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この記事のカテゴリー >>「右翼」と「左翼」の違いを分かりやすく検証します。


<前回の記事 第59回 是清の経済・財政政策②~是清と日露戦争~
<継承する記事 第52回 「左翼」の変遷②

さて、第52回の記事に予告しました、「共産主義と左翼」とのタイトルでの記事作成。タイトル名を変更して、今回はこの「第1インターナショナル」というワードについての記事を作成したいと思います。

この「第1インターナショナル」という言葉。Wikiで調べますと、このように掲載されています。
第1インターナショナル

第一インターナショナルまたは国際労働者協会は、1864年11月1日に、ヨーロッパの労働者、社会主義者が創設した世界初の国際政治結社。


今回のシリーズ「右翼」と「左翼」は元々、

例えば安倍首相を「右翼視」し、「安保法制」だの「改憲」だの「秘密保護法」などという言葉が登場したとき、「また戦争を始める気か」というように考えている人はいないでしょうか。

一方で「左翼」という言葉を耳にするといかがでしょう。
こちらは、おそらく「共産主義」や「社会主義」のイメージが出てくるのではないでしょうか。

ですが、フランス革命によって登場した「右翼」や「左翼」の本来の意味を思い返していただくと、「右翼」とは決して「軍国主義」ではありませんし、「左翼」もまた「共産主義」を意味する言葉ではありません。

では一体なぜそれぞれの言葉に上記のようなイメージが植え付けられたのでしょうか。

という私が提示した疑問に基づいて作成することとなったシリーズです。

シリーズでは、「左翼の変遷」とのタイトルで元々「右翼」「左翼」という名称が生まれる元となったフランス革命に着目し、フランス人権宣言で「左翼」の中心として動いた政治結社「ジャコバン=クラブ」の変遷を追いかけました。

左翼とは、支配される側であった平民たちの集団であり、過激化しやすいこと。そして、「右翼」と「左翼」の対立とは、「階級闘争」であったことをお伝えしてきました。


「ナポレオン帝国」の果たした役割

ナポレオンが登場する以前のフランスはヨーロッパ諸国と戦争状態にありましたので、ナポレオンの役割は、この「戦争状態」を収束させることにありました。
特に1798年、ナポレオンがクーデターにより実権を握ってからは、それまで各国からフランスを守るための戦争であったはずのものが「フランス革命の精神をヨーロッパ全土に拡大するため」との大義名分のもと、事実上の征服戦争を展開。ヨーロッパ各国に「自由主義」と「ナショナリズム(国民主義)」の精神を押し広げるのです。

ナポレオン帝国

濃い青がナポレオン帝国の領土、薄い水色が属国です。
フランスの右側が「ライン同盟」と呼ばれる連合国家、飛んで右側がワルシャワ公国。その間の二つの領土が上からプロセインとオーストリアで、両国ともフランスの同盟国です。

これだけのエリアにフランスが革命によって勝ち取った(?)「自由主義」と「国民主義」の精神が少なくとも「広められた」わけです。
ところが、そのさらに右側。つまり「ロシア」に対しては遠征がうまくいかず、敗戦。このことでナポレオンは皇帝の座から失脚することになります。

この後、ヨーロッパは「ウィーン会議」後、フランスを含めすべての地域で再びフランス革命以前の「絶対王政」へと復古します。
しかし、特に革命を経験したフランスにおいては市民の不満を高めることとなり、復活したブルボン王朝は学生や労働者を中心としたパリ民衆によって倒されることとなります。(七月革命)

ポーランドの反乱

ナポレオンによってヨーロッパ各国に広められた「自由主義」と「国民主義(民族主義)」。この考え方は、フランスだけでなく、ヨーロッパ各国の「労働者」たちの考え方に影響を及ぼします。

サブタイトルにあるポーランドの反乱とは、その名の通り、ポーランドで起きた反乱のことです。
先ほどの地図で言うと、「ワルシャワ公国」としてお伝えした、薄い水色の地域で一番右側の領土がポーランドになります。

ワルシャワ公国はナポレオンによって、ポーランド人に支持されて建立された国なのですが、ウィーン会議によってロシアによって作られたポーランド立憲王国、プロセインの支配下に置かれたポズナン大公国、そしてオーストリアの干渉を受け続けたクラクフ共和国の3つの国に分断されることになります。

「ポーランドの反乱」とは、このうちロシアに事実上支配されていた「ポーランド立憲王国」で起きた2度の独立運動のことを言います。
フランスで起きた七月革命の影響を受け、支配下にあったポーランド人が蜂起し、1830年に起こった反乱では「独立宣言」まで行われています。

