第340回 青山さん質疑-加戸守行前愛媛県知事証言と前川氏発言の矛盾など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第339回 青山さん質疑-加戸守行前愛媛県知事と前川氏/国会閉会中審査

前回記事を記してより大分時間が経過してしまいましたので、少しタイムリーな話題ではなくなってしまいましたが、改めて2017年7月10日に行われた閉会中審査で行われました、青山繁晴さんの質疑を通じまして、加戸前愛媛県知事の証言を踏まえて前川氏の発言の矛盾すする部分について記事にできればと思います。

また、同テーマに於いて先日この加計問題に関して私と反対の立場の意見を持つ方とSNS上で、とはいえ議論を行うことができましたので、その内容も踏まえて記事にしたいと思います。

今治城
今治城


加計学園に決まった経緯は強引であったのか?

私と議論した方は、きちんと私と反対側の立場から私と同じように、主にネットを通じて情報を集めていらっしゃった様ですから、逆に言えば「加計学園誘致に於いて問題があった」とする立場の方のご意見としてはとても参考になったと感じています。

議論は先ず、先方の「加計学園に決まった経緯が強引であった」とする記述に対して私が意見したところからスタートしました。

この件に関しまして、これは青山さんに対する証言ではなく、公明党の里見隆治参院議に対する証言で、加戸前愛媛県知事は以下のようなご発言をなされています。

後程ピックアップして掲載しますが、まずは里見議員の質問に対する加戸前愛媛県知事の最初の証言の部分を全文掲載したいと思います。
「獣医学部誘致に至ります間に、いくつかのことがございました。まず1つは、私が知事に着任しましたときに、今治市は新都市開発構想がありましたけれども、神棚に上がったままで動いていませんでした。私の最初の仕事として、今治市とタイアップして、新都市整備事業に取り組みまして。2つの地区がございまして、1つは商業産業地域、1つの地区は学園都市構想地域。今治に若者の街で学園都市ができないかということがありました。そして、これは地元大学の誘致などもございまして、話も進みかけましたが、話がポシャりまして、結局土地だけがあって、学園都市構想が宙に浮いた状態でありました。

 もう一つは私が知事に着任早々、鳥インフルエンザの問題、あるいはアメリカでの狂牛病の問題、(知事の)終わりの時期には口蹄疫の問題等々で、愛媛県で公務員獣医師、産業担当獣医師の数の少なさ、確保の困難さ、そして獣医大学部の偏在等々の状況。そしてアメリカの適切な対応などを見ながら、日本も遅れているなと思っていたときに、ちょうどたまたま加計学園が今治の新都市への進出という構想を持ってこられたので、渡りに船と、この獣医学部構想で取り組んでいただいて。単に獣医学部ということでなくて、アメリカに見習って、先端サイエンスなり、あるいは感染症対策なり全てが国際水準に負けないような新たな分野に取り組む獣医学部として、国際的にも恥ずかしくない拠点にもしたい。

 そして、国際的に通用する獣医師をということで、今申し上げましたとおり、新都市開発と若者の街、そして今治が国際的な獣医師の育成ということで飛躍できるのではないか。そして、愛媛の問題も含め、あらゆる一石二鳥、一石三鳥の思いでチャレンジをしようと決心をしたわけでありますけども。

 それが、堅い堅い岩盤規制に阻まれながらいろいろ勉強しつつ、あそこもだめか、これもだめかといいながら、しかし、日本の少なくとも私が見る限り、獣医学部は10年以前と今日まで変化しておりません。

 アメリカに、あるいはイギリス、ヨーロッパに10年遅れていると私は思います。10年の後れを取り戻す大切な時期だと、そんな思いできょう、参上させていただいたわけでありまして、そのことがらはそんな意味での地方再生、東京一極集中ではなくて、地方も頑張るんで地方も国際的拠点になり得るんだよと。そういうもののモデルケースとして、愛媛県の、今治の夢を託している事業であって、『加計ありき』と言いますけど、12年前から声をかけてくれたのは加計学園だけであります。

