第329回 テロ等準備罪(所謂共謀罪)関連法無事成立!など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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この記事のカテゴリー >>テロ等準備罪(所謂共謀罪)


さて。本日は2017年6月15日です。
タイトルにもございます通り、本日早朝、無事「テロ等準備罪関連法」が成立いたしました。

安倍首相

ただ、今回の成立、例えば同様の事例として、「特定秘密保護法」や「平和安全保障関連法」などの法律があり、これらの法律が成立した時には、例えば

「祝!特定秘密保護法成立」

 や、

「祝!平和安全保障関連法成立」

と言った名目でタイトルを銘打ったとしても、ここに何の違和感を感じることはないのですが、今回のテロ等準備罪に関しては、

「祝!テロ等準備罪関連法成立!」

とするには、若干違和感を覚えています。

というのも、第305回の記事 でもお伝えしました様に、今回成立したテロ等準備罪関連法=組織的犯罪処罰法改正法は、そもそもこの法律そのものを成立させることに目的があるのではなく、この法律成立させる事によって、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(略称国際組織犯罪防止条約/TOC条約/パレルモ条約)」へ加入することを目的とした法改正であるからです。

ちなみに、同改正案は以下リンク先より、
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案

同じく同条約を以下リンクより
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約

ご覧いただく事が出来ます。


法改正の目的

つまり、同法改正が行われただけでは、今回の目的としては片手落ち。同条約に加盟してこそ初めてこの法改正を成立させた目的が達成されることになります。

改正案の冒頭に、

第一条 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。

  第一条中「かんがみ」を「鑑み、並びに国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するため」に改める。

とあります。

今回の法改正の目的が、「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するため」におこなわれることが、条文でも明記されています。

日本以外の海外では、例え先進国であったとしても、日本とは異なり、実際に「テロ」の脅威に晒されていますから、今回の改正案よりもより明確であり、例えば日本の改正案では「内心の自由」にまで踏み込むことはしていませんが、海外ではこの「内心の自由」にまで踏み込んで取り決められている国もあるのだそうです。

これは先日参加した勉強会で教えてもらった事ではあるのですが、正直びっくりしました。
具体的に考えれば、ヨーロッパ等で、「ISに参加したい」と思っている人がいたとしたら、実際に加入する前の段階で摘発される、という様な趣旨ですね。

今回改正された日本の法律ではここまで厳格な法制度とはなっていません。


法改正の対象
また、今回改正された法制度の対象となる犯罪なのですが、これは以下の様に掲載されています。

イ 死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪

(ロに掲げる罪及び国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成三年法律第九十四号。以下「麻薬特例法」という。)第二条第二項各号に掲げる罪を除く。)
(  )内は理解しにくく感じるかもしれませんが、そうではない部分、即ち

 死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪

という部分は分かりやすいですね。つまり、死刑、または4年~無期の懲役・禁固刑に相当する罪が軒並み今回の処罰の対象となる罪に該当します。

では、これらの罪をどうすれば罰せられることになるのかというと、
第六条の二

次の各号に掲げる罪に当たる行為で、

テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者

は、

その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたとき

は、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、

テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、

又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、

若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者

も、

その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、

関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、

同項と同様とする。

とされてます。

第305回の記事 ではパレルモ条約側から記事を記しましたが、実際の法改正の内容はパレルモ条約よりはより具体的になっていますね。

まあ、「その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為」と記されていますので、具体的とは言いつつも、具体的事例に含まれていない部分がここに包括されている様には思えますが。


テロ等準備罪関連法への反対意見の矛盾点

さて。ここからが記事の本題です。

例えば、このテロ等準備罪関連法に反対する側の意見として、「この法律ではテロを防ぐことは出来ない」という意見を見たり聞いたりすることがあります。

ですが、そういう主張をする人に限って、「内心の自由が脅かされる」、または「通信が傍受される」といった主張を同時に行っています。

法改正の目的としては、パレルモ条約に加盟し、海外からテロ情報を手に入れることを目的としていますので、海外のテロ等準備罪関連法の内容に比較すると非常に緩いものとなっています。

