第345回 森友学園問題の真相/8億円値引きは価格ありきだったのか?など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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さて。今回は久しぶりにこの「森友学園問題」を取り扱ってみたいと思います。

というのも、だれが流出させたのか、そもそもその出所がどこだったのかはさっぱりわかりませんがFNNが独自データとして、森友問題に関する「新たなる音声データ」を入手し、これを巧みに編集して報道したからです。


これについて、同じFNN、フジテレビのワイドショーである「バイキング」でも取り上げられていましたので、こちらの動画もご紹介しておきます。


フジテレビがこれらの番組を作成した目的としては、「財務省側、佐川理財局長(当時)」が国会で以下のような発言を行っていることが理由です。

新たなる音声データ0
佐川理財局長
「価格につきまして、こちらが提示したこともございませんし、先方からいくらで買いたいといった希望があったこともございません」

これは、バイキング動画内より抜粋しました。
動画では、籠池夫妻と財務省側、池田国有財産統括官とのやり取りで構成されています。

冒頭で池田国有財産統括官が、土地を森友学園側にリースする段階で、当初より存在が確認されていたゴミ撤去費用1億3200万円をベースに森友側と交渉していることから、「池田統括官は金額を提示しているじゃないか」というのが先ず番組側の主張。

そしてもう一点。この金額をベースで話をしていることから、

「最初からこの金額で売りつけることを目的としているじゃないか、8億2000万円という値引き額はこの金額ありきだったんじゃないか、辻褄を合わせることを目的として、土地評価額の9億5000万円から1億3200万円を差し引いただけじゃないか」

という主張を行っています。
ですが、私は改めてこの動画を見てみて、まったく逆の印象を覚えました。

ピンと来たのはこの土地は元々価格が付かないような二束三文の屑土地だったんじゃないか・・・と。


新たなる音声データの内容

勿論、この動画はフジテレビ側にとって都合の良い部分のみを切り取って都合よくつなげていますので、これを情報ソースとして提示するのは、一見すると適正な方法ではない様に感じてしまいますが、実は今回の動画に関しては全く逆。

フジテレビ側の編集と番組構成、及びその主張がいかに出鱈目なものであるのかということを、この動画そのものが証明してしj待っているのです。

それでは、大切な部分を抜粋する形で籠池夫妻と池田国有財産統括官とのやり取りを文字起こししてみます。

【籠池夫妻と池田国有財産統括官とのやり取り】
池田国有財産統括官
「先ず一転、お詫びの点はですね。地下埋設物の撤去工事に関しては、きちっと森友学園理事長・復縁等に情報が伝わっていなかった点は、われわれも反省点としてありまして、今後の対応については大阪航空局よりご説明いただこうと思っています。」

<中略(籠池氏の恫喝)>

大阪航空局 
「今回出て来た産業廃棄物というものは、国の方に瑕疵(かし)があるということが判断されますので、その撤去に就いては国の方でやりたいなと思っておりまして」

<中略(籠池妻の恫喝。損害賠償の要求:学校の開校が遅れること等を理由に)>

池田国有財産統括官
「我々が見込んでいる額よりも(撤去費が)少なくても我々は何も言わない」

池田国有財産統括官
「理事長のおっしゃる0円に近いというのがどういう風にお考えになられているのか、売り払い価格というのが0円ということなのかと私は思いますけど、私ども、以前から申し上げているのは有益費の1億3000万という数字を国費として払っているので、その分金額ぐらいは少なくともの売り払い価格は出てくるかと。そこは何とかご理解いただきたい」

籠池氏
「(売却価格は)1億3000万が云々というものよりもぐ~んと下げていかなあかんよ」

池田国有財産統括
「理事長がおっしゃる0円という金額までわたしはできるだけ努力する作業を今やっています。
だけど、1億3000万円を下回ることはない」

ここから、フジテレビ側の主張が続きます。

新たなる音声データ1

「結局最初のごみ撤去費用1億3200万円を上回る1億3400万円で契約が成立」

新たなる音声データ2

「これまで国側は、国有地の鑑定価格からゴミの撤去費用(8億2000万円)を差し引いて土地の売却価格を算出したと説明していた」

新たなる音声データ3

「今回の音声データは、最初から1億3000万円の売却価格ありきで新たなるゴミ撤去費用を算出したことを疑わせる内容」

このあと明らかな印象操作としか考えられない籠池氏の口から出まかせを「さらなる音声データ」として紹介した後、コメンテーターや司会者との間でのやり取りが繰り広げられます。