 私の方からも東京の有力な私学に声をかけました。来ていただけませんかと。けんもほろろでした。結局、愛媛県にとっては12年間加計ありきでまいりました。いまさら、1、2年の間で加計ありきではないのです。それは愛媛県の思いがこの加計学園の獣医学部に詰まっているからでもあります」

ピックアップしますと、加戸知事は「加計学園に決まった経緯」について、以下の様に掲載しています。

そういうもののモデルケースとして、愛媛県の、今治の夢を託している事業であって、『加計ありき』と言いますけど、12年前から声をかけてくれたのは加計学園だけであります。

 私の方からも東京の有力な私学に声をかけました。来ていただけませんかと。けんもほろろでした。結局、愛媛県にとっては12年間加計ありきでまいりました。いまさら、1、2年の間で加計ありきではないのです。

獣医学部新設校として、今治市が加計学園に決めたのは実に12年前の事であり、加戸愛媛県前知事の呼びかけに答えたのは唯一「加計学園だけであった」と証言しています。

この事を受け、私は「加計学園に決まった経緯が強引だ」とするには無理があるのではないか、と問いかけました。

これに対し、

今治の都市学園構想自体は昔からあり、今治市の経済発展のために高等教育施設をつくる、というところから始まったもので、最初から獣医学部が必要でずっと探していたのではない。

何か大学をつくるのに何がいいかというところで加計学園側から獣医学部を新設する提案があり、当時今治の県議会議員が加戸前知事に「獣医学部が良いのでは?」と話を持ちかけた様だ。

加戸前知事が12年間獣医学部を切望していたという証言に違和感を覚える

という趣旨のお答えをいただきました。

このお答えに対しては私としては2点の疑問があって、まずはその情報を一体どこから手に入れたのかということ。
もう一つはたとえそうであったとしても、今治市が誘致する大学を加計学園に決めた、という経緯は12年前に行われたものであり、だから「加計学園に決まった経緯は強引であった」ことにはならないのではないか、という疑問です。

最初のこの情報を一体どこから手に入れたのか、という内容に関しては、産経ニュースに掲載されている以下の愛媛県前知事インタビューを示していただきました。

愛媛県前知事インタビュー(産経ニュース)
 平成11年に知事に就任したとき、愛媛県今治市は都市再開発の構想が十何年も眠っていたままだった。知事に就任してすぐに旧建設省と住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)に要請し、12年から事業が始まった。

 今治市の構想は2地区あった。そのうち1地区は都市学園構想で高等教育機関を引っ張ってきて学生の街にしようというものだった。地元の松山大学が手を挙げて進めたが、経営学部の設置構想もできた段階で学内の左翼グループ教官の猛反対にあい、潰されてしまった。

 構想が宙に浮いたところで、今治市選出の本宮勇県議が「加計学園が大学を進出してもいいというが、今の天下の状況をみていたら獣医学なんかはどうでしょうか」という話を持ってきたから、飛びついたんだ。

 少子高齢化に悩む今治市にとってみれば、若者が来て、街が活性化すればよかった。ただ、愛媛県は学園都市よりも獣医学部が欲しかった。獣医師が欲しい、感染症対策をやってもらいたい、という思いだった。

 私の知事時代には鳥インフルエンザが発生し、米国では狂牛病が発生した。22年には口蹄(こうてい)疫が発生したが、獣医師が足りず大わらわだった。

 調べると、県庁への志望者が不足しているゆえに公務員獣医師を採用できない。そのため、鳥インフルエンザや狂牛病やらで獣医師が手いっぱいなのに人手が足りないのだ。

 しかも、愛媛県だけでなく、四国4県すべてがそうだった。定年の人にも定年延長して残ってもらって、悲鳴をあげている状態だ。農家が牛や豚が病気になったら頼りにする家畜衛生試験所の技師も獣医師だが、そこも人が埋まらない。

