第332回 加計学園問題の真相2/アベノミクスと国家戦略特区など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

ランキングサイト

この記事のカテゴリー >>加計学園問題


<継承する記事>
第331回 加計学園問題の真実/報道されない今治市国家戦略特区認定日

しつこい様ですが、もう少しお付き合いください。

というのも、昨日開かれた前川前文科省事務次官の記者会見が昨日開かれましたので、ここについて言及しておきたいと思ったからです。


記者会見部分等を視聴していると、一見あたかも正当なことを彼が言っている様に感じてしまい、問題の本質部分を理解できていない人が聞くと簡単に騙されてしまいそうな内容になっています。

大枠の感想として、彼の会見内容はあたかも彼が民進党や自由党、共産党、社民党に人間であるかのような内容となっており、本来「加計学園問題」についての会見であるはずの内容が、まるで前期した野党4党の「代弁者」でもあるかのような、そのような内容となっていました。

共謀罪も、森友問題も、まして元TBS記者である山口敬之氏の問題など、まったく加計学園問題、もっと言えば獣医学部新設問題には関係のない話です。

山口氏の話題は、彼がマスコミ批判を行うための題材として挙げていたのですが、マスコミがあたかも政権よりになっているかのような、前川氏の個人的な感想(というより思想)を正当化する為の例として話題にしています。恐らく後日産経等で文字起こししたものが出てくるのではないか、と期待していますので、今回は私自身で文字起こしをするような作業は行いません。

非常に、酷い。

また彼は従来通り、この会見の中でも「特区の選定過程で『行政が歪められた』」というくくりの中で内閣府批判を行っていますが、彼が「証拠」として示している内容は全て特区の選定過程においてやり取りされた内容ではなく、今治市の特区選定後、大学設置認可に於ける内閣府と文科省のやり取りばかりです

「今治市が特区に認定された後のやり取り」が、どうして「特区選定過程で行政が歪められた」証拠となり得るのでしょうか?

そして、本来であれば既に今治市が特区に認定されているわけですから、「どこの大学が今治市に大学を新設するのか」ということをテーマにするべきはずなのに、なぜか今治市ではなく、特区に認定すらされていない「京都市」への新設が却下された京都産業大学と比較して、「京都産業大学ではなく加計学園が選ばれたのは行政がゆがめられた証拠である」と彼は主張しているのです。

以上記した様に、彼はなぜか加計問題について述べるべき会見の場で、冒頭からまるで「民進・自由・共産・社民」の代弁者であるかのように加計問題には全く関係のない政治的な主張を行い、「特区の選定過程」で行政がゆがめられたはずなのに、なぜか「今治市特区選定後」に獣医学部新設の意思を示した京都産業大学が却下されたことで「行政がゆがめられた」と主張しています。

内容としてはっきり言って矛盾だらけ。彼は政治的主張を行う前に先ずこの矛盾点についてきちんと説明すべきだと思います。


アベノミクスと国家戦略特区

さて。前置きが長くなりましたが、今回話題にしたいのは実は前述した内容ではありません。

前川氏の会見を耳にしていて感じた、「加計学園問題」の「本質」が今回のテーマとなっています。

前提として考えていただきたいのですが、皆さんは「アベノミクス」という言葉を覚えているでしょうか?

いや、覚えてるし・・・という言葉が多く聞こえてきそうですが、では現在この「アベノミクス」という言葉を意識している人はどのくらいいるでしょう? 実際、「あ、そういえばあったね、そんな言葉・・・」と感じた人も多いのではないでしょうか。

ですが、これは当然の事ですが、現在もまだ首相は安倍首相であり、安倍さんの経済政策の象徴ともいえる「アベノミクス」は現在も継続中です。具体的な動きが見えてきませんから、「本当にやっているの?」と思う人も多くいるかもしれませんが、確実に継続されています。


アベノミクス「三本の矢」

「アベノミクス」と言えば、「三本の矢」。皆さんご記憶の通りです。

勿論、途中から「新三本の矢」なるものが登場しましたから、現在はそちらがメインとはなっているわけですが、だからと言って従来の「三本の矢」が中止されたわけではありません。

改めて復習しますと、「アベノミクス三本の矢」とは、以下の通りです。

アベノミクス3本の矢
1.大胆な金融政策

2.機動的な財政政策

3.民間投資を喚起する成長戦略

よく話題になるのですが、

 A.「第一の矢が放たれたことは分かるが、第二の矢は何時放たれたのか分からない」

 B.「本当に必要なのは第二の矢であって、第三の矢は必要ない」

Aについては私も感じていましたし、実際アベノミクスに於ける「第二の矢」は非常にわかりにくいと思います。
ですが、Bについては、私は違う考えを持っています。

そもそも「機動的な財政出動」とは言いますが、では一体その「財政出動」は何のためにおこなわれるの、という問いに、第二の矢だけでは明確に答えることができていないからです。


