第328回 2017年度(平成29年度)4月分CPIが伸び悩む理由など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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第326回 2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数が発表されました。

第326回の記事では、2017年度(平成29年度)4月分CPI(消費者物価指数)を全体から俯瞰(ふかん)した上で、「消費者物価指数(総合)」の内、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」が横ばいであること、そしてここから更に「持ち家の帰属家賃」の影響を除外して尚上昇していないことを理由に、今が「アベノミクスの正念場」であることをお伝えしました。

ただ、一般紙のニュースでは生鮮食品を除く総合(コアCPI)が前年比で上昇していることを理由に、

 「4月の全国消費者物価、0.3%上昇 4カ月連続プラス 」

というタイトルでの記事がほぼすべてでした。ですが、ここには「エネルギー物価の上昇」が含まれており、エネルギー物価の上昇は日本国経済に対してデメリットしか与えませんから、本来「エネルギー物価」を取り除いた数字で比較することが大切です。

その数字こそが「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」なのですが、このことをタイトルに上げ、記事の中心にしている一般紙はありません。取り上げていない、というわけではないのですが、余り着目されていない、ということです。

もし私が新聞記者であり、安倍内閣を叩きたいのであれば、今がまさにそのポイントで、タイトルとして全面的に取り上げていると思うのですが、そこは所詮マスコミ、というところでしょうか。


ただ、その理由として前回の記事では全体が伸び悩んではいるものの、特に「家具・家事用品」と「被服及び履物」が前年度割れしており、影響が大きいこと、そしてこれまで「物価の優等生」であった「被服及び履物」の物価下落はこれまで見られない状況であったため、特にこの「被服及び履物」の消費者物価について大きく取り上げました。

今回の記事では、もう一つ物価を伸び悩ませている理由、「家具・家事用品」について記事として取り上げてみたいと思います。


「家具・家庭用品」の消費者物価指数

【消費者物価指数(家具・家庭用品)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
家具・家事用品(ウェイト:348)
-0.9(-0.8)

 家庭用耐久財(ウェイト:111)
 -2.2(-1.6)▲0.6

 室内装備品(ウェイト:25)
 -3.8(-3.4)▲0.4

 寝具類(ウェイト:27)
 1.3(2.2)

 家事雑貨(ウェイト:72)
 1.4(1.4)

 家事用消耗品(ウェイト:86)
 -1.4(-2.3)

 家事サービス(27)
 0.1(0.1)

今回のタイトルにある、「2017年度(平成29年度)4月分CPIが伸び悩む理由」としては、前回記事にした「被服及び履物」の大幅な下落が最大の理由で、それ以外の項目に関しては今回記事にする「家具・家事用品」の物価下落よりも、その他の項目の「上昇幅の縮小」の方が理由としては大きいのですが、それでもこの「家具・家事用品」が下げ止まりさえすれば物価が持ち為す事も事実です。

今月の「家具・家事用品」の傾向としては、全体で-0.9から-0.8に前年同月比マイナス幅が縮小している形にはなります。
「家具・家事用品」を構成する6つの中分類品目の内、前年度割れを記録しているのは「家庭用耐久財」・「室内装備品」・「家事用消耗品」の3つ。

この内「室内装備品」に関しましては、消費増税が行われた増税年度を省き、平成6年以来継続して前年度割れを記録していますので、これは今月に起きている特色ではない、と考えますので、今回の対象からは省きます。ちなみに「室内装備品」の物価を大きく下落させている最大の理由は「照明器具」の-15.9%、カーペットの-0.5%です。

「家事用消耗品」に関してはトイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤類など、石油精製品の影響が大きく見られます。

ということで、毎度おなじみの様になりましたが、「家事用耐久財」の消費者物価指数です。

エアコン

【消費者物価指数(家事用耐久財)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
家庭用耐久財(ウェイト:111)
-2.2(-1.6)▲0.6

 家事用耐久財(ウェイト:57)
 -3.7(-3.8)

  電子レンジ(ウェイト:4)
  -14.9(-26.0)

  電気炊飯器(ウェイト:11)
  4.7(2.0)

  ガステーブル(ウェイト:3)
  4.2(3.0)

  電気冷蔵庫(ウェイト:16)
  -8.4(-5.5)▲2.9

  電気掃除機(ウェイト:9)
  12.6(12.0)

  電気洗濯機(全自動洗濯機)(ウェイト:7)
  -19.7(-18.4)▲1.3

  電気洗濯機(洗濯乾燥機)(ウェイト:7)
  -5.1(-2.1)▲3.0

  冷暖房用器具(ウェイト:37)
  -2.3(-0.4)▲1.9

   ルームエアコン(ウェイト:30)
   -3.1(-0.7)▲2.4

   温風ヒーター(4)
   -1.1(1.0)▲1.9

   空気清浄機(3)
   4.7(0.1)

  一般家具(18)
  2.7(2.9)

   整理だんす(5)
   2.3(3.2)

   食堂セット(9)
   3.5(3.3)

   食器戸棚(4)
   1.6(1.6)


全体を見てマイナス幅を拡大させているのは電気冷蔵庫、電気洗濯機(全自動洗濯機)、電気洗濯機(洗濯乾燥機)、冷暖房用器具の4項目。「ウェイト(=重要度)」を見ますと、冷蔵庫が16、全自動洗濯機が7、洗濯乾燥機が7、そして冷暖房用器具が37となっています。

特に「冷暖房用器具」の内、「ルームエアコン」は30。

こうしてみますと、2017年度4月の消費者物価指数を下落させたのは「ルームエアコン」そして「衣類」だということが分かりますね。

「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」から更に「持ち家の帰属家賃」の影響を除外して考えますと、3月の「生鮮食品及びエネルギー及び持ち家の帰属家賃を除く総合」が0.1%から4月は0.0%に、0.1%成長から横ばいへと縮小しているのではないか、と私は考えています。

で、その0.1%の伸び率を縮小させた最大の理由が「衣類」と「ルームエアコン」。共に「季節もの」を代表するような品目です。

勿論4月度の「家事用耐久財」全体の前年同月比が「-2.2」と大幅に下落しており、消費者物価全体に対してネガティブな要素となっていますから、ここが改善することで初めてアベノミクスの求める「物価上昇」は漸く現実味を帯びてくることとなります。

ただ、4月度の伸び悩みは、どうやら「季節もの品目」の買い渋り、もしくはクリアランスセール等の影響ではないかと推測されます。

それにしても「加計問題」で大騒ぎしていますがあれ、本当日本国にとってデメリットしかないと思います。
もっと大切な問題はたくさんあります。CPIを上昇させるためにもう一段階アクセルをふかすような「財政政策」もそろそろ必要になるのではないでしょうか。

エネルギー物価が上昇に転じている今、まさに絶好のタイミングだと思います。

そういった前向きな議論がまったくできない。もしくは「させない」ためにわざとやっているのかどうかは知りませんが、それにしても民進党の面々はいい加減にしてほしいですね。


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