。
売上が生まれたということは、「消費者」が「消費」を行ったわけですから、ここに45万円の「消費」が生まれます。
ここでいう「消費者」のことを「最終消費支出者」と呼び、企業ではなく、家庭で支出が行われた場合、「家計最終消費支出」と呼びます。

また一方で、スーパーCでは、10キログラムの米が100キログラム分売れ残るわけですから、スーパーCでは、10キログラム当たり原価3000円の米を100キログラム分「在庫」として保有することになります。

つまり、A町では、1年間でスーパーC(企業)が農家A氏に対して30万円の「消費」を行い、またA町の一般家庭(家計)は、スーパーCに対して、45万円の「消費」を行いました。
そして、スーパーCには、3000×10=3万円の「在庫」が増えました。

GDP(国内総生産)」とは、このように、「企業」が行った「消費」に増加した「在庫」を加え、その金額に「家計」が行った「消費」を加えて計算します。

今回のケースであれば、企業が農家に対して行った消費代30万円+企業に増えた在庫3万円+家計が行った消費45万円=78万円。
これがこの町の「GDP」です。

国単位で計算する場合、この式に加えて更に「政府」の消費在庫も加えられます。
また企業や政府では、「消費」だけでなく、「投資」もこれに加えられます。

また更に、先ほど計算したGDPを、10キログラムの米1俵あたりに換算したもの。78万円÷100=7800円が米1俵あたりの「物価」です。

どうでしょう。このように記すと、ずいぶん「物価」に対する見方が変化するのではないでしょうか。

私たちの頭の中には、通常「物価」というと、自分たちが一体いくらで物を買うことができるのか、自分たちが一体どの程度財物に対して金銭を支払っているのか。そういう認識しかないと思います。

ですが、ここに記している内容を見てわかる通り、「物価」には企業が仕入れたときの仕入れ金額、更には企業が販売した際に得た利益の金額までもが含まれていることがよくわかると思います。事例では記しませんでしたが、「在庫」は劣化しますし、単価を下げ、場合によっては廃棄せざるを得ないこともあります。

デフレ」とは、私たちが商品を買うときのものの値段だけでなく、企業の利益が削られ、また在庫の価値が減少していく。こういった現象が継続的に起こり続けることであるということが、よく理解いただけるのではないでしょうか。

次回記事では、また更に、この「GDP」の側面から掘り下げて「デフレ」について考えてみたいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第8回 「デフレ」と「インフレ」
このシリーズの新しい記事
>> 第4回 『物価』とは何か

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は >>デフレを脱却する方法 よりご確認ください


TOPデフレを脱却する方法第7回 『物価』の見方

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