 調べてみたらなんてことはない。獣医学部の入学定員は、神奈川県以東が8割、岐阜県以西が2割となっている。私立大学のほとんどは東京にあり、圧倒的なシェアを持っている。

 だから、こっちで獣医学部を作るものなら、学生を奪われることになるから、「俺たちの縄張りを荒らされる」と反発するわけだ。

 国立大学はかなり充実した教育をしているが、1つの大学でも30人程度しか養成していない。獣医師不足を解消するには、獣医師をもって来る、しかも私立大をもって来るしかないとなった。

 加計学園の話が来て、四国4県の知事が連名で「四国に獣医学部を作ってくれ」「認可してくれ」と動いたわけだ。

文章が長くなりますので、前半部分のみを掲載します。

この記述の内、

今治市の構想は2地区あった。そのうち1地区は都市学園構想で高等教育機関を引っ張ってきて学生の街にしようというものだった。地元の松山大学が手を挙げて進めたが、経営学部の設置構想もできた段階で学内の左翼グループ教官の猛反対にあい、潰されてしまった。

構想が宙に浮いたところで、今治市選出の本宮勇県議が「加計学園が大学を進出してもいいというが、今の天下の状況をみていたら獣医学なんかはどうでしょうか」という話を持ってきたから、飛びついたんだ。

という部分を取り出して、「この話は加計学園側から持ち込まれたものであり、『加戸前知事が12年間獣医学部を切望していたという証言に違和感を覚える』とおっしゃっているわけです。

ですが、先ほど掲載した産経ニュースの内容では、以下の様に記事が続いています。
 少子高齢化に悩む今治市にとってみれば、若者が来て、街が活性化すればよかった。ただ、愛媛県は学園都市よりも獣医学部が欲しかった。獣医師が欲しい、感染症対策をやってもらいたい、という思いだった。

 私の知事時代には鳥インフルエンザが発生し、米国では狂牛病が発生した。22年には口蹄(こうてい)疫が発生したが、獣医師が足りず大わらわだった。

 調べると、県庁への志望者が不足しているゆえに公務員獣医師を採用できない。そのため、鳥インフルエンザや狂牛病やらで獣医師が手いっぱいなのに人手が足りないのだ。

 しかも、愛媛県だけでなく、四国4県すべてがそうだった。定年の人にも定年延長して残ってもらって、悲鳴をあげている状態だ。農家が牛や豚が病気になったら頼りにする家畜衛生試験所の技師も獣医師だが、そこも人が埋まらない。

確かに話を持ち込んだ「提案主体」は加計学園であったのかもしれませんが、現実問題として愛媛県をはじめとする四国4県では公務員獣医師が足りず、人手不足に陥っているという現状があった、ということを加戸さんはおっしゃっているわけです。

高齢化が進む「今治市」としては大学を市に誘致する目的として、「獣医学部かどうか」ということではなく、「大学が出来ることによって若者が今治市にやってきて、街が活性化すること」が目的であったわけですが、愛媛県としては今治市に大学ができて今治市が活性化するかどうかということよりも「獣医学部が新設されて『公務員獣医師』が充足されること」の方を求めていたわけです。

今治市のニーズと愛媛県のニーズが一致し、指導したのが「加計学園誘致」というプロジェクトでした。

この経緯だけ考えても今治市が国家戦略特区に認定され、その後加計学園が今治市に獣医学部を新設する事業者として決定するまでの経緯が「強引である」とする主張が「プロジェクト全体を見ず、一側面だけを見た意見」であるのかということが分かります。


「岩盤規制に穴をあけた」とされていることは
加計問題を正当化するための印象操作なのか?


