第326回 2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数が発表されました。など、政治・経済を中心とした日常的な情報を、独自な視点で解析します。

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さて、いよいよ統計データも2016年度から2017年度へと年度替わりをいたしました。
本日は2017年6月5日なのですが、消費者物価指数が公表されたのは5月31日。5日遅れの記事になります。

消費者物価指数をみる際のおさらいですが、

1.消費者物価指数「総合」を見る際は、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」を見ること。
2.消費者物価指数「総合」を見る際は、「持家の帰属家賃及びエネルギーを除く総合」を合わせて参照すること。
3.「食料」は「生鮮食品を除く食料」の動向を見ること。
4.「住居」を見る際は「持家の帰属家を除く住居」を見ること。
5.「エネルギー価格」が含まれる項目(特に交通・通信)はエネルギー価格以外の物価にも着目すること。

この5原則を守ってデータを見る事が大切です。理由は 「物価」の見方 の過去記事をご参照ください。

それでは先ず「2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数」を「総合」と「十代費目別」でそれぞれ見てみます。


2017年度(平成29年度)4月分消費者物価指数
【消費者物価指数(総合)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
総合(ウェイト:10000)
0.2(0.3)

生鮮食品を除く総合(ウェイト:9586)
0.4 (0.2)

持家の帰属家賃を除く総合(ウェイト:8501)
0.5(0.3)

持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合(ウェイト:8087)
0.4(0.4)

生鮮食品及びエネルギーを除く総合(ウェイト:8802)
0.0 (-0.1)

こちらは、「総合」を構成する項目です。既にお伝えした様に、この中で私が一番大切にしたい指数は「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」です。

残念ながら前年同月比 0% と横ばいになっています。ただ、原則の2番目にありますように、この数字には「持家の帰属家賃」が含まれていますから、この「持家の帰属家賃」が含まれていない指数、即ち「持家の帰属家賃及び生鮮食品を除く総合」も参考にします。

そうしますと、その数値は0.4%とプラス成長していることが分かります。ただ、ここには今度は「エネルギー」が含まれていますので、できればエネルギーを除いたものも見てみたい・・・と私は常に思っています。

ちなみに、このイレギュラー項目である「持家の帰属家賃」と「エネルギー」は以下の通りです。

持ち家の帰属家賃(ウェイト:1499)
-0.3(-0.4)

エネルギー(ウェイト:784)
4.5(3.9)

改めてご説明いたしますと、「ウェイト」とは各項目の「重要度」の事。最大が「総合」の10000で、各項目がこの10000の内一体どの程度の重要度を占めているのか、という数字です。

持ち家の帰属家賃とエネルギーを比較しますと、エネルギーの方がウェイトは低いのですが、前年同月比で1.6%も増加しています。

一方持家の帰属家賃は4月も3月も前年度比でマイナスを記録していますが、4月は3月より0.1ポイント改善しています。

「総合」で見ますと、「生鮮食品を除く総合」が0.2%から0.4%と0.2ポイント改善していますが、ここからエネルギーを除いた値は-0.1から0.0%と、0.1ポイントの改善となっています。同じく「持家の帰属家賃」を除いた値は0.4%から0.4%と横ばい。

「生鮮食品を除く総合」の3月の前年同月比が0.2%、更にエネルギーを除いた値が-0.1ですから、3月の「総合」の内約0.3%がエネルギーによって占められていることになります。

一方4月を見てみますと、「生鮮食品を除く総合」の4月の前年同月比が0.4%、更にエネルギーを除いた値が0.0ですから、4月の「総合」の内約0.4%がエネルギーによって占められていることになります。

「生鮮食品を除く総合」から更に「持家に帰属する家賃」を除いた前年同月比が3月、4月とも0.4%ですから、ここからエネルギーによって占められていると考えられる割合を差し引くと「生鮮食品、エネルギー、及び持家に帰属する家賃を除く総合」は前年同月比0.1%から0.0%に下落しているのではないか・・・と推測することができます。