この3つの条件を表記した時、一つの大きな矛盾点が浮かび上がってきます。

日本の法改正では、上記にあるような内心の自由が脅かされることはありませんし、警察からの令状なしで通信を傍受する様な事は先ずありえません。

ただ、私がここにこのように記したところで、「いや、そんなことわからないじゃないか、実際には・・・」という主張をする人はいるかもしれません。

ですが、反対派で、この様な主張をするということは、その人は今回の法改正によって「内心の自由が脅かされたり、通信が傍受されたりする恐れがある」と考えているわけです。心の中で「テロ組織に参加したい」と考えただけで逮捕されたり、SNS上でやり取りをするメッセージが監視されたり。

若しくは一般人で、犯罪には何の関係もないのに調査の対象とされ、逮捕されたり取り調べを受けたり、尾行されたりすることが発生する可能性がある、と考えているのです。

ですが、実際にこの法制度を運用し、本当にテロを未然に防ごうと思えば、実際の法律を更に厳しくし、反対派の面々が言っているようなことが本当にできる様にしてしまわなければ、本当にテロを未然に防ぐための法律とはなりえないと私も思います。

わかるでしょうか?
反対派は、この法律で実際に内心の自由が脅かされたり、一般人の通信を傍受することがこの法律によって可能になったりすることがないにも関わらず、これが可能になる、と主張しているわけです。

そして、同時に「こんな法律ではテロを防ぐことなどできない」とも主張しているのです。

非常に矛盾していますね?

彼らは「テロ等準備罪関連法など成立させてはいけない」と言っているのでしょうか?
それとも、「テロ等準備罪関連法をもっと厳しくするべきだ」と言っているのでしょうか?

ですが、もし本当に「テロ等準備罪関連法」を今より厳しくするのであれば、反対派の妄想の中にある

「内心の自由が脅かされたり、一般人の通信を傍受することがこの法律によって可能になる」

上に、更に法制度を厳しくする必要がある、という主張を彼らはしていることになるわけです。
意味が分かりませんね。


既に述べていますように、今回の法改正が行われた最大の理由は、日本がパレルモ条約に加盟することにあります。

加盟するための条件として

 「長期四年以上の自由を剥はく 奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為」



 「組織的に実行する為」



 「組織を作ったり、その実行を指示したり、手助けをしたり、誰かがその犯罪を実行するようにけしかけたり、援助したり、相談したりする」

ことを

 「犯罪とする」

ことが条約から求められているわけです。
ですので、これらの行為を犯罪とするための法改正が今回行われました。

条文にはこのようなことが記されているわけです。

そして、「別表」として「長期四年以上の自由を剥はく 奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為」に該当する犯罪には一体どのようなものがあるのか、ということを列挙しているのが今回の法改正に記されている内容になります。

野党が本来行うべき役割はこのような改正内容の構成を議会質問を通じて詳らかにし、国民にもわかりやすくすることにあるのではないでしょうか。その上で不足する部分やそれでもなお修正すべき箇所を指摘し、もしくは「日本がパレルモ条約に加盟すべきではない理由」を明確にし、反対するのであれば反対するのが本来の役割だと思います。

これを唯一行えていたのが日本維新の会のみであったことは本当に情けない話です。

また、同じ役割は野党だけでなく、マスコミにも求められていると思います。

ところが、今回の法改正において日本維新の会以外の野党やマスコミは、日本がパレルモ条約に加盟すべきではない理由を明確にすることもなく、ただ「長期四年以上の自由を剥はく 奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為に該当する犯罪」を列挙しているに過ぎない別表を闇雲に抽出し、あたかも

 「この法律が懲役4年以上の犯罪に含まれていることはおかしい!」

とでも主張した以下のような答弁を繰り返し、内容としては非常に単純でわかりやすい改正案を、あたかも複雑で理解しにくいものであるかのように誤ったイメージを国民に植え付け続けたのが今回の一連の顛末です。

それどころか、森友問題や加計問題などの、本来であれば何の違法性もない、問題をことさらに取り上げ、無駄に予算委員会質疑時間を費やし、議論することそのものを行おうとせず、条文を国民にとってわかりにくくするために邁進していたのが「民進」「共産」「自由」「社民」の野党4党です。

そして、そんな彼らの給料を支払うために私たちの貴重な時間が用いられ、あれほど企業の違法な残業を「ブラック」と叩きまくっている野党が、立て続けに不信任や問責決議案を提出し続け、職員たちに異常なほどのブラックな状態を敷いていたのが昨晩の顛末。

この様な政党が存在する価値など、本当にあるのでしょうか?
私には疑問でなりません。


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