第49回 「日韓合意」を問うなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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前回の記事では、今回の記事に「夫婦別姓問題」についての見解を託したのですが、その前に、ちょっとタイムリーな問題として、タイトルにある「日韓合意」について記事にしたいと思います。

慰安婦問題めぐり日韓合意 「最終的かつ不可逆的解決」

記事は朝日新聞から。
年末、突如として降って沸いてきたように報道されたニュースでした。
15年12月24日、岸田外相の韓国派遣に関するニュースが報道された後、1週間もかからない間の、電光石火の出来事でした。

切り裂かれた「保守」、激昂する「韓国」

この問題、立場によってその反応が様々に分かれました。
いち早く反応を見せたのは、所謂「保守」と呼ばれる人たち。「保守」とは何か、ということに関しては後日記事にする予定ですが、今回の問題に関しては、反応が真っ二つに割れました。

「日韓合意」について、抑々何についての「合意」がなされたのかというと、「慰安婦問題」の取り扱い方についての合意です。

「慰安婦」。主に第二次世界大戦中、戦地に於いて、兵士の性的な欲求を満たすための相手をさせられていた女性たちのことです。

私、歴史問題に関しては結構立場によっていろいろな「主観」が入っていると思いますので、あまり取り扱うのは好きではないのですが、現時点での私の認識として、

1.「慰安婦」というのは当時、当然のようにして存在していた。所謂合法売春婦のことである。
2.軍が「慰安婦」に対して給与を支払っていた。(しかもかなり高額である)
3.「慰安婦」はそもそも公的に集められていた存在で、「強制」されたものではなく、向こうから望んで参加したものである。
4.ただし、中には「強制性がなかった」とは言い切れない事例も存在するが、これは軍が組織的に関与したものではなく、現地の一部の軍人が暴走したものである。
5.慰安婦も含めて、戦時中の韓国への賠償は「日韓基本条約」に於いて、一括して韓国に対して支払われており、賠償を慰安婦に渡さなかったのは日本ではなく韓国である。
6.吉田清治という人物が執筆した著書に於いて、自身が軍の命令で強制的に韓国人女性を慰安婦として連行したと証言したが、のちにこの証言が誤りであったことが解る。
7.日本の統治下にあった日本に於いて、日本人として強制的に勤労させられた「女子挺身隊」と「慰安婦」が混同されている。

等々の認識を持っています。
この事については正直不勉強な側面もありますので、これ以上は深く言及しません。
ただ、それでも尚、このことについて敢えて掲載したのは、サブタイトルにある「切り裂かれた保守」という内容に関連するから。

これについて、いち早く反応を示したのは「日本のこころを大切にする党」代表である中山恭子さん。
日こころ・中山代表「大いなる失望」と批判



記事にもある通り、中山代表は今回の日韓合意について、いち早く「失望の意」を表明しました。
ちなみに「日本のこころを大切にする党」とは、元次世代の党。日本で保守思想を全面に押し出す皆さんの、一つの心のよりどころとなっています。

談話の全文に関しましては、こちらに掲載されています。(一部をピックアップするやり方はあまり好きではありませんので)
【談話】日韓外相会談の合意を受けて

今回の日韓外相会談が合意されたことは、未来志向の日韓関係を目指して努力したものと認められる。

しかしながら、今回の日韓両外相共同記者発表について、安倍外交の最大の汚点となると考えられ、大いなる失望を表明する。

岸田外務大臣は、「当時の軍の関与の下に」と発言しているが、いかなる歴史的事実に基づいたものなのかを政府として明確にする必要がある。

また、在韓国日本大使館前や米国等の少女像の撤去についても、何ら確約がなされていない。この像のために、海外の日本人達、とくに子供達がいわれのないいじめに遭っている現状について、日本政府としては、どのような対応をしようとするのか明らかにすべきである。

更に、今後韓国側が、これによって「最終的かつ不可逆的に解決」されるという保障が明らかでない。

このように今回の日韓両外相共同記者発表は、種々の問題点を包含する内容であるといえる。

日本のこころを大切にする党としては、日本の正しい歴史及び日本人の名誉を守るため、今すぐ政府として史実を明確にすることを求める。

今回の日韓両外相共同記者発表について、強く抗議する。

平成27年12月28日
日本のこころを大切にする党
代表 中山恭子

「思想」は私は中山代表にどちらかというと近い位置にあると思います。
ですが、「是は是」、「非は非」だと思いますので敢えて掲載したいと思います。

ちなみに、岸田外務大臣の会見の全文についてはこちら。
共同記者発表全文
こちらは長文になりますので、内容はリンク先でご確認ください。産経の記事です。

まず、岸田外務大臣は、「当時の軍の関与の下に」と発言しているが、いかなる歴史的事実に基づいたものなのかを政府として明確にする必要がある。 という部分について。

岸田外務大臣の発言は以下の通りです。
慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。

 安倍(晋三)内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。

ただ、これは安倍首相は過去の会見や談話の中でもさんざん同様の趣旨のことを述べており、ここに「当時の軍の関与」があったのかどうかというと、軍が慰安婦に対して給与を支払っている以上、「関与がなかった」ということはできないと思うのです。