本当に必要なのは第二の矢ではなく「第三の矢」である

安倍首相は、安倍内閣が設立された当初は、この「三本の矢」について、安倍さん自身でもきちんと理解できていなかったのではないかと私は思っています。特に、当初の彼のブレインの中には高橋洋一を筆頭とした「マネタリスト」が取り巻いていましたから、「第一の矢」と「第二の矢」の解釈すらマネタリストよりの、非常に歪んだ考え方となっていました。

「マネタリスト」は、元々「財政出動など必要がない、日銀が市場に資金を供給しさえすれば物価は上昇するんだ」という考え方をしていますし、今回でいえば第二の矢についても、「日銀が量的緩和を行うためには市場に国債が必要だ。国債が不足しては第一の矢が放てなくなるから政府は第二の矢を放ち続ける必要がある」という主張を行います。

ですが、本来の「第一の矢」と「第二の矢」の役割は全く逆で、「第二の矢」に関しては、「もし財源が不足するのなら、国債を発行してでもやる」必要があるもので、必ずしも「国債を発行する必要がある」わけではありません。

また、仮に「国債を発行する必要がある」と考える場合は、

 「金融市場に資金が滞留しており、金融市場から実体経済に資金が流動しない状態」

つまり

 「流動性の罠」

の状態に陥っている場合に

「政府が国債を発注し、銀行に国債を買わせることで、金融市場から現金を引き上げ、民間企業への『発注』という形で民間企業に現金通貨を流動させる」

為に行われる、と考えます。ですから、

「国債を発行する必要がある」と考える場合は、「金融市場が『流動性の罠』に陥っている」ことが前提

ですから、本来であれば「第一の矢」こそ放つ必要はない(放たずとも既に金融市場には現金通貨が有り余っている)、ということになります。

アベノミクスに於いて「第一の矢」が放たれたその最大の役割は、

 「思い切った経済政策を大胆に実行することで、『経済が動くのではないか』という期待感を市場に醸造すること」

つまり、

 「期待インフレ率を高めること」

にありました。ですが、この目的は既に達成されており、これが継続されている理由は唯一「期待インフレ率を維持する」ためだけにあります。

アベノミクスに於ける「第一の矢」の役割は本当はもう終わっているんです。
肝心な事は、実はこれに続く「第二の矢」、そして「第二の矢」に託されています。


「第二の矢」の役割、「第三の矢」の役割

ここからが本題です。
私がなぜ今回の「加計学園」の問題に、わざわざこの「アベノミクス」を持ってきたのか。

「第二の矢」とは、「機動的な財政出動」の事。「第三の矢」とは、「民間投資を喚起する成長戦略」の事。

賢明な方はもうお分かりかもしれませんね。実はこの「第二の矢」と「第三の矢」は同時に放たれる必要があるものです。

「第三の矢」とは、「機動的な財政出動」の事ですが、たとえ政府に潤沢に資金があり、「機動的な財政出動」が出来る状態にあったとしても、その潤沢な資金を一体何のために利用するのか。そのガイドラインがなければ第二の矢は放つことができません。

そして、その「ガイドライン=戦略」こそ「第三の矢」なのです。

「加計学園問題」において改めて日が当たることとなった「国家戦略特区」。実はこれこそが安倍内閣が放った「第三の矢」の一つ。

第86回の記事 に於きまして、私が参加した地元の勉強会で講師を務められた元総務大臣、新藤義孝さんの講義内容を記事にしました。

日本国全体で考えた場合、同じ「経済成長」と言っても、例えば東京や関東圏、大阪などの大都市でこの「経済成長」を実感できていたとしても、これを地方で実感することが出来なければ、本当の意味での「経済成長」ができたことにはなりません。

経済を成長させ、国民全体が「豊かさ」を実感できるようになるには、大都市部に於ける経済成長より、地方、特に過疎地域に於ける経済成長の方が大切です。そして、中央政府の考え方で地方経済を成長させようとしても、それは「押しつけ」にしかなりません。

だからこそ安倍内閣では、

「地元のことは地元が一番よくわかっている」と考え、中央政府が押し付けるのではなく、地方が自ら政策を考え、ぜひ中央政府に提案してほしい。政策を考えるためのお手伝いは政府がいくらでもやる。

経済を成長させるため、有効であると感じた場合は、その資金の一部を『地方銀行が融資できる範囲内』に於いて政府が負担する。だから良いアイデアがあれば地方からどんどん出してほしい」

との意向を地方に対して示していました。これこそが「地方創生プロジェクト」なのです。新藤さんは「せっかくこの様なプロジェクトがあるのに、地方は中々提案してこない」ともおっしゃっていました。

