第339回 青山さん質疑-加戸守行前愛媛県知事と前川氏/国会閉会中審査など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>加計学園問題


先日、2017年7月10日、本カテゴリー名である「加計学園問題」をめぐり、与野党間の協議が成立し、「国会閉会中審査」が行われました。

さてこの問題ですが、そもそも一体何が「問題」なのでしょうか?

答えとしては実に簡単で、要は予算委員会中、安倍首相がこの加計問題に関して「もし私が関わっていれば責任を取りますよ」と発言したことが問題なんです。

賛同できない方もいらっしゃるかもしれませんが、この一言に尽きます。そして、首相がこの発言をしてしまったが為になんとしても安倍内閣を倒閣させたい野党陣、「民進」「共産」「自由」「社民」の4党と大手マスメディアは何とかして安倍首相が加計問題に関わっていたことにしようと、一部捏造まで含めて必死になっているのが現状です。

加えて閉会中審査が行われた7月2日に行われた東京都議選に於いて、自民党が都民ファーストに対して「大敗」したことから、ここぞとばかりに大手マスメディアがこれまでと態度を急変させ、明らかに「放送法第4条」に違反する報道を繰り返し、爪の先程の出来事でしかないことを、まるでこの世の終わりでもあるかのようにして報道し、私たちの様に普段ネットに触れる機会のない高齢者や主婦層を中心に必死に洗脳しようとしているのが現在のマスメディアです。


都議選に対する総括

タイトルとは少し話題がそれますが、冒頭に私なりの都議選に対する「総括」を述べておきます。
ポイントは3点。各政党の立候補者数と当選者数、そして「得票率」の3点です。

【東京都議選総括(候補者数→当選者数→得票率】
自民 60→23→22.53%
公明 23→23→13.13%
共産 37→19→13.83%
民進 23→5→6.90%
都民 50→49→33.68%
ネット 4→1→0.97%
維新 4→1→1.25%

無所属は省いています。今回に関しては、都民ファが強いことは事前に予測されていましたし、今回の33.68%という結果は想定内と言えるかもしれません。

ただ、問題にするべきなのは自民、公明、共産の3党を比較した内容です。
自民は確かに都民ファには10ポイント近く票差をあけられてしまいましたが、それでも公明・共産と比較すると9~10ポイント上回る得票率を獲得しています。

例えば公明党と共産党を比較した場合もそうなんですが、共産党は公明党よりも多く得票率を獲得していますが、当選者数は公明党を下回っています。

自民党にしても、公明党を9ポイント以上上回る得票率を稼ぎながら結果当選した人の数は公明党と同数なのです。

理由は簡単で、例えば公明や共産が一人しか候補者を立てていない選挙区で自民は二人立てていた為、得票数が分散し、結果として公明や共産に敗北した様な地域が多くあります。

東京都議連に関しては自民党そのものにも多く問題がありましたし、都民ファに大負けしたことそのものを反省することは必要ですが、結果論としてそれ以上に都議連そのものの戦略ミスの部分が大きかったのではないかと私は思っています。

ただ、これは「政治」ではなく完全に「政局」の問題ですから、本来ここを問題にすることもまた間違っている様に思います。
「都民ファ」というノイズが発生したことは仕方ありません。自民党と議連としては、今後に向けてまたじっくりと一から「信頼」を取り戻すよう地道な活動が求められるということなのでしょう。


報道されない加戸守行前愛媛県知事答弁

加戸さん

さて。問題はここからですね。
特に私は愛媛県出身者であり、現在も愛媛県に住んでいますから、加戸前知事への思い入れもおそらく他の都道府県の方に比べれば深いものがあると思っています。

奥さんと共に、母の職場等にもちょくちょく顔を見せていらっしゃった様ですし、愛媛マラソンのボランティアとして参加させていただいたときも、同じエリアを担当させていただき、本当にフランクな場でお話させていただいた経験もあります。

例えば現在の厚労大臣である塩崎さんも愛媛県松山の代表者ではありますが、「親近感」という意味でいえば加戸さんの方がより親近感を覚える存在です。加戸さん自身のフランクなお人柄もあるのだと思います。


さて。そんな加戸前愛媛県知事ですが、今回「加計学園問題」に関連した閉会中審査に於きまして、自由民主党参議院議員である青山繁晴さんに「参考人」として招致され、閉会中審査に於いて答弁を行いました。


