第39回 実質賃金と名目賃金②~実質賃金って何?~など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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<前回の記事 第38回 アベノミクスを問う13

前回の記事では、特に「名目賃金」に着目し、「総給与所得」と「平均給与所得」の2つの視点からいわゆる「賃金」についてご説明いたしました。今回の記事ではもう一つ。「実質賃金」に着目して記事を作成したいと思います。

「実質賃金」って何?

前回の記事でもお伝えしたように、マクロベースでの「賃金」に関しての情報を手に入れようとすると、厚生労働省と国税庁から参照する必要があります。
しかしこの中で、国税庁のデータはすべて実数のみで掲載されており、「名目」も「実質」もありません。すべて名目の指標です。

ですので、「実質賃金」を見る場合は、厚生労働省データを参照する必要があります。

リンク先で見てみますと、実質賃金に関しましては、「実質賃金指数」という項目のみが表示され、「実質賃金」なるものはどこにも掲載されていません。

同じく「名目賃金」に関して探してみますと、実は「名目」なるものはどこにも記されていません。

いわゆる「名目賃金」に相当するものは、「月間現金給与額」。国民が受け取った給与所得を合計して平均したものです。
では、先ほどの「実質賃金指数」と書かれたリンク先から、エクセルのシートを開いてみましょう。(クリックするとエクセルシートのダウンロードが始まるのでご注意ください)

【実質賃金指数 時系列一覧表】
実質賃金指数

こんな感じです。

表の下に、「※実質賃金は、名目賃金指数を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で除して算出している」と書かれてあります。
(※「持家の帰属家賃を除く総合」については、第87回の記事にて詳しく解説していますのでご参照ください)

「名目賃金指数」とは一体なんでしょう。
もう一度ダウンロード前の画面を見てみますと、単純に「賃金指数」という言葉が掲載されています。

この「賃金指数」という項目が「名目賃金指数」のことです。
こちらにはもう少し細かい内訳が記されていますが、実質賃金と比較するために必要なのはこちらの部分。

【名目賃金指数 時系列一覧表】
名目賃金指数

現金給与所得の総額に関する指数ですね。
それでは、「消費者物価指数」とは一体何なのでしょう。

これについては、第4回の記事でご説明しましたね。

引用します。

【消費者物価指数とは】
消費者物価指数とは、日本国政府が、先述した「コモディティ」ごとに価格を集計し、価格のトータルを「物価」として算出し、先月の物価と比較して、その成長率を指数として示したものです。

消費者物価指数の中には、日本国内で生産されたものの指数だけでなく、海外で生産されたもの。

一番典型的なものとして「原油」の価格も含まれています。

「消費者物価指数」はこちら→平成22年基準 消費者物価指数 全国 平成27年(2015年)9月分 (2015年10月30日公表)から見ます。

実質賃金に戻ります。表の右上に、実質も名目も「平成22年平均=100」と書かれています。
これは、平成22年の現金給与総額を100と考えた場合、今年の現給与はどのくらい成長したのか、または成長しなかったのか、ということを指し示す数値が「名目賃金指数」や「実質賃金指数」です。

実質賃金指数とは、さらにその「名目賃金指数」を「消費者物価指数」で割ったものです。

実質賃金と名目賃金

それでは、改めて考えてみます。前回の記事で、
アベノミクスが批判されるときによく利用されるのがこの「実質賃金」ネタです。
「名目賃金が増えた、と安倍内閣は主張するが、安倍内閣に入ってからずっと実質賃金は下落し続けているではないか」と。
との疑問点を一つ提示し、

では、このように状況が改善しているにも関わらず、なぜ安倍内閣を批判する人たちは、「実質賃金は下落している」と実質賃金にばかり着目してアベノミクス批判を行おうとするのでしょうか。

と、今回の記事にその疑問を託しました。

次回記事にて、

・名目賃金が増えていても、実質賃金が下落すると問題なのか?

この判断が正しいのか間違っているのかということについてご説明いたします。
このシリーズの過去の記事
>> 第41回 実質賃金と名目賃金③~実質賃金の正体~
このシリーズの新しい記事
>> 第38回 実質賃金と名目賃金①~総給与所得と平均給与所得~

このシリーズの一覧をご覧になりたい方は >>実質賃金と名目賃金 よりご確認ください


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