今治市は手を挙げたわけです。今治市の「国際水準の獣医学教育特区」構想とは、そんな政府のプロジェクトに賛同し、きちんと手を挙げて自ら意見をまとめて政府側に提案しました。だからこそこのプロジェクトは「政府と一緒にぜひやっていこう」と、賛同されたわけです。

【国家戦略特区一覧】
関西圏 医療等イノベーション拠点、チャレンジ人材支援
(大阪府,兵庫県,京都府)

養父市 中山間地農業の改革拠点

福岡市・北九州市 創業のための雇用改革拠点

沖縄県 国際観光拠点

新潟市 大規模農業の改革拠点

広島県・今治市 観光・教育・創業などの国際交流・ビックデータ活用特区
(・獣医学部の新設に係る認可の基準の特例が含まれています)

愛知県 「産業の担い手育成」のための教育・雇用・農業等の総合改革拠点

仙北市 「農林・医療の交流」のための改革拠点

仙台市 「女性活躍・社会起業」のための改革拠点

東京圏 国際ビジネス、イノベーションの拠点
(東京都,神奈川県,千葉県千葉市,成田市)

安倍内閣では、これだけの「国家戦略特区」が認定されています。声を上げたのは「地方」です。

もちろんこれは「国家戦略特区」の一覧であり、国家戦略特区以外にも同様の事例があります。

日本国経済を成長させ、中央と同様に地方を豊かにするため、政府が資金を負担し、支援するための事業がこの「国家戦略特区」です。ですから、本来は内閣府が今治市を特区として認定する前の段階で文科省は今治市と接触し、今治市に獣医学部新設に向けたハードルを取り除くためのレクチャを行い、一体となって事業計画立案の為に協力を行う必要があったはずです。

ですが、もろもろの課題が今治市が特区に認定された後で出てきているということは、今治市よりこの特区構想が提出された段階から文科省は今治市に対して非協力的であったことが予測されます。大学の設立が本当に平成30年4月30日の段階で難しいのであれば、その理由を特区として認定されるまでに洗い出し、今治市に対して提示する必要があったはずです。

今治市、内閣府、文科省の間で共通の認識があったのであればこんなことにはなっていないはずです。問題があるのなら、なぜ文科省はその課題を今治市が特区として認定される前におこなわなかったのでしょうか?

今治市が2007年から継続して加計学園と協力してこの獣医学部新設構想に着手していたことは文科省だってわかっていたはずです。今治市が獣医学部新設特区に申請した段階で、対象となる大学が加計学園となることも解っていたはずです。

であれば、特区認定後、加計学園がつつがなく今治市特区内に大学を設立できるよう協力するのが文科省の役割だったのではないでしょうか?


私は「経済」の視点から政治を見る癖がありますから、その視点から考えれば、これは「財政出動派」と「緊縮財政派」の間の争いです。

安倍内閣が「財政出動派」であることは言うまでもありません。歴代内閣でもこの財政出動政策を行った内閣は数えるほどしかありません。直近でいえば麻生内閣です。

麻生内閣や安倍内閣が「財政出動派」である以上、これらの内閣を潰したいと考える陣営は、当然「緊縮財政派」とならずるを得ません。また、麻生内閣時代に麻生さんの経済政策を批判しておきながら、民主党内閣なると突然財政出動政策を主張し始めた連中こそ「マネタリスト」たちです。

現安倍内閣は財政支出によって地方経済を発展させようとしていますから、安倍内閣を倒閣を狙う連中はこれを否定しようとします。今回の加計学園問題では、加計学園の認定過程にのみスポットが当たりましたから、一見するとその「公平性」が阻害されたことに問題がある様に演出されていますが、そうではありません。

安倍内閣は「熱意のある者」に財政が割かれる仕組みになっています。経済を発展させるために有益な提案を行った地域や企業、団体が優遇される仕組みになっているんです。

百歩譲って、努力もしようとしない人にまで分配しようとする政策が「公平」であると考えるのならまだ通用する理屈かもしれません。ですが、今回の加計学園問題に於ける文科省のやり方は、「熱意のある地域・団体が前向きにチャレンジすることを阻害する」やり方です。

熱意のある地域や団体が事業に取り組んだとしても、最初は課題も出てくるでしょうし、問題点も発生するかもしれません。ですが、やって見なければ課題も出なければ問題点も出てきません。

課題や問題点が出て来たのなら、その時に検証し、改善するのが本来の「国家戦略特区」の在り方なのではないでしょうか?

自らのプライドを大切にし、人が成長することを阻害しようとする組織が文部科学省なのであれば、いっそのこと文部科学省など解体し、別の組織に作り替えた方がよほど日本に取っては有益なのではないでしょうか?


このエントリーにお寄せ頂いたコメント

URL:
コメント:
 

スポンサードリンク

Copyright © 真実を問う!データから見る日本 All Rights Reserved.
ほったらかしでも稼げるFC2ブログテンプレート [PR]