実際に韓国には「慰安婦であった」とカミングアウトする女性たちがおり、「名誉と尊厳を傷つけられた」と散々声高に叫んでいるのですから、当事者これを「なかった」ということはさすがに出来ないと思います。
こういう問題って、感じ方の問題ですから、たとえ周囲から見て「いや、さすがに名誉も尊厳も傷つけられてないやろ」と思ったとしても、本人が「いや、そう感じたんだ」と主張すれば、これを否定することはできないと思います。

あれから歴史が70年以上経過し、誰も実証できる人がいない以上、日本側でいくら「そんなことはなかった!」と主張しても、当事者の感じ方を否定することはさすがに出来ないでしょう。例えそれが歴史の積み重ねの中で、事実以上に誇張されていたとしても。

また、『在韓国日本大使館前や米国等の少女像の撤去についても、何ら確約がなされていない。この像のために、海外の日本人達、とくに子供達がいわれのないいじめに遭っている現状について、日本政府としては、どのような対応をしようとするのか明らかにすべきである。』という部分について。

これについては、韓国側の会見が該当します。
・韓国政府は、日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体ととの協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する。

・韓国政府は、今般日本政府の表明した措置が着実に実施されるとの前提で、日本政府と共に、今後、国連等国際社会において、本問題について互いに非難・批判することは控える。

記されているように、韓国側は「努力する」ことを約束しただけで、「必ず撤去します」とは一言も約束していないわけです。
しかも、在韓国日本大使館前の少女像についてのみの約束であり、米国における少女像については一言も言及していません。

ちなみに、「少女像」とは、この像のことです。
news_20151231173851-thumb-645xauto-79101.jpg
J-CASTニュースさんより拝借しましたので、記事へのリンクを張り付けています。

ただ、この事に関しては、今回の日韓合意に対する韓国側の反応を見てみるとその印象は変化するのではないでしょうか。

「日韓合意」を問う



タイトルを日本語約しますと、「日韓合意を受け日本大使館の建物に大学生闖入」という内容になるのだそうです。
韓国の日本大使館に対して韓国の学生たちが行った「暴動」です。

かつて、「安保闘争」が行われた時代の日本を彷彿させます。
「民度」という言葉を使うとすれば、韓国の民度はまだそのレベルにある、ということです。

かつて、「河野談話」が行われ、慰安婦問題が日本で叫ばれるときは、必ずセットのようにしてついて来ますね?
河野談話
いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。

 今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。

 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。

 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。

 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。

 なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。

一部、朝日新聞が過ちを認めた吉田証言に基づく内容(「官憲等が直接これに加担したこともあった」等)もございますから、ここについては「事実に基づいた内容ではなかった」と言えるかもしれませんが、基本的に安倍内閣のスタンスとしては、この内容を踏襲しています。

ですが、考えてもみてください。河野氏がこの談話を出したとき、日韓以外の諸外国が、一体どの程度この「河野談話」に対して関心を持っていたでしょうか。
そして、基本的に、この時の「河野談話」は、日本が韓国に対して、一方的に謝罪を行っています。

ところが、今回の日韓合意に関しては、日本が、「軍による関与」という言葉を加えてはいるものの、基本的にこれまでの立場を踏襲し、更に10億円という賠償金に相当する金銭を韓国に支払うことによって、韓国に対しても「今後、二度とこの問題を蒸し返さない」という約束をさせたことに胆があると私は考えます。

また、韓国は米国や欧州に於いて、散々にロビー活動を行い、「慰安婦問題」の存在を周知させまくっていますから、河野談話当時と比べて、海外もこの問題に対して大きな関心を寄せているのです。

背景が当時とは全く異なりますし、その結果も異なります。
国際的に見れば、日本は韓国に対して「歩み寄った」わけです。

ですが、既にいくつか報道されているように、韓国がこの問題に対して、たとえば
韓国、「慰安婦のユネスコ登録申請を見送る」とする日本の認識を「事実無根」
だと言ってみたり、

ソウルの日本大使館前の慰安婦像を移転させようとする要求は、いかにこの問題をごまかそうとしているかの例だ
などと吹聴している民間団体を放置するような真似をしていれば、今度は世界からバッシングを受けるのは間違いなく韓国でしょう。

ボールは投げられたのです。今度は日本ではなく、韓国がどのように国内の世論をまとめ上げるのか。
日本の譲歩に見合う行動をとらせるのか。ここにすべてはかかっています。

もし今回の日韓合意に於いて、「慰安婦像の撤去を約束」したり、「ユネスコへの登録を断念」したりすることを仮に韓国側が表明していれば、果たして韓国国内で、どのような暴動が発生していたか、それは計り知れません。

日本は「大人の対応」をしたと言えるでしょう。
何度もいいますが、もしこれで、韓国がきちんと韓国国内の世論をコントロールできなければ、韓国こそ世界一の「嘘つき」であることが、全世界に対して白日のものとに晒されます。韓国政府の国際社会における発言力は消滅してしまうでしょう。

消費増税問題の時もそうでしたが、この程度のことで、安倍内閣に対して掌を返してしまう「保守層」もはっきり言ってどうなのかと私は思います。

それでは自分たちが「左翼」のレッテルを張っている連中と、一体何が違うというのでしょうか。
考え方が「思想化」し、「イデオロギー化」している時点で、それは一種の「原理主義」の性格を帯びてしまうと私は思います。

次回記事におきましては、「左翼」と「右翼」、「保守」と「リベラル」についての記事を作ってみたいと思います。

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