あくまでも非常にざっくりとした概算ですが。

安倍内閣、及び日銀が取り組んできた「アベノミクス」ですが、いよいよ正念場を迎えたのではないか、というのが私がこの月の消費者物価指数を見た現時点での印象です。

【消費者物価指数(10大費目別)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
食料 ウェイト:2623
0.9(0.5)

 生鮮食品 ウェイト:414
 1.8(-0.4)
 生鮮食品を除く食料 ウェイト:2209
  0.8(0.7)

住居 ウェイト:2087
-0.2(-0.2)

 持家の帰属家賃を除く住居 ウェイト:589
  0.1(0.2)

光熱・水道 ウェイト:745
0.9 (-0.8)

家具・家事用品 ウェイト:348
-0.9(-0.8)

被服及び履物 ウェイト:412
-0.1(0.6)

保健医療 ウェイト:430
0.2(0.5)

交通・通信 ウェイト:
0.3(0.2)

教育 ウェイト:316
0.7(1.0)

教養娯楽 ウェイト:989
0.6(0.7)

諸雑費 ウェイト:574
0.2(0.4)

軒並み、先月の前年同月比を下回っていますね。
勿論、実際に前年の実績を下回っているのは「家具・家庭用品」及び「被服及び履物」の2項目だけですから、実績として悪化している、とは言えないと思います。

これまで「物価の優等生」であり続けた「被服及び履物」がマイナスへと転じていることは一番大きな部分かもしれませんね。
では、この「被服及び履物」の項目を少し深堀してみます。

ファッション


被服及び履物の消費者物価指数

【消費者物価指数(被服及び履物)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
被服及び履物(ウェイト:412)
-0.1(0.6)

 衣料(ウェイト:174)
 -0.2(0.2)▲0.4

  和服(ウェイト:6)
  0.2(0.0)
  洋服(ウェイト:167)
  -0.2(0.2)▲0.4

 シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.7(1.0)▲1.7

  シャツ・セーター類(ウェイト:87)
  -1.2(0.9)▲2.1 
  下着類(ウェイト:36)
  0.5(1.1)

 履物類(ウェイト:58)
 0.5(1.1)

 他の被服(ウェイト:34)
 -0.2(-0.1)

 被服関連サービス(ウェイト:24)
 0.8(0.9)

見てみますと、被服及び履物の物価を大きく引き下げているのが「洋服」そして「シャツ・セーター類」の2項目であることが解ります。では、この項目をもう少し深堀してみましょう。

【消費者物価指数(洋服)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
洋服(ウェイト:167)
-0.2(0.2)▲0.4

 男子用洋服(ウェイト:51)
 0.3(0.1)

  背広服(春夏物,中級品)(ウェイト:6)
  1.2(2.4)
  背広服(春夏物,普通品)(ウェイト:4)
  2.3(0.5)
  背広服(秋冬物,中級品)(ウェイト:6)
  -3.8(-3.8)
  背広服(秋冬物,普通品)(ウェイト:4)
  1.0(1.0)

  男子用上着(ウェイト:7)
  1.0(1.0)

  男子用ズボン(春夏物)(ウェイト:7)
  0.4(-1.6)
  男子用ズボン(秋冬物)(ウェイト:6)
  1.4(1.4)
  男子用ズボン(ジーンズ)(ウェイト:2)
  1.2(1.4) 

  男子用コート(ウェイト:5)
  -1.6(-1.6)
  男子用学校制服(ウェイト:5)
  1.0(1.2)

 婦人用洋服(ウェイト:95)
 0.6(1.2)

  婦人用スーツ(春夏物,中級品)(ウェイト:6)
  -3.2(-3.6)
  婦人用スーツ(春夏物,普通品)(ウェイト:3)
  -0.2(0.4)
  婦人用スーツ(秋冬物,中級品)(ウェイト:4)
  0.9(0.9)
  婦人用スーツ(秋冬物,普通品)(ウェイト:3)
  4.0(4.0)