「新たなる音声データ」から読み取れること

さて。私はこの音声データを、朝起きた時に付けたテレビ番組で初めて耳にしました。

で、聴いた瞬間に頭に思い浮かんだ疑問が、冒頭に述べた、

「これ、この土地は元々値段もつかないような二束三文の屑土地だったんじゃ・・・」

という疑問です。まず冒頭、池田国有財産統括官が述べている、
「先ず一転、お詫びの点はですね。地下埋設物の撤去工事に関しては、きちっと森友学園理事長・復縁等に情報が伝わっていなかった点は、われわれも反省点としてありまして、今後の対応については大阪航空局よりご説明いただこうと思っています。」


という内容について。これは、2016年3月の時点で「新たに発見されたゴミ」について、当初財務省側では把握できておらず、この事を籠池夫妻に謝罪している場面です。

これについては大阪航空局より

「今回出て来た産業廃棄物というものは、国の方に瑕疵(かし)があるということが判断されますので、その撤去に就いては国の方でやりたい」


と述べています。ところが、この次に池田国有財産統括官が発言する場面では、

「我々が見込んでいる額よりも(撤去費が)少なくても我々は何も言わない」

という内容に変わっており、これは即ち大阪航空局より説明があった後、籠池夫妻とのやり取りの中で、財務省側から「撤去は別に森友側でやっていただいても問題はない」との提案がなされたのではないかと推察されます。

これに対して更に

「実際にかかる工事費が財務省側の見積りより少なかったとしても財務省側は別に文句は言いませんよ」

と付け加えているわけで す。


さて。ここまで記述した段階で、読者の方のご意見としては2つのご意見に分かれているのではないでしょうか?

一つ目は、私が感じた疑問と同様の疑問。
二つ目は、フジテレビが編集している様に、「え!それじゃ森友側のぼろもうけじゃん!」
とする短絡的な発想です。


「新たなるゴミ」が発見された時点での「土地評価額」は一体いくらだったのか

このサブタイルについて、池田統括官は以下の様に述べています。
「理事長のおっしゃる0円に近いというのがどういう風にお考えになられているのか、売り払い価格というのが0円ということなのかと私は思いますけど、私ども、以前から申し上げているのは有益費の1億3000万という数字を国費として払っているので、その分金額ぐらいは少なくともの売り払い価格は出てくるかと。そこは何とかご理解いただきたい」

<中略>

「理事長がおっしゃる0円という金額までわたしはできるだけ努力する作業を今やっています。
だけど、1億3000万円を下回ることはない」

つまり、この時点で、ごみ撤去工事を行う前の土地の価格は0円でも問題はないが、1億3200万円かけて撤去工事を行ったんだから、撤去工事費用1億3200万円の土地の価値がこの土地には生まれている、とこの様に池田統括官は言っているわけです。

そう。暗に池田統括官は、ごみ撤去工事を行う前の土地価格は「0円でも問題はない」としているわけです。

全く先入観を持たない状況でこの情報を見ると、

「えっ? 0円の土地って、一体どんな屑土地なの?」

と、普通であればこうなるはずです。実際、フジテレビ側もこの「0円」という土地価格が「おかしい」とは一言も言っていません。
フジテレビ側は、この土地が「1億3400万円で売却されたこと」を問題とし、その前提条件となった「1億3200万円」という「価格ありきだったんじゃないか」と言っているわけです。

そして売却時点で査定されていされている土地評価額「9億5000万円」を引き合いに出し、「この9億5000万円から1億3200万円を差し引いた金額を『新たなるゴミ撤去費用見積もり』としたのであったのではないか」

としているわけです。

ですが、よく考えてみてください。そもそも森友側に売却した「1億3400万円」という数字は、「もともと0円と評価しても差し支えなかった土地に、国費を投じて行ったゴミ撤去及び整備費用1億2000万円」がベースになっています。

つまり、

「土地評価額は元々0円であった土地に、1億3200万円の費用をかけて整備した結果、1億3200万円という土地価格が生れた」

ことをこの経緯は示しているのです。


8億2000万円という値引き金額は適正であったのか?