上記内容について、私は、「獣医学部の新設・定員増を認めない」という文部科学省ないのルール(告示)に問題がある、ということをお示しした上で 第333回の記事 で掲載した獣医学部ホームページに掲載されてある内容を中心に

・「石破4条件」の内3つ目の条件が獣医学部によって無理やり加えられたものであり、そもそも「石破4条件」は獣医学部側にとってみれば、「今治市を国家戦略特区に認定させないための条件」であったこと。
・「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域 に限り」という内閣府側の条件に対して、獣医学部はむしろ「今治市が特区として認定されるためのハードルが引き下げられたと感じており、加計に引き続いて京都産業大学までもが認定されるのではないか、という危機感を覚えていたということ。
・「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域 に限り」という条件が付けられたことを受けて獣医学部は焦って「認定校は最低でも1校にすること」を内閣府に認めさせたということ。

をお示ししました。ところが、これに対して相手からは

「文部科学省や日本獣医師会が獣医学部の新設に反対していたのを国家戦略特区で穴を開けたとされていることに正論のような印象を与えていることに疑問がもたれている」

という回答が返ってきます。これに対して私は

「獣医学会の反対や文部科学省の規制により、昭和年41年以来約51年間にわたり、1校たりとも獣医学部の新設が認められてこなかった現状が正常である、と考えてるのか」

と問いかけます。


前川発言の最大の矛盾点

実は、私が相手の方に問いかけた質問とほぼ同じ内容の質問を青山さんは前川氏に対して投げかけています。
以下、引用します。

【青山氏質疑】
 文科省は、先ほど前川参考人がおっしゃった告示、これを西暦2003年に最初に、この件について出しております。

 で、この告示というのが、実は今日の部屋にいらっしゃる方はご存知であっても、一般国民は非常になじみが薄いものであって、法律でも政令でも省令でもなくて、いわば役所が出す、一種の、ま、命令というのは言いすぎかもしれませんけれども、相当な力を持ってるものを、役所が実は出すことができると。

 そういうものが存在してること自体、実はマスメディア、僕は元記者なので、えー、この告示のチェックまで正直やったことないです。ということは国民の方々がこの告示の実態に触れるのは、関係者になった時だけですね。

 で、したがって、この告示にまず注目せざるをえないんですけれども、その告示によって、これまさしく前川参考人がおっしゃったとおり、獣医師などの大学新設を事実上差し止める、告示が、2003年に出されました。

 えー、これは公平のために言っておくと、獣医師だけではなくて、お医者さま、歯医者さま、獣医師の方々、そして船員の方々、この4種についてですけれども、そういう差し止めが行われたわけです。で、この、ごめんなさい、2003年の告示の前からこういう姿勢だったですけれども、告示で改めて確認したということですから、そのために獣医師の大学、学部は、半世紀の間、実に新設されていないわけです。

 これに対して、いま加戸参考人がおっしゃった通り、愛媛県と今治市が共同で獣医学部を誘致し、加計学園だけがこれに応じたのが、告示の3年後の2007年です。ですからさっき加戸参考人は、10年の苦闘と。苦闘というお言葉ではありませんでしたけどもそういう趣旨でおっしゃったのは非常に正確な、時系列をおっしゃってます。

 その後8年間にわたって、加計学園だけではなくて、ここにいらっしゃるまさしく加戸さん、当時の愛媛県知事ら自治体の働きかけがあって、では、新しい需要があることなど、4つの条件を満たせば、国家戦略特区の中に獣医師の学校をつくって良しと、いう閣議決定がなされた。これが、一昨年の、2015年の6月30日です。

 で、この前年には、この国家戦略特区の基本方針がやはり閣議決定されていて、だから、どんな方も読むことができます。その中に、こういう趣旨があります。えー、これは先ほど、山本大臣(地方創生担当大臣)がおっしゃったことでもあると思いますけれども、あ、答弁は必要ないですが、えー、ある省庁が規制の緩和を困難とする場合には、その正当な理由を説明するのを義務とすると。

