第348回 2017年度(平成29年)GDP第一四半期第一次速報が公表されましたなど、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第一四半期ですので、4月~6月期GDP速報になります。
ニュースではこんな感じですね。関心がある方は全文目を通してみてください。

GDP、年4.0%増=11年ぶり6期連続プラス-内需堅調で・4~6月期 (共同通信社記事より)
 内閣府が14日発表した2017年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1.0%増、この成長ペースが1年続くと仮定した年率換算では4.0%増だった。

 個人消費や民間の設備投資など国内需要が堅調で、輸出の落ち込みを補い、11年ぶりに6四半期連続のプラス成長となった。年率の伸びは15年1~3月期(4.8%増)以来の大きさ。

 物価変動の影響を反映し、生活実感に近い名目GDPは前期比1.1%増、年率4.6%増。16年後半以降の輸出主導型の経済成長が内需主導型に切り替わりつつある。

 茂木敏充経済再生担当相は記者会見で、「良い数字だが、消費はまだ力強さに欠ける」と指摘した。景気の先行きについては「緩やかに回復していくことが期待される」と語り、安倍政権が掲げる「人づくり革命」や生産性向上などの重点課題に取り組むことで、内需主導の持続的な成長を目指す考えを示した。

 実質GDPを項目別に見ると、個人消費は前期比0.9%増と6期連続のプラス。雇用・所得環境の改善から飲食・サービスが好調で、買い替え需要などで自動車販売やエアコン、冷蔵庫も伸びた。

 設備投資は2.4%増。人手不足を背景に、建設業や小売業などで省力化投資が伸びた。住宅投資は戸建て、貸家ともに底堅く1.5%増。公共投資は、16年度第2次補正予算の執行が本格化したことに伴い5.1%増。伸び率は第2次、第3次安倍政権を通じ最大の13年7~9月期(5.0%増)を上回った。

 輸出は0.5%減と4期ぶりのマイナス。統計上は輸出に分類される訪日外国人の消費は増えたが、アジア向けのスマートフォン関連部品の需要一服などが響いた。輸入は原油・天然ガスの価格上昇から1.4%増えた。

 実質GDPの増減にどれだけ影響したかを示す寄与度は内需がプラス1.3%。一方、外需はマイナス0.3%で、6期ぶりのマイナスだった。(2017/08/14-11:46)

内閣府

要約すると、2017年度第一四半期GDPの内、季節調整を行った実質GDPの前月比が1%上昇し、これを年率換算すると4%の上昇率になりますよ、ということになります。

ただ、私のブログにおいて、GDPに関連する記事では繰り返しお伝えしています通り、そもそも

 ・「名目GDP」そのものがサンプルデータを用いて人為的に作成されたデータであること
 ・「実質GDP」はこの数字を更にサンプルデータを用いて人為的に作成した「持家に帰属する家賃を除く消費者物価指数」で割ったものであること
 ・この実質GDPを更に人為的に作成した公式に当てはめて計算した数字が「季節調整系列」であること。
 ・更に「年率換算」は前述した方法によって算出された「季節調整系列前月比」が「仮に4半期連続で継続したとしたらいくらになるのか」というありえない予測に基づいて算出されたフィクションの数字であるということ

以上の様な理由により、「季節調整系列」という数字も、「年率換算」という数字も私自身は全く信用していません。

一つ目の、「名目値」に関するバイアスだけは解消することができないけれども、他のバイアスに関しては解消することが可能である、「名目原系列、前年同期比」を検証することが一番大切なことだと私は考えています。

ということで、私のGDP速報は、この「名目原系列、前年同月比」を中心に記事を進めてみたいと思います。


2017年度GDP第一四半期第一次速報統計結果

【2017年度GDP第一四半期第一次速報(前年同期比)】
名目GDP
全体 134.556 兆円(1.6%)

 民間最終消費支出  75.012 兆円(1.9%)
 家計最終消費支出 73.095 兆円(1.8%)
  除く持家の帰属家賃  60.613 兆円(2.2%)

 民間住宅 4.185 兆円(7.3%)
 民間企業設備 19.407 兆円(6.4%)

実質GDP
全体  129.498 兆円(2.0%)

 民間最終消費支出 73.808 兆円(1.8%)
 家計最終消費支出  71.948 兆円(1.8%)
  除く持家の帰属家賃  58.674 兆円(2.0%)

 民間住宅  3.935 兆円(5.6%)
 民間企業設備 19.070 兆円(5.8%)

実質を合わせて掲載しているのは、確かにその信憑性に関しては疑問があるものの、それでも一つの指標にはなるということと、名目と実質の数字を用いることでそれぞれの項目における「物価上昇率」を見ることが出来るからです。