それでは、改めて考えてみましょう。そもそもこの値引き価格8億2000万円という数字は、母体となる土地売却価格9億5000万円という数字があって初めて出てくるものです。

上記録音テープが、一体いつ録音されたのか、それは私には分かりません。ですが、一つ言えることは、録音テープにおいて池田統括官は、
私ども、以前から申し上げているのは有益費の1億3000万という数字を国費として払っているので、その分金額ぐらいは少なくともの売り払い価格は出てくる

とこの様に述べており、池田統括官のこの言葉より、国側は学園側に、この土地の売買価格がどんなに安く見積もっても、工事費として支払った1億3200万円を下回ることがない、ということを、実際に売買交渉に入る以前から伝えていたのではないか、ということです。

「やっぱり価格ありきだったんじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、私が言いたいのはそういうことではありません。

森友側が政府側に土地購入の申し入れを行ったのは3月24日。新たなるゴミが発見されたのは3月11日ですから、森友が購入申し入れを行う前から「新たなるゴミ」は既に発見されていました。

この事から透けて見えてくるのは、籠池夫妻はこの「新たなるゴミ」を政府側に対する「値引き交渉を行うための材料」として提示したのではないかということです。

繰り返しになりますが、政府側は元々籠池夫妻に対して「この土地の売買価格はどんなに安く見積もっても1億3200万円は下りませんよ」と伝えていたわけです。

これに対して籠池夫妻は「これまで発見されていなかった新たなるゴミが発見されたんだから、値段を下げるのが当然でしょ?」と言っているわけです。逆に言えば、「新たなるゴミ」がみつかったことで「値引き交渉が出来る」と踏んで学園側は国側に対して土地の購入を申請しました。

NHKニュース からの情報にはなりますが、上記リンクサイトによりますと、森友が土地購入の申し入れを行った6日後、財務局は大阪航空局にゴミの撤去見積もりを依頼。この金額8億1900万円が確定したのが4月14日である、とされています。

リンク先ではこの8億1900万円を「値引き額」と記していますが、土地評価額が決まるのが5月30日ですから、この時点ではあくまでも「ごみ撤去費用」であり、「値引き額」ではありません。

今回ご紹介した録音テープが、果たしてこのごみ撤去費用が確定する前に行われたやり取りなのか、それとも確定した後に行われたやり取りなのか、これは私には分かりません。ですが、上記録音テープの中には、明らかに不自然な内容が報道されています。

大阪航空局 
「今回出て来た産業廃棄物というものは、国の方に瑕疵(かし)があるということが判断されますので、その撤去に就いては国の方でやりたいなと思っておりまして」

<中略(籠池妻の恫喝。損害賠償の要求:学校の開校が遅れること等を理由に)>

池田国有財産統括官
「我々が見込んでいる額よりも(撤去費が)少なくても我々は何も言わない」

文字で見るとわかりにくいのですが、番組的には大阪航空局の発言には、前後の流れが一切含まれておらず、番組のナレーションとナレーションに挟まれる価値で、この部分だけピンポイントで切り取られて入れ込まれている様にも感じるのです。

既に述べていますように、大阪航空局側のセリフでは工事を国で行うことが提案されていますが、池田統括官のセリフになると、いつの間にか工事を森友が行う、という内容になっています。

これまでの流れから考えると、仮にこのやり取りが工事費の見積もりが行われた後に行われたやり取りであると仮定すると、航空局の発言と池田統括官のセリフとの間に、以下のようなやり取りがなされていたのではないかと推察されるのです。
大阪航空局 
「今回出て来た産業廃棄物というものは、国の方に瑕疵(かし)があるということが判断されますので、その撤去に就いては国の方でやりたいなと思っておりまして」