 これを、ま、難しい言葉だと、挙証責任と言ってるわけですけれども、そういう趣旨が盛り込まれました。そのために先ほど申しました4条件に基づいて文科省は、新しい需要が獣医師にあるのかないのか、2015年度末、えー、つまり、去年の3月31日までに説明する責任が実質的に生まれました。

 ところが文科省は、年度末までにそれができなかった。で、それを見てなのか、そこで新たに京都産業大学が名乗りを上げました。つまりちょうどその頃、2016年の3月です。

 しかし政府、この場合は安倍政権は、これをもって文科省のいわば敗北とはせずに、半年延ばして、2016年9月16日に、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングを行いました。この席で、文科省の課長補佐の方は、こうおっしゃった。

『新しい需要があるかないかという挙証責任は、大学、(これ言葉補ってますけど)、大学や学部を新設したいという側にある』と。

 これちょっと言葉を補いましたけども、要するに文科省にないってことをおっしゃったわけです。

 えー、ところがワーキンググループ側に、今日たとえば衆議院で、参考人でいらっしゃった原(英史)さんなどが、

『いや、文科省にある』と。

原さんの言葉、正確に言うと、逆さまになってると。

 むしろ挙証責任があるのは文科省の方なのに、逆さまに言ってるってことをおっしゃって(議場ざわ)、この、議事録を、どなたでも読めますから議事録を見ていただくと、このあとに文科省の反論は一切ないんです。ね。で、したがって、議論はそこで決着してしまっている。

 で、なぜ挙証責任が文科省にあるかといえば、これは大学や学部新設の許認可はすべて文科省が握っているからです。文科省も、それが分かっているから反論しなくて、いわばそれで決着してるわけです。もう一回申します。これ僕の推測とか、勝手な組み立てで申してるんじゃなくて、こういうものを、メディアも読み込んでいけば、本当は分かることです。

ちょっとごちゃごちゃしてわかりにくいかもしれませんが、記している内容は、前回の記事 で山本幸三地方創生担当大臣の発言を受けて、私がご説明した様な内容です。

例えば、「石破4条件」の3つ目、

「既存の大学・学部では対応が困難な場合」

という内容について、これまでは

 「既存の大学・学部では対応が困難」であることを申請する側が立証

する必要があったわけですが、「国家戦略特区」という仕組みの中では、

 「既存の大学・学部で対応することが可能」であることを、申請される側、今回であれば文部科学省が行わなければならない

ことを青山さんは説明しているわけです。これ以外にもたくさんの事を青山さんは前川氏に対して問いかけているわけですが、その内容も含めて青山さんは前川氏に対して、

 この経緯について、前川参考人にお尋ねします。ちょっと失礼な、物言いになることは許して下さい。そもそもこういった経緯について、現職の時に、こうやって国会にお出でになるような時の前に、詳細にご存知だったでしょうか

と問いかけます。これ(挙証責任に関する部分のみピックアップします)に対して、前川氏は以下の様に回答します。

【前川証言】
 日本再興戦略改訂2015でですね、えー、平成27年の6月に閣議決定された4条件てのがございます。

 これはやはり閣議決定でございますから、閣議決定である以上、政府部内にあるものは、何省であれ、何府であれですね、あるいは、特区諮問会議であれですね、これは内閣の一員として守らなければならないものだと思っています。で、この閣議決定の中でですね、4つの条件があるわけでありまして、文部科学省としてはこの4つの条件をやはり満たす必要があるということをずっと、ま、こだわったわけでありまして。

 えー、その第一は、現在の提案主体による、既存の獣医師養成でない構想が具体化すること。で、これは今治市からそういう構想が出てくるということを想定していたわけであります。で、今治市から確かに何らかの物は出てまいりました。これに対して文部科学省側は何と言ったか。