項目としては、基本的に日本区全体の「GDP」をまずは掲載しているのですが、続いて家計最終消費支出者、つまり民間人と民間企業を合算した「消費支出」、続いて「家計」の最終消費支出、ここから更に「持家に帰属する家賃」を除いた消費支出を掲載しています。

続いて掲載している「民間住宅」は民間人が住宅におこなった投資金額(購入額)、民間企業設備は民間企業が行った設備投資費の事です。

安倍内閣が目指している経済社会とは、政府支出におんぶにだっこ、何時まで経っても民間で稼ぐことのできないような社会ではなく、民間が政府の力に頼らずとも、自ら自力で回転していけるような社会です。

この情報をきちんと吸い上げて統計化しているのが上記枠内のデータです。


2017年度GDP第一四半期第一次速報への評価

ニュース記事でも書かれているのですが、今回のGDP評として一番大きいのはやはり「内需」の拡大です。

特に注意してみるべき箇所は民間最終消費支出の内、「持ち家の帰属家賃を除く家計最終消費支出」の動向です。

これも何度も言っている様に、「持ち家の帰属家賃」とは、「もし今住んでいる持ち家が借家だった場合、家賃はいくらになるのか」という非常に意味の解らないフィクションの数字ですから、本来GDPには加えるべきではない数字です。

この数字が名目で前年同期比2.2%、実質で2.0%、物価上昇率0.2%という形で上昇しています。これは非常に理想的な形ですね。

また一方で、「企業設備投資費」に関しても前年同期比で名目が6.4%、実質が5.8%、0.6%の物価上昇率を記録しており、これは完全に「デフレから脱却した」と言っても問題がないような状況となっています。

政府日銀が目指している部下上昇率は2.0%ですから、まだまだじゃないか、という声も聞こえてきそうですが、私としてはその物価上昇率には無理があると考えており、やはり麻生内閣時代の名目3%、実質2%、1%の物価上昇率を目指す事こそ一番理想的な経済成長ではないかと考えています。

2%の物価上昇率というのは、どちらかというと安倍内閣誕生時に安倍さんの周辺を取り巻いていたマネタリストたちの非現実的な妄想が招いた政策の弊害だと私は考えています。


もう一つの視点(輸出入GDP)

ただ、ではアベノミクスはついに成功したのか、と単純に考えるのは実は時期尚早だと思います。

いや、アベノミクスは十分成功していると私は思っているのですが、今回の数字をぬか喜びしてよい数字なのかどうか、という点で1点だけ注意してみておくべき点がある、ということを申し上げたいのです。

それは、「輸入額」の事です。
重ねて輸出額も掲載します。

【2017年度GDP第一四半期第一次速報(輸出入GDP統計)】
2016年度輸入額 19.655 兆円
2017年度輸入額  22.178 兆円
輸入額前年度差額(前年同期比) 2.523 兆円(12.8%)

2016年度輸出額 20.890 兆円
2017年度輸出額 23.038 兆円
輸出額前年度差額(前年同期比) 2.148 兆円(10.3%)

額、率とも輸入が輸出を上回っていますので、輸出入GDPはGDP全体を縮小させる要因として働いています。

ですが、それは輸出入全体にいえることであって、消費支出を初めとする各項目の数字の中には輸出入GDPの内「輸入額」が含まれているわけです。

昨年の記事を読み返していただくとわかると思いますが、2016年度は原油価格が前年同月を大幅に下回る状況にありましたから、原油額が大半を占める「輸入額」は消費支出等各項目を前年に対して下落させる要因として働いていました。

ところが、今年度2017年度は原油価格が前年度を上回っていますので、これが今度は各項目を上昇させる要因として働いています。

勿論、輸入額増加額2.5兆円の内、その全てが原油額というわけではありませんし、今月輸入した原油額がそのまま今月の消費者物価に反映されるのかというと、そういうわけでもありません。

ですが、例えば持家に帰属する家賃を除く家計最終消費支出は前年同期と比較して1.3兆円増えたわけですが、これがそのまま内需に起因する上昇額となるわけではない、ということです。


これらの要素を踏まえて統計データを見る必要はあるわけですが、少なくとも今年度第一四半期のGDPデータは、私たちの想像を上回るほど上昇しました。

またGDP全体で見ますと、輸入額が輸出額を上回っており、GDPに対してはネガティブに作用しているにも関わらず、名目GDP全体は1.6%の上昇率を記録しています。

繰り返しますが、「輸入額」が「輸出額」を上回っていますので、名目GDPの上昇幅は明らかに「原油額の上昇幅を差し引いた内需」に起因するものです。

この事をポジティブな要素としてきちんと受け止めることが大切です。

ポジティブな情報は、「期待インフレ率」として作用し、経済を成長させる大きな起爆剤となりますからね。


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