  ワンピース(春夏物)(ウェイト:7)
  -3.8(-0.4)▲3.4 
  ワンピース(秋冬物)(ウェイト:6)
  -0.6(-0.6)

  婦人用上着(ウェイト:11)
  6.7(10.1) 

  スカート(春夏物)(ウェイト:4)
  0.4(-1.5)
  スカート(秋冬物)(ウェイト:4)
  2.4(2.4)

  婦人用スラックス(秋冬物)(ウェイト:12)
  6.6(6.6)
  婦人用スラックス(ジーンズ)(ウェイト:16)
  -4.4(-4.6)

  婦人用コート(ウェイト:14)
  -0.3(0.3)

  女子用学校制服(ウェイト:5)
  2.1(2.3)

 子供用洋服(ウェイト:21)
 -5.4(-4.2)▲1.2 

 男児用ズボン(ウェイト:7)
 -5.5(-6.1)

 女児用スカート(ウェイト:11)
 -6.6(-4.3)▲2.3

 乳児服(ウェイト:3)
 -0.1(1.0)▲0.9

マイナス幅の大きな品目もありますが、3月のマイナス幅と比較する上で傾向として大きいのは、子ども向け洋服の物価が全体的に大きく値を下げているイメージがありますね。

私自身は子供服を買う機会がありませんので実感がありませんが、全体的に値段が下がる傾向があるのでしょうか?
別途調査が必要な分野なのかもしれません。この傾向は2年近く続いている様です。

「被服及び履物は物価の優等生」という印象が強かったですから、私のチェックしていなかった分野ですね。

【消費者物価指数(シャツ・セーター・下着類)の前年同月比】※( )内は2017年3月の前年同月比です。
シャツ・セーター・下着類(ウェイト:123)
 -0.7(1.0)▲1.7

 シャツ・セーター類(ウェイト:87)
 -1.2(0.9)▲1.3

  男子用シャツ・セーター類(ウェイト:26)
  0.7(1.9)

  婦人用シャツ・セーター類(ウェイト:54)
  -2.1(0.6)▲1.5

  ブラウス(長袖)(ウェイト:4)
  0.5(-0.5)▲1.5
  ブラウス(半袖)(ウェイト:7)
  -2.2(0.7)▲1.5
  婦人用Tシャツ(長袖)(ウェイト:10)
  -2.3(-0.8)▲1.5
  婦人用Tシャツ(半袖)(ウェイト:14)
  -2.2(0.6)▲2.8
  婦人用セーター(長袖)(ウェイト:15)
  -2.1(1.2)▲3.3
  婦人用セーター(半袖)(ウェイト:4)
  -3.5(2.7)▲6.2

 子供用シャツ・セーター類(ウェイト:7)
 -1.5(-0.1)▲-1.4

  子供用Tシャツ(長袖)(ウェイト:3)
  -1.8(-3.2)
  子供用Tシャツ(半袖)(ウェイト:3)
  -1.2(2.9)▲4.1

 下着類(ウェイト:123)(ウェイト:36)
 0.5(1.1)

  男子用下着類(ウェイト:123)
  1.3(2.2)
  婦人用下着類(ウェイト:123)
  -0.2(0.2)▲-0.4
  子供用下着類(ウェイト:123)
  1.8(2.2)

この項目を見ますと、特に女性用のシャツ・セーター類のマイナス幅が大きいですね。
季節の変わり目で、買い控えが起きている様にも見えますね。

季節特有の現象である可能性もありますので、5月、6月と引き続き動向を追いかけてみる必要はありそうです。
10大費目別の物価で、エネルギー関連を除けば軒並み上昇幅が減少している中ではありますが、特に4月の特徴としてこの「被服及び履物」の分野がもたらしている影響は大きいですから。

次回記事では、もう一つ物価を下落させているポイントである、「家具・家事用品」について調査してみたいと思います。
何となく結果は見えてますけどね。


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