 あの、ワーキンググループの、おー、議事録をお読みいただければ分かりますけれども、文部科学省はそのひとつひとつにつきましてですね、えー、これは、既存の大学でできている、すでに取り組まれていることであると、ということを言っとります。で、それに対して、何ら反応はなかったわけであります。

 ですから、この、文部科学省としてはですね、この4条件に照らして、えー、この、今治市から出てきた提案は、この条件を満たすものではないと、いうことを主張はしておるわけでありますけれども、そこから先の議論になっていないわけであります。

 そこからあとは、もう、とにかく、決めると。4条件は満たしたと。誰かが決めてしまったと。ま、そういうことでありましてですね。文部科学省として、その、ワーキンググループで、満たしていないという主張はしていることは、お読みになれば分かります。

 で、これをもって、その、挙証責任うんぬんと言われるのはおかしい話でございますが、あの、まず、その政府内での議論のなかで、どちらが先に、その必要性を述べるかと。

 これは確かに、議論の順番として挙証責任をまずどちらに負わせるかということあるかもしれませんが、その結果としてですね、内閣府が勝った、文科省が負けた、だから国民に対しては、これをやるんだと説明すると。これでは国民に対する説明にはなりません。

 この挙証責任の在処(ありか)ということと、国民に対する説明責任とはまったく別物でありまして、国民に対する説明責任はやはり、政府一体として負わなければならないわけでありまして、えー、挙証責任があって、その議論に負けたから、文部科学省が説明するんだと、こういう議論にはならないはずであります

わかりますでしょうか?
「前川証言」の最大の矛盾点は、実はここにあるのです。

矛盾点というより、前川氏が「国家戦略特区」という仕組みそのものをまったく理解できていない、もしくは理解できていて完全に理解できていない振りをしているわけです。

冒頭で前川氏は、
「日本再興戦略改訂2015でですね、えー、平成27年の6月に閣議決定された4条件てのがございます」

と発言しています。これは、即ち「石破4条件」の事です。

この「石破4条件」について、前川氏は以下の様に発言しています。
これはやはり閣議決定でございますから、閣議決定である以上、政府部内にあるものは、何省であれ、何府であれですね、あるいは、特区諮問会議であれですね、これは内閣の一員として守らなければならないものだと思っています。

で、この閣議決定の中でですね、4つの条件があるわけでありまして、文部科学省としてはこの4つの条件をやはり満たす必要があるということをずっと、ま、こだわったわけでありまして。

賢明な方はもうお分かりですよね?

前川氏はこの「石破4条件」について、

「閣議決定である以上、政府部内にあるものは、何省であれ、何府であれですね、あるいは、特区諮問会議であれですね、これは内閣の一員として守らなければならない」

と発言しています。ですが、違いますね?
今回の「国家戦略特区」という仕組みにおいて、閣議決定された「石破4条件」とは、「内閣の一員として守らなければならないもの」ではなく、「担当する省庁が『その条件に適合しないことを証明しなければならない条件』」です。

第三条件である「既存の大学・学部では対応が困難な場合」という条件であれば、文科省側が「既存の大学・学部では対応が困難ではない」ということを証明する必要があるわけです。

いくら文科省側が「違う」と言い張ろうが、青山さんが述べている通り、その事実は既に「閣議決定」されており、議事録にも残されています。そして、図らずも前川氏が述べているとおり、そのことは閣議決定されたわけですから、「政府部内にあるものは、何省であれ、何府であれ」「内閣の一員として守らなければならない」のです。

前川さん、自分自身でおっしゃっていますね?
ものすごく矛盾した発言を自分自身で行っていることを前川氏は気づいていないわけです。もしくは気づいていてあえて気づいていないふりをしているのか。

この事を念頭に置いて「前川証言」をご一読いただくと、前川氏がいかにめちゃくちゃな事を言っているのかということをとてもよくご理解いただけると思います。

加計学園問題が、本来は全く問題がないはずなのに「問題であることにしたい」皆様方からは、この前提条件がごっそり欠落しています。私が議論した相手の方も然り。もちろん「マスコミ」も含めてです。

