第352回 平成29年(2017年)度7月度消費者物価指数が公表されました。など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>「物価」の見方


本日は2017年9月5日で、公表されたのは先月末ですので、少し期間が経過していますが、ほんの少しだけですが、状況が変化していますので、記事にしてみたいと思います。

おなじみになったかと思いますが、私が「消費者物価指数」を見る際のルールを改めて掲載しておきます。
・海外需要の影響を受けやすい「エネルギー」の物価は除外する必要がある

・天候によって、「需要」とは関係のない指標が出る「生鮮食品」の物価は除外する必要がある

・海外の水準と比較するために設定された、実際には存在しない数字である「持家の帰属家賃」は除外する必要がある。

不明な文言等ございましたら、同シリーズの過去の記事 をご参照ください。

それでは、改めまして2017年7月度の消費者物価指数を掲載したいと思います。

平成29年(2017年)度7月の消費者物価指数

【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.4(0.4)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.5 (0.4)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.6(0.5)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.6(0.5)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.1 (0.0)

この中で、私が最重要視すべきだと考えている情報は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。
これと同様に、「持家の帰属家賃を除く総合」もまた重要視しています。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」と「生鮮食品を除く総合」を比較した時、前年同月比で0.4%の差が生まれていますが、この0.4%の違いがエネルギー物価の変動を意味しています。

私、6月度の記事は作成しませんでしたが、その先月も含めて、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が3月に初めて-0.1%を付けて以来、前年同月比がずっと横ばい(0.0%)を続けていましたので、ここがわずかでもプラスに転じていることは、 久しぶりに安心できる材料が登場したということだと思います。

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。

食料 ウェイト:2623
0.6(0.8)

 生鮮食品 ウェイト:414
 -1.1(0.5)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.9(0.9)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  -0.1(0.0)

光熱・水道 ウェイト:745
4.3 (3.5)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.4(-0.8)

被服及び履物 ウェイト:412
0.0(0.2)

保健医療 ウェイト:430
0.1(0.0)

交通・通信 ウェイト:1476
0.1(-0.1)

教育 ウェイト:316
0.4(0.4)

教養娯楽 ウェイト:989
0.0(-0.1)

諸雑費 ウェイト:574
0.1(-0.1)

このうち、「エネルギー物価」を含むのが「光熱・水道」、「交通・通信」の2費目ですので、ここを分解してみます。
光熱・水道 ウェイト:745
4.3 (3.5)

 電気代 ウェイト:356
 6.1(4.9)
 ガス代 ウェイト:181
 1.4(0.1)
 他の光熱 ウェイト:41
 21.2(23.0)
 上下水道料 ウェイト:167
 0.6(0.4)

交通・通信 ウェイト:1476
0.1(-0.1)

 交通 ウェイト:224
 0.0(-0.3)
 自動車等関係費 ウェイト:836
 1.5(1.4)
 通信 ウェイト:416
 -2.8(-3.1)

「その他光熱費」は「灯油」の事ですので、灯油の物価が特に大きく上昇していることが分かります。

また「電気代」に関してましても「電力自由化」や「原油価格の下落」の関係で3月まで22カ月間連続で前年を割り続けていたのですが、4月より上昇に転じ、7月は前年同期比6.1%にまで上昇していますね。

「交通・通信」の中ではやはり「通信」の分野が下落を続けており、うぃとも小さくはありませんので、物価全体の足を引っ張っている様子がうかがえます。

一方で「交通・通信」分野の中でエネルギー価格が含まれているのは「自動車等関係費」ですから、ここをもう少し砕いてみます。
自動車等関係費 ウェイト:836
1.5(1.4)

 自動車 ウェイト:199
 0.3(0.3)

  軽乗用車 ウェイト:40
  -0.9(-0.1)
  小型乗用車A ウェイト:55
  0.7(0.4)
  小型乗用車B ウェイト:5
  0.7(0.7)
  普通乗用車A ウェイト:80
  0.5(0.5)
  普通乗用車B ウェイト:20
  1.3(-0.2)

 自転車 ウェイト:9
 2.0(2.3)
 自動車等維持 ウェイト:628
 1.9(1.8)

  ガソリン ウェイト:206
  6.3(6.1)

ガソリンの物価上昇幅はさすがに大きくなっていますが、これ以外にも「自動車」が全体で0.3%上昇。
特に「軽乗用車」のみ物価が下落する中で、他の費目(Aは国産、Bは外国産)は全て上昇しています。

「自動車等維持費」は費目数が多いのでガソリン以外は割愛しましたが、「自賠責保険料(▲6.5%)」や「レンタカー代(▲2.1%)」が大きく前年割れしている以外は目立って物価が下落している費目はありません。

家具・家事用品に起きた変化

私のブログではおなじみかもしれませんが、この「家具・家事用品」の分野。長らく物価の足を引っ張り続けてきた分野なのですが、実は少し変が起きています。

【消費者物価指数(家具・家庭用品)の前年同月比】※( )内は2017年6月の前年同月比です。
エアコン

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.4(-0.8)

 家庭用耐久財(ウェイト:111)
 0.0(-1.0)

  家事用耐久財(ウェイト:57)
  -3.0(-5.1)

   電子レンジ(ウェイト:4)
   -14.9(-13.7)

   電気炊飯器(ウェイト:11)
   2.6(-1.6)

   ガステーブル(ウェイト:3)
   6.3(6.5)

   電気冷蔵庫(ウェイト:16)
   -10.5(-10.9)

   電気掃除機(ウェイト:9)
   3.8(10.3)

   電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
   1.5(-14.8)

   電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
   -2.5(-2.7)

   冷暖房用器具(ウェイト:37)
   2.9(3.3)

    ルームエアコン(ウェイト:30)
    3.3(3.8)

    温風ヒーター(4)
    -1.1(-1.1)

    空気清浄機(3)
    4.5(5.1)

  一般家具(18)
  2.8(1.8)

   整理だんす(5)
   1.7(2.3)

   食堂セット(9)
   3.2(1.9)

   食器戸棚(4)
   1.0(-0.1)

足を引っ張っていたのは「家庭用耐久財」の内「家事用耐久財」です。もちろん7月度も▲3.0%ですから、決して「改善した」わけではありません。ですが、「家庭用耐久財」全体で見るとついに前年同月比が0%まで回復したわけです。

2月に一度0.6%を付けていますから、それ以来ということになります。

特にその影響が大きかったのは「全自動洗濯機」の1.5%、そして「ルームエアコン」の3.8%だったのではないでしょうか。
ルームエアコンに関しては6月も3.8%と大きく改善しており、継続的に物価が下落し続ける状況から回復しつつある状況が伺えます。

またそれ以上に大きいのは「一般家具」の2.8%かもしれません。一般家具の物価上昇率は比較的優秀で、これで9カ月連続の物価上昇となります。

第348回の記事 で2017年度4-6月期のGDPについて記事を記しましたが、私たち一般国民の景気状況を見る上で最も大切なのが「家計最終消費支出」という項目です。

この項目を構成しているのが今回のきじで取り上げた「消費者物価指数」。
4-6期GDPは巷の予想を大きく上回り、大幅な上昇幅を記録したわけですが、ニュース等の解説を見ていると、季節ものの動きが鈍く、第二四半期(7-9月期)は第1四半期程の上昇を期待することは出来ないのではないか、とする報道を見かけましたが、「ルームエアコン」は季節ものの中でも代表的なアイテムです。

この様な動きを見ていると、やはり第二四半期のGDPにも大いに注目したいですね。


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