私個人的には加戸前知事のスピーチがとても素晴らしいので、ここを中心に見ていただきたいとは思っているのですが、ですが、同じ情報を見るのであれば、加戸さんの発言のみを切り取ることはせず、青山さんのパートを一貫して、青山さん、加戸さん、そして前川氏の発言を比較する形で、一貫してご覧頂きたいと思いますので、私の考え方に沿った編集が行われている動画を掲載しています。

また、同じパートを文字起こししてくださっているサイトもありましたので、このサイトもご紹介します。

ぼやきくっくり時事ネタぼやきと番組書き起こし


動画だけ見ると、あたかも前川氏が非常に理路線然と青山さんの質疑に答えている様に聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんが、彼の発言の中には明らかな矛盾が幾つも登場します。例えば以下の部分です。

青山繁晴委員

「えー、前川参考人にお尋ねします。えー、あなた様におかれては、日本に獣医師の不足がないから、愛媛県今治市に加計学園が、新たに獣医師学部をつくることは、行政をゆがめることであるという趣旨で発言されていると思いますが、この、いま申し上げた実態はご存知なのでしょうか(議場ざわ)」

前川喜平参考人(前文科事務次官)

「えー、違います。あのー、えー、獣医学部の新設について、一律に申請を受け付けないという、ま、これは告示があるわけでございますが、その告示に対して特例を設けるかどうか、あるいは告示の撤廃を考えるかどうか、獣医学部の入学定員について、えー、定員管理をするというポリシーを捨てるか捨てないか、これは政策論議をすべき問題でありまして、それは、ま、国家戦略特区を舞台にして議論することもできるでしょうし、あるいは一般論として議論することもできます。で、この規制緩和をすべきかどうかという問題と、その規制緩和の結果として、加計学園に獣医学部の新設を認めるかどうかという問題とは、これは次元の違うことでございまして、私がゆがめられたと、いうふうに思っております部分というのは、規制緩和の結果として、加計学園だけに獣医学部の新設が認められるに至ったプロセスであります。その部分が問題であるし、不公平な部分があるんじゃないか、また不透明な部分があるんじゃないか、そこの解明が必要だというふうに考えてるところでございます」

上記部分で青山さんが言っている「この、いま申し上げた実態」とは、

【日本の家畜環境をめぐる現状】
・現在の日本では、鳥インフルエンザ、口蹄疫、そしてBSE、狂牛病という深刻な新しい危機が生まれている。

【議員となる前の青山さんの立場】
・加計学園をめぐる問題が、取り沙汰されるずっと以前から、民間の専門家のはしくれとして、自治体や政府と連携すべきは連携しつつ、動物ウイルスを扱う獣医師の不足に、私も直面してきた。

【獣医師をめぐる日本の現状】
・農水省によれば、全国3万9000人の獣医師のうち、ペット関連の医師の方々が39%と最も多くて、家畜の防疫や改良などを担う公務員獣医師はわずか9%。

・産業動物獣医師については、十分に確保できていない地域があることから、獣医学生に対して、地元に就職することを条件に、学資を貸与しており、このような地域は、産業動物獣医師の確保が困難である。

・こうした学資の貸与は、愛媛県では、9件あります。全国で3番目に多くなっている。(東京ではこうした貸与は一切ない)

青山さんは、この様な家畜・獣医師環境をめぐる日本の現状を知っているのか、と前川氏に問いかけました。

ところが、前川氏はこれに返答せず、この様に答えています。

 「違います」

と。彼は、青山さんの問いかけにおける前提条件が違う、と答えたのです。

その前提条件とは即ち、
あなた様におかれては、日本に獣医師の不足がないから、愛媛県今治市に加計学園が、新たに獣医師学部をつくることは、行政をゆがめることであるという趣旨で発言されていると思います

という前提条件です。

これがどう違うのかというと、前川氏はこのように答えます。
規制緩和をすべきかどうかという問題と、その規制緩和の結果として、加計学園に獣医学部の新設を認めるかどうかという問題とは、これは次元の違うことでございまして、私がゆがめられたと、いうふうに思っております部分というのは、規制緩和の結果として、加計学園だけに獣医学部の新設が認められるに至ったプロセスであります。

そして、青山さんが質問した部分に関しては以下の様に答えています。

獣医学部の新設について、一律に申請を受け付けないという、ま、これは告示があるわけでございますが、その告示に対して特例を設けるかどうか、あるいは告示の撤廃を考えるかどうか、獣医学部の入学定員について、えー、定員管理をするというポリシーを捨てるか捨てないか、これは政策論議をすべき問題でありまして、それは、ま、国家戦略特区を舞台にして議論することもできるでしょうし、あるいは一般論として議論することもできます。