本当に議論しなければならないのは、この「国家戦略特区」における「挙証責任」という認定方法を前川氏の言う通り「行政がゆがめられた」と考えるのか、それとも加戸前愛媛県知事の言う通り「歪められた行政が正された」と考えるのか。すべてはこの一点に集約されるのです。

また、この発言の前に前川氏は以下の様にも発言しています。
私が、まあ、現職で文部科学省で仕事をしてるなかでもですね、見えない部分がたくさんございました。

どうして30年4月開学が、大前提なのかですね。ここについては、合理的な説明はどこにもございませんでして、結局は官邸の最高レベルが言っていること、あるいは総理のご意向であるというような説明しかなかったと、いうようなことがございまして、これはあの、内閣府の方で、ご説明いただかなければならない部分だろうと思いますけれども、文部科学省からはあずかり知らない部分はたくさんございますので、私が承知していないことは多々ございます。

曲がりなりにも前川氏は文部科学省の「事務次官」であった男です。

「事務次官」とは、ではどのような役職なのか。「朝日新聞掲載キーワード」によりますと、その役職は

 「1府11省の官僚(事務方)の最高ポスト」

とされています。つまり前川は「文部科学省」という省庁の官僚における頂点に位置していた人物なのです。
その、文部科学官僚のトップにいるはずの前川が、「私が承知していないことは多々ございます」ではあまりに情けなさすぎるのではないでしょうか?

「官邸の最高レベルが言っていること、あるいは総理のご意向である」という文言は、所謂「前川文書」に登場する文言ですが、既に私が 第331回の記事 でも述べていますように、これは全て文部科学省が「挙証責任」を期日までに果たせなかったことから今治市が国家戦略特区として認定された後の話。

総理のご意向はただ1点。

「今治市が国家戦略特区に認定された時点から最短の期間で今治市に国家戦略特区としての機能を持たせてほしい」

という、ただその1点のみです。


この後、相手の方の話題は「国家戦略特区を担う大学として加計学園が本当にふさわしいのか、今治市の未来を託す相手として本当に加計学園でいいのか」と言った話題へとシフトしていきます。

ここで考えなければならないのは、今治市に「獣医学部」としての機能を持たせたいのは今治市ではなく愛媛県であるということ。
今治市が加計学園に求めているのは国家戦略特区としての加計学園ではなく、今治市に若者を呼び寄せ、今治市に活気を取り戻させるための役割だということです。

加計学園が誘致される先は「イオン今治新都市」と呼ばれる、今年オープンしたばかりの大型の商業施設に隣接する地域です。
私としては、仮にイオンに隣接する地域に加計学園を誘致することに成功したとしても、それだけで今治市を活性化させることができると考えるのであれば、それはあまりに虫が良すぎる話だと思います。

せっかく加計学園を誘致するわけですから、その効果を今治市全体に波及させるのは加計学園ではなく、今治市や今治市に居住する今治市民の役割なのではないでしょうか?

安倍内閣の経済政策は、「頑張った人が報われる」ことを前提としています。今治市も、加戸前愛媛県知事も、「頑張った」んです。
だからこそこれに政府として最大限報いようとしたのが今回の「加計騒動」の正体です。

文句を言うことは簡単です。ですが、文句を言うだけでは何も建設的な結果は生まれません。
それよりも相手の事を受け入れ、受け入れた上で相手の考え方をもっとよくする提案を行う。

特に地方を発展させるために求められているのはそんな国民の在り方なのではないでしょうか?


しかし考えてみれば、「地方創生担当大臣」を務めていたはずの石破氏が、実は自分自身が担当するはずの「国家戦略特区」の考え方を全く理解できていないという・・・

これは前川氏以上に情けない話だと思いますね。

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