籠池氏
「もちろんそれはそちら側で負担していただけるんでしょ?」

大阪航空局 
「いえ。こちら側で工事をさせていただきますと、その金額が土地取得金額に上乗せされることになります。」

籠池氏
「それはおかしいでしょう。工事には一体どのくらいの金額がかかるんですか」

大阪航空局 
「こちら側の見積もりでは8億1900万円になります」

籠池氏
「本当にそんなにかかるんですか?」

池田統括官
「これまでの事例を参考にしますと、このくらいの金額になります」

籠池氏
「もっと安くならないんですか。そんなんだったらこっちでやりますよ!」

池田統括官
「勿論、そうしていただいても問題はありません。その場合、我々が見込んでいる額よりも(撤去費が)少なくても我々は何も言わない」

あくまでもこれは私の推測であり、言うなれば「フィクション」です。

ですが、当初元々0円であった土地に、1億3200万円の工事を行った結果、1億3200万円の価値がつくのであれば、実際にいくらかかるのかは知りませんが、新たなるゴミ撤去にそれ相応の金額がかかるのであれば、新たなるゴミを撤去した後、その撤去にかかった費用がそのまま「土地評価額」に加算されるはずです。

勿論、この撤去費用の中には、実際に確認できるゴミの撤去費用以外に、仮に建築が遅れた場合の損害賠償費用や仮にこれまで発見されていない場所にもゴミが埋設されていた場合の撤去費用まで全て含まれた「瑕疵担保免責特約」が含まれていますから、その全てが実際にかかる「ごみ撤去費用」ではないのかもしれませんが。

そして、その免責特約まで含めた土地撤去費用を元々の評価額である1億3200万に加算した金額9億5100万円をこの土地の「評価額」とした・・・というのが最終的な土地評価額が決定した「真相」であったのではないか・・・という事を今回の音声データ報道内容より推察いたしました。


さて。それでは改めて森友学園における値引き金額「8億2000万円」は適正だったのでしょうか?
それとも安倍首相に「忖度」して値引きをしすぎていたのでしょうか?

結論から申しますと、今回の値引き金額など、別に何円でもよかったんじゃないか、というのが私の結論です。

そもそもこの8億2000万円という数字は、森友側が「新たなるゴミ」を発見などせず、仮に発見していたとしても現在そうしている様に撤去そのものを行わず、埋設されたまま工事を行っていれば出てくることのなかった金額です。森友が購入した「1億3200万円」という数字がそのままこの土地の評価金額となっていたのではないでしょうか?

もし仮に、森友側が自分たちが値引き交渉に使おうとした「新たなるゴミ」を土地購入後正式に撤去し、政府側見積もりを大幅に下回る金額でゴミの撤去をできた場合、きちんと整備までして売却した場合、その売買金額が仮に政府側が見積もった9億5000万円という金額通りに売却できたとすれば、その工事費と売却金額との差額は、確かに森友側の利益になります。

ですが、現在の様にその撤去すら行わず、放置したままの状態なのであれば、その価値は何時まで経っても1億3200万円という金額のままです。

政府はびた一文損はしていませんし、森友側は撤去工事を行っていない以上、この土地取得をめぐって何一つ利益を得てはいないのです。

そして、これは推測の域を出ませんが、8億2000万円という値引き金額は、別に「1億3200万円ありき」で算出されたものではなく、飽くまで瑕疵担保免責まで含めて正当に見積もられた結果、その金額が1億3200万円という現時点での土地の価値に加算され、「値引き金額」ではなく「土地評価額」の方が事後的に算出されたのではないかと推察されるわけです。

その上で8億2000万円という数字は、別に8億2000万円である必要はなく、別に7億円であろうが5億円であろうが、政府としては全く問題はなかった。

仮に7億円であれば土地評価額が8億5000万円に、5億であれば6億5000万円になっていた・・・という、ただそれだけの事だったのではないかと考えられます。

ただ一つ言えることは、池田統括官は、「新たなるゴミ」が出てきても、森友の要請に一切応じず、逆にその撤去費用を現在の土地評価額に加算する形で収束させた、極めて優秀な方であった、ということ。

寧ろマスコミが報じるべきなのは、この点なのではないかと私は思います。
(※記事作成に数日かかりましたので、一部動画が既に削除されていますが、飽くまでこの動画を元に作成した記事ですので、削除後の動画画面も私の記事では削除せず、そのまま残しておきます。)

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