ここで前川氏は「告示」という言葉を使っていますが、この「告示」とは、前川氏自身が述べている様に、「獣医学部の新設について、一律に申請を受け付けない」という、「法律」には記されていない、文部科学省独自の「ルール」の事です。

この「告示」は平成16年、文部科学省が独自に決めたもので、内容を見てみると単に学部の新設だけでなく、「定員増」すらも認めないとされている様です。

実は、今回安倍首相ら内閣府側が散々口にしている獣医学部の「岩盤規制」とは、即ちこの「告示」の事であり、この告示を打ち破ることにこそその目的はあったわけです。

告示が明確化されたのは平成15年ですが、これが「内規」として定められたのが昭和59年、最後に獣医学部が新設されたのは昭和41年の事です。


「国家戦略特区」と「地域創生」と「アベノミクス」

アベノミクスには「第一の矢」「第二の矢」「第三の矢」が用意されています。
「第一の矢さえあればよい」というマネタリストと「第三の矢はいらない」というケイジアンがいますが、私は「第三の矢」がなければアベノミクスが前に向いて進むことはない、と考えています。

実は、今回の獣医学部新設に関わる「国家戦略特区」とは、そもそもが「地域創生構想」の一環であり、これこそがまさにアベノミクスが想定している「第三の矢」の1種なのです。

私、自民党愛媛県連が主催する勉強会等にも参加してよくわかったのですが、改めて今回の閉会中審査を受けて、山本幸三地方創生担当大臣の説明などを聞いていて、より今回の「国家戦略特区」がイメージしているものを非常によく理解することができました。

国家戦略特区を含め、安倍内閣における「地方創生」の考え方は、

 「地方の事は地方が一番よくわかっている」

という考え方をしています。ですから、同じ「地方創生」でもそのやり方を上から政府が押し付けるのではなく、

 「地方から、積極的に提案して下さい」

という考え方をしています。地方から提案してもらって、これが良いものであれば、政府とすれば積極的に採用し、地方銀行が貸付を行える範囲の中で1/3助成金を出し、政府が支援する、という形を取っています。

今回の今治市獣医学部新設特区構想についても同じ考え方をしていて、地方が必要であるとする考え方を積極的に採用する為、納得のいくプランさえあれば、政府が「特例措置」として法改正を行い、その実現を可能とするわけです。

今治市獣医学部特区構想であれば、そのハードルとなっているのは文科省側の「告示」ですから、この告示「特例措置として」撤廃させるため、内閣府側から文科省側に、その「告示」を撤廃するべきではない、明確な立証を行う様求めました。

今治市特区として認められたのは、文科省側その明確な立証を行うことができなかった為、その「特例」が認められることとなった。これが今治市特区認定に至る一連の経緯です。

第333回の記事 でもお示ししました様に、これを阻止するため、獣医師会は当時地方創生担当大臣をになっていた石破茂氏に陳情し、

当時特区認定のための条件とされていた3条件に、獣医師会関わらなければ認定することができない(はずの)4条件目を強引にねじ込ませました。これが「石破4条件」なるものです。

【石破4条件】
①現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化
②ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになること
③既存の大学・学部では対応が困難な場合
④近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討

獣医師会側がねじ込ませた「4条件目」に該当するのは③の「既存の大学・学部では対応が困難な場合」という条件です。

この内容は、石破氏に要請し、実現させた経緯迄含めて 獣医師会のホームページ に記されています。

ですが、「国家戦略特区構想」としては、「既存の大学・学部で対応が可能である」という証明を文科省側が行う必要がありますから、担に「獣医師会が対応可能であると言っている」というだけでは通用しないわけです。

文科省側はこの証明を行うことができなかったんですね。その結果、今治市が獣医学部新設特区として認定され、今治市側に構想を提案した提案主体である「加計学園」を認定する経緯へと移ったわけです。


安倍内閣を後ろから狙撃した・・・と例えられる石破氏ですが、この様な経緯を考えると彼がなぜ獣医師会や野党、マスコミ側を擁護するような発言を繰り返すのか、理解できる気がします。

彼は地方創生大臣でありながら、そもそもの「国家戦略特区構想」を理解できていなかったわけです。
理解できていなかったか、もしくは反対であったか。

そして自分自身が獣医師会に説得されてねじ込んだ「条件」がまったく効果を発揮せず、今治市は特区として認定されてしまった、と。

青山さんと加戸さん、そして前川氏のやり取りをもう少し記事にする予定だったのですが、他の話題で記事が長くなってしまいましたので、本日記そうとしていた、特に「前川発言の矛盾」についての記事は次回に委ねたいと思います。


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