ヨーロッパ全土では、1848年、「ウィーン体制」と呼ばれる、旧態依然とした君主制度に対する反乱が立て続けに起こります。
フランスでは先述した七月革命により誕生した「七月王政」と呼ばれる政体に対しても蜂起が行われます。
この結果誕生するのが「二月共和制」と呼ばれる新しい政治システム。(二月革命)

二月革命では、歴史上はじめて労働者たちが赤旗を掲げ、デモ行進を行います。

「赤旗」とは、シャン・ド・マルスの虐殺において「戒厳令」を意味するものとして初めて用いられたあの赤旗です。
この赤旗が二月革命では「労働者」たちによって、「階級闘争のシンボル」として用いられたのです。

この二月革命を皮切りに、ウィーンやベルリン、イタリア、ハンガリーなど、ヨーロッパ各地で様々な「革命」が起きます。
これらを総称して「1848年の革命」と総称されます。

1830年に起きたポーランドの反乱は最終的にロシア軍によって鎮圧され、属国化されてしまいます。
その後も旧ワルシャワ公国領内では幾度か独立運動が繰り返されるのですが、いずれもオーストリア、プロセインによって鎮圧されてしまいます。

そして1863年、再びポーランド立憲王国にて「一月蜂起」と呼ばれる反乱がおこります。
最終的には再びロシアによって鎮圧され、さらに自治権まで奪われてしまうことになるのですが、この2回目の「ポーランドの反乱」に関連して登場するのが「第一インターナショナル」という言葉です。

第一インタナショナル、別名「国際労働者協会」です。

当時(1862年)のフランスの皇帝であるナポレオン三世の下、イギリスを訪れたフランスの労働者代表団がフリーメーソン会館でイギリス労働者より歓迎を受け、お互いに「同盟関係」を結びます。

ポーランドの反乱がおきたのはその翌年。
イギリスとフランスの労働者たちはポーランドの労働者たちの行動を称賛し、イギリス政府に対してはこの蜂起への干渉を要求します。

Wikiを現在参考にしていますが、この時組織された委員会によってパリの労働者に向けて行われた宣言文が、

『資本家たちが脅しとして使う外国人労働者の輸入などの手段に対抗するためには、労働者の国際組織が必要である』

との内容。(ここには少し違和感を覚えますね。当時ヨーロッパでは産業革命が起きており、資本主義が確立しつつあったため、この時点で「労働者」のアンチテーゼは「王政」ではなく「資本家」に変わっていた、ということでしょうか。
ポーランドの反乱とは直接関係がない感覚に違和感を覚えます。この辺りはもう少し調査が必要かもしれません。)

1864年9月には他の諸国の労働者も招いて集会を開き、ついに「国際労働者協会」設立へと歩みを進めます。
この時の「国際労働者協会創立宣言」とその「規約」を起草した人物がドイツの担当初期、「カール=マルクス」。

そう。「資本論」を記した人物で、エンゲルスと共に「共産党宣言」を記した人物でもあります。「マルクス主義」の言葉にも象徴されるように、現在に至る社会主義や共産主義の礎ともなった人物。

『共産党宣言』において彼は
人類の歴史は、自由民と奴隷、領主と農奴、資本家と労働者などの、隠然または公然の階級闘争の歴史であるとされ、近代社会はブルジョワジーとプロレタリアートにますます分裂しつつある
と主張しています。

この段階において、「王」や「貴族」、または「権力者」という名称が登場していないことが気にかかりますね。

第50回 「右翼」と「左翼」の記事でもご紹介したように、元々「右翼」とは聖職者や貴族、「左翼」とは平民であったはずです。

これが「階級闘争」であることは事実なのですが、「資本家」が属するブルジョワジーも、もともとは「平民」であったはずです。
マルクスは「左翼」だの「右翼」だのという言葉そのものは用いていませんが、この段階において右翼=資本家、左翼=労働者とする構造の基本が出来上がったのではないかと感じます。

左翼思想の象徴ともいえる「自由主義」や「国民主義」を追求した結果生まれたのが「資本家」であると、私はそのように感じます。

さて、次回記事では少し時代をさかのぼって、「フランス革命」の発端となった「バスティーユ襲撃」にまで時代を巻き戻したいと思います。
マルクスの主張した「共産党宣言」。この源流となる一人の人物、「フランソワ・ノエル・バブーフ」という人物にフォーカスして記事を進めたいと思います。
このシリーズの過去の記事
>> 第52回 「左翼」の変遷②
このシリーズの新しい記事
>> 第66回 日本における「左翼」

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